JP2007256000A - 磁気センサ用回転子及びその成形金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる磁気センサ用回転子を
提供することを目的とする。
【解決手段】角度センサの回転部は磁石150a、150bとロータ150cとを樹脂によって一体成形して構成される。成形金型2は磁石150a、150bを周方向に移動可能に収容する磁石収容部22を備えている。磁石収容部22の周方向両端部には基準面211a、211bが形成されている。磁石150a、150bの周方向端面によって区画された磁石収容部22内に樹脂を注入する樹脂注入通路214を備えている。樹脂注入通路214を介して樹脂を注入することで磁石150a、150bの周方向端面を樹脂によって押圧する。磁石150a、150bは、押圧されることで磁石収容部22内を周方向逆向きに移動し、周方向端面を基準面211a、211bに押圧した状態で一体成形される。これにより、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上できる。
【選択図】図15
提供することを目的とする。
【解決手段】角度センサの回転部は磁石150a、150bとロータ150cとを樹脂によって一体成形して構成される。成形金型2は磁石150a、150bを周方向に移動可能に収容する磁石収容部22を備えている。磁石収容部22の周方向両端部には基準面211a、211bが形成されている。磁石150a、150bの周方向端面によって区画された磁石収容部22内に樹脂を注入する樹脂注入通路214を備えている。樹脂注入通路214を介して樹脂を注入することで磁石150a、150bの周方向端面を樹脂によって押圧する。磁石150a、150bは、押圧されることで磁石収容部22内を周方向逆向きに移動し、周方向端面を基準面211a、211bに押圧した状態で一体成形される。これにより、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上できる。
【選択図】図15
Description
本発明は、磁気センサのための磁界を発生する磁気センサ用回転子及びその回転子を成形するための成形金型に関する。
従来、磁気センサとして、例えば特開平6−42907号公報に開示されているスロットルポジションセンサがある。このスロットルポジションセンサは、半円筒形状の一対の磁石と、2つのホール素子とを備えている。磁石は、樹脂からなる円筒状のリテーナの壁面に設けられた孔部に、互いに内周面を対向させた状態で嵌入固定されている。さらに、磁石の固定されたリテーナは、鉄等の磁性材からなる円筒状のロータに圧入され、スロットルバルブの回転軸に固定されている。ホール素子は、一対の磁石によって形成された円柱形状の中空部内に配設され、スロットルバルブの回転軸の軸方向に直交し、回転軸とともに回転する磁界の方向に応じた信号を出力する。これにより、スロットルバルブの開度を検出することができる。
特開平6−42907号公報
ところで、スロットルポジションセンサにおいて、スロットルバルブの開度の検出精度は、磁石とホール素子の位置関係によって決まる。例えば、ホール素子が適切な位置に配置されていたとしても、磁石の位置がずれていた場合、ホール素子に適正な磁界が加わらず、スロットルバルブの検出精度が悪化してしまう。前述したスロットルポジションセンサでは、磁石は、樹脂からなるリテーナの孔部に嵌入固定されている。当然、磁石の組付け性を考慮し、リテーナの孔部は磁石よりわずかに大きく設定されている。そのため、磁石の位置がずれ、検出精度を向上させることが困難であった。また、磁石を固定するために別部品としてリテーナが必要であり、部品点数が増え、それに伴って作業工数も増加してしまう。そのため、コストを抑えることも難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる磁気センサ用回転子及びその成形金型を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、成形金型に注入された樹脂によって、磁石の端面を成形金型内に形成された基準面に押圧することで、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の磁気センサ用回転子は、複数の磁石を樹脂によって所定形状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子において、磁石は、成形金型内で、成形金型に注入された樹脂によって一端面を押圧されることで、他端面を成形金型内に形成された基準面に押圧して位置決めされ一体成形されることを特徴とする。
