JP2007276137A - 駆動モータの制御装置、被駆動部材の駆動装置、インクジェットプリンタおよび被駆動部材の駆動方法 - Google Patents

駆動モータの制御装置、被駆動部材の駆動装置、インクジェットプリンタおよび被駆動部材の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】たとえば、駆動モータの駆動負荷が過剰にならないようにすること。
【解決手段】駆動モータ17の制御装置の制御指令値生成手段42は、被駆動部材10を
駆動する駆動モータ17への制御指令値として、制御偏差が大きくなるほど大きな値とな
る制御指令値を生成する。停止指示手段43は、制御指令値生成手段42が生成する制御
指令値が予め定められた判定閾値41以上になると、制御指令値生成手段42による制御
指令値の生成を終了させて駆動モータ17の駆動を停止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動モータの制御装置、被駆動部材の駆動装置、インクジェットプリンタお
よび被駆動部材の駆動方法に関する。
特許文献1は、プリンタを開示する。このプリンタは、キャリッジを、キャリッジモー
タの駆動によってガイド部材に沿って往復運動させる。また、キャップの上方位置にある
キャリッジは、キャップ昇降機構により昇降されるキャップにより、記録ヘッドのノズル
開口面が封止される。
特開2005−271456号公報(図1、発明を実施するための最良の形態の欄、段落0018、0021など)
特許文献1にあるように、プリンタは、キャリッジをガイド部材に沿って移動させて、
印刷をすることができる。そして、このキャリッジは、各種の制御シーケンスにおいて、
たとえばその印刷のための走査の後に、特許文献1でのキャップの上方位置や、ホームポ
ジションなどに位置決めする必要がある。
しかしながら、キャリッジの位置や速度は、一般的には、キャリッジの走査方向に沿っ
て明暗のパターンを、キャリッジに設けられた光学センサで読み取ることで検出している
。そして、この検出方法だけでは、キャリッジが、その走査方向の絶対的な位置を検出す
ることができない。また、この検出方法では、キャリッジがキャップの上方位置や、ホー
ムポジションなどにいることを検出することができない。そのため、たとえば走査後にキ
ャリッジをキャップの上方位置に位置決めしたり、ホームポジションに位置決めしたりす
るためには、たとえばそれらの位置にキャリッジがいることを検出するセンサなどを別途
設ける必要がある。
なお、キャリッジなどの各種の被駆動部材の絶対的な位置を把握することは、プリンタ
で用いられるたとえば用紙搬送モータなどのその他の駆動モータでの制御や、プリンタ以
外のたとえばスキャナ、自動給紙装置などの各種の駆動装置を有する装置での制御におい
ても必要である。
また、被駆動部材を駆動するなどのために駆動モータを用いる駆動装置では、駆動モー
タの駆動負荷が過剰とならないように制御することが望まれている。
本発明は、駆動モータの駆動負荷が過剰にならないようにすることができる駆動モータ
の制御装置、被駆動部材の駆動装置、インクジェットプリンタおよび被駆動部材の駆動方
法を得ることを目的とする。また、本発明は、キャリッジなどの各種の被駆動部材の絶対
的な位置を、それを検出するセンサを用いることなく把握することができる被駆動部材の
駆動装置、インクジェットプリンタおよび被駆動部材の駆動方法を得ることを目的とする
本発明に係る駆動モータの制御装置は、被駆動部材を駆動する駆動モータへの制御指令
値として、制御偏差が大きくなるほど大きな値となる制御指令値を生成する制御指令値生
成手段と、制御指令値生成手段が生成する制御指令値が予め定められた判定閾値以上にな
ると、制御指令値生成手段による制御指令値の生成を終了させて駆動モータの駆動を停止
させる停止指示手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、駆動モータの負荷が大きくなると、駆動モータの駆動が停止す
る。したがって、駆動モータの駆動負荷が過剰にならないようにすることができる。
本発明に係る被駆動部材の駆動装置は、被駆動部材を駆動する駆動モータと、駆動モー
タへの制御指令値として、制御偏差が大きくなるほど大きな値となる制御指令値を生成す
る制御指令値生成手段と、駆動モータの駆動により移動する被駆動部材が当接する当接部
材と、制御指令値生成手段が生成する制御指令値が予め定められた判定閾値以上になると
、制御指令値生成手段による制御指令値の生成を終了させて被駆動部材を停止させる停止
指示手段と、を有するものである。
この構成を採用すれば、駆動モータの駆動負荷が過剰にならないようにすることができ
る。しかも、被駆動部材が当接部材に当接する状態で、被駆動部材を停止することができ
る。したがって、被駆動部材の絶対的な位置を、それを検出するセンサを用いることなく
把握することができる。
本発明に係る被駆動部材の駆動装置は、上述した発明の構成に加えて、周期的に被駆動
部材を移動させ、その移動中に制御指令値生成手段が生成する制御指令値に基づいて、そ
の制御指令値より大きい値の判定閾値を演算する判定閾値演算手段を有するものである。
この構成を採用すれば、判定閾値は、判定閾値演算手段により周期的に、その時々の被
駆動部材の駆動負荷に応じた値に更新される。判定閾値は、たとえば実際に発生する被駆
動部材の駆動負荷に対して所定のマージンを有する値に設定すればよい。判定閾値は、被
駆動部材が移動していることと、停止していることとを区別することができる最小限の大
きさの値などに設定することができる。
これに対し、仮にたとえばこの判定閾値が固定値である場合には、被駆動部材の駆動負
荷の経時的な変動や駆動モータのトルク特性ばらつきなどを考慮する必要があり、その分
、判定閾値は、実際に発生している被駆動部材の駆動負荷に対して所定のマージン以上に
大きな値に設定しなければならない。また、駆動モータは、停止指示手段により被駆動部
材を当接部材に当てる度に、この過大な判定閾値の駆動トルクを発生する。
その結果、この構成を採用することで、駆動モータが発生する駆動トルクを抑えること
ができる。駆動モータや被駆動部材を取り付ける部材の剛性を、判定閾値が固定値である
場合のように高くする必要がない。また、駆動モータの駆動力を被駆動部材へ伝達する駆
動伝達機構の強度や信頼性を、判定閾値が固定値である場合のように高くする必要がない
本発明に係る被駆動部材の駆動装置は、上述した発明の各構成に加えて、停止指示手段
により、停止処理後に制御指令値生成手段に、被駆動部材を当接部材から離間する方向へ
所定距離駆動する制御指令値を生成する所定距離駆動指示手段を有するものである。
この構成を採用すれば、被駆動部材を、当接部材に当たる位置から所定距離駆動する位
置に停止することができる。
本発明に係る被駆動部材の駆動装置は、上述した発明の各構成に加えて、被駆動部材が
、インクを吐出する記録ヘッドを有するキャリッジであるものである。
この構成を採用すれば、キャリッジを当接部材に当接する状態で停止したりすることが
できる。
本発明に係る被駆動部材の駆動装置は、上述した発明の各構成に加えて、当接部材が、
キャリッジの移動範囲の端部に配設されているものである。
この構成を採用すれば、キャリッジを、その移動範囲の端部に停止することができる。
本発明に係る被駆動部材の駆動装置は、上述した発明の各構成に加えて、駆動モータの
駆動力により駆動される駆動プーリと、駆動プーリと離間する位置に配設される従動プー
リと、駆動プーリおよび従動プーリを回転可能に保持するハウジングと、駆動プーリと従
動プーリとの間に掛け渡され、被駆動部材としてのキャリッジが取り付けられる駆動ベル
トと、を有し、当接部材が、ハウジングの、駆動プーリ側の端部に配設されているもので
ある。
