実施の形態1.
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機やパチロット機(遊技球を用いて遊技が行われるスロット機を意味し、パロット機、スリットスロット機などとも呼ばれる)などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近の左右には、それぞれが識別情報としての所定の図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示領域を含む2つの可変表示装置(可変表示部)9a,9b(第1可変表示装置および第2可変表示装置)が設けられている。可変表示装置9a,9bには、それぞれ、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示領域(図柄表示エリア)がある。以下、可変表示装置9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、可変表示装置9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄という。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。
可変表示装置9a,9bの上部には、それぞれ、識別情報としての特別図柄を可変表示する可変表示部を含む2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)が設けられている。第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、それぞれ、例えば、1つの7セグメント表示器によって構成される。なお、可変表示装置9aは、第1特別図柄表示器8aに対応して設けられ、可変表示装置9bは、第2特別図柄表示器8bに対応して設けられている。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとは、それぞれ、7セグメント表示器によって構成され、セグメント表示を行う。特別図柄の可変表示は、7セグメント表示器において「0」〜「9」、「−」を順番に変更して表示されることによって行われる。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて、可変表示が終了したときの停止図柄が「0」〜「9」のときは大当りを意味し、「−」のときははずれを意味する。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示の表示結果が大当りとなる確率は、例えば2/630(=1/315)で同一確率である。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄という。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
可変表示装置9aの下方には、始動入賞口13aが設けられている。始動入賞口13aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
また、可変表示装置9bの下方には、始動入賞口13bが設けられている。そして、始動入賞口13bの下部には、開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされたり閉状態とされたりする。始動入賞口13bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14bによって検出される。
上記のように、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器のそれぞれに対応してそれぞれの始動入賞口13a,13bが設けられている。そして、一方の始動入賞口13bの下部にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、両方の始動入賞口13a,13bの下部のいずれにおいても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられていてもよい。また、いずれの始動入賞口13a,13bの下部にも可変入賞球装置が設けられない構成にしてもよい。また、この実施の形態では、2つの始動入賞口13a,13bが設けられているが、1つの始動入賞口のみが設けられ、入賞した遊技球を2つの始動口スイッチ14a,14bのいずれかで検出するように構成してもよい。
また、2つの始動入賞口13a,13bのそれぞれに入賞した遊技球を1つの始動口スイッチで検出するように構成してもよい。さらに、1つの始動入賞口と1つの始動口スイッチとが設けられた構成にしてもよい。1つの始動口スイッチのみが設けられている場合には、始動口スイッチで検出された入賞を、第1特別図柄表示器8aに対応する入賞にするのか、第2特別図柄表示器8bに対応する入賞にするかを、乱数などによる抽選によって決定すればよい。
可変表示装置9aと第1特別図柄表示器8aとの間には、始動入賞口13aに遊技球が入った有効入賞球数すなわち第1始動入賞記憶数を表示する4つのLEDから成る第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、始動入賞口13aに有効始動入賞(可変表示の実行条件を成立させる始動入賞)がある毎に、点灯状態になるLEDの数を1増やす。そして、第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1特別図柄表示器8aで可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。また、可変表示装置9bと第2特別図柄表示器8bとの間には、始動入賞口13bに遊技球が入った有効入賞球数すなわち第2始動入賞記憶数を表示する4つのLEDから成る第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、始動入賞口13bに有効始動入賞がある毎に、点灯状態になるLEDの数を1増やす。そして、第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2特別図柄表示器8bで可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。
なお、この例では、始動入賞口13a,13bそれぞれへの入賞による始動入賞記憶数に上限数(それぞれ4個まで)が設けられているが、上限数が設定されていなくてもよい。
また、この例では、第1特別図柄保留記憶表示器18aと第2特別図柄保留記憶表示器18bとが別個に設けられているが、第1始動入賞記憶数と第2始動入賞記憶数との和を表示する1つの特別図柄保留記憶表示器が設けられていてもよい。その場合、第1始動入賞記憶に対応する表示の色と第2始動入賞記憶に対応する表示の色とを変えて、遊技者が、第1始動入賞記憶数と第2始動入賞記憶数とを把握しやすいようにしてもよい。
始動入賞口13aおよび可変入賞球装置15の下部には、それぞれ、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21a,21bによって開状態とされる開閉板20a,20bが設けられている。開閉板20a,20bは、それぞれ、大入賞口(可変入賞球装置)を開閉する手段である。開閉板20aへの入賞球はカウントスイッチ23aで検出される。同様に、開閉板20bへの入賞球はカウントスイッチ23bで検出される。
