JP2007273584A - 積層型圧電素子、および積層型圧電素子の作製方法、並びに超音波プローブ - Google Patents

積層型圧電素子、および積層型圧電素子の作製方法、並びに超音波プローブ Download PDF

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Abstract

【課題】積層型圧電素子の機械的、電気的な性能および信頼性を高め、超音波プローブの細径化を実現する。
【解決手段】超音波プローブ2の超音波トランスデューサ12は、圧電体30a〜30eと、表面、裏面電極31、32、および内部電極33a〜33dとが交互に積層された積層構造体34と、積層構造体34の対向する両側面35a、35bに形成された側面電極36a、36bとを有する積層型圧電素子からなる。両側面35a、35bに露出した内部電極33a〜33dの端面には、溝37a〜37d、38a〜38dが全体的に形成され、導電材39および絶縁材40が充填されている。導電材39および絶縁材40は、機械的な対称性を持つように配されている。導電材39と絶縁材40とは、ヤング率、剛性率、およびポワソン比が略同一で、且つ音響インピーダンスが略同一となっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電体と電極とが交互に複数積層されてなる積層型圧電素子、およびその作製方法、並びに超音波プローブに関する。
近年、医療分野において、超音波画像を利用した医療診断が実用化されている。超音波画像は、超音波プローブから体腔内の被観察部位に超音波を照射し、そのエコー信号を電気的に検出することによって得られる。
また、超音波を走査しながら照射することにより、超音波断層画像を得ることも可能で、バッキング材、圧電体、電極、および音響整合層からなる超音波トランスデューサを機械的に回転あるいは揺動、もしくはスライドさせるメカニカルスキャン機構を備えた超音波プローブや、複数の超音波トランスデューサをアレイ状に配列し、駆動する超音波トランスデューサを電子スイッチなどで選択的に切り替える電子スキャン走査方式の超音波プローブも知られている。
最近では、血管などの微小部分を観察するために、より細径な超音波プローブの開発が待たれており、これに伴ってより小型な超音波トランスデューサへのニーズが高まっている。しかしながら、超音波トランスデューサを小型化すると、その電気インピーダンスが増加し、超音波トランスデューサを駆動する回路との電気インピーダンスの格差が拡がるため、超音波トランスデューサのエコー信号の受信感度が低下し、鮮明な超音波画像が得られなくなるという問題があった。この問題に対処するために、圧電体を積層構造とした積層型圧電素子を用いる方法が提案されている。
積層型圧電素子には、圧電体を挟む内部電極をその一端が短くなるように形成して、その部分に絶縁材を埋設し、等電位となる電極同士を接続する側面電極を形成したもの(特許文献1、および2参照)と、圧電体の表裏全面を覆うように内部電極を形成し、内部電極の露出した端面に絶縁材を取り付け、この絶縁材を覆うように側面電極を形成したものとがある。前者の場合、絶縁材を両端に交互に埋設しているために素子の内部構造が不均一となり、また、圧電体の繰り返し伸縮に伴って絶縁材と他の部材との界面にクラックが発生するおそれがあるので、後者のほうが前者よりも圧電性能や耐久性に優れていることが一般的に知られている。
ところが、複数の超音波トランスデューサを2次元アレイ状に配列し、使用周波数帯域を例えば3.5〜6.0MHzとした場合、25〜50μm程度の配列ピッチが要求されるため、内部電極の端面に絶縁材を取り付けた積層型圧電素子を超音波トランスデューサとして用いた場合、隣接する超音波トランスデューサ間での側面電極の接触や通電などの懸念があった。また、この懸念を払拭するために絶縁材を薄くすると耐電圧が低下し、側面電極を薄くすると抵抗値が増加したり内部電極との接触不良が起こったりするという問題があった。