この構成を採用すれば、キャリッジを当接部材に当接させるときの駆動モータの駆動力
は、駆動プーリおよび駆動ベルトを介してキャリッジに伝達される。また、キャリッジが
当接部材に当接した状態での駆動モータの駆動トルクは、ハウジングにより受け止められ
る。したがって、キャリッジが当接部材に当接した状態での駆動モータの高い駆動トルク
は、従動プーリなどに加わることはなく、従動プーリやそれらを保持する部材などの剛性
や強度を高くする必要がない。
本発明に係るインクジェットプリンタは、印字のための記録ヘッドを有し、移動可能に
配設されるキャリッジと、キャリッジを駆動する駆動モータと、駆動モータへの制御指令
値として、制御偏差が大きくなるほど大きな値となる制御指令値を生成する制御指令値生
成手段と、駆動モータの駆動により移動するキャリッジが当接する当接部材と、制御指令
値生成手段が生成する制御指令値が予め定められた判定閾値以上になると、制御指令値生
成手段による制御指令値の生成を終了させて駆動モータを停止させる停止指示手段と、を
有するものである。
この構成を採用すれば、駆動モータの駆動負荷が過剰にならないようにすることができ
る。しかも、インクジェットプリンタは、キャリッジが当接部材に当接する状態で、キャ
リッジを停止することができる。したがって、インクジェットプリンタは、キャリッジの
絶対的な位置を、それを検出するセンサを用いることなく把握することができる。
本発明に係る被駆動部材の駆動方法は、駆動モータにより被駆動部材を駆動させるため
の制御指令値を生成し、被駆動部材を当接部材に当接する方向へ移動させるステップと、
制御指令値を、制御偏差が大きくなるほど大きな値となるように更新するステップと、更
新された制御指令値が予め定められた判定閾値以上になると、制御指令値の生成を終了し
て被駆動部材を停止させるステップと、を有するものである。
この方法を採用すれば、駆動モータの駆動負荷が過剰にならないようにすることができ
る。しかも、被駆動部材が当接部材に当接する状態で、被駆動部材を停止することができ
る。したがって、被駆動部材の絶対的な位置を、それを検出するセンサを用いることなく
把握することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る駆動モータの制御装置、被駆動部材の駆動装置、イン
クジェットプリンタおよび被駆動部材の駆動方法を、図面に基づいて説明する。駆動モー
タの制御装置および被駆動部材の駆動装置は、インクジェットプリンタにおけるキャリッ
ジの駆動装置を例として説明する。被駆動部材の駆動方法は、インクジェットプリンタの
動作の一部として説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の構成を示す透視斜視図
である。インクジェットプリンタ1は、シャーシとカバーとから構成される略長方体形状
のプリンタハウジング2を有する。プリンタハウジング2には、給紙トレイ3が配設され
る。給紙トレイ3には、用紙Pが載置される。給紙トレイ3に載置された用紙Pは、図示
外のPF(ペーパーフィード)モータ、LD(ロード)ローラ、PFローラ、排紙ローラ
などで構成される用紙搬送機構により、給紙トレイ3から搬送される。給紙トレイ3から
搬送された用紙Pは、プリンタハウジング2内を移動し、プリンタハウジング2の正面(
図1において左下方向)からプリンタハウジング2外へ排出される。
プリンタハウジング2内には、プラテン4が配設される。プラテン4は、用紙Pの搬送
経路の下側に、搬送される用紙Pの幅方向に沿って配設される。また、用紙Pの搬送経路
の上側には、ハウジングとしてのキャリッジ支持部5が配設される。キャリッジ支持部5
と、プラテン4とは、それらの間を用紙Pが通過可能な間隔で互いに離間して配設される
キャリッジ支持部5は、プラテン4と略同じ長さを有する背面部6と、背面部6の両端
から同じ方向へ突出する一対のサイド部7,8と、を有する。以下、一対のサイド部7,
8を互いに区別する場合、図1の右下側のサイド部をホームサイド部7とよび、図1の左
上側のサイド部をリターンサイド部8とよぶ。また、ホームサイド部7側をホームエンド
側とよび、リターンサイド部8側をリターンエンド側とよぶ。
キャリッジ支持部5は、たとえば厚さ1〜3ミリメートルの長尺の鋼板の両端部を同一
方向に折り曲げて、断面略コの字形状に形成される。この場合、折り曲げた両端部が一対
のサイド部7,8となり、その間の長尺部分が背面部6となる。1〜3ミリメートルの鋼
板で形成することで、キャリッジ支持部5は、高い剛性を有する。キャリッジ支持部5は
、後述する判定閾値と略同じ値のDuty指令値によりCRモータ17が駆動をするとき
でも、曲がったりしない高い剛性を有する。なお、キャリッジ支持部5としての鋼板の周
縁部をさらに屈曲するようにしてもよい。これにより、キャリッジ支持部5の剛性をさら
に上げたり、鋼板の厚さをさらに薄くしたりすることができる。
キャリッジ支持部5は、一対のサイド部7,8が背面部6より用紙Pの搬送方向下流側
となる姿勢で配設される。このとき、背面部6の背面は、給紙トレイ3に対向する。
ホームサイド部7とリターンサイド部8との間には、キャリッジ軸9が掛け渡される。
キャリッジ軸9は、金属を円柱形状に形成したものである。キャリッジ軸9の両端は、一
対のサイド部7,8に取り付けられる。
キャリッジ軸9には、キャリッジ10が、キャリッジ軸9の軸方向へ移動可能に配設さ
れる。キャリッジ10は、貫通孔11を有する。この貫通孔11にキャリッジ軸9が挿入
される。また、キャリッジ10の下面は、プラテン4と対向する。
キャリッジ10には、複数のインクタンク12と、記録ヘッド13とが配設される。イ
ンクタンク12は、キャリッジ10の上部に、着脱可能に装着される。記録ヘッド13は
、後述する図2に示すように、キャリッジ10のプラテン4と対向する下面に配設される
。記録ヘッド13は、図示外の複数の吐出ノズルを有する。この複数の吐出ノズルには、
インクタンク12から供給されるインクが充填される。複数の吐出ノズルは、プラテン4
へ向けてインクを吐出する。
キャリッジ支持部5の背面部6には、キャリッジ10と対向する面に、リニアパターン
14が配設される。リニアパターン14は、たとえば明暗パターンを有する。この明暗パ
ターンは、キャリッジ支持部5のホームサイド部7からリターンサイド部8にかけて並べ
られる。
また、キャリッジ10には、後述する図2に示すように、光学センサ15が配設される
。光学センサ15は、図示外の発光素子と受光素子とが離間して対向するように配設され
る。光学センサ15は、この発光素子と受光素子との間にリニアパターン14が位置する
ように、キャリッジ10に配設される。発光素子は、リニアパターン14へ光を照射する
。リニアパターン14の透明部分は、光を透過する。この光は、受光素子に入射する。受
光素子は、受光光量に応じたレベルの検出信号を出力する。なお、検出信号の波形は、リ
ニアパターン14の明部分を透過する光を、リニアパターン14の暗部分により遮断され
る間隔で受光すると、パルス波形になる。
キャリッジ支持部5の背面部6のホームエンド側には、ギアユニット16と、駆動モー
タとしてのCR(キャリッジ)モータ17とが配設される。このギアユニット16および
CRモータ17は、背面部6の背面(給紙トレイ3側の面)上に配設される。
CRモータ17は、たとえばDCモータである。DCモータは、図示外の永久磁石によ
る固定子と、コイルを有する回転子とを有する。DCモータの回転子は、コイルに電流が
流れると、回転する。回転子は、パルスによる電流がコイルに流れると、そのパルスのD
uty比に応じた速度で回転する。DCモータの駆動トルクは、コイルに供給されるパル
スのDuty比が大きいほど、大きくなる。パルスのDuty比が100%になると、D
Cモータには電流が流れつづけ、DCモータは最大の駆動トルクを出力する。
