JP2007255693A - 着脱可能なリングを持つボルト締付力検出座 - Google Patents

着脱可能なリングを持つボルト締付力検出座 Download PDF

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山崎  勇
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Abstract

【課題】締付力検出座によるボルトの締付力の規定に係わるリングを共用する事により、ボルト毎に必要なリング数を減ずると共に化学プラントの昇温過程でのフランジとボルトとの膨張量の差に起因するボルトへの過大な負荷を軽減する。
【解決手段】被締付物5をボルト6、ナット7で締め付ける際に、皿バネ等の薄板上の弾性体2を複数枚所定高さに重ねて、その周囲をリング4で外部から筒状に支持し、その上下を座金1、3で挟む。リング4は薄い板バネ製で形成され、その一部が切り欠かれており、着脱時に指先で開口して、弾性体2の外周に挿入し、ナット7を締め付けていくと座金1との隙間Gが零となり、これが規定の締め付け力となる。その後にリング4は開口して取り外すことができ共用化できる。リングを取り外す事により昇温過程でのフランジとボルトとの膨張量の差を弾性体2に吸収させる。
【選択図】図1

Description

産業上の利用分野
本発明は一般的なボルト締結の締付力を規定、管理する装置に関する。
機械装置や建築物に使用されるボルトはその締付力により、疲労寿命が大きく変化するものであり、適切な締付力が要求される。締付力をトルクレンチで一定にしようとしても、ボルトのネジ部や座面の摩擦力が変動するため締付力は一定とならず大きな相違が生ずる。この欠陥を取り除くためボルト締付力検出座(特許第2529835号)が開発され効果が得られたが、ボルト全数にボルト締付力検出座のコストの大きな部分占めている締付力規定用のリングが必要である。
化学プラントの配管フランジボルトは多数のボルトが幾何学的に平均化されて配置されており、昇温過程でのフランジと締付ボルトの温度は図3のように温度差はf1とb1が最大となり、膨張量の差から締付ボルトへの負荷が可成り増大する。この事はボルト締付力検出座(特許第2529835号)を使用した場合にもリングを介して同様な結果となる。
発明が解決しようとする課題
締付力管理用のリング数を削減し締付力検出座のコストを低減すると共に昇温過程での締付ボルトへの負荷を軽減する。
課題を解決するための手段
上記目的を達成する為に本発明では締付力を検知するリングを着脱可能なリングとする。
作用
複数ある締付ボルトの場合にはリングの共用化が可能となる。又、リングが取り外された状態にできるので、昇温過程での上述の膨張量の差は弾性体が吸収する。
図1及び2において、1は座金、2は弾性体(本例では皿バネ)、3は座金、4はリング,5は被締付物、6はボルト、7はナットである。リング4には開口部4a、4c及び尾部4bがある。無負荷状態ではリング4と座金1との間には隙間Gがある。ナット7を締付けていくと弾性体2は変形し隙間Gは減少し、ついには零となりリング4は指先では回動不能となる。この時点が規定の締付力となる。
リング4は薄い板バネ製で着脱時には指先で尾部4bを中心にして開口部4aと開口部4cを上下に開口し、その開口寸法Aが弾性体2の外径Bよりも大きな状態とし操作する。
締付力検出座として組み付ける場合には弾性体2の外周に配置させれば弾性によりリング状となり、締付力規定のための機能を持ったリングとなる。ボルト径が小径の場合には図1のリング4でもよいが大径の場合には板バネの剛性が大きくなり指先での開口操作は困難となる。そこで半割れリングを組み合わせてリング機能を持たせた構造が次の実施例である。
他の実施例
図4及び5において、本図は図1及び2の実施例のリング4以外は同一なので座金1および3,弾性体2等は省略している。8及び9は半割れリング、10はボルト、11はナットである。半割れリング8には開口部8a、ネジ孔8b、締付け部8cがある。同様に半割れリング9にも開口部9a、ネジ孔9b、締付け部9cがあ、ボルト10とナット11によりリング状に組立てられている。hは半割れリングの高さである。
着脱時には指先でボルト10を中心にして開口部8aと開口部9aを上下に開口し、その開口寸法Cが弾性体2の外径Bよりも大きな状態とし操作する。
締付力検出座として組み付ける場合には弾性体2の外周に配置させ,C寸法を小さくしリング状にしてボルト10,ナット11により締結され、締付力規定のための機能を持ったリングとなる。又、配管フランジのように隣接するボルト間隔が小さい場合には各半割れリングを分解して挿入し組在ることも可能である。
図6及び7において、本図は半割れリング8及び9のネジ孔8b及び9bに追設する調整ネジに関するものである。12は調整ネジ、13は目盛群であり調整ネジ12の頭部には指標12aがある。目盛群13はネジ孔8b及び9bを中心にした円弧上に0〜5まで等間隔に点在している。又、図5のリング高さhより少し高いリングが必要な場合に、ネジ孔8b及び9bに調整ネジ12を螺合させリング高さをHに増大させた例でもある。
図6では指標12aば目盛群13の0に対応していてリング高さはHであり、目盛群13の5に対応させればリング高さはHよりも大きくなる。又、被締付け物が経年変化により、へたる場合には締付力検出座の機能である弾性体のバックアップにより上下座金の間隔は僅かに増大する。そこで調整ネジ12をHが増大する方向にリングが回動しなくなるまで捻回し、指標12aと対応する目盛群13の1〜5により捻回角度が判り、その結果へたり量が計算できる。 例えば調整ネジ12のピッチを0.8、回転角度を90°とすればへたり量は0.2となる。
発明の効果
本発明は以上のように構成されているので、下記のような効果が得られる。
配管フランジの締付ボルトのように本数が多く幾何学的に配置される場合には、フランジや各締付ボルトの精度のバラツキが比較的小さいので締付力検出座のリングを共用する事が可能であり、着脱可能なリングによるコスト低減効果は著大である。
化学プラントでの昇温過程でのフランジとボルトとの温度差による膨張量の差を締付力検出座の弾性体が吸収するのでボルトに過大な負荷が生じない。
リングに調整ネジを組み込む事により被締付け物のへたり量が測定できる。その上このへたり量と弾性体のバネ常数から締付力が計算できるので、締付力管理を容易にする事ができ安全性が向上する。
実施例の側面図 [図1]のAA視図 昇温過程図 他の実施例の平面図 他の実施例の側面図 他の実施例の調整ネジの平面図 他の実施例の調整ネジの側面図
符号の説明
1 座金 2 弾性体 3 座金 4 リング 5 被締付物
6 ボルト 7 ナット 8 半割れリング 9 半割れリング 10 ボルト
11 ナット 12 調整ネジ 13 目盛群

