JP2007284436A - 動物忌避剤及び忌避剤吸着体 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境に対する安全性に優れ、小型動物に対して優れた忌避効果を示すことができる動物忌避剤及び忌避剤吸着体を提供すること。
【解決手段】イヌやネコ等の小型動物に対する動物忌避剤である。動物忌避剤は、トラ、ライオン、又はヒョウ等の大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とする。抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、上記大型ネコ科動物の糞を抽出してなる。また、動物吸着剤を多孔性担体に吸着させてなる忌避剤吸着体である。
【選択図】なし
【解決手段】イヌやネコ等の小型動物に対する動物忌避剤である。動物忌避剤は、トラ、ライオン、又はヒョウ等の大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とする。抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、上記大型ネコ科動物の糞を抽出してなる。また、動物吸着剤を多孔性担体に吸着させてなる忌避剤吸着体である。
【選択図】なし
Description
本発明は、イヌやネコ等の小型動物に対する忌避剤及び該忌避剤を吸着させた忌避剤吸着体に関する。
近年、ペットブームによって、イヌやネコ等の小型動物をペットとする人が増え、人間と動物との生活がますます身近になってきた。ところが、ペット等の小型動物が飼育者の家やその隣家の玄関や庭先に排泄等をしたり、庭等に入り込んで荒らしたりするというトラブルが起こるようになってきた。また、室内で飼育している場合には、留守中などに飼育するペットがキッチンや寝室等を荒らしてしまうという問題があった。
また、イノシシ、サル、及びシカ等の野生動物が民家、田、畑等を荒らすという問題も発生している。
また、イノシシ、サル、及びシカ等の野生動物が民家、田、畑等を荒らすという問題も発生している。
そこで、これらの動物を特定の場所に近づけないようにするために、動物忌避剤が開発されている。具体的には、例えば特定の化合物(合生物)を忌避効果の主成分とするものが開発されている(特許文献1〜4参照)。
しかしながら、従来の忌避剤は、忌避効果が充分ではく、その効果にはばらつきがあった。即ち、同じイヌやネコ等の中でも、効果を示す場合と効果を示さない場合があり、比較的効果の個体差が大きいという問題があった。また、従来の忌避剤の中には、環境に対する有害性が問題になるものもあった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、環境に対する安全性に優れ、小型動物に対して優れた忌避効果を発揮することができる動物忌避剤及び忌避剤吸着体を提供しようとするものである。
第1の発明は、小型動物に対する動物忌避剤であって、
該動物忌避剤は、大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とし、
上記抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、上記大型ネコ科動物の糞を抽出してなることを特徴とする動物忌避剤にある(請求項1)。
該動物忌避剤は、大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とし、
上記抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、上記大型ネコ科動物の糞を抽出してなることを特徴とする動物忌避剤にある(請求項1)。
上記第1の発明の動物忌避剤は、上記のごとく、大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とする。
そのため、上記動物忌避剤は、幅広い種類の小型動物に対して忌避効果があり、該忌避効果の個体差もほとんどない。一般に、イヌやネコ等の小型動物は、大型ネコ科動物を本能的におそれる傾向があり、その排泄物から発生する匂いに反応し、近づこうとしない。上記動物忌避剤は、このような小型動物の特性を利用したものである。
また、上記動物忌避剤は、上記抽出成分を主成分とするため、糞や尿など排泄物よりもより優れた忌避効果を発揮できると共に、忌避効果の持続性にも優れている。
そのため、上記動物忌避剤は、幅広い種類の小型動物に対して忌避効果があり、該忌避効果の個体差もほとんどない。一般に、イヌやネコ等の小型動物は、大型ネコ科動物を本能的におそれる傾向があり、その排泄物から発生する匂いに反応し、近づこうとしない。上記動物忌避剤は、このような小型動物の特性を利用したものである。
