JP2007255891A - 液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置 - Google Patents

液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 紙の厚み方向へ浸透する液体(溶液)の浸透速度を簡易に検査することができる液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置を提供する。
【解決手段】 積層した複数枚の紙1を一対の電極板3a,3bで挟み込むと共に、前記紙1の積層面が水平になるように前記電極板3a,3bを位置付けた後、積層した前記紙1の最下部に位置する紙1の底面から所定の液体をその厚み方向に含浸させた際、前記電極3a,3b間における静電容量の経時変化から前記紙1の特性を検査する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体が紙に浸透する浸透速度を検査する液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置に係り、特に紙の厚み方向へ浸透する液体の浸透速度を検査する液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置に関する。
棒巻たばこ(シガレット)は、一般的には量目制御されて連続供給される刻みたばこを長尺の巻紙にて、その長手方向に連続して棒状の巻たばこを形成し、所定の長さ毎に切断して製造される。詳しくは、このシガレットは、巻紙の巾方向の一側部に設けられた1mm乃至3mmの糊しろ部に塗布された糊(接着剤)により筒状に巻き上げられる。またこのシガレットの長尺方向の一端部には、喫味の緩和や主流煙に含まれる粒子状物質を捕捉するフィルタが設けられている。このフィルタは、フィルタ素材を収めるチップペーパによってシガレットの長尺方向の一端部に接合される。このチップペーパは、フィルター部を覆うとともに、シガレットとフィルターとを接合するために使用されるほか、銘柄のロゴやマークを印刷する等デザイン上も重要な役割を担っている。
ところで、この種の巻紙にあっては、シガレットを巻き上げるために巻紙に塗布される糊の塗布状態のほか、巻紙に印刷されるロット番号やチップペーパに印刷される銘柄を示すロゴやマークなどを印刷、塗工する際における紙の特性、所謂印刷特性や塗工特性が重要である。これらの特性は、専ら紙の液体吸収特性によって支配される。そこで紙(巻紙等)の液体吸収特性を定量的に検査する手法が種々適用されている。
たとえば、一対の電極板間に試験対象の紙(試料)を複数枚積層して挟み込むと共に、その電極板を垂設し、下端部側に位置付けられた紙を所定の液体に浸したとき、電極板間における静電容量の経時変化から紙の液体吸収特性を検査する電気容量法が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。この電気容量法は、紙が多孔質であることを利用した検査方法である。具体的に電気容量法は、紙に浸透する水がこの紙の多孔質成分に含まれる空気を置換しながら紙の下端側から上端側へと上昇していくことを利用している。つまり電極板間の静電容量は、紙が水に浸った部分と浸っていない部分とで誘電率が異なるため、試料中の水位が上昇するに伴い、電極板間の静電容量も変化する。したがって静電容量の経時変化を計測すれば、試料の液体吸収特性を検査することが可能となる。
この電気容量法の他、紙及び板紙の吸水度試験方法としてJIS P 8140に規定されるコッブ法、JIS P 8141に規定されるクレム法、紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)No.14に規定されるカールサイズ度法、同協会No.32に規定される浸せき法、同協会No.33に規定される滴下法やブリストー法を改良した動的走査吸液計が知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
