JP2007278761A - タイヤ空気圧検出装置 - Google Patents

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武 種村
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Abstract

【課題】圧力センサの耐久性を高めたタイヤ空気圧検出装置を提供すること。
【解決手段】タイヤ空気圧検出装置1は、有底箱形のケース4と、ケース4の内底面4bに実装された圧力センサ3および水晶振動子14を含む回路部品5群と、開口4aを覆うカバー6と、ケース4内で内底面4bから所定の高さ位置まで充填したシリコン樹脂を硬化させてなる封止材7とを備えており、車両のタイヤに取り付けて使用される。ケース4内で封止材7とカバー6との間に存する空間は、カバー6の空気孔6aを介してタイヤ内の空気と連通する連通空間8となっている。圧力センサ3は静電容量型の感圧素子であって、その内底面4bに搭載されるシリコン基体9上にダイヤフラム12が保持されており、ケース4内における封止材7の高さ位置がダイヤフラム12の存する高さ位置と略同等に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のタイヤ空気圧を監視するシステムにおいてタイヤ側に設置されるタイヤ空気圧検出装置に係り、特に、圧力センサに静電容量型の感圧素子が用いられているタイヤ空気圧検出装置に関する。
静電容量型の圧力センサはダイヤフラムの撓みに応じて静電容量が変化するという感圧素子であり、この感圧素子の出力する静電容量値に基づいてダイヤフラムを撓ませる外力(圧力)の大きさを検出することができる。そこで従来より、回路基板上に静電容量型の圧力センサと検出回路用の回路部品を配設することによって、ダイヤフラムの撓み量を規定する空気圧を検出できるようにした圧力センサが一般に知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、最近、圧力センサをアンテナ素子と組み合わせることによって、車両の走行中に運転者がタイヤ空気圧をモニタリングできるようにするというシステムが注目されている。これはタイヤ空気圧監視システム(TPMS)と呼称されるシステムであって、タイヤ側に圧力センサやアンテナ素子を設置して、車両本体側に設けられた質問器からの質問信号をアンテナ素子が受信すると、圧力センサが検出したタイヤ空気圧の情報が該アンテナ素子から該質問器へ向けて送信されるようになっている。
特開2002−5766号公報(第2頁、図3)
前述したタイヤ空気圧監視システムでは、タイヤ空気圧を検出する圧力センサがタイヤに取り付けられるため、この圧力センサには衝撃や遠心力等の大きな力が作用し、かつ、圧力センサの周辺の環境温度は大きく変化する。それゆえ、静電容量型の圧力センサや他の回路部品を回路基板上に実装したものをタイヤ空気圧監視システムに適用する場合には、厳しい環境下でも圧力センサに動作不良や損傷が発生しないように特別な対策を講じる必要があるが、これまでは効果的な対策が採られていなかったため、圧力センサの耐久性が不十分であった。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、圧力センサの耐久性を高めたタイヤ空気圧検出装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のタイヤ空気圧検出装置では、開口を臨む内底面が部品実装面となっている有底箱形のケースと、このケースの内底面に実装された圧力センサおよび回路部品と、車両のタイヤ内の空気に連通する空気孔を有して前記ケースの開口を覆うカバーと、前記ケース内でその内底面から所定の高さ位置まで充填した溶融樹脂を硬化させてなる封止材とを備え、前記圧力センサが前記ケースの内底面に搭載される基体上にダイヤフラムを保持した静電容量型の感圧素子であり、この基体と前記封止材とが熱膨脹係数の略同等な材料からなると共に、前記ケース内における前記封止材の高さ位置が前記ダイヤフラムの存する高さ位置と略同等に設定されている構成にした。
このように構成されたタイヤ空気圧検出装置は、ケース内に配設された静電容量型の圧力センサの周囲に封止材の樹脂材料が充填されているため、圧力センサは封止材によって保護された状態になっている。したがって、衝撃や遠心力等の大きな力が作用しても圧力センサは損傷しにくく、かつ、水分等の異物の付着に起因する圧力センサの動作不良も起こりにくくなる。また、封止材の樹脂材料は圧力センサの基体の材料と熱膨脹係数が略同等なため、環境温度が大きく変化しても、熱膨脹係数の相違に起因する応力が該基体に作用する可能性は極めて低い。それゆえ、車両のタイヤに取り付けられて使用される圧力センサの耐久性が大幅に向上し、長寿命化が図れる。なお、圧力センサの構成部品であるダイヤフラムは、ケース内でカバーの空気孔が臨出している連通空間に露出していることが最も好ましいが、ダイヤフラム上に封止材の樹脂材料が薄く形成されていても検出精度にはほとんど影響しない。
上記の構成において、感圧素子の基体と封止材とがいずれもシリコン樹脂からなる場合には、両者の熱膨脹係数が全く同じになるため、環境温度が大きく変化しても高信頼性が維持しやすくなる。
また、上記の構成において、ケースの内底面に実装された回路部品が、圧力センサの出力する静電容量値に応じて振動数が変化して該圧力センサよりも低背な水晶振動子を有し、この水晶振動子が封止材によって封止されていると、水晶振動子が確実に保護されることになるため圧力センサの耐久性を一層向上させることができる。
また、上記の構成において、ケースの開口を覆うカバーには、圧力センサと対向する箇所からずらした位置に空気孔が穿設されていることが好ましく、こうすることで圧力センサのダイヤフラム上に異物が付着しにくくなるため検出精度の劣化が回避しやすくなる。
