JP2007262471A - ガス吹き込みプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス流量のばらつきがなく、溶湯の攪拌効果が高いとともにプラグの寿命を長くすることができるガス吹き込みプラグを提供する。
【解決手段】
金属溶湯にガスを吹き込む貫通孔21をプラグ本体22に有した貫通孔プラグ20において、貫通孔21は焼失材が消失されることにより、その孔径が1μm〜0.3mmにされている。又、プラグ本体22はプレス成形にて形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガス吹き込みプラグに関するものである。
従来から、溶湯取鍋や、溶湯鋳造用タンデッシュ、溶湯用樋等の容器の底部にはポーラスプラグが配置され、該ポーラスプラグを介して不活性ガス(アルゴン,窒素)が前記容器の底部から供給されて溶湯の攪拌が行われることにより、温度・成分の均一化及び清浄化が行われている。このようなガス吹き込みプラグとしてはハイアルミナ質耐火物であるポーラスプラグが提案されている(特許文献1参照)。
又、ポーラスプラグの代わりに、特許文献2ではスリットプラグが使用されている。又、特許文献3ではプラグ本体に貫通孔を備えた貫通孔プラグが使用されている。
特開平8−18847号公報(段落0002) 特開2000−61594号公報 特開2004−162122号公報
ポーラスプラグの場合、高価なアルミナ粒をバインダで結合することにより構成されている。このアルミナの量は要求される耐火度に応じて異なるが、一般にガス吹きプラグでは、気体通路を確保するために、87%以上のアルミナ含有量であって、特殊サイズで揃えた球状のものが採用されている。このため、ポーラスプラグでは高コストになる。又、ポーラスプラグでは孔の位置が正確に配置できないため、ガス流量にばらつきが出やすく、溶湯の攪拌効果もばらつきが出やすい問題もある。
ところで、転炉、電気炉等の製錬炉から出湯された溶湯は取鍋に移されるが、該取鍋は2次精錬ステーションに運ばれるとともに該2次ステーションにおいて2次精錬中、取鍋の底部に設けられたポーラスプラグ(ガス吹き込みプラグ)を介してガスが吹かれる。その後、鋳造ステーションへ取鍋が運ばれ、鋳造直前に前記ポーラスプラグを介して再びガスが吹き込まれて溶湯が攪拌されて温度を均一にすることが行われる場合もある。このように、製錬炉から受湯し排滓するまでの間に、前記ポーラスプラグからガスが吹かれていない時、取鍋の中の溶湯がポーラス(孔)に浸透して該孔を塞ぎ、再使用の妨げとなる。
このため、ポーラスプラグから再びガスを吹き込みして再使用するために、溶湯が浸透している溶鋼浸透層の厚み分だけ、酸素を使用して取り除くか、或いはガスを吹き、ガスが正常に出ないと判断された時点で、20Kg/cm程度の高圧で前記溶鋼浸透層を吹き飛ばす作業が一般的に行われている。この結果、これらのことがポーラスプラグの寿命を短くする主要な原因となっている。
又、攪拌効果を上げるために、小さな気泡を所定量吹くことが重要であり、気泡が所定の大きさを超えると、吹き抜け現象を起こして攪拌効果がなくなる。このため、気泡同士が溶湯内を上昇中に合体して大きくならないように気泡同士が離れていることが重要である。
例えば、取鍋の鍋底でできた気泡は、溶湯の深さ分の圧力を受けているため、溶湯表面に到達する間に気泡径はアボガドロの法則に従って大きくなる。なお、アボガドロの法則は、下記式で表される。
P1・V1/T1=P2・V2/T2
ここで、P1,V1,T1は取鍋の鍋底における気泡の圧力、気泡の体積、気泡の温度、P2,V2,T2は溶湯表面に到達する直前に位置する気泡の圧力、気泡の体積、気泡の温度である。従って、ポーラスプラグのガス吹き孔は孔同士が孔径の数倍離れて位置するとともにその数倍以上は離れない位置に位置させることが好ましいが、ポーラスプラグは孔の位置を任意に配置できないため、攪拌効果を十分に発揮できない問題がある。