この実施の形態では、同一形状の大入賞口が第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bのそれぞれに対応して2個設けられているが、大入賞口は1個であってもよい。また、異なる形状の大入賞口が2個設けられていてもよい。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプ(○のランプ)が点灯すれば当たりとなり、右側のランプ(×のランプ)が点灯すればはずれとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄:○)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13とされる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bと、普通図柄保留記憶表示器41とがLEDによって構成されている。また、普通図柄表示器10がランプによって構成され、2つの可変表示装置9a,9bがLCDによって構成されている。
遊技領域7の左右周辺には、ランプの点灯や点滅などによって演出を行うための装飾ランプ25が設けられている。遊技領域7の下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。また、パチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
遊技者によって打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
打球が始動入賞口13aに入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、第1特別図柄表示器8aにおいて特別図柄(第1特別図柄)が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9aにおいて飾り図柄(第1飾り図柄)が可変表示を始める。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9aにおいて大当りを想起させるような飾り図柄が停止表示される。
図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1始動入賞記憶数が上限値になっていないことを条件に、第1特別図柄表示器8aでの特別図柄(第1特別図柄)の可変表示の保留記憶である第1始動入賞記憶数を1増やす。
また、打球が始動入賞口13bに入り始動口スイッチ14bで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄(第2特別図柄)が可変表示を始めるとともに、可変表示装置9bにおいて飾り図柄(第2飾り図柄)が可変表示を始める。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9bにおいて大当りを想起させるような飾り図柄が停止表示される。
図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2始動入賞記憶数が上限値になっていないことを条件に、第2特別図柄表示器8bでの特別図柄(第2特別図柄)の可変表示の保留記憶である第1始動入賞記憶数を1増やす。
また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示は、それぞれ、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、対応する開閉板20a,20bが、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、最終ラウンド以外では継続権が発生し、開閉板20a,20bの開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
なお、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権(次ラウンドに進む権利)が発生するが、大入賞口内にV入賞領域を設け、V入賞領域に遊技球が入賞したことを条件に継続権を発生させるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bのいずれかにおける停止時の特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態(特定有利状態:識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果にする確率を通常状態であるときおよび特別有利状態であるときに比べて向上させた状態)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。確変状態では、例えば、次に大当りとなる確率が、確変状態でない通常状態であるときは約2/630(1/315)とされているのに対し、約10/630(1/63:通常状態の5倍程度)に高められる。
この実施の形態では、大当りとなったときに、確変大当りである確率(確変突入率)は1/2とされる。また、確変状態は、所定の確変終了条件が成立するまで(例えば例えば次に大当りが発生したときまで)継続する。
なお、大当りとなったときに常に確変大当りとなるようにしてもよい(すなわち、非確変大当りが存在しない)。また、確変状態は、次に大当りが発生するまで、あるいは、所定回数の特別図柄の可変表示が行われるまで継続するようにしてもよい。さらに、特別図柄の可変表示を実行する毎に例えば乱数を用いた抽選を行い、その抽選結果に応じて確変状態を終了するようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bのいずれかにおける停止時の特別図柄が時短を伴う大当り図柄(時短図柄)である場合にも、次に大当りとなる確率が高められた状態になる。すなわち、時短状態(特別有利状態:特定遊技状態と異なる通常状態であるときに比べて所定回数の識別情報の可変表示の可変表示期間を短縮する状態)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。時短状態では、例えば、時短状態でない通常状態である場合に比べて、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数が高められるとともに、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮された状態になる。従って、時短状態では、通常状態と比較して、単位時間あたりに特別図柄の変動表示が実行される回数が高められた状態となり、結果として、単位時間あたりに大当りが発生する確率が高められた状態になる。なお、単位時間あたりに始動入賞が発生する回数を高めるために、時短状態において、例えば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態に比べて高められるようにしたり、普通図柄表示器10における変動時間が短縮されるようにしてもよい。
時短図柄となったことにもとづく大当り遊技状態が終了したあとは、この実施の形態では、所定の時短終了条件が成立するまで(例えば所定回数(例えば100回)の特別図柄の可変表示が行われるまで)、時短状態が継続する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側には、外枠2A内の機構板の上部に球貯留タンク38が設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が球貯留タンク38に供給される。球貯留タンク38内の遊技球は、誘導樋39を通って賞球ケース40Aで覆われる球払出装置97(図2では図示せず)に至る。
また、遊技機裏面側には、可変表示装置9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータ100(図5参照)等が搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、および遊技制御用マイクロコンピュータ560(図4参照)等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。さらに、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。