この構成によれば、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる。磁石は、樹脂によって一端面を押圧されることで、他端面を基準面に押圧して位置決めされる。これにより、リテーナ等の別部品を設けることなく磁石を位置決めすることができる。しかも、成形金型内に形成された基準面を基準として位置決めするため、製品毎のばらつきが抑えられ、精度よく位置決めすることができる。そのため、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる。なお、磁石は、角柱状であってもよいし、円柱状であってもよい。
請求項2に記載の磁気センサ用回転子は、内周面を互いに対向させた円弧状の一対の磁石を樹脂によって円筒状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子において、磁石は、成形金型内で、成形金型に注入された樹脂によって周方向一端面を押圧されることで、周方向他端面を成形金型内に形成された基準面に押圧して周方向に位置決めされ一体成形されていることを特徴とする。
この構成によれば、コストを抑え円弧状の一対の磁石の周方向位置決め精度を向上することができる。円弧状の磁石は、樹脂によって周方向一端面を押圧されることで、周方向他端面を基準面に押圧して位置決めされる。これにより、リテーナ等の別部品を設けることなく磁石を位置決めすることができる。しかも、成形金型内に形成された基準面を基準として位置決めするため、製品毎のばらつきが抑えられ、精度よく位置決めすることができる。そのため、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる。
請求項3に記載の磁気センサ用回転子は、請求項2に記載の磁気センサ用回転子において、さらに、一対の磁石の互いに対向する内周面の間に中空部を有することを特徴とする。この構成によれば、中空部に磁気センサを配置することができ、磁石の発生する磁界を磁気センサに効率的に加えることができる。なお、中空部は、円柱状であってもよいし、角柱状であってもよい。磁気センサを配置できるような形状であればよい。
請求項4に記載の磁気センサ用回転子は、請求項2又は3に記載の磁気センサ用回転子において、さらに、一対の磁石とともに樹脂によって一体成形された歯部を有することを特徴とする。この構成によれば、歯部を介して外部から伝達される回転力によって回転子を直接回転させることができる。なお、歯部は、一対の磁石の外周側に形成されていてもよいし、内周側に形成されていてもよい。また、全周に渡って形成されていてもよいし、周の一部に円弧状に形成されていてもよい。
請求項5に記載の磁気センサ用回転子は、請求項2〜4いずれかに記載の磁気センサ用回転子において、さらに、磁石は、外周面と内周面の曲率が異なることを特徴とする。この構成によれば、磁石の外形形状に制約されることなく、互いに対向する内周面間の磁界の方向を適切に設定することができる。
請求項6に記載の磁気センサ用回転子は、請求項5に記載の磁気センサ用回転子において、さらに、磁石は、内周面の曲率が外周面の曲率より小さいことを特徴とする。この構成によれば、内周面の曲率が外周面の曲率以上の場合に比べ、互いに対向する内周面間の磁界の方向をより均一にすることができる。
請求項7に記載の磁気センサ用回転子の成形金型は、複数の磁石を樹脂によって所定形状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子の成形金型において、磁石を所定方向に移動可能に収容するとともに、磁石を所定方向に位置決めするための基準面を所定方向一端部に有する所定形状の磁石収容部と、所定方向他端部側の磁石収容部内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路とを有することを特徴とする。
この構成によれば、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる。成形金型は、磁石を所定方向に移動可能に収容する磁石収容部を備えている。また、磁石収容部の所定方向一端部には、磁石を所定方向に位置決めするための基準面が形成されている。さらに、所定方向他端部側の磁石収容部の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路を備えている。そのため、樹脂注入通路を介して樹脂を注入することで、磁石収容部の所定方向他端部側の磁石の一端面を樹脂によって押圧することができる。磁石は、一端面を押圧されることで磁石収容部内を所定方向に移動し、他端面を磁石収容部の所定方向一端部に形成された基準面に押圧して位置決めされ一体成形される。これにより、リテーナ等の別部品を設けることなく磁石位置決めすることができる。しかも、成形金型内に形成された基準面を基準として位置決めするため、製品毎のばらつきが抑えられ、精度よく位置決めすることができる。そのため、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる。