Claims (1)

  1. ボルト(6)が貫通する孔を有する座金(1)、弾性体(2)、座金(3)及び着脱可能な開口部を持ったリング(4)又は、着脱可能な半割れリング(8)と半割れリング(9)とをボルト(10)、ナット(11)により組み合わされて構成されたリングからなり、リング(4)及び半割れリング(8)と半割れリング(9)の高さは弾性体(2)が自由な状態での高さと座金(1)との間に隙間(G)を設けた高さであり、ナット(7)を締付けたとき弾性体(2)が変形しボルト(6)が規定締付力に到達すると座金(1)とリング(4)又は半割れリング(8)と半割れリング(9)とボルト(10)、ナット(11)により組み合わされて構成されたリングが当接することを特長とする締付力検出座
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015155751A (ja) * 2014-02-07 2015-08-27 バーンズ グループ インコーポレーテッド トルク保持配置
CN109538613A (zh) * 2018-11-15 2019-03-29 上海宇航系统工程研究所 一种弹性防松的夹持螺栓装置
CN111720413A (zh) * 2020-05-21 2020-09-29 广东电网有限责任公司 一种紧固状态可视化的连接装置
US20230057516A1 (en) * 2020-03-27 2023-02-23 Elringklinger Marusan Corporation Fastener and shield unit

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