JP2007260753A - 鋳型装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動面に湯口が設けられ、その摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置に関し、溶湯が、型閉めされた一対の鋳型と摺動面の間に漏れ出してしまうことや、湯道形成空間からキャビティに達してしまうことを防止する。
【解決手段】一対の鋳型13の分割面13aに設けられ、型閉めされた状態で湯口160とキャビティCにつながる堰形成空間131とを結び、摺動面140aと略平行に延びる部分1321を有する湯道形成空間132と、湯道形成空間132から摺動面140aに向けて分割面13aに沿って広がり湯道形成空間132の厚さよりも薄い厚さのリブ成形空間133と、リブ成形空間133の先端1331に膨出した膨出部成形空間134とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、摺動面に湯口が設けられ、その摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置に関する。
上記鋳型装置の一例として、一対の横型の分割面(パーティング面)に設けられ、型閉めされた状態で湯口とキャビティにつながる堰形成空間とを結び、上記摺動面と略平行に延びる部分を有する湯道形成空間が設けられた鋳型装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−243721号公報
このような一対の横型の分割面に湯道形成空間が設けられた鋳型装置では、湯道形成空間に溶湯が流れると、分割面の間に溶湯が入り込んでしまう傾向にある。分割面の間に入り込んだ溶湯が、一対の横型が摺動する摺動面にまで達し、型閉めされた一対の横型と摺動面の間へ漏れ出すことがある。また、溶湯が、湯口から型閉めされた一対の横型と摺動面の間へ漏れ出すこともある。こうして漏れ出した溶湯が凝固してしまうと、最悪の場合、横型が摺動できなくなり、型閉めや型開きを行うことができなくなってしまう。また、溶湯が、湯道形成空間から分割面に沿ってキャビティにまで達しそのまま凝固してしまうと、製品部に鋳バリができてしまい問題になる。
本発明は上記事情に鑑み、溶湯が、型閉めされた一対の鋳型と摺動面の間に漏れ出してしまうことや、湯道形成空間からキャビティに達してしまうことを防止する工夫がなされた鋳型装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の第1の鋳型装置は、摺動面に湯口が設けられ、その摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置において、
前記一対の鋳型の分割面に設けられ、型閉めされた状態で上記湯口とキャビティにつながる堰形成空間とを結び、上記摺動面と略平行に延びる部分を有する湯道形成空間と、
上記湯道形成空間から上記摺動面に向けて上記分割面に沿って広がりその湯道形成空間の厚さよりも薄い厚さのリブ成形空間と、
上記リブ成形空間の先端に膨出した膨出部成形空間とを有することを特徴とする。
本発明の第1の鋳型装置によれば、溶湯が上記分割面の間に入り込んでしまう傾向にあることを利用し、分割面に沿った上記リブ成形空間を設けて溶湯をそのリブ成形空間へ積極的に導き、溶湯を上記膨出部成形空間へ入れ込む。上記リブ成形空間を通ってきた溶湯が、上記膨出部成形空間に入り込むと、空間が急に拡がり負圧の状態になるため、溶湯は上記膨出部成形空間内で滞留し、滞留している間に上記一対の鋳型に熱を奪われ凝固する。そのため、上記膨出部成形空間を越えてまで、上記分割面に溶湯が入り込むことがなくなり、溶湯が、型閉めされた一対の鋳型と上記摺動面の間に漏れ出すことが防止される。また、上記キャビティ内の溶湯よりも上記湯道形成空間の溶湯の方が早く凝固してしまうと、上記キャビティ内の、堰が接続した部分近傍の溶湯が凝固収縮する際に、堰を介して上記湯道形成空間の溶湯を補給することができなくなる。そのため、上記湯道成形空間の溶湯を、上記キャビティの溶湯よりも遅く凝固させる工夫がなされる。このような工夫がなされていると、上記キャビティ内の溶湯が凝固した時点で型開きを行い鋳造品の抜型を行おうとした時点では、湯道形成空間の溶湯が未だ半凝固であり、湯道の途中でちぎれて残った湯道の一部が上記湯口を塞いでしまうことがある。しかしながら、本発明の鋳型装置では、空間の厚みの違いから、上記湯道形成空間の溶湯よりも、上記リブ成形空間の溶湯や上記膨出部成形空間の溶湯の方が早く凝固し、半凝固の湯道が上記リブ成形空間や上記膨出部成形空間で凝固した溶湯によって補強される。