請求項8に記載の磁気センサ用回転子の成形金型は、内周面を互いに対向させた円弧状の一対の磁石を樹脂によって円筒状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子の成形金型において、磁石を周方向に移動可能に収容するとともに、磁石を周方向に位置決めするための基準面を周方向一端部に有する円弧筒状の磁石収容部と、周方向他端部側の磁石収容部内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路とを有することを特徴とする。
この構成によれば、コストを抑え円弧状の一対の磁石の周方向位置決め精度を向上することができる。成形金型は、円弧状の磁石を周方向に移動可能に収容する磁石収容部を備えている。また、磁石収容部の周方向一端部には、磁石を周方向に位置決めするための基準面が形成されている。さらに、周方向他端部側の磁石収容部の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路を備えている。そのため、樹脂注入通路を介して樹脂を注入することで、磁石収容部の周方向他端部側にある磁石の周方向一端面を樹脂によって押圧することができる。磁石は、周方向一端面を押圧されることで磁石収容部内を周方向に移動し、周方向他端面を磁石収容部の周方向一端部に形成された基準面に押圧して位置決めされ一体成形される。そのため、リテーナ等の別部品を設ける必要がなくなり、コストを抑え磁石の位置決め精度を向上することができる。
請求項9に記載の磁気センサ用回転子の成形金型は、内周面を互いに対向させた円弧状の一対の磁石を樹脂によって円筒状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子の成形金型において、磁石を周方向に移動可能に収容するとともに、磁石を周方向に位置決めするための基準面を周方向両端部に有する円弧筒状の磁石収容部と、一対の磁石を内周面を互いに対向させた状態で磁石収容部に収容したときに形成される、一対の磁石の反基準面側の周方向端面によって区画された磁石収容部内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路とを有することを特徴とする。
この構成によれば、一対の磁石をより効率的に位置決めすることができる。成形金型は、一対の磁石の反基準面側の周方向端面によって区画された磁石収容部内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路を備えている。そのため、樹脂注入通路を介して樹脂を注入することで、一対の磁石を樹脂によって同時に押圧することができる。これにより、磁石毎に樹脂注入通路を形成する必要がなくなり、一対の磁石をより効率的に位置決めすることができる。
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る磁気センサ用回転子を、車両用エンジンの吸気量を調整するスロットルバルブ装置において、スロットルバルブの開度を検出する角度センサに適用した例を示す。
まず、図1〜図19を参照してスロットルバルブ装置の構成について説明する。ここで、図1は、本実施形態におけるスロットルバルブ装置の正面から見た部分断面図である。図2は、カバーを外した状態におけるスロットルバルブ装置の上面図である。図3及び図4は、回転部の側面から見た断面図及び上面図である。図5は、成形金型の側面から見た部分断面図である。図6及び図7は、下型の側面から見た断面図及び上面図である。図8及び図9は、上型の側面図及び下面図である。図10及び図11は、ロータ配置後の下型の側面から見た断面図及び上面図である。図12及び図13は、磁石配置後の下型の側面から見た断面図及び上面図である。図14及び図15は、型締め後の成形金型の側面から見た断面図及びA−A矢視断面図である。図16及び図17は、樹脂注入後の成形金型の側面から見た断面図及びB−B矢視断面図である。図18及び図19は、カバーの裏面図及び側面図である。
図1及び図2に示すように、スロットルバルブ装置1は、スロットルボディ10と、スロットルシャフト11と、スロットルバルブ12と、直流モータ13と、減速歯車機構14と、角度センサ15と、カバー16とから構成されている。
スロットルボディ10は、車両用エンジン(図略)の吸気通路を構成するとともに、直流モータ13、減速歯車機構14、及び角度センサ15を収容する、例えばアルミニウムからなる部材である。スロットルボディ10には、吸気通路を構成する円柱状のスロットルチャンバ100が形成されている。また、スロットルチャンバ100の外側には、直流モータ13、減速歯車機構14、及び角度センサ15を収容するための上方に開口部を有する収容部101が形成されている。
スロットルシャフト11は、スロットルバルブ12を回動可能に支持する円柱状の部材である。スロットルシャフト11は、スロットルチャンバ100内に配置され、上方側端部を収容部101内に突出させた状態で、スロットルボディ10に回動可能に支持されている。
スロットバルブ12は、スロットルチャンバ100内でスロットルシャフト11とともに回動することで、吸気通路を開閉する円形状の部材である。スロットルバルブ12は、スロットルシャフト11に固定されている。