可変表示装置9a,9bの可変表示制御を行う表示制御手段は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100やVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109(図5参照)などで実現される。また、遊技機には、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cなどを駆動する回路が搭載されているランプドライバ基板35と、スピーカ27を駆動する回路が搭載されている音声出力基板70とが設置されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910やその他の基板(図示せず)が設けられている。
なお、電気部品制御基板(払出制御基板、演出制御基板)には、それぞれ、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段(払出制御手段、演出制御手段)が搭載されている。払出制御手段および演出制御手段は、遊技制御手段からの指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9a,9b等)を制御する。また、枠側に設けられているランプやLEDなどの発光体およびスピーカ27等の電気部品は、演出制御手段からの制御信号に従って、ランプドライバ基板35および音声出力基板70に搭載されている回路部品によって駆動される。さらに、遊技機には、スイッチを搭載した基板やランプやLEDなどの発光体(以下。ランプ・LEDともいう。)が搭載された基板がある。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備え、払出制御基板37と接続されたターミナル基板160が設置されている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子盤(情報出力基板)34が設置されている。このターミナル基板160は遊技機外部の管理コンピュータ等と接続され遊技機に関わるデータ収集に用いられる。
球貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導樋39を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチは遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチも誘導樋39における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。この球切れ検出スイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行われる。
次に、電源基板910の構成を図3のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)が、過電圧保護回路としてのバリスタ918を介して、整流回路912に印加される状態になる。すなわち、遊技機に電力供給がなされる状態になる。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31および払出制御基板37等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図3では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図3に示すように、AC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。従って、コネクタ922A,922Bには、VBBも供給されている。そして、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80および音声出力基板70には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。また、コネクタ922CにはVBBは供給されない。よって、演出制御基板80に搭載されているRAMは電源バックアップされない。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリアスイッチ信号が出力され、コネクタ922Bを介して払出制御基板37に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、例えば払出制御基板37などの電源基板910以外の基板やその他の場所に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、それぞれの電気部品制御基板に搭載されている各マイクロコンピュータに対するシステムリセット信号(リセットレベルではマイクロコンピュータの動作を禁止し、非リセットレベルになるとマイクロコンピュータの動作を可能にする信号)を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370に対するシステムリセット信号は主基板31と払出制御基板37に直接伝達されるが、演出制御用マイクロコンピュータ100に対するシステムリセット信号はランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。しかし、電源基板910から、演出制御基板80に直接伝達されるようにしてもよい。
電源監視回路920は電源断信号を出力する電源監視手段とシステムリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路であるが、電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(例えば+24V)が所定値(例えば+17V)以下になった期間が、あらかじめ決められている時間(例えば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。また、電源監視回路920は、例えば、VCCが+4.5V以下になると、システムリセット信号をローレベルにすることが可能な状態になる。
電源監視回路920は、遊技機に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したときに、システムリセット信号をローレベルにすることになる。また、遊技機に対する電力供給が開始され、VCCが例えば+4.5Vを越えるとシステムリセット信号をハイレベルにするのであるが、その場合に、電源断信号が出力されなくなってから(ハイレベルにしてから)所定期間が経過したことを条件にシステムリセット信号をハイレベルにする。
電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板37において、入力ポートを介して払出制御用CPUに入力される。従って、払出制御用CPUは、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視手段が所定電位の電源の出力を監視し、外部から遊技機に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、遊技機の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。例えば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。