上記目的を解決する本発明の第2の鋳型装置は、摺動面に湯口が設けられ、その摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置において、
上記一対の鋳型の分割面に設けられ、型閉めされた状態で上記湯口とキャビティにつながる堰形成空間とを結び、上記摺動面と略平行に延びる部分を有する湯道形成空間と、
上記湯道形成空間から上記分割面に沿って広がりその湯道形成空間の厚さよりも薄いリブ成形空間と、
上記リブ成形空間の先端に膨出し上記湯口の縁につながった膨出部成形空間とを有することを特徴とする。
本発明の第2の鋳型装置では、上記リブ成形空間は、上記摺動面に向けて広がるものであってもよいし、上記摺動面とは反対側に向けて広がるものであってもよく、さらには、両方に向けて広がるものであってもよいが、上記リブ成形空間が、上記摺動面に向けて広がるものであれば、溶湯が、型閉めされた一対の鋳型と上記摺動面の間に漏れ出すことが防止される。加えて、本発明の第2の鋳型装置によれば、上記湯口から、型閉めされた一対の鋳型と摺動面の間に漏れ出そうとする溶湯が上記膨出部形成空間へ導かれ、上記湯口からの溶湯の漏れ出しも防止される。
上記目的を解決する本発明の第3の鋳型装置は、摺動面に湯口が設けられ、その摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置において、
上記一対の鋳型の分割面に設けられ、型閉めされた状態で上記湯口とキャビティにつながる堰形成空間とを結び、上記摺動面と略平行に延びる部分を有する湯道形成空間と、
上記湯道形成空間から上記分割面に沿って広がり上記キャビティから離れた、その湯道形成空間の厚さよりも薄いリブ成形空間とを有することを特徴とする。
本発明の第3の鋳型装置によれば、上記リブ成形空間には溶湯が積極的に導きかれるため、このリブ成形空間を上記キャビティから離し、リブ成形空間に導かれた溶湯が上記キャビティに達することが防止される。なお、この第3の鋳型装置におけるリブ成形空間も、第2の鋳型装置におけるリブ成形空間と同じく、上記摺動面に向けて広がるものであってもよいし、上記摺動面とは反対側に向けて広がるものであってもよく、さらには、両方に向けて広がるものであってもよい。
また、本発明の第3の鋳型装置において、上記リブ成形空間の先端に膨出し上記堰形成空間につながった膨出部成形空間を有することが好ましい。
上記リブ成形空間の先端に膨出した膨出部成形空間が、上記堰形成空間を越えて上記キャビティにつながるものであると、膨出部成形空間で凝固した溶湯によって堰が補強され、鋳放し時に行われる堰折りが困難になるが、上記堰形成空間につながった膨出部成形空間であると、上記キャビティにつながった膨出部成形空間に比べ堰の補強効果が弱まり、堰折りが困難になるといった問題が生じない。
本発明によれば、溶湯が、型閉めされた一対の鋳型と摺動面の間に漏れ出してしまうことや、湯道形成空間からキャビティに達してしまうことを防止する工夫がなされた鋳型装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態である低圧鋳造用の鋳型装置の内部構造を示す断面図である。
図1に示す低圧鋳造用の鋳型装置1は、ディッシュタイプの車両用ホイールを鋳造する際に用いられる、サイドゲート方式を採用したものであって、下型11と上型12と一対の横型13とを備えている。これらの鋳型11〜13はいずれも金型である。この鋳型装置1を用いて鋳造される車両用ホイールは、円筒状のリムとそのリムの内周面につながり窓部が設けられたディスクとを有する。
図1には、型閉めされた鋳型装置1が示されており、この図1では、断面を表す部分にハッチングを施すのではなく、下型11、上型12、および一対の横型13それぞれを明確にするため、下型11には左下がりのハッチングを施し、上型12には右下がりのハッチングを施し、一対の横型13にはクロスハッチングを施してある。
