JP2007260560A - 排ガス処理塔 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガス処理塔内で排ガス処理を行った処理水に対し、処理水循環配管系にてアルカリを添加してpH調整を行い、繰り返し排ガス処理に用いるときに、pH調整のためのアルカリ量の低減、適正なpH調整、及び配管系の汚れ及び閉塞の防止を可能にする。
【解決手段】塔本体2の1段目35において処理水と排ガスを気液接触させて排ガス中の有害成分を除去し、2段目36において排ガスを冷却洗浄して塔本体2の上部の排ガス出口7から処理済み排ガスを排気する排ガス処理塔において、2段目36における排ガス処理水の一部を排水タンク20に、残りの一部を循環タンク4にそれぞれ導き、循環タンク4に貯留された処理水3を処理水循環配管27を介して1段目35に導いて排ガス処理に利用するとともに、循環タンク4にアルカリ液を投入して循環タンク4内の処理水のpHを調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、汚泥焼却炉、ボイラー、発電装置等において、汚泥流動焼却設備に適用される排ガス処理塔に関する。
従来、汚泥流動焼却設備においては、排ガス中のHCl、SOx、HCN、煤塵等の有害成分の除去を目的として排ガス処理塔を設けている。排ガス処理塔においては、排ガスを塔内に上向流で供給し、排ガスと塔内に噴霧する処理用冷却水との気液接触により、排ガス中のHCl、SOx、HCN、煤塵等の有害成分を吸収除去している。また、排ガス中の有害成分を吸収した処理水に対して、処理水循環配管系にてNaOH等のアルカリ液を添加してpHを7程度に調整し、排ガス処理塔内と循環させて繰り返し排ガス処理に用いている。
ここで、処理水にpH調整を行うのは以下の理由による。排ガスと気液接触した処理水を再度循環利用する循環水は、そのpHが高いほどHCl、SOx、HCNに対する吸収能が良いが、処理水は通常HCl、SOx、HCNの吸収によってpHが3〜4に低下している。また、排ガスと接触した処理水は高濃度の陽イオンを含んでおり、pHが7.5より大きくなると、処理水が通過する処理水循環配管系にカルシウムを含むスケールが沈着し、処理水の流れを妨げる。そこで、pHを7程度に調整することで、排ガス中の有害成分に対する吸収能を維持し、スケールの発生を防止している。
このような従来の排ガス処理塔として、排ガス洗浄を1段目の吸収段と2段目の冷却洗浄段の2段で行う排ガス処理塔がある(特許文献1参照)。この排ガス処理塔では、1段目において、循環タンクを介して処理水を循環させるとともに、循環タンクから排水する処理水のpHを測定し、循環タンクから1段目のスプレーノズルに向かう配管の途中で、循環する処理水にNaOHを添加することにより、pHを7程度に調整する。また、2段目の冷却洗浄段に外部から新しい冷却水を供給し、洗浄に使用した後の冷却水をバイパス経路を用いて1段目の循環タンクに排出する処理を行っている。
特開平11−104437号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている排ガス処理塔では、冷却洗浄に使用した2段目の処理水の全量を循環タンクに流し、これを処理水循環配管系を介してNaOH等のアルカリ液によりpH調整しつつ循環水として1段目に供給して、排ガス処理に利用している。このため、排ガスと接触した塩濃度の高い処理水の全量をpH調整するために多量のアルカリ液が必要になるという問題がある。
また、上記排ガス処理塔では、処理水のpHを計測するpH計と、NaOHの供給系とが連動していないため、NaOHの添加量を適切に調整することが困難であり、そのため、処理水3のpHを一定に維持することが困難であるという問題がある。
さらに、上記排ガス処理塔では、処理水を繰り返し循環させることで、処理水のpH値が適正値からずれてしまい、塩分濃度の上昇及び排ガス中の有害成分に対する吸収能の低下が起きるため、排ガス処理が不安定になったり、配管の汚れ及び閉塞等の不具合が発生しやすくなったりするという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、排ガス処理塔内で排ガス処理を行った処理水に対し、処理水循環配管系にてアルカリを添加してpH調整を行い、繰り返し排ガス処理に用いるときに、pH調整のためのアルカリ量の低減、適正なpH調整、及び配管系の汚れ及び閉塞の防止を可能にすることである。