クレム法は、タオル紙、化粧用薄用紙など吸水性の大きい紙の吸収度を水吸収高さによって試験する方法である。次にカールサイズ度法は、段ボールの中しん等の吸水速度の簡易試験方法として、貼り合わせ適正の推定などに用いられる。また浸せき法は、ティッシュペーパ、トイレットペーパ、紙タオルのようなサイズを施していない紙や吸水性のある紙の吸水速度および吸水量を検査する試験である。ちなみにサイズとは、紙にインク、水等の液体の浸透に対する抵抗性を付与することである。そして滴下法は、トイレットペーパ、紙タオル、吸取り紙のようなサイズを施していない紙や吸水性のある紙の吸水速度を検査する試験であり、試験片に一定量の水を滴下し、水滴が完全に吸収されるまでの時間を測定するものである。
多賀谷久子、他3名、「電気容量法による毛管浸透ぬれ」、繊維学会誌、社団法人繊維学会、1987年、第43巻、第8号、p.442−430 空閑重則、他5名、「動的走査吸液計の開発と応用」、紙パ技協誌、紙パルプ技術協会、1994年5月、第48巻、第5号、p.730−734
しかしながら上述した電気容量法にあっては、紙の面方向への浸透速度を評価することができるものの、紙の厚み方向へ対する浸透速度を計測するものではなく、巻紙に糊の塗布、巻紙に印刷されるロット番号やチップペーパに印刷される銘柄を示すロゴやマークなど印刷特性や塗工特性が必ずしも得られるものではない。
コッブ法は、紙または板紙の片面が一定時間水と接触した場合の吸水度を試験することができる反面、少量の液体が紙または板紙にふれる場合の評価方法とは異なる。このためコッブ法は、棒巻たばこ(シガレット)のように巻紙を巻き上げて貼り合わせるための接着剤の塗布状態の評価や、ロット番号やマーク等の極微量のインクの転写特性を評価できないという問題がある。
またクレム法は、タオル紙、化粧用薄用紙など吸水性の大きい紙の吸収度を水吸収高さによって試験する方法であり、カールサイズ度法は、段ボールの中しん等の吸水速度の簡易試験方法として、貼り合わせ適正の推定などに用いられる検査方法である。したがってこれらの検査方法についても少量の液体が紙または板紙に触れる場合の評価方法ではない。
あるいは浸せき法および滴下法は、ティッシュペーパ、トイレットペーパ、紙タオル、吸取り紙のようなサイズを施していない紙や吸水性のある紙の吸水速度等を検査する試験であり、これまた少量の液体が紙または板紙に触れる場合の評価方法ではない。
またブリストー法は、ごく短時間での紙または板紙に対する液体の吸収挙動を解析するのに特に適した評価方法であるものの、検査に手間がかかるうえに、大きな試験片が必要であるという問題があり、専ら実験室レベルの基礎的研究での利用にとどまっている。
また動的走査吸液計は、ブリストール法における検査の手間、大きな試験片が必要であるという点を改善した検査方法であって、回転するターンテーブル上においた紙または板紙に液体を滴下して検査を行うものである。したがって棒巻たばこ(シガレット)に用いられる巻紙のような捲き回された長尺の紙の評価を行うことが困難である。
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたものであり、その目的は、紙の厚み方向へ浸透する液体(溶液)の浸透速度を簡易に検査することができる液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明に係る液体浸透度検査方法は、積層した複数枚の紙を一対の電極板で挟み込むと共に、前記紙の積層面が水平になるように前記電極板を位置付けた後、積層した前記紙の最下部に位置する紙の底面から所定の液体をその厚み方向に含浸させた際、前記電極板間における静電容量の経時変化から前記紙の特性を検査することを特徴としている。
上述の液体浸透度検査方法は、複数枚の積層した紙の厚み方向に浸透する所定の液体によって積層した紙の誘電率が変化、すなわち前記電極板間における静電容量の経時変化を捉えることで前記紙の特性を検査するものである。
また積層した前記紙は、所定の吸液特性を備えた複数枚の紙、例えばセルロース系材料の紙、具体的には濾紙またはフィルタプラグおよびその最下面側に一枚の被試験紙を位置付けたものとしてもよい。