また、上記動物忌避剤は、上記抽出成分を主成分とするため、糞や尿など排泄物よりもより優れた忌避効果を発揮できると共に、忌避効果の持続性にも優れている。
また、上記動物忌避剤は、動物の糞からの抽出物を主成分とする。そのため、自然環境に対する有害性はほとんどない。
また、上記動物忌避剤は、糞及び尿等の排泄物の中でも、糞からの抽出物を主成分としている。そのため、尿等に比べて、製造時に原料となる排泄物(糞)を採取することが容易である。
また、上記抽出物は、上記極性有機溶媒を主成分とする上記抽出溶媒で抽出してなる。そのため、上述のごとく優れた忌避効果を示すことができる。これに対し、ヘキサン、ベンゼン等のより極性の低い溶媒や無極性溶媒を用いた抽出では、上記忌避効果を有する抽出物を得ることができない。
また、上記動物忌避剤は、糞及び尿等の排泄物の中でも、糞からの抽出物を主成分としている。そのため、尿等に比べて、製造時に原料となる排泄物(糞)を採取することが容易である。
また、上記抽出物は、上記極性有機溶媒を主成分とする上記抽出溶媒で抽出してなる。そのため、上述のごとく優れた忌避効果を示すことができる。これに対し、ヘキサン、ベンゼン等のより極性の低い溶媒や無極性溶媒を用いた抽出では、上記忌避効果を有する抽出物を得ることができない。
このように、本発明によれば、環境に対する安全性に優れ、小型動物に対して優れた忌避効果を示すことができる動物忌避剤を提供することができる。
第2の発明は、上記第1の発明の上記動物忌避剤を多孔性担体に吸着させてなることを特徴とする忌避剤吸着体にある(請求項5)。
上記第2の発明の忌避剤吸着体は、上記第1の発明の動物忌避剤を多孔性担体に吸着させてなる。
そのため、上記忌避剤吸着体は、上記第1の発明の動物忌避剤の優れた忌避効果を発揮することができる。さらに、上記忌避剤吸着体においては、上記多孔性担体が上記動物忌避剤の空気中への速やかな拡散を抑制することができるため、より長期間忌避効果を持続させることができる。
上記忌避剤吸着体は、対象動物を近づけたくない場所に上記忌避剤吸着体を配置することにより忌避効果を発揮することができる。
そのため、上記忌避剤吸着体は、上記第1の発明の動物忌避剤の優れた忌避効果を発揮することができる。さらに、上記忌避剤吸着体においては、上記多孔性担体が上記動物忌避剤の空気中への速やかな拡散を抑制することができるため、より長期間忌避効果を持続させることができる。
上記忌避剤吸着体は、対象動物を近づけたくない場所に上記忌避剤吸着体を配置することにより忌避効果を発揮することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明の動物忌避剤は、イヌやネコ等の小型動物を一定範囲の場所から忌避させるために用いられる。また、上記動物忌避剤は、イヌやネコの他にも、イノシシ、サル、及びシカ等の小型動物に対しても忌避効果を示すことができる。
上記動物忌避剤は、対象となる上記小型動物が近寄って欲しくない場所に上記動物忌避剤を噴霧すること等により使用することができる。
本発明の動物忌避剤は、イヌやネコ等の小型動物を一定範囲の場所から忌避させるために用いられる。また、上記動物忌避剤は、イヌやネコの他にも、イノシシ、サル、及びシカ等の小型動物に対しても忌避効果を示すことができる。
上記動物忌避剤は、対象となる上記小型動物が近寄って欲しくない場所に上記動物忌避剤を噴霧すること等により使用することができる。
上記動物忌避剤は、上記大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とする。
上記大型ネコ科動物は、トラ、ライオン、又はヒョウであることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記動物忌避剤は、より幅広い種類の小型動物に対して、優れた忌避効果を示すことができる。
上記大型ネコ科動物は、トラ、ライオン、又はヒョウであることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記動物忌避剤は、より幅広い種類の小型動物に対して、優れた忌避効果を示すことができる。
また、上記抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、上記大型ネコ科動物の糞を抽出してなる。
上記極性有機溶媒は、メタノール、エタノール、及びアセトンから選ばれる1種以上であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記動物忌避剤の忌避効果をより向上させることができる。また、忌避効果の持続性を向上させることができる。より好ましくは、揮発性及び安全性に優れるという観点からエタノールがよい。