以上の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、縦長の塔本体の下部に設けられた排ガス流入口に排ガスを導き、前記塔本体の上部から冷却水を散布し、前記塔本体の1段目において前記冷却水と排ガスを気液接触させて排ガス中の有害成分を除去し、2段目において排ガスを冷却洗浄して前記塔本体の上部の排ガス出口から処理済み排ガスを排気する排ガス処理塔において、前記2段目における排ガス処理水の一部を排水タンクに、残りの一部を循環タンクにそれぞれ導き、該循環タンクに貯留された処理水を処理水循環配管を介して前記1段目に導いて排ガス処理に利用するとともに、前記循環タンクにアルカリ液を投入して該循環タンク内の処理水のpHを調整することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の排ガス処理塔において、前記処理水循環配管から分岐して処理水のpHを計測するためのpH計測系を前記排水タンクとの間に接続し、前記pH計測系における計測値に基づいて、前記循環タンクの処理水にアルカリ液を投入して処理水のpHを調整するアルカリ液投入装置の制御を行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の排ガス処理塔において、前記循環タンク内の処理水のpHを5.0〜7.5に調整することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス処理塔において、前記循環タンクと前記排水タンクとを接続する配管を備えたことを特徴とする。
(作用)
2段目において排ガスの冷却洗浄処理に使われた処理水の一部は排水タンクに排出され、残りは循環タンクに給水されて処理水として貯留され、貯留された処理水は処理水循環配管を介して循環水として1段目に導かれ、処理水循環配管の途中に投入されるアルカリ液によりpH調整され、その後排ガス中の有害成分の吸収処理に再利用される。
本発明によれば、処理に使われた処理水の一部を処理水循環配管を介して循環させるので、アルカリ液の使用量が低減し、運転コストを低減できる。また、循環タンクに貯留されている処理水の一部を排水タンクに導くことにより、循環処理水の一部を交換し、塩濃度を低下させることができ、これにより、配管の汚れを低減させ、スケールの沈着を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の排ガス処理塔の第1実施形態を示すシステム構成図である。
図1において、排ガス処理塔1は、塔本体2を備え、この塔本体2の底部に処理水3が滞留する循環タンク4を設け、塔本体2の下部に排ガスを導入する排ガス流入口6を設け、塔本体2の上端部にはガス出口7を設けている。塔本体2内の上部には、冷却水供給管9から冷却水が供給されて冷却水8を噴出する冷却水スプレーノズル10を配置している。
塔本体2内には、上記排ガス流入口6と冷却水スプレーノズル10との間に位置して、下から第1の陣笠部11、第2の陣笠部12、第3の陣笠部13および第4の陣笠部14が設けられている。第4の陣笠部14は、塔本体2に取り付けられた受け皿部15と、受け皿部15の上部に設けられた笠部16と、受け皿部15と笠部16の間に形成された排気口17とからなる。第1〜第3の陣笠部11〜13も第4の陣笠部14と略同一構成のものである。
なお、上記の陣笠部のうち第1,第2および第3の陣笠部11〜13は、排ガスの安定した処理を可能にするが、その数を1から5段の範囲で変更又は省略しても本発明の前記効果を損じることはない。
第4の陣笠部14には、受け皿部15に溜まった処理水を循環タンク4に補給する補給管18および排水タンク20に排水する排水管19が接続されている。補給管18は、バルブ21、フィルタ22を介して上記循環タンク4に接続されている。バルブ21を調整することにより、受け皿部15から補給管21に流れる水量が8〜70%、排水管19に流れる水量が30〜92%になるように調整するようになっている。補給管18から補給された水は、処理水3として循環タンク4に貯留され、排水管19内の水は排水タンク20に貯留され、排水管24から下水処理場の排水槽(図示せず)へ排水されるようになっている。
なお、フィルタ22は、固形物を除去することにより洗浄水を清澄に維持する作用があるが、必ずしも必要ではなく省略しても本発明の効果を損なうものではない。
