JP2007268680A - 大口径部材の機械加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の円形の構造物を切削する際の検査や測定を簡略化する方法を提供する。
【解決手段】原動機2で駆動される駆動軸4を介して従動装置(インペラ)6を駆動するウォータージェットWJにおいて、前記駆動軸4の軸芯Xと、従動装置6を据付けるためのフランジ9の中心点との間にレーザ光線Lを通過させ、前記フランジ9の表面を加工する工作機械(ボーリング掘削機)30における加工工具を駆動するための主軸30bに、前記レーザ光線Lが通過する空間30cを形成し、レーザ光線Lの光路を基準として前記工作機械30の据付姿勢を補正し、前記加工工具の作業位置を調整する大口径部材の機械加工方法。
【選択図】 図6

Description

本発明は、例えば大型船舶用ウォータージェット推進装置の据付部などのように大口径部材の円形部分の部分の機械加工、特にボーリング加工に関し、更に詳しくはボーリング装置の軸芯を被加工面に合わせて正確に調整する方法を提供するものである。
大型の船舶においては、船体の後方あるいは中央部にエンジンを配置し、このエンジンより船尾の推進装置までの間に長尺の駆動軸を使用して駆動する方法が採用されている。
例えば、船長が140m、船幅が30m、動力として出力が28000kWのガスタービン2基を船体の左右に配列した大型アルミ高速船の場合、直径が440mm、長さがそれぞれ8.5m及び7.8mの推進軸を2本連結して減速機から大型の推進装置の間を連結して動力を伝達している。
図1は前記大型アルミ船の船体1の後半部の概略図、図2は図1の推進装置の部分の拡大図である。船体1の中央部にガスタービン2を配置し、この高速回転するガスタービン2の回転数を減速機3で減速させ、船尾に配置されているウォータージェット推進装置WJを長尺の推進軸4で駆動するように構成されている。
前記ウォータージェット推進装置WJとしては、例えば特許文献1などの多数の特許文献に記載されている。
特開2003−146291号公報
前記特許文献1は原動機と減速機との間を細径の動力伝達軸とし、減速機とインペラとの間を太径の動力伝達軸を使用する装置が提案されているが、導水管の接合部や導水管とインペラとの間の間隙などについては何ら記載がない。更に、前記特許文献1に記載されたウォータージェット推進装置WJは以下に本発明において説明するような大型(例えばポンプ入口の径が約2〜3m)の装置については全く記載も示唆もされていない。
次に、図1を参照してウォータージェット推進装置の例を説明すると、船体1の船底の前方に向けて導水管5の吸引口を開口し、この後部に軸流ポンプ装置Pの主要部を構成するインペラ6を配置し、更にその後方にノズル5aを配置し、このノズル5aの後方に操舵装置7を配置してウォータージェット推進装置WJを構成している。
そして前記ガスタービン2と減速機3を介してインペラ6を高速で駆動することによって前記導水管5の吸引口より海水を吸引・加圧してノズル5aよりジエット流を噴出して大きな推進力を発生させ、更に操舵装置7で船体1の前進方向を操作している。
図1及び図2に示すように、軸流ポンプ装置Pを構成する拡大短管10の後端部に大口径のフランジ9が付設されている。そしてこのフランジ9を基礎構造としてポンプ装置Pを据付けている。このホンプ装置Pのケーシングは、拡大短管10と縮小短管11で構成され、全体として中央部が膨らんだ球体であり、これらの部材は全てフランジ結合により分解可能に組立てられている。
前記のような大型のアルミ合金製高速船の場合、前記ポンプ装置Pの据付部の基礎構造であるフランジ9の内径は3.5m、幅は0.3mのアルミ合金製の大型のリング状構造物が使用されている。また、推進軸4を軽量化及び後述するレーザ光線による軸芯の測定のために中空軸を使用し、その先端にインペラ6を固定した構造を採用している。
ところで、このポンプ装置Pの性能の良否は、前記インペラ6を構成する羽根6aの先端と、ケーシングの一つである拡大短管10の内壁面の傾斜面との間の間隙〔g〕を正確に維持することにも関係している。つまり、拡大短管10の傾斜内壁面10aと羽根6aの先端の回転軌跡とは正確な同心円を形成するように調整する必要があり、前記間隙gは大型のポンプ装置Pとしての性能を大きく左右する重要な要素である。
