JP2007253314A - 切削加工方法並びにこれに用いられる切削装置及び工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えば3mm以下の寸法レベルの微細異形穴又は溝を、高精度に形成し得、併せて工具摩耗を軽減し、バリ発生も抑制することのできる切削加工方法を提供する。
【解決手段】切削工具に超音波振動を加え、切削工具の先端を被加工物の所定の位置に当てて切り込み切削を行うことにより、被加工物に所定の形状の穴又は溝を形成する方法において、切削抵抗を軽減するために、(a)超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角を設けた切削工具を用いること、(b)切削工具の切り込み送りの動作を断続的な間欠動作で行うこと、(c)多面の切れ刃を有するようにすくい角を設けた切削工具を用いること、及び(d)被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面よりも細径の先端を有する切削工具を用いること、の少なくともいずれか1つのことを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、微細な異形状穴あるいは異形状溝の形成を行なう切削加工方法並びにこれに用いられる切削装置及び工具に関するものである。
微細な穴や溝等の加工の分野では、直径50μm程度の自動車の噴射装置やインクジェットプリンタのノズル等がすでに商品化されている。円形穴の加工は機械加工による方法、レーザ、電子ビーム、放電等熱エネルギを利用した方法等が実用化されている。
高精度な穴が要求される場合は、熱エネルギによる加工の場合、加工変質層を除去しなければならないことから、機械加工で仕上げるのが一般的である。機械加工ではドリル加工によって行われことが多く、特に、微細加工の分野ではドリル加工による方法で金属板に直径30μm程度の穴まで達成可能となっている。
これに対して、例えば、角穴、スプライン等円形穴以外の異形状穴を加工する場合は、ブローチ加工で仕上げる方法や型彫り放電加工やワイヤ放電加工で加工した後、加工変質層の除去とコーナR部の仕上げのため研磨をする方法がある。
ブローチ加工では、微小な工具の製作が困難であることから微細加工への適用は難しい。また、ワイヤ放電加工で直径0.05mm程度のワイヤが使われるようになったとはいえ、部品寸法の小さい微細加工では、全体に対するコーナR部の寸法は無視できない。また、研磨をすることにより、仕上げ面粗さは向上するが、真直度は劣化し高精度化が困難となる。
異形状溝加工も同様である。なお、穴と溝の違いは、穴では加工面の輪郭線が閉じているのに対して、溝は輪郭線が開いていると定義できる。また、穴については、底のある凹部や窪みに「穴」という字を当て、貫通しているものに「孔」という字を当てて区別する場合もあるが、本件出願書類においては、底のある凹部や窪みと貫通しているものを総称して「穴」と定義する。
ところで、難切削材料に対する切削方法、あるいは精密加工方法の1つとして、切削工具に超音波等の振動を加えながら切削を行なう切削加工方法も、従来知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかしながら、特許文献1〜4に示される振動切削加工方法は、主に被加工材の表面切削を目的とするものであって、異形状穴又は溝を形成する場合において、安定した切削を可能とする条件を開示するところはない。
特開2002−263901号公報 特開2002−301501号公報 特開2003−71683号公報 特開2004−25345号公報
従って、本発明は、例えば、3mm以下の寸法レベルの微細異形穴又は溝を、高精度に形成し得、併せて工具摩耗を軽減し、バリ発生も抑制することのできる切削加工方法並びにこれに用いられる切削加工装置及び切削工具を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、工作機械を用いて異形状の穴又は溝を形成する切削加工方法であって、該工作機械の主軸に沿った方向に超音波振動をする振動装置を付設し、該振動装置の先端に切削工具を取り付け、該工作機械の制御装置により該切削工具に送りを与え、同時に該切削工具に超音波振動を加え、該切削工具の先端を被加工物の所定の位置に当てて切り込み切削を行うことにより、該被加工物に所定の形状の穴又は溝を形成する切削加工方法において、切削抵抗を軽減するために、(a)超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角を設けた切削工具を用いること、(b)該切削工具の切り込み送りの動作を断続的な間欠動作で行うこと、(c)多面の切れ刃を有するようにすくい角を設けた切削工具を用いること、及び(d)被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面よりも細径の先端を有する切削工具を用いること、の少なくともいずれか1つのことを行うことを特徴とする切削加工方法である。
本発明の切削加工方法においては、被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面輪郭線より輪郭線がはみ出さない小さめの下穴を予め形成しておくことが望ましい。
本発明の切削加工方法の一実施形態としては、切削工具の切れ刃の描く形状が最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭線形状を有し、該切削工具に最終的に形成される所定の穴又は溝の深さ又は長さと等しいかそれを超える切削送りを1回だけ与えて加工を完了する形態を示すことができる。
