JP2007274744A - 超電導限流器、超電導限流システム、及び超電導限流制御方法 - Google Patents

超電導限流器、超電導限流システム、及び超電導限流制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機器の信頼性及びメンテナンス性の向上と共に、機器の小型化を図ること。
【解決手段】第2の電力系統11側で短絡事故が発生すると、第1の電力系統1から事故点に向かう事故電流が増大し、超電導限流コイル16がクエンチ(常電導化)する。遮断器制御手段18は、所定事象検出手段19の所定事象(例えば、系統母線3の電圧低下)検出に基づき、限流コイル用遮断器17を短時間(クエンチ後60ms程度)で開放する。したがって、超電導限流コイル16に従来のように長時間(数百ms)にわたって過大な電流が流れるのを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導限流コイルを有する超電導限流器、この超電導限流器を備えた超電導限流システム、及びこの超電導限流器を用いた超電導限流制御方法に関するものである。
限流器は、電力系統間を接続する連系点に設置され、系統事故時に連系点を通過する過大電流や、過大電流により発生する健全系統における電圧低下などを抑制するための機器である。そして、近時は、超電導素子で形成された超電導限流コイルを備えた超電導限流器の開発が盛んに進められている。
超電導限流器については、種々の動作方式の提案がなされて試作や試験が行われてきており、発生するインピダンスの種類に応じて「抵抗型」方式と「インダクタンス」方式とに分類される。「抵抗型」方式は、超電導限流コイルの超電導状態から常電導状態への転移に基づく抵抗増大現象を利用するものである(例えば、特許文献1参照)。本発明はこの抵抗型の超電導限流器を対象としている。
ところで、受電電力が自由化されている需要家サイトにおいては、電気料金を削減するためなどの理由により、常用自家発電機(以下、「自家発」と略すことがある)を導入するケースが増えてきている。需要家は、自家発の導入の際、電力会社から該当サイトを切り離して独立系統として運用するのではなく、電力会社側からの受電を継続することにより、自家発にトラブルなどが発生した際にも電力を安定して継続供給できることを期待することが多い。
この場合、もし、電力会社側の系統において短絡や地絡などの事故が発生すると、需要家側で設置した自家発電機から事故点へ向けて、過大な短絡電流が流れ出す虞がある。超電導限流器は、短絡事故時のこのような過大な事故電流を瞬時に限流抑制することができる静止機器である。つまり、平常時は抵抗のない超電導線材に系統電流を流すことでほとんど損失なく電気を流して電力を融通するが、ひとたび系統事故が発生した時には事故時の過大な短絡電流で超電導線材がクエンチ(常電導化)し、発生した抵抗で短絡電流を瞬時に所定値以下に抑制する機能を有している。
超電導限流器は、このように超電導線材のクエンチ(常電導化)を利用しているため、原理的に誤動作又は不動作がなく確実に保護動作に入ることができる。そして、事故発生時には、事故電流の立ち上がり第1波目から、電流を抑制するので、設計によっては通常使用電流の数倍程度以下に押さえ込むことが可能である。
図4は、上記のような抵抗型の超電導限流器を用いて構成した従来の超電導限流システムを示す構成図である。この図において、第1の電力系統1が系統用遮断器2を介して系統母線3に接続されている。この従来例、及び後述する本発明の実施形態では、第1の電力系統1として、例えば、各種企業又は自治的組織(病院、大学等)などが所有する自家発電機設備等の自家発系統を想定している。
そして、この系統母線3に、断路器5及び超電導限流コイル6を有する超電導限流器4が接続されている。図4では図示を省略しているが、超電導限流コイル6はクライオスタットと呼ばれる容器内に収納されており、クライオスタット内部に封入された液体冷媒の冷却により超電導状態に保持されている。
系統母線3の地点P1には負荷用遮断器7を介して負荷8が接続され、地点P2には負荷用遮断器9を介して負荷10が接続されている。したがって、第1の電力系統1から負荷8に対しては、系統用遮断器2及び負荷用遮断器7を介して電力が供給され、第1の電力系統1から負荷10に対しては、系統用遮断器2、超電導限流器4、及び負荷用遮断器9を介して電力が供給されるようになっている。
上記のように、負荷8,9に対しては基本的に第1の電力系統1から電力が供給されるが、第2の電力系統11からも、系統用遮断器12、及び降圧用の変圧器13を介して電力が供給されるようになっている。この従来例、及び後述する本発明の実施形態では、第2の電力系統11として、電力会社の商用電力系統などを想定している。なお、図4においては、破線で示したように、第2の電力系統11及び系統用遮断器12が電力会社側設備であり、したがって、それら以外の要素は企業又は自治的組織側の設備である。
次に、図4の動作につき説明する。いま、第1の電力系統1からの電力が、系統用遮断器2及び負荷用遮断器7を介して負荷8に供給されると共に、系統用遮断器2、超電導限流器4、及び負荷用遮断器9を介して負荷10に供給されている状態であるとする。この状態では、超電導限流コイル6はクライオスタット内の冷媒の冷却によって超電導状態に保持されている。
このような状態で、負荷10又は第2の電力系統11において、例えば短絡事故が発生したとすると、超電導限流コイル6を流れている電流レベルが上昇し、超電導限流コイル6の温度はジュール熱によって上昇する。そして、超電導限流コイル6の温度が一定レベル以上になると、それまで超電導状態に在った超電導限流コイル6は、常電導状態へ転移する(クエンチ)。この転移によって超電導限流コイル6の抵抗は大きく増大するため、事故電流の増加が一定レベル以下に抑制される。
この後、負荷用遮断器9又は系統用遮断器12が開放され、負荷10又は第2の電力系統11が第1の電力系統1から切り離される。そして、事故の原因が除去された後、再度負荷用遮断器9又は系統用遮断器12が投入される。このときには、常電導状態に転移していた超電導限流コイル6は、クライオスタット内部を冷却する極低温冷凍装置(図示せず)の冷凍運転により再度超電導状態に復帰している。
特開2001−298858号公報
上述した図4に示される抵抗型の超電導限流器4では、系統事故の際にいち早く抵抗を発生させ、事故電流を第1波から限流抑制することが可能である。限流時の抵抗は、事故時に回路側で許容される電流の大きさにより決まり、概ね5Ω〜10Ω程度である。クエンチによる超電導限流コイル6の抵抗発生を利用するため、瞬時に確実に保護することが可能な一方で、限流動作中は、この有限値を持つ超電導限流コイル6の抵抗に電圧がかかり続けるため、超電導限流コイル6を形成している超電導導線材がジュール発熱による特性劣化や焼損、焼断等の事態に至らないように配慮することが必要である。