ギアユニット16は、互いに噛み合わされた図示外の複数のギアを有する。ギアユニッ
ト16は、たとえば互いに噛み合わされた入力ギアと出力ギアとを有する。入力ギアが回
転すると、その回転にしたがって出力ギアが回転する。入力ギアは、CRモータ17の回
転子に固定される。出力ギアには、駆動プーリ18が固定される。
駆動プーリ18は、円板形状を有する。駆動プーリ18は、背面部6のホームエンド側
の正面(キャリッジ10側の面)に回転可能に配設される。また、駆動プーリ18の外周
部は凹凸形状に形成される。
キャリッジ支持部5のリターンサイド部8には、バネ部材19の一端が固定される。こ
のバネ部材19の一端は、キャリッジ軸9と背面部6との間において、リターンサイド部
8に固定される。バネ部材19の他端には、従動プーリ20が回転可能に取り付けられる
従動プーリ20は、円板形状を有する。従動プーリ20の外周部は、滑らかな曲面に形
成される。
駆動プーリ18と従動プーリ20とには、駆動ベルト21が掛け渡される。駆動ベルト
21は、バネ部材19の張力により所定のテンションで引っ張られる。駆動ベルト21の
内周部は、凹凸形状に形成される。この駆動ベルト21の内周部の凹凸は、駆動プーリ1
8の外周部の凹凸と噛み合う。これにより、駆動ベルト21は、駆動プーリ18の回転に
好適に追従して回転する。
駆動ベルト21には、キャリッジ軸9に軸支されるキャリッジ10が固定される。これ
により、駆動ベルト21が回転すると、キャリッジ10は、キャリッジ軸9の軸方向に沿
って移動する。キャリッジ軸9により移動可能に軸支されるキャリッジ10は、駆動ベル
ト21の回転にしたがって、キャリッジ軸9の軸方向へ移動する。
図2は、図1のインクジェットプリンタ1におけるキャリッジ10の駆動装置を示すブ
ロック図である。キャリッジ10の駆動装置は、上述するキャリッジ支持部5、CRモー
タ17、ギアユニット16、駆動プーリ18、駆動ベルト21、従動プーリ20、バネ部
材19などの他に、マイクロコンピュータ31、ASIC(Application S
pecific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)32
、モータドライバ33、当接部材34などを有する。
当接部材34は、図1に示すように、キャリッジ支持部5のホームサイド部7に配設さ
れる。当接部材34は、ホームサイド部7の、リターンサイド部8と対向する面上に配設
される。当接部材34は、ホームサイド部7から、リターンサイド部8側へ突出する。な
お、当接部材34は、たとえば鋼板により形成されるホームサイド部7の一部を、リター
ンサイド部8側に向けて折り曲げるなどにより形成することが可能である。
キャリッジ10は、キャリッジ軸9に沿ってホームサイド部7へ向かって移動すると、
この当接部材34に当接する。キャリッジ10は、当接部材34に当接する位置から、さ
らに移動することはできない。以下、この当接部材34に当接するキャリッジ10の位置
を、ホームエンド位置とよぶ。
なお、キャリッジ10の位置には、この他にもたとえば、リターンサイド部8に最も近
接するリターンエンド位置、記録ヘッド13がプラテン4と対向する印刷範囲、プラテン
4のホーム側に配設されるキャップ部材26(図1を参照)と対向するキャップ位置、こ
のキャップ位置と印刷範囲との間に設定されるホームポジションなどがある。キャップ部
材26は、キャリッジ10と接離する上下方向に移動可能であり、上昇位置に制御される
と、キャップ位置にあるキャリッジ10の記録ヘッド13を封止する。なお、キャップ位
置とホームポジションとは同一位置であってもよい。
モータドライバ33は、Duty指令値により指定されたDuty比のパルスを生成し
、CRモータ17へ出力する。
ASIC32は、マイクロコンピュータ31の一種であり、メモリ35を有する。AS
IC32のメモリ35は、各種の制御指令値や検出情報を記憶する。制御指令値には、た
とえばCRモータ17用のDuty指令値36などがある。Duty指令値36は、後述
するサーボ制御指令値生成部42が生成した演算指令値により周期的に更新される。検出
情報には、たとえばキャリッジ10の位置情報37、キャリッジ10の速度情報38など
がある。
ASIC32には、モータドライバ33と、光学センサ15とが接続される。ASIC
32は、メモリ35に記憶するDuty指令値36を、モータドライバ33へ供給する。
ASIC32は、光学センサ15の検出信号によるパルス数をカウントする。そして、A
SIC32は、単位時間あたりのカウント値に基づいて、メモリ35に保存されるキャリ
ッジ10の速度情報38を周期的に更新する。また、ASIC32は、累積的なカウント
値に基づいて、メモリ35に保存されるキャリッジ10の位置情報37を周期的に更新す
る。
マイクロコンピュータ31は、メモリ39を有する。マイクロコンピュータ31のメモ
リ39は、Dutyオフセット値40、判定閾値41などを記憶する。
Dutyオフセット値40は、判定閾値41を演算するときに用いる値であり、所定の
検出マージンに相当する値である。
判定閾値41は、Duty指令値36と比較される値である。判定閾値41は、後述す
る負荷メジャメント処理により周期的に更新される。
また、マイクロコンピュータ31には、制御指令値生成手段としてのサーボ制御指令値
生成部42と、判定閾値演算手段、停止指示手段および所定距離駆動指示手段としてのシ
ーケンス制御部43と、が実現される。サーボ制御指令値生成部42およびシーケンス制
御部43は、マイクロコンピュータ31の図示外のCPU(Central Proce
ssing Unit:中央処理装置)が、図示外の制御プログラムを実行することで実
現される。
なお、制御プログラムは、たとえばマイクロコンピュータ31のメモリ39に記憶され
ていればよい。このマイクロコンピュータ31のメモリ39に記憶される制御プログラム
は、インクジェットプリンタ1の出荷前にメモリ39に記憶されたものであっても、出荷
後にメモリ39に記憶されたものであってもよい。出荷後にメモリ39に記憶される制御
プログラムは、たとえばCD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶され
た状態でユーザへ提供したり、インターネットなどのデータ伝送媒体を介してユーザへ提
供したりすることができる。なお、メモリ39に記憶される制御プログラムの一部が、コ
ンピュータ読取可能な記録媒体や、伝送媒体によりユーザへ提供されたものであってもよ
い。
シーケンス制御部43は、インクジェットプリンタ1に供給される印刷データに基づい
て、所定の印刷シーケンスを実行する。また、シーケンス制御部43は、インクジェット
プリンタ1の電源投入時に、所定の初期化シーケンスを実行する。シーケンス制御部43
は、これらのシーケンスの実行中に、サーボ制御指令値生成部42などに対して、キャリ
ッジ10の目標位置、目標移動量、目標速度などを指定する。
また、シーケンス制御部43は、ASIC32のメモリ35から、キャリッジ10の位
置情報37、キャリッジ10の速度情報38、Duty指令値36などを読み込む。シー
ケンス制御部43は、この読み込んだ情報に基づいて、シーケンスの実行ステップを進め
たり、シーケンスを終了したりする。
サーボ制御指令値生成部42は、キャリッジ10の目標位置、目標移動量、目標速度な
どが指定されると、CRモータ17を駆動するための演算指令値(制御指令値)を生成す
る。演算指令値は、CRモータ17へ供給するパルスのDuty比に関する情報を有する
。なお、演算指令値は、Duty比に関する情報とともに、CRモータ17の回転方向な
どの情報を有するものであってもよい。サーボ制御指令値生成部42は、ASIC32の
メモリ35に記憶されるDuty指令値36を、生成した演算指令値により更新する。