図1に示す下型11は下型プラテン140に固定配置されたものである。一方、上型12は昇降自在なものである。この上型12は、シリンダ(不図示)のピストンロッド151に取り付けられ上下動する上型プラテン150に固定され、上型プラテン150が上下動することによって昇降する。なお、下型プラテン140の内部には、冷却媒体の搬送経路となる配管類(不図示)等が収容された収容空間141が設けられている。
一対の横型13は、互いに離れることで型が開き、当接するまで互いに接近することで型が閉まるものである。図1に示す横型13は、下型プラテン140の水平面140a上を、図1の紙面に対して垂直な方向に摺動する。すなわち、一対の横型13は、分割面(パーティング面)13aに直交した下型プラテン140の水平面140aが摺動面になり、その水平面140aに沿って型閉めおよび型開きが行われる。図1には、一対の横型13のうちの一方の横型13のみが示されており、その一方の横型13は、紙面手前へ向かって摺動することで型が閉まり、紙面奥側へ向かって摺動することで型が開く。
図1に示す鋳型装置1では、固定配置された下型11の上に上型12が下降してくるとともに一対の横型13が当接するまで互いに接近することで型閉めが行われ、キャビティCが形成される。横型13は車両用ホイールのリムの外周面を形成し、下型11は車両用ホイールのディスクのおもて面(デザイン面)を形成する。また、上型12は、リムの内周面を形成するとともにディスクの裏面も形成する。
一方、型閉めされた鋳型装置1は、一対の横型13が互いに離れるとともに上型12が上昇することで型開きが行われる。キャビティCに溶湯を充填して得られた車両用ホールの鋳造品は、上昇する上型12から離れず、リムの、ディスクとは反対側のフランジ先端部(いわゆるインナーリムフランジ)が不図示の押し出し板によって下方へ押されることで、上型12から抜型する。
また、図1に示す鋳型装置1には、横型13の摺動面になる下型プラテン140の水平面140aに、凹部1611が設けられた湯口カラー161が配備されている。この凹部1611にはストーク170が接続しており、凹部1611内にはストレーナ(不図示)がセットされる。なお、湯口カラー161は、押さえ板162によってストーク170の上端に取り付けられている。ストーク170は、不図示の密閉された保持炉内に差し込まれたものであって、このストーク170には断熱材171が配備されている。保持炉にはアルミニウムの溶湯が保持されており、この溶湯に2MPa以上10MPa以下の圧力をかけることで、保持炉内の溶湯がストーク170を通って凹部1611に達する。したがって、この凹部1611の開口が、図1に示す鋳型装置1の湯口160になる。
一対の横型13は、型閉めされた状態でキャビティCの、円筒状のリム成形空間CRの周方向に180°対向した位置からそのリム成形空間CRにそれぞれつながる2つの堰形成空間131を有する。これら2つの堰形成空間131は、一対の横型13の分割面13aに形成されている。図1は、鋳型装置1の右側半分を一対の横型13の分割面13aに沿って断面した様子を示し、左側半分をその分割面13aとは異なる面に沿って断面した様子を示すものであるため、図1の右側にしか堰形成空間131が示されていない。なお、湯口160も、180°対向した位置にそれぞれ設けられているが、図1では右側となる湯口160しか示されていない。
また、一対の横型13は、型閉めされた状態で湯口160と堰形成空間131を結ぶ湯道形成空間132も有する。この湯道形成空間132も、一対の横型13の分割面13aに形成されたものである。キャビティCへの溶湯充填時には、不図示の保持炉から湯口160に到達した溶湯が、湯道形成空間132を通って堰形成空間131からキャビティC内へ充填される。図1に示す湯道形成空間132は、湯口160につながる部分が立ち上がった後、略90°折れ曲がり堰形成空間131に向けて延びている。すなわち、湯道形成空間132には、下型プラテン140の水平面140aと略平行に延びる部分1321が設けられている。この湯道形成空間132の堰形成空間近傍部分1322の厚さは、湯道形成空間132の、湯口160近傍部分の厚さに比べて厚い。また、その堰形成空間近傍部分1322の厚さは、水平面140aとは反対の上方側(ホイールインナ側)のインナ部分1322iよりも水平面140a側となる下方側(ホイールアウタ側)のアウタ部分1322oの方が厚くなっている。