また、本発明の切削加工方法の別の実施形態としては、切削工具の切れ刃の描く形状が任意の形状を有し、該切削工具の切れ刃の長さが最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭線長より短い切削工具を用い、最終的に形成される所定の形状の輪郭線長に沿って該切削工具を移動させながら該切削工具に最終的に形成される所定の穴又は溝の深さ又は長さと等しいかそれを超える切削送りを複数回反復して与えて該輪郭線全体にわたる加工を完了する形態を示すことができる。
本発明の上記した第二の実施形態においては、さらに、使用可能な切削工具のおのおのの切れ刃の描く形状を予め記憶し、最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状を入力して記憶し、該記憶された刃形状データと入力されて記憶されている現在加工を加えようとしている位置での加工形状データの断面輪郭線の線分を比較し、最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状に最も適合する切れ刃形状を選択決定し、該比較演算により選定された切削工具を自動的に工作機械の主軸に配置し、該配置された切れ刃に送りを与えて被加工物を切削し、以上の一連の切削手順を完了後、新たな加工を加える位置に被加工物を移動させ、再び上記の一連の切削手順を複数回繰り返すことにより最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状全体の加工を完了する数値制御による自動プログラミングを行なうことが望ましい。
上記課題を解決する本発明はまた、上記した切削加工方法に用いる装置であって、該装置の主軸又は主軸に取り付けたアタッチメントに、主軸に沿った方向の超音波振動を与える振動装置が付設され、また、該超音波振動をする主軸又はアタッチメントの先端に切削工具を保持する工具保持手段を有し、該工具保持手段が保持する切削工具に被加工物を切削するための切削送りを与える手段を有することを特徴とした切削加工装置である。
本発明の切削加工装置としては、さらに、使用可能な切削工具のおのおのの切れ刃の描く形状を予め記憶する工具形状記憶手段、最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状を入力して記憶する加工形状記憶手段、該工具形状記憶手段に記憶されている切れ刃形状データと該加工形状記憶手段に入力されて記憶されている現在加工を加えようとしている位置での加工形状データの断面輪郭線の線分を比較して最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状に最も適合する切れ刃形状を選択決定する比較演算手段、該比較演算手段により選定された切削工具を自動的に工作機械の主軸に配置する自動切れ刃交換手段、該配置された切れ刃に送りを与え被加工物を切削する切削送りを与える切削手段、及びこのような1回の切削手順を完了後、新たな加工を加える位置に被加工物を移動させる被加工物及び/又は主軸を移動させる加工位置移動手段、以上の手段による一連の切削加工工程を最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状全体の加工が完了するまで自動的に繰り返すプログラム制御手段を有することを特徴とする切削加工装置を示すことができる。
上記課題を解決する本発明はまた、上記した切削加工方法に用いる切削工具であって、超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角を設けたことを特徴とする切削工具である。
上記課題を解決する本発明はまた、上記した切削加工方法に用いる切削工具であって、多面の切れ刃を有するようにすくい角を設けたことを特徴とする切削工具である。
上記課題を解決する本発明はまた、上記した切削加工方法に用いる切削工具であって、被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面よりも細径の先端を有することを特徴とする切削工具である。
上記各切削工具においては、表面処理が施されていてもよい。
本発明においては、上述したように、工作機械を用いて異形状の穴又は溝を形成する切削加工するにおいて、切削工具を超音波振動させ、かつその際の切削抵抗を低減化できるものであるから、切削加工の高精度化、工具摩耗の軽減、バリ発生の抑制等を達成できるものである。
以下、本発明を好ましい実施形態に基づき、詳細に説明する。
[切削加工方法]
本発明の切削加工方法は、例えば、マシニングセンタ等の高精度工作機械を用いて、被加工物に異形状の穴又は溝を形成する切削加工方法である。
本発明に係る切削加工方法としては、1回のパスの切削によりその形状に応じた切れ刃を持つ工具で成形する方法(ワンパスマイクロスロティング法(One-pass micro slotting)と呼ぶ)であっても、あるいは、微小な直線状又は曲線状の単一切れ刃を持つ工具で、形状に対応して工具切れ刃の角度を変えながら、数回のパスの切削により成形する方法(マルチパスマイクロスロティング法(Multi-pass micro slotting)と呼ぶ)であっても良い。
