JP2007264640A - 表示パネルの製造方法 - Google Patents

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Noriaki Okada
訓明 岡田
Hiroshi Nakanishi
浩 中西
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Abstract

【課題】 正面輝度を低下させることなく、視野角を拡大することができる非自発光型表示装置を提供する。
【解決手段】画素形成パネルの一方の面に、カラーフィルタを透過する光の波長が感光波長である光硬化性樹脂層9を形成する工程と、カラーフィルタと開口部とを透過した光によって光硬化性樹脂層9を部分的に硬化させる露光工程と、露光工程後に、光硬化性樹脂層9の未硬化部分を除去することによってマイクロレンズを形成する現像工程とを含み、露光工程において光硬化性樹脂層9の一部の領域における露光量を一定にすることによりレンズ頂上部に平坦部を有するマイクロレンズを形成する。
【選択図】図9

Description

本発明は、非自発光型の表示パネルの製造方法に関するものであり、特に、光利用効率を向上させるためのマイクロレンズアレイを備えた表示パネルの製造方法に関する。
近年、モニター、プロジェクタ、携帯情報端末、携帯電話などにおける表示装置として、非自発光型の表示装置である液晶表示装置が広く利用されている。液晶表示装置に代表される非自発光型の表示装置は、一般に、表示パネルの透過率(又は反射率)を駆動信号によって変化させ、表示パネルに照射される光源からの光の強度を変調して画像や文字を表示する。このような表示装置には、表示パネルに表示された画像などを直接観察する直視型表示装置や、表示パネルに表示された画像等を投影レンズによってスクリーン上に拡大投影する投影型表示装置(プロジェクタ)などがある。なお、液晶表示装置以外の非自発光型の表示装置としては、エレクトロクロミック表示装置、電気泳動型表示装置、トナー表示装置、PLZT表示装置などが知られている。
液晶表示装置は、マトリクス状に規則的に配列された画素に画像信号に対応した駆動電圧をそれぞれ印加することによって、各画素における液晶層の光学特性を変化させ、画像や文字などを表示する。各画素に独立した駆動電圧を印加する方式としては、単純マトリクス方式と、アクティブマトリクス方式とがある。このうち、アクティブマトリクス方式の液晶表示パネルには、スイッチング素子と画素電極に駆動電圧を供給するための配線とを設ける必要がある。スイッチング素子としては、MIM(金属−絶縁体−金属)素子などの非線形2端子素子やTFT(薄膜トランジスタ)素子等の3端子素子が用いられている。
ところで、アクティブマトリクス方式の液晶表示装置では、表示パネルに設けたスイッチング素子(特にTFT)に強い光が入射すると、OFF状態における素子抵抗が下がり、電圧印加時に絵素容量に充電された電荷が放電され、所定の表示状態が得られないため、黒状態でも光が漏れてコントラスト比が低下するという問題がある。
そこで、アクティブマトリクス方式の液晶表示パネルでは、例えば、TFT(特にチャネル領域)に光が入射するのを防止するために、TFTや画素電極が設けられたTFT基板や、TFT基板に対して液晶層を介して対向する対向基板に、遮光層(ブラックマトリクスと称される)が設けられる。
ここで、液晶表示装置が反射型液晶表示装置である場合には、反射電極を遮光層として用いれば、有効画素面積が低下することがない。しかしながら、透過光を利用して表示を行う液晶表示装置においては、光を透過しないTFT、ゲートバスラインおよびソースバスラインに加えて遮光層を設けることによって有効画素面積が低下し、表示領域の全面積に対する有効画素面積の比率、すなわち開口率が低下する。
なお、液晶表示パネルの高精細化、小型化が進むに連れてこの傾向は顕著になる。これは、画素のピッチを小さくしても、TFTやバスラインなどは、電気的性能や製造技術等の制約からある程度の大きさよりも小さくすることができないからである。
特に、近年、携帯電話などモバイル機器の表示装置として、暗い照明下では液晶表示パネルを透過するバックライトの光を利用して表示を行い、明るい照明下では液晶表示パネルの周囲から表示面に入射された光を反射することによって表示を行う、半透過型の液晶表示装置が普及している。半透過型液晶表示装置では、個々の画素に反射モードで表示する領域(反射領域)と透過モードで表示する領域(透過領域)とを有しているので、画素ピッチを小さくすることによって、表示領域の全面積に対する透過領域の面積の比率(透過領域の開口率)が著しく低下する。このため、半透過型液晶表示装置は、周囲の明るさに拘らず、コントラスト比の高い表示を実現できるという利点があるが、透過領域の開口率が小さくなると、輝度が低下するという問題があった。
そこで、半透過型液晶表示装置において、光利用効率を改善するための一つの方法として、液晶表示パネルに、個々の画素に光を集光するマイクロレンズを設け、液晶表示パネルの実効的な開口率を向上させる方法が、特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、液晶ディスプレイにおいて、正面輝度を低下させることなく、視野角を拡大するための技術が記載されている。図13(b)は、特許文献2に開示されている液晶ディスプレイの構成を示す断面図である。この図に示すように、特許文献2の液晶ディスプレイは、TN液晶セル42の観察者側に視野拡大フィルム41、偏光板43が順次配置され、TN液晶セル42の後面に偏光板43、バックライト44が順次配設されている。
図13(a)は、特許文献2の液晶ディスプレイに備えられる視野拡大フィルム41の断面形状を示す断面図である。この図に示すように、視野拡大フィルム41は、上面平坦部bと斜面曲線部cとからなる複数の凸状部dが、平面部aを介して配列されてなる。
特許文献2の構成では、平面部aおよび上面平坦部bを通過する光線は正面に透過するが、斜面曲線部cを通過する光線は曲げられて出射されるため、視野拡大の効果が得られる。つまり、視野拡大フィルム41では、基材上に凸状部dと平面部aとが交互に形成されているので、平面部aでは光線が曲がることなく正面に透過し、凸状部dでは光線が曲げられて出射されるので、視野拡大効果を有する。このため、液晶ディスプレイにおける画面正面の画像が薄暗くなることなく、画面上下方向の視野が拡大し、画面を斜め方向から見たときの階調反転を防止することができる。
ところで、投影型装置に用いられる液晶パネルは、取れ数を多くするためにパネルサイズが対角1インチ程度と小さく、開口率も50%程度と小さい。しかしながら、画素の一部を占める配線部の面積は、画素サイズによらず一定であるため、投影型装置用の液晶パネルでは、光利用効率を高めることが必要であり、マイクロレンズアレイを設けて効率を向上させる技術が古くから導入されている。例えば、特許文献3には、2層のマイクロレンズアレイを設けることによって、光利用効率向上を図った投影型液晶表示装置が記載されている。
特開平11−109417号公報(公開日:1999年4月23日) 特開平9−49925号公報(公開日:1997年2月18日) 特開2003−294912号公報(公開日:2003年10月15日) 特開2003−35824号公報(公開日:2003年2月7日) 特表平8−511129号公報(公開日:1996年11月19日) IDW’02 「Viewing Angle Control using Optical Microstructures on Light-Guide Platefor Illumination System of Mobile Transmissive LCD Module 」,K.KALANTAR,p549-552 M.Shinohara et al. ,Optical Society of American Annual Meeting Conference Program,Vol.10,p.189,1998