図4は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、およびカウントスイッチ23a,23bからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および開閉板20a,20bを開閉するソレノイド21a,21bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う始動口スイッチ14a,14b、カウントスイッチ23a,23bの各スイッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲートスイッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56、およびI/Oポート部57を含む。CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のうち、プログラムに従って動作する中央処理装置(ROM54やRAM55などの記憶手段、I/Oポート部57などを除いた部分)を意味する。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。また、I/Oポート部57は、1チップマイクロコンピュータに内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)またはCPU56が実行するということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータとを未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータ等のリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560や払出制御用マイクロコンピュータ等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560や払出制御用マイクロコンピュータ等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560や払出制御用マイクロコンピュータ等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560や払出制御用マイクロコンピュータ等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうちの一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
図5は、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図5に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9a,9bの表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、キャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9a,9bの表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用CPU101とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート108を介して昇格/予告ボタン120からの信号を入力する。演出制御用CPU101は、昇格/予告ボタン120からの信号に応じて複数種類の演出装置(可変表示装置9a,9b、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する。
次に遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。また、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(図示せず)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS14)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を実行し(ステップS43)、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S14)が完了し、タイマ割込の設定が行われると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行を終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りにするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、電源基板910に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、CPU56は、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a,14b、カウントスイッチ23a,23b等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、並びに普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。表示制御処理では、ステップS32,S33の処理で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御が実行される。
次に、CPU56は、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。
次に、CPU56は、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24,S25)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄(例えば左右図柄が異なる図柄)を決定する(特別図柄判定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターン(具体的には変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:確変状態を終了させるか否かを決定する(抽選判定用)。
図7に示された遊技制御処理におけるステップS23では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。
次いで、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を選び出して実行する。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、入賞口スイッチの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ(始動口スイッチ14a,14bなどの各スイッチ)の何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
そして、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS31)。さらに、所定の条件が成立したときに出力回路59に駆動指令を行う(ステップS31)。可変入賞球装置15または開閉板20a,20bを開状態または閉状態にするために、出力回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21a,21bを駆動する。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22の処理で駆動信号が出力され、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bでの特別図柄の演出表示が実行される。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。なお、ここで出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22の処理で駆動信号が出力され、普通図柄表示器10での普通図柄の演出表示が実行される。