上記のような問題を回避するために、内部電極の外周端部に沿って溝を形成し、この溝に絶縁部または導電部の少なくともいずれか一方を形成した積層型圧電素子が提案されている(特許文献3、および4参照)。
特開2005−210245号公報 特開2004−80193号公報 特開2005−79313号公報 特開2005−86110号公報
しかしながら、特許文献3、および4に記載の積層型圧電素子では、導電部および絶縁部を含めた素子の機械的特性が不均一であるため、圧電体の積層方向の振動の効率が悪く、圧電体の性能を充分に引き出すまでには至らなかった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、機械的、電気的な性能および信頼性を高めることができる積層型圧電素子、およびその作製方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、機械的、電気的な性能および信頼性を低下させることなく、細径化を実現することができる超音波プローブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、圧電体と電極とが交互に複数積層された積層構造体を有する積層型圧電素子において、前記積層構造体の対向する両側面に露出した、前記電極の端面に形成された溝と、前記溝に充填された導電材および絶縁材と、前記両側面のうち少なくとも一方の面に形成され、前記導電材を介して前記電極が一層おきに電気的に接続される側面電極とを備え、前記溝、前記導電材、および前記絶縁材は、これらが形成された前記積層構造体が幾何学的な対称性を持つように設けられ、前記導電材および前記絶縁材は、少なくとも一つの機械的特性が略同一であることを特徴とする。
前記溝、前記導電材、および前記絶縁材は、前記積層構造体の積層方向に平行なZ軸、前記積層方向に垂直且つ前記両側面に平行なX軸、および前記積層方向に垂直且つ前記両側面に垂直なY軸に平行な、前記積層構造体の中心点を通る3本の直線、並びに、XYZ3軸によるXY平面、XZ平面、およびYZ平面に平行な、前記中心点を通る3つの平面のいずれかに関して、軸対称、または面対称となるように設けられていることが好ましい。
前記機械的特性は、ヤング率、剛性率、およびポワソン比を含み、これらのうちの少なくともいずれか一つが略同一であることが好ましい。
前記導電材および前記絶縁材は、少なくとも一つの音響的特性が略同一であることが好ましい。この場合、前記音響的特性は、音響インピーダンスを含み、少なくとも音響インピーダンスが略同一であることが好ましい。
前記絶縁材は、絶縁性樹脂に絶縁性粉末を混合したものであることが好ましい。
請求項7に記載の発明は、圧電体と電極とが交互に複数積層された積層構造体を有する積層型圧電素子の作製方法において、前記積層構造体の対向する両側面に露出した、前記電極の端面に溝を形成する工程と、少なくとも一つの機械的特性が略同一な導電材および絶縁材を前記溝に充填する工程と、前記両側面のうち少なくとも一方の面に、前記導電材を介して前記電極を一層おきに電気的に接続する側面電極を形成する工程とを備え、前記溝、前記導電材、および前記絶縁材を、これらが形成された前記積層構造体が幾何学的な対称性を持つように設けたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、超音波プローブであって、請求項1ないし6のいずれかに記載の積層型圧電素子を超音波トランスデューサとして用いたことを特徴とする。
前記超音波トランスデューサは、アレイ状に配列されてなることが好ましい。
本発明の積層型圧電素子、およびその作製方法によれば、圧電体と電極とが交互に複数積層された積層構造体の対向する両側面に露出した、電極の端面に形成された溝と、溝に充填された導電材および絶縁材と、両側面のうち少なくとも一方の面に形成され、導電材を介して電極が一層おきに電気的に接続される側面電極とを備え、溝、導電材、および絶縁材は、これらが形成された積層構造体が幾何学的な対称性を持つように設けられ、導電材および絶縁材は、少なくとも一つの機械的特性が略同一であるので、機械的、電気的な性能および信頼性を高めることができる。