前記ポンプ装置Pを構成している主要部材であるインペラ6は、中空の推進軸4の後端で軸芯に直交するように固定され、そしてこのインペラ6と拡大短管10の傾斜内壁面10aとの間には正確な間隙gをもって位置決めされなければ、ポンプ装置Pとしての性能を確保できない。
ところで、前記インペラ6と拡大短管10との間の間隙gを正確に保持するためには、前記推進軸4に対してフランジ9の接合面F、つまりリング状の座が正確に推進軸4の軸芯に直交するように形成しなけれぱならない。もし、このフランジ9の接合面Fが推進軸4の軸芯Cに対して直交していないと、インペラ6の回転によって発生する流れの状態がインペラ6の回転方向に均一にならず、偏流が発生し、その結果、ポンプ装置Pに振動が発生してポンプ性能が低下するなどの問題が起きる。
前記ポンプ装置Pを据付ける際の問題点は、前記フランジ9の表面が導水管5と拡大短管10の軸芯に対して正確に形成されているか否かである。
図3は、導水管5の後端に固定された拡大短管10の後部に形成されたフランジ9をイメージして描いたものであるが、もし、このフランジ9の端面、つまり縮小短管11を固定するフランジ9の表面である支持面Fが、推進軸4の軸芯に対して直交して形成されでおれば、前記支持面Fを単に仕上げ切削するだけで良い。
しかし、薄いアルミ板やアルミ型材を溶接して組立られたアルミ合金製の船体1は、如何に正確に組立てたとしても全体として剛性が低く、変位が発生し、更に進水によって変位が新たに発生することになる。また、推進軸4の軸受の支持位置などの誤差により中心線に対して前記フランジ9が直交する面から狂いが生ずることもある。
そこで、このフランジ9の支持面Fを縮小短管11のフランジの表面に合わせて正確に切削、つまり「ボーリング加工」する必要がある。このボーリング加工するフランジ9の支持面Fの狂いは、推進軸4の軸芯Cに対して正確に直交する平面を形成できず、その結果、ウォータージェット推進装置WJの推進性能に大きな影響を与えることになるのである。
図3の実線の部分はフランジ9のボーリング加工前の原型を示しているが、船体1の製作上の誤差などによってフランジ9の接合面Fの精度に大きく変化を与えることになる。そこで、このフランジ9の表面の傾斜状態及びその内径の大きさ、内径とフランジ9の中心との間の誤差(偏芯状態)を正確に測定し、この誤差寸法をフランジ9の面に正確に罫書いておき、その罫書線に沿ってボーリング装置を操作して切削する必要がある。
図3の「線M」は、切削後の正確な支持面Fとなるべき面を罫書いた線を示し、また、「線N」は、内径寸法を拡大短管10の外面に合致させるための切削すべき肉の線を意味している。従って、船体の内部に機関などの機器の搭載前に、前記線M、Nをフランジ素材上に正確に罫書いておき、その罫書線にしたがって正確に切削あるい研削することが必要である。
(従来工法による大口径を持つ部材の切削準備工程)
図4は、船体1の船底部に取付けた導水管5の後端部に固定された拡大短管10の後縁部のフランジ9(大口径部材ないしフランジ素材を意味する)の支持面Fの傾斜や偏芯状態を測定する方法を示しており、また、図5は同側面図を示している。
このフランジ9の切削前の支持面(被切削面)の状態の傾斜角度や内径の偏芯状態を測定し、本来の正確な支持面Fとの誤差を全円周方向に測定し、記録する必要があるが、この測定及び罫書き作業は次のようにして行っている。
(測定準備と切削部分の罫書き)
イ)レーザ発光源20(レーザトランジット)よりレーザ光線Lを、中空の推進軸4の中心線Xとフランジ9の中心(軸芯C)とを結んだ線に通過させて測定準備する。
ロ)フランジ9の外径より大型の直角定規21(例えば、長辺が4m、高さが3m)を使用し、その長辺21aの中心点Dを、前記レーザ光線Lの経路に合致させて配置する。
次に、この定規21の頂点Eの位置とレーザ光線L’の「誤差分Gあるいは誤差角度」を確認する。
ハ)前記定規21の頂点Eと誤差分Gを、測定ないし監視しながらフランジ9の素材の切削すべき面と前記定規21の下面との間のHあるいはJの部分に、図示しないライナを挿入する。そしてこのライナの厚さを変えながら定規21の頂点Eの位置を徐々に、伸長に移動させてこの頂点Eを前記レーザ光線L’と合致させる。その時の「ライナの厚み」が、定規21を配置したフランジ9の円周方向の、その位置における、正確な支持面Fとの間の誤差分に相当する。