ここで、必要に応じて図2および図3も参照しながら説明を続ける。
図2は、図1に示す鋳型装置で鋳造された車両用ホイールの鋳造品を示す図であり、図3は、図2のA―A’断面図である。
図2に示す車両用ホイールの鋳造品Wは、鋳放し前の状態であり、リム91と、そのリム91の内周面につながったディスク(不図示)と、そのリム91の、180°対向した位置に接続した一対の堰92と、その堰92につながった湯道93とを備えている。
図3には、図2に示す湯道93の断面図が示されている。この図3より、図1に示す堰形成空間近傍部分1322で凝固した溶湯M1は、その堰形成空間近傍部分1322よりも湯口160側で凝固した溶湯M2よりも肉厚であることがわかる。また、堰形成空間近傍部分1322のアウタ部分1322oで凝固した溶湯M3は、インナ部分1322iで凝固した溶湯M4よりも肉厚であることもわかる。
図1には、上型12の、ディスク形成空間CDの最も厚みがある部位を形成する面120を点線で表しているが、リム成形空間CRの、ディスク形成空間CDにつながる付根空間CRDは、かなり厚みのある空間である。このように、付根空間CRDが厚くなったキャビティを有する鋳型装置は従来より公知である(例えば、特開平2−41761号)。また、堰形成空間131は、湯道形成空間132よりも薄い空間である。ここで、キャビティC内の溶湯よりも湯道形成空間132の溶湯の方が早く凝固してしまうと、キャビティC内の、堰92が接続した部分近傍の溶湯が凝固収縮する際に、堰92を介して湯道形成空間132の溶湯を補給することができなくなる。そこで、湯道成形空間132の溶湯を、キャビティCの溶湯よりも遅く凝固させる必要が生じる。図1に示す鋳型装置1では、湯道形成空間132の堰形成空間近傍部分1322の厚さを厚くするとともに、さらにその堰形成空間近傍部分1322のうちの、付根空間CRDに近いアウタ部分1322oの厚さをより厚くしておくことで、薄い堰形成空間131を間に挟んで堰形成空間近傍部分1322と付根空間CRDとの間に温度勾配を確保し、付根空間CRDの溶湯が凝固する前に、堰形成空間131の溶湯が凝固してしまうことを防止している。
また、一対の横型13は、腹リブ成形空間133と腹側膨出部成形空間134も有する。腹リブ成形空間133は、湯道形成空間132から水平面140aに向けて分割面13aに沿って広がった空間であり、湯道形成空間132の厚さよりも薄い厚さの空間である。腹側膨出部成形空間134は、その腹リブ成形空間133の先端1331に膨出した空間であり、一端が湯口160の縁160aにつながるとともに他端が湯道形成空間132の堰形成空間近傍部分1322につながっている。さらに、一対の横型13は、背リブ成形空間135と、背側膨出部成形空間136も有する。背リブ成形空間135は、湯道形成空間132から水平面140aとは反対側に向けて分割面13aに沿って広がった空間であり、キャビティCから離れている。この背リブ成形空間135も、腹リブ成形空間133と同じく、湯道形成空間132の厚さよりも薄い空間である。背側膨出部成形空間136は、その背リブ成形空間135の先端1351に膨出した空間であり、一端は湯口160の縁160aにつながり、他端は堰形成空間131につながっている。
図2および図3には、腹リブ成形空間133で凝固した溶湯M5や、腹側膨出部成形空間134で凝固した溶湯M6が示されている。また、背リブ成形空間135で凝固した溶湯M7や、背側膨出部成形空間136で凝固した溶湯M8も示されている。図3に示された断面図を見ると、それぞれのリブ成形空間133,135で凝固した溶湯M5,M7はフィン状であり、それぞれの膨出部成形空間134,136で凝固した溶湯M6,M8は玉リブ状であることがわかる。
