JP2007268808A - Alc切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ALCコーナーパネルの稜線部に欠けを生じることなく、容易に円弧加工を行うことができる切削工具を提供する。
【解決手段】 鋼板製の直角に折り曲げられたガイド兼刃物取り付けベースに、平刃と円弧加工用切削刃とを直列に、かつ平刃がカンナ進行方向の前方になるように配置する。これにより平刃が先行して不要部分を荒削りした後に、円弧加工用切削刃が円弧を形成する事で円弧加工時の切削抵抗が減少し、欠けが発生することはない。
【選択図】 図1
【解決手段】 鋼板製の直角に折り曲げられたガイド兼刃物取り付けベースに、平刃と円弧加工用切削刃とを直列に、かつ平刃がカンナ進行方向の前方になるように配置する。これにより平刃が先行して不要部分を荒削りした後に、円弧加工用切削刃が円弧を形成する事で円弧加工時の切削抵抗が減少し、欠けが発生することはない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建築分野に使用されるALCパネルの出隅部を円弧状に加工するための切削工具に関するものである。
軽量気泡コンクリート(ALC)は、軽量で耐火性、耐熱性及び施工性に優れているために、建材用パネルに成形されてショッピングセンター等の大型建築物から戸建住宅のような小規模建築物まで幅広く使用されている。
一般にALC建築物の出隅部の収まりは、予め工場でL型に成型されたALCパネル(以後、コーナーパネルと呼ぶ。)を用いる方法と、平パネルを出角部で突き合せる方法がある。 通常、この出角部の稜線部分は直線であるが、意匠性の向上を目的としてコーナーパネルの稜線部を円弧状に加工して使用することが多用されている。このコーナーパネル稜線部の円弧状加工は、工場で専用加工機を使用して行われる事もあるが、特に木造の戸建住宅で多用される一辺の寸法が100mm以下の比較的小さなコーナーパネルの場合は、入隅と出隅兼用で現場に納入され、施工時に出隅に用いるコーナーパネルの稜線部に半径20mm程度の円弧加工を施すのが一般的である。
一般にALC建築物の出隅部の収まりは、予め工場でL型に成型されたALCパネル(以後、コーナーパネルと呼ぶ。)を用いる方法と、平パネルを出角部で突き合せる方法がある。 通常、この出角部の稜線部分は直線であるが、意匠性の向上を目的としてコーナーパネルの稜線部を円弧状に加工して使用することが多用されている。このコーナーパネル稜線部の円弧状加工は、工場で専用加工機を使用して行われる事もあるが、特に木造の戸建住宅で多用される一辺の寸法が100mm以下の比較的小さなコーナーパネルの場合は、入隅と出隅兼用で現場に納入され、施工時に出隅に用いるコーナーパネルの稜線部に半径20mm程度の円弧加工を施すのが一般的である。
ALC施工現場ではパネル短辺小口への面取り加工が良く行われており、この加工にはカンナを用いるのが一般的である(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。これらの手カンナは、直角に折り曲げられたパネルガイド兼刃物取り付けベースに平刃を取り付け、人力で面取り切削加工をするものであり、施工現場で容易に面取り加工ができる工具である。
特許文献1に開示されている手カンナは、2枚のカンナの刃をそれぞれ反対方向に取り付けたものであり、特許文献2に開示されている手カンナは2枚のカンナの刃を具備し、そのうちの1枚はエッジの面取りをすべく本体に対して一定の角度で横に向けて取り付けられ、もう一方の刃はその面取り部を切り取るべく縦方向に取り付けられたものである。
実開昭63−62086号公報
実開昭64−20312号公報
特許文献1に開示されている手カンナは、2枚のカンナの刃をそれぞれ反対方向に取り付けたものであり、特許文献2に開示されている手カンナは2枚のカンナの刃を具備し、そのうちの1枚はエッジの面取りをすべく本体に対して一定の角度で横に向けて取り付けられ、もう一方の刃はその面取り部を切り取るべく縦方向に取り付けられたものである。
現場でのコーナーパネルの円弧加工にはこのカンナの平刃を円弧状の刃物に付け替えるかもしくは専用のカンナを用いて行われるが、半径20mm程度の円弧加工は一般的な平刃による面取りである10mm角よりも切削量が多い事と、切削中に円弧端部残り代が極端に少ない状態となってしまうため、脆弱であるALCにおいて特にカンナの抜け際で大きく角部が欠けてしまい、補修材での手直しが必要となり手間がかかる上に見栄えが悪くなる不具合があった。
