JP2007262341A - ポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリフェニレンスルフィドを代表とするポリアリーレンスルフィドの製造工程において、オリゴマー量の少ないポリアリーレンスルフィド樹脂を、安価に、高収率で精製できる方法を提供する。
【解決手段】ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造工程において、重合反応後の粗ポリアリーレンスルフィド樹脂を精製する際に、モノフィラメント製ろ布を使用して固液分離することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PASと略称する)の精製方法に関するものであり、PAS製造における樹脂精製方法の効率化により、近年拡大しつつある同重合体の供給安定化に貢献するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略称する)に代表されるPASは、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気的性質並びに機械的性質の優れたエンジニアリングプラスチックであり、繊維、フィルム、射出成形用および押出成形用などの各種用途に幅広く利用されている。
PASの代表的な製造方法としては、例えば、特許文献1、特許文献2等に開示されているとおり、非プロトン性極性有機溶媒(例えは、N−メチルピロリドン(以下、NMPと略す)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム等)中で、スルフィド化剤(例えば、硫化ナトリウムに代表されるアルカリ金属硫化物、あるいは水硫化ナトリウムに代表されるアルカリ金属水硫化物と水酸化ナトリウムに代表されるアルカリ金属水酸化物の組合せ等)と、p−ジクロロベンゼンに代表されるポリハロゲン化芳香族化合物とを重合反応させる方法等により得られる。
重合反応は通常、高温高圧のアルカリ条件下で行われ、例えば原料として硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンを用いた場合には、目的物質のPPSと共に塩化ナトリウムが生成する他に、重合反応後の混合物中には未反応の原料や溶媒、副生成物、オリゴマー等が含有されている。
重合反応後の混合物は適当な容器に取り出され、それに含有される溶媒は減圧蒸留装置、濾過器、遠心分離器等の適当な固液分離装置を用いて分離回収されて(本操作を脱溶媒という)、再利用されたり、必要に応じて更に精製されて利用される。
一方、脱溶媒後の「粗ポリアリーレンスルフィド」は、一般には水洗と濾過が繰り返され、主に例えば塩化ナトリウムやアルカリ性物質等の不純物が除去される。一般には、100℃未満で行う水洗方法と、100℃以上の高温高圧下で行う熱水洗方法とがある。PASは水洗又は熱水洗後に濾過器、遠心濾過器等で分離され、その後乾燥され、必要に応じて熱処理し架橋反応を行い製品とする。
このPASは、通常重合時に塩化ナトリウムなどのハロゲン化アルカリ金属が副生するため、特に電気用途などへの適用を考えた場合その除去は重要である。また、オリゴマーなどの有機溶媒系の不純物は射出成形時の金型汚れやガスの発生源ともなるためその除去は重要な課題である。
PASを精製する技術はこれまでも検討されてきている。例えば、特許文献3には、PPSから重合溶媒を加熱蒸留により除去した後、100℃以上の有機溶媒で処理する方法が開示されている。しかし、この特許文献3では、一旦180℃まで冷却した後、減圧下で溶媒を回収する手段を用いているので、冷却過程、溶媒回収過程で長い時間を要し、製造工程として経済的に不利という問題点を有する。
一方、重合完了時に、PPSを含む反応生成物からフラッシュ法で溶媒回収する方法が、特許文献4、特許文献5に記載されている。特許文献4には、重合時に水添を行い、得られた反応混合物から有機アミド溶媒を蒸発または蒸留回収する方法が開示されている。しかし、重合時に水添を行うと、重合槽内の圧が上昇するため、高圧に耐える重合釜が必要となるので工業的製造工程として好ましくない。特許文献5には、重合後フラッシュ法にて溶媒回収を行い、その後得られたポリマーを有機溶媒で洗浄する方法が記載されているが、洗浄で使用した有機溶媒を回収する設備が新たに必要となるため、製造工程として経済的に不利という問題点を有している。
また、PASを精製する際のろ過工程では一般的にマルチフィラメントろ布が使用されているが、ろ布が目詰まりし易く洗浄効率が低下する、ろ布耐久性が悪いという問題点を有している。
