JP2007268432A - 樹脂皮膜鋼板製造方法及び樹脂皮膜鋼板 - Google Patents
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Abstract
【課題】撥水剤の持つ防汚機能を維持しつつ、粘着材やシール材、接着材等の密着性を向上させた樹脂皮膜鋼板製造方法及び樹脂皮膜鋼板を提供する。
【解決手段】樹脂基材層の一面に撥水層を形成し、上記樹脂基材層の反対の一面に鋼板を形成する樹脂皮膜鋼板製造方法において、溶剤中に撥水剤を入れた撥水溶液に熱分解する発泡剤を混入する発泡剤混入工程と、上記基材層の一面に上記撥水溶液を塗工する塗工工程と、上記撥水溶液を上記樹脂基材層に上記撥水層として定着させるべく加熱する第1加熱工程と、定着した上記撥水層を上記第1加熱工程よりも高温で加熱する第2加熱工程とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】樹脂基材層の一面に撥水層を形成し、上記樹脂基材層の反対の一面に鋼板を形成する樹脂皮膜鋼板製造方法において、溶剤中に撥水剤を入れた撥水溶液に熱分解する発泡剤を混入する発泡剤混入工程と、上記基材層の一面に上記撥水溶液を塗工する塗工工程と、上記撥水溶液を上記樹脂基材層に上記撥水層として定着させるべく加熱する第1加熱工程と、定着した上記撥水層を上記第1加熱工程よりも高温で加熱する第2加熱工程とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、樹脂皮膜鋼板及び樹脂皮膜鋼板製造方法に係り、特に防汚性を有する樹脂皮膜鋼板及び樹脂皮膜鋼板製造方法に関する。
浴室ユニット等の壁面を構成する壁パネルとして、室内側の表面を化粧鋼板等で、また、室外側の裏面材を鋼板等で形成し、両者を、両側縁部を除いてプラスターボード、石綿、グラスウール等の芯材53に貼着して一体化されるタイプのものが広く行われている。
この室内側表面は、飛散するシャワー水や湯垢等で汚れ易く、また、シャンプー、石鹸、入浴剤等の薬品も付着することから、防汚性、耐薬品性を有することが望まれる。
この点、シリコーン化合物等の撥水性を有する材料は、優れた撥水性、耐薬品性を有するものが多く、これを化粧鋼板の皮膜層に用いることができれば好適である。
現に、シリコーン化合物が有する優れた撥水性、耐薬品性等を利用して、金属体に粉体塗装による樹脂塗膜を形成し、該樹脂塗膜上にシリコーン化合物を主成分とする皮膜層を形成してなる塗装金属体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−254492号公報
しかしながら、このような撥水剤を表面に施して、防汚性能を高めたとしても、この撥水層は、表面にテープ等の粘着材や、コーキング材に代表されるシール材、又は使用上の注意等器具や家財、人体の保護を記載したラベルなどの接着材等何らかの接着が必要な場合に、これらが接着し難い、これらが剥がれ易く、接着状態を維持し難い場合がある。或いは、最初は接着していたとしても、時間の経過と共に接着力が低下し、接着部が剥れたり、浮き等が発生したりする場合もある。
特に浴室ユニットの壁パネルのような水周り部材として使用する際は、水に代表される液体の侵入を防ぐことを目的としたシール材が接着し難い、剥がれるということにより液体漏れが発生し、濡れては困る部材が濡れて使えなくなるということは致命的な問題となる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、撥水剤の持つ防汚機能を維持しつつ、粘着材やシール材、接着材等の密着性を向上させた樹脂皮膜鋼板及び樹脂皮膜鋼板製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る樹脂皮膜鋼板製造方法は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、樹脂基材層の一面に撥水層を形成し、上記樹脂基材層の反対の一面に鋼板を形成する樹脂皮膜鋼板製造方法において、溶剤中に撥水剤を入れた撥水溶液に熱分解する発泡剤を混入する発泡剤混入工程と、上記基材層の一面に上記撥水溶液を塗工する塗工工程と、上記撥水溶液を上記樹脂基材層に上記撥水層として定着させるべく加熱する第1加熱工程と、定着した上記撥水層を上記第1加熱工程よりも高温で加熱する第2加熱工程とを備えるものである。