第1〜第3の陣笠部11〜13の上方、及び第1の陣笠部11の下方には、スプレーノズル25が配置され、スプレーノズル25は、循環タンク4の処理水3を循環ポンプ26を介して循環供給する処理水循環配管系27の先端に設けられている。
処理水循環配管系27には、スプレーノズル25に至る途中から分岐して排水タンク20に流れる処理水3のpHを計測するための第1のpH計28およびバルブ29を備えたpH計測系30が接続されている。上記循環タンク4の処理水3の上部には排水タンク20に至る排水管39が接続され、処理水3の一部(例えば8〜70%)はこの排水管39から排水タンク20に排水されるようになっている。このように循環タンク4の処理水3の一部を排水タンク20に導くことで、処理水循環配管系27を流れる処理水の一部を交換し、処理水3中の塩濃度を低下させる。排水タンク20には、排水タンク20に溜められた排水のpHを計測する第2のpH計31が設けられている。
なお、pH計がI(Indicate)機能、即ちpHの値を指示する基本機能の他に、C(Control)機能、即ちフィードバック制御のための信号を発する機能、及びA(Alarm)機能、即ち異常値を示したときに警報を発する機能を備えている場合、これらの機能を備えていることを表すためpHICAと表記するので、図中ではpH計をpHICAと表記している。
ただし、排水タンク20にはpH調整剤を添加しなくとも、既に排水のpHは良好に調整されているので、pH計31についてはC機能は不要である。
循環タンク4の上部には、例えば苛性ソーダ等のアルカリ液を投入するポンプ32を備えたアルカリ液投入装置33の管路34が接続されている。アルカリ液投入装置33のポンプ32は第1のpH計28からの計測信号に基づいて制御され、投入するアルカリ液の量を自動調整するようになっている。
次に、第1実施形態に係る排ガス処理塔による排ガス処理について説明する。
排ガス流入口6から塔本体2に流入する排ガス5は、上向流で第1〜第4の陣笠部11〜14の排気口17を通過する。1段目である吸収段35(排水ガス流入口6から第4の陣笠部14まで)に配置されたスプレーノズル25から、循環タンク4から循環供給された処理水3が散布され、排気口17から排出される排ガスと気液接触し、排ガス5中の有害成分であるHCl、SOx、HCN、煤塵等を吸収する。有害成分を吸収した処理水は各陣笠部11〜13の排気口17を通って落下し、循環タンク4に処理水3として溜められる。
吸収段35において有害成分の一部が除去された排ガスは上方に向かい、第4の陣笠部14の排気口17から排気され、ここで気液接触により残りの有害成分が除去されるとともに、2段目である冷却段36(第4の陣笠部14から排ガス出口7まで)において洗浄され、適温にまで冷却された後、排ガス出口7から排出される。
第4の陣笠部14の受け皿15に溜まった処理水は、一部(例えばその30〜92%)は排水管19を介して排水タンク20に排出され、残りは補給管18を介して循環タンク4に給水され、処理水3として貯留される。
循環ポンプ26により、処理水循環配管系27を流れる処理水3の一部は、pH計測系30から排水タンク20に流れ、その途中で第1のpH計28により処理水3のpHが計測される。この計測値に基づいて、アルカリ液投入装置33のポンプ32が制御され、適量のアルカリ液が循環タンク4に投入される。
処理水循環配管系27を流れる処理水3のpHが大きくなると、処理水循環配管系27等にカルシウムを含むスケールが沈着し、処理水3の流れ等が害される恐れがある。また、排ガス処理塔1から排水された処理水は、下水処理場の生物反応槽またはその上流に戻されるが、前述のように、循環タンク4内の処理水3のpHが5.0〜7.5の範囲外であると生物反応槽内の生物に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、処理水3のpHが5.0〜7.5の範囲内に維持されるように、アルカリ液投入装置33を制御して処理水のpHを調整する。
ここで、pHの数値限定の臨界的意義を以下に説明する。
pHの下限値(pH5.0)については、下水道法施行令に公共下水道への流入水の水質基準として「pH5.0を超え9未満」と規定されており、この範囲であれば該処理プロセスから放流された水を加えても生物反応槽内の生物に悪影響を及ぼさないように生物処理が設計されているためである。