特公昭45−3368号 特公昭52−12240号 特開平5−43690号公報 特開2000−191785号公報 特開2004−099684号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、オリゴマー量の少ないポリアリーレンスルフィド樹脂を、PAS製造における樹脂精製方法の効率化により安価に、高収率で得ることを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明法は次の事項により特定されるものである。即ち本発明は
1.ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造工程において、重合反応後の粗ポリアリーレンスルフィド樹脂を精製する際に、モノフィラメント製ろ布を使用して固液分離することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法、
2.前記粗ポリアリーレンスルフィド樹脂が、ポリハロゲン化芳香族化合物とスルフィド化剤とを極性有機溶媒中で反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を生成させ、反応終了後に極性有機溶媒、生成したポリアリーレンスルフィド樹脂、および副生アルカリ金属塩を含む混合物から、極性有機溶媒をフラッシュ法で除去回収した後に得られたものであることを特徴とする上記1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法、
3.前記モノフィラメント製ろ布が、通気度30cc/(cm・sec)以下であることを特徴とする上記1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法に関するものである。
本発明によれば、オリゴマー量の少ないポリアリーレンスルフィド樹脂を、PAS製造における樹脂精製方法の効率化により安価に、高収率で得ることが出来、近年拡大しつつある同重合体の供給安定化に貢献できる。また、水で粗ポリアリーレンスルフィドを精製する際の固液分離において、ろ布の目詰まりが少ないため、ろ過性が向上し、少ない水で粗ポリアリーレンスルフィドを精製する事が出来、経済的に有利である。
PPSと代表とするPASは、通常、NMP等の非プロトン性極性有機溶媒中で、少なくとも1種のポリハロ化芳香族化合物と少なくとも1種のスルフィド化剤とを従来公知の重合条件下で反応させて得られる。
本発明でいうポリハロ化芳香族化合物とは、例えば、芳香族環に直接結合した2個以上のハロゲン化芳香族化合物であり、例えば、p−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、トリクロルベンゼン、テトラクロルベンゼン、ジブロムベンゼン、ジヨードベンゼン、トリブロムベンゼン、トリヨードベンゼン、ジクロルナウタレン、ジブロムナフタレン、ジクロルジフェニルベンゼン、ジブロムジフェニルベンゼン、ジクロルベンゾフェノン、ジブロムベンゾフェノン、ジクロルジフェニルエーテル、ジブロムジフェニルエーテル、ジクロルジフェニルスルフィド、ジブロムジフェニルスルフィド、ジクロルビフェニル、ジブロムジフェニル等のポリハロ芳香族化合物及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中で、好ましいのは、使用する全ポリハロ化芳香族化合物のモル数に対して、p−ジクロルベンゼンを80モル%以上含むものである。
また、本発明でいうスルフィド化剤とは、特に制限されるものではなく、アルカリ金属硫化物の無水物又は含水物または水溶液として用いることが出来、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム及び硫化セシウム、又はこれらの水和物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。上記アルカリ金属硫化物の中でも、反応性に優れる点から硫化ナトリウムと硫化カリウムが好ましく、中でも硫化ナトリウムが特に好ましい。
なお通常、アルカリ金属硫化物中に微量存在するアルカリ金属水硫化物、アルカリ金属チオ硫酸化物と反応させるために、少量のアルカリ金属水酸化物を加えても差し支えない。
また、これらアルカリ金属硫化物は、例えば、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物、あるいは硫化水素とアルカリ金属水酸化物とを反応容器中で事前に接触させ、反応させることによっても得られるが、反応系外で調整されたものを用いてもよい。
