JP2007255360A - エンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体燃料と気体燃料とを併用するエンジンを搭載した車両において、そのエンジン制御の応答性を向上させる。
【解決手段】本発明のエンジン制御装置によれば、同期噴射モードで車両が安定に走行している通常時においては、LPGの残量が十分である限りこれを使用する(S2,S4,S5)。これにより、燃費の向上と排気エミッションの低減とを実現することができる。一方、車両の状態が不安定なエンジン始動時や、エンジンへの負荷が大きくなって燃料の増量が必要となるときには、ガソリンによる燃料噴射を行う(S6〜S8)。これにより、エンジンの始動性を向上させることができる。また、必要なときに安定したエンジントルクを速やかに得ることができ、制御の応答性の向上とそれによるドライバビリティの向上を実現することができる。
【選択図】図4
【解決手段】本発明のエンジン制御装置によれば、同期噴射モードで車両が安定に走行している通常時においては、LPGの残量が十分である限りこれを使用する(S2,S4,S5)。これにより、燃費の向上と排気エミッションの低減とを実現することができる。一方、車両の状態が不安定なエンジン始動時や、エンジンへの負荷が大きくなって燃料の増量が必要となるときには、ガソリンによる燃料噴射を行う(S6〜S8)。これにより、エンジンの始動性を向上させることができる。また、必要なときに安定したエンジントルクを速やかに得ることができ、制御の応答性の向上とそれによるドライバビリティの向上を実現することができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、エンジン制御装置に関し、特に液体燃料と気体燃料とを併用してエンジンを駆動制御するエンジン制御装置に関する。
フォークリフト等の産業車両やタクシー等の自動車には、排気エミッションの低減及び燃費の向上等の観点から、燃料にガソリン等の液体燃料とLPG(液化石油ガス)等の気体燃料とを併用するいわゆるバイフューエルエンジンが広く採用されている(例えば特許文献1参照)。
このLPGは、プロパンとブタンとを混合した気体に圧力をかけて液体状態にした燃料であり、燃焼したときに硫黄酸化物や窒素酸化物をほとんど発生せず、二酸化炭素の発生も天然ガスと並んで少ないクリーンエネルギーとして知られている。また、LPGは、同じ気体燃料であるCNG(圧縮天然ガス)等と比較してかなり低圧で液化し、その液体時の体積が気体時の体積の250分の1にもなるため、車両への積載に非常に有利である。さらに、LPGは、ガソリン等に比べて安価であるといった利点がある。
ただし、LPGは、日本においてはガソリン等に比べて車両の燃料としての普及率が低いため、入手性には多少の問題がある。このため、バイフューエルエンジンを搭載した車両は、一般に、通常時は安価なLPGで走行し、そのLPGが無くなると、入手性の良いガソリンに切り替えて走行するようにしていた。
実開平7−30344号公報(段落番号〔0002〕)
ところで、このようなバイフューエルエンジンを搭載した車両においては、一般に、燃料の供給にキャブレタ方式とマニホルド噴射方式とを併用している。すなわち、LPGの供給には、キャブレタ方式とシングルポイントインジェクション(SPI:Single Point Injection)方式を併用している。これは、吸入空気の負圧を利用して燃料を送出するキャブレタ方式をメインにし、その燃料の不足分をキャブレタの下流側に配置した1つのインジェクタから補うものである。一方、ガソリンの供給には、マルチポイントインジェクション(MPI:Multi Point Injection)方式を採用している。これは、エンジンの気筒と同数のインジェクタを各気筒の吸気弁付近に取り付けて、燃料噴射を行うものである。
しかしながら、このようなバイフューエルエンジンにおいては、LPGの噴射位置がガソリンの噴射位置よりも上流側になる。また、キャブレタ方式は、負圧を発生させてから燃料が供給されることになるため、燃料供給の応答性がMPIよりも劣る。
このため、一般的には吸気管内に供給する時点で既に気体状態になっているLPGの方がガソリンよりも燃焼効率がよく過渡時の応答性もよいと思われるが、ガソリンをMPI方式のインジェクタで供給し、LPGをキャブレタ方式での供給とSPI方式のインジェクタでの供給で行う場合には、LPGの方がガソリンよりも過渡時の応答性が悪くなってしまうといった問題がある。また、LPGは気体状態で燃焼室内に供給されるため、燃焼室への吸入空気の充填性が悪くなってしまい(シリンダの体積に占める燃料の体積が多いため)、ガソリン時の液体燃料に比べてエンジン出力が上がらないといった問題がある。
