JP2007281824A - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】迅速且つ正確に特定画像を検知するための判定方法を選択する。
【解決手段】画像処理装置は偽造行為への危険性に応じて、出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判断するための判定処理を選択する。例えば、画像処理装置は特定画像を検知した回数が比較的少ない場合には、偽造行為への危険性も小さいため、処理に要する時間の短い判定処理を行う。一方、画像処理装置は偽造行為を検知した回数が多くなるほど、偽造行為への危険性も大きくなるため、判定精度の高い判定処理を行う。したがって画像処理装置は、特定画像を検知した回数が少なく、且つ、出力画像の中に特定画像が含まれていないと判断した場合には速やかに出力処理へ移行でき、特定画像を検知した回数が多ければ、判定精度の高い判定処理によって正確に特定画像を検知して出力させないようにする。
【選択図】図5

Description

本発明は、特定の画像を出力することを制限する技術に関する。
複写機やプリンタのような画像形成装置には、解像度が高く極めて高品質な画像を形成することが可能なものがある。最近では、紙幣や有価証券のように無断に複製することを禁じられた印刷物を上記のような画像形成装置によって複製して不正に使用する行為が問題視されている。このような不正行為を防止するためには、複製が禁じられた印刷物の画像(以下は特定画像という)を画像形成装置で形成できないようにする必要がある。そこで、例えば特許文献1,2では、予め記憶しておいた特定画像と形成対象の画像とをパターンマッチング法などによって比較し、形成対象の画像のなかに特定画像が含まれる場合には、その画像形成処理を強制的に中止するという技術が提案されている。また、特許文献3には、形成対象の画像に特定画像が含まれていることを検出すると、出力する画像の範囲を強制的に変更するという技術が提案されている。
特開平7−135564号公報 特開2001−14128号公報 特開2001−78028号公報
ただし、上記のいずれの技術であっても、形成対象となる全ての画像について特定画像と一致するかどうかを確認する処理は非常に複雑であり、高性能のCPUが必要とされる。また、形成対象の画像の全てを特定画像と逐一比較しなければならないため、その処理に相当の時間を要してしまうという問題もある。
本発明は上述した背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、形成対象となる画像に特定画像が含まれるかどうかを確認する方法を選択し、従来よりも迅速且つ正確に特定画像を検知することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、与えられた画像データによって表される画像に予め決められた特定画像が含まれているか否かを判定するための手順を示す判定アルゴリズムであって、その判定精度がそれぞれ異なる複数の判定アルゴリズムを記憶する記憶手段と、前記記憶手段によって記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを用いて、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された場合には、前記与えられた画像データが表す画像に対して決められた画像を重畳して出力するか、前記与えられた画像データが表す画像の内容を変更して出力するか又は前記与えられた画像データを出力しない出力制御手段と、前記判定手段によって、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された回数を計数する計数手段と、前記計数手段によって計数された回数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを前記判定手段が用いる判定アルゴリズムとして選択する選択手段であって、前記計数手段によって計数された回数が多くなるに従って前記判定精度が高い判定アルゴリズムを選択する選択手段とを備えることを特徴とする画像処理装置を提供する。
また、本発明は、コンピュータに、与えられた画像データによって表される画像に予め決められた特定画像が含まれているか否かを判定するための判定アルゴリズムであって、その判定精度がそれぞれ異なる複数の判定アルゴリズムを記憶手段に記憶させる機能と、前記記憶手段によって記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを用いて、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれているか否かを判定する機能と、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された場合には、前記与えられた画像データが表す画像に対して決められた画像を重畳して出力するか、前記与えられた画像データが表す画像の内容を変更して出力するか又は前記与えられた画像データを出力しない機能と、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された回数を計数する機能と、計数された前記回数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを前記判定する機能によって用いられる判定アルゴリズムとして選択する機能であって、前記計数手段によって計数された回数が多くなるに従って前記判定精度が高い判定アルゴリズムを選択する機能とを実現させるためのプログラムを提供する。
本発明によれば、その判定精度がそれぞれ異なる複数の判定アルゴリズムを記憶しておき、与えられた画像データによって表される画像に予め決められた特定画像が含まれていると判定された回数が多くなるに従って判定精度が高い判定アルゴリズムを選択する。判定精度が高い判定アルゴリズムを用いた判定には、判定精度が低い判定アルゴリズムを用いた判定よりも、処理に時間を要する。従って、特定画像が含まれていると判定された回数が少ない間は特定画像を偽造する行為の危険性が小さいため、判定精度が低い判定アルゴリズムに従ってより迅速に判定を行う一方、特定画像が含まれていると判定された回数が多くなると、偽造行為への危険性も大きくなるため、処理に時間がかかってもよいから、判定精度の高い判定アルゴリズムを用いて判定を行う。つまり、偽造行為の危険性に応じて的確な精度で特定画像の判定処理を行うことができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、画像が占める領域の大きさのことを「画像領域サイズ」と表現し、画像形成の対象となる画像を必要に応じて「出力画像」と表現する。