ニ)次に、前記ライナの厚み(HあるいはJの部分に挿入したライナの厚みないし隙間)に相当する距離に基づいてフランジ9の側面に正確に罫書いておく。この罫書線は、フランジ9の全周面において、定規21を所定の角度(例えば30度)だけ、移動させながら次々と、慎重に行う。
なお、フランジ9の表面である接合面Fだけではなく、このフランジ9の内径の切削も必要であるが、このフランジ9の内径の測定には、従来のように巻尺と直線定規を使用して行う。
前記のような作業によってフランジ9に罫書かれた図3及び図5に示した円周方向の線Mがレーザ光線Lに対して狂っている切削すべき面を、また、線Nがフランジ9の中心がレーザ光線Lが通過する中心点Cとは異なっている円周方向の切削すべき線をそれぞれ示している。
(従来工法による罫書き作業に必要とする人員)
前記罫書作業は、長辺が4m、高さが3mもの大型の定規21を使用しているので、この定規が傾斜しないように支える人、レーザ光線Lの位置と定規21と中心点Dを合致させる人、前記定規21の長辺21aの中心点Dを中心として円周方向に所定の角度移動させる人、そして全体の作業を監視しながら各部の測定値を記録する人などの作業員の数は5人あるいはそれ以上の人数が必要である。
また、前記例示した実際の船体の建造を行う際のフランジ9の支持面Fの測定と切削に要した時間は6日あるいはそれ以上の日数を必要とした。
次に、図7、8、9を参照して従来工法によるフランジ9の測定方法を説明する。
図7は、船体1の端部にフランジ9の切削前の素材が固定された状態を示している。また、前記図4及び図5は、前記イ)〜ニ)の一連の罫書作業の概念図を示しており、この状態でフランジ9の据付穴中心を計測し、図3〜5に示す線M、線N、つまり支持面Fと内径の“誤差の量”あるいは“削り代”を罫書いておく。
(ボーリング掘削機の据付)
前記の作業工程によって図4及び図5に示した罫書線M、Nがフランジ9の素材の後部の面と内周面など、ボーリング掘削機によって切削作業に必要な罫線が描かれ、必要に応じて各測定位置、及びその位置における測定量などが記入され、このフランジ9の素材の切削位置と切削量が決定されることになる。また、この罫書線によって切削の状態を確認できるようになる。
次に、図8に示すようにボーリング掘削機22を船尾端の適当な場所にセットする。また、場合によっては大型のクレーンなどの装置でそのボーリング掘削機22自体を支持することもできる。
このボーリング掘削機22は、固定台22aと回転軸22bと工具支持腕22cとバイト22dで構成され、切削面9sをこのバイト22dを切削面(支持面Fと内径部分)に沿って旋回させながら切削するように構成されている。
(ボーリング掘削機のセット位置の確認)
前記のようにボーリング掘削機22を所定の切削作業を行う位置にセットしたならば、前記バイト22dの代わりに「トレース針」を取付け、このトレース針が所定の罫書線の上を移動するかどうかも確認する。このような一連の作業によりボーリングマシン22をセットした位置が正確かどうかを確認されたならば、前記トレース針とバイト22dを交換し、図3に描いた罫書線M、Nに沿って正確に切削していく。
(ボーリング後の計測)
前記工程によってフランジ9に罫書いた線M、Nに沿って確実に切削されているかどうかを、図9に示すように、定規21を切削面9s上の所定の位置に配置し、この定規21と中心Dと先端部Eが、レーザ光線Xの光路と合致するかどうかを確認する。
もし、前記定規21の底辺の中央の点Dと定規21の頂点Eの2点がレーザ光線Xと一致しない場合は、再度ボーリングマシン22で修正ボーリングをしたり、場合によっては手作業で切削面の修正を行う。
(機関などの搭載)
前記のようにしてウォータージェット推進装置WJの据付面であるフランジ9の表面と内径の切削面が正確に切削されていることが確認されたならば、図1に示すように船体1の内部にガスタービン2や減速機3、推進軸4などの一連の装置を搭載する。
その後、図1に示すようにウオータージエット推進装置WJを構成するポンプ装置Pを搭載し、これを前記工程によって加工されたフランジ9面に連結し、固定する。