スリットプラグの場合、キャスタブルに焼失材を入れて乾燥中に該焼失材を焼失させてスリット状の孔を開けることが行われている。しかし、スリットの数には制限があり、このためガス流量を確保するためにスリット厚みを大きくしているが、この結果、発生気泡が大きすぎ、溶湯の攪拌効果が小さい問題がある。又、スリットプラグはスリット厚みが大きいため、溶湯が侵入して使用後はスリットが閉塞され、再使用する際に酸素洗浄するか高圧気体で吹き飛ばさなければならず、寿命が短い問題もある。
従来の貫通孔プラグでは、金属パイプやセラミックパイプを成形時に原料中に挿入することにより、該金属パイプやセラミックパイプで貫通孔が作られる。しかし、従来の、金属パイプや、セラミックパイプで形成された貫通孔は孔径が大きいため、発生気泡が大きすぎ、溶湯の攪拌効果が小さい。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであって、ガス流量のばらつきがなく、溶湯の攪拌効果が高いとともにプラグの寿命を長くすることができるガス吹き込みプラグを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、金属溶湯にガスを吹き込む貫通孔をプラグ本体に有したガス吹きプラグにおいて、前記貫通孔は焼失材が消失されることにより、その孔径が1μm〜0.3mmにされているとともに前記プラグ本体がプレス成形にて形成されていることを特徴とするガス吹きプラグを要旨とするものである。なお、孔径とは、孔が断面円形の場合には直径であり、孔の横断面が楕円形、三角形、四角形、多角形等の非円形である場合には、平均値である。
請求項2の発明は、請求項1において、前記プラグ本体が焼成品であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1において、前記プラグ本体が不焼成品であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項において、前記貫通孔は、横断面形状が円又は楕円形に形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ガス流量のばらつきがなく、溶湯の攪拌効果が高いとともにプラグの寿命を長くすることができる。すなわち、請求項1の発明によれば、ポーラスプラグと異なり、貫通孔の位置を正確に配置できるため、製品間にガス流量にばらつきが生ずることがなく、溶湯の攪拌効果にばらつきが生ずることがない。さらに、貫通孔の孔径を1μm〜0.3mmとしているため、溶湯が貫通孔内に侵入することがなく、このため寿命を長くすることができ、又、貫通孔から発生する気泡が小さいため、溶湯の攪拌効果を高くすることができる。
請求項2の発明によれば、焼成品からなるプラグ本体にしても請求項1の発明の効果を実現することができる。
請求項3の発明によれば、不焼成品からなるプラグ本体にしても請求項1の発明の効果を実現することができる。
請求項4の発明によれば、貫通孔の横断面形状を円又は楕円形にして、請求項1の発明の効果を実現することができる。なお、横断面形状とは、貫通孔が延びる方向に対して直交して切断したときの断面形状である。
以下、本発明のガス吹き込みプラグを溶湯取鍋(以下、単に取鍋という)の貫通孔プラグ20に具体化した一実施形態について図1〜3を参照して具体的に説明する。
図1に示すように取鍋10は、有底円筒形状に形成された取鍋鉄皮11と、取鍋鉄皮11の内面を被覆するように配置されたレンガにて形成された耐火物層12とにより構成されている。前記耐火物層12により、溶湯保持室14が形成されている。耐火物層12の底部の所定部位には、本実施形態に係るガス吹き込みプラグとしての貫通孔プラグ20が一体的に埋設されている。
