JP2001298858A - 超電導限流装置 - Google Patents

超電導限流装置

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武 大熊
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俊自 野村
Eriko Yoneda
えり子 米田
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守 嶋田
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昌身 浦田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】限流時に生じる限流エネルギーによって劣化す
ることなく、さらに再閉路時間以内に超電導状態に復帰
する超電導限流装置を提供すること。 【解決手段】限流素子として所定長さの超電導線を複数
回巻回してなる超電導巻線を用いた超電導限流装置にお
いて、前記超電導線の長さが、前記超電導限流装置を挿
入する系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値を
発生するための長さと、限流時に前記限流素子で消費さ
れるエネルギーによって前記超電導線の温度上昇が限流
素子の劣化温度以下とするために必要となる線材量から
決定される長さのうち、長い方の長さ以上となるように
構成した超電導限流装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電路に生じる
事故電流を抑制するための超電導限流装置に係り、特に
超電導線又は超電導薄膜テープを限流素子として用いる
超電導限流装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、配電線路等の交流電路に
短絡事故や地絡事故が発生すると、数10kAにもおよぶ
事故電流が流れる。この事故電流は、系統や機器の設備
費を増大させる。
【0003】このようなことから、事故電流の最大値を
一定以下に抑制するための限流装置を配電線路に挿設す
ることが注目され、各研究機関で研究が行なわれてい
る。
【0004】従来、このような限流装置には種々の提案
があり、そのうちの一つで最近提案された超電導技術を
応用した超電導限流装置がある。これは、超電導線はそ
れ自身に臨界電流を越える電流が流れようとすると、瞬
時に常伝導転移(クエンチ)し、その抵抗値が増大する、
いわゆる抵抗値増加現象を利用し、超電導線そのものを
限流素子として用いるものである。
【0005】超電導線が常伝導転移した時の抵抗値は、
超電導線の長さに比例する。例えば配電系統用の限流素
子を設計する場合は、数10メートルから数100メー
トルの超電導線を用いる必要がある。
【0006】以上のような目的で使用される限流素子の
抵抗値は、限流装置が挿設される系統によって異なる値
が必要となる。一般に系統の事故電流が増大し、この系
統に設置されている遮断器の遮断容量以下の電流に抑制
するため、限流素子の抵抗値が決定される。限流素子の
抵抗値を発生させるように、限流素子に用いられる超電
導線の長さが決定されている。
【0007】さらに、このように長い超電導線を必要と
しているため、通常は超電導線を複数回巻回した超電導
巻線を限流素子として組み込むことによって、限流装置
の小型化を図るようにしている。
【0008】この超電導巻線からなる限流素子は、限流
時の温度上昇によって、超電導線や巻枠などの構成材料
の熱膨張率の差によって、特性が変化する可能性があ
り、限流時の平均上昇温度上限を100〜300K程度
となるように設計されることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな温度上限を設定しても、限流時に超電導体の一部分
の温度上昇が300K以上となることがあり、部分的に
限流素子が劣化することがあった。
【0010】また、近年研究が盛んに行なわれている、
いわゆる高温超電導線では、超電導線が酸化物であるた
め、それ自身の熱伝導が悪く、前述のような局部的な温
度上昇が簡単に生じてしまい、超電導線の一部が温度上
昇により断線することも少なくない。
【0011】一方、超電導限流装置を系統に挿設する場
合、特に架空線系統ではその運用方法から、高速再閉路
すなわち、事故電流を検知して電路を遮断した後、チェ
ックのため再度電路を回復させ、事故電流の確認を行な
う。この動作を数回繰り返すことによって、事故を確認
するという方法が取られている。この高速再閉路時間は
500kVなどの基幹系統では、秒オーダーで行わ れ
る。
【0012】このため、超電導線の常伝導転移を利用し