したがって、超電導限流器4を設計する際には、系統事故時に、クエンチした超電導線材に流れる限流した電流の通電継続時間を考慮することが必要である。この限流電流の通電継続時間は、雷等の事故による短絡継続が除去されるか、あるいは系統又は負荷回路に接続される通常の遮断器2,7,9,12が、リレー等の検出により事故区間を特定してこれを遮断するまでの間の短いほうの時間である。雷等の事故による短絡事故が除去されても、限流し常電導状態になった超電導線材は通電による発熱で温度上昇していて、瞬時にして超電導状態に復帰することはない。このため、結局、限流された事故電流が系統又は負荷に設置された遮断器2,7,9,12等で遮断されるまでの時間は通電継続されるものとして、限流器を設計することが必要になる。
電力系統に接続された、系統又は負荷保護用の遮断器2,7,9,12等は、事故点を系統又は負荷から切り離すよう、保護リレー等の検出手段に基づき、ある区間を遮断する。通常、保護リレーの検出時間は事故発生から、数百ms(ミリ秒)程度である。したがって、超電導線材は、事故発生後数百ms程度の時間は、過電圧印加に耐えることが必要とされる。
超電導限流コイル6形成のために使用される超電導線材の量(体積)は、系統条件により規定される。超電導線材の常電導抵抗を5Ωとしてこれが6.6kV系統に接続されている場合で、2相短絡を想定すると、超電導線材の両端には6.6kVの電圧が印加されるので、遮断器2,7,9,12等が働くまでの時間を200msとすると、その時間に限流器の超電導線材に投入されるエネルギーは、
6600V ×(6600V/5Ω)×300ms = 2.58 MJ
に上り、少なくともこのエネルギーで超電導線材が劣化や焼損を起こさないようにする必要がある。そのためには、単に、平常時の通電電流容量を得るための超電導線材の断面積及び必要長さの双方を確保することだけで抵抗値を設定したのでは熱容量的に必ずしも充分であるとは言えず、劣化や焼損を防ぐことができなくなる。したがって、このような劣化や焼損を防ぐために、従来は大量の超電導線材を使用しなければならなかった。
また、このような大量の超電導線材の使用に伴って、大量の超電導線材から平常時に発生する交流損失による発熱を除去するための極低温冷凍装置も大型になってしまい、冷凍装置からの熱伝導による入熱も加算されて、冷凍装置を含めたシステムの構築ができないケースも現れてしまうことがあった。
超電導限流コイル6を形成する超電導線材に投入されるエネルギーが大きいということは、限流した際の冷媒の蒸発量が多いことを意味している。冷媒を液体窒素とすると、上記の発熱で約20リットルの液体窒素が蒸発してしまうため、圧力上昇の観点からこれを大気開放して蒸散させることが必要となり、何回かの限流の度に液体窒素を補給する必要が生じてしまい、メンテナンス性の非常に悪いシステムが構築されざるを得なかった。
また、超電導限流コイル6を形成する超電導線材にY(イットリウム)系などの高温超電導線材を使用する場合、超電導限流コイル6を冷却する冷媒としては、液体窒素が有力な候補冷媒である。この場合、超電導限流コイル6の限流動作時に蒸発する液体窒素などの冷媒の量は、超電導線材の抵抗値によって決まるが、超電導限流器4の設計にあたっては、ある量の液体窒素が蒸発することを前提としている。
ここで、系統事故により一度限流動作に入ると、蒸発した液体窒素はクライオスタット外部に蒸散させてしまうか、あるいは、クライオスタット内部に封じ込めた蒸発ガスを極低温冷凍装置により液化再凝縮させて使用することになる。そして、クライオスタット外部に蒸散させた場合は、システムのメンテナンスを実施する間に限流できる回数を充分に確保できないという問題が生じ、一方、クライオスタット内部に封じ込め液化再凝縮させる場合は、再度限流が可能になるまでの時間を系統側が許容できるかどうかの問題を生じることになる。
更に、系統事故が、超電導限流器4を設置した個所から遠く離れた地点で発生したような場合、超電導限流コイル6の機能により事故電流の限流は行われるものの、一時的な電源電圧の低下が生じるだけであるため、遮断器2,7,9,12等が事故区間を遮断するように動作しないことがある。このため、事故が除去されたあとも、常電導化した超電導限流コイル6の超電導線材には、正常な潮流電流が流れるように系統電圧がかかり続け、ときには線材を超電導状態に復帰させることができないケースも発生する。このような場合は、超電導線材にエネルギーが長時間にわたって連続的に投入されることになるため、超電導線材の焼損が必至となる。
そこで、このような焼損を回避するため、超電導限流器4の一部に、サイリスタやダイオードなどの電力用半導体素子で構成した整流回路やスイッチング回路を使用し、系統回路を高速で遮断する構成も考えられるところである。このような構成によれば、例えば電流をゼロクロス点で整流するなどの手法により3/4波で系統電流を遮断することも可能である。
ところが、系統回路に電力用半導体素子を接続して使用すると、常時の系統電流が400A程度を超えるに従い、半導体素子での損失が大きくなってしまう。そのため、例えば超電導限流コイルとダイオードブリッジ等を組み合わせたような構成の場合、常時の通電損失が問題となる。つまり、通電電流が大きくなればなるほど、機器の損失と大型化が深刻となり、実用化が難しくなる。なお、超電導限流コイルを使用せず、常電導のリアクトルを使用する構成を想定した場合、リアクトルに流れる常時潮流による損失と、機器大型化の問題が一層深刻になり、実用化は更に困難となる。
このように、従来の超電導限流器4は、超電導線材の使用量が多くなること、及びこれに付随して冷凍装置の容量の増大によって機器全体が大型化してしまうこと、限流動作時に系統用又は負荷用の遮断器が開放されない場合に超電導限流コイル6を形成している超電導線材自体が温度上昇により劣化損傷してしまう虞れが高いこと、限流動作時に液体窒素の蒸発ガスを蒸散させなければならないためにメンテナンス性が悪くなっていることなどの種々の課題を有するものであった。