また、サーボ制御指令値生成部42は、ASIC32のメモリ35から、キャリッジ1
0の位置情報37、キャリッジ10の速度情報38などを周期的に読み込む。サーボ制御
指令値生成部42は、読み込んだキャリッジ10の位置情報37、キャリッジ10の速度
情報38に基づいて演算指令値を演算し、Duty指令値36を周期的に更新する。
サーボ制御指令値生成部42は、たとえば、キャリッジ10の検出速度が、指定された
目標速度より遅い場合、ASIC32のメモリ35に書き込まれているDuty指令値3
6より大きい値の演算指令値を生成し、その値でASIC32のメモリ35のDuty指
令値36を更新する。サーボ制御指令値生成部42は、制御偏差が大きいほど、Duty
比が大きな値となる演算指令値を生成し、ASIC32のメモリ35のDuty指令値3
6を更新する。
次に、以上の構成を有する実施の形態に係るインクジェットプリンタ1の動作を説明す
る。以下の説明では特に、インクジェットプリンタ1の電源を投入したときの、キャリッ
ジ10のホームポジションへの位置決め動作について説明する。インクジェットプリンタ
1の電源が投入されると、シーケンス制御部43は、所定の初期化シーケンスを実行する
図3は、シーケンス制御部43が初期化シーケンスにおいて実行する、キャリッジ10
のホームポジションへの位置決めシーケンスの流れを示すフローチャートである。
キャリッジ10のホームポジションへの位置決めシーケンスを開始すると、シーケンス
制御部43は、負荷メジャメント処理を開始する。負荷メジャメント処理において、シー
ケンス制御部43は、まず、キャリッジ10をリターンエンド側へ移動させる(ステップ
ST1)。具体的には、シーケンス制御部43は、サーボ制御指令値生成部42に対して
、リターンエンド寄りのキャリッジ10の目標位置やリターンエンド側へのキャリッジ1
0の目標移動量などを指定する。
キャリッジ10の目標位置や目標移動量が指定されると、サーボ制御指令値生成部42
は、CRモータ17を駆動するための演算指令値を生成し、ASIC32のメモリ35の
Duty指令値を更新する。ASIC32は、メモリ35に記憶するDuty指令値36
をモータドライバ33へ供給する。モータドライバ33は、供給されるDuty指令値3
6で指定されたDuty比のパルスを生成し、CRモータ17へ出力する。CRモータ1
7の回転子は、パルスが供給されることで、回転を開始する。
CRモータ17の回転子の回転は、ギアユニット16を介して駆動プーリ18に伝達さ
れる。駆動プーリ18は、CRモータ17の回転子の回転にしたがって回転を開始する。
駆動プーリ18と従動プーリ20とに掛け渡される駆動ベルト21は、駆動プーリ18に
より回転し始める。駆動ベルト21に固定されるキャリッジ10は、リターンエンド側へ
移動し始める。
キャリッジ10がリターンエンド側への移動を開始すると、キャリッジ10に設けられ
る光学センサ15の受光素子は、リニアパターン14の明暗パターンに基づいて光を断続
的に受光し、パルス波形の検出信号をASIC32へ出力する。ASIC32は、光学セ
ンサ15の検出信号のパルス数をカウントし、メモリ35に保存されるキャリッジ10の
速度情報38と、キャリッジ10の位置情報37とを周期的に更新する。
サーボ制御指令値生成部42は、ASIC32のメモリ35から、キャリッジ10の位
置情報37、キャリッジ10の速度情報38などを周期的に読み込む。サーボ制御指令値
生成部42は、読み込んだキャリッジ10の位置情報37、キャリッジ10の速度情報3
8に基づいて演算指令値を演算し、ASIC32のメモリ35に記憶されるDuty指令
値36を周期的に更新する。サーボ制御指令値生成部42は、シーケンス制御部43によ
りキャリッジ10の目標位置や目標移動量が指定された直後には、Duty指令値36が
増加するように演算指令値を生成する。
このようにASIC32のメモリ35に記憶されるDuty指令値36が更新されると
、モータドライバ33は、更新されたDuty指令値36によるDuty比のパルスを生
成し、CRモータ17の回転子の回転速度が変化する。駆動プーリ18、駆動ベルト21
の回転速度は、そのCRモータ17の回転子の回転速度の変化に追従して変化し、キャリ
ッジ10の移動速度も追従して変化する。
また、サーボ制御指令値生成部42は、ASIC32のメモリ35から周期的に読み込
むキャリッジ10の位置情報37が、シーケンス制御部43により指定されたキャリッジ
10の目標位置や目標移動量に近づくと、演算指令値(Duty指令値36)を減少させ
る。サーボ制御指令値生成部42は、最終的には、ASIC32のメモリ35に記憶され
るDuty指令値36のDuty比を「0」に更新する。ASIC32のメモリ35にD
uty比が「0」のDuty指令値36が書き込まれると、モータドライバ33は、CR
モータ17へのパルス出力を終了する。CRモータ17の回転子は停止し、駆動プーリ1
8、駆動ベルト21およびキャリッジ10も停止する。キャリッジ10は、シーケンス制
御部43により指定されたキャリッジ10の目標位置や目標移動量にて移動して停止する
サーボ制御指令値生成部42にキャリッジ10の目標位置や目標移動量を指定したシー
ケンス制御部43は、ASIC32のメモリ35から、キャリッジ10の位置情報37、
キャリッジ10の速度情報38などを周期的に読み込む。シーケンス制御部43は、読み
込んだ情報に基づいて、キャリッジ10が指定した目標位置や目標移動量にて停止してい
ることを確認すると、次に、キャリッジ10をホームエンド側へ数ミリメートル移動する
指示を、サーボ制御指令値生成部42に指定する(ステップST2)。
シーケンス制御部43からの指定に基づいて、サーボ制御指令値生成部42は、キャリ
ッジ10をホームエンド側へ移動させる演算指令値を生成し、ASIC32のメモリ35
のDuty指令値36を更新する。また、サーボ制御指令値生成部42は、周期的に、A
SIC32のメモリ35からキャリッジ10の位置情報37および速度情報38を取得し
て演算指令値を演算し、ASIC32のメモリ35に書き込まれているDuty指令値3
6を更新する。キャリッジ10がホームエンド側へ指定された距離で移動すると、サーボ
制御指令値生成部42は、ASIC32のメモリ35に記憶されるDuty指令値36の
Duty比を「0」に更新する。これにより、キャリッジ10は、ホームエンド側へ指定
された距離で移動して停止する。
キャリッジ10をホームエンド側へ数ミリメートル移動する指示をサーボ制御指令値生
成部42に指定したシーケンス制御部43は、サーボ制御指令値生成部42がASIC3
2のメモリ35に周期的に更新するDuty指令値36の最大値を取得する(ステップS
T3)。具体的にはたとえば、シーケンス制御部43は、キャリッジ10がホームエンド
側へ指定した距離で移動して後に停止していることを確認する(ステップST4)まで、
つまり移動が完了するまで、ASIC32のメモリ35からDuty指令値36を周期的
に取得する。そして、シーケンス制御部43は、新たに取得したDuty指令値36と過
去に取得したDuty指令値36の最大値とを比較し、その中の大きい方を、Duty指
令値36の最大値として保持する。
キャリッジ10がホームエンド側へ指定した距離で移動して停止すると、シーケンス制
御部43は、Duty指令値36の取得処理を終了し、判定閾値を演算する(ステップS
T5)。シーケンス制御部43は、マイクロコンピュータ31のメモリ39からDuty
オフセット値40を読み取り、たとえば下記式1にDuty指令値36の最大値とDut
yオフセット値40とを代入し、判定閾値を演算する。
判定閾値 = Duty指令値36の最大値+Dutyオフセット値40 ・・・式1
この式1で判定閾値を演算することで、キャリッジ10がホームエンド側へ移動すると
きの通常のDuty指令値36の最大値と、判定閾値との間には、Dutyオフセット値