直流モータ13は、直流電圧を印加されることで、スロットシャフト11を回動させるための回転力を発生する装置である。直流モータ13の出力軸130側の端面には、電源端子131、132が形成されている。直流モータ13は、出力軸130を上方に向けるとともに、その軸方向をスロットルシャフト11の軸方向と並行にした状態で、収容部101の左方に収容され固定されている。
減速歯車機構14は、直流モータ13の発生した回転力を減速してスロットルシャフト11に伝達する部材である。減速歯車機構14は、ピニオンギア140と、バルブギア141と、中間ギア142とから構成され、スロットルボディ10の収容部101に収容されている。ピニオンギア140は、直流モータ13の出力軸130とともに回転するギアである。ピニオンギア140は、直流モータ13の出力軸130に固定されている。バルブギア141は、スロットルシャフト11とともに回動する例えば樹脂からなるギアである。バルブギア141は、スロットルシャフト11の上方側端部に固定されている。バルブギア141の回動中心には、円柱状の凹部141aが同心状に形成されている。中間ギア142は、ピニオンギア140の回転力をバルブギア141に減速して伝達するギアである。中間ギア142は、大径ギア部142aと、小径ギア部142bとを有している。そして、大径ギア部142aをピニオンギア140に噛合させるともに、小径ギア部142bをバルブギア141に噛合させた状態で、スロットルボディ10に固定された中間シャフト143に回転可能に支持されている。
角度センサ15は、スロットシャフト11の回動角度を検出する磁気式のセンサである。角度センサ15は、回転部150(磁気センサ用回転子)と、固定部151とから構成されている。
回転部150は、スロットルシャフト11の軸方向に直交し、スロットルシャフト11とともに回動する磁界を発生する部材である。図3及び図4に示すように、回転部150は、全周に渡って厚さが均一な円弧状の磁石150a、150bと、例えば鉄等の磁性材からなる円筒状のロータ150cとを樹脂150dによって一体成形して構成されている。磁石150a、150bの内周面の間には、固定部151が配置される中空部150eが形成されている。磁石150a、150bは、例えば内周面側がそれぞれN極及びS極となるように着磁されている。これにより、中空部150e内に矢印で示すような磁界が形成される。
回転部150は、図5に示す成形金型2によって成形される。成形金型2は、下型20と、上型21とから構成されている。
図6及び図7に示すように、下型20は、例えば非磁性材からなる有底円筒状の部材である。下型20は、周壁部200と、底部201と、円筒部202とから構成されている。周壁部200は、ロータ150cの外周面を支持する円筒状の部位である。周壁部200の内径は、ロータ150cの外径よりわずかに大きく設定されている。底部201は、周壁部200の下方端部を覆うように形成され、ロータ150cの下方端部を支持する円形状の部位である。円筒部202は、周壁部200の内側の底部201に、周壁部200と同心状に形成され、磁石150a、150bの軸方向下方側端面を支持する円筒状の部位である。円筒部202の外径は、ロータ150cの内径よりわずかに小さく設定されている。
図8及び図9に示すように、上型21は、例えば非磁性材からなる略円柱状の部材である。上型21は、第1円柱部210と、位置決め基準部211と、第2円柱部212と、蓋部213と、樹脂注入通路214とから構成されている。第1円柱部210は、磁石150a、150bの内周面を支持するとともに、中空部150eを形成するための円柱状の部位である。第1円柱部210の外径は、磁石150a、150bの内周面の直径よりわずかに小さく設定されている。位置決め基準部211は、第1円柱部210の外周面から径方向に突出して形成され、磁石150a、150bを位置決めする円弧状の部位である。位置決め基準部211の周方向端部には、磁石150a、150bの周方向端面と当接して磁石150a、150bを位置決めするための基準面211a、211bがそれぞれ形成されている。基準面211a、211bは、磁石150a、150bの周方向端面と当接できる形状に設定されている。また、位置決め基準部211の外周面の直径は、ロータ150cの内径よりわずかに小さく設定されている。第2円柱部212は、第1円柱部210の下方側端部に形成される円柱状の部位である。第2円柱部212の外径は、円筒部202の内径より小さく設定されている。蓋部213は、第1円柱部210の上方側端部に形成され、型締めの際に、周壁部200の開口部を覆う円形状の部位である。蓋部213の外径は、周壁部200の外径と同一になるように設定されている。樹脂注入通路214は、型締めすることで成形金型2内に形成される空間に、外部から樹脂を注入するための通路である。樹脂注入通路214は、一端が蓋部213の中心に、他端が第2円柱部212の反位置決め基準部211側の外周面にそれぞれ開口している。