pHの上限値(pH7.5)については冷却水の水質のうち蒸発残留物(mg/L)、水温(℃)、カルシウム硬度(mg/L)、アルカリ度(mg/L)からノーデル法の式(pHs=9.3+A+B−C−D、ここでAは蒸発残留物から導かれる換算値、Bは水温から導かれる換算値、Cはカルシウム硬度から導かれる換算値、Dは総アルカリ度から導かれる換算値)および換算表に基づいて炭酸カルシウム析出の指標となるpHsを求めて設備ごとに設定するのが良いが、下水処理水を冷却水とした場合、蒸発残留物が400〜1,000mg/L、カルシウム硬度が88〜138mg/L、アルカリ度が89〜139mg/Lの範囲であると考えられることから、循環水温が28〜63℃の条件で運転した時、最小のpHsは7.6と計算される。従って、カルシウム分の析出を予防するためpH7.5以下とするのが好ましい。
処理水循環配管系27を通過した処理水は、スプレーノズル25から噴射され、第1〜第3の陣笠部11〜13において、受け皿15に貯留し、満杯になると排気口17から循環タンク4に落下する。第1〜第3の陣笠部11〜13において、気液接触により有害成分の一部が除去された排ガスは第4の陣笠部14に向かい、ここで残りの有害成分は完全に除去され、冷却洗浄されクリーンなガスが排ガス出口7から排出される。
(試験例)
冷却水の水量を一定の65.3mとし、補給水の水量、第1のpH計が計測した循環水のpHの値、第2のpH計が計測した排水のpHの値を変化に対し、アルカリ液投入装置から投入した苛性ソーダの消費量を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007260560
上記結果から明らかなように、どのケースの場合も、排水のpHは5.9〜6.3と適切な範囲に収まり、かつ、ケース1、ケース2、ケース3の順に苛性ソーダ消費量が増えているが、(2)−1に示される分割して排水タンクへ導く水量が多いほど、苛性ソーダ消費量が少なくなることから、少なくとも分割して排水タンクへ導かない場合と比較して、分割する場合は苛性ソーダの消費が少なくなることが分かる。
図2は、本発明の排ガス処理塔の第2実施形態を示している。
循環タンクに貯留した処理水を塔本体内経由で循環させて再度排ガスの吸収に利用するようにした排ガス処理塔において、高濃度の排ガスを吸収して落下した処理水の全量を再使用する方式では、特に硫化物の多いガス等を処理する場合において、散水ノズルや配管の腐食を招くおそれがあった。第2実施形態の排ガス処理塔はこの問題を解消するものである。
図2に示す第2実施形態の排ガス処理塔1は、塔本体2の上下に、第1の陣笠部40および第2の陣笠部41を備え、これにより、塔本体2を1段目42、2段目43、および3段目44の3段に分割している。冷却水供給管9の分岐部分9a,9bを介して、1段目42および3段目44に冷却水を供給する。そして、2段目43と3段目44にそれぞれ排水管47,48を接続し、それぞれの処理後の処理水を塔本体2と別に設置した循環タンク50に導いている。
循環タンク50に苛性ソーダ等のアルカリ液49を投入することにより、pH調整している。pH調整された処理水の一部を、循環タンク50から循環ポンプ52、処理水循環配管系53を介して2段目43に循環させている。循環タンク50の処理水の残りは、ここから塔本体2の下部に設けられた排水タンク55に管路51を介して供給している。排水タンク55内の処理水は、排水管54から下水処理場の排水槽に排水するとともに、途中でpH計53によりpHが測定される。
なお、図2の各管路に%で示す数値は、流れる水の割合の最も好適な一例であり、その前後10%が好ましい範囲を示しているが、これに限定するものではない。
本実施形態によれば、1段目42において高濃度の排ガスを吸収して落下し、排水タンク55に溜まった処理水は、塔本体2内で循環されることなく、排水管54から直接排水され、濃度の小さい2段目43および3段目44の処理水のみ循環させるため、特に硫化物の多いガス等を処理する場合において、散水ノズルや配管の腐食を防止することができる。また、循環ポンプ52の設置箇所は1箇所だけでよいので、その分故障が少なくなり、メンテナンス性に優れる。
図3は、本発明の排ガス処理塔の第3実施形態を示している。
