JP2007256610A - 光ファイバ接続器および光ファイバの接続方法 - Google Patents

光ファイバ接続器および光ファイバの接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いが容易であるとともに、接続部の長期信頼性を確保することが可能な光ファイバ接続器および光ファイバの接続方法を提供する。
【解決手段】筒状のケーシング11と、筒状のケーシング11内に充填され、両端部から中心部に向かって形成された、突き合せ接続するための光ファイバ15A、15Bをそれぞれ誘導する一対の孔部を有する熱可塑性接着部材12とを備えた光ファイバ接続部材10である。一対の孔部は、光ファイバ15A、15Bを収容する円筒形状の壁面および底面からなる孔部からなっており、前記孔部のそれぞれの底面の間の熱可塑性接着部材12が所定の長さを有している。筒状のケーシング11が熱収縮チューブからなっている。熱可塑性接着部材12は、硬化後、光ファイバ15A、15Bを構成するコアの屈折率と略同一の屈折率を有する材料からなっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバ接続器および光ファイバの接続方法に係り、特に光ファイバを突き合わせ接続するための光ファイバ接続器および光ファイバの接続方法に関する。
従来より、光ファイバの接続方法として、融着接続とメカニカルスプライスが知られている。
融着接続は、接続部の長期信頼性が高いというメリットがあるが、装置が高価であるというデメリットがある。これに対し、メカニカルスプライスは接続装置は安価であるというメリットがあるが、接続部の長期信頼性が低下することがあるというデメリットがある。
ところで、メカニカルスプライスの接続部の長期信頼性が低下する理由の一つとして、突き合わされた一対の光ファイバ端面間に接続損失を低減するために、マッチングオイル(屈折率整合剤)と呼ばれる液体を充填していることがあげられる。
マッチングオイルは、光ファイバを構成するガラスとほぼ同じ屈折率の液体であり、光ファイバ端面間を満たすことによって、端面での反射損失を低減するものである。
しかしながら液体であるが故に、微細な塵が混入すると流動する過程で塵が光ファイバコア間に移動あるいは光ファイバコア間を通過して予期せぬ光損失を生じる場合がある。
特に接続作業終了直後に行った通光試験では、光損失が許容範囲であることが確認されたとしても、設置工事完了後数日あるいは数ヶ月経過してから光損失が生じる場合がある。このような場合には、復旧に多大な費用および手間が発生することとなり、特にFTTH敷設に用いた場合には、接続箇所が多いため、上述した不具合が発生すると甚大な被害となる可能性がある。
特開昭56−25708号公報
これを解決すべく、特許文献1記載の技術では、パイプに紫外線硬化樹脂を予め詰めておいて、パイプの両端から光ファイバを挿入して突き合わせ、光ファイバに紫外線を通光して硬化させる旨が記載されている。
しかしながら、紫外線光源は一般的に高価であるとともに、紫外線硬化樹脂は、伝送損失が大きく、光ファイバが長い場合には問題となる。さらに紫外線硬化樹脂は、常態で液体であるため、パイプ内の所定位置に液体を保持することも困難であるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、取り扱いが容易であるとともに、接続部の長期信頼性を確保することが可能な光ファイバ接続器および光ファイバの接続方法を提供することにある。
この発明の光ファイバ接続部材の第1の態様は、筒状のケーシングと、
