JP2007273298A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】排水性を向上させることが可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質膜1、及び、当該電解質膜1の両側に配設される触媒層2a、3aを備えるMEA5と、MEA5の外側に配設される拡散層2b、3bと、拡散層2b、3bの外側に配設されるセパレータ6a、6bと、を備え、セパレータ6a、6bの、拡散層2b、3b側の面に、反応ガス流路7a、7a、…、7b、7b、…が形成され、反応ガス流路7a、7a、…、7b、7b、…と対向すべき拡散層2b、3bの部分に、反応ガスの流れを阻害可能な阻害層10、10、…が、反応ガス流路7a、7a、…、7b、7b、…と交差方向に備えられている、燃料電池100とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、特に、排水性を向上させることが可能な燃料電池に関する。
燃料電池は、電解質層(以下、「電解質膜」という。)と、当該電解質膜の両側に配置される電極(アノード及びカソード)とを備える膜電極接合体(以下において、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と記述する。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、MEAの両側に配設されるセパレータを介して外部に取り出している。燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」という。)は、低温領域での運転が可能である。また、PEFCは、高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCの単セルは、電解質膜、少なくとも触媒層を備えるカソード及びアノード、並びに、セパレータを含み、その理論起電力は1.23Vである。しかし、かかる低起電力では、電気自動車等の動力源として不十分であるため、通常は、単セルを直列に積層して積層体を形成し、この積層体における積層方向の両端にエンドプレート等を配置して形成されるスタック形態の燃料電池が使用されている。
一方、PEFCの電解質膜は、陽イオン交換樹脂膜を、カチオン伝導性膜として使用するものである。この伝導性膜は、分子中にプロトン(水素イオン(H))交換基を有しており、これを飽和状態に含水させることにより、常温で20Ω・cm以下の比抵抗を示し、プロトン伝導性電解質膜として機能している。そして、電解質膜の飽和含水量は、温度によって可逆的に変化する。すなわち、PEFCの運転中においては、電解質膜からの蒸散を防止するために燃料ガス中および酸化ガス中に水蒸気の形で添加された加湿水と、カソード側における電気化学反応によって生成される水とによって常に飽和状態が維持される。
ところが、カソード側において生成される水が増加するか、あるいは燃料ガス及び酸化ガスが消費されて残留ガス中の水蒸気が過飽和となり、水が凝結して水の供給が過剰になると、上記電解質膜や電極が水浸しとなって、いわゆる「フラッディング」状態となる。このフラッディングが発生すると、セル内のガス接触面積が減少し、更にはカソードへの酸素ガスの供給が阻害されて、PEFCの発生電圧が低下する。かかる電圧低下は、PEFCの効率低下に繋がるため、PEFCの高いエネルギー変換効率を維持するためには、排水性を向上させ、フラッディングの発生を抑制することが重要である。
燃料電池の排水性向上を目的とした技術は、これまでにいくつか開示されてきている。例えば、特許文献1には、少なくとも一方の電極側におけるガス拡散層部の、プレート(上記セパレータに相当)に形成されたガス流路間の凸部と対向する位置に、ガス不透過機構が設けられている、燃料電池用セルユニットに関する技術が開示されている。かかる技術によれば、ガス流路に水詰まりが生じた時であってもガス流路間での反応ガスリークを阻止することができ、これにより、ガス流路内でのガス圧力が高まり、水詰まり部分の水滴を押し流して排除することが可能になるので、燃料電池の発電性能を向上させることが可能になる、としている。
特開2004−207041号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術では、セパレータに形成されているガス流路の凹部(溝部)と対向する部分をガスが透過可能であり、ガス流路の凹部において水による閉塞が発生した場合に、反応ガスは当該凹部と対向する拡散層内を通過可能である。したがって、ガス流路内でガス圧力を効果的に増加させることが困難であり、燃料電池の排水性を向上させ難いという問題があった。