つまり、従来の超電導限流器4は、限流動作の際に超電導限流コイル6の超電導線材の抵抗発熱が一定時間以上継続することに起因して、機器の信頼性、メンテナンス性、及び大型化抑制に関して、なお改善の余地を有するものであった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、機器の信頼性及びメンテナンス性の向上と共に、機器の小型化を図ることが可能な超電導限流器、超電導限流システム、及び超電導限流制御方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための手段として、本発明に係る超電導限流器は、常時は超電導状態に保持され、複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と負荷との間における電流通過を低抵抗状態で許容し、事故発生時は超電導状態から常電導状態への転移に基づく抵抗増大によって事故電流の増加を抑制する超電導限流コイルと、前記超電導限流コイルに直列接続された限流コイル用遮断器と、前記電力系統及び前記負荷の少なくとも一方に事故が発生したことを示す所定事象の検出に基づき、前記限流コイル用遮断器を開放する遮断器制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る超電導限流システムは、複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と負荷との間に超電導限流器を接続し、この電力系統及び負荷の少なくとも一方に事故が発生した場合に、この超電導限流器の限流動作により事故電流の増加を抑制するようにした超電導限流システムにおいて、前記超電導限流器は、常時は超電導状態に保持され、前記複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と前記負荷との間における電流通過を低抵抗状態で許容し、事故発生時は超電導状態から常電導状態への転移に基づく抵抗増大によって事故電流の増加を抑制する超電導限流コイルと、前記超電導限流コイルに直列接続された限流コイル用遮断器と、前記電力系統及び前記負荷の少なくとも一方に事故が発生したことを示す所定事象の検出に基づき、前記限流コイル用遮断器を開放する遮断器制御手段と、を備えたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る超電導限流制御方法は、常時は超電導状態に保持され、複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と負荷との間における電流通過を低抵抗状態で許容し、事故発生時は超電導状態から常電導状態への転移に基づく抵抗増大によって事故電流の増加を抑制する超電導限流コイルに対して、限流コイル用遮断器を直列接続しておき、前記電力系統及び前記負荷の少なくとも一方に事故が発生したことを示す所定事象を検出した場合に、前記限流コイル用遮断器を開放する、ことを特徴とする。
本発明によれば、超電導限流コイルに限流コイル用遮断器を直列接続し、この限流コイル用遮断器を遮断器制御手段が所定事象の検出に基づき開放する構成としているので、機器の信頼性及びメンテナンス性の向上と共に、機器の小型化を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図1乃至図3に基づき説明する。なお、これらの図において、超電導限流器以外の構成要素については図4と同一の符号を付している。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超電導限流器、及びこれを用いた超電導限流システムの構成図である。第1の電力系統1として自家発系統を導入しようとする需要家は、第2の電力系統11からの受電を継続しながら、自己の負荷8,9への電力会社側からの受電量を減らす一方で、自ら設置した自家発系統から、事業所内の負荷への給電の一部に電力を供給するシステムを採用するのが通常である。そして、このようなシステムにより、単価の安い自家発電機の給電分のエネルギー費用の削減を図るとともに、第2の電力系統11で事故が起きた際にも、自家発系統である第1の電力系統1から安定してエネルギー供給を継続することができる。
ここで仮に、第2の電力系統11側で落雷等により3相地絡等の事故が発生したとすると、第1の電力系統1側から事故点に向けて、大きな事故電流が流れてしまう。第1の電力系統1から流れる事故電流は、受電点付近の需要家側位置である地点P2に接続される遮断器9の短絡容量定格を超えてしまう事態を引き起こす場合がある。そのため、第1の電力系統1を設置する際に、負荷用遮断器9には短絡容量の充分大きなものを用いることが前提になって、多大な設備投資を伴うことになる。
また、第1の電力系統1から流れる事故電流がもたらすその他の影響として、第1の電力系統1から過大な電流が事故点に向けて流れることにより、負荷8側に瞬時電圧低下(瞬低)が発生する問題がある。この負荷8が、例えば半導体製造ラインにおける重要負荷である場合、瞬低発生の際の電圧低下の大きさと時間如何によっては、半日から数日かけて引き上げ製造する単結晶ウェーハの製品全体に影響が及び、不良品として出荷できなくなる事態が発生し、多大な損害を被る虞もある。本実施形態に係る超電導限流システムでは、超電導限流器14の機能により、このような事態を回避することができる。
図1に示した超電導限流器14は、断路器15と、この断路器15に直列接続された超電導限流コイル16と、この超電導限流コイル16に直列接続された限流コイル用遮断器17と、この限流コイル用遮断器17の開放動作及び投入動作を制御する遮断器制御手段18と、この遮断器制御手段18に対して限流コイル用遮断器17を制御するための情報を与えるための所定事象検出手段19とを有している。
所定事象検出手段19は、第1の電力系統1、第2の電力系統11、負荷8,10のうちの少なくとも1つに事故が発生したことを示す所定事象、つまり、限流コイル用遮断器17が開放されるべきか否かに関する情報を与えるものである。
本実施形態では、この所定事象として、次の3つの事象のうちのいずれか1つ、あるいはこれらの事象の組み合わせを用いることを想定している。
(i)第1の電力系統1と第2の電力系統11との間、又は第1の電力系統1と負荷8,10との間、第2の電力系統11と負荷8,10との間における電圧が所定レベル以下に低下したこと(この電圧低下は電圧センサで検出する)。
(ii)第1の電力系統1と第2の電力系統11との間、又は第1の電力系統1と負荷8,10との間、第2の電力系統11と負荷8,10との間を流れる電流が所定レベル以上に上昇したこと(この電流上昇は電流センサで検出する)。
(iii)超電導限流コイル16が超電導状態から常電導状態へ転移したこと(この転移は、コイル両端電圧の上昇により検出する)。
上記の(i)〜(iii)の事象を組み合わせることにより、あるいは必要であれば適宜その他の事象を追加することにより、センサに混入するノイズ等に起因する限流コイル用遮断器17の誤動作又は不動作の発生の防止、あるいはその発生頻度を低減化又は極小化することも可能となる。
また、本実施形態では、限流コイル用遮断器17として、サイリスタやダイオードなどの電力用半導体素子を用いた遮断器ではなく、可動接点機構を有する機械式遮断器を用いることを前提としている。