本発明は、前述したような施工現場での円弧加工における問題点を解決するためになされたものであり、その目的はALCコーナーパネルの稜線部に欠けを生じることなく、容易に円弧加工を行うことができる切削工具を提供することにある。
本発明は、前述したような施工現場での円弧加工における問題点を解決するためになされたものであり、その目的はALCコーナーパネルの稜線部に欠けを生じることなく、容易に円弧加工を行うことができる切削工具を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明のALC切削工具は、軽量気泡コンクリートパネルの出隅部を円弧状に加工する切削工具であって、直角に折り曲げられた一つの本体に直列に2箇所の刃物取り付けベースを配置して設け、軽量気泡コンクリートパネルの出隅部を面取り切削するための平刃と、該面取り後の前記出隅部を円弧状に切削加工するための円弧用刃とを、切削方向に対し平刃が前方になり円弧用刃が後方になるように前記刃物取り付けベースに固定してなるALC切削工具とした。
これにより平刃が先行して不要部分を荒削りした後に、円弧加工用切削刃が円弧を形成するので、円弧加工時の切削抵抗が減少し欠けの発生を防ぐことができるようになる。
これにより平刃が先行して不要部分を荒削りした後に、円弧加工用切削刃が円弧を形成するので、円弧加工時の切削抵抗が減少し欠けの発生を防ぐことができるようになる。
本発明のALC切削工具においては、前記円弧用刃は半径15mmないし25mmの円弧を描くように刃先を形成しておくことが好ましい。
一般住宅用の小型のALCパネルの切削に使い易く役立つからである。
また、本発明のALC切削工具においては、前記平刃と円弧用刃のそれぞれの刃先の角度が、切削加工すべき軽量気泡コンクリートパネルの出隅部面に対して45度の傾斜で取り付けられてなることが好ましい。また、前記平刃と円弧用刃のそれぞれの刃先の位置を調整可能にして前記刃物取り付けベースに取り付けてあるのが好ましい。
滑らかな切削面が得られ、より使い易い工具とするためである。
また、円弧加工が必要ない場合は円弧加工用切削刃を上方にスライドさせておけば面取りのみのカンナとして使用することができ、円弧加工時には円弧加工用切削刃を下方にずらして調整することで円弧加工用のカンナとして使用することができる。
一般住宅用の小型のALCパネルの切削に使い易く役立つからである。
また、本発明のALC切削工具においては、前記平刃と円弧用刃のそれぞれの刃先の角度が、切削加工すべき軽量気泡コンクリートパネルの出隅部面に対して45度の傾斜で取り付けられてなることが好ましい。また、前記平刃と円弧用刃のそれぞれの刃先の位置を調整可能にして前記刃物取り付けベースに取り付けてあるのが好ましい。
滑らかな切削面が得られ、より使い易い工具とするためである。
また、円弧加工が必要ない場合は円弧加工用切削刃を上方にスライドさせておけば面取りのみのカンナとして使用することができ、円弧加工時には円弧加工用切削刃を下方にずらして調整することで円弧加工用のカンナとして使用することができる。
本発明のALC切削工具においては、前記平刃と円弧用刃の頂点位置との差が1mmから3mmであることが好ましい。
より綺麗な切削仕上げ面が得られるからある。
より綺麗な切削仕上げ面が得られるからある。
本発明のALC切削工具によれば、脆弱な材料であるALCコーナーパネル稜線部への円弧加工を、稜線部に欠けが生じることなく、しかも短時間で行うことができ、補修作業の必要性も生じないことに加え、円弧加工時にカンナもしくは刃先を交換する必要が無いため作業性が向上する。
以下、図面基づいて具体的な実施形態を説明するが、本発明はかかる実施形態によって限定されるものではない。
図1は本発明のALC切削工具の外観斜視図を示す。図2は本発明で対象とするALCコーナーパネルの外観斜視図を示し、図3は図2に示すALCコーナーパネルの加工工程を示す断面図である。
