JP2007285224A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部に潤滑油を溜めることなく吐出室内の限られた空間で効率良く冷媒ガスから潤滑油を分離することができる油分離機を備える気体圧縮機を提供する。
【解決手段】潤滑油が混入した圧縮気体を吐出室29に吐出する圧縮機本体12と、圧縮気体から潤滑油を分離する油分離機50とを備える気体圧縮機10である。油分離機50は、筒状の網部材からなる油分離フィルタ52と、油分離フィルタ52を保持し圧縮機本体12の吐出室29に臨む壁部に取り付けられる保持部材51とを有し、保持部材51には、開放窓(59)を経て吐出室29に連通された保持孔57と、圧縮機本体12からの圧縮気体を保持孔57へと導く吐出気体案内路60とが設けられ、油分離フィルタ52を収容した状態で保持孔57の開放端57cを塞ぐように取り付けられる蓋部53には、保持孔57と吐出室29とを連通する少なくとも1つの貫通孔62が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、冷房システムの冷媒ガスの圧縮に用いられる気体圧縮機に関し、特に、取り入れた気体を圧縮する圧縮機本体が潤滑油の供給下で作動する気体圧縮機に関する。
気体圧縮機は、例えば、冷房システムに用いられ、冷房システムを循環する冷却媒体の循環経路を構成する。気体圧縮機では、圧縮機本体が気体状の冷却媒体すなわち冷媒ガスをハウジングに設けられた吸入ポートから吸入室を経て吸入し、この吸入した冷媒ガスを圧縮し、圧縮した冷媒ガスをハウジングの内方に形成され吐出ポートと連通する吐出室に吐出する。気体圧縮機は、吐出室に吐出された冷媒ガスを吐出ポートからハウジングの外部へ排出することにより、気体圧縮機は循環経路の一部を構成している。
圧縮機本体には、その円滑な作動を得るために潤滑油が供給されている。この潤滑油の一部は、圧縮機本体により圧縮された冷媒ガスに混ざり込む。この潤滑油を冷媒ガスから分離するために、気体圧縮機には圧縮機本体から吐出室に至る風路上に油分離機が設けられている。冷媒ガスに含まれる潤滑油は、油分離機を通過することにより冷媒ガスから分離されて吐出室に溜められる。この潤滑油は、吐出室に吐出された圧縮気体の圧力により、吐出室と圧縮機本体とを連通する油供給路を経て圧縮機本体に供給される。
上記した油分離機では、吐出された冷媒ガスが通過される油分離フィルタと、油分離フィルタを保持し圧縮機本体の吐出室に臨む壁部に取り付けられた保持部材とを有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。このものでは、保持部材に一端開放の円柱状の保持孔が設けられ、保持孔にはその軸線方向で見た中間位置の壁面に開放窓が設けられ、この開放窓を経て保持孔と吐出室とが連通されている。油分離フィルタは、筒状の網部材で形成され保持部材の保持孔に開放端から挿入されて保持孔に収容されている。この収容状態で、保持部材には、保持孔の開放端を塞ぐように蓋部が取り付けられる。このため、油分離フィルタは、外周面の一部が開放窓から吐出室に露出されかつ両端部が保持孔に嵌入された状態で保持部材に保持されている。また、保持部材には、圧縮機本体から吐出される冷媒ガスを保持孔内で渦巻くように保持孔へと導く吐出気体案内路が設けられている。
この油分離機では、圧縮機本体から吐出される際の冷媒ガスの吐出流を利用して、冷媒ガスが保持孔すなわち油分離フィルタ内で渦巻くことにより、冷媒ガスに含まれる潤滑油に遠心力が働いて冷媒ガスから分離されると共に、冷媒ガスがサイクロンブロック内を流れる際、網部材である油分離フィルタを通過することにより潤滑油が油分離フィルタに捕獲されるので冷媒ガスから潤滑油が分離される。このため、この油分離機では、吐出室内の限られた空間で効率良く冷媒ガスから潤滑油を分離することができる。
