JP2007284377A - コロンビアジン化合物及び抗腫瘍剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒト癌細胞に対する細胞傷害活性を有するとともに、正常細胞に対しては害を殆ど及ぼすことのない新規な化合物及びこれらを有効成分とする抗腫瘍剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)、
(式中、R1は、水素原子、鎖式若しくは分枝式炭化水素基、環式炭化水素基、または芳香族炭化水素基、R2〜R8は夫々独立して水素原子、鎖式若しくは分枝式炭化水素基、環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、スルホン酸基、アルコキシ基、フェノキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ベンゾイル基、低級アシル基あるいはニトリル基を示す)で表されるコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩である。また、前記コロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤である。
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(I)、
(式中、R1は、水素原子、鎖式若しくは分枝式炭化水素基、環式炭化水素基、または芳香族炭化水素基、R2〜R8は夫々独立して水素原子、鎖式若しくは分枝式炭化水素基、環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、スルホン酸基、アルコキシ基、フェノキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ベンゾイル基、低級アシル基あるいはニトリル基を示す)で表されるコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩である。また、前記コロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤である。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヒト癌細胞に対する細胞傷害活性を有する新規なコロンビアジン(Columbiadin)化合物及びこれらを有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
悪性腫瘍は正常の制御機構からはずれて生体内で増殖を続け、治療をしなければ宿主の死を招くような細胞群である。悪性腫瘍は、外科的な切除、放射線照射、または化学療法で治療するのが一般的である。特に、悪性固形腫瘍の治療法の第一選択は、外科的手術である。しかし、外科的手術には限界があり、その手術の補助療法、術前あるいは術後、または手術不可能な際に必須となるのが化学療法である。
化学療法または薬物療法は、このように悪性腫瘍を治療する上で重要な方法であり、現在、50種類を越える薬物が様々な癌に対して用いられている。しかし、従来の抗癌薬は、癌細胞だけでなく正常細胞をも傷つけるために、悪心から骨髄毒性まで様々な望ましくない副作用をもたらすという問題があった。
一方、今日、海生生物、特に、ホヤ類、海綿動物、ウミトサカ類および軟体動物などの無脊椎動物は、陸上生物では見出されない多数の代謝産物を産生することが分かってきており、海生生物由来の天然物の分野における最近の研究は、生物医学的に重要な化合物の検出に集中してきている。
かかる研究の結果、抗癌活性、抗ウイルス活性および抗炎症活性を有する化合物の発見がもたらされた。また、CNS膜活性毒素、イオンチャンネルエフェクター、並びにDNAおよび微小繊維過程と相互作用する代謝産物も同定されてきた。
これまでの研究から、海生生物のそれぞれの門は、検出された化合物に特徴的な分布を生じていることが分かっている。例えば、1977年から1985年までの研究において、腔腸動物から単離された代謝産物の85%はテルペノイドであり、海綿動物から単離された化合物の37%および41%はそれぞれテルペノイドおよび窒素代謝産物であり、さらにホヤ類から単離された化合物の89%はアミノ酸誘導体などの窒素化合物であった(非特許文献1参照)。
海生生物由来の天然物分野は、海綿動物クリプトエチア・クリプタ(Criptoethya crypta)からの数種類の修飾アラビノヌクレオチドの単離から始まり、その後、ホヤ類は、生物医学的に重要な化合物を単離する具体的な標的とされ、1988年から1992年までの間に約165種類の新規ホヤ代謝産物が発見された(非特許文献2参照)。
海生ホヤ類から単離された有力な生物学的性質を有する主要な天然物には、ビストラミド(bistramide)A(非特許文献3参照);バラシン(varacin)(非特許文献4参照);およびパテラゾール類(patellazoles)(非特許文献5参照)などが挙げられる。
C.M.アイルランド(Ireland)ら、13Proc.Calif.Acad.Sci.41(1987) C.M.アイルランドら、D.G.フォーティン(Fautin)監修、13 Biomedical Importance of Marine Organisms 41(1988) M.P.フォスター(Foster)ら,J.Amer.Chem.Soc.1110-14(1992) B.S.デビッドソン(Davidson)ら,J.Amer.Chem.Soc.4709-10(1991) T.M.ザブリスキー(Zabriskie)ら,J.Amer.Chem.Soc.7919-20(1988)