そこで本発明は、排水性を向上させることが可能な燃料電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、電解質膜、及び、当該電解質膜の両側に配設される触媒層を備えるMEAと、MEAの外側に配設される拡散層と、拡散層の外側に配設されるセパレータと、を備え、セパレータの、拡散層側の面に、反応ガス流路が形成され、反応ガス流路と対向すべき拡散層の部分に、反応ガスの流れを阻害可能な阻害層が、反応ガス流路と交差方向に備えられていることを特徴とする、燃料電池により、上記課題を解決する。
ここに、「反応ガス流路と対向すべき拡散層の部分」とは、セパレータ面に形成された反応ガス流路としての溝部と対向すべき、拡散層領域を意味し、拡散層表面と拡散層内部とを含む概念である。また、「反応ガスの流れを阻害可能な阻害層」とは、反応ガスの流れを常に阻害可能な阻害層のみならず、特定の場合(例えば、含水した場合等)にのみ反応ガスの流れを効率的に阻害可能な形態の阻害層、をも含む概念である。さらに、「反応ガス流路と交差方向」とは、セパレータに形成された反応ガス流路内を流れる、ガスの進行方向(以下において、「流路方向」と記述することがある。)と交差する方向を意味している。本発明にかかる阻害層の具体例としては、フッ素系ゴムやエチレン−プロピレンゴム(EPDM)等により形成される層を挙げることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池において、阻害層に、吸水性の粉状物が備えられることを特徴とする。
ここに、吸水性の粉状物とは、吸水時には膨張する一方、非吸水時には収縮可能な粉状物を意味している。本発明の燃料電池に備えられ得る粉状物の具体例としては、粒子状の含フッ素イオン交換樹脂(例えば、Nafion等。Nafionは米国デュポン社の登録商標。以下、単に「Nafion」と記述することがある。)や、ポリアクリル酸塩等を挙げることができる。
請求項1に記載の発明によれば、拡散層の、反応ガス流路と対向すべき部分に、反応ガス流路と交差方向に形成された阻害層が備えられている。そのため、反応ガス流路内の液滴を迂回して拡散層内へと逃げるガスの流れを抑制することが可能になり、当該液滴へ圧力をダイレクトに伝えることが可能になる。すなわち、従来よりも低い圧力の反応ガスを導入しても、当該反応ガスにより液滴を移動させることが可能になるので、高負荷時のみならず低負荷時においても、燃料電池の排水性を向上させることが可能になる。このようにして排水性が向上すれば、フラッディングが生じ難くなるため、燃料電池の発電性能を向上させることが可能になる。なお、本発明では、阻害層が、触媒層ではなく拡散層に備えられるので、有効発電面積の減少を防止しつつ、排水性を向上させることが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、阻害層に吸水性の粉状物が備えられるので、例えば、阻害層が、間隔を開けて分散された吸水性の粉状物により構成される形態とすれば、液滴の水が存在しない時にはガス拡散の阻害能を抑制可能である一方、液滴の水と触れて水を吸収した場合にのみ膨張してガス拡散の阻害能を効果的に発現可能な、燃料電池とすることが可能になる。かかる形態の阻害層が備えられていれば、反応ガス流路内に液滴の水が存在する場合にのみ排水性を向上可能であるとともに、反応ガス流路内に液滴の水が存在しない場合には拡散層内のガス拡散がほとんど阻害されないので、低負荷時等における発電性能の低下を抑制可能な燃料電池を提供することが可能になる。
燃料電池を作動させると、カソードの電気化学反応により水が生成される。かかる水は、電解質膜等に含まれる電解質成分に吸収されることにより、電解質成分のプロトン伝導性能発現に寄与し得る一方、例えば、高負荷時には多量の水が生成されるため、電解質膜を含むMEAがフラッディング状態になりやすい。ここで、フラッディング状態下において存在する余剰水、及び、電気化学反応により生成される水の一部は、燃料電池へと供給される反応ガス(例えば、空気)等により、外部へと排出される。そのため、反応ガスによる排水効率を向上させれば、電気化学反応に使われる反応ガスの拡散を阻害する余剰水が効果的に排除されるので、燃料電池の発電効率を向上させることが可能になる。