特開2002−250289号公報
しかしながら、上記した油分離機では、油分離フィルタの両端部が保持孔に嵌入されて油分離フィルタが保持部材に保持されているので、油分離機における圧縮機本体から吐出室への冷媒ガスの風路を構成する個所に面する位置に2つの受入凹部が形成されることとなる。このため、両受入凹部の内、下方に位置する受入凹部には、冷媒ガスから分離された潤滑油の一部が溜まってしまう。
この受入凹部に溜まった潤滑油は、圧縮機本体から吐出室および吐出ポートを経てハウジングの外部へと排出される冷媒ガスにより気体圧縮機から持ち出され、冷房システムの循環経路を循環されてしまう虞がある。冷房システムでは、循環経路を潤滑油が循環されると動作効率が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、内部に潤滑油を溜めることなく吐出室内の限られた空間で効率良く冷媒ガスから潤滑油を分離することができる油分離機を備える気体圧縮機を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の気体圧縮機は、潤滑油の供給下で作動しかつ吸入室を経て吸入されしかも潤滑油が混入した気体を圧縮して吐出室へ向けて吐出する圧縮機本体と、前記吐出室に吐出される圧縮気体から前記潤滑油を分離するために前記吐出室に配設された油分離機とを備える気体圧縮機であって、前記油分離機は、筒状の網部材からなり圧縮気体から潤滑油を分離する油分離フィルタと、該油分離フィルタを保持し前記圧縮機本体の前記吐出室に臨む壁部に取り付けられる保持部材とを有し、該保持部材には、下端開放の円柱状を呈し軸線方向の中間位置に設けられた開放窓を経て前記吐出室に連通された保持孔と、前記圧縮機本体から吐出される圧縮気体を前記保持孔へと導く吐出気体案内路とが設けられ、かつ前記保持孔に前記油分離フィルタを収容した状態で前記保持孔の前記開放端を塞ぐように蓋部が取り付けられ、該蓋部には、前記保持孔と前記吐出室とを連通する少なくとも1つの貫通孔が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の気体圧縮機は、潤滑油の供給下で作動しかつ吸入室を経て吸入されしかも潤滑油が混入した気体を圧縮して吐出室へ向けて吐出する圧縮機本体と、前記吐出室に吐出される圧縮気体から前記潤滑油を分離するために前記吐出室に配設された油分離機とを備える気体圧縮機であって、前記油分離機は、筒状の網部材からなり圧縮気体から潤滑油を分離する油分離フィルタと、該油分離フィルタを保持し前記圧縮機本体の前記吐出室に臨む壁部に取り付けられる保持部材とを有し、該保持部材には、上端開放の円柱状を呈し軸線方向の中間位置に設けられた開放窓を経て前記吐出室に連通された保持孔と、前記圧縮機本体から吐出される圧縮気体を前記保持孔へと導く吐出気体案内路とが設けられ、かつ前記保持孔に前記油分離フィルタを収容した状態で前記保持孔の前記開放端を塞ぐように蓋部が取り付けられ、前記保持部材には、前記保持孔の下端に位置する個所で前記保持孔と前記吐出室とを連通する少なくとも1つの貫通孔が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の気体圧縮機は、請求項1または請求項2に記載の気体圧縮機において、前記圧縮機本体は、筒状のシリンダ本体と該シリンダ本体の両開放端を遮蔽する一対のサイドブロックとにより形成されるシリンダ室内にロータが配置され、該ロータの回転に伴ってベーンが前記シリンダ室の壁面を摺動すべく前記ベーンが前記ロータに保持され、前記ベーンによって前記シリンダ室内がその周方向へ区画され、これにより、前記ロータの回転に伴う前記ベーンの摺動によって圧縮すべき気体を吸入、圧縮および吐出すべく容積を増減するチャンバが形成されて構成されており、前記油分離機は、前記両サイドブロックのうち前記吐出室