<1:実施形態の構成>
図1は、本実施形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。この画像処理装置10は、例えばプリントアウト機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能といった複数の機能を備える複合機によって実現される。図1に示すように、画像処理装置10は、装置全体を制御するCPUなどの制御部11と、各種のボタンやタッチパネル式の液晶ディスプレイのような操作部12と、ネットワークを介して通信を行うためのインターフェース装置である通信部13と、印刷物などから画像を読み取る画像読取部14と、画像を記録シート(媒体)に形成する画像形成部15と、各種データや制御部11が行う動作手順が記述されたプログラムを記憶するHD(Hard Disk)のような記憶部16と、各種情報を表示する液晶ディスプレイのような表示部17とを備えている。記憶部16には、出力画像の中から、複製が禁じられた印刷物の画像(特定画像)を検知する特定画像判定アルゴリズムが複数記憶されている。
これらの複数の特定画像判定アルゴリズムには、与えられた画像データによって表される画像に特定画像が含まれているか否かを判定するための手順が示されており、その判定精度と、その判定に要する時間が異なっている。一般に判定精度と処理に要する処理時間とは互いに相反する関係にある。画像処理装置10は、判定精度と処理時間のいずれを重視するかによって、特定画像判定アルゴリズムを選択する。より具体的には、画像処理装置10は、偽造行為を検知した回数に応じて、特定画像判定アルゴリズムを選択する。例えば、特定画像を検知した回数が比較的少ない場合には、偽造行為への危険性も小さいため、判定精度が低くてもよいから処理時間が比較的短い特定画像判定アルゴリズムを選択する。一方、特定画像を検知した回数が多くなるほど、偽造行為への危険性も大きくなるため、処理時間が長くなっても判定精度が高い特定画像判定アルゴリズムを選択する。
本実施形態では、制御部11は、特定画像の検知回数Sに応じて、記憶部16に記憶された3種類の特定画像判定アルゴリズム1〜3のいずれかを選択して判定処理を行う。 まず、特定画像判定アルゴリズム1は、出力画像の画像領域サイズと特定画像の画像領域サイズとを比較して特定画像を判定するというものであり、判定精度が比較的低いが、処理時間は比較的短い。
次に、特定画像判定アルゴリズム2は、出力画像と特定画像に含まれているキーワードを比較して特定画像を判定するというものであり、特定画像判定アルゴリズム1よりも処理時間はやや長くなるが、判定精度は向上する。
そして、特定画像判定アルゴリズム3は、パターンマッチングによって出力画像と特定画像を比較して特定画像を判定するというものであり、特定画像判定アルゴリズム2よりも処理時間は長くなるが、判定精度はさらに向上する。
制御部11は、過去に出力画像の中から特定画像を検知した回数によって記憶部16に記憶された特定画像判定アルゴリズムのいずれかを選択するため、特定画像判定アルゴリズムには、特定画像の検知回数に対応した閾値(後述するt,t)が関連付けて記憶されている。
ユーザが操作部12を操作して印刷物の複写(コピー)を指示すると、制御部11は画像読取部14に画像の読み取りを指示する。この指示に応じて、画像読取部14は、図示せぬプラテンガラス上に載置された印刷物に光を照射し、その印刷物の画像を光学的に読み取って画像データを生成し、制御部11に供給する。制御部11はこの画像データを記憶部16に記憶させる。また、通信部13がイントラネットやLAN(Local Area Network)のようなネットワークを介して画像データを受信すると、制御部11はこの画像データを記憶部16に記憶させる。このようにして記憶部16に出力画像を表す画像データが記憶されると、制御部11は、特定画像判定アルゴリズムを読み出し、出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判断するための処理を行う。制御部11は、特定画像を検知した回数を累積カウントしておき、累積の検知回数Sに応じて、使用する特定画像判定アルゴリズムを選択する。
制御部11は、出力画像の中に特定画像が含まれていると判断した場合には「特定画像出力禁止処理」を実行する。特定画像出力禁止処理において、制御部11は画像形成部15に出力画像を形成させないようにする。具体的には、出力画像の中に特定画像が含まれている場合には、その出力画像に対して、予め決められた別の画像を重畳して画像形成部15に出力する。重畳する画像は、特定画像を形成する行為に対して注意・警告を与えるような画像であることが望ましい。図2は、出力画像の中に特定画像が含まれている場合に施される特定画像出力禁止処理の過程を概念的に示している。図に示すような紙幣の画像領域を表す特定画像S1が検知された場合には、制御部11は特定画像S1に対して画像を重畳し、重畳する画像は例えば特定画像S2に示すような「さんぷる」という文字画像である。一方、出力画像の中に特定画像が含まれていない場合には、制御部11は、この出力画像を表す画像データを画像形成部15に供給して画像を記録シートに形成させる。
次に、特定画像判定処理1の処理の過程について説明する。特定画像判定処理1において、制御部11は、出力画像の中に特定画像の画像領域サイズと同じサイズの画像があれば、その出力画像の中に特定画像が含まれていると判断するというものである。例えば紙幣や有価証券のように画像領域サイズが規格化されたものについては、流通する全てのものについてそのサイズは一定である。一般のユーザがこの特定画像の画像領域サイズと全く同じサイズの画像を記録シートに形成させることは比較的少ない。従って、制御部11は特定画像の画像領域サイズをその特定画像の特徴として捉え、特定画像と同じサイズの出力画像を検出した場合には、特定画像出力禁止処理を実行して画像形成部15に画像を形成させないようにする。
このため、記憶部16には、例えば各種の小切手や手形或いは紙幣など、予め想定し得る複数の特定画像の画像領域サイズがテーブル形式で記憶されている。
ここで、図3は、記憶部16に記憶された管理テーブルの記述例を示す図である。例えば特定画像aは小切手の画像であり、その小切手の画像の長辺の長さW・短辺の長さLが管理テーブルに記述されている。また、特定画像bは1万円紙幣の画像であり、その長辺の長さW・短辺の長さLが管理テーブルに記述されている。そして、特定画像cは千円紙幣の画像であり、その長辺の長さW・短辺の長さLが管理テーブルに記述されている。