上述の液体浸透度検査方法は、所定の吸液特性を備えた複数枚の濾紙により前記紙を浸透する前記液体の浸透速度が速められ、それ故、前記紙の特性計測時間を短くすることができ好ましい。
また上述した目的を達成するため、本発明に係る液体浸透度検査装置は、薄板状の紙を複数枚積層して形成した積層体と、この積層体の積層面をその両側から挟み込んで水平に保持する一対の電極板と、この電極板に挟まれた前記積層体の最下部に所定の液体を送り込むノズルと、前記電極板間の静電容量を測定して該測定結果を出力する静電容量計とを具備し、
前記ノズルから前記所定の液体を送り込んだとき、前記電極板間の静電容量の経時変化から前記紙の特性を検査することを特徴としている。
上述の液体浸透度検査装置は、所定の液体が複数枚の積層した紙の厚み方向に浸透する際の前記電極板間における静電容量の経時変化を捉えることで前記紙の特性を検査する。
詳しくは前記電極板は、前記積層体をその上面側および下面側からそれぞれ挟み込む上部電極板および下部電極板とからなり、前記下部電極板と前記積層体との間には、更に該積層体の底面から所定の前記液体を流し込む液体供給部を備えることを特徴としている。
上述の液体浸透度検査装置は、前記下部電極板と前記積層体との間に設けられた液体供給部から前記紙の厚み方向に対して所定の液体を浸透させて電極板間の静電容量の経時変化を捉えて前記紙の特性を検査する。
また前記積層体は、所定の吸液特性を備えた複数枚の紙、例えばセルロース系材料の紙、具体的には濾紙またはフィルタプラグおよびその最下面側に一枚の被試験紙を位置付けたものとしてもよい。
上述の液体浸透度検査装置は、所定の吸液特性を備えた複数枚の濾紙により前記紙を浸透する前記液体の浸透速度が速められ、それ故、前記紙の特性計測時間を短くすることができ好ましい。
好ましくは上述の液体浸透度検査装置は、前記電極板と前記積層体とが接する部位には、所定の絶縁体を挟み込むことが望ましい。
上述の液体浸透度検査装置によれば、前記電極板と前記積層体とが直接接することがなく、電極板と液体との間で起こる化学的変化および物理的変化の影響を受けずに前記紙の浸透速度、つまり紙の特性を検査することができる。
このように本発明の液体浸透度検査方法によれば、複数枚の紙を積層し、水平に位置付けた電極板間に挟み込んだ後、その積層した前記紙の最下部に位置する紙の底面から所定の液体をその厚み方向に含浸させたときの電極板間の静電容量の静電容量の経時変化を捉えているので、液体(溶液)が紙の厚み方向に浸透する特性を検査することができる。
特に積層した前記紙にあっては、所定の吸液特性を備えた複数枚の紙、例えばセルロース系材料の紙、具体的には濾紙またはフィルタプラグおよびその最下面側に一枚の被試験紙を位置付けたものとすれば、これら複数枚の濾紙により前記紙を浸透する前記液体の浸透速度が速められ、それ故、前記紙の検査時間を短くすることが可能となる。
また本発明の液体浸透度検査装置は、薄板状の紙を複数枚積層して形成した積層体と、この積層体の積層面をその両側から挟み込んで水平に保持する一対の電極板と、この電極板に挟まれた前記積層体の最下部に所定の液体を送り込むノズルと、前記電極板間の静電容量を測定して該測定結果を出力する静電容量計とを具備し、
前記ノズルから前記所定の液体を送り込んだとき、前記電極板間の静電容量の経時変化から前記紙の特性を検査しているので、前記紙における液体(溶液)が紙の厚み方向に浸透する特性の検査を行うことができる。
また前記電極板は、前記積層体をその上面側および下面側からそれぞれ挟み込む上部電極板および下部電極板とからなり、前記下部電極板と前記積層体との間には、更に該積層体の底面から所定の前記液体を流し込む液体供給部を備えているので、この液体供給部から前記紙の厚み方向に対して所定の液体を浸透させて電極板間の静電容量の経時変化を捉えて前記紙の特性を検査することが可能となる。
特に前記積層体は、所定の吸液特性を備えた複数枚の紙、例えばセルロース系材料の紙、具体的には濾紙またはフィルタプラグおよびその最下面側に一枚の被試験紙を位置付けたものとすれば、これら複数枚の濾紙により前記紙を浸透する前記液体の浸透速度が速められ、それ故、前記紙の特性計測時間を短くすることが可能である。