対象とする異形状の穴又は溝としては、例えば、角穴又はスプライン等が含まれるが、何らこれらに限定されるものではなく、非円形の各種の穴または溝を形成することができる。なお、本発明の切削加工方法が、マルチパスマイクロスロティング法である実施形態においては、底付溝加工も可能である。
また、その大きさとしても特に限定されるものではないが、従来行われていたブローチ加工、型彫り放電加工、ワイヤ放電加工等によっては精度の高い加工が困難であった、例えば、3mm以下、特に0.5〜3mm程度の寸法レベルの微細異形穴又は溝加工に特に有利に適用できるものである。
また、切削に供される被切削材の材質としても特に限定されるものではないが、例えば、各種ステンレス鋼等の鋼材、チタンないしチタン合金、黄銅等の銅ないし銅合金、アルミニウムないしアルミニウム合金、マグネシウムないしマグネシウム合金、ニッケル基やコバルト基の超耐熱合金等の金属ないし合金、木材、プラスチックスが含まれ得る。
そして、本発明の切削加工方法においては、上記したような高精度工作機械の主軸に沿った方向に超音波振動をする振動装置を付設し、該振動装置の先端に切削工具を取り付け、該工作機械の制御装置により該切削工具に送りを与える(代表的には、当該工作機械のZ軸の数値制御により送りを与える)と同時に該切削工具に超音波振動を加え、該切削工具の先端を被加工物の所定の位置に当てて切り込み切削を行うことにより、該被加工物に所定の形状の穴又は溝を形成する。
超音波振動を加えると、超音波振動を加えない場合と比較して、切削抵抗低減化作用を引起し高精度化、工具摩耗の軽減、バリ抑制等を期待できるが、本発明においては、さらに、加工時における切削抵抗をより軽減させ、これらの効果を高めるために、(a)超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角を設けた切削工具を用いること、(b)該切削工具の切り込み送りの動作を断続的な間欠動作で行う、(c)多面の切れ刃を有するようにすくい角を設けた切削工具を用いること、及び(d)被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面よりも細径の先端を有する切削工具を用いること、の少なくともいずれか1つのことを行う。
以下、上記(a)〜(d)の点につき、より詳細に説明する。
(a)すくい角の最適化
加振しない切削加工においては、主分力は初期で最大値をとった後はやや低下してほぼ一定値となる。これに対して、本発明に係る超音波加振切削加工においては、加振したときの初期段階の主分力は超音波振動の効果により減少し、主分力の変化は加振しない場合と同様に一定値となり、また、背分力は負方向に変化した後に正方向となるような複雑な変化を示したり、さらにその後においては、安定した振動切削後、主分力、背分力とも増加して不安定になる場合がある。こうした現象は、加工により形成される穴又は溝の種類及び形状、切削される被切削材の材質によって変化しうるものであり、使用される切削工具の有するすくい角ないし逃げ角によって、ある程度の制御は可能である。なお、各分力が最後に最大になるときの値を、それぞれ終期主分力、終期背分力と呼ぶこととする。
従って、本発明に係る超音波加振切削加工においては、超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角ないし逃げ角を設けた切削工具を用いることが望ましい。
例えば、後述する実施例においては、切削工具を被削材に押込ませる過渡切削状態の実験においては、実験に供した全てのすくい角の工具(0°、1.2°、5°、10°、20°)において、加振することにより初期主分力及び背分力は、加振しない場合と比較して減少しているが、すくい角10°の工具以外は、加振したときの終期主分力が加振しない場合の終期主分力と同程度か上回っている。
また、後述する別の実施例において示すように、比較的浅い溝加工の場合には、1°〜20°の範囲のいずれのすくい角においても、加振することにより終期主分力及び背分力共に、加振しない場合と比較して減少しており、特に、すくい角の大きい工具の切削に低減効果が大きく、最大主分力に関しては、切込みの増加に対する切削抵抗の増加の割合は小さい。したがって、このような場合には、1〜20°の範囲内の角度を用いることができ、さらに、加工における真直度、仕上げ面粗さ等の特性といった観点を考慮して適当なすくい角を選択することができる。なお、すくい角の大きい工具は切込み方向に食込みすぎる場合があるので、逃げ角を小さくして食込みを防ぐことができる。このように、すくい角のみならず逃げ角についても、最適工具形状選定の際には考慮する必要がある。
(b)間欠動作
超音波振動切削は、本来、切削抵抗をゼロを中心として加振させることにより、工具寿命や仕上げ面粗さの向上の効果を引出すことができる。しかし、切削抵抗が極めて大きい場合には、切削抵抗をゼロを中心として加振させることは困難である。この場合、切削工具の間欠送りを適用することが、有効な方法の1つである。
間欠送りを行なうことによって、切りくずを細断することと、それによって引起される工具すくい面上の切りくずを少なくし、超音波振動での加振により切削抵抗をゼロを中心とした変動に近づけることが期待できる。特に、後述する実施例において示すように、すくい角を設けた切削工具を用いた場合に、間欠送りを行うことによって、良好な切削抵抗低減効果が得られる。
なお、間欠送りの具体的な手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、0.1mm切削して、0.1mm戻す加工を繰返し行うといった手法が採られ得る。削りやすい被切削材によっては、切削長さを大きくしたほうが加工能率の向上が見込める。