に臨む前記サイドブロックに取り付けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、保持部材の保持孔の開放された下端を塞ぐ蓋部には、少なくとも1つの貫通孔が設けられているため、両受入凹部のうち下方に位置する受入凹部は、下端に保持孔と吐出室とが連通されることとなり、受入凹部に侵入した潤滑油は各貫通孔を経て吐出室に排出されることとなるので、受入凹部に潤滑油が溜まることを防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、保持部材の上端が開放された保持孔の下端には、少なくとも1つの貫通孔が設けられているため、両受入凹部のうち下方に位置する受入凹部は、下端に保持孔と吐出室とが連通されることとなり、受入凹部に侵入した潤滑油は各貫通孔を経て吐出室に排出されることとなるので、受入凹部に潤滑油が溜まることを防止することができる。
本発明を図1ないし図6に示した実施例に沿って詳細に説明する。
図1は、冷房システムに用いられる気体圧縮機10の断面図である。
気体圧縮機10は、例えば、冷媒ガスの気化熱を利用して冷却を行なう冷房システムで気体状の冷却媒体すなわち冷媒ガスを圧縮するために用いられ、冷房システムの凝縮器、蒸発器等(図示せず。)と共に冷却媒体の循環経路を構成する。気体圧縮機10は、蒸発器から取り入れた冷媒ガスを圧縮し、この圧縮した冷媒ガスを凝縮器に供給する。
気体圧縮機10は、筒状のハウジング11と、圧縮機本体12と、伝達機構13とを備える。ハウジング11は、ハウジング本体11aとフロントハウジング11bとを有する。フロントハウジング11bは、ハウジング本体11aの一端側に取り付けられハウジング本体11aを気密的に閉塞している。圧縮機本体12は、ハウジング11に収容されており、冷媒ガスを圧縮する。伝達機構13は、フロントハウジング11bに取り付けられており、駆動源(図示せず。)からの駆動力を圧縮機本体12に伝える。
圧縮機本体12は、断面が楕円形状を呈し両端開放の筒状を呈するシリンダ本体14(図2参照。)と、シリンダ本体14の各開放端を閉塞するフロントサイドブロック15およびリアサイドブロック16とにより構成されている。これらによって冷媒ガスを圧縮するためのシリンダ室17(図2参照。)が形成されている。
シリンダ室17には、円柱形状のロータ18が収容されている。ロータ18は回転軸19を有する。回転軸19は、両サイドブロック15、16の軸受部15a、16a(図1参照。)に回転可能に支持されている。回転軸19に伝達機構13から駆動力が伝達される。これによりロータ18は回転される。
ロータ18には、複数のベーン20がそれぞれスリット溝21に進退可能に保持されている。各ベーン20は、ロータ18の回転方向に沿ってシリンダ室17を複数のチャンバ22に区画するために設けられている。フロントサイドブロック15およびリアサイドブロック16には、それぞれ油貯め用の一対の凹所15b、凹所16b(図1参照。)が形成されている。各スリット溝21には、両凹所15b、16bから潤滑油が供給される。このため、各ベーン20は、両凹所15b、16bから各スリット溝21に供給される潤滑油の圧力とロータ18の回転により各ベーン20に作用する遠心力とを受け、先端がシリンダ本体14の内周壁面14aに当接する。各チャンバ22は、ロータ18の回転に伴って容積が増減し、容積の増加する領域では吸入空間として機能し、容積の減少する領域では圧縮空間として機能する。
各チャンバ22は、図1に示すように、ハウジング11に設けられた吸入ポート23、吸入室24およびフロントサイドブロック15に設けられた吸入孔25を経て冷媒ガスを取り入れる。各チャンバ22は、図2に示すように、圧縮した冷媒ガスを一対の吐出孔26からそれぞれに対応する吐出チャンバ27に吐出する。各吐出孔26には、逆止弁としての吐出弁機構28が設けられている。各吐出弁機構28は、吐出孔26を開閉するための撓み変形可能な弁体28aと、この弁体の撓み量を規制する弁サポート28bとを有する。