その後、割込許可状態に設定する(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
上述したようにこの実施の形態では、2つの特別図柄表示器(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)によって、第1特別図柄の変動表示が実行されるとともに第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのいずれかで特定表示結果が導出表示されたときに大当り遊技状態に移行する制御が実行される。複数の特別図柄表示器(この例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)を備えてそれぞれの特別図柄表示器において特別図柄の変動表示を行う遊技機では同時に大当りが発生するおそれがある。なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
しかし、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの特別図柄表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図9は、この実施の形態で用いられる特別図柄の停止図柄と、大当り/はずれの何れであるかおよび制御される遊技状態との関係を示す説明図である。図9に示す例では、特別図柄が「1」または「5」で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態(遊技機の制御状態)が確変状態に移行する。また、「9」で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態が時短状態に移行する。そして、「3」または「7」で停止すると、大当り遊技終了後に、遊技状態が確変状態および時短状態(確変時短状態)に移行する。つまり、確変時短状態とは、確変状態でもあり時短状態でもある遊技状態である。また、確変時短状態における確変状態終了条件が成立すると、時短回数カウンタの値が0になっていないことを条件として、遊技状態は時短状態に移行される。
また、特別図柄が「0」、「2」、「4」、「6」または「8」で停止すると、大当り遊技は実行されるが、大当り遊技終了後の遊技状態は通常状態になる。さらに、特別図柄が「−」で停止すると、大当り遊技が実行されることなく、遊技状態は維持される。
確変状態では、特別図柄の表示結果(最終停止図柄、単に停止図柄ともいう。)が大当り図柄となる確率が、確変状態でない状態(低確率状態)に比べて高められる。このことを、以下、「確変状態では高確率で当り/はずれが判定される」と表現することがある。この実施の形態では、確変状態では大当り図柄となる確率が5倍に高められているとする。
また、確変状態が終了すると、特別図柄変動時間短縮状態(時短状態)に移行するように制御されることがある。時短状態では、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が、時短状態でない場合に比べて短縮される。なお、短縮の態様(各変動パターンについてどの程度短くするのか、どの変動パターンを短くするのか等)は、確変状態(確変時短状態を含む。)における態様と同一でもよい。時短状態は、所定回(例えば100回)の特別図柄の変動が終了するまで、または、大当りが発生するまで継続する。なお、所定回を抽選によって複数種類のうちから選択してもよい。時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
なお、有利状態は、確変状態(特定有利状態)と時短状態(特別有利状態)とを含み、有利状態でない遊技状態(遊技機の状態)が通常状態である。また、高確率状態は確変状態であり、低確率状態は、時短状態と通常状態とを含む。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、5〜9)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを未送信であるか否か確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信した後(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS317の処理が実行される場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1再開指定コマンドを送信した後に(ステップS318)、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かを、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS303の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。すなわち、第2特別図柄プロセス処理で扱われる第2特別図柄プロセスフラグの値が、ステップS305〜S309に相当する値である場合に、第2大当り遊技が実行中であると判定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(第1始動入賞記憶数)を確認する。第1保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の結果、大当りにするか否か(特定表示結果にするか否か)を決定する。大当りにする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行され、可変表示後の第1特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。第1特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304(この例では4)またはステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。なお、特別図柄の表示結果を大当り図柄にすることに決定している場合にステップS305に応じた値に更新し、特別図柄の表示結果を大当り図柄としないことに決定している場合にステップS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に、第1飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
第1大当り図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、第1飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、所定の大当り図柄表示期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する第1飾り図柄の変動の停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)を受信すると可変表示装置9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するが、変動時間が経過すると独自に第1飾り図柄の可変表示を停止させるように制御してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄表示期間において、背景図柄として大当り図柄を表示する。