また、本発明の超音波プローブによれば、請求項1ないし6のいずれかに記載の積層型圧電素子を超音波トランスデューサとして用いたので、機械的、電気的な性能および信頼性を低下させることなく、細径化を実現することができる。
図1および図2において、本発明の超音波プローブ2の先端2aには、超音波トランスデューサアレイ10が配設されている。超音波トランスデューサアレイ10は、凸状に形成された台座11上に設けられ、複数の超音波トランスデューサ12(例えば、幅300μm、高さ600μm)が2次元アレイ状に所定のピッチ(例えば、25〜50μm)で配列されてなる。
超音波トランスデューサ12同士の隙間には、エポキシ樹脂からなる充填材13が充填されている。超音波トランスデューサ12上には、超音波トランスデューサ12と生体との間の音響インピーダンスを緩和するための音響整合層14が設けられている。また、超音波トランスデューサアレイ10上には、シリコン樹脂などからなり、超音波トランスデューサアレイ10から発せられる超音波を体腔内の被観察部位に向けて収束させる音響レンズ15が取り付けられている。
台座11は、先端2aの基材16上に載置されている。台座11は、硬質ゴムなどの剛性を有する材料からなり、超音波減衰材(フェライト、セラミックスなど)が必要に応じて添加されている。
先端2aに接続されたシース17の上部には、体腔内の被観察部位の像光を取り込むための対物光学系18と、像光を撮像して撮像信号を出力するCCD19とが搭載され、中央部には、穿刺針20が挿通される穿刺針用チャンネル21が設けられている。シース17の上部および下部には、超音波観測器(図示せず)と、CCD19および超音波トランスデューサアレイ10とを電気的に接続するCCD用配線ケーブル22およびアレイ用配線ケーブル23が、穿刺針用チャンネル21を挟むように挿通されている。
図3において、超音波トランスデューサ12には、圧電体30a〜30e(30b〜30dは図示省略)と、表面、裏面電極31、32、および内部電極33a〜33d(33b、33cは図示省略)とが交互に積層された積層構造体34と、積層構造体34の対向する両側面35a、35bに形成された側面電極36a、36bとを有する積層型圧電素子が用いられている。
圧電体30a〜30eは、例えば、リラクサー系PMN(Pb(Mg1/3Nb2/3)O3)/PT(PbTiO3)や、PZN(Pb(Zn1/3Nb2/3)O3)/PTからなる。圧電体30a〜30eは、表面、裏面電極31、32、および内部電極33a〜33dで表裏全面を覆うように挟まれている。圧電体30a、30c、30eは、表面電極31側が+、裏面電極32側が−、圧電体30b、30dは、表面電極31側が−、裏面電極32側が+となるように、互い違いに逆向きに分極処理されている。
表面、裏面電極31、32、および内部電極33a〜33dは、例えば、パラジウム銀(AgPd)薄膜からなる。側面電極36a、36bは、例えば、Pt/Ti、Au/Ni/Cr薄膜や、銀ペースト塗布膜からなる。
両側面35a、35bに露出した内部電極33a〜33dの端面には、溝37a〜37d、38a〜38d(37b、37c、38b、38cは図示省略)が全体的に形成されている。溝37a〜37d、38a〜38dは、内部電極33a〜33dの端面よりも若干幅広に形成されており、それらの底部には、内部電極33a〜33dの両端が露呈されている。溝37a〜37d、38a〜38dは、積層構造体34の幾何学的な対称性を保つように、深さ幅などが同寸法に形成されている。なお、溝37a〜37d、38a〜38dの形状は、図示するV字型に限らず、U字型やコの字型でも構わない。
溝37a、37c、38b、38dには、導電材39(黒点で示す)が、溝37b、37d、38a、38cには、絶縁材40がそれぞれ充填されている。導電材39および絶縁材40は、溝37a〜37d、38a〜38dの底部で内部電極33a〜33dの両端に接触している。
ここで、積層構造体34の積層方向に平行な軸をZ軸、積層方向に垂直且つ両側面35a、35bに平行な軸をX軸、積層方向に垂直且つ両側面35a、35bに垂直な軸をY軸とすると、導電材39および絶縁材40の空間的な配置は、積層構造体34の中心点Oを通るX軸に平行な直線Lに関して軸対称となっており、且つ中心点Oを通るYZ平面に平行な平面PYZに関して面対称となっている。