湯道形成空間132に溶湯が流れると、溶湯が分割面13aの間に入り込んでしまう傾向にある。図1に示す鋳型装置1では、腹リブ成形空間133や背リブ成形空間135を設け、この傾向を利用して溶湯を積極的に分割面13aに沿ったそれらの空間133,135に導き、溶湯を腹側膨出部成形空間134や背側膨出部成形空間136に入れ込む。腹リブ成形空間133や背リブ成形空間135を通ってきた溶湯が、腹側膨出部成形空間134や背側膨出部成形空間136に入り込むと、空間が急に拡がり負圧の状態になるため、溶湯は腹側膨出部成形空間134内や背側膨出部成形空間136内で滞留し、滞留している間に一対の横型13に熱を奪われて凝固する。そのため、腹側膨出部成形空間134や背側膨出部成形空間136を越えてまで、分割面13aの間に溶湯が入り込むことがなくなる。したがって、図1に示す鋳型装置1では、腹側膨出部成形空間134によって、溶湯が、型閉めされた一対の横型13とその一対の横型13の摺動面になる水平面140aとの間に漏れ出すことが防止される。
また、上述の如く、湯道成形空間132の溶湯を、キャビティCの溶湯よりも遅く凝固させる必要があるため、キャビティC内の溶湯が凝固した時点で型開きを行い鋳造品の抜型を行おうとした時点では、湯道形成空間132の溶湯が未だ半凝固であり、図2に示す湯道93の途中でちぎれて残った湯道93の一部が図1に示す湯口160を塞いでしまうことがある。しかしながら、図1に示す鋳型装置1では、空間の厚みの違いから、湯道形成空間132の溶湯よりも、各リブ成形空間133,135の溶湯や各膨出部成形空間134,136の溶湯の方が早く凝固し、半凝固の湯道93が、これらの空間133〜136で凝固した溶湯によって補強される。
さらに、腹側膨出部成形空間134も背側膨出部成形空間136も、一端が湯口160の縁160aにつながっている。このため、湯口160から、型閉めされた一対の横型13と水平面140aの間へ漏れ出そうとする溶湯が、腹側膨出部成形空間134や背側膨出部成形空間136へ導かれ、湯口160からの溶湯の漏れ出しも防止される。すなわち、これらの膨出部成形空間134,136には、それぞれのリブ成形空間133,135を通ってきた溶湯が入り込む他、湯口160からある程度の溶湯が直接入り込んで、堰形成空間131側へ向かって流れる。このように、図1に示す鋳型装置1では、湯口160からの溶湯の漏れ出しが防止されているが、念のため、湯口160に到達した溶湯が、横型13と下型プラテン140との間から漏れ出してくることを防止す湯口ブラケット163も配備されている。
またさらに、腹リブ成形空間133も背リブ成形空間135もキャビティCから離れている。腹リブ成形空間133のキャビティC側の端は堰形成空間近傍部分1322であり、背リブ成形空間135のキャビティC側の端は堰形成空間131である。これらのリブ成形空間133,135には溶湯が積極的に導かれるため、これらのリブ成形空間133,135がキャビティCのリム成形空間CRに接続していると、溶湯がリム成形空間CRに達し、リブ成形空間が設けられていない分割面13aの間に入り込んでできる鋳バリよりも厚いバリ状の突片がリブ91にできてしまうが、図1に示す鋳型装置1によれば、腹リブ成形空間133も背リブ成形空間135もキャビティCから離れているため、溶湯がキャビティCに達することが防止される。加えて、各膨出部成形空間が、堰形成空間131を越えてキャビティCにつながるものであると、膨出部成形空間で凝固した溶湯によって堰91が補強され、鋳放し時に行われる堰折りが困難になるが、図1に示す腹側膨出部成形空間134は堰形成空間近傍部分1322につながっており、背側膨出部成形空間136は堰形成空間131につながっているため、キャビティCにつながった膨出部成形空間に比べ堰の補強効果が弱まり、堰折りが困難になるといった問題が生じない。
また、横型13の、車両用ホイールのリムのインナーリムフランジを形成する部分には、ベントホール138が設けられている。このベントホール138は、横型13内の空洞13bに連通している。
下型11は、中央部分に、車両用ホイールのディスクに設けられるボス部のおもて面を形成する入れ子112を有する。この入れ子112は、基体1120とハブ孔形成体1121との2ピース構造である。ハブ孔形成体1121は、上型に向かって突出しており、車両用ホイールのハブ孔を形成するものである。このハブ孔形成体1121の内部は空洞であり、その内部には図示省略した空冷パイプが配置されている。また、基体1120にも水冷パイプ1122が埋め込まれている。さらに、下型には、入れ子112の基体1120を取り囲むようにして水冷パイプ1111が埋め込まれている。