第1大当り表示処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、背景図柄表示部9cに、大当りの発生を報知するための表示を行う。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大入賞口開放前処理を実行することによって特定遊技状態移行制御を実現している。また、特定遊技状態移行制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1大当り表示処理を実行することによって実現されると定義してもよい。すなわち、特定遊技状態が開始される時点を、大当りの発生を報知するための演出が開始される時点であるとしてもよい。この場合、可変表示装置9bに表示結果として特定表示結果(大当り図柄)を導出表示する時点からの所定時間は、大当り図柄が表示されている期間に相当する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図11は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図11において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄および飾り図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。第1飾り図柄の変動パターンであるか第2飾り図柄の変動パターンであるかは2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータによって区別される。
この例では、特別図柄および飾り図柄の変動パターンとして、はずれにするか否か、確変大当りにするか否か、非確変大当りにするか否か、リーチにするか否か、リーチにする場合のリーチ態様、予告演出を行うか否か、予告演出を行う場合の演出態様、短縮変動にするか否かなど、各種の演出態様の違いに応じて複数種類用意されている。なお、この実施の形態では、リーチ演出、および予告演出は、飾り図柄の変動表示を行う可変表示装置9a,9bを用いて行う。また、予告演出を行う場合の演出態様を演出制御用マイクロコンピュータ100が決定するようにしてもよい。この場合、さらに、予告演出を行うか否かについても、演出制御用マイクロコンピュータ100が決定するようにしてもよい。
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴う変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。なお、図11では、「ノーマルリーチ」については大当りとならない場合のみ明示されている。
また、「予告1」は、あらかじめ定められた予告演出態様を持つ変動パターンである。なお、簡単のため、予告演出態様を示す変動パターンを1種類例示しているが、実際には複数種類の変動パターンが設定されている。さらに、「短縮変動」は、識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。「短縮リーチ変動」は、表示結果はリーチ状態になるが、リーチ演出を行わず識別情報の変動時間が極めて短い変動パターンである。なお、変動パターン11は、リーチが成立するまで短縮変動を行い、「リーチA」の演出を行ったあと、大当りとなる変動パターンである。また、変動パターン12は、短縮リーチ変動を行ったあと、時短大当りとなる変動パターンである。
なお、図11には示されていないが、リーチ演出以外にも、再変動演出の有無など、他の特定演出の実行の有無を含む変動パターンが含まれていてもよい。また、図11には、変動パターンの一部が例示されているが、実際には、リーチ態様や表示結果などの様々な組み合わせの変動パターンが用意されている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図12は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図13に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図13に示された極性と逆極性であってもよい。
図14は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示す例において、コマンド8000(H)〜8058(H)は、第1特別図柄に対応して可変表示装置9aにおいて可変表示される第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド、第1変動パターンコマンド)である。コマンド8100(H)〜8158(H)は、第2特別図柄に対応して可変表示装置9bにおいて可変表示される第2飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド、第2変動パターンコマンド)である。
コマンド8501(H)〜8505(H)は第1飾り図柄に関する演出制御コマンドである。コマンド8501(H)は、はずれにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1はずれ指定コマンド)である。コマンド8502(H)は、通常大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1通常大当り指定コマンド)である。コマンド8503(H)は、時短大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1時短大当り指定コマンド)である。コマンド8504(H)は、確変大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1確変大当り指定コマンド)である。コマンド8505(H)は、確変時短大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第1確変時短大当り指定コマンド)である。
コマンド8601(H)〜8605(H)は第2飾り図柄に関する演出制御コマンドである。コマンド8601(H)は、はずれにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2はずれ指定コマンド)である。コマンド8602(H)は、通常大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2通常大当り指定コマンド)である。コマンド8603(H)は、時短大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2時短大当り指定コマンド)である。コマンド8604(H)は、確変大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2確変大当り指定コマンド)である。コマンド8605(H)は、確変時短大当りにすることに事前決定されていることを示す演出制御コマンド(第2確変時短大当り指定コマンド)である。
コマンド8501(H)〜8505(H)を、第1表示結果指定コマンドという。また、コマンド8601(H)〜8605(H)を、第2表示結果指定コマンドという。第1表示結果指定コマンドと第2表示結果指定コマンドを、表示結果指定コマンドと総称することがある。