(従来工法の問題点)
従来技術においては、前記したように推進軸4の軸芯に合わせて投光されるレーザ光線Lの光路と、定規21の姿勢との対応が常時確認できないことに問題がある。
つまり、図3〜5及び図7〜図9を参照して説明した罫書き工程から切削工程、更に仕上げ面の検査構成と、その仕上げ面の修正工程などの一連の工程より理解できるように、レーザ光線Lの光路を、三角定規21の2点で比較して誤差を測定し、その測定値によってボーリングマシン22を据付ける段階、及びこのボーリング掘削機22で被切削面を切削している間でも、そのボーリング掘削機22の軸がレーザ光線Lの光路と狂っていないかどうかを確認することができないことに最大の問題がある。
更に別の問題は、船尾端に固定されたフランジ9を正確に切削加工されたことが確認された後でなければ、ポンプ装置Pなどのウォータージェット装置WJや推進軸4や減速機3やガスタービン2等の機器を船体1内に搭載することができず(各種の作業の邪魔になるので)、これが組立工事の遅れの原因となったのである。
本発明は、前記従来の大型口径を持つ部材の切削方法の欠点を解消した切削方法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するための本発明に係る大口径部材の機械加工方法は、次のように構成されている。
1)原動機で駆動される駆動軸を介して従動装置を駆動する装置において、前記駆動軸の軸芯と、前記従動装置を据付けるためのフランジの中心点との間にレーザ光線を通過させ、更に、前記フランジの表面を加工する工作機械における加工工具を駆動するための主軸に、前記レーザ光線が通過する空間として主軸の中心の穴を形成し、この穴の中をレーザ光線の光路とすることによって前記工作機械の据付姿勢を確認可能とし、この確認結果によって前記加工工具の作業位置を調整することを特徴としている。
2)大口径部材を加工する工作機械の加工工具を駆動する主軸を中空軸とし、原動機で駆動される中空軸に形成した駆動軸の軸心の位置と、フランジで固定される従動装置の前記フランジの中心の位置と、更に、前記工作機械の中空軸に形成した主軸の軸芯にレーザ光線を通過させ、前記駆動軸の軸芯と、フランジの中心点と、工作機械の主軸の軸芯との間の位置を前記レーザ光線を基準どして調整することを特徴としている。
3)前記工作記載の主軸の姿勢を、中空軸に形成した主軸の軸芯を通過するレーザ光線の経路によって確認した後に加工作業を開始し、加工工程の途中においてもレーザ光線によって主軸の状態を確認しながら作業を行うことを特徴としている。
4)また、前記機械加工方法を実施するための装置は次のように構成されている。即ち、原動機で駆動される減速機の出力軸と、前記出力軸に一端か連結され、他端が被駆動装置を据付けるためのフランジの中心と、更に、このフランジを加工するための加工装置の工具を駆動する主軸の軸芯との間をレーザ光線が通過できるように、前記工作機械の主軸を中空軸としたことを特徴としている。
本発明においては、フランジのような大口径の部材を切削する装置、特にボーリング掘削機の切削工具を支持する腕部材の回転の中心となる部材、つまり、主軸を中空軸とし、推進軸などの軸芯Xを確認するために、レーザ光線Lの通路を工作機械の主軸を通過できるように中空軸を採用したことに特徴がある。
つまり、推進軸などの軸芯Xをレーザ光線Lが前記主軸の中央部も通るように構成したので、この主軸の状態、即ち、工作機械の据付位置を確実に確認することが可能となり、フランジ9の支持面の切削前の状態、切削中の状態、更に切削後の被加工面の精度などを正確に確認することかできる。
本発明においては、少なくとも推進軸とこれで駆動されるウォータージェット装置WJを構成するポンプ装置Pの軸を中空軸としている。
特に、フランジ面を加工する加工装置、即ち、ボーリング掘削機30マシンの主軸30b、即ち、切削工具などの工具を支持する軸30dを支持して駆動力を伝達する軸も中空軸に形成することによって、少なくとも推進軸から加工装置の主軸に至る一連の経路に、レーザ光線Lを通過できるように形成し、このレーザ光線Lの経路を基準線として推進軸やポンプ装置Pの軸、更にボーリング掘削機30等の工作機械の主軸30bに至るまでの一連の部材の軸芯Xを保持できるように構成する。