上記極性有機溶媒は、メタノール、エタノール、及びアセトンから選ばれる1種以上であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記動物忌避剤の忌避効果をより向上させることができる。また、忌避効果の持続性を向上させることができる。より好ましくは、揮発性及び安全性に優れるという観点からエタノールがよい。
また、上記大型ネコ科動物の糞100重量部に対して、上記抽出溶媒200〜5000重量部を用いて得られることが好ましい(請求項4)。
上記抽出溶媒の量が上記大型ネコ科動物の糞100重量部に対して、200重量部未満の場合には、抽出液の固液分離による回収効率が低下するおそれがある。一方、5000重量部を超える場合には、上記抽出物が希釈されすぎて忌避効果が弱くなるおそれがある。より好ましくは、上記抽出溶媒の量は、上記大型ネコ科動物の糞100重量部に対して、1000重量部〜2000重量部がよい。
上記抽出溶媒の量が上記大型ネコ科動物の糞100重量部に対して、200重量部未満の場合には、抽出液の固液分離による回収効率が低下するおそれがある。一方、5000重量部を超える場合には、上記抽出物が希釈されすぎて忌避効果が弱くなるおそれがある。より好ましくは、上記抽出溶媒の量は、上記大型ネコ科動物の糞100重量部に対して、1000重量部〜2000重量部がよい。
次に、上記忌避剤吸着体は、上記動物忌避剤を多孔性担体に吸着させてなる。
上記抽出物を吸着させる上記多孔性担体としては、例えばアンバーライト(XAD)、及びダイヤイオン(Hp)等の多孔性ポリマー樹脂、あるいは軟石、木炭、及びゼオライト等の天然多孔質素材等がある。
上記抽出物を吸着させる上記多孔性担体としては、例えばアンバーライト(XAD)、及びダイヤイオン(Hp)等の多孔性ポリマー樹脂、あるいは軟石、木炭、及びゼオライト等の天然多孔質素材等がある。
また、上記多孔性担体は、ホタテ貝殻の粉砕物からなることが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記動物忌避剤特有の匂いを緩和させることができると共に、上記忌避剤吸着体の忌避効果の持続性を向上させることができる。さらに、対人的な臭気を抑制することができる。
また、上記ホタテ貝殻の粉砕物としては、ホタテ貝殻を粉砕してなる粉末状の粉砕物を用いることもできるが、該粉砕物を焼成したものを用いることもできる。
この場合には、上記動物忌避剤特有の匂いを緩和させることができると共に、上記忌避剤吸着体の忌避効果の持続性を向上させることができる。さらに、対人的な臭気を抑制することができる。
また、上記ホタテ貝殻の粉砕物としては、ホタテ貝殻を粉砕してなる粉末状の粉砕物を用いることもできるが、該粉砕物を焼成したものを用いることもできる。
また、上記忌避剤吸着体は、サイクロデキストリンを含有することが好ましい。
この場合には、忌避効果をさらに向上させることができると共に、対人的臭気をより抑制することができる。
この場合には、忌避効果をさらに向上させることができると共に、対人的臭気をより抑制することができる。
上記忌避剤吸着体は、上記抽出溶媒によって上記大型ネコ科動物の糞を抽出して得られる上記動物忌避剤(上記抽出物)と、上記多孔性担体とを混和し、次いで抽出溶媒を蒸散させて得ることができる。上記抽出物と上記多孔性担体との混和の際には、例えば抽出物100重量部に対して多孔性担体を10重量部〜20重量部混和させることができる。
また、上記のごとく、サイクロデキストリンを含有させる場合には、上記動物忌避剤(上記抽出物)と上記多孔性担体との混和の際に、サイクロデキストリンを添加させることができる。サイクロデキストリンは、上記抽出物100重量部に対して例えば1重量部〜10重量部添加することができる。
また、上記のごとく、サイクロデキストリンを含有させる場合には、上記動物忌避剤(上記抽出物)と上記多孔性担体との混和の際に、サイクロデキストリンを添加させることができる。サイクロデキストリンは、上記抽出物100重量部に対して例えば1重量部〜10重量部添加することができる。
上記忌避剤吸着体は、例えば該忌避剤吸着体を密閉容器に入れ、該容器を使用時に開放させて用いることができる。
(実施例1)
次に、本発明の動物忌避剤の実施例について、説明する。
本例の動物忌避剤は、イヌやネコ等の小型動物に対する忌避剤である。動物忌避剤は、大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とする。この抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、大型ネコ科動物の糞を抽出してなる。
次に、本発明の動物忌避剤の実施例について、説明する。