なお、このような問題は、ガソリンとLPGとを併用したエンジンのみならず、他の液体燃料と気体燃料とを併用したエンジンについても発生し得る。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、液体燃料と気体燃料とを併用するエンジンを搭載した車両において、そのエンジン制御の応答性を向上できるエンジン制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、液体燃料と気体燃料とを併用するエンジンを搭載した車両において、そのエンジン制御の応答性を向上できるエンジン制御装置を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、液体燃料と気体燃料とを併用するエンジンを制御するエンジン制御装置において、前記気体燃料を使用して前記エンジンを制御しているときに、燃料の増量を行う必要が生じた場合には、少なくともその増量分のために前記液体燃料を使用して前記エンジンを制御することを特徴とするエンジン制御装置が提供される。
なお、ここでいう「燃料の増量を行う必要が生じた場合」には、例えばエンジンへの高負荷時等のようにエンジントルクを増加させたり、空燃比をリッチ側に変化させたりするなどのために、燃料を増量するときが含まれ得る。
このようなエンジン制御装置によれば、通常時においては気体燃料が使用され、燃料増量時には気体燃料よりも応答性の良い液体燃料が使用されてエンジン制御が行われる。なお、このエンジン制御における気体燃料と液体燃料との切り替えは、必ずしも排他的に実行されるものではなく、双方の燃料の供給量をエンジン制御の状況に応じて調整することができる。
また、本発明では、液体燃料と気体燃料とを併用するエンジンを制御するエンジン制御装置において、前記エンジンの始動時には、前記液体燃料を使用して前記エンジンを制御し、前記エンジンの始動後には、前記気体燃料を使用して前記エンジンを制御することを特徴とするエンジン制御装置が提供される。
このようなエンジン制御装置によれば、エンジン回転数が比較的不安定なエンジンの始動時においては気体燃料よりも応答性の良い液体燃料が使用され、エンジンの始動後に気体燃料を使用するエンジン制御が行われる。なお、この液体燃料から気体燃料への切り替えは、必ずしも排他的に実行されるものはなく、双方の燃料の供給状態に必要に応じたオーバラップがあってもよい。
本発明のエンジン制御装置によれば、通常時よりも制御の応答性が要求されるときに、気体燃料よりも応答性の良い液体燃料が主に使用される。このため、エンジン制御の応答性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施の形態は、本発明のエンジン制御装置を、4気筒エンジンを搭載したフォークリフトに適用したものである。図1は、本実施の形態のフォークリフトの全体構成を表す概略構成図である。
本実施の形態は、本発明のエンジン制御装置を、4気筒エンジンを搭載したフォークリフトに適用したものである。図1は、本実施の形態のフォークリフトの全体構成を表す概略構成図である。
フォークリフト1は、車両の前方で上下に延びるように立設されたマスト2、マスト2に沿って昇降可能に設けられたフォーク3、フォーク3の昇降を駆動したりマスト2の揺動を駆動したりする所定の駆動機構等を備える。作業者は、運転席の前方に設けられたステアリング4や操作レバー5を操作することにより、車両の運転及びフォーク3への荷役の積み下ろしを行う。車両の各部にはエンジン制御のための後述する各種センサが配設され、車両の内部には、エンジン6及びこれを制御するための電子制御装置(Electronic Control Unit:以下「ECU」という)7が設けられている。
図2は、フォークリフトのエンジン周辺の構成を表す概略構成図である。
エンジン6には、その吸排気系の上流側に吸気管11が接続され、下流側に排気管12が接続されている。吸気管11の上流側端部にはエアクリーナ13が設けられ、下流側端部には各気筒毎に吸気通路を分けるインテークマニホルド14が設けられている。エアクリーナ13を介して吸気管11に導入された空気は、インテークマニホルド14を通って各気筒内に吸入される。
エンジン6には、その吸排気系の上流側に吸気管11が接続され、下流側に排気管12が接続されている。吸気管11の上流側端部にはエアクリーナ13が設けられ、下流側端部には各気筒毎に吸気通路を分けるインテークマニホルド14が設けられている。エアクリーナ13を介して吸気管11に導入された空気は、インテークマニホルド14を通って各気筒内に吸入される。