しかしながら、特許文献1の技術では、液晶表示装置の表示は暗くなり、視認性が低下するという問題がある。つまり、特許文献1の技術では、レンズ形状が球面状のマイクロレンズを用いている。この場合、バックライトから出射されてマイクロレンズに入射され、液晶パネルの表示面に対して垂直方向に出射される光は、マイクロレンズの頂点付近(傾斜角0°)に入射した光だけになるので、液晶パネルの正面輝度が低下する。したがって、液晶表示装置の表示は暗くなり、視認性が低下する。また、より指向性の高いバックライトを用いることにより、正面輝度を高くすることができるが、そうすると視野角が狭くなってしまう。
また、特許文献2に記載されている技術では、視野拡大フィルム41内の残存複屈折によって画像のコントラスト低下が引き起こされるという問題がある。つまり、特許文献2に記載されている視野拡大フィルム41は、凸状部dと凸状部dとの間に平面部aが備えられている。この場合、平面部aを通る光線と凸状部dにおける上面平坦部bを通る光線の光路長が異なるので、視野拡大フィルム41内の残存複屈折によって画像のコントラスト低下が引き起こされる。
また、視野拡大フィルム41は、TN液晶セル42の観察者側に装着されるが、TN液晶セル42・42間のピッチと、視野拡大フィルム41における凸状部dのピッチとのずれにより、顕著なモアレが発生するという問題がある。
モアレを軽減するためには、視野拡大フィルム41の凸状部dのピッチをTN液晶セル42の1画素より小さくするか、液晶セルの2〜3画素程度の大きさにするなどの方法がとられる。また、凸状部dのピッチがTN液晶セル42の1画素より小さい場合には、1画素の大きさが凸状部dのピッチの整数倍にならないようにするか、整数倍になる場合には5倍以上とするなどの対策がとられる。
しかしながら、これらの対策を施しても、モアレ対策としては不十分であり、視野拡大フィルム41とTN液晶セル42間に間隙を設けるなどの対策がさらに必要になる場合がある。この場合、表示パネルの厚みが増してしまうという問題がある。
また、特許文献3の技術では、1層目のマイクロレンズアレイを用いて2層目のマイクロレンズアレイを作製しており、2層目のマイクロレンズの形状均一性が1層目のマイクロレンズの形状均一性に大きく依存する。このため、2層のマイクロレンズにおける形状均一性を実現することが難しい。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、正面輝度が高く、視野角が広い非自発光型の表示装置の製造方法を提供することにある。
発明の表示パネルの製造方法は、上記の課題を解決するために、表示のための光を供給するバックライトと、画素および上記バックライトから出射された光を遮光する遮光部および上記バックライトから出射された光を透過する開口部およびカラーフィルタを含む画素形成パネルと、上記バックライトから出射された光を上記開口部に集光する複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイとを備えた表示パネルの製造方法であって、上記画素形成パネルの一方の面に、感光波長が上記カラーフィルタを透過する光の波長である光硬化性樹脂層を形成する工程と、上記カラーフィルタと上記開口部を透過した光によって上記光硬化性樹脂層を部分的に硬化させる露光工程と、上記露光工程後に、上記光硬化性樹脂層の未硬化部分を除去することによってマイクロレンズを形成する現像工程とを含み、上記露光工程において上記光硬化性樹脂層の一部の領域における露光量を一定にすることによりレンズ頂上部に平坦部を有するマイクロレンズを形成することを特徴としている。
上記の方法によれば、上記開口部を透過した光を用いて光硬化性樹脂を硬化させることにより、マイクロレンズのパターニングを行うことができる。このため、上記開口部に対して自己整合的にマイクロレンズを形成できるので、マイクロレンズと画素または絵素との位置ずれがなく、また画素間ピッチとマイクロレンズ間ピッチの狂いもなくなる。したがって、画素とマイクロレンズとの間でのモアレが発生しない。また、モアレもなく、マイクロレンズの集光機能が十分に発揮されるので、高輝度な表示が可能な表示パネルを製造できる。
また、上記マイクロレンズは、レンズ頂上部に平坦部を有する。これにより、レンズ頂上部に入射されたバックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過することができる。このため、正面輝度を高く保つことができる。また、上記マイクロレンズにおける上記平坦部以外の領域に入射する光線は屈折され、表示パネルに対して斜め方向に進行するので、視野角を広くできる。
また、上記光硬化性樹脂層を形成する工程において、上記光硬化性樹脂層の層厚を制御することにより、上記マイクロレンズにおける、上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向の幅が、それと同方向の画素ピッチと等しくなるように形成してもよい。
上記の方法によれば、マイクロレンズにおける表示パネルの表示面に対して平行な一方向のレンズ幅を、それと同方向の画素ピッチと同じになるように形成することができる。このため、バックライトからマイクロレンズアレイに入射した光は、上記一方向については全てマイクロレンズによって上記開口部に集光される。したがって、光利用効率が高い表示パネルを実現できる。
また、上記開口部における、上記一方向の幅を、それと同方向の上記開口部の配列ピッチの45%以下としてもよい。この場合、上記マイクロレンズの平坦部における上記一方向に対する幅を、上記開口部における上記一方向の幅の2.5倍以上となるように形成できる。したがって、光利用効率を低下させることなく、正面輝度の低下を8%以下に抑制した表示パネルを実現できる。
また、上記光硬化性樹脂層を形成する工程において、上記光硬化性樹脂層の層厚を制御することにより、上記露光工程において、上記光硬化性樹脂層の一部の領域における露光量を一定にし、レンズ頂上部に平坦部を有するマイクロレンズを形成するようにしてもよい。
上記の方法によれば、レンズ頂上部に平坦部を有するマイクロレンズを容易に形成できる。この場合、上記マイクロレンズは、レンズ頂上部に入射された上記バックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過できる。したがって、正面輝度が高い表示パネルを実現できる。また、上記マイクロレンズにおけるレンズ頂上部以外の領域に入射する光線は屈折され、表示パネルに対して斜め方向に進行するので、視野角を広くできる。
また、上記平坦部における上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向に対する幅が、それと同方向の上記開口部の幅の0.2倍以上1倍以下となるように、上記光硬化性樹脂層の層厚を制御する好ましい。これにより、光利用効率を低下させることなく、正面輝度の低下を8%以下に抑制することができる表示パネルを実現できる。
また、上記マイクロレンズアレイにおける上記バックライト側に、上記マイクロレンズとの屈折率差が空気と上記マイクロレンズとの屈折率差よりも小さい物質からなる接着層を、上記マイクロレンズにおけるレンズ頂上部との接触領域の上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向の幅が、それと同方向の上記開口部の幅の0.2倍以上1倍以下となるように設ける、接着層形成工程をさらに含んでもよい。この場合、レンズ頂上部に入射された上記バックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過することができる。したがって、正面輝度の高い表示パネルを実現できる。また、上記マイクロレンズにおけるレンズ頂上部以外の領域に入射する光線は屈折され、表示パネルに対して斜め方向に進行するので、視野角が広い表示パネルを実現できる。
また、上記露光工程では、平行光を用いて露光を行ってもよい。露光用照射光として平行光を用いることにより、光硬化性樹脂層上の各ポイントにおける露光量の分布の制御が容易となり、マイクロレンズの形状を制御することが容易になる。