本発明は、かかる観点からなされたものであり、その要旨は、燃料電池へと供給されるガスの圧力を、反応ガス流路に存在する液滴の水へ、より直接的に伝達可能な形態とすることで、排水性を向上させることが可能な燃料電池を提供することにある。排水性が向上すれば、補機損失を低減可能であるため、燃料電池のエネルギー利用効率を向上することが可能になる。
本発明の理解を容易にするため、従来の燃料電池の問題点について、図を参照しつつ説明する。
図6は、従来の燃料電池の一部を示す概略図である。図6(A)は、従来の単セルの一部を概略的に示す断面図であり、紙面左右方向が触媒層の積層方向、紙面に垂直な方向が流路方向である。一方、図6(B)は、図6(A)に示すセパレータ、カソード拡散層、及び、カソード触媒層の一部のみを概略的に示す斜視図であり、紙面上下方向が触媒層の積層方向である。他方、図6(C)は、図6(B)の矢視図(断面図)であり、紙面上下方向が触媒層の積層方向、紙面左右方向が流路方向である。
図6(A)に示すように、従来の燃料電池500は、電解質膜1と当該電解質膜1の両側に配設されるアノード触媒層2a及びカソード触媒層3aとを備えるMEA5と、MEA5の両側に配設されるアノード拡散層92b及びカソード拡散層93bと、これらの外側に配設されるセパレータ6a、6bとを備えている。そして、アノード触媒層2a及びカソード触媒層3aには、例えば、電気化学反応の触媒として機能する白金が担持された炭素粒子が備えられる一方、アノード拡散層92b及びカソード拡散層93bは、例えば、炭素繊維からなるカーボンペーパーにより構成され、セパレータ6a、6bを介して電解質膜1側へ締結圧力が加えられている。MEA5の外側に配置されるセパレータ6a、6bには、アノード拡散層92b及びカソード拡散層93b側に、それぞれ、反応ガス流路7a、7a、…、及び、7b、7b、…が形成されており、反応ガス流路7a、7a、…には水素含有物質(以下において、「水素」と記述する。)が供給される一方、反応ガス流路7b、7b、…には酸素含有物質(以下において、「空気」と記述する。)が供給され、これらの反対側の面には冷却媒体流路8、8、…が形成されている。そして、アノード2は、アノード触媒層2a及びアノード拡散層92bを備える一方、カソード3は、カソード触媒層3a及びカソード拡散層93bを備えている。
燃料電池500の発電時には、反応ガス流路(以下において、単に「流路」と記述することがある。)7a、7a、…から供給される水素がアノード触媒層2aの触媒上で分解される(電気化学反応が生じる)ことにより、プロトン及び電子が生成され、プロトンは電解質膜1を通過してカソード触媒層3aへと達する一方、電子は電解質膜1を迂回してカソード触媒層3aへと達する。これに対し、流路7b、7b、…から供給される空気に含まれる酸素がカソード触媒層3aへと達し、カソード触媒層3aの触媒上で、酸素と、アノード触媒層2aから移動してきたプロトン及び電子とが反応(電気化学反応)することにより、水(水蒸気)が生成される。そして、このようにして生成される水蒸気は、セパレータ6bに形成されている流路7b、7b、…へと達する。ここで、セパレータ6bは、冷却媒体流路8、8、…内を流れる冷却媒体によって冷却されている。そのため、流路7b、7b、…へと達した水蒸気は、結露し、液滴の水が生成される。
燃料電池500において、流路7b、7b、…に存在する液滴の水は、当該流路7b、7b、…へと供給される空気の圧力によって、流路7b、7b、…の外へと排出される。ところが、図6(A)及び(B)に示すように、流路7bはカソード拡散層93bと隣接しており、このカソード拡散層93bはガスを流通可能である。そのため、図6(C)に示すように、流路7bへと供給される空気の圧力のうち、液滴20を移動させるために利用可能な圧力をPとするとき、圧力Pの一部(圧力P3の空気)がカソード拡散層93bへ逃げる結果、液滴20の上流側から液滴20へと加えられる空気圧はP1(=P−P3)へと減少する。ここで、流路7bに存在する液滴20を移動させるためには、駆動力を与える必要があり、かかる駆動力は、上流側の圧力P1と、下流側の圧力P2との差ΔP(P1−P2)によって与えられる。
燃料電池の反応ガス流路内に存在する液滴を移動させるために必要とされる圧力差ΔPは、数百Pa程度(例えば、200〜300Pa)と考えられる。しかし、上述のように、従来の燃料電池500では、圧力P3の空気がカソード拡散層93bへと逃げるため、P>ΔPを満たす圧力P(例えば、P=500Pa〜1kPa程度)の空気を、供給する必要があった。そして、かかる圧力P3は、圧力損失(圧損)として観念される。