40による必要最小限の検出マージンが確保される。シーケンス制御部43は、演算した
判定閾値で、マイクロコンピュータ31のメモリ39に記憶される判定閾値41を更新す
る(ステップST6)。
以上の負荷メジャメント処理により、マイクロコンピュータ31のメモリ39には、実
際にキャリッジ10がホームエンド側へ移動するときに生成されるDuty指令値36に
対して、Dutyオフセット値40分の検出マージンを有する判定閾値41が記憶される
。シーケンス制御部43は、次に、ホームエンド検出処理を開始する。
ホームエンド検出処理において、シーケンス制御部43は、まず、サーボ制御指令値生
成部42に対して、キャリッジ10をホームエンド側へ移動するキャリッジ10の目標速
度などを指定する(ステップST7)。なお、シーケンス制御部43は、キャリッジ10
の目標速度の替わりに、キャリッジ10がリターンエンドからホームエンドまで移動する
距離以上のキャリッジ10の移動距離に相当する目標移動量などを指定してもよい。
キャリッジ10をホームエンド側へ移動するキャリッジ10の目標速度などが指定され
ると、サーボ制御指令値生成部42は、キャリッジ10をホームエンド側へ移動させる演
算指令値を演算し、ASIC32のメモリ35のDuty指令値36を更新する。また、
サーボ制御指令値生成部42は、周期的に、ASIC32のメモリ35からキャリッジ1
0の位置情報37および速度情報38を取得し、速度情報38によるキャリッジ10の検
出速度が指定された目標速度となるように、ASIC32のメモリ35のDuty指令値
36を更新する。
このDuty指令値36によるCRモータ17の駆動により、キャリッジ10は、ホー
ムエンド側へ移動する。そして、キャリッジ10は、ホームサイド部7に配設されている
当接部材34に当接し、停止する。このとき、いわゆる度当たり状態となる。キャリッジ
10に設けられた光学センサ15は、パルスを出力しなくなり、ASIC32は、そのメ
モリ35が記憶するキャリッジ10の速度情報38を「0」に更新する。
ASIC32のメモリ35に記憶されるキャリッジ10の速度情報が「0」に更新され
ると、目標速度に対する検出速度の大きな偏差が発生する。サーボ制御指令値生成部42
は、ASIC32のメモリ35のDuty指令値36を、より大きい値のDuty指令値
36に更新する。
キャリッジ10が当接部材34に当接して停止している場合、その当接によりキャリッ
ジ10の移動が阻止されるので、Duty指令値36がどんなに大きな値に更新されたと
しても、キャリッジ10は停止したままである。そのため、ASIC32のメモリ35に
記憶されるキャリッジ10の速度情報38は、「0」のままである。サーボ制御指令値生
成部42は、この「0」のままのキャリッジ10の速度情報38を周期的に取得し、取得
する度に、大きな制御偏差に応じた分で、Duty指令値36をより大きな値へ更新する
。ASIC32のメモリ35に記憶されるDuty指令値36は、段階的に大きな値へ更
新される。
サーボ制御指令値生成部42に目標速度を指定したシーケンス制御部43は、サーボ制
御指令値生成部42によって段階的に大きな値へ更新されるDuty指令値36を、AS
IC32のメモリ35から取得する。シーケンス制御部43は、取得したDuty指令値
36と、マイクロコンピュータ31のメモリ39に記憶される判定閾値41とを比較する
。シーケンス制御部43は、取得したDuty指令値36が判定閾値41より大きくなる
まで、この処理を繰り返す(ステップST8)。
取得したDuty指令値36が判定閾値41より大きくなると、シーケンス制御部43
は、サーボ制御指令値生成部42に停止指示を出力する(ステップST9)。
サーボ制御指令値生成部42は、停止指示があると、Duty指令値36の生成を終了
する。その後、サーボ制御指令値生成部42は、ASIC32のメモリ35にDuty指
令値36をDuty比「0」に更新する。これにより、モータドライバ33は、CRモー
タ17へのパルス出力を終了し、CRモータ17によるキャリッジ10の駆動も終了する
。キャリッジ10は、ホーム側に配設されている当接部材34に当接した状態で停止する
。キャリッジ10は、ホームエンド位置に位置決めされる。
図4は、ホームエンド検出処理でのDuty指令値36およびキャリッジ10の移動速
度の経時変化を模式的に示すタイミングチャートである。図4(A)は、ASIC32の
メモリ35に記憶されるDuty指令値36の経時変化を示す波形図である。なお、Du
ty指令値36は離散的な値をとるデジタルデータである。そのため、実際のDuty指
令値36は、階段状に変化する。この図4(A)の波形図には、この他にも、マイクロコ
ンピュータ31のメモリ39に記憶される判定閾値41が点線で示されている。図4(B
)は、キャリッジ10の移動速度の経時変化を示す波形図である。
ホームエンド検出処理では、サーボ制御指令値生成部42は、まず、シーケンス制御部
43により指定された目標速度に対応する演算指令値を演算し、ASIC32のメモリ3
5のDuty指令値36を更新する。キャリッジ10は、この目標速度と略同じ速度でホ
ームエンド側へ移動する。
目標速度と略同じ速度でホームエンド側へ移動するキャリッジ10は、暫くすると、当
接部材34に当接する(度当たり状態の発生)。キャリッジ10は、ホームエンド位置に
ある。当接部材34に当接すると、図4(B)に示すように、キャリッジ10の移動速度
は「0」になる。ASIC32のメモリ35に書き込まれるキャリッジ10の速度情報3
8も「0」になる。
サーボ制御指令値生成部42は、このキャリッジ10の速度情報38を読み込んで、速
度偏差に応じてDuty指令値36を増減する。キャリッジ10の速度情報38が「0」
であるとき、サーボ制御指令値生成部42は、速度が大きく不足していると判断し、Du
ty指令値36を増やす。また、サーボ制御指令値生成部42は、周期的にこの速度「0
」のキャリッジ10の速度情報38を読み込み、その度に制御偏差に応じた数でDuty
指令値36を大きく増やす。
その結果、図4(A)に示すように、キャリッジ10が当接部材34に当接した後、D
uty指令値36は、急激に増加し始める。Duty指令値36は、キャリッジ10が移
動しているときより遥かに大きい値へと急激に増加し始める。なお、Duty指令値36
が大きくなると、CRモータ17が出力する駆動トルクが増加する。CRモータ17は、
強い力でキャリッジ10を当接部材34に押し付けるようになる。
このようなDuty指令値36を累積的に増加させる制御がサーボ制御指令値生成部4
2により実行される一方で、シーケンス制御部43は、ASIC32のメモリ35に記憶
されるDuty指令値36を周期的に取得し、判定閾値41と比較する。シーケンス制御
部43は、Duty指令値36が判定閾値41より大きくなると、サーボ制御指令値生成
部42に停止を指示する。
これにより、キャリッジ10を、当接部材34に当接するホームエンド位置に位置決め
した状態で、サーボ制御指令値生成部42によるキャリッジ10の駆動を終了することが
できる。キャリッジ10がホームエンド位置にあることを直接に検出するセンサを設ける
ことなく、シーケンス制御部43は、キャリッジ10がホームエンド位置にあることを把
握し、位置決めすることができる。
以上のホームエンド検出処理によりキャリッジ10をホームエンド位置に位置決めした
後、シーケンス制御部43は、キャリッジ10をホームエンド位置からリターンエンド側
のホームポジションへ移動させる処理を開始する(ステップST10)。
具体的には、シーケンス制御部43は、ホームポジションや、ホームエンド位置からホ
ームポジションまでのキャリッジ10の移動量を、サーボ制御指令値生成部42に指示す
る。
ホームポジションや、ホームエンド位置からホームポジションまでのキャリッジ10の