上型12の内部には、下型11に向かって中央部分が開口した空洞12aが設けられている。この上型12も入れ子20を有するものであり、上型12の入れ子20は、空洞12aの中央部分の開口12bを塞ぐようにその空洞12a内に配備されている。上型12の入れ子20は、車両用ホイールのボス部の裏面を形成するとともに、図1に示すキャビティCのボス部形成空間部分CBにつながる押湯形成空間Rも形成するものである。上型12の入れ子20の中央部分には収容室21が設けられている。この収容室21には、内周縁221を有する画定部材220が隣り合う画定部材220との間に押湯形成空間Rにつながる隙間を設けて積み上げられている。押湯形成空間Rは、収容室21内に積み上げられた画定部材220それぞれの内周縁221によって画定される。収容室21は、周壁211と上蓋212を有する。上蓋212は、ボルト213によって周壁211に固定されており、一番上の画定部材220に接している。この上蓋212には、押さえボルト214が設けられており、この押さえボルト214によって画定部材220は下方へ向けて押さえつけられている。このため、キャビティCへの溶湯充填時に画定部材220が浮き上がってしまうことが防止される。また、一番上の画定部材220は、内周縁221よりも外側の位置から外周縁222までの外周部分が上蓋212との間に空間Sを有するものである。この空間Sと、収容室21内で隣り合う画定部材220の間にそれぞれ設けられた隙間とは、各画定部材220の外周縁222に設けられた不図示の縦溝によってつながっている。収容室21内の空間Sには、空気流路パイプ31が接続されている。キャビティCへ溶湯が充填されると、キャビティC内のエアは、隣り合う画定部材220の間に設けられた隙間を通って収容室21内の空間Sに到達し、空気流路パイプ31を通って外部に排出される。また、キャビティC内のエアは、横型13に設けられたベントホール138からも抜ける。一方、キャビティCへの溶湯の充填が完了した直後には、空気流路パイプ31から加圧エアが供給される。押湯形成空間Rに充填された溶湯は、隣り合う画定部材220の間にそれぞれ設けられた高さ方向に異なる隙間から、空気流路パイプ31によって供給された加圧エアにより押され、十分な押湯効果が得られる。
また、上型12の空洞12aには、空冷パイプ121とミスト冷却手段122との2種類の冷却手段が配備されている。空冷パイプ121は、車両用ホイールのリム幅方向に相当する高さ方向に異なる複数の箇所からエアを吹き出すことによって冷却を行うものである。ミスト冷却手段122は、水を噴霧することによって冷却を行うものである。図1に示すミスト冷却手段122は、車両用ホイールのリムの、ディスクとは反対側(いわゆるインナー側)に設けられたハンプを形成する部分をめがけて水を噴霧するが、噴霧された水は拡がり、リム形成空間CRのインナー側に相当する部分全体が強冷却される。
続いて、図4を用いて、腹側膨出部成形空間134の変形例について説明する。以下の説明では、これまでの説明と重複する説明は省略し、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
図4は、図1に示す腹側膨出部成形空間の変形例を示す図である。
この変形例における腹側膨出部成形空間134も、一端が湯口160の縁160aにつながっている。図1に示す腹側膨出部成形空間は、湯道形成空間132が堰形成空間131に向けて略90°折れ曲がった部分で、湯道形成空間132と同じく略90°折れ曲がって堰形成空間近傍部分1322につながった一本のものであるが、図4に示す変形例の腹側膨出部成形空間134は枝分かれしたものである。すなわち、図4に示す変形例の腹側膨出部成形空間134は、起立空間部1341と、その起立空間部1341の途中で枝分かれした傾斜空間部1342とを有する。図4に示す起立空間部1341は、湯道形成空間132が湯口160から立ち上がる方向に湯口160の縁160aから延び、湯道形成空間132の、下型プラテン140の水平面140aと略平行に延びる部分1321につながった空間である。