また、上記各画素には互いに異なる色の上記カラーフィルタを備えた複数の絵素が設けられており、上記光硬化性樹脂層は、複数色の上記カラーフィルタのうちの所定の色のカラーフィルタを透過する光の波長を感光波長とするものであり、上記露光工程において、上記所定の色のカラーフィルタと上記開口部とを透過した光によって上記光硬化性樹脂層を部分的に硬化させるようにしてもよい。
また、上記露光工程において、上記所定の色のカラーフィルタに対して露光用照射光を斜めに入射させることにより、上記各画素に備えられる各絵素に対応するマイクロレンズを形成してもよい。
また、上記露光工程において上記光硬化性樹脂層における露光量の分布を制御することにより、上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向の幅が、それと同方向の画素ピッチと等しくなるように上記マイクロレンズを形成し、上記各画素に含まれる上記各絵素は、上記一方向に対して垂直な方向に並ぶように配置されているようにしてもよい。
また、上記マイクロレンズとして、上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向に集光力を有するレンチキュラーレンズを形成してもよい。
以上のように、本発明の表示パネルの製造方法は、上記画素形成パネルの一方の面に、感光波長が上記カラーフィルタを透過する光の波長である光硬化性樹脂層を形成する工程と、上記カラーフィルタと上記開口部を透過した光によって上記光硬化性樹脂層を部分的に硬化させる露光工程と、上記露光工程後に、上記光硬化性樹脂層の未硬化部分を除去することによってマイクロレンズを形成する現像工程とを含み、上記露光工程において上記光硬化性樹脂層の一部の領域における露光量を一定にすることによりレンズ頂上部に平坦部を有するマイクロレンズを形成する
それゆえ、上記開口部に対して自己整合的にマイクロレンズを形成できるので、マイクロレンズと画素または絵素との位置ずれがなく、また画素間ピッチとマイクロレンズ間ピッチの狂いもなくなる。したがって、画素とマイクロレンズとの間でのモアレが発生しない。また、モアレもなく、マイクロレンズの集光機能が十分に発揮されるので、高輝度な表示が可能な表示パネルを製造できる。また、上記マイクロレンズは、レンズ頂上部に平坦部を有する。これにより、レンズ頂上部に入射されたバックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過することができる。このため、正面輝度を高く保つことができる。また、上記マイクロレンズにおける上記平坦部以外の領域に入射する光線は屈折され、表示パネルに対して斜め方向に進行するので、視野角を広くできる。
本発明の一実施の形態について、図を用いて説明する。図1は、本実施の形態にかかる液晶表示パネル(表示パネル)11およびそれを備えてなる液晶表示装置20の主要部の構成を模式的に示した断面図である。なお、液晶表示装置20は、暗い照明下では液晶表示パネル11を透過するバックライトの光を利用して表示を行い、明るい照明下では周囲から液晶表示パネル11の表示面に入射された光を反射することによって表示を行う、半透過型液晶表示装置である。したがって、液晶表示装置20は、非自発光型の表示装置である。
図1に示すように、液晶表示装置20は、液晶表示パネル11と、高指向性のバックライト15とを備えている。
液晶表示パネル11は、TFTや画素電極が設けられたTFT基板2、液晶層4、TFT基板2に対して液晶層4を介して対向する、カラーフィルタR,G,Bを備えた対向基板3、からなるカラー液晶パネル(画素形成パネル)10と、TFT基板2に対して液晶層4とは反対側(バックライト15側)に設けられたマイクロレンズアレイ1’とからなる。マイクロレンズアレイ1’は、複数のマイクロレンズ1によって構成されている。また、液晶表示パネル11のマイクロレンズアレイ1’側には、バックライト15が設けられている。
バックライト15は、光源12、光源12から出射された光を受けてその中を伝搬させながら液晶表示パネル11に向けて出射する導光板13、導光板13の裏面から出射された光あるいは液晶表示装置20の外部から入射され液晶表示パネル11や導光板13を透過した光を導光板13に向けて反射する反射板14、を有している。
なお、図1では主要部品のみ記載しており、例えば液晶表示パネル11の前後に設けられる偏光板などを省略している。
液晶表示装置20に好適に用いられるバックライト15としては、例えば非特許文献1、特許文献4、非特許文献2、特許文献5などに記載されているバックライトを挙げることができる。
次に、図2(a)、図2(b)、図3を参照しながら、マイクロレンズアレイ1’の形状およびその働きについて説明する。図2(a)は、液晶表示装置20における、マイクロレンズ1の形状およびマイクロレンズ1に入射された光の光路を示す断面図である。この図に示すように、マイクロレンズ1は、レンズの頂部が平坦形状となっている。図2(b)は、従来の液晶表示装置における、球面形状のマイクロレンズに入射された光の光路を示す断面図である。図3は、マイクロレンズ1および球面形状のマイクロレンズにおける、出射光の配光分布(輝度分布)を示すグラフである。
図2(a)に示すように、マイクロレンズ1は凸レンズ状であり、凸レンズの頂上部に設けられた平坦部1aと、平坦部1aの周囲に設けられた曲面部(外周部)1b、1cからなる。曲面部1b、1cは、レンズ効果(集光効果)を有する。また、この図に示すように、TFT基板2における、マイクロレンズアレイ1’が形成された面とは反対側の面には、遮光膜(遮光部、ブラックマトリクス)5が形成されている。この遮光膜5におけるマイクロレンズ1の光軸上には、ある程度の幅を有する絵素開口部(開口部)22が設けられている。
バックライト15の出射面からほぼ垂直方向に出射された指向性の鋭い光21a,21b,21cは、マイクロレンズ1に導かれる。そして、マイクロレンズ1の平坦部1aに入射した光21aは、略そのままの強度および方向でマイクロレンズ1を透過する。すなわち、マイクロレンズ1の平坦部1aに入射した光21aは、マイクロレンズ1の光軸方向に進行して絵素開口部22を通過し、液晶表示パネル11から表示面に対してほぼ垂直方向に出射される。マイクロレンズ1の曲面部1b、1cに入射した光21b、21cは、屈折されて絵素開口部22に集光され、液晶表示パネル11から表示面に対して角度をもって出射される。
マイクロレンズ1を備えない場合、絵素開口部22以外のエリアを照明する光は遮光膜5によって吸収、散乱されるため有効利用されないが、マイクロレンズ1を設けることにより、絵素開口部22以外のエリアを照明する光、すなわちバックライト15から遮光膜5に向かって出射された光が、マイクロレンズ1によって絵素開口部22に導かれ、液晶表示パネル11から出射される。このため、バックライト15の光利用効率が向上する。また、マイクロレンズ1における平坦部1aに入射した光は、そのままの強度および方向を保ったまま、液晶表示パネル11から出射される。このため、マイクロレンズ1のレンズ構造により、正面輝度を高く保ちつつ、光利用効率が向上させることができる。また、液晶表示装置20では高指向性のバックライト15を用いているが、マイクロレンズ1により、視野角を拡大できる。
一方、図2(b)に示すように、液晶表示装置20におけるマイクロレンズ1に代えて、球面のマイクロレンズ31を用いた液晶表示パネル33では、レンズ中央部(頂上部付近)を通過する光21aも集光され、絵素開口部22を通過し、液晶表示パネルからある広がり角をもって出射される。その結果、マイクロレンズなしの場合と比較して、液晶表示パネルの表示面に対して垂直方向に進行する光の成分が減少することになり、正面輝度が低下する。液晶表示パネルとしての特性を考えた場合、高い正面輝度が必要であり、球面形状のレンズではこの正面輝度の低下が課題であった。