取鍋10の底部において、耐火物層12には貫通孔プラグ20が埋設されている。貫通孔プラグ20は溶湯保持室14の金属の溶湯W(一般的には炭素鋼、合金鋼)にガスを吹き込むものである。
図2に示すように貫通孔プラグ20は、複数の貫通孔21をもつプラグ本体22と、プラグ本体22の外周面を包囲する筒状の鉄皮23とから構成されている。貫通孔プラグ20は、耐火物層12に対して鉄皮23の外周面に被覆された図示しないモルタル層(例えばアルミナ系等の耐火材料)を介して取着されている。
図2に示すように前記プラグ本体22は縦断面で上側が小径で下側が大径の円錐台形状をなしており、溶湯保持室14の溶湯に対面する平坦な上面26と、底面27と、外周面28とを有する。プラグ本体22の原料の材質は、溶融金属に対して容易に溶損しない緻密質耐火物を形成する材質であればよい。例えば、マグネシア系、アルミナ系、アルミナ−マグネシア系、アルミナ−マグネシア−ジルコニア系、アルミナ−クロム系(Al−Cr系)、アルミナ−カーボン系を挙げることができる。これらの材質はコストが低廉であるため、製品コストを下げるために好ましい。本実施形態の貫通孔プラグ20では、特にアルミナーカーボン系の材質を使用することができることが特徴である。一般には、通常のガス吹き込みプラグは、アルミナ−カーボン系を使用することができない。これは、通常のガス吹き込みプラグではガス吹き込みのための孔が鋼(溶湯)により詰まったとき、鋼を酸素を使用して取り除くが、このとき、アルミナ−カーボン系の材質では、カーボンが燃えてなくなるためである。
本実施形態の貫通孔プラグ20では貫通孔21が溶湯により詰まることがないため、酸素を使用する溶湯の除去作業も必要でなく、アルミナ−カーボン系の材質を使用することができる。又、カーボンを使用することができることにより、貫通孔プラグ20が割れ難くなり、耐スポーリング特性が飛躍的に良くなり、寿命を伸ばすことができる。
本実施形態で使用される前記原料の大きさは、後述するプレス成形が可能な大きさとされている。すなわち、本実施形態の原料の大きさは最大粒径3mm程度から1/1000mm程度迄とし、これらの粒径のものが混合使用されている。この範囲の原料の大きさであると、材質の種類に関係なく最も緻密な組織が得られるように粒度配合することができる。
プラグ本体22は、前述した原料が公知の有機合成樹脂液又は水で混練されて成型用の杯土が作られ、この杯土が層状に重ね合わせられて順次積層されたものがプレス成形された後、焼成されることにより形成されている。又、プラグ本体22はプレス成形した後焼成せずに不焼成で形成することも可能である。なお、杯土が層状に重ね合わされて積層される場合、後述する貫通孔21が形成される積層部位では、層と層との間に複数の糸状の焼失材を直線状にかつ平行に配置して挟み込みされる。ここで使用される焼失材としては、糸状や布状の樹脂材、塩化ビニル、紙、釣り糸を挙げることができる。これらの焼失材は焼失した場合、残渣が生ぜず、貫通孔21を塞がないため好ましい。
図3に示すように貫通孔21は横断面形状が円形に形成されているとともにプラグ本体22の中心軸芯に沿って延設されている。そして、各貫通孔21はプラグ本体22の上面26で開口しているとともに底面27で開口することにより溶湯Wにガスを吹き込むことが可能である。
前記貫通孔21の径(すなわち、孔径)は、1μmから0.3mmの範囲が好ましい。孔径は小さいほど好ましいが、1μm未満は製造することが困難である。又、孔径は、0.3mmを超えると、溶湯が貫通孔21の上端開口21aから侵入しやすくなるのと、貫通孔21の上端開口21aから生じた気泡が大きくなって、溶湯の攪拌効率が落ち、好ましくない。なお、貫通孔21の径の大きさと数は、使用する取鍋10の大きさ(容量)に応じて設定する。又、隣り合う貫通孔21間の距離は、孔同士が孔径の数倍(3〜6倍)離れて位置する。なお、図2、図3では、説明の便宜上貫通孔21の径は、実際の大きさよりも大きくして図示されている。