インテークマニホルド14の上流側にはスロットル弁15が設けられている。また、スロットル弁15のやや上流側にはキャブレタ16が設けられ、やや下流側にはLPG用のインジェクタ17が設けられている。これらキャブレタ16及びインジェクタ17は、燃料タンク18から汲み上げられたLPGを吸気系に供給する。
すなわち、燃料タンク18には、加圧されたLPGが液体状態で貯留されている。この液体状態のLPGは、燃料タンク18の出口に設けられた遮断弁19が開弁されることにより、燃料通路20を通ってレギュレータ21に送られる。レギュレータ21は、図示しないラジエータからの温水により温められており、導入されたLPGを気化させる。ここで気化したLPGは、レギュレータ21の出口に設けられた電磁弁22が開弁されることにより、キャブレタ16につながる第1通路23とインジェクタ17につながる第2通路24のそれぞれに導出される。第1通路23のキャブレタ16の手前には電磁弁25が設けられており、キャブレタ16へのLPGの供給を調整できるようになっている。
このように、LPGの供給には、キャブレタ方式とSPI方式とが併用されており、第1通路23に導出されたLPGは、キャブレタ16を通過する吸入空気の気流が発生させる負圧を利用して吸気管11内に導入される。そして、このキャブレタ方式をメインにし、その不足分のLPGをインジェクタ17から噴射して補うようにしている。
また、インテークマニホルド14において各気筒毎に設けられた吸気ポートには、ガソリン用のインジェクタ26がそれぞれ配置されている。すなわち、ガソリンの供給にはMPI方式が採用されている。このインジェクタ26は、所定の燃料タンク27から汲み上げられて調圧されたガソリンが供給され、通電制御により開弁して吸気ポート内に燃料を噴射する。このとき噴射された燃料は、上流側から導入される吸入空気と混合されて混合気となり、各気筒の燃焼室28に吸気弁29を介して供給される。
すなわち、本実施の形態のエンジン制御においては、燃料の供給に液体燃料であるガソリンと気体燃料であるLPGとを併用しており、通常時においては主にLPGが使用され、燃料増量時にはLPGよりも応答性の良いガソリンが使用される。ガソリンとLPGとの切り替えは排他的であってもよいし、必要トルクを考慮してオーバラップしていてもよい。このエンジン制御の詳細については後述する。
各気筒の燃焼室28にはスパークプラグ30がそれぞれ配置されている。このスパークプラグ30は、イグニッションコイルを備えたイグナイタ31により生成された高電圧が印加されて点火用の火花を生成する。この点火により燃焼室28内の混合気が燃焼し、ピストン32を介してクランク軸33に回転力が与えられる。
排気管12の上流側端部には、各気筒毎の排気通路を合流させて下流端にある図示しないマフラーへ向けて送出するエキゾーストマニホルド34が設けられている。燃焼室28から排気弁35を介して排気されたガスは、エキゾーストマニホルド34を通って排気管12に導出され、触媒コンバータ36で浄化されてマフラーへと送られる。
また、吸気管11の最上流部には、吸気温センサが一体化したエアフローメータ41が設けられ、吸入空気量と吸気温を検出できるようになっている。また、吸気管11のスロットル弁15の近傍には、スロットル弁15の開度を検出するスロットル開度センサ42が設けられている。さらに、スロットル弁15の下流側には、吸気管11内の圧力を検出する吸気圧センサ43が設けられている。
また、エンジン6のシリンダには、エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ44が設けられている。また、クランク軸33の近傍には、エンジン回転数を算出するために、クランク軸33の回転に伴う所定のクランク角毎にクランク角信号を発生するクランク角センサ45が配置されている。
さらに、排気管12には酸素センサ46が設けられ、この酸素センサ46によりエンジン6の排気ガス中の酸素濃度が検出できるようになっている。
そして、エンジン6の制御は、マイクロコンピュータを中心に構成されたECU7により実行される。本実施の形態においては、このECU7がエンジン制御装置を構成する。
そして、エンジン6の制御は、マイクロコンピュータを中心に構成されたECU7により実行される。本実施の形態においては、このECU7がエンジン制御装置を構成する。
図3は、このECU及びその入出力を表すブロック図である。