C.M.アイルランド(Ireland)ら、13Proc.Calif.Acad.Sci.41(1987) C.M.アイルランドら、D.G.フォーティン(Fautin)監修、13 Biomedical Importance of Marine Organisms 41(1988) M.P.フォスター(Foster)ら,J.Amer.Chem.Soc.1110-14(1992) B.S.デビッドソン(Davidson)ら,J.Amer.Chem.Soc.4709-10(1991) T.M.ザブリスキー(Zabriskie)ら,J.Amer.Chem.Soc.7919-20(1988)
上述のように、これまでに種々の抗癌活性を有する海生生物由来の天然物が発見されているにもかかわらず、未だ多くの国々において癌は主要な死亡原因であり、約100種類の癌がヒトの生命を脅かしている。よって、様々な種類の癌に対して有効であり且つ正常細胞に対してあまり害を示さない新規抗癌薬の開発は今後も必要であり、新規抗癌薬および癌性腫瘍を治療するためのその使用方法はなお切望され続けている。
そこで本発明の目的は、ヒト癌細胞に対する細胞傷害活性を有するとともに、正常細胞に対しては害を殆ど及ぼすことのない新規な化合物及びこれらを有効成分とする抗腫瘍剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定構造のコロンビアジン化合物が、ヒト培養癌細胞に対して強い細胞傷害活性を示すとともに、正常細胞に対しては害を殆ど及ぼさないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(I)、
(式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は夫々独立して水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、低級アシル基あるいはニトリル基を示す)で表されることを特徴とするコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩である。
(式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は夫々独立して水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、低級アシル基あるいはニトリル基を示す)で表されることを特徴とするコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩である。
また、本発明は、前記コロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗腫瘍剤である。
本発明によれば、ヒト癌細胞に対する細胞傷害活性を有するとともに、正常細胞に対しては殆ど害を及ぼすことのない新規なコロンビアジン化合物及びこれらを有効成分とする抗腫瘍剤を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき具体的に説明する。
本発明のコロンビアジン化合物は、下記一般式(I)、
(式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は夫々独立して水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、低級アシル基あるいはニトリル基を示す)で表される。
本発明のコロンビアジン化合物は、下記一般式(I)、
(式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は夫々独立して水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、低級アシル基あるいはニトリル基を示す)で表される。
ここで、前記置換基としては、低級アルキル基、アリール基、低級アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン原子、低級アシル基およびニトリル基からなる群から選択されるものを好適に挙げることができる。
本発明のコロンビアジン化合物の基本骨格となるクマリン骨格の合成法例(ペクマン(Pechman)凝縮による合成例)を下記に示す(M. K. Potdar, S. S. Mohile, M. M. Salunkhe, Tetrahedron Lett., 2001, 42, 9285-9287参照)。
ペクマン凝縮とは、フェノールにβ−ケト・エステルを反応させることにより生成されるクマリン骨格を持つクマリン化合物である。
下記式、
で表されるクマリン化合物を合成するにあたり、その合成に係る反応は下記反応式、
で表され、例えば、メタンスルホン酸のような強いブレンステッド酸、あるいは、例えば、塩化アルミニウムのようなルイス酸で実施される。
で表されるクマリン化合物を合成するにあたり、その合成に係る反応は下記反応式、
で表され、例えば、メタンスルホン酸のような強いブレンステッド酸、あるいは、例えば、塩化アルミニウムのようなルイス酸で実施される。
本発明のコロンビアジン化合物は上記のように化学合成により製造することができるが、例えば、以下のようにしてホヤ(Halocynthia roretzi)から抽出することにより得ることもできる。