た限流素子では、この時間内で再度超電導状態へ復帰し
ている必要がある。
【0013】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、限流時に生じる限流エネルギーによって劣
化することなく、さらに再閉路時間以内に超電導状態に
復帰する超電導限流装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1又は請求項4記
載の発明は、限流素子として所定長さの超電導線を複数
回巻回してなる超電導巻線又は限流素子として所定長さ
の超電導薄膜テープからなる超電導薄膜体を用いた超電
導限流装置において、前記超電導線又は超電導薄膜テー
プの超電導材料の長さが、前記超電導限流装置を挿入す
る系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値を発生
するための長さと、限流時に前記限流素子で消費される
エネルギーによって前記超電導材料の温度上昇が限流素
子の劣化温度以下とするために必要となる線材量から決
定される長さのうち、長い方の長さ以上となるように構
成したことを特徴とする超電導限流装置である。
【0015】請求項2又は請求項5記載の発明は、限流
素子として所定長さの超電導線を複数回巻回してなる超
電導巻線又は限流素子として所定長さの超電導薄膜テー
プからなる超電導薄膜体を用いた超電導限流装置におい
て、前記超電導線又は超電導薄膜テープの超電導材料の
長さが、前記超電導限流装置を挿入する系統の事故電流
を限流するために必要な抵抗値を発生するための長さ
と、限流時に前記限流素子で消費されるエネルギーによ
って前記超電導材料の温度上昇が限流素子の劣化温度以
下とするために必要となる線材量から決定される長さ
と、限流時に前記限流素子で消費されるエネルギーが冷
媒の臨界熱流束で定常運転温度まで冷却される時間が系
統の再閉路時間以下となるために必要な線材の冷却表面
積から決定される長さのうち最も長い長さ以上となるよ
うに構成したことを特徴とする超電導限流装置である。
【0016】請求項3又は請求項6記載の発明は、限流
素子として所定長さの超電導線を複数回巻回してなる超
電導巻線又は限流素子として所定長さの超電導薄膜テー
プからなる超電導薄膜体を用いた超電導限流装置におい
て、前記超電導線又は超電導薄膜テープの超電導材料の
長さが、前記超電導限流装置を挿入する系統の事故電流
を限流するために必要な抵抗値を発生するための長さ
と、限流時に前記限流素子で消費されるエネルギーによ
って前記超電導材料の温度上昇が限流素子の劣化温度以
下とするために必要となる線材量から決定される長さ
と、限流時に前記限流素子で消費されるエネルギーが冷
凍機の冷凍能力によって定常運転温度まで冷却される時
間が系統の再閉路時間以下となるために必要な線材の冷
却表面積から決定される長さのうち最も長い長さ以上と
なるように構成したことを特徴とする超電導限流装置で
ある。
【0017】請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発
明によれば、限流素子の特性劣化を防止し、系統の要求
する時間以内に復帰することが可能な超電導限流装置と
することができる。
【0018】請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求
項6のいずれかに記載の限流素子の劣化温度が、前記限
流素子を構成する超電導線又は超電導薄膜テープの一部
または全部の劣化温度であることを特徴とする超電導限
流装置である。
【0019】請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求
項6のいずれかに記載の前記限流素子の劣化温度が、前
記限流素子を構成する超電導線又は超電導薄膜テープの
熱暴走温度であることを特徴とする超電導限流装置であ
る。
【0020】請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求
項6のいずれかに記載の前記限流素子の劣化温度が、前
記限流素子を冷却する冷媒の核沸騰領域の限界熱流束に
相当する温度上昇であることを特徴とする超電導限流装
置である。
【0021】請求項7〜請求項9のいずれかに記載の発
明によれば、限流素子の特性劣化を防止した超電導限流
装置を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0023】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す
図であり、本実施の形態の超電導限流装置は概略以下の
ように構成したものである。所定長さの超電導線1を複
数回巻回してなる超電導巻線(超電導コイル)からなる