リアサイドブロック16には、両吐出チャンバ27から吐出室29へ延在する吐出通路30が形成されている。吐出室29は、ハウジング本体11aの他端部とリアサイドブロック16とにより区画されてハウジング11内に形成されている。
リアサイドブロック16には、図1に示すように、冷媒ガスから潤滑油を分離するサイクロンブロック50が取り付けられる。サイクロンブロック50は、後述するように、各チャンバ22から吐出され吐出通路30を経て吐出室29に向かう冷媒ガスを内方に導き入れて通過させることにより、吐出室29に吐出される冷媒ガスから潤滑油を分離する。各吐出チャンバ27の冷媒ガスは、吐出通路30、サイクロンブロック50を経て吐出室29に吐出される。この冷媒ガスは、吐出室29に貯留され、ハウジング11に設けられた吐出ポート31を経て凝縮器(図示せず。)へ供給される。サイクロンブロック50により冷媒ガスから分離された潤滑油は、吐出室29の下方に溜められる。
さらに、吐出室29の潤滑油を圧縮機本体12の各部材間に供給するための油供給路32が設けられている。油供給路32は、シリンダ本体14および両サイドブロック15、16に形成された油供給路部32a、32b、32cからなる。油供給路部32cは、リアサイドブロック16の下端縁部で吐出室29に開放している。吐出室29の潤滑油は、吐出室29の冷媒ガスの圧力により、油供給路32を経て圧縮機本体12の各部材間に供給される。この潤滑油の一部は、ロータ18の回転軸19とそれを支持する軸受部15a、16aとの間を経て、両サイドブロック15、16の両凹所15b、16bに至る。
本発明に係る気体圧縮機10では、サイクロンブロック50が従来のものと異なる構成とされている。このサイクロンブロック50の構成を以下で詳細に説明する。
サイクロンブロック50は、保持部材51と、油分離フィルタ52と、蓋部53とを有する。
保持部材51は、圧縮機本体12の吐出室29に臨む壁部を構成するリアサイドブロック16に取り付けられている。保持部材51は、略平板状の板状部54と、そこから直交する方向に突起する突起部55とを有する。
板状部54は、リアサイドブロック16に面で当接されてボルト56(図1参照。)がリアサイドブロック16に螺合されることにより、リアサイドブロック16に固定される。
突起部55は、本実施例では、上方突起部分55aと下方突起部分55bと上下方向に間隔を置いて設けられている。このため、上方突起部分55aと下方突起部分55bとの間には、対向空間59が形成されている。突起部55には、円柱形状を呈する一対の保持孔57が穿孔されて形成されている。両保持孔57は、気体圧縮機10が設置された際に軸線方向が鉛直方向となるように並列して設けられている。両保持孔57は、本実施例では、下方突起部分55bの下端側から下方突起部分55bおよび上方突起部分55aを同心上で穿孔して形成されており、下方突起部分55bを貫通しかつ上方突起部分55aの中間位置まで延在されている。このため、両保持孔57は、対向空間59を介在させて、上方突起部分55aに形成された上端保持孔部57aと、下方突起部分55bに形成された下端保持孔部57bとを有する構成とされている。
この対向空間59は、保持部材51が吐出室29に設けられていることから両保持孔57と吐出室29とを連通させており、両保持孔57を吐出室29に開放する開放窓となる。