次に、図1の動作につき説明する。第2の電力系統11側で上記のような3相地絡事故が発生したとすると、第1の電力系統1から超電導限流器14を経由して第2の電力系統11の事故点に向かって大きな事故電流が流れようとする。この事故電流の増大によって、超電導状態にある超電導限流コイル16はいち早くクエンチ(常電導化)する。
また、この事故電流の増大によって、所定事象検出手段19は上記(i)に該当する事象として、例えば地点P1,P2間の電圧が所定レベル以下に低下したことを検出し、その検出信号を遮断器制御手段18に出力する。遮断器制御手段18は、この検出信号の入力に基づき限流コイル用遮断器17を開放する。
このときの限流コイル用遮断器17の開放動作は系統用遮断器12又は負荷用遮断器9よりも速いタイミングで行われ、例えば超電導限流コイル16のクエンチ後60ms以内の短時間で行われる。したがって、従来のように数百msにも及ぶ長時間にわたって超電導限流コイル16に過大な電流が流れることは回避されるので、超電導限流コイル16が劣化したり焼損したりすることはない。
ここで、限流コイル用遮断器17は、上述したように、可動接点機構を有する機械式遮断器であり、クエンチ等の事故検出後概ね60ms程度以内の時間に回路を3相とも遮断可能なものである。このように、限流コイル用遮断器17に機械式遮断器を用いた構成とすることで、平常時の通電時における損失をほとんど無視できるほどに小さくすることができ、また、機器寸法についても、通常の盤内の一構成機器として収納される程度の大きさとすることができる。
そして、超電導限流コイル16の限流動作開始後約60ms程度で、限流コイル用遮断器17の開放により超電導限流コイル16への電圧印加が止まり、コイル電流がゼロになるので、それ以降は常電導化した超電導限流コイル16での抵抗発熱がなくなる。
したがって、超電導限流コイル16を形成する超電導線材には、60msの時間の発熱による温度上昇が許容できる導体体積での設計が成立するため、高価な超電導導体の使用量を少量とする条件下で機器を構成することができる。
なお、本実施形態における限流コイル用遮断器17は、クエンチ後60ms以内に開放動作を行うものを想定しているが、一般の遮断器が開放指令を得てから実際に開放するまでの時間は、通常で60ms〜300ms程度である。開放までの時間が短くなるほど価格が高くなる傾向にあるが、通常60ms〜300ms程度までは、機器価格に大きな差がなく、この範囲で遮断器を選定する際には、信頼性や機器サイズ、耐繰り返し特性等により用途にあう遮断器を選定することになる。
また、限流コイル用遮断器17の遮断速度だけに関して言えば、遮断時間が60msよりも短い高速の遮断器を開発することは可能である。しかし、現在開発中の高速の遮断器は、価格が高くなること以前に、通電回路にサイリスタやダイオード等の電力用半導体素子を使用した構成となっている。このような電力用半導体素子を使用した構成の遮断器は、大電圧、大電流になるほど損失が大きくなるため、設置系統の電圧及び電流が一定レベル以下の限定された個所にしか採用することができず、本発明で対象とする超電導限流器のように、常時数100A〜1000A程度以上の大電流が流れる個所には事実上採用することができないと考えるべきである。それ故、本実施形態では限流コイル用遮断器17として機械式遮断器を用いるようにしている。
更に、本実施形態では、系統用遮断器12又は負荷用遮断器9が動作するよりも早く、遮断器制御手段18が限流コイル用遮断器17を開放させるようになっているが、負荷用遮断器9に関しては、その制御を遮断器制御手段18が行うようにする構成を採用することが可能である。つまり、遮断器制御手段18は所定事象検出手段19からの信号に基づき限流コイル用遮断器17を開放させると共に、これと同時に負荷用遮断器9も開放させるようにする。したがって、従来よりも負荷用遮断器9の開放タイミングを早くすることができ、負荷10に対する保護を一層迅速且つ確実に行うことができる。
ところで、超電導限流コイル16の限流動作時に、この超電導限流コイル16を浸漬した液体窒素などの冷媒の蒸発量や蒸発ガスによるクライオスタット内の圧力上昇は、超電導限流コイル16を形成する超電導線材の抵抗値と限流動作継続時間により決まる。そして、本実施形態では、超電導限流コイル16の限流動作時間を短時間に抑えることができるので、従来のように事故復帰まで限流動作が継続する場合に比較して、冷媒の蒸発量、及び圧力上昇を大幅に低減させることができる。
例えば、限流動作時間が60ms程度であるとすると、定格が6.6kV/600Aで抵抗が4Ωである超電導限流器の設計の場合、冷媒を液体窒素としたときの発熱量は、限流電流の2乗に抵抗及び限流動作時間を乗算することにより求めることができるので、
〔限流電流〕2×〔抵抗〕×〔限流動作時間〕
=20002×4Ω×60ms
=9.6×105[J]
となる。したがって、蒸発窒素量は、
〔蒸発窒素量〕=9.6×105 [J]/160[J/cc]
= 6000[cc] = 6[リットル]
で済むことになる。クライオスタットの液体窒素容器の直径を1m程度とすると、6リットルの液体窒素の蒸発は、0.8cm足らずの液面低下を生じるにすぎない。したがって、蒸発時の圧力上昇を大気開放する設計の場合は、10回程度の限流動作を連続実施しても、液体窒素の液面を超電導コイル最も上面より10cm程度、液量にして80リットル程度余分に注入しておけば、問題なく、限流動作を継続させることが可能である。
本実施形態では、蒸発した窒素ガスをクライオスタット外に蒸散させないよう封じ切りの状態にして、数回の連続的な限流動作後も問題になるほどの圧力上昇とならないようにシステムを構成することが可能である。蒸発してクライオスタット内に留まっている液体窒素ガスは、GM冷凍機などの極低温冷凍装置をクライオスタットに取り付けておくことにより、限流後数十時間をかけて液化再凝縮することができるので、限流後もメンテナンスフリーで運転をすることが可能である。
ここで、図4に示した従来例のように、限流コイル用遮断器17がなく、事故が除去されるまで超電導限流コイル16が限流動作を継続した場合を仮定してみる。例えば、保護リレーにより系統用遮断器12が限流動作開始後300ms後に遮断されたとすると、この場合は5倍のエネルギーが常電導化した超電導限流コイル16に投入されるため、約30リットル以上の液体窒素が蒸散する。そのため、何回かの限流動作後は再注液しないと運転できなくなり、メンテナンスに多くの労力を費やす結果となる。したがって、本実施形態によれば多大のメリットが生じることが明らかである。
上記の従来例との比較は、系統用遮断器が動作した場合の比較であるが、系統事故が超電導限流器の設置位置から遠く離れた(例えば、数百km程度)場所で起こった場合には、さらに顕著な差が現れる。すなわち、一般に、系統用遮断器又は負荷用遮断器は、事故区間を切り離すことを目的としているため、いくつかの遮断器を保護リレーなどにより協調させて保護させることが多い。そして、系統事故が、超電導限流器の設置位置と近い場合には、系統用遮断器又は負荷用遮断器も確実に開放動作して遮断することができるが、遠方での系統事故の場合、超電導限流器の設置位置付近では、事故電流は、通常の1.5〜2倍程度に上昇するだけである。