また上述の液体浸透度検査装置は、前記電極板と前記積層体とが接する部位には、所定の絶縁体が挟み込まれているので、電極板と液体とが直接接することがなく、電極板と液体との間で起こる化学的変化および物理的変化の影響を受けずに前記紙の特性を検査することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置に関し、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る液体浸透度検査方法が適用される液体浸透度検査装置の検査原理を示す図である。図1(a)において1は、特性を計測する対象となる紙である。この紙1は、複数枚が積み重ねられて積層体2を形成している。この積層体2は、その面が積層体の積層面方向と一致するように位置付けられた一対の電極板3a,3bにより挟み込まれる。そして電極3a,3bは、電極板間に挟み込んだ複数枚の紙1からなる積層体2の積層面が重力方向に対して水平になるように図示しない把持機構によって保持される。ちなみに積層された複数枚の紙1の上部に位置付けられた電極板は、上部電極板3aであり、下部に位置付けられた電極板は、下部電極板3bである。
また上部電極板3aと積層された複数枚の紙1との間、および下部電極板3bと積層された複数枚の紙1との間には、これらの電極板3a,3bと複数枚の紙1とを隔てる絶縁体(誘電体)4がそれぞれ設けられている。この絶縁体4は、詳細は後述するが積層された複数枚の紙1に浸透させるべく注入された所定の液体が電極板3a,3bに直接触れないように離隔する役割を担っている。
また下部電極板3b側に設けられた絶縁体4と積層された複数枚の紙1(最下部に位置する紙1)との間には、この紙1の底面からその厚み方向に所定の液体を浸透させる液体供給部5が設けられている。この液体供給部5には、所定の液体を外部から供給するノズル6が備えられている。そして上部電極3aおよび下部電極3bには、これらの電極3a,3bとで形成されるコンデンサの静電容量を計測する静電容量計7が設けられている。
概略的には上述したように構成された本発明に係る液体浸透度検査方法が適用される液体浸透度検査装置が特徴とするところは、検査対象となる紙1の厚み方向に所定の液体を浸透させる点、所定の液体を厚み方向に浸透させたときの浸透速度を試験対象となる紙を挟み込んだ電極板間の静電容量の経時変化から捉える点にある。
このような特徴ある本発明に係る液体浸透度検査方法および液体浸透度検査装置に関し、より詳細に説明する。例えば検査対象の積層された紙1を挟み込む一対の電極板3a,3bは、一辺が5mm、他辺が25mmで厚さ0.03mmの長方形のニッケル箔、絶縁体4は、紙1および電極板3a,3bより略面積が大きい厚さ1mmのガラス板から構成される。また液体供給部5としては、所定の吸水特性を備えた濾紙1Rを用い、ノズル6から供給される所定の液体により常に浸漬された状態となるようになっている。そして検査対象の紙1を複数枚(例えば90枚)積層した積層体2が前記電極板3a,3b(絶縁体4)の間に挟み込まれる。ここに検査対象の紙1を複数枚積層するのは、検査対象の紙1が著しく浸透速度の遅い紙1である場合、液体供給部5と接触している紙1の表面で飽和量に近い液体の吸着が起こることと考えられるからである。このため多数の紙1を積層しておけば電極板3a,3b間の静電容量に与える影響を小さくすることができる。つまり、液体供給部5と接触している最下面の紙1が液体を飽和吸着したとしても、例えば90枚の紙1を積層した場合、電極板3a,3b間の静電容量に与える影響は1/90程度に過ぎない。
そして所定の液体は、液体供給部5から所定の液体を複数枚積層した積層体2の下部の紙1から上方に位置する紙1に向けて、すなわち紙1の厚み方向に浸透していく。すると積層体2は、所定の液体が下方から浸透し、それ故、この液体により積層体2、すなわち紙1の誘電率が液体の浸透と共に変化し、電極板3a,3b間の静電容量が変化する。この電極板3a,3bの静電容量の経時変化は、静電容量計7により計測されて、その計測値の経時変化から紙1に対する液体の浸透速度を検査する。