限流素子2は、冷媒3例えば液体ヘリウムを貯蔵する冷
媒容器4に貯蔵された冷媒3中に浸漬されて超電導状態
を実現する温度以下に冷却されている。
【0024】冷媒容器4は常温からの熱浸入を低減する
目的で真空断熱層を介して熱シールド槽11に収納され
ている。
【0025】限流素子2へは電流リード5例えば銅リー
ドにより常温状態で電力が供給され、電流リード5の中
間に第1の冷凍機7例えばGM(ギフォード・マクマホ
ン)式冷凍機で冷却されたサーマルアンカ9によって、
冷却されており、さらにここから低温用電流リード10
例えば酸化物電流リードを通して、真空槽から冷媒中へ
導入する真空導入端子6を介して限流素子2へ電力が供
給される。第1の冷凍機7は同時に、熱シールド槽11
の冷却のため伝熱媒体8例えばヒートパイプを通して冷
却を行なっている。これによって、冷媒3の貯蔵されて
いる冷媒容器4への熱侵入を低減している。
【0026】第2の冷凍機12例えばGM(ギフォード
・マクマホン)/JT(ジュール・トムソン)式冷凍機
は、冷媒容器4内の冷媒3を冷却するためのもので、前
述の熱侵入と限流素子2の定常交流損失及び限流時ジュ
ール損失によって冷媒3が気化してガス冷媒となるが、
これを冷却して液体冷媒に戻すためのものである。
【0027】以上のように構成された超電導巻線からな
る限流素子2を用いた超電導限流装置において、超電導
線1の長さが、超電導限流装置を挿入する系統の事故電
流を限流するために必要な抵抗値を発生するための長さ
と、限流時に限流素子で消費されるエネルギーによって
超電導線1の温度上昇が限流素子の劣化温度以下とする
ために必要となる線材量から決定される長さのうち、長
い方の長さ以上となるように構成したものである。
【0028】図1において、限流素子2は冷媒3中に設
置されることによって超電導状態が保たれている。
【0029】系統構成によって決定される、超電導限流
装置のない場合の事故電流、すなわち規約短絡電流値
と、主として遮断器容量で決定される系統構成機器の容
量から期待される超電導限流装置によって抑制された事
故電流値、すなわち限流電流との比が限流率となる。
【0030】ここで、系統電圧V、限流電流Ilimとする
と、事故時に超電導限流装置が発生するべき抵抗値Rnは
(1)式のように示される。
【0031】Rn=V/Ilim (1) また、一般に導体の抵抗値Rnは、その等価抵抗率ρe、
断面積s、導体の長さlCBを用いて、 Rn=ρe×lCB/s (2) と表わされる。
【0032】さらに、超電導線に流れる臨界電流値Ic
は、マトリックス比1/λ、臨界電流密度Jcを用いて Ic=λJc×s (3) と表わすことができる。
【0033】従って、(1)、(2)および(3)式より導体の
長さlCBは lCB=V/(ρe×λJc)×Ic/Ilim (4) となる。
【0034】一方、限流時に発生した抵抗により限流エ
ネルギーを消費するため、限流後に限流素子の温度が上
昇する。この限流素子の温度上昇によるエンタルピー変
化をΔhとすると、限流エネルギーQlim、遮断時間τ、
導体の長さlTMPとして、 Qlim=V×τ/Rn (5) Qlim/(s×lTMP)<Δh (6) と表わされる。
【0035】ここで示した(5)式は厳密には、特定の系
統についての系統解析によって 求められるものであ
り、あくまでも0次近似値として用いた。この(5),(6)
式より導体の長さlTMPは lTMP2>V2×τ/(Δh×ρe) (7) となる。
【0036】超電導限流装置を地下送電ケーブルに適用
するような場合には、高速再閉路の要求はないため、以
上の(4)式および(7)式の2つの長さの長い方よりも超電
導線を長くすることによって、十分な限流効果と限流に
よる限流素子もしくは限流装置の特性劣化を防止し、系
統の要求する時間以内に復帰することが可能な超電導限
流装置とすることができる。
【0037】図1において用いられている限流素子2を
構成する超電導線1は、例えば線材のNbTi導体で長さが
450mのものを用いている。これにより、66kV、3k
Aの容量を持つ超電導限流装置としての機能を発揮し
た。
【0038】以上述べた実施形態は、限流素子2が超電
導線を複数回巻回したものであるが、これを図2に示す
ように、限流素子2として所定長さの超電導薄膜テープ
13からなる超電導薄膜体を用いた場合も同様な作用効
果が得られる。
【0039】図2は、図1の第1及び第2の冷凍機7,
12および熱シールド槽11を除去し、図1の運転温度
よりも高温での運転を想定し、例えば超電導線に酸化物
超電導体を用いた超電導限流装置であり、これ以外の構
成は図1と同一である。
【0040】次に、第2の実施の形態について説明す
る。本実施形態は、前述の第1の実施形態に、高速再閉