本例の動物忌避剤は、イヌやネコ等の小型動物に対する忌避剤である。動物忌避剤は、大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とする。この抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、大型ネコ科動物の糞を抽出してなる。
本例の動物忌避剤の製造方法につき、説明する。
まず、大型ネコ科動物の糞として、トラの糞を採取した。また、極性溶媒としてエタノールを準備し、このエタノールに水を混合することにより、抽出溶媒として、エタノール濃度80%の含水エタノールを作製した。
次に、トラの糞100重量部に対して、500重量部の抽出溶媒を加え、抽出を行った。抽出は、具体的には、次のようにして行った。
まず、大型ネコ科動物の糞として、トラの糞を採取した。また、極性溶媒としてエタノールを準備し、このエタノールに水を混合することにより、抽出溶媒として、エタノール濃度80%の含水エタノールを作製した。
次に、トラの糞100重量部に対して、500重量部の抽出溶媒を加え、抽出を行った。抽出は、具体的には、次のようにして行った。
即ち、トラの糞100gに80%含水エタノール500gを加えて混和し、温度5℃にて一晩静置させた。次いで、ろ紙によりろ過し、ろ液を回収した。このようにして、トラの糞からの抽出物を主成分とする動物忌避剤を得た。
次に、本例の動物忌避剤の効果を検討した。
対象動物として、まず、室内で飼育されているネコを対象とした。このネコは、キッチンに侵入して問題行動を起こすネコである。
上記のようにして作製した動物忌避剤をスプレーバイアルに充填し、キッチンの入口に噴霧し、ネコの上記問題行動を観察した。その結果、上記のようにキッチンに侵入して問題行動を起こしていたネコはキッチンに近づかなくなった。この忌避効果は3日間持続した。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを噴霧したが、キッチンへの侵入に対する忌避効果は観察されなかった。
対象動物として、まず、室内で飼育されているネコを対象とした。このネコは、キッチンに侵入して問題行動を起こすネコである。
上記のようにして作製した動物忌避剤をスプレーバイアルに充填し、キッチンの入口に噴霧し、ネコの上記問題行動を観察した。その結果、上記のようにキッチンに侵入して問題行動を起こしていたネコはキッチンに近づかなくなった。この忌避効果は3日間持続した。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを噴霧したが、キッチンへの侵入に対する忌避効果は観察されなかった。
次に、対象動物として、屋外で飼育されているイヌを対象とした。このイヌは、家の門の前に常習的に排泄をするという問題行動を起こすイヌである。
上記のように、スプレーバイアルに充填した動物忌避剤を、家の門の周辺に噴霧し、イヌの上記問題行動を観察した。その結果、上記のように門の前に排泄するという問題行動を起こしていたイヌは門に近づかなくなった。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを噴霧したが、忌避効果は観察されなかった。
上記のように、スプレーバイアルに充填した動物忌避剤を、家の門の周辺に噴霧し、イヌの上記問題行動を観察した。その結果、上記のように門の前に排泄するという問題行動を起こしていたイヌは門に近づかなくなった。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを噴霧したが、忌避効果は観察されなかった。
また、その他の問題行動を起こすイヌやネコ等の小型動物についても同様の忌避試験を行ったところ、すべての小型動物について忌避効果が確認された。
以上のように、本例の動物忌避剤は、イヌやネコ等の小型動物に対して優れた忌避効果を示した。また本例の動物忌避剤は、室内で使用した場合には、3日間程度安定して忌避効果を発揮することができた。
本例においては、大型ネコ科動物の糞として、トラの糞を用いたが、ライオンやヒョウの糞を用いた場合でも、本例と同様の忌避効果を示すことができた。
以上のように、本例の動物忌避剤は、イヌやネコ等の小型動物に対して優れた忌避効果を示した。また本例の動物忌避剤は、室内で使用した場合には、3日間程度安定して忌避効果を発揮することができた。
本例においては、大型ネコ科動物の糞として、トラの糞を用いたが、ライオンやヒョウの糞を用いた場合でも、本例と同様の忌避効果を示すことができた。
(実施例2)
次に、忌避剤吸着体の実施例につき、説明する。
本例の忌避剤吸着体は、大型ネコ科動物の糞の抽出物(動物忌避剤)を多孔性担体に吸着させてなる。
本例の忌避剤吸着体の作製にあたっては、まず、多孔性担体として、軽石を準備した。また、大型ネコ科動物の抽出物としては、実施例1と同様にして、トラの糞の抽出物を作製した。
次に、忌避剤吸着体の実施例につき、説明する。