具体的には、液体の浸透位置Lが既知のサンプルを用いて液体浸透前の電極板3a,3b間の静電容量をCi、積層したサンプルのすべてに液体が浸透した後の電極板3a,3b間の静電容量をCf、液体浸透時の静電容量計測値がCを求める。そしてこのサンプルにおける浸透位置Lと静電容量比[(C−Ci)/(Cf−Ci)]との関係を示す検定曲線を予め作成しておく。そして被検査紙に液体を浸透させたときの浸透位置Lは、測定で得られた静電容量計測値Cの値を静電容量比を求める式[(C−Ci)/(Cf−Ci)]に代入して得られる値から検定曲線を用いて算出できる。
そこで、試料サイズ15mm×10mmで浸透速度の異なる数種の紙1および所定の液体として水を用いて上述した方法により液体浸透前の電極板3a,3b間の静電容量Ciと、積層した紙1のすべてに液体が浸透した後の電極板3a,3b間の静電容量Cfをそれぞれ求めた後、積層体2に液体を浸透させたときの浸透位置の計測を行った。すると図2示すように浸透速度の大きなサンプルA,B,C,Dに関しては、電極板3a,3b間の静電容量の変化が明瞭であり、紙1の厚み方向に浸透する液体(水)の浸透位置を静電容量の変化として捉えることができるという結果が得られた。しかしながら浸透速度の小さいサンプルEにあっては、測定に数時間を有する他、浸透速度が極めて小さいサンプルF,G(図2に図示せず)にあっては、電極板3a,3b間の静電容量の変化が極めて小さく測定不能という結果が得られた。したがって、紙1を複数枚積層した積層体2において、液体が紙1の厚み方向に浸透する速度を求める場合、浸透速度が大きい紙1に対してこの検査方法は極めて有効であることが判る。
また、この試験の結果、濾紙1Rの最上部にまで液体(水)が浸透するまでの時間は、浸透速度の大きな紙1と比較しても1/50にも満たないという結果が得られた。したがって、液体供給部5と濾紙1Rとの間に1枚の検査対象の紙1を挟み込むことで、紙1の厚み方向に浸透する液体の浸透速度が大きく変化し、紙1の厚み方向に対する浸透特性を把握できることが期待できると考えられる。そこで、図1(b)に示すように液体供給部5の上に検査対象の紙1を配置すると共に、その上方に乾燥した濾紙1Rを6枚(厚み4.5mm)積層した積層体2を形成し、液体供給部5に液体を供給し、紙1の厚み方向に浸透する液体の浸透特性を検査した。
その結果、図3に示すように浸透速度の大きい順に電極板3a,3b間の静電容量が急激に変化すると共に、前述した検査方法で測定時間がかかるサンプルEおよび測定不能であったサンプルF,Gに付いても浸透速度を電極板3a,3b間の静電容量の変化として捉えることが可能となった。また、上述した検査方法に対して紙1の検査時間は、約1/4に短縮されている。このようなことから紙1の厚み方向に対する液体の浸透速度を短時間で確実に検査することが可能であるという結果が得られた。
尚、上述した液体供給部5は、濾紙1Rを用いたものを例示したが、例えば図4に概略的にその形態を示すように紙1より略小さい面積に前記絶縁体4の上面側を仕切ると共に、その一辺を開放した微小高さの堰部5aを三方に備えたものとして構成してもよい。そしてこの堰部5aを設けていない一辺には、所定の液体を積層された複数枚の紙1に供給するノズル6を設ける。このノズル6は、その先端から液体供給部5に所定の液体を供給する役割を担うものである。具体的にこのノズル6には、図示しないポンプ等の液体供給装置により液体が供給されるようになっている。
このように構成された液体供給部5を用いれば、上述した実施形態に比べてより確実に所定の溶液を検査対象の紙1に供給することができる。例えば糊を溶かした溶液(糊溶液)のような粘性のある液体が紙1に浸透する速度を検査する場合であったとしても、この液体供給部5を用いれば検査対象の紙1に糊溶液を確実に供給することが可能である。そうして検査対象の紙1に糊溶液が浸透するにつれて電極板3a,3b間の静電容量も変化する。したがってこのときの静電容量の経時変化を捉えれば、検査対象の紙1に浸透する例えば糊溶液のような粘性のある液体の浸透速度を検出することができる。