移動量が指定されると、サーボ制御指令値生成部42は、キャリッジ10をリターンエン
ド側へ移動させる演算指令値を生成し、ASIC32のメモリ35のDuty指令値36
を更新する。また、サーボ制御指令値生成部42は、周期的に、ASIC32のメモリ3
5からキャリッジ10の位置情報および速度情報を取得し、それに基づいてASIC32
のメモリ35に書き込まれているDuty指令値36を更新する。キャリッジ10がホー
ムポジションまで移動すると、サーボ制御指令値生成部42は、ASIC32のメモリ3
5のDuty指令値36を、Duty比「0」へ更新する。これにより、キャリッジ10
は、ホームポジションまで移動して停止する。
また、キャリッジ10をホームポジションへ移動する指示をサーボ制御指令値生成部4
2に指定したシーケンス制御部43は、周期的に、ASIC32のメモリ35に記憶され
るキャリッジ10の位置情報および速度情報を読み込む。キャリッジ10がホームポジシ
ョンまで移動して停止すると、ASIC32のメモリ35に記憶されるキャリッジ10の
位置情報は、ホームポジションに更新される。キャリッジ10がホームポジションにある
ことを確認すると、シーケンス制御部43は、図3に示すキャリッジ10のホームポジシ
ョンへの位置決め処理シーケンスを終了する。
なお、以上の動作説明では、インクジェットプリンタ1の電源を投入したときの、キャ
リッジ10をホームポジションへ位置決めするときの動作について説明している。この他
にもたとえば、シーケンス制御部43は、印刷データに基づく印刷シーケンスが終わった
後や、キャリッジ10をホームポジション以外の位置に設定して所定の作業や処理が終了
した後に、キャリッジ10をホームポジションへ位置決めする動作をすることがある。こ
のときにも、シーケンス制御部43は、図3に示す位置決めシーケンスを実行する。
また、キャリッジ10を位置決めする位置としては、ホームポジション以外にも、キャ
ップ位置や、インク交換位置などがある。キャリッジ10をこれらキャップ位置やインク
交換位置などの位置へ位置決めするときにも、シーケンス制御部43は、図3に示す位置
決めシーケンスと同様の位置決めシーケンスを実行すればよい。但し、これらの位置決め
制御では、キャリッジ10をホームエンド位置に位置決めした後のリターンエンド側への
移動量は、ホームエンド位置から、最終的に位置決めしたいキャップ位置やインク交換位
置などまでの距離となる。
以上のように、この実施の形態のシーケンス制御部43は、キャリッジ10を当接部材
34に当接するホームエンド位置に停止させることができる。また、シーケンス制御部4
3は、キャリッジ10を、そのホームエンド位置から所定の距離で離れるホームポジジョ
ンやキャップ位置などに移動して停止させることができる。シーケンス制御部43は、キ
ャリッジ10がホームエンド位置、ホームポジジョン、キャップ位置などにあることを検
出するセンサを用いることなく、キャリッジ10がそれらの位置にあることを把握するこ
とができる。
また、この実施の形態では、シーケンス制御部43は、キャリッジ10がホームエンド
位置にあることを判定するための判定閾値41を、負荷メジャメント処理により演算して
いる。そして、この演算により得られる判定閾値41は、実際のキャリッジ10の負荷に
、判定マージンを加えた値である。判定閾値41は、実際のキャリッジ10の負荷に対し
て、必要最小限の検出マージンのみを有するものとなる。Duty指令値36が判定閾値
41となるときにCRモータ17が発生する駆動トルクは、さほど大きくならない。
これに対して、この判定閾値を固定値とする場合、判定閾値は、以下の事項を考慮した
値にする必要がある。すなわち、固定の判定閾値には、キャリッジ10を駆動する負荷の
経時的な上昇、CRモータ17のトルク特性ばらつき、判定マージンなどを考慮する必要
がある。
図5は、CRモータ17の駆動特性ばらつきと、判定閾値との関係を示す説明図である
。図5において、横軸は、CRモータ17を駆動するためのDuty指令値36であり、
縦軸は、CRモータ17の駆動トルクである。そして、図5には、標準特性のCRモータ
17の特性線と、−25%でばらつくCRモータ17の特性線と、+25%でばらつくC
Rモータ17の特性線との3つの特性線が描画されている。このCRモータ17は、プラ
スマイナス25%で駆動トルクがばらつくモータである。
以下、この図5を参照しながら、負荷ジャッジメント処理により周期的に更新される判
定閾値41と、固定の判定閾値との差を説明する。
キャリッジ10を駆動する負荷は、インクジェットプリンタ1の具体的な構成や寿命の
設定に応じて異なるものであるが、一般に、使用するにつれて駆動負荷は大きくなる。こ
こで、この駆動負荷の一例としては、経時的に200gf・cm(グラムフォースセンチ
メートル)程度から400gf・cm程度まで上昇するものがあるとする。また、インク
ジェットプリンタ1は、そのようなキャリッジ10の負荷変動に耐えられるように設計さ
れる。図5では、これらの駆動負荷は、「使い始めの時の負荷」および「プリンタ寿命末
期の負荷」として示されている。
CRモータ17のトルク特性は、図5に示すCRモータ17の例では、プラスマイナス
25%でばらつく。CRモータ17は、そのトルク特性がマイナス25%のものであった
としても、「プリンタ寿命末期の負荷」を駆動できることが必須とされる。この時のCR
モータ17へのDuty指令値36は、標準特性のCRモータ17であれば534(≒4
00÷0.75)gf・cm以上の駆動トルクを出力する値となる。
固定の判定閾値は、このマイナス25%でばらつくCRモータ17が「プリンタ寿命末
期の負荷」を駆動できるDuty指令値36に、判定マージンを加えた値に設定する必要
がある。シーケンス制御部43は、CRモータ17の駆動トルクのばらつきに関係なく、
CRモータ17へのDuty指令値36が固定の判定閾値を超えることに基づいて、キャ
リッジ10がホームエンド位置にあることを判断するからである。
そして、このように決定される値の固定の判定閾値は、プラス25%のトルク特性ばら
つきを有するCRモータ17でも共通に使用される。この固定の判定閾値を超えるDut
y指令値36が、図5に示すようにプラス25%のトルク特性ばらつきを有するCRモー
タ17へ供給されると、CRモータ17は、最低でも、667(≒400÷0.75×1
.25)gf・cmに、判定マージン分の駆動トルクを加えた駆動トルクを出力する。プ
ラス25%のトルク特性ばらつきを有するCRモータ17は、キャリッジ10をホームポ
ジションに設定するシーケンスを実行する度に、この過大な駆動トルクを出力する。CR
モータ17は、インクジェットプリンタ1を使い始めたときから、インクジェットプリン
タ1の末期になるまでにわたって、常に、この過大な駆動トルクを出力することになる。
その結果、固定の判定閾値を使用する場合、キャリッジ10がホームエンド位置にある
ことを検出するために、CRモータ17やキャリッジ10が配設されるキャリッジ支持部
5の剛性は、このホームエンド検出の度に発生する過大な駆動トルクによって曲がったり
してしまうことがないように、高い剛性に形成する必要がある。CRモータ17の駆動力
をキャリッジ10へ伝達するギアユニット16、駆動プーリ18、駆動ベルト21などは
、このホームエンド検出の度に発生する過大な駆動トルクに常に耐えて、歯飛びなどを生
じない高い剛性と高い信頼性とを有する作りとしなければならない。さらには、このホー
ムエンドの検出の度に発生する過大な駆動トルクは、その直後にDuty指令値36が「
0」とされることで消失する。CRモータ17が出力する駆動トルクは、過大な値から0
まで一瞬の内に大きく変動することになる。したがって、図1に点線で図示するように、
バネが一定以上に伸縮してしまわないようにする伸び範囲規制部材27や、トルク変動時
のベルトの駆動プーリ18に対するずれ(歯飛び)などを防止するためのベルトガイド2