さらに、それぞれの特定画像に対して閾値が設定されており、例えば特定画像aには閾値β、特定画像bには閾値β、特定画像cには閾値をβが設定されている。これらの閾値は、出力画像の画像領域サイズと、予め記憶された特定画像の画像領域サイズとが一致するか否かを判断する際に使用される。つまり、制御部11は、出力画像の画像領域サイズと、予め記憶された特定画像の画像領域サイズとの差分を算出し、その差分が上記の閾値未満であれば、双方の画像領域サイズが一致していると判断する。このようにして出力画像の中から特定画像が検出されることになる。
また、特定画像判定アルゴリズムにおいて、出力画像の画像領域における主走査方向の長さW及び副走査方向の長さLと、特定画像xの画像領域における長辺の長さW及び短辺の長さLを直接比較せず、出力画像の画像領域における一辺の長さ(W,L)と、特定画像の画像領域における一辺の長さ(W,L)をそれぞれ整数倍したものを比較させるようにしている。このような方法を用いることで、出力画像に複数の特定画像が連続して配置された場合においても、制御部11が特定画像を検知することが可能となる。例えば、副走査方向に間隔を開けずに2つの特定画像aが配置されているような出力画像である場合、制御部11が出力画像の画像領域サイズと特定画像aの画像領域サイズとを比較すると、出力画像の副走査方向の長さは特定画像の短辺Lの2倍となる2Lとなる。閾値βは通常、それらの差分値Lに対して十分に小さな値をとるため、この方法では制御部11は出力画像の中に特定画像aが含まれていると判断することができない。このような検知漏れを防止するためには、制御部11は、特定画像aの短辺及び長辺の長さ(W,L)の整数倍の長さである画像領域サイズをもつ出力画像に特定画像aが含まれていると判断すればよい。このような方法によって、制御部11は、複数の同一画像領域サイズの特定画像が、同一方向(もしくは真逆)に連続して配置された出力画像の中からも特定画像を検知することができる。
ところで、出力画像の中に特定画像が含まれていないにも関わらず、偶然に特定画像の画像領域サイズとほぼ同じサイズの画像が存在することがある。このような誤検知があった場合には、特定画像を含まない出力画像であるのに、その画像を記録シートに形成できないという不都合が生じる。前述したように、閾値が大きいほど特定画像であると判断されやすくなるから、偽造行為への危険性や偽造された場合の被害が大きいような特定画像については閾値を大きくし、偽造行為への危険性や偽造された場合の被害が比較的大きくないような特定画像については閾値を小さくすることが望ましい。例えば、偽造された場合の被害が大きい1万円紙幣に対応する閾値βを大きくし、比較的偽造された場合の被害が大きくない千円紙幣に対応する閾値βを小さくするといった具合である。
上述したような特定画像の画像領域サイズや閾値は、画像処理装置10の製造時点やセットアップ時にその製造メーカやサービスエンジニアによって管理テーブルに記述される。
次に、特定画像判定処理2の処理の過程について説明する。特定画像判定処理2において、制御部11は、特定画像と判断できるキーワード(以下、特定語という)と出力画像に含まれているキーワードを比較してそれらの一致具合(以下、文字一致度という)を求める。制御部11は、文字一致度が予め決められた閾値M以上であれば、その出力画像の中に特定画像が含まれていると判断するというものである。特定語とは具体的には、紙幣や有価証券に記載された金額を表す「10000」、「5000」、「1000」、「千」や、紙幣においては「銀行券」や「政府発行」、有価証券においては「小切手」や「株券」のような、文字や数字、記号によって表されたキーワードであり、特定画像に含まれている文字列のことを指す。なお、ここで「文字」とは、文字や数字、あるいは記号といった、いわゆる文字コードによって定義される文字データの全てを含むものであり、「文字列」とは1または連続する複数の文字データの集合によって表現される。一般のユーザがこれらの特定語が複数個含まれている画像を記録シートに形成させることは比較的少ない。したがって制御部11は特定画像に含まれている特定語をその特定画像の特徴として捉え、出力画像の中の文字列と特定語の文字一致度が閾値M以上であれば、特定画像出力禁止処理を実行して画像形成部15に画像を形成させないようにする。
このため、記憶部16には、閾値Mとともに、予め想定し得る複数の特定画像に含まれている特定語が特定語辞書に一括して記憶されている。ここで、図4は、記憶部16に記憶された特定語辞書の例を示す図である。例えば、「五百」、「500」、「ドル」、「銀行券」、「政府発行」のような、特定画像に含まれている特定語が特定語辞書Tdに記憶されている。これらのデータは、画像処理装置10の製造時点やセットアップ時にその製造メーカやサービスエンジニアによって記憶部16に記憶されている。
また、出力画像の中に含まれている文字列と特定語辞書に記憶された特定語の文字一致度の求め方は、一致する特定語の個数から求めてもよいし、各特定語に複数のレベルに分類された危険度のようなものを設定しておき、出力画像の中に含まれている特定語の危険度の合計から求めてもよい。前者の場合には、出力画像の中に閾値M以上の個数の特定語が含まれていれば、特定画像が検知されるというものである。一方、後者の場合は、出力画像の中に含まれている特定語に設定された危険度の合計が閾値Mを超えれば特定画像を検知するというものである。例えば、前述した「政府発行」や「銀行券」のような特定語が出力画像の中に含まれることは比較的少ないので危険度が高く設定され、「10000」や「円」のような特定画像でない画像にもしばしば含まれる特定語については危険度が低く設定されるといった具合である。
次に、特定画像判定処理3の処理の過程について説明する。特定画像判定処理3において、制御部11はパターンマッチングによって、特定画像の画像領域全体または一部分の領域を表す画像(以下、基準画像という)と出力画像とで輝度成分、又は輝度成分及び色差成分が一致する画素数(以下、画素一致度という)を算出して、画素一致度が閾値Mよりも大きければ、その出力画像の中に特定画像が含まれていると判断するというものである。特定画像において特徴的な色彩が配色されている場合は、その色自体も特定画像を示す特徴となる。このような場合、輝度成分とともに基準画像の色差成分に注目して出力画像の色差成分との画素一致度を求めるようにしてもよい。閾値Mは、制御部11が出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判断する基準となる画素一致度であり、それは基準画像毎に設定され、例えば偽造行為への危険性や被害の大きさと対応付けて決められる。従って、制御部11は特定画像に含まれている基準画像をその特定画像の特徴として捉え、出力画像の中に閾値M以上で基準画像と一致する画像が含まれている場合には、特定画像出力禁止処理を実行して画像形成部15に画像を形成させないようにする。