このように、従来の燃料電池では圧損が多く、かかる圧損を考慮して、高圧の空気を燃料電池に供給する必要があった。そのため、要求ストイキ比が増大し、特に高負荷時にはエアコンプレッサ(不図示)によって消費されるエネルギーが多くなるため、補機損失が増大し、エネルギー利用効率が低下しやすいという問題があった。
そこで、本発明は、上記空気圧Pを効率良く液滴へと伝達可能な形態とすることで、排水性を向上させ、発電によって得られるエネルギーを効率良く利用可能な燃料電池を提供している。
以下に図面を参照しつつ、本発明の燃料電池について具体的に説明する。
1.第1実施形態
図1は、第1実施形態にかかる燃料電池の一部を示す概略図である。図1(A)は、第1実施形態にかかる単セルの一部を概略的に示す断面図であり、紙面左右方向が触媒層の積層方向、紙面に垂直な方向が流路方向である。一方、図1(B)は、図1(A)に示すセパレータ、カソード拡散層、及び、カソード触媒層の一部のみを概略的に示す斜視図であり、紙面上下方向が触媒層の積層方向である。他方、図1(C)は、図1(B)の矢視図(断面図)であり、紙面上下方向が触媒層の積層方向、紙面左右方向が流路方向である。図1において、図6に示す燃料電池と同様の構成を採る部材には、図6にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図1を参照しつつ、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池について説明する。
図1(A)に示すように、第1実施形態にかかる燃料電池100は、電解質膜1と当該電解質膜1の両側に配設されるアノード触媒層2a及びカソード触媒層3aとを備えるMEA5と、MEA5の両側に配設されるアノード拡散層2b及びカソード拡散層3bと、これらの外側に配設されるセパレータ6a、6bとを備えている。そして、カソード拡散層3b(以下において、単に「拡散層3b」と記述することがある。)には、流路7b、7b、…と対向している拡散層3bの内部に、阻害層10、10、…が備えられており(図1(B)参照)、かかる阻害層10、10、…により、当該拡散層3b内部における流路方向のガス拡散が阻害されている。このようにして、拡散層3b内における上記流路方向のガス拡散が阻害されれば、液滴20を迂回して拡散層3b内を拡散する空気の流れが抑制されるため、液滴20の上流側の空気圧Pを効率良く液滴20へ伝えることが可能になる(図1(C)参照)。また、燃料電池100では、拡散層3bに阻害層10、10、…が備えられているので、当該阻害層10、10、…が、カソード触媒層3aの有効発電面積を減少させることはない。したがって、かかる形態とすることで、燃料電池100の圧損を低減すること及び排水性を向上することが可能になり、燃料電池100の高効率化を図ることが可能になる。
本実施形態において、阻害層10、10、…は、上記流路方向へのガス拡散を阻害可能であれば、その構成材料は特に限定されるものではない。燃料電池100に備えられる阻害層10、10、…は、優れた耐酸性を有する材料により構成されることが好ましく、当該材料の具体例としては、フッ素系ゴム(例えば、バイトン等。「バイトン」は米国デュポン社の登録商標。)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等を挙げることができる。
ここで、上述のように、流路7b、7b、…へと供給される空気が、拡散層3bを通過してカソード触媒層3aへ達することにより、電気化学反応が生じる。そのため、拡散層3bの積層方向へと拡散するガスの流れを阻害しないようにするという観点から、阻害層10、10、…の厚さは、上記流路方向へのガス拡散を阻害可能な範囲内で、可能な限り薄くすることが好ましい。阻害層10、10、…の厚さの具体例としては、50μm以下等を挙げることができ、より好ましくは10μm以下である。
加えて、阻害層10、10、…の上記積層方向高さは、拡散層内における上記流路方向へのガス拡散を阻害可能であれば特に限定されるものではないが、流路方向へのガス拡散を効果的に阻害可能とする観点から、拡散層の厚さと略同一の高さとすることが好ましい。かかる高さとすれば、拡散層内部の上記積層方向全体に亘って阻害層10、10、…が設けられるため、液滴を迂回して拡散層内を拡散するガスの流れを効果的に防止することが可能になり、ガスの圧力を液滴へ効率良く伝えることが可能になる。