なお、この実施の形態では、表示結果コマンドは、確変大当り、通常大当り(非確変大当り)、はずれの等を特定可能な演出制御コマンドである。よって、演出制御用マイクロコンピュータ100が、受信した表示結果指定コマンドに応じて、飾り図柄の停止図柄を、例えば乱数を用いた抽選によって決定する。しかし、表示結果指定コマンドとして、飾り図柄の停止図柄を指定するような演出制御コマンドを用いてもよい。すなわち、表示結果コマンドは、表示結果コマンドを受信する演出制御用マイクロコンピュータ100が受信した表示結果コマンドにもとづいて表示結果を決定できるものであれば、直接に表示結果(飾り図柄の停止図柄)を指定するコマンドであってもよいし、はずれまたは大当りの種類を指定するコマンドであってもよい。はずれまたは大当りの種類を指定する表示結果コマンドを用いる場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれと大当りの種類とのそれぞれに応じてあらかじめ決められている複数種類(1つでもよい)の飾り図柄の停止図柄の中から、例えば乱数を用いた抽選によって表示結果を選択する。
コマンド9000(H)は、可変表示装置9aにおける停電復旧中画面の表示を指定する演出制御コマンド(第1停電復旧表示指定コマンド)である。コマンド9100(H)は、可変表示装置9bにおける停電復旧中画面の表示を指定する演出制御コマンド(第2停電復旧表示指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止コマンド)である。コマンドA100(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2飾り図柄停止コマンド)である。
コマンドA200(H)は、可変表示装置9aにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第1中断指定コマンド)であり、コマンドA201(H)は、可変表示装置における飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第1再開指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、可変表示装置9bにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第2中断指定コマンド)であり、コマンドA301(H)は、可変表示装置9bにおける飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第2再開指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放を示す演出制御コマンド(大入賞口開放時表示コマンド)である。コマンドB2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。コマンドB200(H)は、大当り遊技の開始を示す演出制御コマンド(大当り表示開始時コマンド)である。コマンドB500(H)は、非特定大当り遊技の終了を示す演出制御コマンド(非特定大当り終了表示コマンド)である。コマンドB501(H)は、特定大当り遊技の終了を示す演出制御コマンド(特定大当り終了表示コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の第1始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞記憶数指定コマンド)であり、コマンドC1XX(H)は、XXで示される数の第2始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(第2始動入賞記憶数指定コマンド)である。
コマンドD000(H)は、可変表示装置9aにおける客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(第1客待ちデモ表示指定コマンド)である。コマンドD100(H)は、可変表示装置9bにおける客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(第2客待ちデモ表示指定コマンド)である。
また、コマンドE400(H)は、遊技状態が通常状態であるときに送信される演出制御コマンド(通常背景表示コマンド)であり、コマンドE401(H)は、遊技状態が高確率状態(確変状態、確変時短状態を含む)であるときに送信される演出制御コマンド(高確率背景表示コマンド)である。コマンドE402(H)は、遊技状態が時短状態(確変時短状態を含まない)であるときに送信される演出制御コマンド(時短背景表示コマンド)である。以下、E400(H)〜E402(H)の演出制御コマンドを背景指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した背景指定コマンドに応じて、可変表示装置9a,9bに表示する背景の種類を選択する。なお、この実施の形態では、遊技状態を、変動パターンコマンドのEXTデータによって認識することができるので、コマンドE400(H)、コマンドE401(H)およびE402(H)を使用しないようにしてもよい。
演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図14に示された内容に応じて可変表示装置9a,9bの表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図14に示されたコマンド以外の演出制御コマンドも遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも送信される。
図15は第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1始動入賞記憶数が上限値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。第1始動入賞記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1始動入賞記憶数が4になっていない場合には、第1始動入賞記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS112)。また、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS113)。乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図8に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム4,ランダム8が抽出される。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1始動入賞記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、ステップS323では、ランダム1〜4(図6参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。
図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、第1始動入賞記憶カウンタのカウント値を確認する。第1始動入賞記憶カウンタは、RAM55の所定の領域に保存されている。
第1始動入賞記憶数が0であれば、CPU56は、第1デモ表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS72)。第1デモ表示フラグがセットされていなければ、CPU56は、第1デモ表示フラグをセットするとともに(ステップS73)、第1デモコマンド(第1客待ちデモ表示指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS74)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、具体的には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