次に、図3を参照しながら、マイクロレンズの有無およびマイクロレンズ構造の違いによる輝度分布の差、および液晶表示パネルからの出射光の強度分布について説明する。図中における破線は、高指向性のバックライト15とマイクロレンズ無しの液晶表示パネルとを組み合わせた場合の液晶表示パネルからの出射光強度分布を示すものである。また、図中における一点鎖線は、高指向性のバックライト15と球面形状のマイクロレンズとを用いた場合の液晶表示パネルからの出射光強度分布を示すものである。また、図中における実線は、高指向性のバックライト15とマイクロレンズ1とを組み合わせた、本実施の形態に係る液晶表示装置20における液晶表示パネル11からの出射光強度分布を示すものである。なお、この図では、マイクロレンズ1の受容角度θAとバックライト15からの出射光の広がり角度θとの比であるRθ(Rθ=θ/θ)が2、液晶表示パネル11における表示面に垂直な方向の開口率Rが0.4の場合を示している。ここで、開口率Rは、絵素開口部のマイクロレンズ1の集光方向に対する幅をAY、マイクロレンズ1のレンズ集光方向に対する幅をWとしたときに、R=A/Wで表される。
図3に示すように、球面形状のマイクロレンズを用いた場合(図中、一点鎖線)、マイクロレンズ無しの場合(図中、破線)に比べて、光利用効率が向上し、視野角が拡大するものの、正面輝度が低下してしまう。
一方、本発明のマイクロレンズ1を用いた場合、出射光強度分布は図3に実線で示されたものとなる。すなわち、垂直方向からわずかにずれた角度の方向の輝度は低下するものの、正面輝度は高く保つことができる。
ここで、バックライト15の配光分布、マイクロレンズ1の形状、絵素開口部22の開口率の具体的な組合せ、及び光利用効率、正面輝度との関係について図4〜6を参照しながら説明する。
図4は、マイクロレンズ1の形状と絵素開口部22の形状との関係を示す断面図である。ここで、液晶表示パネル11の視野角θ(液晶表示パネル11からの出射光の出射角度−光強度分布において光強度のピークの半値となる角度)は、マイクロレンズ1の開口数NAをsinθで表したとき、θにほぼ等しくなる。また、θは、マイクロレンズ1が形成されるTFT基板2の屈折率n、TFT基板2の厚みT、マイクロレンズ1のレンズ集光方向に対する幅Wと、
sinθ=nW/2T
の関係にある。
なお、本実施形態では、マイクロレンズ1のレンズ集光方向に対する幅Wは、画素ピッチと等しくおかれる。この場合、画素ピッチが定まっており、液晶表示パネル1の視野角を広げたい場合は、基板の厚みを薄くすればよいことがわかる。例えば、画素ピッチ200μmで視野角22°が必要な場合、TFT基板2の屈折率が1.5であれば、TFT基板2の厚みは400μmとなる。
次に、バックライト15から出射される光の光利用効率について説明する。ここで、光利用効率ηは、絵素開口部22を透過する光とバックライト15の出射光の割合と定義する。すなわち、バックライト15の出射光量をP、絵素開口部22を透過する光の光量をPとおいたとき、ηを、
η=P/P
と定義する。
液晶表示パネル11のようなマイクロレンズ付表示パネルにおいて高い光利用効率を得ようとする場合、バックライト15の指向性は高い方が好ましい。すなわち、バックライト出射光の広がり角θ(バックライト出射光の配光分布において光強度分布のピークの半値となる角度)が小さい方が好ましい。一方、画素中の絵素開口部(透過開口部)22については、開口幅が大きいほうが光利用効率を高くすることができる。しかし、半透過型液晶パネルでは、反射型としての特性も重要なので、画素中の透過開口部22の開口率が制限される。半透過型液晶パネルでは、多くの場合、開口率は20〜30%となる。
この制限の下で、高い光利用効率を得るための条件について説明する。絵素開口部22(画素透過開口部)のマイクロレンズ1の集光方向に対する全幅をAとしたとき、マイクロレンズ1に入射する光の受容角度θAは、
sinθA=nA/2T
で表される。なお、マイクロレンズ1の光軸に対してθA以下の角度で入射した平行光は、絵素開口部22を通過することができるものとし、このθAをマイクロレンズ1の受容角度と定義する。
図5は、バックライト出射光の広がり角度θとマイクロレンズの受容角度θとの角度比Rθと、光利用効率ηとの関係を示したグラフである。なお、図5では、Rθをθとθとの比(Rθ=θ/θ)と定義し、バックライトの配光分布がcosθ分布に従う場合を示している。この図より、Rθ=0.5のとき光利用効率ηは約100%、Rθ=1のときηは約80%、Rθ=1.5のときηは約60%、Rθ=2のときηは約50%であることがわかる。すなわち、バックライト出射光の広がり角度θがマイクロレンズの受容角度θAよりも小さければ、極めて高い光利用効率ηを達成することができる。
一方、マイクロレンズがない場合は、光利用効率ηはY方向の開口率R(R=A/W)にほぼ等しい。例えば、R=0.4であればηは40%である。したがって、マイクロレンズを設けて光利用効率ηを向上させたい場合、図5より、光利用効率ηが約40%となるRθ<2.5の条件を満たす必要があることがわかる。すなわち、バックライト出射光の広がり角度θを、マイクロレンズの受容角度θの2倍以下となるよう設定することにより、マイクロレンズを備えない構成よりも、光利用効率を向上させることができる。
なお、Rθ≒2.5では、マイクロレンズを設ける効果があまり大きくない。マイクロレンズを設けた場合の光利用効率は、マイクロレンズを設けない場合に対して1.2倍以上であることが、実用上有効であり、より好ましい。そのためには、少なくともRθ≦2を満足するようにバックライトの配光分布とマイクロレンズの形状とを組み合わせればよい。すなわち、バックライト出射光の広がり角度θを、マイクロレンズの受容角度θの2倍以下となるよう設定することにより、光利用効率ηは約50%以上となり、マイクロレンズを設けない場合の1.2倍以上とすることができる。
例えば、広がり角度θが15°のバックライトを利用し、マイクロレンズを設けて1.2倍以上の光利用効率ηを達成したい場合、受容角度θAが7.5°以上のマイクロレンズを設けるとよい。このマイクロレンズを設けることによる光利用効率ηの向上は、開口率Rが小さく、バックライト出射光の広がり角度θが小さいほど効果的である。例えば、Rが0.3で、Rθが1となる構成を選択すると、マイクロレンズを設けることにより、光利用効率ηは2.7倍にもなる。
ところで、マイクロレンズを設けると、液晶表示パネルの正面輝度は低下する。図6は、球面形状のマイクロレンズを備えた液晶表示装置における、Rθと正面輝度I(Rθ)との関係を示したグラフである。なお、図6では、Rθ=0の場合、すなわちマイクロレンズを設けない場合の正面輝度I(0)を1としている。Rθが1.5〜2.0となる条件では、正面輝度I(Rθ)はマイクロレンズ無しの場合と比較して約1割低下する。この正面輝度I(Rθ)の低下を抑制するためには、マイクロレンズ頂上部に平坦面を設けるとよい。
このマイクロレンズ頂上部の平坦面のレンズ集光方向に対する幅Wは、絵素開口部(絵素透過開口部)22のマイクロレンズの集光方向幅Aと同じとなるよう選択すると最も効果的である。WとAが等しければ、マイクロレンズ頂上平坦面に垂直に入射した光は、そのまま絵素開口部(画素透過開口部)22を通過するので、レンズの有無による正面輝度の差がなくなる。一方、WがAより大きいと、正面輝度は高く保たれるものの、レンズ頂上平坦面に垂直に入射した光の一部が絵素開口部22でけられるため、光利用効率が低下してしまう。そして、WがAより大きくなればなるほど、光利用効率は低下する。
また、WがAより小さい場合は、光利用効率は低下しないものの、正面輝度が低下する。マイクロレンズ頂上平坦面の領域が狭くなればなるほど、正面輝度の向上効果が失われる。この時の正面輝度Iと、W、Aとの関係は、バックライトの配光分布がcosθ分布に従う場合、ほぼ次式の関係に従う。
=I(Rθ)+W/A(1−I(Rθ))
正面輝度の低下を8%以下に抑えたい場合は、少なくともWをAの1/5倍(0.2倍)以上1倍以下に設定するとよい。これにより、光利用効率を低下させることなく、正面輝度の低下を8%以下に抑制することができる。なお、これはバックライトの配光分布がcosθ分布に従った場合の例であるが、多くのバックライトの配光分布はcosθ分布にほぼ従うので、ほぼ全てのバックライトについてこの条件を適用できる。
図8(a)〜図8(c)は、液晶表示装置20における絵素配置を示す正面図および断面図である。すなわち、図8(a)は液晶表示装置20の正面図であり、図8(b)は図8(a)のA−A’断面における断面図であり、図8(c)は図8(a)のB−B’断面における断面図である。なお、本実施形態におけるマイクロレンズアレイ1’は、レンチキュラーレンズからなる。