さらに、拡散層内に設けられる阻害層10、10、…の、上記積層方向に対する角度は、流路方向へのガス拡散を阻害可能であれば特に限定されるものではないが、拡散層内における積層方向へのガス拡散を可能な限り阻害しないようにするという観点から、上記積層方向と略平行な方向に、阻害層10、10、…を設けることが好ましい。また、阻害層10、10、…の、上記流路方向に対する角度は、流路方向と交差する方向であれば特に限定されるものではないが、拡散層内における流路方向へのガス拡散を効果的に阻害可能とする観点から、阻害層10は、流路方向と略直交する方向に設けられることが好ましい。
図2は、第1実施形態にかかる燃料電池の拡散層内に備えられる阻害層を、概略的に示す断面図である。図2(A)は図1(C)と同じ形態を示す断面図であり、図2(C)は、図2(A)よりも広い間隔で備えられた阻害層を有するカソード拡散層、カソード触媒層、及び、流路を概略的に示している。一方、図2(B)は図2(A)において液滴が移動した様子を、図2(D)は図2(C)において液滴が移動した様子を、それぞれ概略的に示している。図2において、図1に示す部材と同様の構成を採る部位には、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。以下、図2を参照しつつ、第1実施形態にかかる拡散層内に備えられる、阻害層の間隔について説明する。
図2(A)及び(C)に示すように、拡散層3bに阻害層10、10、…が備えられていれば、拡散層3b内の流路方向へのガス拡散が阻害される。そのため、流路7bへと供給される空気の圧力P(空気圧P)が効果的に液滴20へ伝達され、少ない圧力で液滴20を移動させることが可能になる。そして、図2(A)及び(B)に示すように、阻害層10、10、…が、液滴20の径と同程度の間隔で設けられていれば、液滴が移動した場合であっても、拡散層3b内の流路方向へのガス拡散を阻害可能であるため(図2(B)参照)、阻害層10、10、…に対する液滴20の位置にかかわらず、少ない圧力で液滴20を移動させることが可能になる。
これに対し、図2(C)及び(D)に示すように、阻害層10、10、…が液滴20の径よりも広い間隔で設けられている場合、阻害層10、10、…と接触可能な位置に液滴20が存在すると、空気圧Pを効果的に液滴20へ伝達可能である(図2(C)参照)。しかし、阻害層10、10の間に液滴20が位置する場合には、液滴20を迂回してガスが拡散層3b内を流路方向に拡散可能であるため、当該拡散層3b内における流路方向へのガス拡散抑制効果が低下する。そのため、ガス拡散阻害機能を効果的に発現させて圧損を低減するという観点からは、阻害層10、10、…を密に設けることが好ましい。一方で、拡散層の積層方向へ容易にガス拡散可能とする観点からは、拡散層に備えられる阻害層10、10、…の間隔を広げることが好ましい。そのため、本実施形態では、流路方向へのガス拡散を効果的に阻害しつつ積層方向へのガス拡散を容易にするという観点から、阻害層10、10、…の間隔は、液滴の直径と略同一(0.5〜2mm程度)、又は、それ以下とすることが好ましい。
図3は、第1実施形態にかかるカソード拡散層、並びに、第1実施形態にかかるセパレータ、カソード拡散層、及びカソード触媒層の一部を概略的に示す拡大図である。図3(A)及び(C)は、第1実施形態にかかるカソード拡散層の形態例を示す正面図であり、紙面上下方向が流路方向、紙面に垂直な方向が触媒層の積層方向である。一方、図3(B)、図3(D)は、図3(A)、図3(C)にそれぞれ示すカソード拡散層と、当該カソード拡散層の両側に配設される、カソード触媒層及びセパレータの一部を示す断面図であり、紙面上下方向が積層方向、紙面に垂直な方向が流路方向である。図3において、図1に示す部材と同様の構成を採る部位には、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。以下、図3を参照しつつ、第1実施形態にかかる阻害層の形態例について説明する。
図3(A)に示すように、本実施形態にかかる阻害層10、10、…は、間隔を開けて設けられる。そのため、拡散層3bの積層方向へのガス拡散が可能であり、かかるガス拡散により、カソード触媒層3aへ空気が供給される。すなわち、拡散層3bへと供給された空気は、当該拡散層3b内を拡散するが、阻害層10、10、…が備えられているため、拡散層3b内の流路方向への拡散は阻害される反面、当該流路方向と交差する方向への拡散は、完全には阻害されない(図3(B)参照)。したがって、上記形態で阻害層10、10、…を設けた場合であっても、流路方向と交差する方向へのガス拡散は、完全には阻害されない。