前記筒状のケーシング内に充填され、両端部から中心部に向かって形成された、突き合せ接続するための光ファイバをそれぞれ誘導する一対の孔部を有する熱可塑性接着部材とを備えた光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続部材の第2の態様は、前記一対の孔部は、光ファイバを収容する円筒形状の壁面および底面からなる孔部からなっており、前記孔部のそれぞれの底面の間の熱可塑性接着部材が所定の長さを有している光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続部材の第3の態様は、前記筒状のケーシングが熱収縮チューブからなっている光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続部材の第4の態様は、前記熱可塑性接着部材は、硬化後、前記光ファイバを構成するコアの屈折率と略同一の屈折率を有する材料からなっている光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続部材の第5の態様は、前記一対の孔部は、前記筒状のケーシングと同心で形成されている光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続部材の第6の態様は、前記孔部の径は、接続対象の前記光ファイバの径よりもやや大きく形成されている光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続部材の第7の態様は、前記一対の孔部の前記円筒形状の壁面に、光ファイバの位置決め機構を備えている光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続部材の第8の態様は、前記一対の孔部は裸光ファイバ用の孔部と被覆部用の孔部とが一体的に形成された孔部からなっている光ファイバ接続部材である。
この発明の光ファイバ接続方法の第1の態様は、筒状のケーシング内に、両端部から中心部に向かって形成された、突き合せ接続するための光ファイバをそれぞれ誘導する一対の孔部を有する熱可塑性接着部材を充填し、
前記一対の孔部のそれぞれに、前記接続する光ファイバを挿入し、
光ファイバが孔部に挿入された前記熱可塑性接着部材が充填された前記ケーシングを加熱して、前記熱可塑性接着部材を溶融し、
次いで、冷却する、光ファイバ接続方法である。
この発明の光ファイバ接続方法の第2の態様は、前記光ファイバの先端を鏡面に切断して、前記孔部に挿入する光ファイバ接続方法である。
この発明の光ファイバ接続方法の第3の態様は、接続対象の前記光ファイバが前記孔部に付勢されて挿入される光ファイバ接続方法である。
この発明の光ファイバ接続部材によると、ケーシング内には、接続対象の光ファイバを導く一対の案内穴が形成された熱可塑性接着部材が充填されているので、常態で固体状態であり、取り扱いが容易であるとともに、接続後に光ファイバの接続部に塵などが混入することがなく、長期信頼性を確保することができる。
次に本発明の好適な実施の態様について図面を参照して説明する。
この発明の光ファイバ接続部材の1つの態様は、筒状のケーシングと、筒状のケーシング内に充填され、両端部から中心部に向かって形成された、突き合せ接続するための光ファイバをそれぞれ誘導する一対の孔部を有する熱可塑性接着部材とを備えた光ファイバ接続部材である。
上述した一対の孔部は、光ファイバを収容する円筒形状の壁面および底面からなる孔部からなっており、孔部のそれぞれの底面の間の熱可塑性接着部材が所定の長さを有している光ファイバ接続部材である。筒状のケーシングが熱収縮チューブからなっている光ファイバ接続部材である。熱可塑性接着部材は、硬化後、光ファイバを構成するコアの屈折率と略同一の屈折率を有する材料からなっている。
図1は、実施態様の光ファイバ接続器の端面および断面の説明図である。
図1(A)は、光ファイバ接続器10の端面図、図1(B)は、断面図である。
光ファイバ接続器10は、図1に示すように、熱収縮性の材料で形成された筒状のケーシング11を有し、このケーシング11内には、接続対象の光ファイバを導く一対の案内穴12A、12Bが形成されたホットメルト接着部材(ホットメルト樹脂:熱可塑性接着部材)12が充填されている。
ここで、ホットメルト接着部材12は、突き合わせ接続を行う光ファイバを構成するコアの屈折率と略同一、より好ましくは、同一の屈折率を有する材料で構成される。これにより、光伝送損失の低減化が図れる。ホットメルト接着部材12としては、具体的には、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)系ホットメルト樹脂が挙げられる。