導電材39には、導電性樹脂、例えば、商品名XA−910(藤倉化成株式会社製)、商品名H20S(Epoxy Technology社製)、商品名ドーデンド050(日本ハンダ株式会社製)など、あるいは、銀ペースト、例えば、商品名TC−3700(日立化成工業株式会社製)が用いられている。
絶縁材40には、絶縁性樹脂、例えば、商品名Epo−Tek301−2FL、310、330(Epoxy Technology社製)などに、絶縁性粉末、例えば、中心粒径5μm以下のジルコニア粉末を60〜80wt%混合したものが用いられている。これにより、導電材39と絶縁材40とは、ヤング率、剛性率、およびポワソン比が略同一で、且つ音響インピーダンスが略同一となっている。また、上記のような混合比とすることにより、絶縁性粉末の沈降が起こりにくく、絶縁性粉末が全体的に分散した絶縁材40を得ることができる。なお、絶縁性粉末としては、上記で挙げたジルコニア粉末の他に、アルミナやタングステンカーバイド(WC2)を用いてもよい。また、粉末の中心粒径は、超音波プローブ2の使用周波数帯域に応じて変更する必要があり、例えば、3〜10MHz程度の使用周波数帯域では、上記で挙げた5μm以下の粉末を用いることが好ましい。
ここで、導電材39のヤング率は、日立化成株式会社製TC−3700を例に挙げると、3.6GPaである。また、絶縁材40は、ガラス転移温度以下における一般的なエポキシ樹脂の値を例に挙げると、ヤング率3.0GPa、ポアソン比0.30〜0.35である。一方、圧電体30a〜30eは、商品名C−91H(株式会社富士セラミックス製)を例に挙げると、ヤング率55.0GPa、ポアソン比0.32である。なお、導電材39および絶縁材40の硬度は、硬化条件(温度、時間など)を変化させることで調整することも可能である。
側面電極36aは、側面35a側に露出した裏面電極32の端面から、溝37aに充填された導電材39までを覆っている。側面電極36bは、側面35b側に露出した表面電極31の端面から、溝38dに充填された導電材39までを覆っている。
側面電極36aは、裏面電極32、および溝37a、37cに充填された導電材39を介して内部電極33a、33cを電気的に接続し、溝37b、37dに充填された絶縁材40により内部電極33b、33dから絶縁されている。また、側面電極36bは、表面電極31、および溝38b、38dに充填された導電材39を介して内部電極33b、33dを電気的に接続し、溝38a、38cに充填された絶縁材40により内部電極33a、33cから絶縁されている。これにより、表面電極31と内部電極33b、33d、および裏面電極32と内部電極33a、33cは、それぞれ等電位となり、圧電体30a〜30dの分極状態に見合った電圧が印加される。なお、表面電極31は、他の超音波トランスデューサ12の表面電極31に繋がれる共通電極であり、裏面電極32は、超音波トランスデューサ12を個別に駆動させるための個別電極である。
以下、図4〜図6の(A)〜(E)を参照して、超音波トランスデューサ12の作製手順を説明する。まず、図4(A)に示すように、圧電体30a〜30d、および表面、裏面電極31、32、内部電極33a〜33dを積層し、積層構造体34を作製する。この積層に際しては、グリーンシート法で作製された圧電体シートにパラジウム銀導電ペーストを積層して焼結させる方法が採用されている。
次に、(B)に示すように、側面35aに露出した内部電極33a、33cの端面、および側面35bに露出した内部電極33b、33dの端面に、溝37a、37c、および溝38b、38dを形成する。これらの溝37a、37c、38b、38dは、フッ化水素やリン酸などによるウエットエッチング、六フッ化硫黄(SF6)などによる反応性ドライエッチング、マイクロドリル、ダイシングソーなどの各種方法が適宜選択されて形成される。