8などを配設する必要が生じる。
これに対して、この実施の形態のように、判別閾値を、負荷ジャッジメント処理により
周期的に更新し、且つ、実際に計測したキャリッジ10の負荷に判定マージンを加えた値
とする場合、インクジェットプリンタ1を使い始めた時の判別閾値は、CRモータ17の
トルク特性ばらつきに関係なく、CRモータ17の駆動トルクが200gf・cmとなる
Duty指令値36に、判定マージンを加えた値となる。インクジェットプリンタ1を使
い始めた時にCRモータ17が発生する最大の駆動トルクは、固定の判定閾値を用いる場
合に比べて遥かに小さくなる。
また、キャリッジ負荷が経時的に400gf・cmまで上昇したとしても、CRモータ
17が発生する最大の駆動トルクは、CRモータ17のトルク特性ばらつきに関係なく、
500(=400×1.25)gf・cmに、判定マージン分の駆動トルクを加えた値に
なる。キャリッジ負荷が経時的に上昇した場合でも、CRモータ17が発生する最大の駆
動トルクは、固定の判定閾値を使用する場合に比べて約167(=667−500)gf
・cmも低くなる。
このように判定閾値を負荷メジャメント処理により実測して演算することで、それを固
定の判定閾値とする場合に比べて、キャリッジ10がホームエンド位置にあることを検出
するときのCRモータ17の最大の駆動トルクを下げることができる。つまり、駆動モー
タの駆動負荷が過剰にならないようにすることができる。
その結果、CRモータ17は長寿命化し、ギアユニット16、駆動プーリ18、駆動ベ
ルト21、キャリッジ支持部5などとして、より低い剛性のものを使用することができる
。駆動ベルト21のテンションを下げたとしても、CRモータ17の駆動トルクの最大値
および変化幅が小さいので、駆動ベルト21と駆動プーリ18との間でのずれ(歯飛び)
を生じたりしないようにすることができる。また、インクジェットプリンタ1に、伸び範
囲規制部材27やベルトガイド28などを配設する必要がなくなる。
また、判定閾値を負荷メジャメント処理により実測して演算することで、CRモータ1
7として、Duty指令値36に対する駆動トルクがより小さい小型のものを使用するこ
とが可能となる場合もある。キャリッジ負荷が経時的に上昇したときの−25%特性のC
Rモータ17での判定閾値が、そのCRモータ17への略最大のDuty指令値36とな
る特性ばらつきのCRモータ17を使用することで、CRモータ17は最も小型化される
。また、このような特性ばらつきのCRモータ17を使用することで、+25%特性のC
Rモータ17の最大の駆動トルクも最小化され、キャリッジ支持部5、ギアユニット16
、駆動プーリ18、駆動ベルト31などの剛性を最も小さくすることが可能となる。
以上のように、この実施の形態では、キャリッジ10がホームエンド位置などにあるこ
とを判定するための閾値を、負荷メジャメント処理により演算することで、ギアユニット
16、駆動プーリ18、駆動ベルト21、これらが取り付けられるキャリッジ支持部5な
どとして低剛性のものを使用したり、CRモータ17としてより小型のものを使用したり
することができ、キャリッジ10の駆動装置の大幅なコストダウンを図ることができる。
また、この実施の形態では、CRモータ17およびキャリッジ10は、キャリッジ支持
部5に取り付けられ、且つ、当接部材34は、キャリッジ支持部5の駆動プーリ18側に
配設されている。また、CRモータ17の駆動力は、キャリッジ支持部5に配設されるギ
アユニット16、駆動プーリ18、駆動ベルト21を介して、キャリッジ10に伝達され
る。したがって、CRモータ17がキャリッジ10を当接部材34へ押し付けるときの駆
動トルクは、キャリッジ支持部5により受け止められる。キャリッジ支持部5の剛性を確
保することで、キャリッジ10を当接部材34に当接する位置に安定的に停止することが
できる。また、従動プーリ20、バネ部材19などには、キャリッジ10を当接部材34
へ押し付けるときの大きな駆動トルクが直接に加わらない。従動プーリ20、バネ部材1
9などは、高い強度や信頼性の作りにする必要がない。
以上の実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定
されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であ
る。
上記実施の形態では、シーケンス制御部43は、負荷メジャメント処理を、たとえばキ
ャリッジ10をホームエンド位置へ位置決めするシーケンスにおいて実行する。この場合
、シーケンス制御部43は、キャリッジ10をホームエンド位置へ位置決めするときには
必ず、事前に負荷メジャメント処理を実行することになる。この他にもたとえば、シーケ
ンス制御部43は、キャリッジ10をホームエンド位置へ位置決めするシーケンスとは別
のシーケンスにより負荷メジャメント処理を実行するようにしてもよい。この変形例の場
合、シーケンス制御部43は、たとえば、キャリッジ10をホームエンド位置へ位置決め
するシーケンスを複数回実行したら、負荷メジャメント処理のシーケンスを実行するよう
にしてもよい。
上記実施の形態では、負荷メジャメント処理により演算した判定閾値41は、キャリッ
ジ10がホームエンド位置にあることを判定するために利用される。この他にも、キャリ
ッジ10の設定位置の例としては、たとえばキャップ位置が挙げられる。キャップ位置で
は、キャリッジ10に向けてキャップ部材26が上昇し、このキャップ部材26により記
録ヘッド13が被覆される。また、キャップ部材26が上昇することで、キャップ部材2
6のレバー26a(図2参照)が、キャリッジ10の穴10aに挿入される。キャップ部
材26が上昇している状態でキャリッジ10を駆動すると、キャリッジ10は、レバー2
6aに当接する。キャリッジ10がレバー26aに当接してからさらにキャリッジ10を
駆動すると、速度の制御偏差が大きくなるので、サーボ制御指令値生成部42が更新する
Duty指令値36が上昇するようになる。
そのため、シーケンス制御部43は、たとえばキャリッジ10の記録ヘッド13をキャ
ップ部材26で被覆するキャップイン動作において、キャップ部材26の上昇制御後にキ
ャリッジ10を動かし、その動作中のDuty指令値36が、負荷メジャメント処理によ
り演算した判定閾値41以上になることを確認するようにしてもよい。これにより、シー
ケンス制御部43は、記録ヘッド13がキャップ部材26により正しく被覆されているこ
とを確認することができる。シーケンス制御部43は、キャリッジ10がキャップ位置に
いることを把握することができる。
その他にもたとえば、シーケンス制御部43は、キャリッジ10の記録ヘッド13から
キャップ部材26を離間させるキャップアウト動作において、キャップ部材26の降下制
御後にキャリッジ10を所定時間動かし、その動作中のDuty指令値36が、負荷メジ
ャメント処理により演算した判定閾値41以上にならないことを確認するようにしてもよ
い。これにより、シーケンス制御部43は、キャップ部材26が正しく降下し、記録ヘッ
ド13から離間していることを確認することができる。シーケンス制御部43は、キャリ
ッジ10がキャップ位置あるいはそこから所定時間での移動距離の位置にいることを把握
することができる。
上記実施の形態では、当接部材34は、キャリッジ10のホームエンド側のみに設けら
れている。この他にもたとえば、当接部材34は、キャリッジ10のリターンエンド側の
みに設けられていても、ホームエンド側およびリターンエンド側の両方に設けられていて
もよい。そして、シーケンス制御部43は、キャリッジ10をホームポジションやキャッ
プ位置などの位置へ位置決めする、あるシーケンスにおいて、キャリッジ10をリターン
エンド側の当接部材34に当接し、その後に所望の位置までキャリッジ10を移動するよ
うにしてもよい。