図8(a)に示すように、液晶表示装置20における一つの画素6は、R絵素、B絵素、G絵素で構成されている。各絵素の周囲には遮光膜(ブラックマトリクス)5(遮光領域)が設けられている。また、各絵素は反射部と透過部とを備えている。すなわち、R絵素は反射部7Rと透過部6R、B絵素は反射部7Bと透過部6B、G絵素は反射部7Gと透過部6Gから構成される。なお、透過部6R,6B,6Gにおける表示面に平行な各方向の大きさは、それに対応する絵素開口部22における表示面に平行な各方向の大きさと等しくなっている。また、各画素6は、行(X方向)および列(Y方向)を形成するようにマトリクス状に配列されており、ここではX方向の画素ピッチPおよびY方向の画素ピッチPがいずれも200μmの場合を例示している。TFT型表示装置の場合、典型的には、行方向(X方向)はゲートバスラインに平行であり、列方向(Y方向)はソースバスライン(ビデオライン)に平行である。
また、図8(b)および図8(c)に示すように、液晶表示パネル11が有するマイクロレンズアレイ1’は、複数の画素の行に対応して配列された複数のレンチキュラーレンズからなるマイクロレンズ1によって構成されている。すなわち、マイクロレンズ1は、行方向(X方向)に延びる帯状のレンズ(レンチキュラーレンズ)からなり、列方向(Y方向)には集光力を有するが、行方向(X方向)には集光力を有しない。
また、図8(c)に示すように、マイクロレンズ1は、列方向(Y方向)に隣接する画素間の中央部で、隣接するマイクロレンズ1同士の境界ができるように(隣接する画素間の中央部でレンズの膜厚が一番薄い状態になるように)、各画素について1つずつ配置されている。すなわち、各マイクロレンズ1の列方向の幅は、各画素の列方向の画素ピッチと等しく、隣接するマイクロレンズ1同士が、隣接する画素同士の間の領域である画素間領域の中央部で接するようになっている。
次に、図7(a)〜図7(d)を参照しながら、液晶表示装置20の製造方法を説明する。図7(a)〜図7(d)は、マイクロレンズアレイ1’の製造工程を説明するための模式的な断面図である。
まず、図7(a)に示すように、カラー液晶パネル(画素形成パネル)10を用意する。このカラー液晶パネル10は、TFT基板2と、カラーフィルタR、GおよびBが形成された対向基板3とを有している。TFT基板2と対向基板3との間における封止樹脂8によって封止された領域には、所定の液晶層4が形成されている。
TFT基板2の液晶層4側には、絵素に対応するようにマトリクス状に配列された画素電極、画素電極に接続されたTFT、ゲートバスラインおよびソースバスラインなどの回路要素(いずれも図示せず)および遮光膜(遮光層)5が形成されている。また、対向基板3の液晶層4側にはR(赤),G(緑),B(青)の各色のカラーフィルタを備えた透過部6R、6Gおよび6Bと対向電極とが形成されている。また、TFT基板2および対向基板3の液晶層4に接する面には、必要に応じて配向膜(図示せず)が形成されている。
次に、図7(b)に示すように、図7(a)で用意したカラー液晶パネル10のTFT基板2上に、光硬化性樹脂を塗布し、光硬化性樹脂層9を形成する。ここでは、380nmから420nmの、波長範囲内に感光波長を有する光硬化性樹脂を用いる。なお、光硬化性樹脂層9とTFT基板2との密着性を高めるために、光硬化性樹脂を塗布する前に、TFT基板2のガラス表面にシランカップリング剤を塗布するなどして、表面改質することが好ましい。
なお、光硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のアクリル系モノマーや、エポキシ系モノマーに光開始剤を混合した混合組成物などを用いることができる。
次に、青のカラーフィルタが形成された絵素を透過した光で、光硬化性樹脂層9を露光して硬化させる。光硬化性樹脂層9に光を入射すると、光量に応じて光硬化性樹脂が感光し、硬化する。照射時間が一定の場合には配光分布に応じて硬化する。すなわち、硬化度の分布が形成される。従って、光量(配光分布および/または照射時間)の分布を調整することによって、光硬化性樹脂層9に硬化度の分布を形成することができる。なお、ここでの配光分布とは、感光性材料を露光するためにカラー液晶表示パネルに入射させる光の、カラー液晶表示パネルの面法線に対して成す角度(入射角度)に対する強度分布のことであり、青色絵素への入射角度と感光性材料層への入射位置が1対1に対応する。
配光分布は、例えば、露光用照射光の入射角度を変化することによって調整できる。すなわち、露光用照射光源と光硬化性樹脂層9とを相対的に移動させることによって行うことができる。例えば、露光用照射光を走査することによって、照射時間の分布を調整しても良いし、これらを組み合わせてもよい。また、所定の透過率の分布を有するフォトマスクを用いて配光分布を調整してもよい。また、露光用照射光を、青色絵素Bを介して光硬化性樹脂層9に対して斜めに入射させることによって、図8(b)、(c)に示すようなB絵素と同じ画素に含まれるR絵素およびG絵素に対応するマイクロレンズ(すなわち画素に対応するマイクロレンズ)、例えばレンチキュラーレンズを形成することができる。カラーフィルタの特性によっては、R絵素、G絵素からも露光用照射光が漏れ、光硬化性樹脂を感光させることがあるが、その漏れ光量も考慮して露光を行うことによりレンチキュラーレンズを形成できる。
次に、露光した光硬化性樹脂層9を現像することによって未硬化部分を除去する。なお、未硬化部分は、例えば、アセトン等の有機溶媒を用いて溶解させることによって除去すればよい。これにより、図7(c)に示すように、硬化部分の形状、すなわち硬化度の分布に対応した形状のレンチキュラーレンズからなるマイクロレンズ1が得られる。なお、現像工程の後で、光硬化性樹脂層9の硬化部分(レンチキュラーレンズとなる部分)に再度、露光用照射光を照射することによって、光硬化性樹脂の硬化を更に進行させ、完全硬化状態に近づけることが好ましい。また、光硬化とともに熱硬化を併用してもよい。
その後、図7(d)に示すように、光源12、導光板13、反射板14を組み合わせたバックライト15と、マイクロレンズアレイ1’を形成した液晶表示パネル11とを組み合わせることにより、液晶表示装置20が完成する。
マイクロレンズ1のレンズ形状を形成するための露光工程について、さらに詳しく説明する。図9(a)は、露光工程を説明するための断面図であり、図9(b)は、光硬化性樹脂層9の各位置における露光量を示すグラフである。
図9(a)に示すように、図8(a)におけるB−B’線を含む面内において、照明光の入射角度をθで規定される方向からθで規定される方向に変化させる。すなわち、照明光の入射角度を、B−B’線を含む面内においてθからθまで連続的にまたは段階的に変化させる。
ここで、露光照射光には平行光を用い、等角速度で照明光の入射角度を変化させる場合を考える。なお、露光用照射光として平行光を用いることにより、光硬化性樹脂層9上の各ポイントにおける露光量の分布の制御が容易となり、マイクロレンズ1の形状を制御することが容易になる。すなわち、各ポイントの露光量分布を同じにすることができ、マイクロレンズ1の形状を揃えることができる。この場合、照明光が照射された光硬化性樹脂層9上の各ポイントにおける露光量の分布は図9(b)に示したものになる。これに光硬化性樹脂の感度曲線(露光量−硬化膜厚)を重ね合わせると、図9(a)において破線で示す形状のマイクロレンズが得られる。この露光工程では、中心部で露光量が一定となる領域が生じ、マイクロレンズ1の中心部で平坦面(平坦部1a)が得られる。絵素開口部(透過開口部)22のレンズ集光方向の幅Aがレンズ幅の45%以下であれば、この露光工程の制御により、Aの1/5以上となるレンズ集光方向に対する幅Wをもった平坦面が得られる。しかし、絵素開口部22のレンズ集光方向に対する幅Aが大きくなるとマイクロレンズ1における中心部の平坦面(平坦部1a)のレンズ集光方向に対する幅が狭くなる。
図10(a)は、絵素開口部22のレンズ集光方向に対する幅Aを大きくした場合の露光工程を説明するための断面図であり、図10(b)は、光硬化性樹脂層9の各位置における露光量を示すグラフである。