一方、傾斜空間部1342は、その起立空間部1341の途中で枝分かれして堰形成空間近傍部分1322につながった空間である。湯口160の縁160aへつながった腹側膨出部成形空間134には、湯口160からある程度の溶湯が直接入り込む。不図示の保持炉内の溶湯にかける圧力が高くなればなるほど、湯口160から腹側膨出部成形空間134へ直接入り込む溶湯量が増加する。腹側膨出部成形空間134を湯口160の縁160aへつなげたことにより、湯口160からの溶湯の漏れ出しが防止されているが、湯口160から腹側膨出部成形空間134へあまり大量の溶湯が直接入り込むと、腹リブ成形空間133を通ってきた溶湯を腹側膨出部成形空間134内で凝固させることができなくなる恐れがある。そこで、この変形例では、湯口160から腹側膨出部成形空間134へ直接入り込んだ溶湯が湯道形成空間132へ素早く抜けるよう、湯口160の縁160aと湯道形成空間132とを最短距離で結ぶ起立空間部1341を設け、腹リブ成形空間133を通ってきた溶湯を腹側膨出部成形空間134内で凝固させやすくしている。こうすることで、湯口160からの溶湯の漏れ出しが防止されるとともに、溶湯の水平面140aへの漏れ出しがより確実に防止される。
以上の説明では、車両用ホイールを鋳造する際に用いられる低圧鋳造用の鋳型装置を例にあげて説明したが、本発明は、車両用ホイール以外の物品を鋳造する際に用いられる鋳型装置にも適用することができる。また、本発明は、低圧鋳造以外の加圧鋳造用の鋳型装置にも適用することができる。
本発明の一実施形態である低圧鋳造用の鋳型装置の内部構造を示す断面図である。 図1に示す鋳型装置で鋳造された車両用ホイールの鋳造品を示す図である。 図2のA―A’断面図である。 図1に示す腹側膨出部成形空間の変形例を示す図である。
符号の説明
1 鋳型装置
11 下型
12 上型
13 横型
13a 分割面
131 堰形成空間
132 湯道形成空間
133 腹リブ成形空間
134 腹側膨出部成形空間
135 背リブ成形空間
136 背側膨出部成形空間
137 外周画定面
140a 水平面
160 湯口
160a 縁
C キャビティ

Claims (4)

  1. 摺動面に湯口が設けられ、該摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置において、
    前記一対の鋳型の分割面に設けられ、型閉めされた状態で前記湯口とキャビティにつながる堰形成空間とを結び、前記摺動面と略平行に延びる部分を有する湯道形成空間と、
    前記湯道形成空間から前記摺動面に向けて前記分割面に沿って広がり該湯道形成空間の厚さよりも薄い厚さのリブ成形空間と、
    前記リブ成形空間の先端に膨出した膨出部成形空間とを有することを特徴とする鋳型装置。
  2. 摺動面に湯口が設けられ、該摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置において、
    前記一対の鋳型の分割面に設けられ、型閉めされた状態で前記湯口とキャビティにつながる堰形成空間とを結び、前記摺動面と略平行に延びる部分を有する湯道形成空間と、
    前記湯道形成空間から前記分割面に沿って広がり該湯道形成空間の厚さよりも薄いリブ成形空間と、
    前記リブ成形空間の先端に膨出し前記湯口の縁につながった膨出部成形空間とを有することを特徴とする鋳型装置。
  3. 摺動面に湯口が設けられ、該摺動面の上を摺動することで型閉めや型開きが行われる一対の鋳型を備えた鋳型装置において、
    前記一対の鋳型の分割面に設けられ、型閉めされた状態で前記湯口とキャビティにつながる堰形成空間とを結び、前記摺動面と略平行に延びる部分を有する湯道形成空間と、
    前記湯道形成空間から前記分割面に沿って広がり前記キャビティから離れた、該湯道形成空間の厚さよりも薄いリブ成形空間とを有することを特徴とする鋳型装置。
  4. 前記リブ成形空間の先端に膨出し前記堰形成空間につながった膨出部成形空間を有することを特徴とする請求項3記載の鋳型装置。
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