路の要求される系統に適用する場合に、冷却時間を考慮
に入れたものである。具体的には、超電導線1又は超電
導薄膜テープ13の長さが、超電導限流装置を挿入する
系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値を発生す
るための長さと、限流時に限流素子2で消費されるエネ
ルギーによって超電導線1又は超電導薄膜テープ13の
温度上昇が限流素子の劣化温度以下とするために必要と
なる線材量から決定される長さと、限流時に限流素子2
で消費されるエネルギーが冷媒の臨界熱流束で定常運転
温度まで冷却される時間が系統の再閉路時間以下となる
ために必要な線材の冷却表面積から決定される長さのう
ち最も長い長さ以上となるように構成したものである。
【0041】ここで、限流素子の劣化温度とは、ある特
定の温度以上となると再度冷却しても特性が戻らない温
度のことである。
【0042】この場合、限流による温度上昇後に冷媒の
臨界熱流束で冷却されると仮定すると、臨界熱流束Pmh
f、復帰時間τrec、導体表面積Ssを用いて、 Qlim>Pmhf×Ss×τrec (8) となる。
【0043】一方、導体表面積Ssは導体長さlrecに比例
するため、以下のように表わされる。
【0044】Ss=α×lrec (9) なお、αは比例定数である。
【0045】上記(8)および(9)式より再閉路条件を満た
すのに必要な導体の長さlrecは、 lrec2>V2×τCB×s/(ρe×Pmhf×α×τrec) (10) と表わされる。
【0046】従って、前述の(4)、(7)式および(9)式の3
つの長さの長い方よりも超電導線を長くすることによっ
て、十分な限流効果と限流による限流素子もしくは限流
装置の特性劣化を防止し、系統の要求する時間以内に復
帰することが可能な超電導限流装置とすることができ
る。
【0047】図4は、66kV、3kAの限流素子に用いる
導体長(線材の長さ)[m]を、線材を構成する超電導
体のマトリックス抵抗率の関数として表わした図であ
り、図中Cは温度上昇からの要求長を示し、またDは限
流電流からの要求長を示し、更にEは再閉路時間からの
要求長を示している。
【0048】図3は、前述した図2に示す超電導薄膜テ
ープ13を用いた限流素子2の部分詳細図である。超電
導薄膜テープ13は金属基板22の上に蒸着等の手法に
より固着されている。ここで、通常時には超電導薄膜テ
ープ13上に電流が流れ、限流時には金属基板22上を
電流が流れると共に、この金属基板22が抵抗体として
の機能を果たす。よって、限流素子2としては金属基板
22の抵抗率が10-7Ωmの場合には約3km、同様に抵抗率
が10-8Ωmの場合には約15kmの長さが必要である。
【0049】次に、第3の実施の形態について説明す
る。限流素子2は、冷凍機7,12もしくは極低温に保
持された部位より伝導によって冷却され、超電導状態を
保つ構成である。
【0050】具体的には、超電導線1又は超電導薄膜テ
ープ13の長さが、超電導限流装置を挿入する系統の事
故電流を限流するために必要な抵抗値を発生するための
長さと、限流時に限流素子で消費されるエネルギーによ
って超電導線1又は超電導薄膜テープ13の温度上昇が
限流素子の劣化温度以下とするために必要となる線材量
から決定される長さと、限流時に限流素子で消費される
エネルギーが冷凍機の冷凍能力によって定常運転温度ま
で冷却される時間が系統の再閉路時間以下となるために
必要な線材の冷却表面積から決定される長さのうち最も
長い長さ以上を用いる。これにより限流素子の特性劣化
を防止し、系統の要求する時間以内に復帰することが可
能な超電導限流装置とすることができる。
【0051】次に、第4の実施の形態について説明す
る。前述の第1から第3の実施の形態において、上昇温
度上限として、限流素子2を構成する材料の一部または
全部の劣化温度を用いたことである。
【0052】本発明の第4の実施の形態にかかる限流素
子は、超電導線、当該超電導線を固定する巻枠などの固
定部、電極部、場合によっては超電導線を固定するため
の含浸剤などから構成されている。これらの材料は温度
上昇と共に特性が変化するが、特にある特定の温度以上
となると再度冷却しても特性が戻らない温度(劣化温
度)が存在する。従って、少なくともこれらの温度以下
保持されるようにすることによって温度上昇による特性
劣化を防ぐことができる。
【0053】次に、第5の実施の形態について説明す
る。前述の第1から第3の実施の形態において、上昇温
度上限として、限流素子2を構成する超電導体の熱暴走
温度を用いたものである。
【0054】この場合、超電導線1又は超電導薄膜テー
プ13に特有の電流値以上の電流が流れると、超電導状
態が破壊される。この電流値が更に大きくなると超電導