このため、記憶部16には、閾値Mとともに、予め想定し得る複数の特定画像に対応する基準画像が特定画像辞書に一括して記憶されている。これらのデータは、画像処理装置10の製造時点やセットアップ時にその製造メーカやサービスエンジニアによって記憶部16に記憶されている。
基準画像については、特定画像の画像領域全体をとしてもよいし、特定画像の特徴となる一部分の画像を基準画像としてもよい。特定画像の画像領域全体を基準画像とすると、特にその画像領域サイズが大きい場合には輝度成分、又は輝度成分及び色差成分を照合すべき画素数が多くなるため、画素一致度を求めるための演算量が多くなるためCPUに掛かる負担や判定時間が増加する。特定画像は前述したような紙幣や有価証券を表す画像であるので、例えば、紙幣には特徴となる人物の肖像画や風景、建造物等が描かれ、有価証券においても構図が規格化されている場合には、特徴となる画像が含まれている場合が多い。そのため、それぞれの特定画像について特徴となる部分の画像を基準画像として、出力画像の中に一致する部分が存在するか否か判断する方が、演算量が少なくなるため効率がよい。
また、制御部11は、出力画像と基準画像について、輝度成分、又は輝度成分及び色差成分にわずかな違いがあると判断した場合にも、それらの輝度成分、又は輝度成分及び色差成分が一致すると判断する必要がある。画像処理装置10や一般的なパーソナルコンピュータのCPUが判別可能な色数は、例えば色空間にRGB系が採用され、1画素に24ビットの色情報が持たせてあれば、およそ1670万色を識別してディスプレイ上に表示させることができる。それは人間が視認して識別できる色数を遥かに上回っているため、制御部11は、人間が視認して識別できない程度に、本来のものから輝度成分、又は輝度成分及び色差成分を変化された特定画像を検知するためには、各々の画素について所定値以下の輝度成分、又は輝度成分及び色差成分の差異があった場合にも、それらが一致するものと判断する必要がある。
<2:実施形態の動作>
図5は、画像処理装置10の制御部11が実行する処理の手順を示したフローチャートである。はじめに、制御部11は、記憶部16からこれまでに特定画像を検知した累積回数Sを読み出す(ステップS101)。制御部11は、画像形成対象として記憶部16に記憶されている画像データの出力形式がイメージ直接出力であるか否かを判断する(ステップS102)。イメージ直接出力とは、画像読取部14によって読み取られて生成された画像データを画像形成部15に供給してプリントアウト(複写)させるとか、通信部13がパーソナルコンピュータやワークステーションなどの外部装置からJPEG(Joint Photographic Experts Group)やTIFF(Tagged Image File Format)などのファイル形式を受信し、それを画像形成部15に供給してプリントアウトさせるといった場合である。このような場合、その画像データには、出力画像の画像領域サイズなどに関する各種の属性情報が含まれている。制御部11は、記憶部16に記憶されている画像データの出力形式がイメージ直接出力であると判断した場合には(ステップS102;YES)、その画像データから上記のような属性情報を読み出し、さらに画像形成部15が画像を形成する際の解像度を特定するなどして、画像領域サイズを検出するための情報を取得する(ステップS103)。
一方、例えば通信部13がパーソナルコンピュータやワークステーションなどの外部装置から、PDL(Page Description Language)形式の画像データや一部に画像データを含む文書データやHTML(HyperText Markup Language)ファイルを受信し、それを画像形成部15に供給してプリントアウトさせるような場合には、制御部11は、その画像データの出力形式がイメージ直接出力ではないと判断する(ステップS102:NO)。この場合、制御部11は上記のような画像データ、文書データ或いはHTMLファイルから、出力画像の位置や画像領域サイズを指定した描画命令を抽出する(ステップS104)。そして、制御部11は、抽出した描画命令の内容を解析する(ステップS105)。
次に、制御部11は、出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判定する処理を開始するが、特定画像の累積の検知回数Sによって、使用する特定画像判定アルゴリズムを選択する。まず制御部11は、記憶部16に記憶された検知回数Sが閾値t(t:自然数)以上か否かを判断する(ステップS106)。制御部11は、検知回数Sが閾値tよりも小さいと判断すれば(ステップS106;NO)、過去に特定画像を検知した回数が比較的少ないため、出力画像の中に特定画像が含まれている危険性も比較的低いと判断する。そのため、制御部11は、判定処理に要する時間の短い判定方法を選択する。具体的には、制御部11は、画像領域サイズから出力画像の中に特定画像が含まれているか判断すべく、出力画像の画像領域サイズ(つまり主走査方向の長さW及び副走査方向の長さL)を特定(検出)する(ステップS107)。次に、制御部11は、検出した画像領域サイズ(W,L)と、記憶部16に記憶されている特定画像の画像領域サイズ(W,L)とを比較することにより、出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判定する特定画像判定処理1を行う(ステップS108)。ステップS108における特定画像判定処理1の動作については後述する。
制御部11は、ステップS106において検知回数Sが閾値t以上であると判断すれば(ステップS106;YES)、特定画像を検知した回数Sが比較的多いため、出力画像の中に特定画像が含まれている危険性も高くなると判断する。そのため、制御部11は、特定画像判定処理1よりも判定精度の高い判定方法を選択する。具体的には、制御部11は、出力画像の構図を参照して判定処理を行うため、記憶部16に記憶された出力画像を表す画像データを読み出す(ステップS109)。そして、制御部11は、特定画像の累積の検知回数Sが閾値t(t>t、t:自然数)以下であるか否かを判断する(ステップS110)。制御部11は、検知回数Sが閾値t以下であると判断すれば(ステップS110;YES)、予め記憶部16の特定語辞書に記憶された特定語が、出力画像の中にどの程度含まれているかによって、出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判断する特定画像判定処理2を実行する(ステップS111)。ステップS111における特定画像判定処理2の動作については後述する。