また、保持部材51には、一対の吐出気体案内路60が設けられている。各吐出気体案内路60は、対を為す吐出通路30(図2参照。)に対応して設けられており、各吐出通路30を経て各吐出チャンバ27に通じている。各吐出気体案内路60は、本実施例では、各吐出通路30とそれぞれに対応する保持孔57とを連通すべく水平方向に延在する直方体形状を呈しており、板状部54を貫通する貫通孔部60aと、突起部55の下端保持孔部57bの下端を開放して延在する溝部60bとからなる。各吐出気体案内路60は、本実施例では、吐出通路30から吐出された冷媒ガスの吐出流を利用して、冷媒ガスが各保持孔57内でその内周面に沿う渦巻き状の流れを形成することができるように、各保持孔57に接続されている。
油分離フィルタ52は、吐出された冷媒ガスから潤滑油を分離すべく筒状の金網部材で構成されており、各保持孔57に1つずつ挿入される。油分離フィルタ52は、図4に示すように、保持孔57に適合する大きさ寸法とされており、上端部52aが上端保持孔部57aに嵌入され、かつ下端部52bが下端保持孔部57bに嵌入されて、保持孔57に収容される。この収容状態で、油分離フィルタ52は、開放窓となる対向空間59から吐出室29に露出されている。
蓋部53は、各油分離フィルタ52が各保持孔57に収容された状態の保持部材51の突起部55の下方突起部分55bの下端に取り付けられる。蓋部53は、鉛直方向から見て下方突起部分55bの下端に略等しい形状の板部材であり(図3参照。)、ボルト61により突起部55の下端に取り付けられて各保持孔57の開放端57cおよび各吐出気体案内路60の溝部60bの開放端を塞ぐ。
このため、上端保持孔部57aおよび下端保持孔部57bは、圧縮機本体12から吐出される冷媒ガスが油分離フィルタ52を通過させてから吐出室29に至るように形成された風路に面する受入凹部を形成することとなる。ここで、下端保持孔部57bにより形成された受入凹部63は、上端が開放された器状となってしまう。従来の気体圧縮機では、この受入凹部(63)に潤滑油が溜まってしまうので、サイクロンブロック内を通過する冷媒ガスが受入凹部(63)から潤滑油を連行し、ハウジングの外部まで持ち出されて冷房システムの循環経路を循環され、冷房システムの動作効率を低下させる虞がある。
これに対し、本発明の気体圧縮機10では、サイクロンブロック50の蓋部53に貫通孔62が設けられている。貫通孔62は、本実施例では、各保持孔57に対応して1個ずつ設けられており、各保持孔57(各油分離フィルタ52)と同心とされた円柱形状を呈する。このため、各貫通孔62は、各保持孔57の下端で、各保持孔57と吐出室29とを連通させている。
気体圧縮機10では、伝達機構13を介して回転軸19に駆動力が伝達されると、圧縮機本体12では、ハウジング11の外部から吸入ポート23、吸入室24および吸入孔25を経て各チャンバ22に取り入れた冷媒ガスを圧縮し、圧縮した冷媒ガスを各吐出チャンバ27、吐出通路30、サイクロンブロック50を経て吐出室29に吐出する。吐出室29の冷媒ガスは、吐出ポート31を経てハウジング11の外部へと排出される。この際、気体圧縮機10では、各吐出チャンバ27から吐出される冷媒ガスに潤滑油が含まれているが、サイクロンブロック50を通過する際に、冷媒ガスから潤滑油が分離される。この潤滑油は、吐出室29の下方に貯められ、吐出室29の圧力により油供給路32を経て圧縮機本体12の内部の摺動個所および各スリット溝21に供給される。これにより、圧縮機本体12は、潤滑油の供給下で円滑に作動することができる。
前述した冷房システム(図示せず。)は、気体圧縮機10が凝縮器、蒸発器等(図示せず。)と共に冷却媒体の循環経路を構成し、冷媒ガスの気化熱を利用して冷却を行なうことができる。
特に、本発明に係る気体圧縮機10では、吐出室29から排出される冷媒ガスにより潤滑油がハウジング11の外部へ持ち出されることが抑制されているので、冷房システムの動作効率が低下することを抑制することができる。これは、次のことによる。
本発明に係る気体圧縮機10では、各チャンバ22で圧縮された冷媒ガスが、図4に示すように、リアサイドブロック16の吐出通路30から保持部材51の吐出気体案内路60を通り、油分離フィルタ52の網状部分を通過して保持孔57に案内される。冷媒ガスは、吐出気体案内路60と保持孔57との設定により、各保持孔57内で渦巻状の流れとされるので、混在された潤滑油に遠心力が働いて潤滑油が分離される。