先ず、ホヤ(Halocynthia roretzi)を細かく切断し、凍結乾燥させたものを、例えば、アセトンに浸し、これを超音波処理する。次いで、残渣(分離された水溶性のもの)をメタノールに浸し、これを同様に超音波処理する。
超音波処理後、メタノールに不溶性の物質を除去し、メタノール溶液を濃縮して、残渣を逆相分取薄層クロマトグラフィーにかける。溶離液としては、例えば、水−アセトニトリル−アセトン等の系が挙げられる。本発明の化合物を含む画分を集め、溶媒を留去して、本発明の化合物を得る。
各成分の分離が不十分な場合は、異なる溶離液を組み合わせてクロマトグラフィーを複数回行ってもよいし、あるいは、他の分離精製手段、例えば、濃縮、溶媒抽出、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等を用いることにより精製してもよい。
本発明のコロンビアジン化合物は、上記(I)式で表される化合物の他に、その薬学的に許容される塩も包含される。薬学的に許容される塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸等との塩が挙げられる。
本発明のコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩を抗腫瘍剤として用いる場合、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用することができる。かかる形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよく、これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造することができる。
例えば、経口用固形製剤を調整する場合は、本発明のコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、崩壊剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を、矯味・矯臭剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示することができる。
本発明の抗腫瘍剤を使用して治療し得る癌は、特に限定されないが、例えば、胃癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、多発性骨髄腫、肝臓癌、大腸癌、肺癌、甲状腺癌、子宮癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌等の治療が期待される。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(調製例)
先ず、ホヤ(Halocynthia roretzi)を細かく切断し、凍結乾燥させたものをアセトンに浸し、これを2時間超音波処理した。次いで、残渣(分離された水溶性のもの)をメタノールに浸し、これを更に2時間超音波処理した。
(調製例)
先ず、ホヤ(Halocynthia roretzi)を細かく切断し、凍結乾燥させたものをアセトンに浸し、これを2時間超音波処理した。次いで、残渣(分離された水溶性のもの)をメタノールに浸し、これを更に2時間超音波処理した。
超音波処理後、メタノールに不溶性の物質を除去し、メタノール溶液を濃縮して、残渣を逆相分取薄層クロマトグラフィーにかけた。溶離液としては、水−アセトニトリル−アセトン(容積比、1:1:1)の系を用いた。本発明の化合物を含む画分を集め、溶媒を留去して本発明の化合物を得た。
コロンビアジン:無色非晶質固体; [・]D 22 +92.05゜(c 0.2, CHCl3); IR (CHCl3) νmax 1720, 1620 cm-1; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) ・ 7.63 (1H, d, J = 9.5 Hz, H-4), 7.26 (1H, d, J = 8.3 Hz, H-5), 6.74 (1H, d, J = 8.3 Hz, H-6), 6.21 (1H, d, J = 9.5 Hz, H-3), 5.97 (1H, q, J = 7.3Hz, H-3′),5.12 (1H, t, J = 8.5 Hz, H-10), 3.37 (2H, m, H2-9), 1.89 (3H, d, J = 7.3 Hz, H-4′), 1.67 (3H, d, J = 1 Hz, H3-5′),1.64 (3H, s, H3-12), 1.59 (3H, s, H3-13); 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) ・166.9 (C-1′), 163.9 (C-7), 160.8 (C-2), 151.2 (C-8a), 143.9 (C-4), 137.6 (C-3′), 128.8 (C-5), 128.6 (C-2′), 113.5 (C-8), 112.9 (C-4a), 112.1 (C-3), 106.6 (C-6), 89.2 (C-10), 82.0 (C-11), 27.6 (C-9), 22.3 (C-12), 21.2 (C-5′), 20.5 (C-13), 15.6 (C-4′); EI-MS m/z: 328 [M+], 228, 213; HR-EI-MS m/z: 328.1288 [M+] (Calcd for C19H20O5: 328.1311).