ECU7は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種の制御演算プログラムやデータを格納したROM(Read Only Memory)、演算過程の数値やフラグが所定領域に格納されるRAM(Random Access Memory)、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)コンバータ、各種デジタル信号が入出力される入出力インタフェース、及びこれら各機器がそれぞれ接続されるバスラインなどを備えている。
ECU7は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、各種の制御演算プログラムやデータを格納したROM(Read Only Memory)、演算過程の数値やフラグが所定領域に格納されるRAM(Random Access Memory)、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)コンバータ、各種デジタル信号が入出力される入出力インタフェース、及びこれら各機器がそれぞれ接続されるバスラインなどを備えている。
このECU7は、エンジン6の状態を検出する各種センサからの出力信号を取り込むととともに、エンジン6に設けられた各種アクチュエータに駆動信号を出力する。
すなわち、ECU7には、上述したエアフローメータ41(吸気温センサを含む)、スロットル開度センサ42、吸気圧センサ43、水温センサ44、クランク角センサ45、及び酸素センサ46の他にも、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ47、車両駆動軸の回転から車速を検出する車速センサ48、イグニッションスイッチ49、スタータスイッチ50などのセンサ・スイッチ類が接続されている。
すなわち、ECU7には、上述したエアフローメータ41(吸気温センサを含む)、スロットル開度センサ42、吸気圧センサ43、水温センサ44、クランク角センサ45、及び酸素センサ46の他にも、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ47、車両駆動軸の回転から車速を検出する車速センサ48、イグニッションスイッチ49、スタータスイッチ50などのセンサ・スイッチ類が接続されている。
また、ECU7には、上述したLPG用のインジェクタ17、遮断弁19、電磁弁22、電磁弁25、各気筒毎のガソリン用のインジェクタ26、及びイグナイタ31の他にも燃料タンク27からガソリンを汲み上げてインジェクタ26に供給する燃料ポンプ52、スロットル弁15を開閉するためのスロットル駆動モータ53、エンジン6をクランキングさせるスタータモータ54などの各種アクチュエータが接続されている。ECU7は、ROMに格納された制御プログラムにしたがって所定の制御処理を行う。
次に、本実施の形態のエンジン制御方法について説明する。なお、本実施の形態のエンジン制御方法はLPGとガソリンとを併用する燃料噴射制御に特徴があるため、ここではその燃料噴射制御についてのみ説明し、点火時期制御等その他の制御については説明を省略する。
図4は、ECUが実行する燃料噴射制御の処理の流れを表すフローチャートである。以下、この処理の流れを、ステップ番号(以下「S」で表記する)を用いて説明する。
ここでは、エンジンが比較的安定している通常時においては、排気エミッションの低減及び燃費の向上に有利なLPGをメインにした燃料噴射制御を行う。一方、エンジン始動時などのエンジン回転数が設定回転数よりも低く不安定な状態にあるときや、エンジン6への負荷が大きくなったときなど、エンジントルクを素早く確保する必要があるときには、燃焼の応答性に有利なガソリンをメインにした燃料噴射制御を行う。以下の処理は、エンジン6が始動を開始してから停止するまで繰り返し実行される。
ここでは、エンジンが比較的安定している通常時においては、排気エミッションの低減及び燃費の向上に有利なLPGをメインにした燃料噴射制御を行う。一方、エンジン始動時などのエンジン回転数が設定回転数よりも低く不安定な状態にあるときや、エンジン6への負荷が大きくなったときなど、エンジントルクを素早く確保する必要があるときには、燃焼の応答性に有利なガソリンをメインにした燃料噴射制御を行う。以下の処理は、エンジン6が始動を開始してから停止するまで繰り返し実行される。
まず、現在の車両の状態に基づいて非同期噴射モードであるか否かを判断する(S1)。この非同期噴射モードの条件としては、例えばエンジン始動時においてエンジン回転数を安定にするために燃料供給を細かく制御する必要がある場合や、エンジン6への負荷の増加によるエンジントルクの不足分を補うために燃料を増量する必要がある場合などを設定することができる。