図10(a)に示されるように、絵素開口部22部のレンズ集光方向に対する幅Aが大きくなると、照明光を一定の入射角度で入射したときに光硬化性樹脂が露光される部分の面積が増える。そのため、露光量分布は図10(b)に示されるようなものとなり、露光量分布が傾斜している領域が広くなり、露光量が一定になる領域が狭くなる。このため、レンズ中心平坦面(平坦部1a)のレンズ集光方向に対する幅Wは、絵素開口部22のレンズ集光方向に対する幅Aよりもはるかに小さくなり、結果として正面輝度が低下する。
しかし、露光前の段階で、光硬化性樹脂層9の膜厚(層厚)を制御することができれば、透過開口部のレンズ集光方向に対する幅Aが大きくなっても、所望の幅Wを有する平坦部1aを備えたマイクロレンズ1を形成できる。すなわち、所望のレンズ厚みと一致するような厚みの光硬化性樹脂を塗布しておき、レンズ中心部では露光オーバとなるような露光量分布を与えることにより、所望の幅Wを有する平坦部1aを備えたマイクロレンズ1を形成できる。
図11(a)は、塗布する光硬化性樹脂の膜厚Tを所望のレンズ厚さと一致させた場合の、露光工程を説明するための断面図であり、図10(b)は、光硬化性樹脂層9の各位置における露光量を示すグラフである。
図11(b)において、Dは膜厚Tの光硬化性樹脂層9を露光して硬化させるために必要な露光量を示している。また、点線は、絵素開口部22上の光硬化性樹脂層9における積算露光量を示している。平坦面(平坦部1a)を形成したい領域において、積算露光量がDを超えるよう露光量分布を設定することにより、透過開口部幅Aが大きくなっても、所望の平坦部幅Wを備えた形状の平坦部1aを構成できる。
また通常、液晶パネルの両側には一対の偏光板が接着固定される。液晶パネルと偏光板との間に異物が挟まると、その異物によって偏光が乱され、その箇所が黒点となって目立つため、通常は異物を挟み込まないよう液晶パネルと偏光板とは貼り合わせられる。ここで、この接着層の厚みによってマイクロレンズ1における平坦部1aのレンズ集光方向の幅を制御することもできる。このような制御方法について、図12を用いて説明する。
図12は、マイクロレンズ1に偏光板を貼り合せたときの構成を示す断面図である。この図に示すように、TFT基板2の液晶層側の面には、絵素開口部22および遮光膜5が形成されており、TFT基板2の液晶層と反対側の面には、マイクロレンズアレイ1’が形成されている。さらに、このマイクロレンズアレイ1’上に接着層36を介して偏光板35が貼り合わされている。
接着層36によって偏光板35をマイクロレンズアレイ1’上に貼り合せると、接着層36にマイクロレンズ1の頂上部がめりこむ。空気とマイクロレンズ部材の屈折率差は0.5以上あるため、その境界を通過する光線は強いレンズパワーを与えられる。しかしながら、マイクロレンズ1と接着層36とが接している領域は屈折率差が0.1程度となり、空気とマイクロレンズ1との屈折率差よりも小さくなる。このため、マイクロレンズ1と接着層36とが接している領域では、レンズ機能が非常に小さくなる。このため、バックライト15からこの領域に入射した光は、略そのままの強度及び方向でマイクロレンズ1を透過し、絵素開口部22を通過する。すなわち、この領域は、例えば図9(a)や図11(a)のように平坦部1aを設けた場合と同等に機能する。
したがって、マイクロレンズ1と接着層36との接触面積を制御することにより、液晶表示装置20の正面輝度を制御することができる。すなわち、絵素開口部(透過開口部)の幅Aよりも小さい幅Wの平坦部1aを有するマイクロレンズ1からなるマイクロレンズアレイ1’上に、偏光板35を接着する場合、接着層36の厚みを制御することにより、マイクロレンズ1と接着層36との、マイクロレンズ1の集光方向に対する接触幅W’を制御することができる。そして、このマイクロレンズ1と偏光板35との組合せ構造は、マイクロレンズ1の頂上部における平坦部1aのレンズ集光方向に対する幅がW’のマイクロレンズ1と同じ光学特性を有し、これによって正面輝度を向上させられる。
なお、上記の説明では、マイクロレンズアレイ1’上に、接着層36によって偏光板35を貼り合わせるものとしたが、これに限るものではない。例えば、偏光板35に代えて、保護膜などの他の部材を接着層36によって貼り合わせてもよい。あるいは、他の構成部材を貼り合せず、接着層36のみをマイクロレンズアレイ1’上に形成してもよい。すなわち、マイクロレンズ1と接する領域の屈折率が小さくするような層のみを形成するようにしてもよい。
また、接着層36の材質は、特に限定されるものではなく、光透過性を有し、マイクロレンズ1と接する領域の屈折率が小さくなるものであればよい。また、このような接着層36を設ける場合、マイクロレンズと接着層36との接触領域における入射光は略そのままの強度及び方向でマイクロレンズ1を透過するので、必ずしもマイクロレンズ1に平坦部1aを設けなくてもよい。すなわち、例えば球面形状からなるマイクロレンズを用い、このマイクロレンズにおける頂上部の所定の領域に接触するように接着層36を設けることにより、平坦部1aを有するマイクロレンズ1を用いる場合と略同様の効果を奏することができる。
また、露光工程において、照射光の入射角度θとθは、マイクロレンズ1が隙間なく形成されるように、設定することが好ましい。このため、入射角度θとθは、例えば図9(a)に示すように、ある画素におけるB絵素を透過した光の光硬化性樹脂層9に照射される範囲の外縁が、隣接する画素におけるB画素を透過した光の光硬化性樹脂層9に照射される範囲の外縁と、両画素間の中央部で一致するように、液晶表示パネル11の画素ピッチおよびTFT基板2、対向基板3、液晶層4の各層の厚さおよび屈折率に応じて、適宜設定することが好ましい。これにより、両画素間の中間部にマイクロレンズ1・1間の境界ができ(隣接する画素間の中央部でレンズの膜厚が一番薄い状態になり)、マイクロレンズ1を隙間なく形成できる。
次に、照射光のスキャン方法について説明する。なお、本明細書において、「スキャン」とは、露光用照射光が照射される領域を2次元的に走査すること、および照射光の入射角度を変化させることを含む。また、スキャンは、照射光と光硬化性樹脂層9との位置関係および角度が相対的に変化すれば良いので、光硬化性樹脂が塗布された液晶表示パネル11を動かしても良いし、照射光の光源を動かしてもよい。
本実施形態では、カラーフィルタの配列方向には、集光力を有しないレンチキュラーレンズを形成する。このため、X方向(図8(a)におけるA−A’断面に平行な方向)に対しては、露光量(露光光照度×露光時間)の分布が均一になるようにスキャンを行い、Y方向(図8(a)におけるB−B’断面に平行な方向)に対しては、図9(b)に示す露光量分布となるようにスキャンを与えればよい。この露光量分布は、照射光強度、走査速度を制御することによって与えられる。
以上のように、本実施形態にかかる液晶表示装置20は、レンズ頂上部に平坦部1aを備えた複数のマイクロレンズ1からなるマイクロレンズアレイ1’を備えている。このため、バックライト15からマイクロレンズアレイ1’に導かれ、レンズ中央の平坦部1aに入射する光線は、曲がることなく正面に透過し、絵素開口部22に導かれ、液晶表示パネル11から出射される。したがって、正面に進行する光線が多いので、液晶表示装置20の正面輝度を高く保つことができる。
一方、レンズの曲面部1bおよび1cに入射する光線は屈折され、液晶表示パネル11に対して斜め方向に進行するため、視野角が広くなる。
また、マイクロレンズ1のレンズ幅は、画素ピッチと同じになるように形成される。このため、マイクロレンズアレイ1’面に入射する光は、レンズ幅方向については全てマイクロレンズ1によって集光され、絵素開口部22に導かれる。したがって、高い光利用効率が得られる。さらに、マイクロレンズ部を透過する光線の光路長はマイクロレンズアレイ1’面全域にわたってほぼ等しいので、レンズ材料の残存複屈折を気にしなくてよい。