一方、制御部11が、特定画像の累積の検知回数Sが閾値tよりも多いと判断すれば(ステップS110;NO)、出力画像の中に特定画像が含まれている危険性もかなり高く、より多くの処理時間を要しても、判定精度の高い判定方法を選択する。具体的には、制御部11は、予め記憶部16の特定画像辞書に記憶された基準画像が、出力画像の中に含まれているか否かをパターンマッチングによって判断し、その結果によって出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判断する特定画像判定処理3を実行する(ステップS112)。ステップS112における特定画像判定処理3の動作については後述する。
次に、上述した特定画像判定処理1、特定画像判定処理2、特定画像判定処理3において、制御部11が実行する具体的な処理について説明する。なお、特定画像として3種類の特定画像「特定画像a」、「特定画像b」、「特定画像c」を想定するものとする。
図6は、制御部11が図5のステップS108で実行する特定画像判定処理1の動作の手順を示したフローチャートである。図では任意の特定画像である「特定画像x」についての動作の過程が示されているが、以下の説明では、画像処理装置10は図3のような管理テーブルに基づいて、はじめに特定画像aについて処理を行い、次に特定画像bについて処理を行い、最後に特定画像cについて処理を行うものとする。
まず、制御部11は、特定画像判定処理1を実行するために使用する特定画像判定処理アルゴリズムを読み出す。そして、制御部11は、特定画像aの画像領域サイズ(W,L)と閾値βを記憶部16から読み出す(ステップS1080)。制御部11は出力画像の副走査方向の長さLと特定画像の短辺の長さLとを比較すべく、整数kと特定画像における短辺の長さLとの積(kL)の値が出力画像の画像領域における副走査方向の長さLの値に最も近い値となるような、整数kの値を求める(ステップS1081)。同様にして、制御部11は、出力画像の主走査方向の長さWと特定画像の長辺の長さWを比較すべく、整数jと特定画像の画像領域における長辺の長さWとの積(jW)が出力画像の主走査方向の長さWの値に最も近い値となるような、整数jの値を求める(ステップS1082)。そして、制御部11は、jWとWの値との差分値ε(ε=|jW−W|)及びkLとLの差分値ζ(ζ=|kL−L|)を求める(ステップS1083)。
次に、制御部11は、出力画像の主走査方向の長さWと特定画像aの短辺の長さL、及び、出力画像の副走査方向の長さLと特定画像の長辺の長さWとを比較する処理を行う。まず、制御部11は、出力画像の主走査方向の長さWと特定画像aの短辺の長さLとを比較すべく、整数sと特定画像aにおける短辺の長さLとの積(sL)が出力画像の主走査方向の長さWの値に最も近い値をとるような、整数sの値を求める(ステップS1084)。同様にして、制御部11は、出力画像の副走査方向の長さLと特定画像aの画像領域における長辺の長さWとを比較すべく、整数tと特定画像aの長辺の長さWとの積(tW)の値が出力画像の副走査方向の長さLの値に最も近い値をとるような、整数tの値を求める(ステップS1085)。そして、制御部11は、sLとWの値との差分値σ(σ=|sL−W|)及びtWとLの値との差分値τ(τ=|tW−L|)を求める(ステップS1086)。
次に、制御部11はステップS1083,S1086で求めた差分値ε,ζ,σ及びτを閾値βと比較して、出力画像の中に特定画像が含まれているか否かを判断する処理を行う。
まず、制御部11は上記処理ステップS1083で求めた、出力画像の主走査方向の長さWと特定画像aの長辺の長さW、及び、出力画像の副走査方向の長さLと特定画像aの短編の長さLとを比較して求めた差分値ε,ζがともに閾値β未満であるか否かを判断する(ステップS1087)。差分ε,ζの値がともに閾値β未満である場合(ステップS1087;YES)、制御部11は、出力画像の画像領域サイズ(W,L)が特定画像aの画像領域サイズの整数倍の大きさ(kL,jW)に閾値β未満で近似しているため、出力画像の中の特定画像を検知する。そして、制御部11は特定画像出力禁止処理を実行し(ステップS1088)、特定画像を検知した累積の回数Sを計数するために、記憶部16に記憶した検知回数Sを1ずつインクリメントして、回数S=S+1とする(ステップS1089)。一方、制御部11が差分値ε,ζのうちの少なくとも一方が閾値β以上であると判断した場合には(ステップS1087;NO)、出力画像の副走査方向の長さLが特定画像aの短辺の整数倍の長さkLに近似していないか、または、主走査方向の長さWが特定画像aの長辺の整数倍の長さjWに近似していないかの少なくとも一方の条件を満たすことになる。この時点では、それぞれの画像領域サイズが異なる可能性があるから、制御部11は出力画像に特定画像aが含まれているか否かを判断することはできない。
次に、制御部11は、出力画像の主走査方向の長さWと特定画像aの短辺の長さL、及び、出力画像の副走査方向の長さLと特定画像の長辺の長さWとを比較して求めた差分値σ,τがともに閾値β未満であるか否かを判断する処理を行う(ステップS1090)。ステップS1086で求めた差分値σ,τがともに閾値β未満である場合(ステップS1090;YES)、制御部11は、出力画像の画像領域サイズ(W,L)が特定画像aの画像領域の整数倍の大きさ(sL,tW)に閾値β未満で近似しているため、出力画像の中の特定画像aを検知する。そして、制御部11は特定画像出力禁止処理を実行し(ステップS1088)、特定画像を検知した累積の回数Sを計数するために、記憶部16に記憶した検知回数Sを1ずつインクリメントして、回数S=S+1とする(ステップS1089)。一方、制御部11が差分値ε,ζの少なくとも一方が閾値β以上であると判断した場合には(ステップS1090;NO)、出力画像の画像領域における主走査方向の長さWが特定画像aの短辺の整数倍の長さsLに近似していないか、または、副走査方向の長さLが特定画像aの長辺の整数倍の長さtWに近似していないかの少なくとも一方の条件を満たすことになる。したがって、ステップS1087,S1090によって出力画像の画像領域サイズが、特定画像aの画像領域サイズと閾値β以上異なっているため、制御部11は出力画像の中に特定画像aが含まれていないと判断することができる。
そして、制御部11は、記憶部16に記憶されている全ての特定画像の画像領域サイズと出力画像の画像領域サイズとを比較したか否かを判断する(ステップS1091)。この時点では、制御部11は特定画像aに関しての処理が終了しただけであるので、次は特定画像bについて同様の処理を行う必要があると判断し(ステップS1091;NO)、再びステップS1080に戻り、上記処理ステップS1080〜S1091を繰り返す。そして、記憶部16に記憶されている全ての特定画像(「特定画像a」、「特定画像b」、「特定画像c」)の画像領域サイズを出力画像の画像領域サイズと比較することで、出力画像の中にいずれの特定画像も含まれていないことを確認すると(ステップS1091;YES)、出力画像を表す画像データを画像形成部15に出力して画像形成処理を実行させる(ステップS1092)。
