JP2007277400A - 合成樹脂、難接着性素材を改良した顔および肌貼付け用装飾品 - Google Patents

合成樹脂、難接着性素材を改良した顔および肌貼付け用装飾品 Download PDF

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Masazumi Tanimura
正純 谷村
Chikako Nakao
智香子 中尾
Rumi Kakinuma
留美 柿沼
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Abstract

【課題】従来、印刷が困難であった合成樹脂や難接着性素材を印刷可能にすることを課題としている
【解決手段】合成樹脂及び難接着性素材表面に抗酸化処理水を作用させ、且つ合成樹脂にTiO2またはSiO2などの大径粒子を混ぜ、表面に海島構造をもつ表面性を持たせることにより、表面抵抗率が低下し印刷出来る特性をもたせた合成樹脂
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンゴムやポリマー、および一般の合成樹脂等の表面印刷が難しいとされてきた素材に印刷を可能とするものであり、表面抵抗率を印刷適正領域に改善し、印刷性と装飾性を向上させ、また、表面に従来合成樹脂になかった機能性を付加した合成樹脂で出来た顔および肌貼付け用装飾品に関するものである。
従来のシリコンゴム、生体用シリコン、ポリマー製品などに代表される柔軟性を持つ難接着性素材に対して、表面印刷を目的とする技術としては、今まで試みがほとんどなく、表面を高温で処理して素材を変質させて可能にする技術があった。
しかしながら、現状の素材での表面印刷は困難であり、高温による表面処理にはコストもかかる上に2次加工であり、該当素材に相当する一般的商品は殆ど流通していないのが現状である。このため、合成樹脂を装飾分野に用いることは、現状素材を単に様々な形に成型するに留まり、表面に印刷などを施したものは見られない。また、シリコン等の素材の持つ柔軟性や密着性を活かすことにより、幅広い分野における装飾品の展開が可能であるにも関わらずそのような製品は極めて限定されている。
本発明は合成樹脂全般の印刷において、実用レベルの効果を発揮し、バラツキを小さく、かつ長期に亘り、性能を維持する素材および製品を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するために種々の検討を重ねた結果、本発明を完成した。
第一の発明は図1に記載のように、抗酸化処理水を作用させ、素材生成を行い、且つ大径粒子のTiO2またはSiO2などを使用し、素材表面に海島構造を持たせることにより、表面抵抗率109〜1010Ω/cm2の特性を得た。このことにより、合成樹脂の素材特性を損なうことなく、表面に印刷が可能となることを特徴とする合成樹脂で出来た顔および肌貼付け用装飾品に関する。
第二の発明は第一の発明において宝石・その他の装飾品を埋め込んだ顔および肌貼付け用装飾品に関する
第三の発明は第一の発明において蓄光材及び蛍光材を混合した顔および肌貼付け用装飾品に関する
第四の発明は請求項1において鉄粒子を塗布し空気に触れることにより、発熱し、発光する顔および肌貼付け用装飾品に関する
第五の発明は第一〜第四のいずれかに別途の素材を貼り合わせまたは組み合わせた顔および肌貼付け用装飾品に関する
以上の説明から明らかなように本発明によれば、難密着性素材に対して良好な印刷特性をもたらし、経時間劣化も通常の印刷物に異ならず、常に安定的であり、性能の低下がないことを特徴としている表面印刷可能な合成樹脂製品、またその複合製品を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を挙げて詳細に説明する。
これまで合成樹脂における表面印刷においては、特に柔軟性のある難密着性、難接着性のあるシリコンゴムや生体用シリコン、ポリマー類において表面抵抗率が高いために、単に素材の物理特性を活かした商品にのみ力点がおかれてきた。近年、ポリマー素材の美しさを利用したガラスなどにのみ付着する装飾品がようやく出回りつつあり、市場ニーズとして、従来のシール類にとって代わるものとして注目を集めつつあるが、これらの表面に印刷を施した製品は存在しない。また、様々なものに付着させて装飾するという観点からは、シール類が挙げられるが、シール類は一度付着させると、剥がすのに手間がかかることと、一度切りの使用しかできないため、TPOによる使い分けが出来ないという欠点をもっていた。表面印刷を可能にする主な取り組み技術としては、合成樹脂表面を燃焼化気相蒸着により酸化炎処理して無機質を表面蒸着させる方法があり、フレーム処理・コロナ処理・プラズマ処理といった前処理も行われている。しかし、表面を高温処理により硬化させる可能性があり、物質本来の柔軟性を損ねる恐れのある方法である上に、再度接着する場合には、再処理を必要とし、易接着性向上の効果に持続性が乏しく、時間経過の中で性能が低下したりしている。