具体的には、1)エンジン冷却水の温度が所定値以下であり、かつエンジン回転数が所定値以下であること、2)所定加速度以上の加速要求があったこと、3)パワーステアリングのスイッチがオンにされたこと、4)フォーク3の駆動のために、これをリフトさせるためのリフト油圧を供給する油圧ポンプが駆動されたこと、5)エアコンのコンプレッサ等が駆動されたこと、6)オルタネータなどの電気負荷が駆動されたことなどを条件に設定することができる。
そして、非同期噴射モードではない、つまり同期噴射モードであると判断されると(S1:NO)、続いて、現在LPGを使用した燃料噴射制御を行っているか否かを判断する(S2)。このとき、LPGによる噴射ではない、つまりガソリンを使用した燃料噴射制御を行っている場合には(S2:NO)、引き続きガソリンによる同期噴射を実行する(S3)。なお、このガソリンによる同期噴射とは、各気筒毎にそれぞれの吸気行程の所定のタイミングでガソリン用のインジェクタ26から燃料噴射を行うものである。
なお、本実施の形態では、同期噴射モードは燃費の向上等のために極力LPGにて行うようにしている。それにも拘わらずS2にてガソリン噴射であると判断されるのは、例えばLPGの残量が十分でないために(後述するS4)、前回の処理においてガソリンによる同期噴射に切り替えられた場合などが考えられる。
一方、S2にて、LPGによる噴射であると判断されると(S2:YES)、燃料タンク18内のLPGの残量が十分にあるか否かを判断する(S4)。このLPGの残量は、燃料タンク18内に設けられた図示しない残量センサにより検出される。このとき、LPGの残量が十分にあると判断されると(S4:YES)、引き続きLPGによる同期噴射を実行する(S5)。なお、このLPGによる同期噴射とは、LPG用のインジェクタ17から吸気行程の所定のタイミングで燃料噴射を行うものである。一方、LPGの残量が十分でないと判断されると(S4:NO)、ガソリンによる同期噴射に切り替えてこれを実行する(S3)。
また、S1にて、非同期モードであると判断されると(S1:YES)、続いて、現在LPGを使用した燃料噴射制御を行っているか否かを判断する(S6)。このとき、LPGによる噴射ではない、つまりガソリンを使用した燃料噴射制御を行っている場合には(S6:NO)、引き続きガソリンによる非同期噴射を実行する(S7)。なお、このガソリンによる非同期噴射とは、各気筒毎の行程に関係なく、ガソリン用のインジェクタ26から必要量の燃料噴射を行うものである。
一方、S6にて、LPGによる噴射であると判断されると(S6:YES)、燃料タンク27内のガソリンの残量が十分にあるか否かを判断する(S8)。このガソリンの残量は、燃料タンク27内に設けられた図示しない残量センサにより検出される。このとき、ガソリンの残量が十分にあると判断されると(S8:YES)、応答性を良くするために、ガソリンによる非同期噴射に切り替えてこれを実行する(S7)。一方、ガソリンの残量が十分でないと判断されると(S8:NO)、止むを得ないため、引き続きLPGによる非同期噴射を実行する(S9)。
以上に説明したように、本実施の形態のエンジン制御装置によれば、同期噴射モードで車両が安定に走行している通常時においては、LPGの残量が十分である限りこれを使用する。これにより、燃費の向上と排気エミッションの低減とを実現することができる。また、LPGの残量が十分でないときには自動的にガソリンの供給に切り替えるようにしたため、ユーザが燃料残量を見て燃料の切り替えを行う必要がなく、その燃料の切り替えを意識しないで車両を運転することができる。
一方、車両の状態が不安定なエンジン始動時や、エンジン6への負荷が大きくなって燃料の増量が必要となるときには、ガソリンによる燃料噴射を行う。これにより、エンジンの始動性を向上させることができる。また、必要なときに安定したエンジントルクを速やかに得ることができ、制御の応答性の向上とそれによるドライバビリティの向上を実現することができる。
なお、上記実施の形態では、図4に示したように、LPGによる燃料噴射制御とガソリンによる燃料噴射制御とを切り替えて実行する例を示したが、双方の燃料の供給状態に必要に応じたオーバラップがあってもよい。例えば、非同期噴射を実行する際に、基本噴射(同期噴射に相当する部分)についてはLPGにて燃料噴射を行い、燃料の増量分をガソリンにて行うようにしてもよい。この場合、エンジン6の燃焼室28には、異なる種類の燃料がそれぞれ排他的に導入されるのではなく、ガソリンと吸入空気の混合気とLPGとが同時に導入されることになる。また、非同時噴射から同期噴射に切り替える際に、LPGによる燃料供給が安定するまでガソリンを同時に供給するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では述べなかったが、エンジン制御の過程で燃料カットを行った場合に、その復帰時にLPGではなくガソリンによる燃料噴射を行うようにしてもよい。