(c)多面の切れ刃
上記したように、工具に適切なすくい角を付けると超音波振動切削が安定して持続できる。ただ、例えば、四角の穴をあける工具のそれぞれ4辺の切れ刃に、例えば10°以上といった大きなすくい角を付すことは困難である。
しかしながら、このような場合、小さなすくい角であっても、2ないしそれ以上の多面、より好ましくは、4面以上の多面にすくい角を付すことにより、切削抵抗低減の効果が得られる。なお、このように多面にすくい角を付す場合における、すくい角としては、特に限定されるわけではないが、例えば、4面の工具で1〜5°程度の角度とされる。このような角度であれば、多面の切れ刃に対しても比較的容易にすくい角を設けることができ、かつ良好な切削抵抗低減の効果が期待できるためである。
(d)細径の先端を有する切削工具
小さな寸法の工具を使用すれば、切削面積を減らし切削抵抗を低減できることが期待できるが、加振しない場合は、引抜き時の負の方向の被削材を持上げる力も大きい。これに対し、加振を加えた場合、主分力は、加振しない場合と比較して著しく低減する。その理由は、細くなった工具の切れ刃部分の超音波振動による縦振動以外の振動モードが重畳し、切削抵抗低減の効果をもたらしているものと考えられる。細径の程度としては、例えば、最終的に形成される所定の穴又は溝の断面の約20%以下とすることができるが、この値に特に限定されるものではなく、切削速度、切込み、逃げ角などの工具形状等、その他の切削条件も考慮して最適な値を選択する。一方、工具の寸法が大きくなると、縦振動に別の振動モードが重畳しない可能性があるので、工具寸法の大きさはこの点を考慮して選択することが望ましい。なお、後述する実施例5では、使用した六角工具の対辺の長さは0.49mmであり、この程度の大きさであれば問題ない。
本発明に係る切削加工方法においては、超音波振動切削により異形状の穴又は溝を形成するにおいて、上述するような(a)〜(d)の少なくとも1つのことを行うことにより、切削抵抗を低減化するものであるが、本発明の好ましい一実施形態においては、さらに、被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面輪郭線より輪郭線がはみ出さない小さめの下穴を予め形成しておくことが望ましい。下穴を予め形成しておくと、切削部分は、所定の穴又は溝の断面輪郭線内部より下穴の空間部分の除いた部分だけとなり切削部分の面積が減少するため切削工具にかかる負荷を軽減することができ、また、切削切り屑の排出空間を予め用意することができるために、さらに切削抵抗を低減化できるためである。
また、本発明に係る切削加工方法において、穴又は溝加工面の真直度を向上させ、高い精度加工をするためには、前記したような観点に加え、さらに、工具幅及び切削速度、切込み、工具形状等の切削条件を最適なものに選定することが望ましい。
[切削加工装置]
本発明に係る切削加工装置は、上記したような切削加工方法に用いる装置であって、該装置の主軸又は主軸に取り付けたアタッチメントに、主軸に沿った方向の超音波振動を与える振動装置が付設され、また、該超音波振動をする主軸又はアタッチメントの先端に切削工具を保持する工具保持手段を有し、該工具保持手段が保持する切削工具に被加工物を切削するための切削送りを与える手段を有することを特徴とするものである。
使用される切削加工装置としては、NC(数値制御)ボール盤のようないわゆる単能NC工作機械を使用することも可能であるが、マシニングセンタ等のように、工具の自動交換機能を備えた数値制御(NC)工作機械で、一連の作業を、一度の工作物取り付けで、完全にあるいはほぼ完全に自動的に行うことのできるもの、すなわち、複合加工と省力化の機能を備えたNC工作機械を用いることが望ましい。
そして、このような工作機械は、使用可能な切削工具のおのおのの切れ刃の描く形状を予め記憶する工具形状記憶手段、最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状を入力して記憶する加工形状記憶手段、該工具形状記憶手段に記憶されている切れ刃形状データと該加工形状記憶手段に入力されて記憶されている現在加工を加えようとしている位置での加工形状データの断面輪郭線の線分を比較して最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状に最も適合する切れ刃形状を選択決定する比較演算手段、該比較演算手段により選定された切削工具を自動的に工作機械の主軸に配置する自動切れ刃交換手段、該配置された切れ刃に送りを与え被加工物を切削する切削送りを与える切削手段、及びこのような1回の切削手順を完了後、新たな加工を加える位置に被加工物を移動させる被加工物及び/又は主軸を移動させる加工位置移動手段、以上の手段による一連の切削加工工程を最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状全体の加工が完了するまで自動的に繰り返すプログラム制御手段を備え、所期のプログラムを実行させることによって、切削加工が実施されることが望ましい。
なお、このようなプログラムは、例えば、一般的なマシニングセンタにおいて行われるように、部品図(加工箇所の決定)→工程図(加工工程の決定 a)素材の機械への取り付け方法及び治具の決定、b)加工手順の決定:工程の分類、工具の出発点、工具通路等、c)加工条件の決定:主軸回転数、送り速度等)→プロセスシート作成(プログラムの作成)→データ入力(メモリーへ直接データ入力または、テープパンチャーによりNCテープの作成及び、テープリーダによりデータのローディング)→試運転・試切削(プログラムの誤りをチェックし、試切削を行う)→データ編集(試切削により判明した誤りの箇所や切削条件等の修正を行う)→量産加工といったプログラム加工の流れに従って、適宜決定される。