図8は、図5のステップS111で制御部11が実行する特定画像判定処理2の動作の手順を示したフローチャートである。なお、制御部11は図4のような特定語辞書Tdに基づいて判定処理を行い、判定処理の過程の一例を示した図7とともに説明する。
まず、制御部11は、特定画像判定処理2を実行するために使用する特定画像判定処理アルゴリズムを読み出す。そして、制御部11は、図7に示すような出力画像を表す画像データを読み取ると、出力画像iに含まれている文字を認識すべく、まず出力画像iの画像領域における全ての画素について輝度成分を抽出する(ステップS1110)。そして、制御部11は、出力画像iの画像領域から抽出した輝度成分について浮動二値化処理を施して、出力画像iに対応する二値画像を生成する(ステップS1111)。出力画像iの画像領域には様々な色やサイズの文字が含まれることがあるため、制御部11は所定の輝度以上を持つ画素を白、それ以外を黒で表した二値画像から文字を認識する。ところが、制御部11が出力画像iを表す二値画像を生成する際に、所定値以下の輝度を持つ背景画像や文字を表すものとは関係のないドットが出力画像iに重畳されていれば、二値画像にもこのドットが現れることになる。このような不要なドットが、文字が配置された領域やその周辺に重畳されていれば、制御部11が文字の誤認識や特定画像の誤検知をしてしまう可能性があるので、これを回避するためには、文字を認識する前に処理の妨げとなり得る不要なドットを取り除く処理を行う(ステップS1112)。制御部11が、二値画像から、文字とは無関係なドットを除去する具体的な方法として、特定画像の文字には用いられないような所定の大きさ以下のドットの集合を、ノイズと判断して除去する方法がある。制御部11は、二値画像から文字認識及び文字コード化さえできればよく、特定画像に含まれている文字は人間が視認できる程度の大きさは持っているため、ドットの小さな集合は除去しても構わない。また、制御部11は、注目画素と周りの参照点の濃度値を参照して濃度を決定する平滑化フィルタを用いて、背景画像などに用いられている網点成分や、特定画像の文字よりも細い線などを除去することもできる。
制御部11は、ステップS1112で不要なドットの除去処理を行えば、この二値画像に対してOCR(Optical Character Recognition)を施して、出力画像iに含まれている各文字がどのような文字であるかを認識し、認識した文字を所定のコード体系に従って文字コードに変換する(ステップS1113)。制御部11は変換した文字コードとともに、記憶部16から特定語辞書Tdを読み出す。そして、制御部11は、図7に示すように、この文字コードによって定義される文字列Tiと特定語辞書Tdに記憶された特定語を照合する(ステップS1114)。制御部11は、文字列Tiと特定語辞書Tdに記憶された特定語との文字一致度が閾値Mよりも大きいか否かによって、出力画像iの中に特定画像が含まれているか否か判断する(ステップS1115)。制御部11は、文字列Tiの中に特定語辞書Tdに記憶された特定語「五百」、「ドル」、「銀行券」、「500」の4つが含まれていると判断し、この文字一致度が閾値Mよりも大きければ出力画像iの中の特定画像を検知し(ステップS1115;YES)、特定画像出力禁止処理を実行する(ステップS1116)。そして、制御部11は、特定画像を検知した累積の回数Sを計数するために、記憶部16に記憶した検知回数Sを1ずつインクリメントして、回数S=S+1とする(ステップS1117)。一方、制御部11は、この文字列Tiの中に特定語辞書Tdに記憶された特定語が全く含まれない場合のように、文字一致度が閾値M以下である場合には、出力画像iの中に特定画像が含まれていないことを判断し(ステップS1115;NO)、出力画像iを表す画像データを画像形成部15に供給して画像を記録シートに形成させる(ステップS1118)。
図9は、図5のステップS112において、制御部11が行う特定画像判定処理3の動作の手順を示したフローチャートである。図の説明において、制御部11が出力画像との画素一致度を求める基準画像を基準画像a、基準画像b、基準画像cとし、それぞれ特定画像a、特定画像b、特定画像cの画像領域全体または一部分の画像を表すものとする。
まず、制御部11は、特定画像判定処理3を実行するために使用する特定画像判定処理アルゴリズムを読み出す。そして、制御部11は、画像形成対象となる画像データを読み取ると、その画像データが表す出力画像との画素一致度を比較すべく、最初に画素一致度を求める対象となる基準画像aを表す画像データを記憶部16から読み出す(ステップS1120)。制御部11は、パターンマッチングによって基準画像aと出力画像を輝度成分、又は輝度成分及び色差成分について1画素毎に比較する(ステップS1121)。制御部11は基準画像aの出力画像との輝度成分、又は輝度成分及び色差成分の画素一致度を求め、それが閾値Mよりも大きいか否かを判断する(ステップS1122)。制御部11は、基準画像aの出力画像との画素一致度が閾値Mよりも大きいと判断すれば(ステップS1122;YES)、出力画像の中の特定画像aを検知し、特定画像出力禁止処理を実行する(ステップS1123)。そして、制御部11は、特定画像を検知した累積の回数Sを計数するために、記憶部16に記憶した検知回数Sを1ずつインクリメントして、回数S=S+1とする(ステップS1124)。一方、制御部11は、基準画像aの出力画像との画素一致度が閾値M以下であると判断すれば(ステップS1122;NO)、出力画像の中に特定画像aが含まれていないと判断する。
そして、制御部11は、特定画像辞書に記憶された別の基準画像との画素一致度を求める処理を開始すべく、処理ステップS1120〜S1124において、特定画像辞書に記憶された全ての基準画像と出力画像の画素一致度を求めたか否かを判断する(ステップS1125)。制御部11は、まだ基準画像aの出力画像との画素一致度を求めただけであるので、比較の対象となる全ての基準画像について出力画像との画素一致度を求めていない判断する(ステップS1125;NO)。そして、制御部11は、出力画像の中に基準画像bが含まれているか否かを判断すべく、基準画像bについて、上記と同様の処理ステップS1120〜S1125を繰り返す。この結果、制御部11が基準画像bの出力画像との画素一致度が閾値Mで以下あり、出力画像の中に特定画像bも含まれていないことを判断すれば、基準画像cについても同様の処理ステップS1120〜S1125を繰り返す。