かくして上述したように構成した本発明に係る液体浸透度検査方法を適用した液体浸透度測定装置によれば、薄板状の紙1を複数枚積層して形成した積層体2の積層面を一対の電極板3a,3bでその両側から挟み込んで水平に保持し、この電極板3a,3bに挟まれた積層体2の最下部に接するように位置付けられた液体供給部5に所定の液体を注入するノズル6と、電極板3a,3b間の静電容量を測定してその測定結果を出力する静電容量計7とを具備し、ノズル6から所定の液体を液体供給部5に注入して、積層体2の下部側から紙1の厚み方向に対して液体を浸透させたときの電極3a,3b間における静電容量の経時変化を捉えているので、この静電容量の経時変化から紙1の厚み方向へ浸透する液体の浸透速度を検査することができる。
特に積層体2は、所定の吸液特性を備えた複数枚の濾紙1Rおよびその最下面側に一枚の紙1を位置付けたものとして形成しすれば、これら複数枚の濾紙1Rにより紙1を浸透する液体の浸透速度が速められ、それ故、紙1の厚み方向へ浸透する特性(浸透速度)を短時間で検査することが可能となり、例えば棒巻タバコ(シガレット)を形成する際に巻紙に塗布される接着剤の塗布特性・吸収特性等の他、紙1の耐水性や印刷特性等を検査することが可能となる。
次に本発明に係る液体浸透度検査方法を適用した液体浸透度検査装置について別の実施形態を図面を参照しながら説明する。この別の実施形態が前述した実施形態と異なるところは、紙1の厚み方向に対する浸透速度を検査する際、紙1の雰囲気条件(温度、湿度、雰囲気ガス)を簡易に制御可能として測定条件の範囲拡大を図ると共に、検査精度をより向上させたところにある。具体的にこの液体浸透度検査装置は、図5および図6にその概略構成を示すように、円環状の電極板8a,8bを用い、この電極板8a,8bと略大きさの等しい円形の試料(紙1)および濾紙1Rを複数枚積層した積層体2を電極板8a,8bに挟み込んで形成される。そして、積層体2の積層面が水平になるように積層体2を挟み込んだ電極板8a,8bを位置付けると共に、これらの電極を保持する電極ブロック8cおよび積層体2をその内部に収容する気密容器9が設けられている。この気密容器9は、その内部に電極板8a,8bおよび積層体2を収容するもので、例えば有蓋円筒の形態をなした容器として構成される。また、この気密容器9の外囲には、気密容器9内の温度を一定に保つ恒温槽10が設けられている。この恒温槽10は、気密容器9内に収容された紙1および濾紙1Rからなる積層体2の温度を一定に維持する役割を担っている。
また気密容器9には、その外部から紙1の底面部に所定の液体を供給する液体供給管11が設けられている。この液体供給管11は、積層体2の下方に位置付けられた電極板8bの内半径側に接続されて、紙1の底面から所定の液体を供給する役割を担っている。また、この液体供給管11は、コの字状またはU字状に曲げられて形成されて、その内部に所定の液体が流し込まれる。この液体は、液体供給管11の開放端に加わる大気圧および液体供給管11の供給面と電極板8bとの高さの差によって生じる位置エネルギーによって該液体が電極板8bの内径側に供給されるようになっている。さらに気密容器9には、積層体2の所定の湿度に保たれた空気、あるいは雰囲気ガスを流入させるポート12が設けられている。
尚、気密容器9に収められた電極板8a,8bは、導線13を介して電極板8a,8b間の静電容量を計測する静電容量計7に接続される。
概略的には、上述したように構成された本発明に係る液体浸透度検査方法を適用した別の液体浸透度検査装置を用いて評価試験を行った。この評価試験において円環状の電極板8a,8bは、外径26mm、内径18mmのニッケル箔とした。また紙1および濾紙1Rは、それぞれ直径25mmの円盤状とし、1枚の紙1の上に9枚の濾紙1Rを積層した積層体2とした。また、所定の液体としては水を用い、検査対象の紙1としては、上述したサンプルAの他に、水が浸透しないサンプルHを用いた。