また、このような加工装置の主軸又は主軸に取り付けたアタッチメントに取り付けられる振動装置としては、圧電素子を用いて圧電効果により超音波振動を発生させるもの、あるいは磁歪素子又は超磁歪素子を用いて磁気歪効果により超音波振動を発生させるもの等が用いられ得、少なくとも20kHz以上、例えば、20kHz〜60kHzの超音波を発生できるものであること望ましい。
また、このような切削加工装置への切削工具の取り付けは、上記したように、超音波振動をする主軸又はアタッチメントの先端に設けられた工具保持手段にて行われるが、前記振動装置が、切削加工するのに十分な大きさの振幅を発生し得るものである場合には、主軸またはアタッチメントの先端にこの工具保持手段を設けることができるが、振動子が発生する振動が微細なものである場合には、切削加工するために十分な振幅まで共振させるように拡大ホーンを介して接合させることもできる。
[切削工具]
上記したような本発明に切削加工方法ないし切削加工装置において用いられる、本発明に係る切削工具としては、超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角を設けた切削工具を挙げることができる。設けるすくい角の角度としては、前述したとおりである。
また、多面の切れ刃を有するようにすくい角を設けた切削工具も挙げることができる。すくい角を設ける面数、すくい角の角度としては前述したとおりである。
さらに、マルチパスマイクロスロティング法に用いられるものとして、被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面よりも細径の先端を有する切削工具を挙げることができる。細径の程度としては、前述したとおりである。
このような切削工具の材質としては、被切削材の種類等によっても左右されるため一概には規定できないが、例えば、タングステン、コバルト、チタン、タンタル等を基材にした超硬チップ及びこれらにPVDでコーティングしたチップ等が用いられるが、何らこれらに限定されるものではない。
また、切削工具には、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングや、TiN、TiAlN、TiCN等のコーティング処理を挙げることができる。好ましい表面処理としては、DLCコーティングである。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。
(実施例1)
工具のすくい角が切削性に及ぼす影響について調べた。
切削工具を被削材に押込むときの過渡切削状態は、工具の進行に伴う刃先の軌跡を決定し、その結果、加工面の輪郭が形成されることから、加工精度上は真直度に関係する。また、超音波振動を持続した状態での重切削の可否に影響を及ぼすと考えられる。本実施例では、被削材をA5056として押込み試験を行った。試験条件を表1に示す。押込み速度10mm/min、押込み深さ0.5mmで一定とし、工具すくい角を0〜20°と変化させた。また、工具は0.5mm押込んでドエルは与えず引き戻した。なお、切削工具に加えた超音波振動の周波数は20kHz、振幅は13μmとした。
Figure 2007253314
図1に工具すくい角5°のときの超音波振動加振の有無による主分力、背分力の変化を示す。加振しないときは、主分力は初期で最大値をとった後はほぼ一定値となった。これに対して、加振したときの初期段階の主分力は、超音波振動の効果により減少し、主分力の変化は加振しない場合と同様に一定値になった。背分力は負方向に変化した後、正方向となる複雑な変化を示した。その後、安定した振動切削後、主分力、背分力とも増加して不安定になった。各分力が最後に最大になるときの値を、それぞれ終期主分力、終期背分力と呼ぶ。
図2は、超音波振動の加振の有無による、工具すくい角に対する初期主分力、初期背分力の変化である。すくい角0°の工具での初期背分力を除いて、加振することにより初期主分力および背分力は減少し、また、初期背分力はすくい角5°〜20°で負であった。
図1に示すように、主分力の切削開始から最大値となるまでの時間変化を主分力増加速度と定義すると、その主分力増加速度は工具が押込まれ切削をするときの主分力の単位時間当たりの増加量を表し、押込み速度を一定とすると、主分力増加速度が小さい値のとき、工具に作用する切削抵抗が少なくなることを示している。そのため、このような押込み形の切削では、小さな主分力増加速度の工具がより深くまで切削できて、重切削にも耐えられることがわかる。
図3は、超音波振動の加振の有無、並びに工具すくい角に対する主分力増加速度を示す。図3より、超音波振動により加振することにより、いずれのすくい角の工具でも主分力増加速度が減少して、超音波振動の効果が認められる。すくい角を大きくすることにより、すくい角10°までは超音波振動の加振にかかわらず、主分力増加速度は低下するが、すくい角10°を超えると逆に上昇する。なお、すくい角10°の工具が最も小さい値を示し、重切削にも耐えうることを示している。