そして、図10及び図11に示すように、ロータ150cが、下方側端面を底部201に当接させた状態で、周壁部200の内周面に沿って周壁部200の内側に配置される。さらに、図12及び図13に示すように、磁石150a、150bが、内周面を互いに対向させるとともに、下方側端面を円筒部202に当接させた状態で、ロータ150cの内周面に沿ってロータ150cの内側に配置される。その後、図14及び図15に示すように、上型21が配置され型締めされる。第1円柱部210は、磁石150a、150bの内周面に沿って磁石150a、150bの内側に配置されている。位置決め基準部211は、磁石150a、150bの周方向端面の間に配置されている。第2円柱部212は、下方側端面を底部201に当接させた状態で、空間を隔てて円筒部202の内側に配置されている。蓋部213は、下方側周端面を周壁部200、ロータ150c、及び磁石150a、150bに当接させた状態で、周壁部200の上方に配置されている。このとき、ロータ150c、第1円柱部210、及び位置決め基準部211によって、磁石150a、150bを周方向に移動可能に収容する円弧筒状の磁石収容部22が形成される。磁石収容部22の周方向端面は、位置決め基準部211の基準面211a、211bによって構成されている。また、磁石150a、150bの反位置決め基準部211側の周方向端面によって区画された磁石収容部22内の空間の下方には、樹脂注入通路214の他端が開口している。
型締め後、樹脂注入通路214を介して成形金型2内に、矢印で示すように、樹脂が注入される。樹脂は、円筒部202と第2円柱部212とによって形成される円筒状の空間に注入される。その後、磁石150a、150bの反位置決め基準部211側の周方向端面によって区画された磁石収容部22内の空間に注入される。樹脂が注入されると、磁石150a、150bの反位置決め部211側の周方向端面に樹脂注入圧が加わる。磁石150a、150bは、樹脂注入圧によって磁石収容部22内を、矢印で示すように、それそれ周方向逆向きに移動する。そして、図16及び図17に示すように、位置決め基準部211側の周方向端面を基準面211a、211bにそれぞれ押圧した状態で一体成形される。このようにして形成された回転部150は、図1及び図2におけるバルブギア141の凹部141aに嵌挿され固定される。
固定部151は、スロットルシャフト11とともに回動する回転部150の磁界の変化を検出する円柱状の部材である。固定部151は、スロットルシャフト11の軸方向に直交する所定方向の磁界の大きさに応じた信号を出力する、例えばホールICを内部に有している。固定部151は、下方側端部を中空部150eに挿入し、外周面を磁石150a、150bの内周面と所定間隔を隔てて対向させた状態でカバー16に固定されている。
図1及び図2に示すように、カバー16は、スロットルボディ10に形成された収容部101の開口部を覆うとともに、直流モータ13及び角度センサ15に電源を供給するコネクタを有する、例えば樹脂からなる有底角筒状の部材である。カバー16によって収容部101の開口部が覆われることで、直流モータ13、減速歯車機構14、及び角度センサ15が、外部から遮断されて収容される収容空間160が形成される。
図18及び図19に示すように、カバー16の一側面には、直流モータ13及び角度センサ15に電源を供給するともに、角度センサ15の出力信号を外部に出力するコネクタ161が形成されている。コネクタ161は、直流モータ13用の正極電源端子161a及び負極電源端子161bと、角度センサ15用の正極電源端子161c、負極電源端子161d、及び出力信号端子161e、161fとを備えている。直流モータ13用の正極電源端子161a及び負極電源端子161bは、一端部をカバー16の一側面から外部に突出させるとともに、他端部をカバー16の裏面の左方からスロットルボディ10側に突出させた状態でカバー16に一体成形されている。正極電源端子161a及び負極電源端子161bの他端部は、直流モータ13の電源端子131、132と嵌合し、電気的に接続されるように成形されている。角度センサ15用の正極電源端子161c、負極電源端子161d、及び出力信号端子161e、161fは、一端部をカバー16の一側面から外部に突出させるとともに、他端部を固定部151に接続した状態でカバー16に一体成形されている。
次に、図1及び図18を参照してスロットルバルブ装置1の動作について説明する。スロットルバルブ装置1は、コネクタ161に接続されるワイヤーハーネスを介して電子制御装置(図略)に接続される。車両のイグニッションスイッチ(図略)がオンすると、電子制御装置は、ワイヤーハーネス、正極電源端子162c及び負極電源端子162dを介して角度センサ15に電源電圧を供給する。電源電圧が供給されることで、角度センサ15は、スロットルシャフト11に固定されたスロットルバルブ12の回動角度の検出を開始する。