本発明のタイヤ空気圧検出装置は、ケース内に配設された静電容量型の圧力センサの周囲に封止材の樹脂材料が充填されているため、圧力センサは封止材によって保護された状態になっている。したがって、衝撃や遠心力等の大きな力が作用しても圧力センサは損傷しにくく、かつ、水分等の異物の付着に起因する圧力センサの動作不良も起こりにくくなる。また、封止材の樹脂材料は圧力センサの基体の材料と熱膨脹係数が略同等なため、環境温度が大きく変化しても熱膨脹係数の相違に起因する応力が該基体に作用する可能性は極めて低い。それゆえ、車両のタイヤに取り付けられて使用される圧力センサの耐久性が大幅に向上して、長寿命化が図れる。
発明の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施形態例に係るタイヤ空気圧検出装置の斜視図、図2は該検出装置の概略断面図、図3は該検出装置に内蔵されている圧力センサの断面図である。
これらの図に示すタイヤ空気圧検出装置1は、車両のタイヤ空気圧を監視するシステム(TPMS)に適用されたものであって、図2に示すようにアンテナ素子2と一体化されて図示せぬタイヤの空気バルブ付近に設置されるようになっている。このタイヤ空気圧検出装置1には圧力センサ3や検出回路用の回路部品5が内蔵されており、車両本体側に設けられた図示せぬ質問器からの質問信号をアンテナ素子2が受信すると、圧力センサ3が検出したタイヤ空気圧の情報がアンテナ素子2から該質問器へ向けて送信されるようになっている。なお、本実施形態例では、アンテナ素子2として逆F型アンテナを用いているが、他のアンテナ構造であってもよい。
タイヤ空気圧検出装置1について詳しく説明すると、この検出装置1は、有底箱形のケース4と、ケース4の開口4aを臨む内底面4bに実装された圧力センサ3および回路部品5群と、開口4aを覆ってケース4に一体化された板状のカバー6と、ケース4内で圧力センサ3および回路部品5群を封止している封止材7とを備えて構成されている。ケース4の内底面4bは図示せぬ配線パターンが形成された部品実装面であって、この配線パターンはアンテナ素子2と電気的に接続されている。また、ケース4内で封止材7とカバー6との間に存する空間は、タイヤ内の空気と連通する連通空間8となっている。
圧力センサ3は静電容量型の感圧素子であって、ケース4の内底面4bに搭載される肉厚なシリコン基体9と、シリコン基体9上に設けられたガラス層10と、ガラス層10上に設けられた下部電極11と、ガラス層10を介してシリコン基体9に保持されたダイヤフラム12と、ダイヤフラム12に設けられて下部電極11と対向する上部電極13と、各電極11,13から導出された図示せぬ端子部とを備えて構成されており、該端子部がボンディングワイヤ等によって前記配線パターンに接続されている。回路部品5群は水晶振動子14とコンデンサやダイオード等のチップ部品とを含んでおり、これら回路部品5群の高さは圧力センサ3よりも低背となっている。図3に示すように、圧力センサ3は大部分が封止材7に封止されているが、ダイヤフラム12上には封止材7が存せず、それゆえダイヤフラム12は連通空間8内に露出している。
カバー6にはタイヤ内の空気と連通する空気孔6aが穿設されており、この空気孔6aは圧力センサ3のダイヤフラム12と対向する箇所からずらした位置に形成されている。封止材7は、溶融状態のシリコン樹脂をケース4内で内底面4bから所定の高さ位置まで充填して硬化させたものであり、ケース4内における封止材7の高さ位置はダイヤフラム12の存する高さ位置と略同等に設定されている。
上記の如くに構成されたタイヤ空気圧検出装置1は、ケース4内の連通空間8がカバー6の空気孔6aを介してタイヤ内の空気と連通されており、この連通空間8に圧力センサ3のダイヤフラム12が露出しているため、タイヤ空気圧に応じてダイヤフラム12の撓み量が変化する。そして、ダイヤフラム12の撓みに応じて下部電極11と上部電極13との間の静電容量が変化するため、圧力センサ3の出力する静電容量値に基づいてタイヤ空気圧を検出することができる。具体的には、圧力センサ3の出力する静電容量値に応じて水晶振動子14の振動数が変化するため、この振動数でアンテナ素子2を共振させることにより、圧力センサ3によって検出されたタイヤ空気圧の情報がアンテナ素子2から車両本体側へ送信されるようになっている。
このように本実施形態例に係るタイヤ空気圧検出装置1は、ケース4内に配設された静電容量型の圧力センサ3の周囲に封止材7(シリコン樹脂)が充填され、圧力センサ3がこの封止材7によって保護される構造にしてあるため、衝撃や遠心力等の大きな力が作用しても圧力センサ3は損傷しにくく、水分等の異物の付着に起因する圧力センサ3の動作不良も起こりにくくなっている。しかも、封止材7は圧力センサ3のシリコン基体9と同じ樹脂材料からなり熱膨脹係数が同等なため、環境温度が大きく変化しても熱膨脹係数の相違に起因する応力がシリコン基体9に作用することはない。また、水晶振動子14を含む回路部品5群が封止材7に埋設状態で封止されているため確実に保護されている。さらにまた、カバー6の空気孔6aの形成位置にも配慮し、この空気孔6aが圧力センサ3と対向する箇所からずらした位置に穿設されているため、ダイヤフラム12上に異物が付着しにくくなって検出精度の劣化が回避しやすくなっている。それゆえ、この圧力センサ3は耐久性が大幅に向上しており、車両のタイヤに取り付けられて使用されるという厳しい環境下でも、長期に亘って良好な性能を維持することができる。
なお、上記実施形態例では、圧力センサ3のダイヤフラム12がケース4内の連通空間8に露出しているが、ダイヤフラム12上に封止材7が薄く形成されていても検出精度にはほとんど影響しないので、ケース4内における封止材7の高さ位置がダイヤフラム12を薄く覆う高さ位置に設定してあってもよい。
本発明の実施形態例に係るタイヤ空気圧検出装置の斜視図である。 該検出装置の概略断面図である。 該検出装置に内蔵されている圧力センサの断面図である。
符号の説明
1 タイヤ空気圧検出装置
2 アンテナ素子
3 圧力センサ
4 ケース
4a 開口
4b 内底面
5 回路部品
6 カバー
6a 空気孔
7 封止材
8 連通空間
9 シリコン基体
10 ガラス層
11 下部電極
12 ダイヤフラム
13 上部電極
14 水晶振動子