また、上述した課題を解決するために、請求項2に係る樹脂皮膜鋼板製造方法は、樹脂基材層の一面に撥水層を形成し、上記樹脂基材層の反対の一面に鋼板を形成する樹脂皮膜鋼板製造方法において、上記基材層の一面に溶剤中に撥水剤を入れた撥水溶液を塗工する塗工工程と、塗工された上記撥水溶液の表面に熱分解する発泡剤を配置する気泡配置工程と、上記撥水溶液を上記樹脂基材層に上記撥水層として定着させるべく加熱する第1加熱工程と、定着した上記撥水層を上記第1加熱工程よりも高温で加熱する第2加熱工程とを備えるものである。
他方、上述した課題を解決するために、請求項3に係る樹脂皮膜鋼板は、上述した請求項1〜3のいずれかに記載の方法によって製造されたものである。
本発明に係る樹脂皮膜鋼板及び樹脂皮膜鋼板製造方法によれば、撥水剤の持つ防汚機能を維持しつつ、粘着材やシール材、接着材等の密着性を向上させることができる。
本発明に係る樹脂皮膜鋼板製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る樹脂皮膜鋼板製造方法により製造された樹脂皮膜鋼板1の断面図である。この実施形態に示された樹脂皮膜鋼板1は、鋼板2、第1樹脂層4、化粧層6、第2樹脂層7、撥水層8、及び鋼板2と第1樹脂層4とを接着する第1接着層3、化粧層6が施された第2樹脂層7と第1樹脂層4とを接着する第2接着層とから成り、撥水層8の表面には保護膜9が貼着される。
鋼板2は、例えば厚さ450μm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板が用いられる。
第1樹脂層4は、熱可塑性樹脂、例えば、厚さ75〜80μmのポリエステルフィルムであり、下地の鋼板2の色を隠蔽するため着色される場合もある。
第1樹脂層4を鋼板2にラミネートする第1接着層3に用いられる接着剤は、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等一般的に使用される熱硬化型接着剤であり、これが鋼板2に塗布される。
第2樹脂層7は、熱可塑性樹脂であり、撥水層8を塗工した後の乾燥工程における乾燥熱に耐える必要があるので、2軸延伸された、厚さ25〜50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)により形成されることが多い。これを50μmのPETと25μmのPETとの2層に構成してもよい。
化粧層6は、樹脂皮膜鋼板1の表面に柄模様等を付与して意匠性を高めるものであり、第2樹脂層7の裏面に、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等により印刷される。
第2樹脂層7及び撥水層8は透明に形成され、第1樹脂層4が着色されている場合、化粧層6に印刷された柄等が下地の鋼板2の色に影響されることなく表面からそのままの色で見ることができるので、意匠向上につながり、樹脂皮膜鋼板の用途が広がる。
第1樹脂層4と化粧層6が印刷された第2樹脂層7とのダブリングに用いられ第2接着層5を形成する接着剤は、ポリエステル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等一般的に使用される熱硬化型接着剤であり、これが第1樹脂層4に塗布される。
ここで、化粧層6が施された第2樹脂層7と第1樹脂層4とを第2接着層5で接着されたものをダブリングシート15といい、ダブリングシート15に撥水層8が定着されたものを樹脂基材シート10という。鋼板2の上に樹脂基材シート10をラミネートすることにより、鋼板2の腐食が防止される。
撥水層8は、シリコーン樹脂化合物が多く用いられる。撥水層8は、シリコーン樹脂化合物の水に対する接触角が100°以上であることが望ましい。接触角が100°未満である場合は、汚染成分によっては充分な耐汚染性が発揮できない場合があるからである。
撥水層8の厚さは、0.01〜10.0μmが好ましく、より好適には、0.05〜5μmであることが望ましい。シリコーン樹脂化合物の厚さが0.01μm未満の場合は、表面特性である耐汚染性、耐油性の改良効果が見られず、塗工が全体に行き渡らず孔があいてしまうときがあるからである。一方、10.0μmを超える場合は、フィルムがブロッキングを起こすという問題が発生する。