主分力増加速度が低下する原因は、初期背分力の変化、すなわち、工具刃先の挙動にあると考えられる。すくい角5°〜20°では初期背分力は負であるが、これは、工具が切削方向と直角な切り込み方向に食込んでいくことを示している。工具の食込みが、主分力の増加を抑制しているものと考えられる。なお、被削材によって、これら切削抵抗の変化は異なってくると考えられ、最適な工具すくい角も変わると推測する。
(実施例2)
次に溝加工した場合の、工具のすくい角が切削性に及ぼす影響について調べた。
板厚5mmのSUS304に切削幅2.5mmの溝加工を行った。なお、切削工具に加えた超音波振動の周波数は20kHz、振幅は13μmとした。また、間欠送りは0.1mm切削して0.1mm戻す加工を繰返した。
図4は、(a)の切削開始の初期に発生する最大主分力と(b)の時間的にその後に発生する最大背分力を示す。すくい角を異にする3種類の工具に対して、超音波振動での加振の有無、並びにすくい角20°の工具に対する加振時に間欠移動した場合を示している。図4に示す結果に示されるように、すくい角の大きい工具の切削に、超音波振動加振による切削抵抗低減効果が大きく見られ、最大主分力に関しては、切込みの増加に対する切削抵抗の増加の割合は小さいものであった。なお、間欠移動は若干の効果がある。
図5(a)は同条件での真直度を、(b)は仕上げ面粗さを示す。真直度に関しては、いずれの条件でも超音波振動の効果は認められるが、すくい角20°の工具での条件が最も効果的である。さらに、間欠移動をさせることにより効果的になり、30μm切込みで真直度2μmと高精度である。仕上げ面粗さに関しては、すくい角1.2°の工具での切削で最も効果が表れているが、すくい角5°や20°の工具では若干の効果が出ている程度である。間欠移動の効果は、超音波振動を加振しない程度にまで劣化している。超音波振動切削による仕上げ面粗さ向上の効果は、図6の仕上げ面の断面曲線が示すように、びびり振動が超音波振動で加振するとなくなるためであると考えられる。なお、面粗さは、表面粗さ測定機を用い、JIS B 0601:2001に基づいた方法で測定し、得られた最大高さの値を面粗さRzとして表した。
(実施例3)
次に、多面のすくい角を設けた工具の微細異形状穴の切削性に及ぼす影響について調べた。
上記したように、溝加工では、工具に適切なすくい角を付けると超音波振動切削が安定して持続できる。しかし、四角の穴をあける工具のそれぞれ4辺の切れ刃に例えば10°といった大きなすくい角を付すことは困難である。
この実施例においては、簡易に研磨でき、小さなすくい角であっても、すくい角を付すことによる切削抵抗低減の効果について検討する。
図7に示すような4mm角の3種類の工具を用いた。すくい角のない工具、すくい面にV溝を付した2面すくい工具、並びに4枚刃エンドミルの底部ように研磨した4面すくい工具である。工具の被削材への接触は、すくいなし工具がすくい面全体、2面すくい工具がすくいの付いている外側の2切れ刃、4面すくい工具はすくいの付いている内側の4切れ刃となる。なお、2面すくい工具の両すくい角を10°、4面すくい工具を5°とした。被削材はA5056とし、直径4.7mmの下穴をドリルであけた。下穴を開けたことにより、工具による切削はコーナ部分だけとなり、切削面積は1.3mmである。また、切削速度は10mm/minとした。
実験は、超音波が停止した時点で終了した。図8に3種類の工具の主分力の出力結果を示す。
図8に示すように、すくいなし工具では加工深さ0.6mmで超音波が停止し、2面すくい工具では2.4mmで停止したが、4面すくい工具では5mmの加工深さの間に超音波の停止はなかった。切削している工具コーナ部にすくい面のついている4面すくい工具は、最も切削性能が良好であった。
(実施例4)
次に、微細異形状穴の切削性に及ぼす間欠送りの影響について調べた。
被削材をA2011とし、4.0mm角の工具により下穴Φ4.0mmで、切削速度10mm/minとし、間欠送りは0.1mm切削して0.1mm戻す加工を繰返した。なお、切削工具に加えた超音波振動の周波数は20kHz、振幅は13μmとした。
切削抵抗は自動平衡式記録計LR4110とデータロガーGL500で同時に測定し、最大主分力と変動値を求めた。
図9に3種類の工具を使用して、超音波振動切削時に連続及び間欠移動を与えた場合の最大主分力と主分力の変動値を示す。最大主分力に関して、すくいなし工具では間欠移動の方が最大主分力、変動値ともに大きくなるが、すくい角の付いた2種類の工具では間欠移動の方が最大主分力は小さくなる。逆に、間欠送りでは変動値は大きいか同程度である。すくいの付いた工具では約8%の間欠切削の切削抵抗低減効果が認められる。
なお、変動値に対する最大主分力の比は、すくいなし工具の間欠移動と2面すくい工具の連続移動を除いて、約0.27であった。発信器の制御により13μmの一定変位量で振動していると考えると、すくいの付いた工具の方が振動するための抵抗が少なく、所定の振幅を確保しやすいことを示している。
(実施例5)
微細工具による切削抵抗低減効果について調べた。
対辺の長さ0.49mmの六角形工具を試作し、下穴として直径0.5mmの穴をドリルであけて超音波振動切削を行った。被削材を純チタンとし、切削速度を表面から0.5mmまでが1mm/minとし、深さ0.5〜5.0mmで10mm/minとした。なお、切削工具に加えた超音波振動の周波数は20kHz、振幅は13μmとした。
図10は、超音波振動切削をした場合と加振しない場合の入口及び出口部分と主分力の変化を示す。超音波振動切削では、入口部分の対辺の長さが拡大されるのに対して、出口部分ではほぼ工具の寸法と同等である。これに対して、加振しない場合は、入口部分は六角工具のコーナで切削するだけであるが、出口部分は超音波振動切削とは逆に穴が拡大されている。