循環タンクに貯留した処理水を塔本体内経由で循環させて再度排ガスの吸収に利用するようにした排ガス処理塔においては、高濃度の排ガスを吸収して落下した処理水を再使用するため、特に硫化物の多いガス等を処理する場合において、散水ノズルや配管の腐食を招くおそれがあった。第3実施形態の排ガス処理塔はこの問題を解消するものである。
図3に示す第3実施形態の排ガス処理塔1は、塔本体2の下部に、排ガス流入口6からの排ガスが上側と下側に流れるように漏斗状の受け皿60を設け、上部に陣笠部40を設け、これにより、塔本体2を1段目61、2段目62の2段に分割している。冷却水供給管9を介して、2段目62に冷却水を供給する。そして、2段目62と受け皿60から排水管63,64を介して、処理後の処理水を塔本体2と別に設置した循環タンク50に導いている。循環タンク50に苛性ソーダ等のアルカリ液49を投入することにより、pH調整している。pH調整された処理水の一部を、循環タンク50から循環ポンプ52、処理水循環配管系53を介して受け皿60上の1段目61に循環させている。循環タンク50の処理水の残りは、ここから塔本体2の排水タンク55に管路51を介して供給している。排水タンク55の処理水3は、pH計53によりpHが測定されるとともに、排水管54から排水槽に排水されるようになっている。なお、図3の各管路に%で示す数値は、流れる水の割合の最も好適な一例であり、その前後10%が好ましい範囲を示しているが、これに限定するものではない。
本実施形態によれば、1段目61おいて高濃度の排ガスを吸収して落下した処理水3は、塔本体2内で循環されることなく、排水管54から直接排水され、濃度の小さい2段目62の処理水のみ循環させるため、特に硫化物の多い多いガス等を処理する場合において、散水ノズルや配管の腐食を防止することができる。また、循環ポンプ52の設置箇所は1箇所だけでよいので、その分故障が少なくなり、メンテナンス性に優れる。
図4は、本発明の排ガス処理塔の第4実施形態を示している。
排ガス処理塔の塔本体内において、排ガスの吸収処理に使用される水は、新しい冷却水か排ガス処理水である循環水のいずれかであり、循環水の水質を変化させることは困難で、排ガスの成分変動に対応しにくいという問題があった。第4実施形態の排ガス処理塔はこの問題を解消するものである。
図4に示す第4実施形態の排ガス処理塔1は、塔本体2を備え、この塔本体2の底部に処理水3が滞留する循環タンク79を設け、塔本体2の下部に排ガスを導入する排ガス流入口6を設け、塔本体2の上端部にはガス出口7を設けている。塔本体2内の上部には、冷却水供給管9から供給された冷却水8を噴出する冷却水スプレーノズル10を配置している。なお、図4の各管路に%で示す数値は、流れる水の割合の最も好適な一例であり、その前後10%が好ましい範囲を示しているが、これに限定するものではない。
塔本体2の中間部に陣笠部70を設け、これにより、塔本体2を1段目71、2段目72の2段に分割している。冷却水供給管9を介して2段目72に冷却水を供給するとともに、冷却水供給管9から分岐された排水管9aを介して1段目71にも冷却水を供給している。そして、2段目72から排水管73を介して、処理後の処理水を塔本体2と別に設置した排水タンク78に導くとともに、排水管73から分岐した排水管73aを1段目71に導いている。排水管73aに調整バルブ74を設けている。
塔本体2の下部の循環タンク79内の処理水の一部は、オーバーフロー液排水管75から排水タンク78に排水され、また、一部は排水ポンプ76により排水タンク78に排水され、排水タンク78から排水槽に排水される。
循環タンク79から処理水循環配管系27、循環ポンプ26を介して処理水3を1段目71に循環させるとともに、処理水循環配管系27にpH計78を設けている。苛性ソーダ等のアルカリ液49は1段目71に投入している。
本実施形態によれば、1段目71の処理に使用される水を、新しい冷却水(例えば3%)、2段目72からの排水管73の分岐排水管73aからの水、あるいは、処理水循環配管系27からの循環タンク79の水を任意の割合で選択することができるため、1段目71の循環水の水質を制御しやすく、排ガスの成分変動に対応しやすい。なお、水を任意の割合で選択する手段は、図示していないが、各管路に設けた調整バルブにより行うことができる。
図5は、本発明の排ガス処理塔の第5実施形態を示している。
排ガス処理塔の塔本体を、複数の排ガス吸収段および冷却段に分割して排ガス吸収および冷却を行う場合、排ガス量、排ガス成分の変化に柔軟に対応できるように、それぞれの段における水量を適切に制御することが必要であるが、従来はそれぞれの段の水量制御は困難であった。第5実施形態の排ガス処理塔はこの問題を解消するものである。