そこで、第1実施形態にかかる燃料電池では、流路方向と交差する方向に設けられる阻害層10、10、…に加え、さらに、流路方向と平行であって、かつ、流路7b、7b、…の内壁と対応する拡散層部位に形成される阻害層10、10、…が備えられていても良い(図3(C)、(D)参照)。このように、阻害層10、10、…の配置形態を、いわゆるメッシュ状とすることで、拡散層3d内の流路方向へのガス拡散を効果的に阻害することが可能になる。ただし、拡散層3dに占める阻害層10、10、…の割合が高くなると、拡散層3dの積層方向へのガス拡散が阻害されやすくなる。そのため、当該形態の阻害層とする場合には、触媒層3aへと供給可能なガス量や、排水性向上効果等を勘案して、阻害層の配置形態を決めることが好ましい。
本実施形態において、上記効果を奏し得る形態で阻害層を形成可能であれば、阻害層の形成方法は特に限定されるものではない。本実施形態にかかる阻害層形成方法の具体例としては、1mm程度の隙間(当該隙間の長さは、例えば、拡散層の積層面の一辺と同等程度)を有する型を拡散層に押し当て、かかる隙間から液状のフッ素系ゴムを圧入して固めることにより、阻害層を形成する等の方法を挙げることができる。
2.第2実施形態
図4は、第2実施形態にかかる燃料電池の一部を示す概略図である。図4(A)は、第2実施形態にかかる単セルの一部を概略的に示す断面図であり、紙面左右方向が触媒層の積層方向、紙面に垂直な方向が流路方向である。一方、図4(B)は、図4(A)に示すセパレータ、カソード拡散層、及び、カソード触媒層の一部のみを概略的に示す斜視図であり、紙面上下方向が触媒層の積層方向である。他方、図4(C)は、図4(B)の矢視図(断面図)であり、紙面上下方向が触媒層の積層方向、紙面左右方向が流路方向である。図4において、図1に示す燃料電池と同様の構成を採る部材には、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図4を参照しつつ、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池について説明する。
図4(A)に示すように、第2実施形態にかかる燃料電池200は、電解質膜1と当該電解質膜1の両側に配設されるアノード触媒層2a及びカソード触媒層3aとを備えるMEA5と、MEA5の両側に配設されるアノード拡散層2b及びカソード拡散層3f(以下において、単に「拡散層3f」と記述することがある。)と、これらの外側に配設されるセパレータ6a、6bとを備えている。そして、アノード2は、アノード触媒層2a及びアノード拡散層2bを備える一方、カソード3は、カソード触媒層3a及びカソード拡散層3fを備え、カソード拡散層3fは、例えば、炭素繊維からなるカーボンペーパーにより構成されている。
図4(B)に示すように、燃料電池200の拡散層3fには、流路7b、7b、…と対向している拡散層3f内部に、阻害層11、11、…が備えられている。後述するように、阻害層11、11、…には、粉状の吸水性樹脂(図4では不図示)が備えられており、阻害層に液滴20が触れると、吸水性樹脂が膨張して阻害層11’が形成され、当該阻害層11’により、拡散層3fにおける流路方向へのガス拡散が阻害される(図4(C)参照)。
図5は、第2実施形態にかかる燃料電池の拡散層内に備えられる阻害層を、概略的に示す断面図である。図5(A)は、流路に液滴が存在しない場合における、流路、阻害層を備えるカソード拡散層、及び、カソード触媒層の一部を概略的に示す断面図であり、図5(B)は、図5(A)の矢視図(断面図)である。一方、図5(C)は、流路に存在する液滴が一の阻害層と接触している場合における、流路、阻害層を備えるカソード拡散層、及び、カソード触媒層の一部を概略的に示す断面図であり、図5(D)は、図5(C)の矢視図(断面図)である。図5において、図4に示す部材と同様の構成と採る部位には、図4にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。以下、図5を参照しつつ、第2実施形態にかかる拡散層内に備えられる、阻害層について説明する。
図5(B)に示すように、第2実施形態にかかる阻害層11は、間隔を開けて分散された粉状の吸水性樹脂(例えば、Nafion等)11a、11a、…を備えており、流路7bに液滴が存在しない場合、拡散層3fへと供給されるガスは、流路方向にも拡散可能である(図5(A)参照)。したがって、例えば、流路7b内に存在する水蒸気が空気により効果的に外部へ排出される等の理由により流路7b内に液滴が存在しない場合には、空気が拡散層3f内の流路方向にも拡散可能であるため、拡散層3f内におけるガス拡散は、阻害層11によってほとんど阻害されない。なお、本実施形態において、粉状の吸水性樹脂11a、11a、…は、焼き付ける等の方法により、拡散層3fの阻害層11内に固定化されている。