そして、このレーザ光線Lを基準として各部の軸系の誤差を正確に確認し、この誤差を簡単に、しかも正確に補正することによって、ウォータージェット推進装置WJを構成するポンプ装置Pを据付けるための支持面Fであるフランジ9の面を正確に切削し、これらの各装置を正確に組立てるものである。
好ましい態様においては、全ての軸系、例えば、原動機から減速機、そして推進軸、ポンプ軸、更に加工機械の主軸に至るまでの全ての軸を中空軸に形成し、この中空軸の中を基準線であるレーザ光線Lを通過させ、このレーザ光線Lと各軸との間の誤差を確認することによって切削すべき面を正確に加工することができるのである。
次に、船舶の船体の建造から推進装置の据付けまでの一連の工程について、具体的に説明する。
(1)船体の建造
本発明においては、船体の溶接組立後に、高精度が要求されるウォータージェット推進装置WJの据付部の精度確保のためにボーリング加工を行う。
(2)軸系の機械加工
本発明においては、ウォータージェット推進装置WJを駆動する推進軸などの軸系を中空軸とする。
好ましい実施の形態においては、減速機3の軸からウォータージェット推進装置WJの駆動軸に至るまでの各機器の軸系を全て中空軸とする。
各機器とは、ウォータージェット推進装置WJの推進軸(図1におけるインペラ軸4)やスラスト軸、中間軸、更に減速機3の出力軸までを意味する。しかし、原動機であるガスタービンエンジンの場合は中空軸を採用できない場合があるので、前記推進軸などの延長方向に軸芯見通し用穴を加工しておくことになる。
このように一連の軸系を中空にすることにより、機関などを据付けた後に見通し用レーザ光線Lを機器内に通せるようにして回転部分がレーザ光線Lに合わせて容易に直線状に調整できることである。
特に本発明においては、図6に示すようにウォータージェット推進装置WJの据付部である図2に示すフランジ9を加工するためのボーリング掘削機30の主軸30bも中空軸としておくことによってレーザ光線Lをこの主軸30bの軸芯Xを通過できるようにしておく。
(軸系の寸法などの注意事項)
高い据付精度が要求されるウォータージェット推進装置WJの据付部であるフランジ9(拡大短管10の後縁部)には、軸芯Xに対する芯振れの加工代として図面寸法より約5%小さめの内径を採用する。また、面振れに対する加工代として取付部であるフランジ9の板厚を、図面寸法より約10%厚めにしておく。
前記のように船舶に搭載する機器(タービンエンジンなどの機関や減速機を含む機器まで、あるいは減速機よりウォータージェット推進装置までの一連のの軸系の全部、あるいは推進装置に関係する軸の最小限のもの、及び特にウォータージェット推進装置の据付部を加工するボーリング掘削機30の主軸30bを中空軸としておく。
(3)船体1の組立てが完了したら、軸芯の「仮見通作業」を行なって、船体中心線を義準として軸芯を決定する。そしてウォータージェット推進装置WJを除いて、各機器の据付位置を決定する。
後部基準点と前部基準点の位置決めを行ない、レーザートランジット20を据付け、拡大管短10(インペラチャンバ)の据付部傾斜度及び中心位置罫書など一連の装置の軸芯Xの位置をレーザ光線Lによって確認する。
軸芯仮見通しの目的は、ガスタービンエンクロージャの前後、左右据付位置の決定、減速機の据付位置の決定、スラスト軸受及び中間軸の据付位置決定、ウォータージェット推進装置WJのボーシリング中心位置の確認である。
(4)ガスタービンエンジン2や減速機3や軸系装置4などの各機器を船体内へ搭載し、所定の位置へ据付ける。
この重量物を船体1の内部に搭載し、そして各機器を所定の位置に固定することによって船体1に当然発生する変位を発生させることで、後の工程における変位の発生を防止する。
(5)機関室上部の船体構造の組立を行う。
(6)前記(4),(5)の各工程中にはレーザ光源20よりレーザ光線Lを投射して船体の変位量を計測する。
(7)ボーリング掘削機の据付け
前記のようにして軸芯本見通しを行い、レーザ光線L(軸芯)を基準としてボーリング掘削機30(図6)の据付けを行う。
(8)ボーリング作業開始前の準備