撥水層8で用いられるシリコーン樹脂化合物の代表例として、熱硬化型シリコーン樹脂化合物があげられる。熱硬化型シリコーンは、少なくとも炭素−炭素二重結合を一個以上有するアルキルシロサキンと、少なくともケイ素−水素結合を一個以上有するアルキルシロキサンで構成される混合物から、これをそのまま若しくは溶剤に希釈し樹脂基材シート10の一方の面に塗布し、熱硬化することで撥水層8のシリコーン樹脂化合物が形成される。
これらのシリコーン樹脂は広く一般に販売されているものを用いることができる。また、撥水機能、防汚機能を有するものであれば、例えばフッ素化合物等であってもよく、シリコーン樹脂化合物に限定されるものではない。
撥水層8は、平滑な表面に多数の微細凹窩が形成されている。この平滑な表面により、撥水層本来の撥水性、防汚性が維持されるとともに、多数の微細凹窩が、接着剤やシール材に対してアンカー効果を奏し、接着性が高められる。
したがって、人身保護や家財保護の方法を記載した注意ラベルの裏面の接着剤、漏水を防止するコーキング材といったシール材が剥離しにくくなりより安全が確保できる。
保護膜9は、厚さ100μm程度のPP(ポリプロピレン)シートであり、樹脂皮膜鋼板1が搬送される際、或いは壁パネルとして加工され、現場に取り付けられるまでの間、樹脂皮膜鋼板1の表面を保護する養生材であって、樹脂皮膜鋼板1を構成するものではない。
本実施の形態に係る樹脂皮膜鋼板1は上記のように構成されており、以下その製造方法について、図2に示す製造工程のフローチャートを参照して説明する。
まず、印刷メーカーにより、第2樹脂層7に印刷が施され、化粧層6が形成される(ステップS1)。この印刷は、上述したように、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等公知の印刷方法で行われる。
化粧層6が付加された第2樹脂層7は、ラミネートメーカーにより、第1樹脂層4とダブリングされる(ステップS2)。ダブリングは、図3(a)に示すように、第1樹脂層4が巻き取られる間に、第2接着層5なる接着剤5aが塗布され、塗布された面に第2樹脂層7が貼着されるもので、ローラー11によりダブリングシート15が形成される。ダブリングシート15は、図3(b)に示すように、第2接着層5を設けることなく、加熱炉12による熱融着によって形成されてもよい。
ダブリングシート15の撥水層8を形成させる面には、シリコーン樹脂化合物のダブリングシート15への密着性を向上させるために、コロナ放電処理、フレーム(火焔)処理等の表面処理が施される(ステップS3)。
そして、コロナ処理後、40℃24時間程度のエージングが施される(ステップS4)。
次に、塗工メーカーにより、撥水剤が塗工される(ステップS5)。この撥水剤塗工は、図4に示すように、ダブリングシート15を巻き取りながら、第2樹脂層7側表面に撥水溶液8aをローラー11で塗工し、乾燥炉13に入れて、ダブリングシート15上に撥水層8を形成することにより樹脂基材シート10を成す。
撥水溶液8aは、溶剤としてトルエンを使用し、シリコーンが含まれた撥水剤の分散を行うものであるが、撥水剤の溶剤としての役割を果たすものであれば、トルエンに限定されるものではない。また、撥水剤原液が塗工可能であれば、溶剤は不要である。
撥水溶液8a中にはまた、特定の温度で熱分解する発泡剤8bが混入されている。この発泡剤8bは、図5(a)に示すように、撥水溶液8aをダブリングシート15に塗工する前に、撥水溶液8aに混入し、攪拌機16で攪拌、分散されている(以下、この方法を「攪拌法」という。)。
発泡剤8bは、或いは、図5(b)に示すように、撥水溶液8aをダブリングシート15に塗工した後に、撥水剤の表面に適度な凹みができるように撒布してもよい(以下、この方法を「撒布法」という。)。撒布法によれば、撥水層8内部に発泡剤が内包されず、表面にのみ分散するので、少ない発泡剤を効率よく使用することができる。