Claims (4)

  1. 開口を臨む内底面が部品実装面となっている有底箱形のケースと、このケースの内底面に実装された圧力センサおよび回路部品と、車両のタイヤ内の空気に連通する空気孔を有して前記ケースの開口を覆うカバーと、前記ケース内でその内底面から所定の高さ位置まで充填した溶融樹脂を硬化させてなる封止材とを備え、前記圧力センサが前記ケースの内底面に搭載される基体上にダイヤフラムを保持した静電容量型の感圧素子であり、この基体と前記封止材とが熱膨脹係数の略同等な材料からなると共に、前記ケース内における前記封止材の高さ位置が前記ダイヤフラムの存する高さ位置と略同等に設定されていることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。
  2. 請求項1の記載において、前記基体と前記封止材とがいずれもシリコン樹脂からなることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。
  3. 請求項1または2の記載において、前記回路部品が、前記圧力センサの出力する静電容量値に応じて振動数が変化して該圧力センサよりも低背な水晶振動子を有し、この水晶振動子が前記封止材によって封止されていることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項の記載において、前記カバーには、前記圧力センサと対向する箇所からずらした位置に前記空気孔が穿設されていることを特徴とするタイヤ空気圧検出装置。
JP2006103269A 2006-04-04 2006-04-04 タイヤ空気圧検出装置 Withdrawn JP2007278761A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013173434A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Pacific Ind Co Ltd タイヤ状態監視装置
US8649181B2 (en) 2009-08-21 2014-02-11 Bridgestone Corporation Tire condition detecting device

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