図5に示す第5実施形態の排ガス処理塔1は、塔本体2を備え、この塔本体2の底部に処理水3が滞留する排水タンク55を設け、塔本体2の下部に排ガスを導入する排ガス流入口6を設け、塔本体2の上端部にはガス出口7を設けている。塔本体2の上部には、冷却水供給管9から冷却水が供給されて冷却水8を噴出する冷却水スプレーノズル10を配置している。なお、図5の各管路に%で示す数値は、流れる水の割合の最も好適な一例であり、その前後10%が好ましい範囲を示しているが、これに限定するものではない。
塔本体2の上下に、第1の陣笠部40および第2の陣笠部41を備え、これにより、塔本体2を1段目42、2段目43、および3段目44の3段に分割している。冷却水供給管9を介して、3段目にスプレーノズル10から冷却水を供給する。2段目43と3段目44にそれぞれ排水管47,48を接続し、それぞれの処理後の処理水を塔本体2と別に設置した循環タンク50に導いている。循環タンク50に苛性ソーダ等のアルカリ液49を投入することにより、pHを調整している。
循環タンク50内の処理水の一部を、処理水循環配管系80,81、循環ポンプ82,83を介して、それぞれ1段目42および2段目43に循環させ、残りの処理水を1段目の下部の排水タンク55に排水するか、または排水タンク55を通すことなく直接排水する。
排水タンク55内の処理水は、pH計53によりpHが測定されるとともに、排水管54から排水槽に排水されるようになっている。
本実施形態によれば、1段目、2段目および3段目における水量を適切に制御しやすいため、排ガス量、排ガス成分の変化に柔軟に対応することができる。なお、水量を制御する手段は、図示していないが、各管路に設けた調整バルブにより行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各実施形態において、1段目の吸収段と2段目の冷却洗浄段は、それぞれ別の塔に設けてもよく、1段目の吸収段と2段目の冷却洗浄段をさらに細かく分割してもよい。
第1実施形態に係わる排ガス処理塔のシステム構成図である。 第2実施形態に係わる排ガス処理塔のシステム構成図である。 第3実施形態に係わる排ガス処理塔のシステム構成図である。 第4実施形態に係わる排ガス処理塔のシステム構成図である。 第5実施形態に係わる排ガス処理塔のシステム構成図である。
符号の説明
1・・・排ガス処理塔、2・・・塔本体、6・・・排ガス流入口、7・・・排ガス出口、4・・・循環タンク、8・・・冷却水、11〜14・・・陣笠部、20・・・排水タンク、27・・・処理水循環配管、30・・・pH計測系、33・・・アルカリ液投入装置、35・・・1段目、36・・・2段目

Claims (4)

  1. 塔本体の下部に設けられた排ガス流入口に排ガスを導き、前記塔本体の上部から冷却水を散布し、前記塔本体の1段目において処理水と排ガスを気液接触させて排ガス中の有害成分を除去し、2段目において排ガスを前記冷却水で冷却洗浄して前記塔本体の上部の排ガス出口から処理済み排ガスを排気する排ガス処理塔において、
    前記2段目における排ガス処理水の一部を排水タンクに、残りの一部を循環タンクにそれぞれ導き、該循環タンクに貯留された処理水を処理水循環配管を介して前記1段目に導いて排ガス処理に利用するとともに、前記循環タンクにアルカリ液を投入して該循環タンク内の処理水のpHを調整することを特徴とする排ガス処理塔。
  2. 請求項1記載の排ガス処理塔において、前記処理水循環配管から分岐して処理水のpHを計測するためのpH計測系を前記排水タンクとの間に接続し、前記pH計測系における計測値に基づいて、前記循環タンクの処理水にアルカリ液を投入して処理水のpHを調整するアルカリ液投入装置の制御を行うことを特徴とする排ガス処理塔。
  3. 請求項1または2に記載の排ガス処理塔において、前記循環タンク内の処理水のpHを5.0〜7.5に調整することを特徴とする排ガス処理塔。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス処理塔において、前記循環タンクと前記排水タンクとを接続する配管を備えたことを特徴とする排ガス処理塔。
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