主分力は、超音波振動により著しく低減し、加振しない場合の10Nに対して1Nとなっている。加振しない場合は、引抜き時の負の方向の被削材を持上げる力も大きい。細くなった工具の切れ刃部分の超音波振動による縦振動以外の振れが発生し、これが切削抵抗の低減に影響しているものと考えられる。工具先端の切れ刃部分の振動を制御できれば、大きな切削抵抗低減効果を期待できることから、微細工具での加工に有効であることが示された。なお、黄銅に対しても同様の実験を行ったが、傾向は同じであった。
(実施例6)
工具形状、切削条件が貫通溝切削性に及ぼす影響について調べた。
4種類のすくい角0°、3°、5°、10°の工具を用意し、被削材をSUS304とし、切削速度を200mm/minとし、切削回数を10回として、マルチパスマイクロスロティング法にて切り込みを行った。なお、切削工具に加えた超音波振動の周波数は20kHz、振幅は13μmとした。
図11は、4種類のすくい角の工具での切込みに対する真直度の変化を示す。工具のすくい角0°、5°、10°、3°の順に真直度が良くなっている。すくい角3°の工具で切込み20μmの場合は、真直度3μmと極めて高精度である。すくい角10°と3°での切削では、切込み20μmの場合が最も精度が良い。実施例1で述べたように、工具押込み時の食込みが同条件の角度で少ないこと、数回の切削を行うためSUS304の加工硬化が影響しているものと考えられる。
図12は、同一の工具を使用したときの切込みに対する切残し量の変化示す。切残し量の少ない順は真直度の良い順と同じで、工具のすくい角0°、5°、10°、3°の順に良くなっている。すくい角3°の工具で切込み20μmの場合は、切残し量4μmである。真直度と切残し量の関係からは、すくい角3°の工具が最も良い結果を示した。
図13は、結果の良かった工具のすくい角10°と3°を使用して、切削速度を変化させた場合の真直度及び切残し量の結果を示す。切削速度200mm/minが最も良い結果である。SUS304の場合、低速で加工すると加工効果が大きくなるので、切削速度を増加させたいが、増加させることにより真直度、切残し量ともに劣化する。
(実施例7)
マルチパスマイクロスロティング法による超音波振動加振切削にて、底付溝加工が可能かどうかを調べた。
すくい角3°の工具を用意し、被削材をSUS304とし、切削速度を溝部200mm/min、底部10mm/minとし、切込み20μmで切削回数を40回として、マルチパスマイクロスロティング法にて切り込みを行った。なお、切削工具に加えた超音波振動の周波数は20kHz、振幅は13μmとした。
図14は底付加工における溝面、底面、側面の状態である。側面は20μmの切込みを与えている関係で若干悪いが、比較的面の状態は良いと考える。なお、溝面の真直度は17μmであった。この結果から、マルチパスマイクロスロティング法による超音波振動加振切削にて、底付溝加工が可能であることが示された。
工具すくい角5°のときの切削抵抗の変化を示すグラフであり、(a)は加振なし切削の場合、(b)は超音波振動加振切削の場合である。 超音波振動の有無による工具すくい角に対する主分力、背分力の変化を示すグラフである。 超音波振動の加振の有無、並びに工具すくい角に対する主分力増加速度を示すグラフである。 超音波振動及び間欠移動が切削抵抗の低減に及ぼす影響を示すグラフであり、(a)は最大主分力、(b)は最大背分力をそれぞれ示す。 超音波振動及び間欠移動が真直度、仕上げ面粗さの向上に及ぼす影響を示すグラフであり、(a)は真直度、(b)は仕上げ面粗さをそれぞれ示す。 超音波振動の加振による仕上げ面の断面曲線の変化を示すグラフであり、(a)は超音波振動加振切削の場合、(b)は加振なし切削の場合である。 実施例において用いたすくい面を変えた3種類の工具を示す写真であり、(a)はすくいなし工具、(b)は2面すくい工具、(c)は4面すくい工具をそれぞれ示す。 図7に示す3種類の工具を用いて切削を行った場合の主分力の変化を示すグラフであり、(a)はすくいなし工具、(b)は2面すくい工具、(c)は4面すくい工具の場合をそれぞれ示す。 図7に示す3種類の工具を用いて切削を行った場合における、3種類の工具による最大主分力と変動値の変化を示すグラフである。 微細工具を用いて超音波振動加振切削をした場合と加振しない場合の、切削穴の(a)入口、(b)出口部分の様子を示す写真と(c)主分力の変化を示すグラフである。 すくい角を変えた工具での切込みに対する真直度の変化を示すグラフである。 すくい角を変えた工具での切込みに対する切残し量の変化を示すグラフである。 すくい角10°、3°の工具での切り込みにおいて、切削速度を変化させた場合の真直度、切残し量の変化を示すグラフである。 底付加工における溝面、底面、側面の状態を示す写真である。

Claims (11)

  1. 工作機械を用いて異形状の穴又は溝を形成する切削加工方法であって、該工作機械の主軸に沿った方向に超音波振動をする振動装置を付設し、該振動装置の先端に切削工具を取り付け、該工作機械の制御装置により該切削工具に送りを与え、同時に該切削工具に超音波振動を加え、該切削工具の先端を被加工物の所定の位置に当てて切り込み切削を行うことにより、該被加工物に所定の形状の穴又は溝を形成する切削加工方法において、