本例の忌避剤吸着体は、大型ネコ科動物の糞の抽出物(動物忌避剤)を多孔性担体に吸着させてなる。
本例の忌避剤吸着体の作製にあたっては、まず、多孔性担体として、軽石を準備した。また、大型ネコ科動物の抽出物としては、実施例1と同様にして、トラの糞の抽出物を作製した。
次に、抽出物100重量部に対して、多孔性担体300重量部を混和させた。次いで、トレー上に広げて室温で一晩放置することにより溶媒を蒸散させた。これにより、大型ネコ科動物(トラ)の糞の抽出物が多孔性担体に吸着された忌避剤吸着体を得た。
次に、忌避剤吸着体の効果を検討した。
対象動物としては、まず、実施例1と同様に、キッチンに侵入して問題行動を起こすネコを対象とした。
上記のようにして作製した忌避剤吸着体をシャーレに入れ、シャーレの蓋を開けた状態でシャーレをキッチンの入口に配置し、ネコの上記問題行動を観察した。その結果、上記のようにキッチンに侵入して問題行動を起こしていたネコはキッチンに近づかなくなった。この忌避効果は、実施例1のように動物忌避剤を噴霧した場合よりも持続し、5日間程度持続した。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを吸着させた多孔性担体をキッチンの入口に配置したが、キッチンへの侵入に対する忌避効果は観察されなかった。
対象動物としては、まず、実施例1と同様に、キッチンに侵入して問題行動を起こすネコを対象とした。
上記のようにして作製した忌避剤吸着体をシャーレに入れ、シャーレの蓋を開けた状態でシャーレをキッチンの入口に配置し、ネコの上記問題行動を観察した。その結果、上記のようにキッチンに侵入して問題行動を起こしていたネコはキッチンに近づかなくなった。この忌避効果は、実施例1のように動物忌避剤を噴霧した場合よりも持続し、5日間程度持続した。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを吸着させた多孔性担体をキッチンの入口に配置したが、キッチンへの侵入に対する忌避効果は観察されなかった。
また、実施例1と同様に、対象動物として、家の門の前に常習的に排泄をするという問題行動を起こすイヌを対象とした。
上記のように、シャーレ内に配置した忌避剤吸着体を、シャーレの蓋を開けた状態で、家の門前に配置し、イヌの上記問題行動を観察した。その結果、上記のように門の前に排泄するという問題行動を起こしていたイヌは門に近づかなくなった。この忌避効果は、実施例1のように動物忌避剤を噴霧した場合よりも持続し、5日間程度持続した。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを吸着させた多孔性担体を門の前に配置したが、忌避効果は観察されなかった。
上記のように、シャーレ内に配置した忌避剤吸着体を、シャーレの蓋を開けた状態で、家の門前に配置し、イヌの上記問題行動を観察した。その結果、上記のように門の前に排泄するという問題行動を起こしていたイヌは門に近づかなくなった。この忌避効果は、実施例1のように動物忌避剤を噴霧した場合よりも持続し、5日間程度持続した。
また、比較試験として、抽出溶媒として用いた濃度80%の含水エタノールを吸着させた多孔性担体を門の前に配置したが、忌避効果は観察されなかった。
また、その他の問題行動を起こすイヌやネコ等の小型動物についても、本例の忌避剤吸着体を用いて同様の忌避試験を行ったところ、すべての小型動物について忌避効果が確認された。
以上のように、本例の忌避剤吸着体は、イヌやネコ等の小型動物に対して優れた忌避効果を示した。本例においては、大型ネコ科動物の糞として、トラの糞を用いたが、ライオンやヒョウの糞を用いた場合でも、本例と同様の忌避効果を示すことができた。
以上のように、本例の忌避剤吸着体は、イヌやネコ等の小型動物に対して優れた忌避効果を示した。本例においては、大型ネコ科動物の糞として、トラの糞を用いたが、ライオンやヒョウの糞を用いた場合でも、本例と同様の忌避効果を示すことができた。
(実施例3)
次に、動物性忌避剤をホタテ貝殻の粉砕物からなる多孔性担体に吸着させた実施例について説明する。
本例の忌避剤吸着体の作製にあたっては、まず、多孔性担体として、ホタテ貝殻の粉砕物を準備した。これは、ホタテ貝殻を粉砕し、焼成してなる粉末(粒状)の多孔性担体である。
また、大型ネコ科動物の抽出物としては、トラの糞の抽出物を作製した。
具体的には、凍結保存されたトラの糞に10倍量(体積)のエタノールを加えて混合し、次いで、ろ紙によりろ過し、ろ液を回収した。このようにして、トラの糞からの抽出物を主成分とする動物忌避剤を得た。
次に、動物性忌避剤をホタテ貝殻の粉砕物からなる多孔性担体に吸着させた実施例について説明する。