(試験例)
上記調製例で得られたコロンビアジン化合物の用途としてヒト膵臓癌細胞PANC−1に対する細胞毒性を種々の濃度で、以下に示す栄養成分が異なる培地a)及びb)において比較した。
a)IMEM:低栄養培地
b)DMEM:DMEM培地
上記調製例で得られたコロンビアジン化合物の用途としてヒト膵臓癌細胞PANC−1に対する細胞毒性を種々の濃度で、以下に示す栄養成分が異なる培地a)及びb)において比較した。
a)IMEM:低栄養培地
b)DMEM:DMEM培地
上記各培地に細胞を播種し、これに上記コロンビアジン化合物を所定の濃度で添加し、培養した。PANC-1癌細胞株に対する優先的な細胞毒性試験は以下の通りの方法で行った(Awale S, Nakashima EMN, Kalauni SK, Tezuka Y, Kurashima Y, Lu J, Esumi H, Kadota S. Angelmarin, a novel anti-cancer agent able to eliminate the tolerance of cancer cells to nutrient starvation. Bioorg Med Chem Lett 2006; 16: 581-3)。PANC-1癌細胞(1×104/well)を96穴プレートの各wellに播種して、DMEM(Dulbecoo' smodified eagle medium,日水製薬,東京,日本)培地で霧囲気下24時間培養した。細胞をPBS(Phosphate-Buffered Saline,日水製薬,東京,日本)で洗浄してから、様々な濃度に希釈したサンプルを含むDMEMまたはIMEM培地に交換した。24時間の培養後、細胞をPBSで洗浄し、10%WST-8 cell counting kit(同仁化学,熊本,日本)含有DMEM培地を各wellに添加した。2時間培養後、450nmにおける吸光度を測定した。細胞生存率を3wellの値の平均値で計算した。
細胞生存率(%) = [{吸光度(サンプル) - 吸光度(空白)}/{吸光度(対照) - 吸光度(空白)}]×100
その結果を図1に示す。
細胞生存率(%) = [{吸光度(サンプル) - 吸光度(空白)}/{吸光度(対照) - 吸光度(空白)}]×100
その結果を図1に示す。
本試験例の結果によれば、炭素源や窒素源のない低栄養培地(IMEM)では供試化合物濃度が粗抽出物状態でも50μg/mLで癌細胞に対して強い細胞毒性を示し、それ以上の濃度では癌細胞はすべて死滅した。しかし、通常の培地であるDMEMでは供試化合物濃度が50μg/mLでもほとんど毒性を示さなかった。この結果から、本発明の化合物の癌細胞に対する細胞毒性が証明された。
本発明は、癌細胞に対して強い細胞傷害毒性を示すとともに、栄養飢餓に耐性を持つ癌細胞に対しても強い効果を発揮できる抗腫瘍剤として期待される。
Claims (5)
- 下記一般式(I)、
(式中、R1は、水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は夫々独立して水素原子、置換基を有していてもよい鎖式若しくは分枝式炭化水素基、置換基を有していてもよい環式炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェノキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、低級アシル基あるいはニトリル基を示す)で表されることを特徴とするコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩。 - 前記置換基が、低級アルキル基、アリール基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボニル基、低級アシル基およびニトリル基からなる群から選択される請求項1記載のコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩。
- 前記R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8が水素原子である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩。
- 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のコロンビアジン化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とすることを特徴とする抗腫瘍剤。
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CN102329323A (zh) * | 2011-05-31 | 2012-01-25 | 苏州派腾生物医药科技有限公司 | 一种从旱前胡中提取二氢欧山芹素的方法 |
WO2023167310A1 (ja) * | 2022-03-04 | 2023-09-07 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 新規フラノクマリン誘導体及びその用途 |
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