エンジンが始動し、アクセルペダルが操作されると、電子制御装置は、別途設けられているアクセル開度センサの検出結果に基づいて、直流モータ13に供給する電源電圧を制御する。この電源電圧は、ワイヤーハーネス、正極電源端子161a及び負極電源端子161bを介して直流モータ13に供給される。電源電圧が供給されることで、直流モータ13は回転力を発生する。直流モータ13の回転力は、減速歯車機構14によって減速され、スロットルシャフト11に伝達される。回転力が伝達されると、スロットルバルブ12は、スロットルシャフト11とともに回動する。
スロットルバルブ12の回動角度は、角度センサ15によって検出され、出力信号端子161e、161f及びワイヤーハーネスを介して電子制御装置に出力される。以降、電子制御装置は、アクセル開度センサ、及び角度センサ15の出力に基づいて直流モータ13に供給する電源電圧を制御することで、スロットルバルブ12の開度を制御して、エンジンの吸気量を適切に調整する。
最後に、具体的効果について説明する。本実施形態によれば、コストを抑え円弧状の磁石150a、150bの周方向位置決め精度を向上することができる。成形金型2は、円弧状の磁石150a、150bを周方向に移動可能に収容する円弧筒状の磁石収容部22を備えている。また、磁石収容部22の周方向両端部には、磁石150a、150bを周方向に位置決めするための基準面211a、211bが形成されている。さらに、磁石150a、150bの反位置決め基準部211側の周方向端面によって区画された磁石収容部22内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路214を備えている。そのため、樹脂注入通路214を介して樹脂を注入することで、磁石150a、150bの反位置決め基準部211側の周方向端面を樹脂によって押圧することができる。磁石150a、150bは、周方向端面を押圧されることで磁石収容部22内を周方向逆向きに移動する。そして、位置決め基準部211側の周方向端面を基準面211a、211bにそれぞれ押圧した状態で一体成形される。これにより、リテーナ等の別部品を設けることなく磁石を位置決めすることができる。しかも、成形金型2内に形成された基準面211a、211bを基準として位置決めするため、製品毎のばらつきが抑えられ、精度よく位置決めすることができる。そのため、コストを抑え磁石150a、150bの位置決め精度を向上することができる。
また、磁石150a、150bを効率的に位置決めすることができる。樹脂注入通路214を介して樹脂を注入することで、磁石150a、150bの反位置決め基準部211側の周方向端面を樹脂によって同時に押圧することができる。これにより、磁石150a、150b毎に樹脂注入通路を形成する必要がなくなり、磁石150a、150bをより効率的に位置決めすることができる。
さらに、磁石150a、150bの内周面の間に固定部151を配置する中空部150eを形成することで、磁石150a、150bの発生する磁界を固定部151に効率的に加えることができる。
なお、本実施形態では、樹脂151dによって一体成形した回転部150を、バルブギア14の凹部141aに嵌挿して固定する例を挙げているが、これに限られるものではない。図20に示すように、回転部150とともに、バルブギア144(歯部)を樹脂150fによって一体成形してもよい。この場合、バルブギア141を介して伝達される回動力によって回転部150を直接回動させることができる。また、回転部150をバルブギア144に嵌挿して固定する必要がなくなり、スロットバルブ装置1のコストを抑えることもできる。
また、本実施形態では、全周に渡って厚さの均一な円弧状の磁石150a、150bを用いた例を挙げているが、これに限られるものではない。外周面と内周面の曲率が異なる磁石を用いてもよい。この場合、磁石の外形形状に制約されることなく、互いに対向する内周面間の磁界の方向を適切に設定することができる。さらに、図21に示すように、内周面の曲率が外周面の曲率より小さい磁石150g、150hを用いてもよい。磁石の発生する磁界の方向は、磁石表面に対して垂直方向である。この場合、矢印で示すように、図3で示した内周面と外周面の曲率が等しい磁石150a、150bに比べ、内周面間の磁界の方向をより均一にすることができる。
1・・・スロットルバルブ装置、10・・・スロットルボディ、100・・・スロットルチャンバ、101・・・収容部、11・・・スロットルシャフト、12・・・スロットルバルブ、13・・・直流モータ、130・・・出力軸、131、132・・・電源端子、14・・・減速歯車機構、140・・・ピニオンギア、141・・・バルブギア、141a・・・凹部、142・・・中間ギア、142a・・・大径ギア部、142b・・・小径ギア部、143・・・中間シャフト、144・・・バルブギア(歯部)、15・・・角度センサ、150・・・回転部(磁気センサ用回転子)、150a、150b、150g、150h・・・磁石、150c・・・ロータ、150d、150f・・・樹脂、150e・・・中空部、151・・・固定部、16・・・カバー、160・・・収容空間、161・・・コネクタ、161a、161c・・・正極電源端子、161b、161d・・・負極電源端子、161e、161f・・・出力信号端子、2・・・成形金型、20・・・下型、200・・・周壁部、201・・・底部、202・・・円筒部、21・・・上型、210・・・第1円柱部、211・・・位置決め基準部、211a、211b・・・基準面、212・・・第2円柱部、213・・・蓋部、214・・・樹脂注入通路、22・・・磁石収容部