図2、図3に示すように鉄皮23はプラグ本体22の外周面28及び底面27を被覆するように配置されて、縦断面でプラグ本体22と同軸的に配置されている。すなわち、鉄皮23はその外形が円錐台形状に形成されるとともに有底筒状をなしている。鉄皮23は耐熱性及び強度を兼ね備えた鋼で形成されている。鉄皮23の厚みt1は0.5〜1.5mm程度が好ましく、殊に1mm程度が好ましい。なお、図2、図3において、鉄皮23の厚みは説明の便宜上誇張して図示されている。
図2に示すようにプラグ本体22の底面27において、貫通孔21が形成された部位には凹部29が形成されている。凹部29と鉄皮23の内底面との間には、プール室30が形成されている。又、鉄皮23の底部中央部には金属製の吹込管31が連結されている。
取鍋精錬時に貫通孔プラグ20を使用する際には、図1に示すように、取鍋10の溶湯Wの湯面にスラグSを浮遊させると共に、溶湯Wの上方に複数の黒鉛電極(図示しない)を配置した状態でアーク放電を行い溶湯Wを加熱し、溶湯Wに対して取鍋精錬を行う。このとき溶湯Wの攪拌効果を高めるべく、不活性ガス(例えばアルゴンガス、窒素ガス等)が図示しないガス供給源から吹込管31を介して吹き込まれると、供給されたガスはプール室30を経て、プラグ本体22の貫通孔21に吹き込まれ、貫通孔21の上端開口21aから溶湯保持室14の溶湯Wに気泡Kを形成して吹き出される(図1参照)。この吹き出された気泡Kにより、溶湯Wが攪拌され、バブリング処理が行われる。
さて、以上の実施形態の特徴を下記に述べる。
(1) 本実施形態の貫通孔プラグ20は、汎用の材質を使用することができる。
(2) 又、本実施形態では、ポーラスプラグと異なり、貫通孔の位置を正確に配置できるため、製品間にガス流量にぱらつきが生ずることがなく、溶湯の攪拌効果にばらつきが生ずることがない。なお、ガス流量基準範囲は狭く設定されており、このため、ポーラスプラグの場合、製造段階でも不良率がある程度発生し、歩留まり落ちによってコスト高となる。本実施形態の貫通孔プラグ20では、製造段階において前記ガス流量基準範囲に収めることができ、使用現場でもガス流量のばらつきがない効果を奏する。
(3) 又、本実施形態では、貫通孔21の孔径を1μm〜0.3mmとしているため、溶湯が貫通孔内に侵入することがなく、このため寿命を長くすることができる。又、貫通孔から発生する気泡が小さいため、溶湯の攪拌効果を大きくすることができる。
(4) 又、本実施形態では、ガス流量のばらつきがなく、溶湯の攪拌効果を高くすることができる。
(5) 本実施形態では、最大粒径3mm程度から1/1000mm程度迄の原料の大きさのものを混合使用するものとした。この範囲の原料の大きさであると、材質の種類に関係なく最も緻密な組織が得られるように粒度配合することができる。そして、本実施形態では、プラグ本体22は、前述した原料が公知の有機合成樹脂液又は水で混練されて成型用の杯土が作られ、この杯土が層状に重ね合わせられて順次積層されたものがプレス成形された後、焼成されている。
このことにより、前記混練液は高圧でのプレスに必要最小限で成型できる。その結果、本実施形態の貫通孔プラグ20は、焼成されて形成されたとき体積収縮がほとんどなく、貫通孔21の孔径コントロールが容易で、得られた耐火物の密度が高く、耐食性の高い耐火物にすることができる。 なお、泥漿又はペースト状にして、成型杯土を作る場合は、上記の本実施形態の効果は得られない。泥漿又はペースト状に形成した場合、原料の大きさとしては粒径の細かいものしか適用できないものとなる。又、泥漿又はペースト状に形成して流動性を高めるためには、水又はその他液状のものを大量に使用せざるを得なくなる。そのために、成型後の焼成により体積収縮が大きく、貫通孔の孔径のコントロールが難しいものとなる。又、出来上がった耐火物の組織密度が低くなり、その結果、耐食性が低くなる問題がある。