また、冷媒ガスは、吐出気体案内路60から保持孔57内に至り、保持孔57内を流れ、保持孔57内からその開放窓となる対向空間59を経て吐出室29へと吐出される。すると、吐出気体案内路60から保持孔57内に移動する際、保持孔57内を移動する際、および保持孔57内から吐出室29へと移動する際に、油分離フィルタ52の網状部分を通過することとなるので、冷媒ガスに含まれる潤滑油が油分離フィルタ52に捕獲されて冷媒ガスから分離される。
分離された潤滑油の一部は、対向空間59から吐出室29の下方へと向かうこととなるが、残部は、油分離フィルタ52の下端部52bが嵌入され、蓋部53により開放端57cが遮蔽された保持孔57の下端保持孔部57bにより形成された受入凹部63に溜まろうとする。しかしながら、本発明の気体圧縮機10のサイクロンブロック50では、蓋部53に貫通孔62が設けられているので、受入凹部63に溜まろうとする潤滑油は貫通孔62から吐出室29に排出されることとなり、受入凹部63に潤滑油が溜まることはない。この受入凹部63は、サイクロンブロック50内で、圧縮機本体12から吐出される冷媒ガスが油分離フィルタ52を通過させてから吐出室29に至るように形成された風路に面することとなる。ところが、本発明の気体圧縮機10では、受入凹部63に潤滑油が溜まることが防止されているので、サイクロンブロック50内を通過する冷媒ガスが受入凹部63から潤滑油を連行し、ハウジング11の外部まで持ち出すことを防止することができる。これにより、冷房システムの動作効率が低下することを抑制することができる。
したがって、本発明に係る気体圧縮機10によれば、その油分離機が内部に潤滑油を溜めることなく吐出室内の限られた空間で効率良く冷媒ガスから潤滑油を分離することができる。
なお、上記した実施例では、貫通孔62は、保持孔57および油分離フィルタ52と同心上の単一の円柱形状のものが蓋部53に設けられていたが、受入凹部63に潤滑油が溜まることを防止できるものであれば、個数、大きさ寸法および設定位置等を適宜変更することができ、上記した実施例に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、油分離フィルタ52の内周面に沿って複数の貫通孔62´が設けられる構成であってもよい。
また、上記した実施例では、サイクロンブロック50の保持部材51に設けられた保持孔57が下端開放とされかつこの開放端57cを蓋部53で塞ぐ構成であったことから、貫通孔62が蓋部53に設けられていたが、上記した実施例に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、サイクロンブロック50´が上記した実施例とは上下反転されて構成されている場合、保持孔57´が上端開放とされるので、保持部材51´の保持孔57´の下端に位置する個所に貫通孔62´´を設けてもよい。この場合であっても、同様の効果を得ることができる。
上記した実施例では、内方が楕円形状を呈する筒状のシリンダ本体14の軸線上に回転軸線を持つようにロータ18が設けられた同心ロータ式の圧縮機に適用した例を示したが、取り入れた気体を圧縮する圧縮機本体が潤滑油の潤滑下で作動しかつ圧縮機本体から吐出される圧縮気体に含まれる潤滑油を分離する油分離機を有するものであれば、例えば、内方が円形状を呈する筒状のシリンダ本体の内側に、該シリンダ本体の軸線とは異なる回転軸線を持つようにロータが配置される偏心ロータ式の圧縮機に適用しても良く、上記した実施例に限定されるものではない。