図1に示すように本発明のALC切削工具10は、直角に折り曲げられた鋼製薄板からなる本体1に2箇所の切削粉排出用の開口部6を設けるとともに、本体1の稜線1aに対し円弧用刃5と平刃4を固定するための刃物取り付けベース2が例えば45度の角度で設けられている。刃物取り付けベース2には、面取り加工用の平刃4と円弧加工用の円弧用刃5とが直列にかつ平刃4が図に矢印で示すカンナ進行方向の前方になるように配置してある。
円弧用刃5と平刃4には、位置調整を可能にするように長孔8が設けられており、刃物取り付けベース2裏に固定されたナットに蝶螺子3を螺合することで刃を固定するようになっている。
図1は本発明のALC切削工具の外観斜視図を示す。図2は本発明で対象とするALCコーナーパネルの外観斜視図を示し、図3は図2に示すALCコーナーパネルの加工工程を示す断面図である。
図1に示すように本発明のALC切削工具10は、直角に折り曲げられた鋼製薄板からなる本体1に2箇所の切削粉排出用の開口部6を設けるとともに、本体1の稜線1aに対し円弧用刃5と平刃4を固定するための刃物取り付けベース2が例えば45度の角度で設けられている。刃物取り付けベース2には、面取り加工用の平刃4と円弧加工用の円弧用刃5とが直列にかつ平刃4が図に矢印で示すカンナ進行方向の前方になるように配置してある。
円弧用刃5と平刃4には、位置調整を可能にするように長孔8が設けられており、刃物取り付けベース2裏に固定されたナットに蝶螺子3を螺合することで刃を固定するようになっている。
図2は本発明で対象とするALCコーナーパネル7の外観斜視図である。本発明の目的は、図に示すようにALCコーナーパネル7の出角部の稜線部分7aを円弧状に加工するための切削工具を提供することである。
図3に断面図で示すように、本発明におけるALCコーナーパネルの加工手順は、先ず
ALCコーナーパネル7の稜線部分7aの一部41を平刃4で線a−aまで削り取り、次いで円弧部51を円弧用刃5で線b−bまで削り取って加工する。図3に示すALCコーナーパネル7は、入隅と出隅兼用に加工されており、円弧状に加工する隅部7aと対角線をなす隅部7bはあらかじめ切り取られている。
図3に断面図で示すように、本発明におけるALCコーナーパネルの加工手順は、先ず
ALCコーナーパネル7の稜線部分7aの一部41を平刃4で線a−aまで削り取り、次いで円弧部51を円弧用刃5で線b−bまで削り取って加工する。図3に示すALCコーナーパネル7は、入隅と出隅兼用に加工されており、円弧状に加工する隅部7aと対角線をなす隅部7bはあらかじめ切り取られている。
図1に示すように、円弧用刃5は刃物取り付けベース2に取り付けた状態である45度の傾斜角で正面から見た形状が、半径20mmの円弧を描くように刃先が形成されている。円弧用刃5の刃先は半径がほぼ20mm程度の円弧を描くように形成されていればよく、通常、半径が15mmないし25mmの円弧を描くように形成しておけば、一般住宅用の小型のALCパネルの切削用として使い易い。
平刃4は円弧用刃5の頂点から1mmから3mm程度上方に配置すると、より綺麗な切削面が形成できる。すなわち、図3において平刃での切削線a−aと円弧用刃での切削線b−bとの最短距離Lを1〜3mmとすればよい。
ALCパネル中には気泡によって生じた小孔Pが分散しており、この小孔は平均1mm、最大2mm程度の直径のものである。したがって、平刃4と円弧用刃5との距離が1mm未満だと円弧用刃5は端の方を削るのに止まり、中心付近は削れない。このため滑らかな円弧状に削れないので意匠性が悪くなる。平刃4と円弧用刃5との最短距離が3mmを超えると平刃を使用しない場合とほぼ同じような現象となり、1回では綺麗に削れなくなる。したがって平刃4と円弧用刃5の取り付け位置は自由に調整できるように構成して、平刃4を円弧用刃5の頂点から1mmから3mm程度上方に配置するのが適する。
平刃4は円弧用刃5の頂点から1mmから3mm程度上方に配置すると、より綺麗な切削面が形成できる。すなわち、図3において平刃での切削線a−aと円弧用刃での切削線b−bとの最短距離Lを1〜3mmとすればよい。
ALCパネル中には気泡によって生じた小孔Pが分散しており、この小孔は平均1mm、最大2mm程度の直径のものである。したがって、平刃4と円弧用刃5との距離が1mm未満だと円弧用刃5は端の方を削るのに止まり、中心付近は削れない。このため滑らかな円弧状に削れないので意匠性が悪くなる。平刃4と円弧用刃5との最短距離が3mmを超えると平刃を使用しない場合とほぼ同じような現象となり、1回では綺麗に削れなくなる。したがって平刃4と円弧用刃5の取り付け位置は自由に調整できるように構成して、平刃4を円弧用刃5の頂点から1mmから3mm程度上方に配置するのが適する。