続いて、図5(C)に示すように、(B)で形成した溝37a、37c、38b、38dに、ディスペンサーなどを用いて導電材39を充填する。そして、溝37a、37c、38b、38dからはみ出た余分な導電材39を研磨して取り除いた後、(D)に示すように、(B)の場合と同様の方法で、側面35aに露出した内部電極33b、33dの端面、および側面35bに露出した内部電極33a、33cの端面に、溝37b、37d、および溝38a、38cを形成する。
次いで、図6(E)に示すように、(D)で形成した溝37b、37d、38a、38cに、導電材39の場合と同様にディスペンサーなどを用いて絶縁材40を充填し、はみ出た余分な絶縁材40を研磨して取り除く。その後、側面35a、35bに、スパッタリングや蒸着(Pt/Ti、Au/Ni/Cr薄膜を用いる場合)、あるいは塗布・焼結(銀ペーストを用いる場合)により、側面電極36a、36bを成膜し、図3に示す超音波トランスデューサ12を得る。このようにして作製した超音波トランスデューサ12を、チップアライナーなどで所定のピッチで台座11上に載置し、超音波トランスデューサアレイ10を完成させる。
体腔内の超音波画像を取得する際には、超音波プローブ2のシース17を体腔内に挿入し、内視鏡用モニタによりCCD19で取得された光学画像を観測しながら、体腔内の被観察部位を探索する。そして、体腔内の被観察部位に先端2aが到達し、超音波画像を取得する指示がなされると、超音波トランスデューサ12には、表面電極31と内部電極33b、33dと側面電極36b側が+、裏面電極32と内部電極33a、33cと側面電極36a側が−となるように規定の電圧が印加される。これにより、圧電体30a〜30dが励振され、音響整合層14および音響レンズ15を介して、被観察部位に超音波が発せられる。
超音波の照射後、被被観察部位からのエコー信号が超音波トランスデューサ12で受信される。この超音波の照射、およびエコー信号の受信は、駆動する超音波トランスデューサ12を電子スイッチによりずらしながら繰り返し行われる。これにより、被被観察部位に超音波が走査され、得られたエコー信号から超音波画像が生成される。生成された超音波画像は、超音波用モニタに表示される。また、光学画像または超音波画像が観測されながら、必要に応じて穿刺針20が操作され、被被観察部位の組織が採取される。
以上、詳細に説明したように、超音波プローブ2は、両側面35a、35bに露出した内部電極33a〜33dの端面に形成された溝37a〜37d、38a〜38dに、機械的、音響的特性が略同一な導電材39および絶縁材40を充填してなる積層型圧電素子を超音波トランスデューサ12として用いたので、幾何学的、機械的な対称性を均一にすることができ、圧電性能を向上させることが可能となる。
直接内部電極の端面に側面電極を接触させる従来の場合と比べて、内部電極33a〜33dと側面電極36a、36bとの接触面積を大きくとることができる。このため、内部電極33a〜33dの厚みを薄くすることができ、これにより圧電体30a〜30dのZ軸方向の振動が内部電極33a〜33dによって抑制されることが少なくなる。また、内部電極33a〜33dと側面電極36a、36bとの接触抵抗が低減され、低電圧駆動を実現することができる。
さらに、導電材39および絶縁材40により側面35a、35bでの濡れ性が改善されるので、側面電極36a、36bに銀ペーストなどの比較的柔らかい材料を使用することができ、圧電体30a〜30dのZ軸方向の振動の抑制をさらに低減させることが可能となる。したがって、電機−機械結合係数k33(Z軸方向の振動変換効率を表す係数)の低下が抑えられる。
なお、超音波トランスデューサとしては、上記実施形態で例示したものに限らず、例えば、図7〜図9に示す超音波トランスデューサ50、60、70を用いてもよい。これらの超音波トランスデューサ50、60、70は、積層構造体34、溝37a〜37d、38a〜38dの構造、等電位となる電極の組み合わせは超音波トランスデューサ12と同様であるが、導電材39および絶縁材40の空間的な配置と側面電極の形状が超音波トランスデューサ12と異なる。