したがって、超電導限流コイルはクエンチにより限流動作は行うものの、電圧が数百ms程度の時間にわたり僅かに低下しただけという状態が出現する。このような状態では、事故区間が遠いため、検出設定により事故とは判断されず、系統用遮断器又は負荷用遮断器は遮断動作をしないケースが多い。そして、場合によっては殆どのケースで遮断動作をしないことがある。そのため、常電導化した超電導限流コイルには事故が除去された後も系統電圧がかかり続け、長時間の電圧印加継続により確実に焼損してしまう事態に陥る。しかし、図1の構成では、超電導限流コイル16に流れる電流は、限流コイル用遮断器17の開放により、クエンチしてから60ms程度の時間で確実に遮断されるため、超電導限流器14は、このような危険な事態に陥ることなく、安定して保護機能を発揮することが可能である。
上記のように、図1の構成では、限流動作時の液体窒素の蒸発を最小限に抑制できることから、超電導限流コイル16がクエンチし、限流コイル用遮断器17が開放された後も超電導限流コイル16が超電導状態に復帰すれば、限流コイル用遮断器17をオン状態にして、超電導限流器14を直ちに通電状態に復帰させることが可能である。
そこで、限流コイル用遮断器17として、投入指令により再投入できるタイプの遮断器を採用し、超電導限流コイル16の限流動作により限流コイル用遮断器17が開放された後、所定条件が成立した時点で遮断器制御手段18が限流コイル用遮断器17を再投入し、超電導限流器14を初期状態にセットできるようにシーケンスを設定することが可能である。
上記の所定条件としては、例えば、第2の電力系統11側での事故が除去されたこと(つまり、第2の電力系統11側又は負荷10側のいずれについても事故発生を示す事象が検出されなくなったこと)、超電導限流コイル16が超電導状態に復帰したこと、超電導限流コイル16が超電導状態に復帰するのに充分な時間が経過したこと等の条件、又はこれらの条件の組み合わせが考えられる。
上記の再投入条件のうち、「超電導限流コイル16が超電導状態に復帰するのに充分な時間」として、例えば30秒〜数分程度が考えられるが、この時間が経過したとしても事故が未だ除去されていない場合もあり得る。そのような場合は、再投入の瞬間に再び事故電流が増大するので、超電導限流コイル16のクエンチ、及び限流コイル用遮断器17の開放が再度行われることになる。それ故、それ以降は再投入を禁止する設定としておき、人間系による事故状況の調査及び安全確認が実施された後に、人手によってのみ限流コイル用遮断器17の再投入を許可する構成とすることができる。
限流コイル用遮断器17の再投入時には、第1の電力系統1側の交流位相と、第2の電力系統11側の交流位相とが一致していなければならないが、本実施形態における遮断器制御手段18は、この交流位相を一致させる系統機器と協調して限流コイル用遮断器17を再投入するようにシーケンスが組まれている。したがって、事故発生後、通常であれば1時間から半日ほどを要する再投入までの時間が、図1の構成によれば、30秒から数分程度以下の時間内で自動的に再投入することが可能となる。したがって、大幅な機能向上とともに、人手の省略を実現することが可能となる。
上記のように、限流コイル用遮断器17は、所定の再投入条件が成立した時点で原則として再投入可能であるが、これには一定の例外がある。この例外とは、例えば、超電導限流コイル16が超電導状態から常電導状態へ転移した後に、この超電導限流コイル16を収納するクライオスタット内の圧力若しくは圧力上昇に関する検出値が予め設定された基準値を超えている場合、あるいはクライオスタット内の温度若しくは温度上昇に関する検出値が予め設定された基準値を超えている場合である。遮断器制御手段18は、これらの検出信号を入力しており、このような場合は、所定の再投入条件の成立の有無にかかわらず限流コイル用遮断器17の再投入を中止するようになっている。
次に、本実施形態では、極低温冷凍装置を装備した構成とすることにより、液体冷媒からの蒸発ガスを再凝縮させることができるので、これにつき詳しく説明する。
超電導限流コイル16は、液体窒素などの冷媒が封入されたクライオスタット内に収納され、例えば超電導限流器14の定格が6.6kV/600Aの場合、限流動作時の蒸発窒素量は約6リットルになることは既述した。蒸発するこの6リットル程度の液体窒素は、クライオスタット外に蒸散させる構造とすることが可能である。これにより、例えば1年に1回の割合で実施する極低温冷凍装置のメンテナンスの際に、減少した液体窒素を補うように運用することが可能である。蒸発ガスの発生による液体窒素の減少は、平常通電時の電流リードの発熱や超電導限流コイル16の交流損失やクライオスタットへの熱侵入等によっても生じるが、極低温冷凍装置を装備することで蒸発ガスを液化再凝縮することが可能である。
極低温冷凍装置を装備したクライオスタットでは、限流動作の際に発生する冷媒ガスを外部に蒸散させずにクライオスタット内に封じ込めておくように構成することも可能である。蒸発ガスがそのままクライオスタット上部でガスの状態で残留すると、クライオスタット内の圧力は、設計にもよるが、ゲージ圧1000hPa程度になるので、クライオスタットの耐圧を限流時の圧力上昇に対応できるように設定することで、蒸発ガスを外部へ蒸散させないようにすることができる。
尤も、極低温冷凍装置を装備しても、限流動作時に発生した蒸発ガスを短時間のうちに再凝縮して液化することはできない。しかし、超電導限流器14が実際に作動する回数は年に多くとも10回程度である。したがって、ある限流動作で発生した蒸発ガスを次回の限流動作までの間に、数日〜10日程度の日数をかけて液化再凝縮させるようにすれば、液体窒素の補給を不要としたシステムを構成することが可能となる。
なお、瞬時電圧低下などの系統事故は、一日の間に数回以上短時間の間にまとまって発生することがある。瞬時電圧低下の際の電流は、至近範囲での短絡事故等による事故電流よりかなり小さいのが通常である。したがって、数回の限流動作を短時間の間に行っても、このときの蒸発ガスは少量であるため、外部へガスを蒸散をさせる必要がない場合が大半である。このように、限流動作開始後60ms程度で遮断を行い、30秒〜数分程度経過後に再投入するようにシーケンスが組まれた超電導限流器14では、遠方で発生する複数回の瞬低に対して、限流→遮断→事故除去→再投入のプログラミングができている前提で、限流動作の複数回の繰り返しにも自動的に対応できるシステムを実現することができる。