撥水溶剤8aを塗工したダブリングシート15を乾燥炉13に入れることにより、撥水剤の硬化及び溶剤の蒸発が促進される。乾燥炉13には、撥水溶液8aがシリコーン化合物をトルエンに分散させたものである場合、乾燥炉13が120℃程度の主要温度で約30秒入れることが好ましい。他の材料からなる撥水溶液を用いる場合、この乾燥炉13に入れる温度及び時間は、材質や条件に応じて決めていく。
ここで重要なのは、発泡剤8bの熱分解温度である。図6に示すように、熱分解温度が撥水剤の乾燥温度近辺の場合、撥水溶液8aが硬化し撥水層8になる過程、つまり撥水溶液8aが硬化しないうちに熱分解が始まるため、撥水層8が形成されるころになると、発泡剤8bは、大きく発泡し、撥水層8表面に凹窩が生じる。この凹窩8cは、必要以上に大きくなったり、また、撥水層8の深部にある発泡剤8bまで破裂して、不必要に多数の凹窩が発生したりすることもあって、撥水層8表面の平滑さが損なわれ、撥水性が低下する虞がある。
したがって、撥水層8の形成のため、撥水剤を分散させていた溶剤を蒸発させ、撥水剤を硬化させるだけの温度とし、また、熱分解温度がこれより高い発泡剤8bを採用することでこのような不都合が回避され、また、撥水層8形成の時間の効率化にも繋がる。
この乾燥炉13による加熱は、本発明の第1加熱工程を構成し、これにより、十分な撥水機能を得ることができる。
撥水剤塗工後、樹脂基材シート10を約40℃で48時間のエージングを行う(ステップS6)。
その後、樹脂基材シート10を常温状態に置く(ステップS7)。これにより、撥水層8の安定性を増すことができ、撥水性能が高まるものの、この時点では、人身保護や家財保護のための注意書きを記したラベルの粘着材や、漏水防止を目的としたコーキング材や接着剤といったシール材は、殆ど接着しない。例え接着したとしても、簡単に剥離するとか、経年変化で剥離するといった状態になっている。
なお、常温工程としては、意図的に常温状態に放置するものの外、例えば、次のステップを行うメーカーまでの搬送時間等も考慮してよい。
常温工程を経た後、樹脂基材シート10を、鋼板2にラミネートする(ステップS8)。この鋼板ラミネートは、図7に示すように、まず、鋼板2にリバースコート、キスコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用して、樹脂基材シート10を貼り合わせる鋼板2の一面に、厚さ2〜10μm程度となるように、接着剤3aを塗布する。
そして、赤外線ヒーター及び/又は熱風加熱炉からなる加熱炉14により塗布面の乾燥加熱を行い、直ちにラミネータを用いて樹脂基材シート10を被覆、冷却することにより樹脂皮膜鋼板1を得る。
樹脂基材シート10の融点は、凡そ260℃程度なので、鋼板2の表面温度がこれより低い190℃〜250℃程度の温度になるように、加熱炉14の主要温度を設定する。時間をかけ過ぎると、撥水層8の撥水性能が劣化し、防汚性能に影響するため、主要温度は1分以内とすることが好ましい。
そして、発泡剤8bも、熱分解温度がこの程度のものを採用する。撥水剤塗工工程後の乾燥炉13の主要温度より高温で加熱した場合、この段階では撥水層8の硬化は既にほとんど完了しているが、表面近くの発泡剤8bは発泡圧力により表面に凹窩8cをつくる。しかし、撥水層8深部では、発泡剤8bの周囲が硬化した撥水剤に覆われているため、深部の発泡剤8bの発泡は抑えられて大きく発泡することは希となり、必要以上に凹窩8cが発生することもない。
攪拌法では、図8(a)に示すように、撥水剤塗工後では、発泡剤8bの熱分解温度に達していないので、発泡剤8bは、撥水層8に内包されている。それが、鋼板ラミネート時には、発泡剤8bの熱分解温度に達しているので、泡剤8bのうち、図8(b)に示すように、撥水層8表面近傍の発泡剤8bのみが発泡して凹窩8cを形成し、撥水層8の残った表面は平滑さを保つ。
また、撒布法でも、図9(a)に示すように、撥水剤塗工後では、発泡剤8bの熱分解温度に達していないので、発泡剤8bは撥水層8の表面に残る。それが、鋼板ラミネート時には、発泡剤8bの熱分解温度に達しているので、図9(b)に示すように、撥水層8表面近傍に散在する発泡剤8bが発泡して凹窩8cを形成し、撥水層8の残った表面は平滑さを保つ。
そして、撥水層8の平滑な表面により、撥水層8本来の撥水性、防汚性が維持されるとともに、多数の凹窩8cが、接着剤やシール材に対してアンカー効果を奏し、接着性が高められる。