また、マイクロレンズアレイ1’は、絵素開口部22を透過した光を用いて光硬化性樹脂を硬化させることによってパターニングされるので、自己整合的にマイクロレンズをパターニングすることができる。絵素開口部22の形状均一性を高く保つことは容易なので、非常に低コストに、高い形状均一性を有するマイクロレンズアレイ1’を形成できる。また、画素または絵素に対して自己整合的にマイクロレンズ1が形成されるので、マイクロレンズ1と画素または絵素との位置ずれがなく、また画素間ピッチとマイクロレンズ間ピッチの狂いもなくなるため、画素とマイクロレンズアレイ1’との間でのモアレが発生しない。したがって、モアレもなく、マイクロレンズ1の集光機能が十分に発揮されるので、高輝度な表示が可能な表示装置を製造することができる。
なお、レンチキュラーレンズからなるマイクロレンズ1を用いると、カラーフィルタの配列方向(X方向)には集光効果がないため、その分マイクロレンズ1によって明るさを向上する効果が低下する。しかしながら、液晶表示パネルは、通常、図8(a)に示すように、行方向(X方向)に隣接する画素(および絵素)における透過部間の間隔Dよりも、列方向(ソースバスライン(ビデオライン)が延設される方向)に隣接する画素における透過部間の間隔(D)の方が広い。すなわち、Y方向に集光効果を有するレンズを用いる方が、X方向に集光効果を有するレンズを用いる場合よりも、明るさを向上する効果が高く、また、X方向に集光効果を有しないことによる明るさ向上効果の低下は小さい。
もちろん、本実施形態では、一方向にのみ集光効果を有するレンチキュラーレンズを用いているが、本発明はこれに限らず、X方向とY方向とに集光効果を有するマイクロレンズに適用してもよい。すなわち、各絵素のそれぞれに対応して設けられ、複数方向に集光力(集光効果)を有する複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイを備えるようにしてもよい。なお、前述した露光工程では、X方向の露光量分布が一定となるよう制御を行ったが、この方向にもレンズを形成するように露光量分布を制御すれば、X方向およびY方向に集光効果を有するマイクロレンズを、絵素毎に形成したマイクロレンズアレイを得られる。
なお、露光工程は、液晶表示パネル11の液晶層4に液晶材料を注入する前に行っても良い。ただし、この場合には、液晶材料を注入した後で液晶材料の配向のための熱処理工程で、マイクロレンズアレイ1’が例えば百数十℃に加熱されることになる。このため、光硬化性樹脂としては、熱処理によって、形状変化や剥がれなどマイクロレンズ1の集光効果に影響を及ぼす変化が発生しないような樹脂を用いることが好ましい。
また、本実施形態では、TFT基板2側にマイクロレンズアレイ1’を形成したが、これに限らず、対向基板3側に形成してもよい。この場合、対向基板3側にバックライト15を形成することになる。
また、本実施形態では、カラーフィルタを有する液晶表示パネル11を用いたが、これに限らず、本発明は、例えばゲストホスト液晶表示装置のように、表示媒体層(液晶層)に混合した色素等を用いてカラー表示を行う表示装置に対しても同様に適用できる。
また、本発明は、TFT型液晶表示装置に限らず、MIMを用いた液晶表示装置や、スイッチング素子を有しないパッシブ型の液晶表示装置に適用することもできる。
また、本発明は、液晶表示パネルに限らず、他の非自発光型表示パネル(例えば、エレクトロクロミック表示パネル、電気泳動型表示パネル、トナー表示パネル、PLZTパネルなど)にも適用できる。
本実施形態にかかる表示パネルは、表示のための光を供給するバックライトと、マトリクス状に配置された複数の画素、および、上記バックライトから出射された光を遮光する遮光部、および、上記バックライトから出射された光を透過する開口部を含む画素形成パネルと、上記バックライトから出射された光を上記開口部に集光する複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイとを備えた表示であって、上記マイクロレンズは、当該表示パネルの表示面に対して平行な一方向の幅が、それと同方向の画素ピッチと等しく、かつ、レンズ頂上部に入射された上記バックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過する。
上記の構成によれば、上記マイクロレンズは、レンズ頂上部に入射された上記バックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過する。このため、レンズ頂上部に入射する光線は、曲がることなく正面に透過し、表示パネルから出射される。したがって、正面に進行する光線が多くなり、正面輝度を高く保つことができる。また、上記マイクロレンズにおけるレンズ頂上部以外の領域に入射する光線は屈折され、表示パネルに対して斜め方向に進行するので、視野角を広くできる。
また、上記の構成によれば、マイクロレンズの表示パネルの表示面に対して平行な一方向のレンズ幅は、それと同方向の画素ピッチと同じになるように形成される。このため、バックライトからマイクロレンズアレイに入射した光は、上記一方向については全てマイクロレンズによって集光される。したがって、光利用効率を高めることができる。
また、上記マイクロレンズは、レンズ頂上部に、当該表示パネルにおける表示面に対して略平行な平坦部を備えていてもよい。これにより、レンズ頂上部に入射された上記バックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過することができる。このため、正面輝度を高く保つことができる。また、上記マイクロレンズにおける上記平坦部以外の領域に入射する光線は屈折され、表示パネルに対して斜め方向に進行するので、視野角を広くできる。
また、上記マイクロレンズアレイにおける上記バックライト側の面に、上記マイクロレンズアレイとの屈折率差が空気と上記マイクロレンズとの屈折率差よりも小さい物質からなる接着層が、上記マイクロレンズのレンズ頂上部に対して、上記一方向について所定の幅で接触するように設けられていてもよい。上記の構成によれば、レンズ頂上部に入射された上記バックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過することができる。したがって、正面輝度を高く保つことができる。また、上記マイクロレンズにおけるレンズ頂上部以外の領域に入射する光線は屈折され、表示パネルに対して斜め方向に進行するので、視野角を広くできる。
また、上記各画素は、当該表示パネルの周囲から入射された光を反射する反射部と、上記バックライトから出射され、上記開口部を通過した光を透過する透過部とを含む、上記一方向に対して垂直方向に配列された1つ以上の絵素を含むことを特徴としている。上記の構成によれば、正面輝度が高く、視野角が広い、半透過型の表示パネルを実現できる。
また、上記バックライトの出射光の広がり角度が、上記マイクロレンズの受容角度の2.5倍以下であることが好ましい。上記の構成によれば、マイクロレンズを備えない構成よりも、当該表示パネルにおける光利用効率を高めることができる。
また、上記マイクロレンズにおける、レンズ頂上部に入射した上記バックライトからの光を、略そのままの強度及び方向で透過する部分の上記一方向に対する幅は、上記絵素における透過部の上記一方向に対する幅の0.2倍以上1倍以下であることが好ましい。上記の構成によれば、光利用効率を低下させることなく、正面輝度の低下を8%以下に抑制することができる。
また、上記マイクロレンズは、レンズ頂上部に、当該表示パネルにおける表示面に対して略平行な平坦部を備えるとともに、上記各絵素の透過部における上記一方向の幅が、それと同方向の絵素幅の45%以下であってもよい。上記の構成によれば、上記マイクロレンズの平坦部における上記一方向に対する幅を、上記透過部における上記一方向の幅の0.2倍以上となるように形成することが容易である。したがって、光利用効率を低下させることなく、正面輝度の低下を8%以下に抑制した表示パネルを容易に実現できる。
また、上記一方向とは、上記マトリクス状に配列された上記複数の画素の列方向または行方向のうち、隣接する画素における上記透過部間の間隔が長い方向であり、上記マイクロレンズアレイは、上記一方向に垂直な方向に配列された、上記一方向に集光力を有する複数のレンチキュラーレンズからなる構成であってもよい。