また、上記のように、極低温冷凍装置を装備した構成とすれば、平常時の常時通電状態において、電流リードや限流器超電導コイルの発熱よりも、液体窒素温度での極低温冷凍装置の冷凍能力が上回るように設定することにより、液体窒素が徐々に蒸散するのを防止し、メンテナンスフリーでの運転が可能となる。
この場合、液体窒素の沸点温度より低い温度で発熱と冷凍能力が釣り合い、運転温度が平衡状態になるので超電導限流器14を安定して運転することができる。この安定な平衡運転状態の温度から、液体窒素の沸点温度までの、顕熱を利用することによって、限流動作時に常電導化した超電導線材表面から泡となって発生する蒸発ガスが、液体窒素の液面まで上昇する過程で、気泡の一部または過半が過冷却窒素との熱交換によって液体窒素に再凝縮されるように設計し、蒸発ガスによるクライオスタットの内圧上昇を抑制することが可能である。
本願発明の発明者らは、過冷却窒素中で、超電導線材表面から発生した蒸発窒素ガスの泡が、消滅していく様子を実際に確認している。すなわち、沸騰液体窒素中での気泡発生を視認すると共に、高速ビデオカメラにより記録している。そして、限流動作時にクライオスタットの内圧をほとんど上昇させることなく、過冷却窒素に対して1K程度の僅か温度上昇を許容するだけで、1分程度以内に次回の限流動作が可能な状態とする設計が可能なことを確認済みである。
ところで、一般的に、ある地点で経験する系統での事故のほとんどは、超電導限流器14から比較的遠方の事故である。これは、超電導限流器14の至近範囲での落雷の可能性が、遠方まで含めた広範囲での落雷の可能性より低いことの当然の帰結である。そして、遠方の事故では、事故電流も至近範囲の事故の場合における数kA〜数10kAに比較すればかなり小さな数kA程度となる。したがって、通常、超電導限流コイル16が限流動作時に発生するエネルギーは至近範囲での事故の場合と比較してずっと小さく、液体窒素などの冷媒の蒸発量やクライオスタット内の圧力上昇も大幅に小さいものとなる。そのため、再投入が可能となる時間も短くなり、また、蒸発ガスを放散させずに連続的に限流できる回数も増加する。つまり、事故発生場所の大半が遠方の地であるという限流器の一般的特性は、超電導限流器に対しては特に幸いする結果となるため、対応性の高い保護機器としての適用が期待できる。
更に、事故現象の大半を占める遠方での事故では、超電導限流コイル16に対する熱履歴、すなわち常電導化後のエネルギー投入による急激な温度上昇と限流後の急激な再冷却による熱的ストレスが、至近範囲での事故の場合よりも大幅に小さくなる。そのため、多数回の限流動作でも半永久的に超電導線材の特性が劣化する事態の発生を想定する必要がなく、この面でも原理的に信頼性が極めて高い機器となることが期待できる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る超電導限流器、及びこれを用いた超電導限流システムを図2に基づき説明する。図2の超電導限流器14Aが図1の超電導限流器14と異なる点は、超電導限流コイル16及びこれに直列接続された限流コイル用遮断器17を流れようとする電流をバイパスさせるためのバイパス路20が形成されており、このバイパス路20に常時は開放状態とされたバイパス用開閉器21が設けられている点である。このバイパス用開閉器21はバイパス用断路器であってもよく、あるいは限流コイル用遮断器17が制御可能なバイパス用遮断器であってもよい。
上記のように、バイパス用開閉器21を有するバイパス路20を備えた構成としたことによる効果を以下に説明する。第1の電力系統1を点検のために停止させる場合、又は第2の電力系統11から負荷8,10への受電を一時的に中止する場合、これら負荷側の状況などにより超電導限流器14Aを通過する電流の大きさや向きが一時的に変わることがある。
例えば負荷8には、電力会社側設備である第2の電力系統11からの事故の影響を超電導限流器14Aで保護できることから比較的重要度の高い重要負荷をおくことが多い。このような重要負荷の割合は、業種にもよるが、コンピュータ制御される機器の増加に伴って、益々増加する傾向にある。
そして、第2の電力系統11からの受電を一時的に中止し、自家発側である第1の電力系統1側から負荷8,10に給電を行い、この状態で需要家側の設備についてのメンテナンス、あるいは超電導限流器14Aのクライオスタットに装備されている極低温冷凍装置についてのメンテナンス(極低温冷凍装置のメンテナンスは少なくとも1年に1回程度は必要である)を実施しなければならない場合がある。この場合、超電導限流器14Aを右から左に通過する電流は、負荷10への供給分が増えているので、第2の電力系統11からの受電を中止する前と比較すれば大きくなっている。
クライオスタットに装備された極低温冷凍装置は、少なくとも6.6kV以上の系統電圧が印加される超電導限流コイル16やその電流リード部材からは勿論絶縁されているが、超電導限流コイル16への通電が行われた状態つまり活線状態下でのメンテナンスは安全管理上好ましくない。したがって、極低温冷凍装置のメンテナンスを実施する際は、超電導限流コイル16を電気的に遮断した状態とし、活線状態が生じないようにしなければならない。本実施形態によれば、バイパス路20を利用することにより、系統電流が超電導限流器14Aを通過するのを許容した状態で、需要家側の各種設備や極低温冷凍装置についてのメンテナンスを安全に実施することができる。
また、上記のバイパス路20を形成した本実施形態の構成によれば、極低温冷凍装置の冷凍能力を不必要に増大しなくて済むという効果を得ることができる。
すなわち、超電導限流コイル16は、その臨界電流の値が運転電流の2倍程度以下に設定されている。これは、超電導限流コイル16が知すべき事故電流の大きさを平常時の電流に比べて極端に大きくすると感度が下がること、及び限流動作の回数を極力低減することの双方のバランスを考慮した結果である。このことは、また、超電導線材の使用量の低減、超電導線材における交流損失の低減、極低温冷凍装置の負荷の軽減等によって機器の省エネ化設計を可能とすることにもつながっている。
一方、極低温冷凍装置の能力は、常時の運転電流に合わせて設計するのが通常である。例えば、常時運転電流を400Aとした場合、需要家側での点検作業等の都合により、超電導線材の一時的な許容通電電流値は、常時運転電流よりも高い600Aを通電できるように設計しておくことが必要であるが、極低温冷凍装置の冷凍能力は常時通電電流の400Aに合わせて設定されている。