また、案内穴12A、12Bは、その径が突き合わせ接続対象の光ファイバの径よりもやや大きく形成されている。これは光ファイバの挿入および突き合わせを容易とするとともに、ホットメルト接着部材12の加熱後に確実に光ファイバを接着できるようにするためである。また、案内穴12A、12Bには、図示しないV溝などの位置合わせ機構が設けられており、光ファイバを所定の接続位置へ確実に導くようにされており、接続される各光ファイバの裸ファイバは、それぞれ各案内穴12A、12Bに挿入されると調芯されるようになっている。
次に具体的な光ファイバ接続方法について説明する。
この発明の光ファイバ接続方法の1つの態様は、筒状のケーシング内に、両端部から中心部に向かって形成された、突き合せ接続するための光ファイバをそれぞれ誘導する一対の孔部を有する熱可塑性接着部材を充填し、
前記一対の孔部のそれぞれに、前記接続する光ファイバを挿入し、
光ファイバが孔部に挿入された前記熱可塑性接着部材が充填された前記ケーシングを加熱して、前記熱可塑性接着部材を溶融し、
次いで、冷却する、光ファイバ接続方法である。
図2は、光ファイバの接続方法を説明する図である。
図2(A)は、光ファイバ15A、15Bの接続前の光ファイバ接続器10の端面図、図2(B)は、断面図である。
まず、突き合わせ接続対象の光ファイバ(端部の被覆が除去された裸ファイバ)15A、15Bの端面16A、16Bを鏡面状態に切断し、この光ファイバ15A、15Bを案内穴12Aおよび案内穴12Bのそれぞれから挿入する。このとき光ファイバ15A、15Bは、上述したV溝などの位置合わせ機構により所定の接続位置に確実に導かれる。さらに光ファイバ15A、15Bは、ばねなどの付勢手段により突き合わせ方向に付勢されているのが好ましい。
この状態で光ファイバ接続器10を加熱装置としての平面ヒータ20により加熱する。
図3は、光ファイバの接続後の断面図である。
これによりホットメルト接着部材12が溶融することとなり、双方の光ファイバ15A、15Bは、突き合わせ方向に付勢されているので、図3(A)に示すように、光ファイバ15A、15Bの端面16A、16Bが接触するまで前進することとなる。このとき、双方の光ファイバ15A、15Bは、図示しないV溝等の位置合わせ機構により、保持され位置決めされているため、光軸がずれることは無い。
そして、光ファイバ15A、15Bが突き合わされるのに十分な時間が経過したら、加熱を終了し、自然冷却して突き合わせ処理を終了する。
更に、ケーシング11及び光ファイバ15A、15Bの被覆の端部を覆うように保護チューブ、あるいは樹脂をリコートする等して突き合わせ処理部を保護する。
図4は光ファイバの他の接続方法を説明する図である。図4に示すように、この態様においては、案内孔部が裸ファイバ用の孔部だけでなく、被覆部分の端部の一部を収容する被覆部用の孔部も一体的に形成されている。即ち、断面形状が先端部が細く基部が太い凸部形状からなっている。従って、接続部材の上述した裸ファイバ用および被覆部用の孔部に、裸ファイバ15A、15Bおよび被覆部17A、17Bを有する接続対象の光ファイバが挿入される。
このように光ファイバが孔部に挿入された熱可塑性接着部材が充填されたケーシングを加熱して、熱可塑性接着部材を溶融し、次いで、冷却する。
この態様の光ファイバ接続部材によると、光ファイバの接続と同時に裸光ファイバ部分のリコートがなされ、かつ被覆部も熱可塑性接着部材によって固着される。
ところで、光ファイバ15A、15Bの端面16A、16Bは、図2に示したように、必ずしも平坦ではなく、また傾き角がある場合があり、図3(B)に示すように、光ファイバ15A、15Bの端面16A、16Bの間には空隙SPが残る可能性があるが、本実施態様によれば、この空隙SPには、光ファイバを構成するコアの屈折率と略同一、より好ましくは、同一の屈折率を有する材料で構成されたホットメルト接着部剤12が満たされているため、界面での光反射が緩和され、伝送効率の低下を抑制することができる。