(実施例)
さて、上記のように構成された貫通孔プラグ20の効果を確認するために、実際に同じ大きさとなるように貫通孔プラグ20、従来のポーラスプラグ及びスリットプラグを製造し、各プラグに対して、それぞれガスを吹き込み溶湯へ出た瞬間の気泡径の分布を測定した。なお、気泡径は直接測定することが難しいため、各プラグの貫通孔、ポーラス(孔)、及びスリットの開口の大きさを測定してその開口断面積を算出し、この開口断面積に基づいて貫通孔等から出た直後の気泡径を算出した。
図4は気泡径の分布グラフである。図4における貫通孔プラグ20では、一定の径25μmを有する貫通孔形成用の焼失材を使用することにより、各貫通孔21の孔径を25μmとした。又、ポーラスプラグは、アルミナ粒をバインダで結合することにより形成した。
スリットプラグについては、図6、図7を参照して説明する。同図に示すようにスリットプラグ100は、複数のスリット101をもつプラグ本体102と、プラグ本体102の外周面を包囲する筒状の鉄皮103とから構成されている。なお、図6、7においては、鉄皮103は説明の便宜上実際の物よりも厚みを誇張して図示している。プラグ本体102は、ハイアルミナ質キャスタブルを用いて形成した。又、スリットの大きさを0.15mm厚みとし、10mm幅を有するようにテープ形状の焼失材を用いることにより形成した。又、鉄皮103の底部には、吹込管104が連結されている。
図4に示すように、貫通孔プラグ20では、25μmの気泡径が100%を占めていることが確認された。一方、ポーラスプラグでは、気泡径は25μmから150μmの範囲に分布し、特に125μmは40%弱であり、150μmの気泡が25%弱であることが確認された。このことから、ポーラスプラグでは125μm以上の径の大きさの気泡が半分以上であることが確認された。このようにポーラスプラグでは一定径の気泡が得られることがなく、気泡の径がばらつくことが確認された。
又、スリットプラグ100では1400μmの径の気泡が100%であることが確認された。このことからスリットプラグ100では、気泡の径が大きくなることが確認された。又、図7に示すようにスリットの数は貫通孔プラグ20の貫通孔の数に比較して、少なくなることも確認された。
次に、本実施形態の貫通孔プラグ20と、前記ポーラスプラグと、前記スリットプラグ100の寿命試験を行った。寿命試験の条件は下記の通りである。
(寿命試験条件)
取鍋精錬を行う場合、バッチ式で行うが、この精錬する時に、1回ずつ取鍋に溶湯をチャージする回数(ch)を測定し、貫通孔プラグ20、ポーラスプラグ、スリットプラグ100が使用できなくなるまでの回数を寿命の回数(寿命(ch))とする。そして、寿命試験ではそれぞれのプラグを所定個数用意して、この測定を繰り返し行い、各プラグの寿命に達するまでの回数を測定して、その回数の出現頻度を算出した。
図5において、横軸はプラグ寿命(ch)(寿命の回数)を示し、縦軸は出現頻度(%)を示す。図5に示すようにポーラスプラグ及びスリットプラグでは、寿命20chで寿命がなくなるものが出現し、寿命40chで40%〜40数%程度が出現する。
それに対して、貫通孔プラグ20では、寿命50chまで寿命があったものは80%が出現するのに対して、ポーラスプラグ及びスリットプラグでは、60%未満のものしか出現しないことになる。さらに、貫通孔プラグでは寿命60chまで出現しているものが確認された。