本発明に係る気体圧縮機を模式的に示す断面図である。 図1に示したI―I線に沿って得られた断面図である。 サイクロンブロックを分解して示す模式的な斜視図である。 図3に示したII―II線に沿って得られた断面図である。 本発明に係る気体圧縮機のサイクロンブロックに設けられる貫通孔の他の例を示しており、保持孔の底面を上方から見た平面図である。 本発明に係る気体圧縮機のサイクロンブロックの他の例を示す図4と同様の断面図である。
符号の説明
10 気体圧縮機
12 圧縮機本体
14 シリンダ本体
14a 内周壁面
15 フロントサイドブロック
16 リアサイドブロック
17 シリンダ室
18 ロータ
20 ベーン
22 チャンバ
24 吸入室
50、50´ (油分離機としての)サイクロンブロック
51、51´ 保持部材
52、52´ 油分離フィルタ
53、53´ 蓋部
60、60´ 吐出気体案内路
62、62´ 貫通孔

Claims (3)

  1. 潤滑油の供給下で作動しかつ吸入室を経て吸入されしかも潤滑油が混入した気体を圧縮して吐出室へ向けて吐出する圧縮機本体と、前記吐出室に吐出される圧縮気体から前記潤滑油を分離するために前記吐出室に配設された油分離機とを備える気体圧縮機であって、
    前記油分離機は、筒状の網部材からなり圧縮気体から潤滑油を分離する油分離フィルタと、該油分離フィルタを保持し前記圧縮機本体の前記吐出室に臨む壁部に取り付けられる保持部材とを有し、
    該保持部材には、下端開放の円柱状を呈し軸線方向の中間位置に設けられた開放窓を経て前記吐出室に連通された保持孔と、前記圧縮機本体から吐出される圧縮気体を前記保持孔へと導く吐出気体案内路とが設けられ、かつ前記保持孔に前記油分離フィルタを収容した状態で前記保持孔の前記開放端を塞ぐように蓋部が取り付けられ、該蓋部には、前記保持孔と前記吐出室とを連通する少なくとも1つの貫通孔が設けられていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 潤滑油の供給下で作動しかつ吸入室を経て吸入されしかも潤滑油が混入した気体を圧縮して吐出室へ向けて吐出する圧縮機本体と、前記吐出室に吐出される圧縮気体から前記潤滑油を分離するために前記吐出室に配設された油分離機とを備える気体圧縮機であって、
    前記油分離機は、筒状の網部材からなり圧縮気体から潤滑油を分離する油分離フィルタと、該油分離フィルタを保持し前記圧縮機本体の前記吐出室に臨む壁部に取り付けられる保持部材とを有し、
    該保持部材には、上端開放の円柱状を呈し軸線方向の中間位置に設けられた開放窓を経て前記吐出室に連通された保持孔と、前記圧縮機本体から吐出される圧縮気体を前記保持孔へと導く吐出気体案内路とが設けられ、かつ前記保持孔に前記油分離フィルタを収容した状態で前記保持孔の前記開放端を塞ぐように蓋部が取り付けられ、前記保持部材には、前記保持孔の下端に位置する個所で前記保持孔と前記吐出室とを連通する少なくとも1つの貫通孔が設けられていることを特徴とする気体圧縮機。
  3. 前記圧縮機本体は、筒状のシリンダ本体と該シリンダ本体の両開放端を遮蔽する一対のサイドブロックとにより形成されるシリンダ室内にロータが配置され、該ロータの回転に伴ってベーンが前記シリンダ室の壁面を摺動すべく前記ベーンが前記ロータに保持され、前記ベーンによって前記シリンダ室内がその周方向へ区画され、これにより、前記ロータの回転に伴う前記ベーンの摺動によって圧縮すべき気体を吸入、圧縮および吐出すべく容積を増減するチャンバが形成されて構成されており、前記油分離機は、前記両サイドブロックのうち前記吐出室に臨む前記サイドブロックに取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気体圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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