また本実施態様によれば、ケーシング11は、熱収縮性の材料で構成されているため、平面ヒータ20の加熱によって収縮し、ホットメルト接着剤を光ファイバに密着させることができる。
さらに本実施態様によれば、加熱を終えればホットメルト接着部剤12は、再び硬化するため、突き合わせ接続後にゴミ(塵)が混入することはなく、接続作業終了直後に行った通光試験で、光損失が許容範囲であることが確認された場合には、その後にゴミ(塵)の混入に起因する予期せぬ光損失を生じる場合が発生することはない。
以上の説明のように、本実施態様によれば、取り扱いが容易であるとともに、接続後に光ファイバの接続部に塵などが混入することがなく、長期信頼性を確保することができる。
また、本実施態様によれば、容易に光ファイバを挿入し、突き合わせることができるとともに、確実に光ファイバを固定でき、作業性および信頼性が向上する。
また、先端が鏡面状態に切断された接続対象の光ファイバをそれぞれ案内穴内に挿入し、突き合わせて押しつけた状態で加熱して熱可塑性接着部材を溶融し、冷却するだけで確実に光ファイバを突き合わせ接続することができ、作業性が高く、かつ、信頼性を向上させることができる。
この発明によると、取り扱いが容易であるとともに、接続部の長期信頼性を確保することが可能な光ファイバ接続器および光ファイバの接続方法を提供することができ、産業上の利用可能性が大きい。
図1は、実施態様の光ファイバ接続器の端面および断面の説明図である。 図2は、光ファイバの接続方法の説明図である。 図3は、光ファイバの接続後の断面図である。 図4は、光ファイバの他の接続方法を説明する図である。
符号の説明
10 光ファイバ接続器
11 ケーシング
12 ホットメルト接着部材(熱可塑性接着部材)
12A、12B 案内穴
15A、15B 光ファイバ
16A、16B 光ファイバの端面

Claims (11)

  1. 筒状のケーシングと、
    前記筒状のケーシング内に充填され、両端部から中心部に向かって形成された、突き合せ接続するための光ファイバをそれぞれ誘導する一対の孔部を有する熱可塑性接着部材とを備えた光ファイバ接続部材。
  2. 前記一対の孔部は、光ファイバを収容する円筒形状の壁面および底面からなる孔部からなっており、前記孔部のそれぞれの底面の間の熱可塑性接着部材が所定の長さを有している、請求項1に記載の光ファイバ接続部材。
  3. 前記筒状のケーシングが熱収縮チューブからなっている、請求項1または2に記載の光ファイバ接続部材。
  4. 前記熱可塑性接着部材は、硬化後、前記光ファイバを構成するコアの屈折率と略同一の屈折率を有する材料からなっている、請求項1から3の何れか1項に記載の光ファイバ接続部材。
  5. 前記一対の孔部は、前記筒状のケーシングと同心で形成されている、請求項1から4の何れか1項に記載の光ファイバ接続部材。
  6. 前記孔部の径は、接続対象の前記光ファイバの径よりもやや大きく形成されている、請求項1から5の何れか1項に記載の光ファイバ接続部材。
  7. 前記一対の孔部の前記円筒形状の壁面に、光ファイバの位置決め機構を備えている、請求項1から6の何れか1項に記載の光ファイバ接続部材。
  8. 前記一対の孔部は裸光ファイバ用の孔部と被覆部用の孔部とが一体的に形成された孔部からなっている、請求項1から7の何れか1項に記載の光ファイバ接続部材。
  9. 筒状のケーシング内に、両端部から中心部に向かって形成された、突き合せ接続するための光ファイバをそれぞれ誘導する一対の孔部を有する熱可塑性接着部材を充填し、
    前記一対の孔部のそれぞれに、前記接続する光ファイバを挿入し、
    光ファイバが孔部に挿入された前記熱可塑性接着部材が充填された前記ケーシングを加熱して、前記熱可塑性接着部材を溶融し、
    次いで、冷却する、光ファイバ接続方法。
  10. 前記光ファイバの先端を鏡面に切断して、前記孔部に挿入する、請求項9に記載の光ファイバ接続方法。
  11. 接続対象の前記光ファイバが前記孔部に付勢されて挿入される、請求項9または10に記載の光ファイバ接続方法。



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