アルカリ金属水硫化物としては特に制限されず、アルカリ金属水硫化物の無水物又は含水物又は水溶液として用いることが出来る。アルカリ金属水硫化物としては、例えば、水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム及び水硫化セシウム等が挙げられ、中でも水硫化ナトリウムが好ましい。これらはそれぞれ単独でも2種以上を混合して使用してもよい。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられるが、中でも水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。これらはそれぞれ単独使用でも2種以上を混合して用いてもよい。また、アルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物は、固体状態、液体状態、溶融状態等、どのような形態で反応に用いてもよく、特に制限はない。
また、本発明でいう非プロトン性極性有機溶媒とは、例えば、NMP、N−シクロヘキシルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等が挙げられ、これらの中でも、NMPがスルフィド化剤の反応性を向上させる特性に優れる点から特に好ましい。
上記非プロトン性極性有機溶媒の使用量は、使用する溶媒の種類及び系内の溶媒に対する系内の水分量により異なるため、特に制限されるものではないが、反応系を撹拌可能な状態に維持するためには、重合に用いる非プロトン性極性有機溶媒の使用量はスルフィド化剤中の硫黄源1モル当たり1.0〜6.0モルとなる範囲であることが好ましく、より好ましくは2.5〜4.5モルの範囲である。
また、必要に応じて重合反応を行う前に、例えば、原料である非プロトン性極性有機溶媒とアルカリ金属硫化物、またはアルカリ金属水硫化物とアルカリ金属水酸化物、又は硫化水素とアルカリ金属水酸化物を反応容器に加え、昇温しながら系内の水を系外に留出させる、脱水反応を行った後に密閉し、ポリハロ芳香族化合物の溶融物または非プロトン性極性有機溶媒を使用した溶液を滴下し、重合反応を行うとよい。
重合条件としては、特に限定しないが、好ましくは240〜290℃の範囲である。
重合反応終了後、通常、粗反応生成物中の溶媒は、240℃以上の加圧状態から常圧下に抜き出してポリマーを回収する減圧蒸留装置、濾過器、遠心分離器等の適当は固液分離装置にて、脱溶媒され分離回収されることが好ましく、特にフラッシュ法で脱溶媒することが好ましい。フラッシュ法とは、重合反応物を高温高圧(通常250℃以上、8kg/cm2以上)の状態から常圧もしくは減圧の雰囲気中へフラッシュさせ、溶媒回収と同時に重合体を粉粒状にして回収する方法である。ここでフラッシュとは、重合反応物をノズルから噴出させることを意味する。
本発明者等は、精製されたPASのクロロホルム抽出量で測定されるオリゴマーなどの有機系不純物を減らすべく、脱溶媒後の粗PASの精製方法について鋭意検討した結果、モノフィラメント製ろ布を使用して固液分離することにより、オリゴマー量の少ないPASが得られることを見出した。
本発明における固液分離に使用するモノフィラメント製ろ布の材質としては、PPSスラリー溶液の溶媒および洗浄溶媒に溶解しなければ、特に制限なく使用することができる。例えばポリプロピレン、ポリエステルなどが挙げられる。また、ろ布の通気度としてはろ過速度およびPPS収率を考えた場合、30cc/(cm・sec)以下であることが好ましく、特に15〜20cc/(cm・sec)であることが特に好ましい。ろ布の通気度が30cc/(cm・sec)より大きい場合、PPS収率が低くなり経済的に不利となるため、好ましくない。また、ろ布の通気度とは、JIS L1096 8.27.1 A法(フラジール形法)に基づく値である。脱溶媒後の粗ポリアリーレンスルフィドは水中でリスラリー化させ、前記モノフィラメント製ろ布により固液分離を行う。