上記の構成によれば、隣接する画素における上記透過部間の間隔が長い方向に対して集光力を有するレンチキュラーレンズを有するので、光利用効率を高め、明るさを向上させる効果が高くなる。
また、上記マイクロレンズアレイは、上記各絵素のそれぞれに対応して設けられ、複数方向に集光力を有する複数のマイクロレンズからなる構成であってもよい。上記の構成によれば、上記各絵素の透過部に対応する上記開口部とこの開口部の複数方向に隣接する遮光部上に向けて出射された上記バックライトからの光を、当該各絵素における透過部に集光できる。したがって、光利用効率をさらに高めることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、液晶表示パネル、エレクトロクロミック表示パネル、電気泳動型表示パネル、トナー表示パネル、PLZTパネルなどの非自発光型表示パネルに適用できる。
本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置の構成を模式的に示す断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置に備えられるマイクロレンズの形状およびこのマイクロレンズに入射された光の光路を示す断面図である。(b)は、球面形状のマイクロレンズおよびこのマイクロレンズに入射された光の光路を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置に備えられるマイクロレンズおよび球面形状からなるマイクロレンズにおける、出射光の輝度分布を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置に備えられるマイクロレンズの形状と絵素開口部の形状との関係を示す断面図である。 バックライト出射光の広がり角度とマイクロレンズの受容角度との角度比と、光利用効率ηとの関係を示したグラフである。 バックライト出射光の広がり角度とマイクロレンズの受容角度との角度比と、正面輝度との関係を示したグラフである。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態にかかる液晶表示装置の製造工程示す断面図である。 (a)は液晶表示装置20の正面図であり、(b)は(a)のA−A’断面における断面図であり、(c)は(a)のB−B’断面における断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置に備えられるマイクロレンズの製造工程における、露光工程の第1の例を説明するための断面図である。(b)は、光硬化性樹脂層の各位置における露光量を示すグラフである。 (a)は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置に備えられるマイクロレンズの製造工程における、露光工程の第2の例を説明するための断面図である。(b)は、光硬化性樹脂層の各位置における露光量を示すグラフである。 (a)は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置に備えられるマイクロレンズの製造工程における、露光工程の第3の例を説明するための断面図である。(b)は、光硬化性樹脂層の各位置における露光量を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る液晶表示装置に備えられるマイクロレンズに偏光板を貼り合せた場合の構成を示す断面図である。 (a)は、従来の液晶ディスプレイに備えられる視野拡大フィルムの断面図である。(b)は、従来の液晶ディスプレイの構成を示す断面図である。
符号の説明
1 マイクロレンズ
1’ マイクロレンズアレイ
2 TFT基板
3 対向基板
4 液晶層
5 遮光膜(ブラックマトリクス)
11 液晶表示パネル
12 光源
13 導光板
14 反射板
15 バックライト
20 液晶表示装置

Claims (9)

  1. 表示のための光を供給するバックライトと、画素および上記バックライトから出射された光を遮光する遮光部および上記バックライトから出射された光を透過する開口部およびカラーフィルタを含む画素形成パネルと、上記バックライトから出射された光を上記開口部に集光する複数のマイクロレンズからなるマイクロレンズアレイとを備えた表示パネルの製造方法であって、
    上記画素形成パネルの一方の面に、感光波長が上記カラーフィルタを透過する光の波長である光硬化性樹脂層を形成する工程と、
    上記カラーフィルタと上記開口部を透過した光によって上記光硬化性樹脂層を部分的に硬化させる露光工程と、
    上記露光工程後に、上記光硬化性樹脂層の未硬化部分を除去することによってマイクロレンズを形成する現像工程とを含み、
    上記露光工程において上記光硬化性樹脂層の一部の領域における露光量を一定にすることによりレンズ頂上部に平坦部を有するマイクロレンズを形成することを特徴とする表示パネルの製造方法。
  2. 上記露光工程において上記光硬化性樹脂層における露光量の分布を制御することにより、上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向の幅が、それと同方向の画素ピッチと等しくなるように上記マイクロレンズを形成し、
    上記開口部における上記一方向に対する幅を、それと同方向の上記開口部の配列ピッチの45%以下とすることを特徴とする請求項1に記載の表示パネルの製造方法。
  3. 上記光硬化性樹脂層を形成する工程において、上記光硬化性樹脂層の層厚を制御することにより、上記露光工程において上記光硬化性樹脂層の一部の領域における露光量を一定にし、
    レンズ頂上部に平坦部を有するマイクロレンズを形成することを特徴とする請求項1に記載の表示パネルの製造方法。
  4. 上記平坦部における上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向に対する幅が、それと同方向の上記開口部の幅の0.2倍以上1倍以下となるように、上記光硬化性樹脂層の層厚を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示パネルの製造方法。
  5. 上記露光工程では、平行光を用いて露光を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示パネルの製造方法。
  6. 上記各画素には互いに異なる色の上記カラーフィルタを備えた複数の絵素が設けられており、
    記光硬化性樹脂層は、複数色の上記カラーフィルタのうちの所定の色のカラーフィルタを透過する光の波長を感光波長とするものであり、
    上記露光工程において、上記所定の色のカラーフィルタと上記開口部とを透過した光によって上記光硬化性樹脂層を部分的に硬化させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示パネルの製造方法。
  7. 上記露光工程において、上記所定の色のカラーフィルタに対して露光用照射光を斜めに入射させることにより、上記各画素に備えられる各絵素に対応するマイクロレンズを形成することを特徴とする請求項6に記載の表示パネルの製造方法。
  8. 上記露光工程において上記光硬化性樹脂層における露光量の分布を制御することにより、上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向の幅が、それと同方向の画素ピッチと等しくなるように上記マイクロレンズを形成し、
    上記各画素に含まれる上記各絵素は、上記一方向に対して垂直な方向に並ぶように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の表示パネルの製造方法。
  9. 上記マイクロレンズとして、上記表示パネルの表示面に対して平行な一方向に集光力を有するレンチキュラーレンズを形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示パネルの製造方法。
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