図7に示す超音波トランスデューサ50は、溝37a〜37d、38a〜38dに、導電材39および絶縁材40が丁度半分ずつ、Z軸方向に並べて充填されている。導電材39および絶縁材40の空間的な配置は、直線Lに関して軸対称となっており、且つ中心点Oを通るXY平面に平行な平面PXY、およびXZ平面に平行な平面PXZに関して面対称となっている。
側面電極51aは、側面35a側に露出した裏面電極32の端面、溝37dの絶縁材40、溝37cの導電材39、溝37bの絶縁材40、および溝37aの導電材39の中央部分にそれぞれ接触するように、棒状に屈曲して形成されている。また、側面電極51bは、図示はしていないが、側面35b側に露出した表面電極31の端面、溝38aの絶縁材40、溝38bの導電材39、溝38cの絶縁材40、および溝38dの導電材39の中央部分にそれぞれ接触するように、棒状に屈曲して形成されている。
図8に示す超音波トランスデューサ60は、溝37a〜37d、38a〜38dに、導電材39および絶縁材40が丁度半分ずつ、Z軸方向に交互に充填されている。導電材39および絶縁材40の空間的な配置は、直線L、およびY軸に平行な直線Lに関して軸対称となっており、且つ平面PXZに関して面対称となっている。
側面電極61aは、側面35a側に露出した裏面電極32の端面、溝37dの絶縁材40、溝37cの導電材39、溝37bの絶縁材40、および溝37aの導電材39の中央部分にそれぞれ接触するように、棒状に形成されている。また、側面電極61bは、図示はしていないが、側面35b側に露出した表面電極31の端面、溝38aの絶縁材40、溝38bの導電材39、溝38cの絶縁材40、および溝38dの導電材39の中央部分にそれぞれ接触するように、棒状に形成されている。
図9に示す超音波トランスデューサ70は、導電材39および絶縁材40の空間的な配置が超音波トランスデューサ60の場合と同様となっており、直線L、およびLに関して軸対称、且つ平面PXZに関して面対称となっている。
側面電極71aは、側面35a側に露出した裏面電極32の端面、溝37dの絶縁材40、溝37cの導電材39、溝37bの絶縁材40、および溝37aの導電材39の中央部分にそれぞれ接触するように、棒状に形成されている。また、側面電極71bは、側面35a側に露出した表面電極31の端面、溝37aの絶縁材40、溝37bの導電材39、溝37cの絶縁材40、および溝37dの導電材39の中央部分にそれぞれ接触するように、棒状に形成されている。なお、側面35bには、幾何学的な対称性を維持するために、側面電極71a、71bと同様のダミー電極72a、72b(72aは不図示)が設けられている。
超音波トランスデューサ50、60、70の作製にあたっては、まず、溝37a〜37d、38a〜38dを同時に形成し、これらに導電材39および絶縁材40を交互に充填していく。その他は、超音波トランスデューサ12の作製と同様の手順で行う。
このように、本発明では、幾何学的な対称性が崩れず、等電位となる電極同士が側面電極で接続される限りは、導電材39および絶縁材40の空間的な配置を如何様に変更してもよい。また、溝についても、幾何学的な対称性を保つものであれば、内部電極の端面全体に限らず、一部であっても構わない。
上記実施形態では、複数の超音波トランスデューサ12をアレイ状に配列し、駆動する超音波トランスデューサ12を電子スイッチなどで選択的に切り替える電子スキャン走査方式の超音波プローブ2を例示して説明したが、単体の超音波トランスデューサを回転、揺動、あるいはスライドさせて超音波を走査するメカニカルスキャン機構を備えた超音波プローブについても適用することができる。
さらに、本発明は、上記実施形態で例示した超音波トランスデューサ12に限らず、例えば、カメラのレンズ駆動機構に内蔵されるアクチュエータや、自動車のエンジンの燃料噴射調整バルブ用アクチュエータに適用することも可能である。