1 本体
2 刃物取り付けベース
3 蝶螺子
4 平刃
a−a 平刃での切削線
41 稜線部分の一部
5 円弧用刃
51 円弧部
b−b 円弧用刃での切削線
6 開口部
7 ALCコーナーパネル
10 ALC切削工具
2 刃物取り付けベース
3 蝶螺子
4 平刃
a−a 平刃での切削線
41 稜線部分の一部
5 円弧用刃
51 円弧部
b−b 円弧用刃での切削線
6 開口部
7 ALCコーナーパネル
10 ALC切削工具
Claims (5)
- 軽量気泡コンクリートパネルの出隅部を円弧状に加工する切削工具であって、直角に折り曲げられた一つの本体に直列に2箇所の刃物取り付けベースを配置して設け、前記軽量気泡コンクリートパネルの出隅部を面取り切削するための平刃と、該面取り後の前記出隅部を円弧状に切削加工するための円弧用刃とを、切削方向に対し平刃が前方になり円弧用刃が後方になるように前記刃物取り付けベースに固定してなることを特徴とするALC切削工具。
- 前記円弧用刃は半径15mmないし25mmの円弧を描くように刃先が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のALC切削工具。
- 前記平刃と円弧用刃のそれぞれの刃先の角度が、切削加工すべき軽量気泡コンクリートパネルの出隅部面に対して45度の傾斜で取り付けられてなることを特徴とする請求項1または2に記載のALC切削工具。
- 前記平刃と円弧用刃のそれぞれの刃先の位置を調整可能にして前記刃物取り付けベースに取り付けてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のALC切削工具。
- 前記平刃と円弧用刃の頂点位置との差が1mmから3mmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のALC切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006095877A JP2007268808A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | Alc切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006095877A JP2007268808A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | Alc切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007268808A true JP2007268808A (ja) | 2007-10-18 |
Family
ID=38672109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006095877A Pending JP2007268808A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | Alc切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007268808A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52136298U (ja) * | 1976-04-12 | 1977-10-17 | ||
JPS6362086U (ja) * | 1986-05-29 | 1988-04-25 |
-
2006
- 2006-03-30 JP JP2006095877A patent/JP2007268808A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6362086U (ja) * | 1986-05-29 | 1988-04-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20080623 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20120710 |