Claims (9)
- 複数の磁石を樹脂によって所定形状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子において、
該磁石は、成形金型内で、該成形金型に注入された樹脂によって一端面を押圧されることで、他端面を該成形金型内に形成された基準面に押圧して位置決めされ一体成形されることを特徴とする磁気センサ用回転子。 - 内周面を互いに対向させた円弧状の一対の磁石を樹脂によって円筒状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子において、
該磁石は、成形金型内で、該成形金型に注入された樹脂によって周方向一端面を押圧されることで、周方向他端面を該成形金型内に形成された基準面に押圧して周方向に位置決めされ一体成形されていることを特徴とする磁気センサ用回転子。 - 一対の前記磁石の互いに対向する内周面の間に中空部を有することを特徴とする請求項2に記載の磁気センサ用回転子。
- 一対の前記磁石とともに樹脂によって一体成形された歯部を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の磁気センサ用回転子。
- 前記磁石は、外周面と内周面の曲率が異なることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の磁気センサ用回転子。
- 前記磁石は、内周面の曲率が外周面の曲率より小さいことを特徴とする請求項5に記載の磁気センサ用回転子。
- 複数の磁石を樹脂によって所定形状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子の成形金型において、
該磁石を所定方向に移動可能に収容するとともに、該磁石を該所定方向に位置決めするための基準面を該所定方向一端部に有する所定形状の磁石収容部と、該所定方向他端部側の該磁石収容部内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路とを有することを特徴とする磁気センサ用回転子の成形金型。 - 内周面を互いに対向させた円弧状の一対の磁石を樹脂によって円筒状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子の成形金型において、
該磁石を周方向に移動可能に収容するとともに、該磁石を周方向に位置決めするための基準面を周方向一端部に有する円弧筒状の磁石収容部と、周方向他端部側の該磁石収容部内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路とを有することを特徴とする磁気センサ用回転子の成形金型。 - 内周面を互いに対向させた円弧状の一対の磁石を樹脂によって円筒状に一体成形して構成される磁気センサ用回転子の成形金型において、
該磁石を周方向に移動可能に収容するとともに、該磁石を周方向に位置決めするための基準面を周方向両端部に有する円弧筒状の磁石収容部と、一対の該磁石を内周面を互いに対向させた状態で該磁石収容部に収容したときに形成される、一対の該磁石の反基準面側の周方向端面によって区画された該磁石収容部内の空間に樹脂を注入する樹脂注入通路とを有することを特徴とする磁気センサ用回転子の成形金型。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006078994A JP2007256000A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | 磁気センサ用回転子及びその成形金型 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010531987A (ja) * | 2007-06-30 | 2010-09-30 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 位置センサを備えた制御装置 |
KR100986007B1 (ko) | 2008-10-13 | 2010-10-06 | 대성전기공업 주식회사 | 회동 각도 검출을 위한 마그네틱 위치 센서 |
-
2006
- 2006-03-22 JP JP2006078994A patent/JP2007256000A/ja active Pending
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