したがって、人身保護や家財保護の方法を記載した注意ラベル、漏水を防止するコーキング材、接着剤といったシール材が剥離しにくくなりより安全が確保できる。
この鋼板ラミネート工程は、撥水層8を有しない通常の化粧鋼板等においても行われる工程であり、この工程を利用して、撥水層の表面の一部に凹窩8cを形成している。したがって、凹窩形成工程を新たに設ける必要がなく、また、特別な製造工程にする必要もなく経済的である。
この加熱炉14による加熱は、本発明の第2加熱工程を構成し、このように、本発明に係る樹脂皮膜鋼板製造方法は、撥水層8をダブリングシート15に定着させる第1の加熱工程と、定着した撥水層8の表面に凹窩8cを形成させる第2の加熱工程とを備える。
しかしながら、第2の加熱工程は、上述したように、撥水層8を設けない一般の鋼板ラミネート工程においても行われるものであり、したがって、撥水層8を付加するために追加される工程は、実質上、第1加熱工程のみである。他方、撥水層8に2回以上の加熱工程を加えるので、撥水層8の硬化をより完全に行うことができるというメリットがある。
こうして完成した樹脂皮膜鋼板1は、表面を保護する保護膜が貼付されて(ステップS9)、パネルメーカーに搬送され、そこにおいて必要な大きさに切断され、端部に折り返しが設けられ、プラスターボード等の芯材に裏打ちされてパネルに成形される(ステップS10)。
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
例えば、本実施形態では、撥水層8の塗工に先だって、第1樹脂層4に第2樹脂層7を接着させるダブリングを行っているが、この順序に限らず、図10に示すように、第2樹脂層7に撥水層8を塗工した後(ステップS14)に、ダブリングを行ってもよい(ステップS17)。またこの場合、常温工程を、ダブリングの後に設けてもよい(ステップS16参照。)。
1 樹脂皮膜鋼板
2 鋼板
3 第1接着層
4 第1樹脂層
5 第2接着層
6 化粧層
7 第2樹脂層
8 撥水層
8a 撥水剤
8b 発泡剤
8c 凹窩
9 保護膜
10 樹脂基材シート
15 ダブリングシート
2 鋼板
3 第1接着層
4 第1樹脂層
5 第2接着層
6 化粧層
7 第2樹脂層
8 撥水層
8a 撥水剤
8b 発泡剤
8c 凹窩
9 保護膜
10 樹脂基材シート
15 ダブリングシート
Claims (3)
- 樹脂基材層の一面に撥水層を形成し、上記樹脂基材層の反対の一面に鋼板を形成する樹脂皮膜鋼板製造方法において、
溶剤中に撥水剤を入れた撥水溶液に熱分解する発泡剤を混入する発泡剤混入工程と、
上記基材層の一面に上記撥水溶液を塗工する塗工工程と、
上記撥水溶液を上記樹脂基材層に上記撥水層として定着させるべく加熱する第1加熱工程と、
定着した上記撥水層を上記第1加熱工程よりも高温で加熱する第2加熱工程と、
を備えることを特徴とする樹脂皮膜鋼板製造方法。 - 樹脂基材層の一面に撥水層を形成し、上記樹脂基材層の反対の一面に鋼板を形成する樹脂皮膜鋼板製造方法において、
上記基材層の一面に溶剤中に撥水剤を入れた撥水溶液を塗工する塗工工程と、
塗工された上記撥水溶液の表面に熱分解する発泡剤を配置する気泡配置工程と、
上記撥水溶液を上記樹脂基材層に上記撥水層として定着させるべく加熱する第1加熱工程と、
定着した上記撥水層を上記第1加熱工程よりも高温で加熱する第2加熱工程と、
を備えることを特徴とする樹脂皮膜鋼板製造方法。 - 請求項1及び2のいずれかに記載の方法によって製造されたことを特徴とする樹脂皮膜鋼板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006097991A JP2007268432A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 樹脂皮膜鋼板製造方法及び樹脂皮膜鋼板 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006097991A patent/JP2007268432A/ja active Pending
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