超音波プローブの先端の構造を示す拡大断面図である。 超音波プローブの先端の構造を示す平面図である。 超音波トランスデューサの構成を示す斜視図である。 超音波トランスデューサの作製手順を示す図であり、(A)は、積層構造体を作製した状態、(B)は、導電材を充填するための溝を形成した状態をそれぞれ示す。 超音波トランスデューサの作製手順を示す図であり、(C)は、溝に導電材を充填した状態、(D)は、絶縁材を充填するための溝を形成した状態をそれぞれ示す。 超音波トランスデューサの作製手順を示す図であり、(E)は、溝に絶縁材を充填した状態を示す。 超音波トランスデューサの別の実施形態を示す斜視図である。 超音波トランスデューサの別の実施形態を示す斜視図である。 超音波トランスデューサの別の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
2 超音波プローブ
10 超音波トランスデューサアレイ
12、50、60、70 超音波トランスデューサ
30a〜30d 圧電体
31、32 表面、裏面電極
33a〜33d 内部電極
34 積層構造体
35a、35b 側面
36a、36b、51a、51b、61a、61b、71a、71b 側面電極
37a〜37d、38a〜38d 溝
39 導電材
40 絶縁材

Claims (9)

  1. 圧電体と電極とが交互に複数積層された積層構造体を有する積層型圧電素子において、
    前記積層構造体の対向する両側面に露出した、前記電極の端面に形成された溝と、
    前記溝に充填された導電材および絶縁材と、
    前記両側面のうち少なくとも一方の面に形成され、前記導電材を介して前記電極が一層おきに電気的に接続される側面電極とを備え、
    前記溝、前記導電材、および前記絶縁材は、これらが形成された前記積層構造体が幾何学的な対称性を持つように設けられ、
    前記導電材および前記絶縁材は、少なくとも一つの機械的特性が略同一であることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記溝、前記導電材、および前記絶縁材は、前記積層構造体の積層方向に平行なZ軸、前記積層方向に垂直且つ前記両側面に平行なX軸、および前記積層方向に垂直且つ前記両側面に垂直なY軸に平行な、前記積層構造体の中心点を通る3本の直線、
    並びに、XYZ3軸によるXY平面、XZ平面、およびYZ平面に平行な、前記中心点を通る3つの平面のいずれかに関して、軸対称、または面対称となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記機械的特性は、ヤング率、剛性率、およびポワソン比を含み、これらのうちの少なくともいずれか一つが略同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記導電材および前記絶縁材は、少なくとも一つの音響的特性が略同一であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 前記音響的特性は、音響インピーダンスを含み、少なくとも音響インピーダンスが略同一であることを特徴とする請求項4に記載の積層型圧電素子。
  6. 前記絶縁材は、絶縁性樹脂に絶縁性粉末を混合したものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 圧電体と電極とが交互に複数積層された積層構造体を有する積層型圧電素子の作製方法において、
    前記積層構造体の対向する両側面に露出した、前記電極の端面に溝を形成する工程と、
    少なくとも一つの機械的特性が略同一な導電材および絶縁材を前記溝に充填する工程と、
    前記両側面のうち少なくとも一方の面に、前記導電材を介して前記電極を一層おきに電気的に接続する側面電極を形成する工程とを備え、
    前記溝、前記導電材、および前記絶縁材を、これらが形成された前記積層構造体が幾何学的な対称性を持つように設けたことを特徴とする積層型圧電素子の作製方法。
  8. 請求項1ないし6のいずれかに記載の積層型圧電素子を超音波トランスデューサとして用いたことを特徴とする超音波プローブ。
  9. 前記超音波トランスデューサは、アレイ状に配列されてなることを特徴とする請求項8に記載の超音波プローブ。
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