本発明はこのような時間経過の低減を起こさないために考案されたもので、ここに本発明者らが、提示する方法は、これまでのコロナ・プラズマ・酸化炎などに拠る表面硬化、若しくは変質させる恐れのある方法を一切用いることなく、素材生成時に大径粒子のTiO2やSiO2を混ぜて表面を海島構造にすること。その際、抗酸化処理水による処理を施すことで、図2に示すように、表面処理をする際、海島構造上のTiO2やSiO2粒子が高さ方向に若干不均一な構造を取る。このことが、より良好なアンカー効果をもたらし、単にTiO2やSiO2などを用いるだけでは得られない、表面抵抗率109〜1010Ω/cm2という特性を獲得することを得た。以上の理由により印刷用途適正のマテリアルとしての柔軟性合成樹脂の特性が高まり、しかも、抗酸化処理による生産方法のため、印刷に適した特性は樹脂素材に変化をもたらさない素材であれば温度変化の影響を受けることなく混入することが出来るため、幅広い応用展開を可能とする。また、表面処理でなく物理素材の混入のために、常に安定的に密着し、性能の低下がないことを特徴としている。
一般に印刷とは、印刷する物質とインクの分子密着性との適合性に拠り行われているが、この両者のうち、印刷対象物として難度が高いシリコンゴムやポリマーのような難接着性の素材においては、表面抵抗値の改善によりその可否が左右されると言われている。本発明者らはこれら難接着性素材の表面抵抗率を低下できれば、印刷性が高まることに着目し、且つ長期に亘って、性能低下を起こさない本発明を考案した。
こうして得られる合成樹脂は、樹脂表面の抵抗率が印刷可能・適正な領域となり、且つ樹脂素材の柔軟性を失うことなく印刷に必要な樹脂材料としては適正な形態になり、印刷段階は短時間でインクとの良好な密着が起こり、仕上がりとしては美しくムラのないものとなる。そのために装飾用途としての優れた可能性をもった樹脂が、実用レベルで展開可能となる。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定するものではない。
実施例1:シールに換わる装飾品として
図1は本発明のTiO2やSiO2による海島構造の全体図である。図中において物質的構造のみを記載しているが、抗酸化処理水をもって処理を行うことも本発明の特徴である。
本実施例は、該素材の顔への装飾(タトゥーシール)の適用であり、この場合は難密着性素材の持つ柔軟性を活かして、且つその上に装飾印刷を施して、従来特殊なシールでしか貼ること出来なかった部位への装飾を目的としたものとなる。2次素材として、顔への密着を容易にする既存のポリマー素材を利用しており、前記の素材特性によりインクの密着は良好であり、装飾印刷が可能となる。また、該素材生成には原素材の抵抗率以外に変化はもたらさず、且つ原素材に素材変化をもたらさない他の物質であれば、混入しても表面特性に変化をもたらすものではない為、該素材に蓄光物質を混入することで、暗所で発光するといった製品も展開できる。また、シールと違い、立体的特長をもつ素材であり、且つ柔軟性に富むが故に、該素材に宝石やその他の装飾物質を埋め込むことで、従来では不可能であった顔への直接の宝飾が可能となった。
本実施例の顔に付着使用したものであるが、実際に様々な難密着性素材に印刷を施し経過日数による印刷劣化テストを試み、他素材との比較テストを試みた。
(実施例1)
・対象物・・・シリコンゴム
・使用物:図1の本実施例の装飾品
・使用条件: 4週間の使用で印刷の劣化をみる
◆結果:良好
(実施例2)
・対象物・・・生体用シリコン
・使用物:図1の本実施例の装飾品
・使用条件:4週間の使用で印刷の劣化をみる
◆結果:良好
(実施例3)
・対象物・・・難密着性ポリマー
・使用物:図1の本実施例の装飾品
・使用条件:4週間の使用で印刷の劣化をみる
◆ 結果:良好
本発明該素材分子構造全体図 本発明該素材構造断面図
符号の説明
a.
TiO2やSiO2などの粒子
b.
シリコンゴムなどの難密着性素材
c.
海島構造の不均一な高低差

Claims (5)

  1. 合成樹脂及び難接着性素材表面に抗酸化処理水を作用させ、且つ合成樹脂にTiO2またはSiO2などの大径粒子を混ぜ、表面に海島構造をもつ表面性を持たせることにより、表面抵抗率が低下し印刷出来る特性をもたせ、種々の印刷やプリントを施した合成樹脂でできた顔および肌貼付け用装飾品
  2. 請求項1において宝石・その他の装飾品を埋め込んだ顔および肌貼付け用装飾品
  3. 請求項1において蓄光材及び蛍光材を混合した顔および肌貼付け用装飾品
  4. 請求項1において鉄粒子を塗布し空気に触れることにより、発熱し、発光する顔および肌貼付け用装飾品
  5. 請求項1〜4のいずれかに別途の素材を貼り合わせまたは組み合わせた顔および肌貼付け用装飾品
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