このことは、ポーラスプラグ及びスリットプラグでは、比較的早い段階から、溶湯が孔やスリット内に侵入して、その寿命を短くしているものが出現している。これに対して、貫通孔プラグ20では、貫通孔21の孔径が小さいため、溶湯が侵入し難く、いずれの貫通孔プラグにおいても寿命が延びているものと推測される。
なお、本発明の実施形態は前記ち実施形態に限定されるものではなく、下記のように変更してもよい。
○ 前記実施形態では、溶湯取鍋の貫通孔プラグ20に具体化したが、溶湯鋳造用タンデッシュ、溶湯用樋等の容器の底部に設けられる貫通孔プラグや、ノズルやSNプレートに設けられる貫通孔プラグに具体化しても良い。
○ 前記実施形態の貫通孔21は横断面円形状に形成したが、貫通孔21の横断面形状は限定されるものではない。例えば、横断面形状を楕円形状、四角形状、六角形状、八角形状にしてもよい。
○ 前記実施形態の貫通孔プラグ20において、鉄皮23の周囲に緻密質耐火物で囲繞した構成としてもよい。
○ 前記実施形態では、プラグ本体22は、焼成品としたが不焼成品としてもよい。この場合、プラグ本体22の貫通孔21は、加熱乾燥する際の熱により、焼失材が焼失することによって形成するものとする。
この場合においても、本実施形態では、原料の大きさは最大粒径3mm程度から1/1000mm程度迄とする。この範囲の原料の大きさであると、材質の種類に関係なく最も緻密な組織が得られるように粒度配合することができる。そして、本実施形態では、プラグ本体22は前述した原料は、公知の有機合成樹脂液又は水で混練されて成型用杯土が作られ、この杯土が層状に重ね合わせられて順次積層されたものがプレス成形された後、加熱乾燥により不焼成で形成されている。
この場合においても、前記混練液は高圧でのプレスに必要最小限で成型できる。その結果、不焼成で貫通孔プラグを形成したとき体積収縮がほとんどなく、貫通孔21の孔径コントロールが容易で、得られた耐火物の密度が高く、耐食性の高い耐火物にすることができる。
○ 前記実施形態では、取鍋精錬時に貫通孔プラグ20を使用する際、黒鉛電極(図示しない)を使用したが、下記の方法の取鍋精錬に使用するようにしてもよい。すなわち、貫通孔プラグ20によりガス吹き込みして取鍋10の溶湯Wの湯面に浮遊したスラグSを取鍋壁際に追いやり、その後、浸漬管(図示しない)を溶湯Wに浸漬させてスラグの影響を除去した後、合金鉄を取鍋10に投入して、溶湯Wに合金成分を均等に溶解する。このとき、貫通孔プラグ20から吹き出されるガスの気泡Kにより、溶湯Wが攪拌され、バブリング処理が行われる。
取鍋の断面図、 貫通孔プラグ20の縦断面図。 貫通孔プラグ20の横断面図。 気孔径の分布グラフ。 プラグ寿命比較のための出現頻度グラフ。 比較例であるスリットプラグの縦断面図。 比較例であるスリットプラグの横断面図。
符号の説明
20…貫通孔プラグ、21…貫通孔、22…プラグ本体、23…鉄皮。

Claims (4)

  1. 金属溶湯にガスを吹き込む貫通孔をプラグ本体に有したガス吹きプラグにおいて、
    前記貫通孔は焼失材が消失されることにより、その孔径が1μm〜0.3mmにされているとともに
    前記プラグ本体がプレス成形にて形成されていることを特徴とするガス吹き込みプラグ。
  2. 前記プラグ本体が焼成品であることを特徴とする請求項1に記載のガス吹き込みプラグ。
  3. 前記プラグ本体が不焼成品であることを特徴とする請求項1に記載のガス吹き込みプラグ。
  4. 前記貫通孔は、横断面形状が円又は楕円形に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載のガス吹き込みプラグ。
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