本例の忌避剤吸着体の作製にあたっては、まず、多孔性担体として、ホタテ貝殻の粉砕物を準備した。これは、ホタテ貝殻を粉砕し、焼成してなる粉末(粒状)の多孔性担体である。
また、大型ネコ科動物の抽出物としては、トラの糞の抽出物を作製した。
具体的には、凍結保存されたトラの糞に10倍量(体積)のエタノールを加えて混合し、次いで、ろ紙によりろ過し、ろ液を回収した。このようにして、トラの糞からの抽出物を主成分とする動物忌避剤を得た。
次に、5gの多孔性担体に、動物忌避剤0.5mlを滴下し、該動物忌避剤を多孔性担体に吸着させてなる忌避剤吸着体を作製した。これを試料E1とする。
また、本例においては、試料E1とは異なる担体(キッチンペーパ)に動物性忌避剤を吸着させた忌避剤吸着体(試料E2)を作製した。試料E2は、5gのキッチンペーパーに動物性忌避剤0.5mlを滴下することによって作製した。
また、本例においては、試料E1とは異なる担体(キッチンペーパ)に動物性忌避剤を吸着させた忌避剤吸着体(試料E2)を作製した。試料E2は、5gのキッチンペーパーに動物性忌避剤0.5mlを滴下することによって作製した。
次に、忌避剤吸着体(試料E1及び試料E2)の効果を検討した。
対象動物としては、スリッパに対して問題行動を起こすネコ(4種)を対象とした。
約1mの間隔で設置した2つのスリッパのうち、一方のスリッパ内に、上記のようにして作製した忌避剤吸着体を配置した。そして、2つのスリッパから等間隔に離れた位置にネコを置き、その後の行動を観察した。この観察は、試料E1及び試料E2を作製した当日(0日)、20土の恒温槽で7日間、及び10日間保存したサンプルについて行った。その結果を表1に示す。表1においては、ネコを置いた地点でただちに強く忌避反応を示した場合を「3+」、スリッパに近寄る途中で忌避反応を示した場合を「2+」、スリッパのそばに来た後忌避反応を示した場合を「+」、判定不能を「±」、忌避効果がない場合を「−」として判定した。
対象動物としては、スリッパに対して問題行動を起こすネコ(4種)を対象とした。
約1mの間隔で設置した2つのスリッパのうち、一方のスリッパ内に、上記のようにして作製した忌避剤吸着体を配置した。そして、2つのスリッパから等間隔に離れた位置にネコを置き、その後の行動を観察した。この観察は、試料E1及び試料E2を作製した当日(0日)、20土の恒温槽で7日間、及び10日間保存したサンプルについて行った。その結果を表1に示す。表1においては、ネコを置いた地点でただちに強く忌避反応を示した場合を「3+」、スリッパに近寄る途中で忌避反応を示した場合を「2+」、スリッパのそばに来た後忌避反応を示した場合を「+」、判定不能を「±」、忌避効果がない場合を「−」として判定した。
表1より知られるごとく、試料E1及び試料E2はいずれも忌避効果を示すが、試料E1は、より長期間忌避効果を持続できることがわかる。
このように、ホタテ貝殻の粉砕物からなる多孔性担体を用いることにより、忌避効果の持続性を向上させることができる。
このように、ホタテ貝殻の粉砕物からなる多孔性担体を用いることにより、忌避効果の持続性を向上させることができる。
Claims (6)
- 小型動物に対する動物忌避剤であって、
該動物忌避剤は、大型ネコ科動物の糞の抽出物を主成分とし、
上記抽出物は、極性有機溶媒を主成分とする抽出溶媒によって、上記大型ネコ科動物の糞を抽出してなることを特徴とする動物忌避剤。 - 請求項1において、上記大型ネコ科動物は、トラ、ライオン、又はヒョウであることを特徴とする動物忌避剤。
- 請求項1又は2において、上記極性有機溶媒は、メタノール、エタノール、及びアセトンから選ばれる1種以上であることを特徴とする動物忌避剤。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記抽出物は、上記大型ネコ科動物の糞100重量部に対して、上記抽出溶媒200〜5000重量部を用いて得られることを特徴とする動物忌避剤。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の上記動物忌避剤を多孔性担体に吸着させてなることを特徴とする忌避剤吸着体。
- 請求項5において、上記多孔性担体は、ホタテ貝殻の粉砕物からなることを特徴とする忌避剤吸着体。
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---|---|
JP (1) | JP2007284436A (ja) |
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2007
- 2007-03-23 JP JP2007075995A patent/JP2007284436A/ja active Pending
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