その結果、図7に示すように浸透速度の大きいサンプルAにあっては、電極板8a,8b間における静電容量の経時変化が極めて明瞭に観測される一方、液体(水)が厚み方向に浸透しないサンプルHにあっては、静電容量が変化していない。したがって積層体2の下部に位置付けられた円環状の電極板8bの内径側に液体を供給すれば、紙1における浸透速度の差異を明確に検査することが可能となることが確かめられた。特に前述した実施形態の場合、電極板3a,3b間の液体供給部5に直接液体を供給するため、静電容量計7で測定する静電容量に外乱が含まれる場合があったが、この別の実施形態の場合、所定の液体の供給作業は、電極板8a,8b間外の作業である。このため図6に示すように極めてなめらかな静電容量の経時変化、すなわち外乱が含まれない静電容量の測定結果を得ることができる。また気密容器9の外囲には、恒温槽10が設けられていると共に、ポート12を介して気密容器9内の雰囲気ガスを置換することができるので、所定の温度・湿度条件や所定のガス中における紙1の厚み方向に対する液体の浸透速度を検査することも可能である。
さらには液体供給管11内の液体の供給面を高くすることで、紙1を液体により加圧した状態における浸透速度を検査することが可能となり、検査精度や使い勝手が向上できる共に測定条件の範囲拡大が可能となる等実用上多大なる効果を奏する。
本発明に係る液体浸透度検査方法が適用される液体浸透度検査装置の検査原理を示す図。 図1に示す液体浸透度検査装置における紙に対する浸透度の測定結果を示すグラフ。 図1に示す液体浸透度検査装置において、1枚の紙と複数枚の濾紙とを組み合わせた積層体に対する浸透度の測定結果を示すグラフ。 図1に示す液体供給部の一例を含む液体浸透度測定装置の要部概略構成を示す図。 本発明に係る液体浸透度検査装置における別の実施形態の概略構成を示す斜視図。 本発明に係る液体浸透度検査装置における別の実施形態の概略構成を示す断面図。 図5に示す液体浸透度検査装置における紙に対する浸透度の測定結果を示すグラフ。
符号の説明
1 紙
1R 濾紙
2 積層体
3a,3b 電極
4 絶縁体
5 液体供給部
6 ノズル
7 静電容量計

Claims (8)

  1. 積層した複数枚の紙を一対の電極板で挟み込むと共に、前記紙の積層面が水平になるように前記電極板を位置付けた後、積層した前記紙の最下部に位置する前記紙の底面から所定の液体をその厚み方向に含浸させた際、前記電極板間における静電容量の経時変化から前記紙の特性を検査することを特徴とする液体浸透度検査方法。
  2. 積層した前記紙は、所定の吸液特性を備えた複数枚の吸収紙およびその最下面側に一枚の被試験紙を位置付けたものである請求項1に記載の液体浸透度検査方法。
  3. 前記吸収紙は、濾紙またはフィルタプラグからなるものである請求項2に記載の液体浸透度検査方法。
  4. 薄板状の紙を複数枚積層して形成した積層体と、
    この積層体の積層面をその両側から挟み込んで水平に保持する一対の電極板と、
    この電極板に挟まれた前記積層体の最下部に所定の液体を送り込むノズルと、
    前記電極板間の静電容量を測定して該測定結果を出力する静電容量計と
    を具備し、
    前記ノズルから前記所定の液体を送り込んだとき、前記電極板間の静電容量の経時変化から前記紙の特性を検査することを特徴とする液体浸透度検査装置。
  5. 前記電極板は、前記積層体をその上面側および下面側からそれぞれ挟み込む上部電極板および下部電極板とからなり、
    前記下部電極板と前記積層体との間には、更に該積層体の底面から所定の前記液体を流し込む液体供給部を備えることを特徴とする請求項4に記載の液体浸透度検査装置。
  6. 前記積層体は、所定の吸液特性を備えた複数枚の吸収紙およびその最下面側に一枚の被試験紙を位置付けたものである請求項4に記載の液体浸透度検査装置。
  7. 前記吸収紙は、濾紙またはフィルタプラグからなるものである請求項6に記載の液体浸透度検査装置。
  8. 前記電極板と前記積層体とが接する部位には、所定の絶縁体が挟み込まれるものである請求項4または5に記載の液体浸透度検査装置。
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