状態が破壊され生じた常伝導状態の部分もしくは当初よ
り常伝導である部位へ電流が流れ、ジュール発熱によっ
て温度上昇が起こる。電流値が大きくなるとこの現象は
雪崩的に生じ、温度の急上昇が起こる。この温度まで上
昇すると、温度制御が困難となり、結果的に材料の劣化
する温度まで上昇する可能性がある。従って、劣化を未
然に防ぐため、熱暴走温度以下に設定することによっ
て、限流素子の特性劣化を防止することができる。
【0055】次に、第6の実施の形態について説明す
る。前述の第1から第3の実施の形態において、用いた
上昇温度の上限として、限流素子2を冷却する冷媒の核
沸騰領域の限界熱流束に相当する温度上昇を使用したも
のである。
【0056】本発明者らは種々の検討解析を行なった結
果、前記熱暴走現象は、その前駆的現象として、超電導
体付近の冷媒の温度上昇が、その冷媒の核沸騰領域の限
界熱流束に相当する温度上昇に達することであるという
事実を解明した。そこで、この温度上昇以下に設定する
ことによって、限流素子の特性劣化を防止することがで
きることを見出した。
【0057】ここで、核沸騰領域とは、伝熱面表面での
発生気泡により伝熱が支配される領域のことである。
又、発生気泡とは伝熱面過熱度を準定常的に増大してい
くと、ある過熱度において伝熱面表面から気泡が生成さ
れることである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、限流時に生じる限流エ
ネルギーによって劣化することなく、さらに再閉路時間
以内に超電導状態に復帰する超電導限流装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超電導装置の第1の形態を示す構
成図である。
【図2】本発明に係る超電導装置の第2の形態を示す構
成図である。
【図3】上記図2における超電導線材長のマトリックス
抵抗率依存性を示す図である。
【図4】上記図2における線材の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…超電導線 2…限流素子 3…冷媒 4…冷媒容器 5…電流リード 6…真空導入端子 7…第1の冷凍機 8…伝熱媒体 9…サーマルアンカ 10…低温用電流リード 11…熱シールド槽 12…第2の冷凍機 13…超電導薄膜テープ 22…金属基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大熊 武 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 佐藤 礼文 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 野村 俊自 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 米田 えり子 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 嶋田 守 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 浦田 昌身 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5G013 AA01 AA04 BA01 CA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限流素子として所定長さの超電導線を複
    数回巻回してなる超電導巻線を用いた超電導限流装置に
    おいて、 前記超電導線の長さが、前記超電導限流装置を挿入する
    系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値を発生す
    るための長さと、限流時に前記限流素子で消費されるエ
    ネルギーによって前記超電導線の温度上昇が限流素子の
    劣化温度以下とするために必要となる線材量から決定さ
    れる長さのうち、長い方の長さ以上となるように構成し
    たことを特徴とする超電導限流装置。
  2. 【請求項2】 限流素子として所定長さの超電導線を複
    数回巻回してなる超電導巻線を用いた超電導限流装置に
    おいて、 前記超電導線の長さが、前記超電導限流装置を挿入する
    系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値を発生す
    るための長さと、限流時に前記限流素子で消費されるエ
    ネルギーによって前記超電導線の温度上昇が限流素子の
    劣化温度以下とするために必要となる線材量から決定さ
    れる長さと、限流時に前記限流素子で消費されるエネル
    ギーが冷媒の臨界熱流束で定常運転温度まで冷却される