但し、CRモータ17や駆動プーリ18は、ホームエンド側に設けられている。リター
ンエンド側の従動プーリ20は、バネ部材19を介して、キャリッジ支持部5に取り付け
られている。そのため、キャリッジ10をリターンエンド側の当接部材34に圧接すると
きの駆動ベルト21を回転させようとする力の一部は、バネ部材19で吸収され、その後
にCRモータ17を停止したときの開放時にバネ部材19が吸収していた力によって駆動
ベルト21が回転し、キャリッジ10がリターンエンド位置から微妙に移動してしまう恐
れがある。
したがって、シーケンス制御部43は、この実施の形態で説明するように、キャリッジ
10をホームポジションやキャップ位置などに位置決めする、すべてのシーケンスにおい
て、キャリッジ10をホームエンド側の当接部材34に当接し、その後にキャリッジ10
を所望の位置まで移動するようにするのが望ましい。
上記実施の形態では、CRモータ17が当接部材34に当接して停止状態にあることを
判断するための閾値を、負荷メジャメント処理により演算している。この他にもたとえば
、インクジェットプリンタ1では、用紙PやCDRトレイを搬送するためのPFモータや
、プラテン4とキャリッジ10との間隔を調整するAPG(Auto Paper Ga
p)モータなどを有する。紙詰まりが発生すると、PFモータへのDuty指令値が増加
し、PFモータの駆動トルクが上昇する。CDRトレイが所定の引き込み位置まで引き込
まれると、CDRトレイがプリンタハウジング2などに当接し、PFモータへのDuty
指令値が増加し、PFモータの駆動トルクが上昇する。プラテン4が所定の上昇位置や所
定の降下位置まで移動すると、APGモータへのDuty指令値が増加し、APGモータ
の駆動トルクが上昇する。
インクジェットプリンタ1のこれらの動作シーケンスを制御するシーケンス制御部43
は、これらPFモータやAPGモータなどの負荷メジャメント処理を実行し、それに基づ
いて演算した判別閾値とPFモータやAPGモータなどへのDuty指令値とを比較する
ことで、紙が詰まって過剰な駆動負荷になりかけていること、CDRトレイが所定の引き
込み位置に位置決めされていること、プラテン4が上昇位置に位置決めされていること、
プラテン4が降下位置に位置決めされていることなどを検出するようにしてもよい。
上記実施の形態では、インクジェットプリンタ1におけるキャリッジ10の位置を判定
するための判定閾値41を、負荷メジャメント処理により演算している。この他にもたと
えば、レーザプリンタにおける用紙搬送モータ、スキャナにおけるキャリッジ駆動モータ
、自動給紙装置における用紙搬送モータなどでの位置検出のための判定閾値を、負荷メジ
ャメント処理により演算するようにしてもよい。
本発明は、キャリッジなどの被駆動部材を有するインクジェットプリンタなどにおいて
好適に利用することができる。
本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンタのブロック図である。 キャリッジの駆動装置を示すブロック図である。 ホームポジションへの位置決めシーケンスを示すフローチャートである。 ホームエンド検出でのDuty指令値などのタイミングチャートである。 CRモータの駆動特性ばらつきと、判定閾値との関係を示す説明図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、5 キャリッジ支持部(ハウジング)、10 キャリッ
ジ(被駆動部材)、13 記録ヘッド、17 CRモータ(駆動モータ)、18 駆動プ
ーリ、20 従動プーリ、21 駆動ベルト、34 当接部材、36 Duty指令値(
制御指令値)、41 判定閾値、42 サーボ制御指令値生成部42(制御指令値生成手
段)、43 シーケンス制御部(判定閾値演算手段、停止指示手段、所定距離駆動指示手
段)

Claims (9)

  1. 被駆動部材を駆動する駆動モータへの制御指令値として、制御偏差が大きくなるほど大
    きな値となる制御指令値を生成する制御指令値生成手段と、
    上記制御指令値生成手段が生成する上記制御指令値が予め定められた判定閾値以上にな
    ると、上記制御指令値生成手段による上記制御指令値の生成を終了させて上記駆動モータ
    の駆動を停止させる停止指示手段と、
    を有することを特徴とする駆動モータの制御装置。
  2. 被駆動部材を駆動する駆動モータと、
    上記駆動モータへの制御指令値として、制御偏差が大きくなるほど大きな値となる制御
    指令値を生成する制御指令値生成手段と、
    上記駆動モータの駆動により移動する上記被駆動部材が当接する当接部材と、
    上記制御指令値生成手段が生成する上記制御指令値が予め定められた判定閾値以上にな
    ると、上記制御指令値生成手段による上記制御指令値の生成を終了させて上記被駆動部材
    を停止させる停止指示手段と、
    を有することを特徴とする被駆動部材の駆動装置。
  3. 周期的に前記被駆動部材を移動させ、その移動中に前記制御指令値生成手段が生成する
    前記制御指令値に基づいて、その制御指令値より大きい値の判定閾値を演算する判定閾値
    演算手段を有することを特徴とする請求項2記載の被駆動部材の駆動装置。
  4. 前記停止指示手段により、停止処理後に前記制御指令値生成手段に、前記被駆動部材を
    前記当接部材から離間する方向へ所定距離駆動する制御指令値を生成する所定距離駆動指
    示手段を有することを特徴とする請求項2または3記載の被駆動部材の駆動装置。
  5. 前記被駆動部材は、インクを吐出する記録ヘッドを有するキャリッジであることを特徴
    とする請求項2から4の中のいずれか1項記載の被駆動部材の駆動装置。
  6. 前記当接部材は、前記キャリッジの移動範囲の端部に配設されていることを特徴とする
    請求項5記載の被駆動部材の駆動装置。
  7. 前記駆動モータの駆動力により駆動される駆動プーリと、
    上記駆動プーリと離間する位置に配設される従動プーリと、
    上記駆動プーリおよび上記従動プーリを回転可能に保持するハウジングと、
    上記駆動プーリと上記従動プーリとの間に掛け渡され、前記被駆動部材としての前記キ
    ャリッジが取り付けられる駆動ベルトと、を有し、
    前記当接部材は、上記ハウジングの、駆動プーリ側の端部に配設されていることを特徴
    とする請求項6記載の被駆動部材の駆動装置。
  8. 印字のための記録ヘッドを有し、移動可能に配設されるキャリッジと、
    上記キャリッジを駆動する駆動モータと、
    上記駆動モータへの制御指令値として、制御偏差が大きくなるほど大きな値となる制御
    指令値を生成する制御指令値生成手段と、
    上記駆動モータの駆動により移動する上記キャリッジが当接する当接部材と、
    上記制御指令値生成手段が生成する上記制御指令値が予め定められた判定閾値以上にな
    ると、上記制御指令値生成手段による上記制御指令値の生成を終了させて上記駆動モータ
    を停止させる停止指示手段と、
    を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  9. 駆動モータにより被駆動部材を駆動させるための制御指令値を生成し、上記被駆動部材
    を当接部材に当接する方向へ移動させるステップと、
    上記制御指令値を、制御偏差が大きくなるほど大きな値となるように更新するステップ
    と、
    上記更新された制御指令値が予め定められた判定閾値以上になると、上記制御指令値の
    生成を終了して上記被駆動部材を停止させるステップと、
    を有することを特徴とする被駆動部材の駆動方法。
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