ボーリング作業開の始前には、レーザ光源20より投射されるレーザ光線Lを基準にして据付けたボーリング掘削機30の姿勢の検査と調整する。また、バイト取付面にダイヤルゲージを取り付け、このダイヤルゲージを被加工面の上を移動させて被加工面の面振れや芯振れを計測し、この誤差が加工代の範囲内であることを確認する。
(9)ボーリング作業
前記のようにボーリング掘削機30が所定の作業位置に正確に据付けられたことを確認したならば、ボーリング作業を開始する。
そして掘削作業中にも常にレーザ光線Lがボーリング掘削機30の主軸30bの中空穴30cの中心を通過しているか否か、また、ボーリング掘削機30が所定の位置、所定の姿勢を保持しているかどうかを監視する。
(10)ボーリング掘削作業後の検査
ボーリング掘削作業後、再びボーリング掘削機30のバイト取付面にダイヤルゲージを取付け、加工面に沿ってこのダイヤルゲージを移動させて芯振れを計測する。この計測によりレーザ光線Lが通過している軸芯Xとの関係、特に誤差の量を検査し、切削面が軸芯Xに対して回転面内で直交していることを確認する。
前記のように、ボーリング掘削機30などの工作機械の主軸を中空軸とすることによって、中空軸内をレーザ光線Lを通過させ、主軸30bに支持される部材(工作腕)に固定された加工工具(バイト)の運動面、即ち切削面を確認することができ、軸芯Xに対して直交する加工面(フランジ9の固定面)を正確に加工することができる。
本発明の実施例に係るアルミ合金製船体内の駆動装置を示す図である。 ウォータージェット推進装置を持つ船体の要部を示す断面図である。 被加工面の切削量の計測方法を示す説明図である。 被加工面の切削量の計測方法を示す説明図である。 被加工面の切削量の計測方法を示す説明図である。 ウォータージェット推進装置をボーリング加工する説明図である。 従来の被加工面の計測方法の説明図である。 従来の被加工面の切削方法の説明図である。 従来の被加工面の計測方法の説明図である。
符号の説明
WJ ウォータージェット推進装置 P ポンプ装置 g 間隙
C フランジの軸芯 F フランジの接合面 M、N 罫書線
L レーザ光線
X 中心線
1 船体 2 ガスタービンエンジン 3 減速機 4 推進軸
5 導水管 5a ノズル 6 インペラ 6a 羽根
9 フランジ
10 拡大短管 10a 傾斜壁面 11 縮小短管 20 レーザ光源 21 直角定規 22 ボーリング掘削機

Claims (5)

  1. 原動機で駆動される駆動軸を介して従動装置を駆動する装置において、
    前記駆動軸の軸芯と、前記従動装置を据付けるためのフランジの中心点との間にレーザ光線を通過させ、前記フランジの表面を加工する工作機械における加工工具を駆動するための主軸に、前記レーザ光線が通過する空間を形成し、前記レーザ光線の光路を基準として前記工作機械の据付姿勢を補正し、前記加工工具の作業位置を調整することを特徴とする大口径部材の機械加工方法。
  2. 大口径部材を加工する工作機械の加工工具を駆動する主軸を中空軸とし、
    原動機で駆動される中空軸に形成した駆動軸の軸芯の位置と、フランジで固定される従動装置の前記フランジの中心の位置と、更に、前記工作機械の中空軸に形成した主軸の軸芯にレーザ光線を通過させ、前記駆動軸の軸芯と、フランジの中心点と、工作機械の主軸の軸芯との間の位置を前記レーザ光線を基準として調整することを特徴とする請求項1記載の大口径部材の機械加工方法。
  3. 前記工作記載の主軸の姿勢を、中空軸に形成した主軸の軸芯を通過するレーザ光線の経路によって確認した後に加工作業を開始し、加工工程の途中においてもレーザ光線によって主軸の状態を確認しながら作業を行うことを特徴とする請求項1あるいは2記載の大口径部材の機械加工方法。
  4. 原動機で駆動される減速機の出力軸と、前記出力軸に一端か連結され、他端が被駆動装置を据付けるためのフランジの中心と、更に、このフランジを加工するための加工装置の工具を駆動する主軸の軸芯との間をレーザ光線が通過できるように、前記工作機械の主軸を中空軸としたことを特徴とする大口径部材の機械加工装置。
  5. 前記加工装置が大口径の部材を切削などの加工を行うボーリング装置であることを特徴とする請求項4に記載の大口径部材の機械加工装置。
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