そのため、600Aでの通電が一定時間以上連続すると、熱負荷が冷凍の力を超えて徐々に液体窒素温度が平衡温度から上昇を始め、沸騰温度に達して液体窒素が蒸発を始める事態となる。もし、バイパス路20が形成されていない構成の場合は、超電導限流コイル16に600Aの通電を行った状態でメンテナンスを実施せざるを得なくなるが、その場合には上記のような事態の発生が必至となる。この場合、600Aの通電が一定時間以上連続しても、液体窒素沸騰温度(77K)までの時間が数時間〜半日程度となるように極低温冷凍装置の能力を設計することも可能であるが、それでは通常の冷凍装置の冷凍能力に比較してオーバースペックになってしまい適当ではない。
しかし、本実施形態によれば、メンテナンスを実施する際は、それまで超電導限流コイル16に流れていた電流をバイパス路20に転流させることができるので、超電導限流コイル16の600Aの長時間通電に対応して極低温冷凍装置の冷凍能力を増大させる必要はなくなる。
バイパス路20に通電経路を切り換える動作は、例えば次のような手順で行われる。まず、超電導限流器14Aの通過電流が400Aから600Aとなるように第1の電力系統1からの電力供給量が切り換えられる。これに続いて、第2の電力系統11から負荷8,10への給電が中止されると共に、直ちに、バイパス用開閉器21が投入され、更に限流コイル用遮断器17が開放される。そして、その後、手動操作等により断路器15が開放される。
この後、需要家側の設備についてのメンテナンス、あるいは超電導限流器14Aのクライオスタットに装備されている極低温冷凍装置についてのメンテナンスが実施される。但し、メンテナンスが終了するまでには、通常、半日から1日程度の時間は必要であり、超電導限流器14Aはその間、限流動作機能を喪失した状態となっているので、メンテナンスの実施時期は、電力系統に瞬低等の事故が発生する可能性が低い季節、日時を選択することが好ましい。
なお、クライオスタット又は極低温冷凍装置のメンテナンスの際には、クライオスタット内の液体窒素を外部に全く蒸散させないようにすることができるので、原則として液体窒素の補給は不要である。但し、運転期間中に限流動作が連続したり、その他何らかの理由により、液体窒素の一部が外部に蒸散してしまっている場合には、メンテナンスの終了後に液体窒素を補充することも可能である。
また、極低温冷凍装置のメンテナンスは、クライオスタットを冷却した状態で、大気圧に開放することなく、実施することが可能であるが、周囲の状況等により、クライオスタットを常温まで昇温させたり、大気開放した状態で実施することも可能である。
次に、本発明の第3の実施形態に係る超電導限流器、及びこれを用いた超電導限流システムを図3に基づき説明する。図3の構成では、図1及び図2では図示されていた第1の電力系統1及び系統用遮断器2は省略されている。これは、本実施形態では、需要家側設備が電力会社側設備の至近距離にあり、負荷8,10は第2の電力系統11からの受電を前提としているためである。尤も、図1及び図2と同様に、第1の電力系統1及び系統用遮断器2を備えた構成として説明することも可能であるが、その場合には第1の電力系統1は運転休止状態であるとして説明することになる。
図3の超電導限流器14Bが図2の超電導限流器14Aと異なる点は、バイパス路20に、バイパス用遮断器22、及びこれに直列接続されたインピダンス部材23(例えばリアクトルコイル)が設けられている点である。このバイパス用遮断器22は、遮断器制御手段18が制御可能なものであり、インピダンス部材23はバイパス用遮断器22が投入された際に、負荷8への突入電流を抑制するのに充分なインピダンスを有するものである。
また、本実施形態における負荷8は、第2の電力系統11からの電力が遮断状態が生じることなく連続的に供給されなければならない重要負荷である。
次に、図3の動作につき説明する。超電導限流器14Bの下流側(つまり図3の右方側)には負荷8以外に種々の機器が接続されている。これらの機器に短絡事故が発生したとすると、この事故点に向かって第2の電力系統11からの大きな事故電流が流れようとする。この事故電流の増大によって、超電導状態にある超電導限流コイル16はいち早くクエンチし、遮断器制御手段18は図1の場合と同様にして、クエンチ後60ms以内に限流コイル用遮断器17を開放する。
しかし、本実施形態の遮断器制御手段18は、このとき限流コイル用遮断器17を開放するに先立ちバイパス用遮断器22を投入する。したがって、本実施形態によれば、負荷8に対しては、第2の電力系統11からの電力を遮断状態が生じることなく連続的に供給することができる。また、このときインピダンス部材23の働きにより、負荷8側に突入電流が流れ込むことを防止することができる。
上記の事故が除去された後、遮断器制御手段18は、限流コイル用遮断器17を再投入し、その後でバイパス用遮断器22を開放する。この限流コイル用遮断器17を再投入するための条件は、第1の実施形態で既述したのと同様の条件でよい。
すなわち、事故が除去されたこと、超電導限流コイル16が超電導状態に復帰したこと、超電導限流コイル16が超電導状態に復帰するのに充分な時間が経過したこと等の条件、又はこれらの条件の組み合わせである。また、再投入が禁止される条件についても、第1の実施形態の場合と同様でよい。
本発明の第1の実施形態に係る超電導限流器、及びこれを用いた超電導限流システムの構成図。 本発明の第2の実施形態に係る超電導限流器、及びこれを用いた超電導限流システムの構成図。 本発明の第3の実施形態に係る超電導限流器、及びこれを用いた超電導限流システムの構成図。 従来例の構成図。
符号の説明
1…第1の電力系統、2…系統用遮断器、3…系統母線、4…超電導限流器、5…断路器、6…超電導限流コイル、7…負荷用遮断器、8…負荷、9…負荷用遮断器、10…負荷1、11…第2の電力系統、12…系統用遮断器、13…変圧器、14,14A,14B…超電導限流器、15…断路器、16…超電導限流コイル、17…限流コイル用遮断器、18…遮断器制御手段、19…所定事象検出手段、20…バイパス路、21…バイパス用開閉器、22…バイパス用遮断器、23…インピダンス部材。

Claims (16)

  1. 常時は超電導状態に保持され、複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と負荷との間における電流通過を低抵抗状態で許容し、事故発生時は超電導状態から常電導状態への転移に基づく抵抗増大によって事故電流の増加を抑制する超電導限流コイルと、
    前記超電導限流コイルに直列接続された限流コイル用遮断器と、
    前記電力系統及び前記負荷の少なくとも一方に事故が発生したことを示す所定事象の検出に基づき、前記限流コイル用遮断器を開放する遮断器制御手段と、
    を備えたことを特徴とする超電導限流器。
  2. 複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と負荷との間に超電導限流器を接続し、この電力系統及び負荷の少なくとも一方に事故が発生した場合に、この超電導限流器の限流動作により事故電流の増加を抑制するようにした超電導限流システムにおいて、