これに対し、図5(D)に示すように、第2実施形態にかかる阻害層が液滴20と接触すると、当該阻害層に備えられている粉状の吸水性樹脂が膨張し、膨張した吸水性樹脂11b、11b、…によって流路方向へのガス拡散を阻害可能な、阻害層11’が形成される(図5(C)、(D)参照)。したがって、本実施形態によれば、液滴の非存在下では、ガスを触媒層3aへ効率良く供給可能であるとともに、液滴20の存在下では拡散層3f内における流路方向へのガス拡散を阻害することで液滴20を効果的に排出可能な、燃料電池200を提供することが可能になる。なお、上記燃料電池100と同様に、燃料電池200では、拡散層3fに阻害層11、11、…が備えられているので、当該阻害層11、11、…が、カソード触媒層3aの有効発電面積を減少させることはない。
本実施形態において、上記形態で吸水性を有する粉状物を分散可能であれば、その分散方法は特に限定されるものではない。本実施形態にかかる粉状物分散方法の具体例としては、1mm程度の隙間を有する型を拡散層に押し当て、かかる隙間から粉状物を分散させた液体を圧入した後、粉状物を拡散層に焼き付ける等の方法により、阻害層が存在すべき拡散層部位にのみ粉状物を固定化させる等の方法を挙げることができる。
上記説明では、吸水性を有する粉状物(以下において、「吸水性粉状物」と記述することがある。)として、粉状のNafionを例示したが、本発明の燃料電池に備えられ得る吸水性粉状物は、水を吸収することで膨張し、かつ、拡散層内の特定の部位に固定化可能なものであれば、粉状のNafionに限定されるものではない。本実施形態にかかる吸水性粉状物の具体例としては、ポリアクリル酸塩等を挙げることができる。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態にかかる燃料電池の説明では、阻害層がカソード拡散層にのみ備えられている形態について記述したが、本発明の燃料電池は当該形態に限定されるものではなく、アノード拡散層にのみ、又は、アノード拡散層及びカソード拡散層に、阻害層が備えられる形態であっても良い。但し、液滴の水は、特に、アノード触媒層で生成されるため、液滴の水を効率良く排除可能とする観点からは、少なくともカソード拡散層に阻害層が備えられている形態とすることが好ましい。
さらに、上記説明では、流路の凸部と対向する拡散層部位にも阻害層が形成されている形態について記述したが、本発明にかかる阻害層は当該形態に限定されるものではなく、流路の凹部(溝部)と対向する拡散層部位にのみ阻害層が備えられる形態であっても良い。かかる形態であれば、拡散層の体積に占める阻害層の体積の割合を低減することが可能になるので、触媒層へと供給される反応ガスのガス拡散効率の低下を抑制しつつ、排水性を向上し得る、燃料電池を提供することが可能になる。
第1実施形態にかかる燃料電池の一部を示す概略図である。 第1実施形態にかかる阻害層を、概略的に示す断面図である。 第1実施形態にかかる拡散層、セパレータ、拡散層、及び触媒層の一部を概略的に示す拡大図である。 第2実施形態にかかる燃料電池の一部を示す概略図である。 第2実施形態にかかる阻害層を、概略的に示す断面図である。 従来の燃料電池の一部を示す概略図である。
符号の説明
1 電解質膜
2 アノード
2a アノード触媒層(触媒層)
2b アノード拡散層(拡散層)
3 カソード
3a カソード触媒層(触媒層)
3b、3d、3f カソード拡散層(拡散層)
5 MEA
6a、6b セパレータ
7a、7b 反応ガス流路
10、11、11’ 阻害層
11a、11b 粉状物
100、200 燃料電池

Claims (2)

  1. 電解質膜、及び、該電解質膜の両側に配設される触媒層を備えるMEAと、該MEAの外側に配設される拡散層と、該拡散層の外側に配設されるセパレータと、を備え、
    前記セパレータの、前記拡散層側の面に、反応ガス流路が形成され、
    前記反応ガス流路と対向すべき前記拡散層の部分に、反応ガスの流れを阻害可能な阻害層が、前記反応ガス流路と交差方向に備えられていることを特徴とする、燃料電池。
  2. 前記阻害層に、吸水性の粉状物が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017073202A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 トヨタ自動車株式会社 燃料電池及びこれに用いられるガス拡散層

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