そして、制御部11は、基準画像a、基準画像b、基準画像cの出力画像との画素一致度が閾値M以下と判断し、特定画像辞書に記憶された全ての基準画像について画素一致度を求めたと判断すれば(ステップS1125;YES)、出力画像を表す画像データを画像形成部15に出力して画像形成処理を実行させる(ステップS1126)。そして、制御部11は特定画像判定処理3を終了する。
次に、上述した特定画像判定処理1、特定画像判定処理2、特定画像判定処理3において、制御部11が画像形成対象となる出力画像の中に特定画像が含まれていると判断した場合に実行する特定画像出力禁止処理について説明する。
制御部11は、出力画像の中に特定画像が含まれていると判断すると、その出力画像(つまり特定画像)の不正使用を防止するために、前述したように出力画像の画像領域に対し、図2の「さんぷる」というような、特定画像と同じ画像を出力する行為への警告及び不正使用を防止するための文字や画像を重畳した画像データを生成する。そして、制御部11は生成した画像データを画像形成部15に出力するとともに、表示部17に特定画像を検知した旨のメッセージを表示させる。
以上説明したように、画像処理装置10は偽造行為を検知した回数に応じて、画像形成の対象となる画像に複製が禁じられた画像が含まれているか否かを判断するための判定方法を選択する。例えば、画像処理装置10は偽造行為を検知した回数が比較的少ない場合には、偽造行為への危険性も比較的小さいため、処理に要する時間の短い判定処理を行い、特定画像を検知しない場合には迅速に出力処理を行うことができる。そして、画像処理装置10は偽造行為を検知した回数が多くなるほど、偽造行為への危険性も大きくなるため、判定精度の高い判定処理を行い、正確に特定画像を検知することができる。したがって、偽造行為への危険性に応じて判定処理を選択するため、迅速な出力処理や正確な判定処理を行うことができる。
<3:変形例>
上述した実施形態の特定画像判定処理1では、複数の特定画像が並べて配置されているような出力画像に対しても、特定画像を検知することができる。さらに、出力画像に複数の特定画像が間隔を開けて配置された場合であっても、次のような方法で特定画像を検知することが可能となる。特定画像が間隔を開けて配置されているような出力画像からその特定画像を検知するためには、各々の特定画像の画像領域を特定する必要がある。そのために、画像処理装置10は、出力画像の輝度成分の投影分布から特定画像の画像領域を推定する方法を用いる。輝度成分の投影分布は、制御部11が出力画像を構成する各画素の輝度成分を抽出し、抽出した輝度成分を所定の方向(ここでは主走査方向及び副走査方向)に投影し、投影された輝度成分の値を累算することで求めることが可能である。
例えば、図10に示すような6つの特定画像i1〜i6が、主走査方向に3列で副走査方向には2列に並べられ、且つ、それぞれ間隔を開けて配置された出力画像Iがあるとする。特定画像i1〜i6の画像領域サイズは同じであり、各々の特定画像i1〜i6は図10に示したような任意の幅の間隔を開けて配置されているものとする。この場合、出力画像Iの主走査方向の投影分布は図に示した投影分布wのようになり、出力画像Iの副走査方向の投影分布は図に示した投影分布lのようになる。また、間隔部分の投影分布はd1〜d7のようになる。つまり、特定画像i1〜i6が同一の特定画像であり、それぞれが一定方向に配置されている場合には、投影分布wにおけるw1,w2,w3や投影分布lにおけるl1,l2のように、同じ演算結果(同じ形状)となる投影分布が周期的に現れることになる。制御部11は、このような投影分布から演算結果が同じである領域を抽出して、特定画像の一辺の長さを推定することができる。
また、同様に特定画像の画像領域サイズは同じであるが、特定画像i1〜i6の種類が異なる場合や特定画像の配置方向が真逆である場合もある。このような場合における出力画像Iと投影分布の関係は図11に示したようになり、投影分布w1,w2,w3や、投影分布l1,l2においては異なる演算結果(異なる形状)となる投影分布が現れる。しかし、前述したように特定画像i1〜i6が間隔を開けて配置されていることに着目すれば、出力画像の背景色は一定である場合が多く、その領域における輝度も一定であるため、間隔部分のみから算出した投影分布はd1〜d7のように一定の距離で変化しないことになる。例えば、出力画像の背景色が白色である場合、特定画像間に設けられた間隔部分のみを表す投影分布の演算結果は非常に小さな値となる。一方、特定画像の対象となる紙幣や有価証券においては偽造を防止するために、複雑な構図であることも多く、このような場合には輝度の投影分布も領域毎に大きく異なることになる。そのため、画像処理装置10は投影分布において、一定の距離で投影分布が変化しない領域においては画像領域が存在せず、複数の画像間に設けられた間隔であることを推定することができる。このような処理により、画像処理装置10は出力画像に対して複数の画像が間隔を開けて配置された場合においても、それぞれの画像の画像領域を推定して特定画像を検知することができる。
上述した実施形態において、制御部11は特定画像の累積の検知回数Sに応じて、特定画像判定処理1、特定画像判定処理2、特定画像判定処理3のいずれか1つの判定処理を行っていたが、複数の判定処理を併用して行ってもよい。例えば、制御部11は、特定画像の検知回数Sがtよりも少ない場合においては、出力画像と特定画像の画像領域サイズによって、出力画像の中に特定画像が含まれているか否か判断する特定画像判定処理1のみを行っていた。しかし、この場合には、特定画像を含まない出力画像が偶然に特定画像の画像領域サイズに閾値未満で近似してしまい、制御部11が特定画像を誤検知してしまうこともあり得る。よって、制御部11が出力画像に特定画像が含まれていない場合にも特定画像出力禁止処理を実行することになり、画像形成処理を行うことができない。そこで、判定精度を向上させるため、出力画像と特定画像の画像領域サイズの差分が閾値よりも大きいものの、その値が所定値以下である場合には、制御部11は出力画像が特定画像候補であることを検知して、特定画像判定処理2や特定画像判定処理3を実行するといった具合である。同様に、制御部11が、特定画像判定処理2と特定画像判定処理3を併用して行ってもよい。このように制御部11が、出力画像に対して複数の判定処理を併用して行えば、誤検知を減少させることが可能となる。
また、実施形態では、制御部11は出力画像の中から特定画像を検知した場合、出力画像に対して決められた画像を重畳して画像形成部15に出力するようにしていたが、要は、その出力画像を記録シートに形成させないようにすればよいのだから、出力画像の内容を変更して画像形成部15に出力してもよいし、出力画像を画像形成部15に一切出力しないようにしてもよい。