    切削抵抗を軽減するために、(a)超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角を設けた切削工具を用いること、(b)該切削工具の切り込み送りの動作を断続的な間欠動作で行うこと、(c)多面の切れ刃を有するようにすくい角を設けた切削工具を用いること、及び(d)被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面よりも細径の先端を有する切削工具を用いること、の少なくともいずれか1つのことを行うことを特徴とする切削加工方法。
  2. 被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面輪郭線より輪郭線がはみ出さない小さめの下穴を予め形成しておくことを特徴とする請求項1に記載の切削加工方法。
  3. 切削工具の切れ刃の描く形状が最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭線形状を有し、該切削工具に最終的に形成される所定の穴又は溝の深さ又は長さと等しいかそれを超える切削送りを1回だけ与えて加工を完了することを特徴とする請求項1または2に記載の切削加工方法。
  4. 切削工具の切れ刃の描く形状が任意の形状を有し、該切削工具の切れ刃の長さが最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭線長より短い切削工具を用い、最終的に形成される所定の形状の輪郭線長に沿って該切削工具を移動させながら該切削工具に最終的に形成される所定の穴又は溝の深さ又は長さと等しいかそれを超える切削送りを複数回反復して与えて該輪郭線全体にわたる加工を完了することを特徴とする請求項1または2に記載の切削加工方法。
  5. 使用可能な切削工具のおのおのの切れ刃の描く形状を予め記憶し、最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状を入力して記憶し、該記憶された刃形状データと入力されて記憶されている現在加工を加えようとしている位置での加工形状データの断面輪郭線の線分を比較し、最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状に最も適合する切れ刃形状を選択決定し、該比較演算により選定された切削工具を自動的に工作機械の主軸に配置し、該配置された切れ刃に送りを与えて被加工物を切削し、以上の一連の切削手順を完了後、新たな加工を加える位置に被加工物を移動させ、再び上記の一連の切削手順を複数回繰り返すことにより最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状全体の加工を完了する数値制御による自動プログラミングを行なうことを特徴とする請求項4に記載の切削加工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の切削加工方法に用いる装置であって、該装置の主軸又は主軸に取り付けたアタッチメントに、主軸に沿った方向の超音波振動を与える振動装置が付設され、また、該超音波振動をする主軸又はアタッチメントの先端に切削工具を保持する工具保持手段を有し、該工具保持手段が保持する切削工具に被加工物を切削するための切削送りを与える手段を有することを特徴とした切削加工装置。
  7. 使用可能な切削工具のおのおのの切れ刃の描く形状を予め記憶する工具形状記憶手段、最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状を入力して記憶する加工形状記憶手段、該工具形状記憶手段に記憶されている切れ刃形状データと該加工形状記憶手段に入力されて記憶されている現在加工を加えようとしている位置での加工形状データの断面輪郭線の線分を比較して最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状に最も適合する切れ刃形状を選択決定する比較演算手段、該比較演算手段により選定された切削工具を自動的に工作機械の主軸に配置する自動切れ刃交換手段、該配置された切れ刃に送りを与え被加工物を切削する切削送りを与える切削手段、及びこのような1回の切削手順を完了後、新たな加工を加える位置に被加工物を移動させる被加工物及び/又は主軸を移動させる加工位置移動手段、以上の手段による一連の切削加工工程を最終的に形成される穴又は溝の断面輪郭形状全体の加工が完了するまで自動的に繰り返すプログラム制御手段を有することを特徴とする、請求項6に記載の切削加工装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の切削加工方法に用いる切削工具であって、超音波振動加振を行わない場合と比較して、切削における初期及び終期の主分力、並びに初期及び終期の背分力がいずれも小さくなる、すくい角を設けたことを特徴とする切削工具。
  9. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の切削加工方法に用いる切削工具であって、多面の切れ刃を有するようにすくい角を設けたことを特徴とする切削工具。
  10. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の切削加工方法に用いる切削工具であって、被加工物に最終的に形成される所定の穴又は溝の断面よりも細径の先端を有することを特徴とする切削工具。
  11. 前記切削工具には表面処理が施されていることを特徴とする請求項8〜10の何れかに記載の切削工具。
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