脱溶媒後の粗ポリアリーレンスルフィドは水によりリスラリー化され、10〜80℃で水洗され、ろ過を行う。リスラリー化させる水の浴比は重量比で、精製・乾燥後、最終的に得られるPAS樹脂(以下、乾燥PASという)1に対し、5〜15の範囲が好ましく選択される。水の浴比が5未満であるとリスラリー液の輸送性に難があり、15より多いと水の使用量が多くなり、およびリスラリー化させる容器を大きくする必要があり経済的に好ましくない。また、ろ過時に必要に応じて洗浄水をPPSにかけて水洗を行う。かける水の浴比は重量比で、乾燥PAS1に対し、使用する水の量が多いほど洗浄効果は高いが、経済性を考慮すると、1〜15の範囲が好ましく選択される。また使用する水に含有される金属イオン量は500ppm以下であることが好ましい。金属イオン含有量が多すぎるとイオン性不純物量が増えてしまい好ましくない。使用する水の種類としてはイオン交換水、蒸留水が好ましく用いられる。
固液分離されたポリマーは必要により、水洗・ろ過が繰り返し実施される。本発明によって精製された固形分は、更に揮発性成分を除去するために100〜200℃の温度で熱処理される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。尚、%は、特にことわりのない限り、全て重量基準である。
なお、実施例、比較例中の各値は以下の方法に従って求めた。
1)クロロホルム抽出量:
クロロホルム抽出量は、ポリマー5gをクロロホルム120mlで4時間ソックスレー抽出し、この抽出液からクロロホルムを留去した後に得られる成分重量のポリマー重量に対する割合で表した。
2)収率:
仕込み硫黄源から飛散硫化水素を除いた実硫黄源量が全てPPSとして得られた場合を100%として、洗浄後得られたPPS量から計算して収率を求めた。
3)ろ過時ろ液へのポリマーリーク量:
ろ過時のろ液を母液として、1μm保持ろ紙にて真空ろ過を行い、捕集されたポリマー重量の母液重量に対する割合で表した。
ポリマーリーク量(ppm)
=捕集ポリマー量(g)÷母液重量(g)×1000000
4)ろ布の通気度:
JIS L1096 8.27.1 A法(フラジール形法)に基づき測定した。
[参考例1]
底に弁のついた撹拌機付きオートクレーブに47%水硫化ナトリウム118g(1.00モル)、96%水酸化ナトリウム42.9g(1.03モル)、NMP199g(2.01モル)、酢酸ナトリウム27.0g(0.33モル)、及びイオン交換水150gを仕込み、窒素を通じながら徐々に225℃まで約3時間かけて徐々に昇温し、水210gおよびNMP2gを留出したのち、反応容器を180℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は1.05モルであった。また、硫化水素の飛散量は0.02モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン147g(1.00モル)ならびにNMP69g(0.70)を加え、窒素下に密閉し、274℃まで昇温し、274℃で2時間反応させた。その後、274℃反応液を冷却コンデンサーの付いた250℃に加熱保温された撹拌そうにフラッシュ(常圧に解放)させ、ポリアリーレンスルフィドと塩類の混合粉末256gを得た。なお、ポリアリーレンスルフィドと塩類の混合粉末とは重合反応後、脱溶媒された粗PPSのことである。
[実施例1]
参考例1において得た重合反応後、脱溶媒された粗PPS50gにイオン交換水140gを加えてリスラリー化させ、70℃にて30分間撹拌後、通気度33cc/(cm・sec)のモノフィラメント製ろ布(中尾フィルター工業株式会社製ろ布 型番:PP1260SK−20)を用いブフナーロートにて吸引ろ過しケークを得た。得られたケーク及びイオン交換水260gを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後、オートクレーブを冷却して、内容物を取り出した。内容物を通気度33cc/(cm・sec)のモノフィラメント製ろ布(中尾フィルター工業株式会社製ろ布 型番:PP1260SK−20)を用いブフナーロートにて吸引ろ過し、ろ過中に洗浄水としてイオン交換水200gをかけ、ケークを得た。得られたケークを120℃で24時間真空乾燥して、乾燥PPS20gを得た。得られた乾燥PPSのクロロホルム抽出量は2.25%であり、収率は93.4%であった。また、ろ過時のろ液へのポリマーリーク量は268ppmであった。
[実施例2]