上述した制御部11によって実行されるプログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で画像処理装置10に提供し得る。また、インターネットのようなネットワーク経由で画像処理装置10にダウンロードさせることも可能である。
本実施形態に関する画像処理装置の構成を示したブロック図である。 同画像処理装置の制御部が行う処理の過程を説明する図である。 同画像処理装置によって記憶されている特定画像の画像領域サイズを示す管理テーブルの一例を示す図である。 同画像処理装置によって記憶されている特定語を記憶する特定語辞書の一例を示す図である。 同画像処理装置の制御部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 同画像処理装置の制御部が実行する特定画像判定処理1の処理の手順を示すフローチャートである。 同画像処理装置の制御部が行う特定画像判定処理2の過程を説明する図である。 同画像処理装置の制御部が実行する特定画像判定処理2の処理の手順を示すフローチャートである。 同画像処理装置の制御部が実行する特定画像判定処理3の処理の手順を示すフローチャートである。 変形例において出力画像の輝度成分の投影分布の一例を示す図である。 変形例において出力画像の輝度成分の投影分布の一例を示す図である。
符号の説明
10…画像処理装置、11…制御部、12…操作部、13…通信部、14…画像読取部、15…画像形成部、16…記憶部、17…表示部。

Claims (4)

  1. 与えられた画像データによって表される画像に予め決められた特定画像が含まれているか否かを判定するための手順を示す判定アルゴリズムであって、その判定精度がそれぞれ異なる複数の判定アルゴリズムを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段によって記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを用いて、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された場合には、前記与えられた画像データが表す画像に対して決められた画像を重畳して出力するか、前記与えられた画像データが表す画像の内容を変更して出力するか又は前記与えられた画像データを出力しない出力制御手段と、
    前記判定手段によって、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された回数を計数する計数手段と、
    前記計数手段によって計数された回数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを前記判定手段が用いる判定アルゴリズムとして選択する選択手段であって、前記計数手段によって計数された回数が多くなるに従って前記判定精度が高い判定アルゴリズムを選択する選択手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記複数の判定アルゴリズムには、
    前記与えられた画像データが表す画像の画像領域サイズを検出し、検出した画像領域サイズと予め記憶した前記特定画像の画像領域サイズとの差分が第1の閾値未満である場合には、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると前記判定手段が判定するための手順を示す第1の判定アルゴリズムと、
    前記与えられた画像データが表す画像に含まれる文字列を認識し、認識した文字列と前記特定画像に含まれる文字列との一致度が第2の閾値よりも大きい場合には、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると前記判定手段が判定するための手順を示す第2の判定アルゴリズムであって、前記第1の判定アルゴリズムの判定精度よりも高い判定精度の第2の判定アルゴリズムと、
    前記画像データが表す画像を構成する各画素の輝度成分、又は輝度成分及び色差成分を抽出し、抽出した輝度成分、又は輝度成分及び色差成分と、前記特定画像を構成する画素の輝度成分、又は輝度成分及び色差成分とが一致した画素数を算出し、算出した画素数が第3の閾値よりも大きい場合には、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると前記判定手段が判定するための手順を示す第3の判定アルゴリズムであって、前記第2の判定アルゴリズムの判定精度よりも高い判定精度の第3の判定アルゴリズムと
    のうち少なくとも2つが含まれていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記第1の判定アルゴリズムは、前記画像データが表す画像を構成する各画素の輝度成分を抽出し、抽出した輝度成分を所定の方向に投影し、投影された輝度成分の値を累算し、累算した値の分布に基づいて前記与えられた画像データが表す画像の画像領域サイズを検出するための手順が示されていることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
  4. コンピュータに、
    与えられた画像データによって表される画像に予め決められた特定画像が含まれているか否かを判定するための判定アルゴリズムであって、その判定精度がそれぞれ異なる複数の判定アルゴリズムを記憶手段に記憶させる機能と、
    前記記憶手段によって記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを用いて、前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれているか否かを判定する機能と、
    前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された場合には、前記与えられた画像データが表す画像に対して決められた画像を重畳して出力するか、前記与えられた画像データが表す画像の内容を変更して出力するか又は前記与えられた画像データを出力しない機能と、
    前記与えられた画像データが表す画像に前記特定画像が含まれていると判定された回数を計数する機能と、
    計数された前記回数に基づいて、前記記憶手段に記憶されている複数の判定アルゴリズムのうちのいずれかを前記判定する機能によって用いられる判定アルゴリズムとして選択する機能であって、前記計数手段によって計数された回数が多くなるに従って前記判定精度が高い判定アルゴリズムを選択する機能と
    を実現させるためのプログラム。
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