    時間が系統の再閉路時間以下となるために必要な線材の
    冷却表面積から決定される長さのうち最も長い長さ以上
    となるように構成したことを特徴とする超電導限流装
    置。
  3. 【請求項3】 限流素子として所定長さの超電導線を複
    数回巻回してなる超電導巻線を用いた超電導限流装置に
    おいて、 前記超電導線の長さが、前記超電導限流装置を挿入する
    系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値を発生す
    るための長さと、限流時に前記限流素子で消費されるエ
    ネルギーによって前記超電導線の温度上昇が限流素子の
    劣化温度以下とするために必要となる線材量から決定さ
    れる長さと、限流時に前記限流素子で消費されるエネル
    ギーが冷凍機の冷凍能力によって定常運転温度まで冷却
    される時間が系統の再閉路時間以下となるために必要な
    線材の冷却表面積から決定される長さのうち最も長い長
    さ以上となるように構成したことを特徴とする超電導限
    流装置。
  4. 【請求項4】 限流素子として所定長さの超電導薄膜テ
    ープからなる超電導薄膜体を用いた超電導限流装置にお
    いて、 前記超電導薄膜テープの長さが、前記超電導限流装置を
    挿入する系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値
    を発生するための長さと、限流時に前記限流素子で消費
    されるエネルギーによって前記超電導薄膜テープの温度
    上昇が前記限流素子の劣化温度以下とするために必要と
    なる前記超電導薄膜体量から決定される長さのうち、長
    い方の長さ以上となるように構成したことを特徴とする
    超電導限流装置。
  5. 【請求項5】 限流素子として所定長さの超電導薄膜テ
    ープからなる超電導薄膜体を用いた超電導限流装置にお
    いて、 前記超電導薄膜テープの長さが、前記超電導限流装置を
    挿入する系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値
    を発生するための長さと、限流時に前記限流素子で消費
    されるエネルギーによって前記超電導薄膜テープの温度
    上昇が前記限流素子の劣化温度以下とするために必要と
    なる超電導薄膜体量から決定される長さと、限流時に前
    記限流素子で消費されるエネルギーが冷媒の臨界熱流束
    で定常運転温度まで冷却される時間が系統の再閉路時間
    以下となるために必要な前記超電導薄膜体の冷却表面積
    から決定される長さのうち最も長い長さ以上となるよう
    に構成したことを特徴とする超電導限流装置。
  6. 【請求項6】 限流素子として所定長さの超電導薄膜テ
    ープからなる超電導薄膜体を用いた超電導限流装置にお
    いて、 前記超電導薄膜テープの長さが、前記超電導限流装置を
    挿入する系統の事故電流を限流するために必要な抵抗値
    を発生するための長さと、限流時に前記限流素子で消費
    されるエネルギーによって前記超電導薄膜テープの温度
    上昇が前記限流素子の劣化温度以下とするために必要と
    なる前記超電導薄膜体量から決定される長さと、限流時
    に前記限流素子で消費されるエネルギーが冷凍機の冷凍
    能力によって定常運転温度まで冷却される時間が系統の
    再閉路時間以下となるために必要な前記超電導薄膜体の
    冷却表面積から決定される長さのうち最も長い長さ以上
    となるように構成したことを特徴とする超電導限流装
    置。
  7. 【請求項7】 前記限流素子の劣化温度が、前記限流素
    子を構成する超電導線又は超電導薄膜テープの一部また
    は全部の劣化温度であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれかに記載の超電導限流装置。
  8. 【請求項8】 前記限流素子の劣化温度が、前記限流素
    子を構成する超電導線又は超電導薄膜テープの熱暴走温
    度であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいず
    れかに記載の超電導限流装置。
  9. 【請求項9】 前記限流素子の劣化温度が、前記限流素
    子を冷却する冷媒の核沸騰領域の限界熱流束に相当する
    温度上昇であることを特徴とする請求項1乃至請求項6
    のいずれかに記載の超電導限流装置。
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