これにより、燃料の到達遅れを減少し、制御の応答性及びドライバビリティを向上させることができる。あるいは、空燃比を現在よりもリッチ側に制御する際に、LPGではなくガソリンによる燃料噴射を行うようにしてもよい。これにより、例えば理論空燃比への追従性を向上させることができる。さらに、周囲温度が低くてLPGが完全に気化していないときにLPGを供給すると、燃料量が設定値からずれて制御が不安定になる可能性がある。このため、LPGの温度がその沸点よりも低いときには、LPGではなくガソリンによる燃料噴射を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、LPGの供給にキャブレタ方式とSPI方式とを併用した例を示したが、いずれか一方であってもよいし、MPI方式を採用してもよい。
また、上記実施の形態では、液体燃料としてガソリンを使用し、気体燃料としてLPGを使用した例を示したが、軽油その他の液体燃料を使用したり、CNGその他の気体燃料を使用してもよい。ただし、LPGは、比較的低圧で液化して体積がかなり小さくなるため、CNGよりも車両への積載性には有利といえる。
また、上記実施の形態では、液体燃料としてガソリンを使用し、気体燃料としてLPGを使用した例を示したが、軽油その他の液体燃料を使用したり、CNGその他の気体燃料を使用してもよい。ただし、LPGは、比較的低圧で液化して体積がかなり小さくなるため、CNGよりも車両への積載性には有利といえる。
さらに、上記実施の形態では、本発明のエンジン制御装置をフォークリフトに適用した例を示したが、本発明は、フォークリフト以外の他の産業車両や自動車に適用することも可能である。
1 フォークリフト
6 エンジン
7 ECU
11 吸気管
12 排気管
14 インテークマニホルド
15 スロットル弁
16 キャブレタ
17,26 インジェクタ
18,27 燃料タンク
19 遮断弁
21 レギュレータ
22,25 電磁弁
28 燃焼室
29 吸気弁
35 排気弁
6 エンジン
7 ECU
11 吸気管
12 排気管
14 インテークマニホルド
15 スロットル弁
16 キャブレタ
17,26 インジェクタ
18,27 燃料タンク
19 遮断弁
21 レギュレータ
22,25 電磁弁
28 燃焼室
29 吸気弁
35 排気弁
Claims (7)
- 液体燃料と気体燃料とを併用するエンジンを制御するエンジン制御装置において、
前記気体燃料を使用して前記エンジンを制御しているときに、燃料の増量を行う必要が生じた場合には、少なくともその増量分のために前記液体燃料を使用して前記エンジンを制御することを特徴とするエンジン制御装置。 - 液体燃料と気体燃料とを併用するエンジンを制御するエンジン制御装置において、
前記エンジンの始動時には、前記液体燃料を使用して前記エンジンを制御し、前記エンジンの始動後には、前記気体燃料を使用して前記エンジンを制御することを特徴とするエンジン制御装置。 - 前記気体燃料を噴射する噴射装置が、前記液体燃料を噴射する噴射装置よりも吸気系の上流側に配置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジン制御装置。
- 前記液体燃料の噴射を、非同期噴射により実行することを特徴とする請求項3記載のエンジン制御装置。
- 前記気体燃料の温度が前記気体燃料の沸点よりも低いときに、前記液体燃料の噴射を実行することを特徴とする請求項2記載のエンジン制御装置。
- 燃料増量時には、前記燃料の増量前の前記気体燃料の供給状態を継続するとともに、前記燃料の増量分を前記液体燃料の噴射により補うように制御することを特徴とする請求項1記載のエンジン制御装置。
- インジェクタで燃料供給を行う液体燃料と、キャブレタで燃料供給を行う気体燃料とを併用するエンジンを制御するエンジン制御装置であって、
キャブレタから気体燃料の供給を行っているときに、燃料の増量を行う必要が生じた場合に、燃料の増量をインジェクタから液体燃料を供給することによって行う増量制御手段を備えたことを特徴とするエンジン制御装置。
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2006
- 2006-03-24 JP JP2006082697A patent/JP2007255360A/ja not_active Withdrawn
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