参考例1において得た重合反応後、脱溶媒された粗PPS50gにイオン交換水140gを加えてリスラリー化させ、70℃にて30分間撹拌後、通気度20cc/(cm・sec)のモノフィラメント製ろ布(中尾フィルター工業株式会社製ろ布 型番:PP1260SK−20)を用いブフナーロートにて吸引ろ過しケークを得た。得られたケーク及びイオン交換水260gを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後、オートクレーブを冷却して、内容物を取り出した。内容物を通気度20cc/(cm・sec)のモノフィラメント製ろ布(中尾フィルター工業株式会社製ろ布 型番:PP1260SK−20)を用いブフナーロートにて吸引ろ過し、ろ過中に洗浄水としてイオン交換水200gをかけ、ケークを得た。得られたケークを120℃で24時間真空乾燥して、乾燥PPS20gを得た。得られた乾燥PPSのクロロホルム抽出量は2.28%であり、収率は94.1%であった。また、ろ過時のろ液へのポリマーリーク量は86ppmであった。このように、実施例1と比較して、ろ過時のろ液へのポリマーリーク量が少なく、収率が向上した。
[実施例3]
参考例1において得た重合反応後、脱溶媒された粗PPS50gにイオン交換水100gを加えてリスラリー化させ、70℃にて30分間撹拌後、通気度20cc/(cm・sec)のモノフィラメント製ろ布(中尾フィルター工業株式会社製ろ布 型番:PP1260SK−20)を用いブフナーロートにて吸引ろ過しケークを得た。得られたケーク及びイオン交換水200gを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後、オートクレーブを冷却して、内容物を取り出した。内容物を通気度20cc/(cm・sec)のモノフィラメント製ろ布(中尾フィルター工業株式会社製ろ布 型番:PP1260SK−20)を用いブフナーロートにて吸引ろ過し、ろ過中に洗浄水としてイオン交換水150gをかけ、ケークを得た。得られたケークを120℃で24時間真空乾燥して、乾燥PPS20gを得た。得られた乾燥PPSのクロロホルム抽出量は2.48%であり、収率は94.2%であった。また、ろ過時のろ液へのポリマーリーク量は98ppmであった。このように、実施例1,2と比較して粗PPSを精製する際に使用する水量を減らしてもオリゴマー量が十分少ないPPSを得ることが出来た。
[比較例1]
参考例1において得た重合反応後、脱溶媒された粗PPS50gにイオン交換水140gを加えてリスラリー化させ、70℃にて30分間撹拌後、通気度16cc/(cm・sec)のマルチフィラメント製ろ布を用いブフナーロートにて吸引ろ過しケークを得た。得られたケーク及びイオン交換水260gを撹拌機付きオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内部を窒素で置換した後、192℃まで昇温し、30分保持した。その後、オートクレーブを冷却して、内容物を取り出した。内容物を通気度16cc/(cm・sec)のマルチフィラメント製ろ布を用いブフナーロートにて吸引ろ過し、ろ過中に洗浄水としてイオン交換水200gをかけ、ケークを得た。得られたケークを120℃で24時間真空乾燥して、乾燥PPS20gを得た。得られた乾燥PPSのクロロホルム抽出量は2.77%であり、収率は94.3%であった。また、ろ過時のろ液へのポリマーリーク量は34ppmであった。このように通気度16cc/(cm・sec)のマルチフィラメント製ろ布を使用し、ろ過を実施すると、ろ過時ろ液へのポリマーリーク量は小さく、収率的には良いが、ろ布への目詰まりが多いためろ過性が落ち、PPS洗浄能力が劣るものであった。

Claims (3)

  1. ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造工程において、重合反応後の粗ポリアリーレンスルフィド樹脂を精製する際に、モノフィラメント製ろ布を使用して固液分離することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法。
  2. 前記粗ポリアリーレンスルフィド樹脂が、ポリハロゲン化芳香族化合物とスルフィド化剤とを極性有機溶媒中で反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を生成させ、反応終了後に極性有機溶媒、生成したポリアリーレンスルフィド樹脂、および副生アルカリ金属塩を含む混合物から、極性有機溶媒をフラッシュ法で除去回収した後に得られたものであることを特徴とする請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法。
  3. 前記モノフィラメント製ろ布が、通気度30cc/(cm・sec)以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂の精製方法。
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