    前記超電導限流器は、
    常時は超電導状態に保持され、前記複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と前記負荷との間における電流通過を低抵抗状態で許容し、事故発生時は超電導状態から常電導状態への転移に基づく抵抗増大によって事故電流の増加を抑制する超電導限流コイルと、
    前記超電導限流コイルに直列接続された限流コイル用遮断器と、
    前記電力系統及び前記負荷の少なくとも一方に事故が発生したことを示す所定事象の検出に基づき、前記限流コイル用遮断器を開放する遮断器制御手段と、
    を備えたものであることを特徴とする超電導限流システム。
  3. 前記所定事象は、
    前記複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と前記負荷との間における電圧が所定レベル以下に低下したこと、
    前記複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と前記負荷との間を流れる電流が所定レベル以上に上昇したこと、
    前記超電導限流コイルが超電導状態から常電導状態へ転移したこと、
    のうちの少なくともいずれか1つを含むものであることを特徴とする請求項2記載の超電導限流システム。
  4. 前記遮断器制御手段は、前記限流コイル用遮断器の開放を、前記電力系統に接続された系統用遮断器の開放、又は前記負荷に接続された負荷用遮断器の開放よりも早いタイミングで行う、
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の超電導限流システム。
  5. 前記遮断器制御手段は、前記限流コイル用遮断器に加えて、前記負荷用遮断器に対しても制御が可能なものであり、前記限流コイル用遮断器の開放、及び前記負荷に接続された負荷用遮断器の開放を同じタイミングで行う、
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の超電導限流システム。
  6. 前記限流コイル用遮断器は、可動接点機構を有する機械式遮断器である、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の超電導限流システム。
  7. 前記遮断器制御手段は、前記限流コイル用遮断器を開放した後、所定条件が成立した時点で前記限流コイル用遮断器を再投入する、
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の超電導限流システム。
  8. 前記所定条件は、
    前記電力系統又は前記負荷のいずれについても事故が発生したことを示す事象が検出されなくなったこと、
    前記超電導限流コイルの超電導状態への復帰が検出されたこと、
    前記超電導限流コイルが超電導状態に復帰するのに充分な設定時間が経過したこと、
    のうちの少なくともいずれか1つを含むものであることを特徴とする請求項7記載の超電導限流システム。
  9. 前記遮断器制御手段は、前記超電導限流コイルが超電導状態から常電導状態へ転移した後に、前記超電導限流コイルを収納するクライオスタット内の圧力若しくは圧力上昇に関する検出信号、又は温度若しくは温度上昇に関する検出信号を入力し、これら検出信号の値が予め設定された基準値を超えている場合は、前記所定条件の成立の有無にかかわらず前記限流コイル用遮断器の再投入を中止するよう設定される、
    ことを特徴とする請求項7又は8の超電導限流システム。
  10. 前記超電導限流コイルを収納するクライオスタットの内部には液体冷媒が封入され、このクライオスタットは、前記超電導限流器の限流動作時に液体冷媒の液面から気化した気体冷媒が外部に放出されるのを防ぐことが可能な密閉構造を有するものであると共に、
    常時は前記クライオスタット内部に封入された液体冷媒が冷媒沸点温度よりも低い温度で熱平衡に達するように冷凍運転を行い、前記液面からの気化により生成された気体冷媒を再凝縮させ液化させることが可能な極低温冷凍装置を備えた、
    ことを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の超電導限流システム。
  11. 前記超電導限流器には、前記超電導限流コイル及びこれに直列接続された前記限流コイル用遮断器を流れようとする電流をバイパスさせるためのバイパス路が形成されており、更に、このバイパス路に常時は開放状態とされたバイパス用開閉器が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載の超電導限流システム。
  12. 前記バイパス用開閉器は、前記遮断器制御手段が制御可能なバイパス用遮断器である、
    ことを特徴とする請求項11記載の超電導限流システム。
  13. いずれかの電力系統からの電力を、遮断状態が生じることなく連続的に供給すべき負荷が存在する場合、
    前記遮断器制御手段は、前記限流コイル用遮断器を開放する際に、その開放に先立ち前記バイパス用遮断器を投入状態にしておく、
    ことを特徴とする請求項12記載の超電導限流システム。
  14. 前記バイパス用遮断器に、前記負荷に対する突入電流を抑制するのに充分なインピダンスを有するインピダンス部材が直列接続されている、
    ことを特徴とする請求項13記載の超電導限流システム。
  15. 前記遮断器制御手段は、前記バイパス用遮断器を投入し、更に前記限流コイル用遮断器を開放した後、
    前記電力系統又は前記負荷のいずれについても事故が発生したことを示す所定事象が検出されなくなったこと、
    前記超電導限流コイルの超電導状態への復帰が検出されたこと、
    前記超電導限流コイルが超電導状態に復帰するのに充分な設定時間が経過したこと、
    のうちの少なくともいずれか1つの条件が成立した時点で前記限流コイル用遮断器を再投入し、その後に前記バイパス用遮断器を再開放する、
    ことを特徴とする請求項13又は14記載の超電導限流システム。
  16. 常時は超電導状態に保持され、複数の電力系統の間、又は少なくとも1つの電力系統と負荷との間における電流通過を低抵抗状態で許容し、事故発生時は超電導状態から常電導状態への転移に基づく抵抗増大によって事故電流の増加を抑制する超電導限流コイルに対して、限流コイル用遮断器を直列接続しておき、
    前記電力系統及び前記負荷の少なくとも一方に事故が発生したことを示す所定事象を検出した場合に、前記限流コイル用遮断器を開放する、
    ことを特徴とする超電導限流制御方法。
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