第1デモ表示フラグは、第1客待ちデモ表示指定コマンドを送信するか否かを判定するためのフラグであり、遊技機への電力供給の開始時(初期状態)ではリセット状態である。
第1始動入賞記憶数が0でなければ、CPU56は、第1デモ表示フラグをリセットするとともに(ステップS52)、第1始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、第1始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1始動入賞記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1始動入賞記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。この実施の形態では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトするので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
次いで、CPU56は、遊技状態が確変時短状態である場合には(ステップS55)、時短回数カウンタが0でなければ1減算する(ステップS56)。遊技状態が確変時短状態でない場合には、ステップS57に移行する。なお、確変時短状態であるか否かは、確変時短状態になったときにセットされ、確変時短状態が終了したときにリセットされる確変時短フラグの状態によって判定される。
また、CPU56は、遊技状態が確変状態または確変時短状態である場合には(ステップS57)、ステップS66,S67の大当り判定を実行する前に、確変状態を終了させるか否かの判定を抽選によって行う(ステップS58〜S59)。遊技状態が確変状態でない場合には、ステップS65に移行する。確変状態であるか否かは、確変状態または確変時短状態となったときにセットされ、確変状態でも確変時短状態でもなくなったときにリセットされる確変フラグの状態によって判定される。
確変状態を終了させるか否かの判定において、CPU56は、抽選判定用乱数(確変終了判定用乱数:ランダム8)を乱数バッファ領域から読み出して(ステップS58)、読み出したランダム8の値が、確変終了値と一致するか否か判定し(ステップS59)、一致する場合には、遊技状態を非確変状態に変更して確変状態(確変時短状態を含む。)を終了させる(ステップS60)。
そして、時短回数カウンタが0でない場合には(ステップS62)、ステップS65に移行する。また、時短回数カウンタが0である場合には、時短フラグがセットされていれば時短フラグをリセットする(ステップS64)。
ステップS58の処理で読み出されたランダム8の値が、確変終了値と一致しない場合には(ステップS59)、ステップS65に移行する。
ステップS65では、CPU56は、表示結果を大当り図柄にする第2特別図柄の可変表示が実行されていること(実行されることに決定されている時点を含む。)を示す第2大当り変動中フラグがセットされているか否か確認する。セットされている場合には、ステップS71に移行する。セットされていない場合には、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読み出し(ステップS66)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS67)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りにすることに決定するプログラムである。大当りにすることに決定した場合には(ステップS68)、CPU56は、第1大当りフラグをセットする(ステップS69)。また、表示結果を大当り図柄にする第1特別図柄の可変表示が実行されていること(実行されることに決定されている時点を含む。)を示す第1大当り変動中フラグをセットする(ステップS70)。
そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS71)。
なお、ステップS67では、遊技状態が確変状態であるか否かを加味して、確変時の大当り確率または非確変時の大当り確率で判定を行う。すなわち、遊技状態が確変状態であるか否かを確変フラグによって確認し、確変状態であれば確変時の大当り確率で判定を行い、非確変状態であれば非確変時の大当り確率で判定を行う。
また、この実施の形態では、確変終了にするか否かの判定を抽選によって行うが、確変終了にするか否かの判定を行わないようにしてもよい。すなわち、パンクによって確変状態が終了することのないようにしてもよい。この場合、上述した第1特別図柄通常処理において、ステップS57〜S64を実行しないようにすればよい。
また、この実施の形態では、表示結果を大当り図柄にする第2特別図柄の可変表示が実行されていること(実行されることに決定されている時点を含む。)を示す第2大当り変動中フラグがセットされている場合には、CPU56は、ステップS66〜S70の処理を実行しない。すなわち、表示結果を大当り図柄にする第2特別図柄の可変表示が実行されている場合には(実行されることに決定されている時点を含む。)、第1特別図柄の可変表示に関する大当り判定(ステップS67)を実行せず、大当りにするか否かの判定結果を強制的にはずれにする。よって、可変表示装置9aにおいて特定表示結果が導出表示されることと、可変表示装置9bにおいて特定表示結果が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができ、特定表示結果ではない表示結果が可変表示装置に導出表示されることを遊技者に認識され難くすることができる。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)の例を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りの有無の決定結果に応じて、第1特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、ステップS67の処理で大当りにすることに決定されている場合には(ステップS75のY)、乱数バッファ領域に格納されている大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に従って、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄を決定する(ステップS76)。また、ステップS67の処理で、はずれにすることに決定されている場合には(ステップS75のN)、乱数バッファ領域に格納されているはずれ図柄決定用乱数(ランダム2)の値に従って、第1特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップS77)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS78)。
この実施の形態では、大当り図柄を決定することによって、通常大当りか、確変大当りか、時短大当りか、確変時短大当りかが決定される。しかし、通常大当り、確変大当り、時短大当りまたは確変時短大当りにするか否かを、大当り図柄決定用乱数とは異なる乱数を用いた抽選によって決定するようにしてもよい。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、時短フラグ(時短状態および確変時短状態においてセットされている。)がセットされ、かつ、確変時短フラグがセットされていなければ(ステップS81)、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS82)。時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS83)、時短フラグをリセットする(ステップS84)。なお、確変時短フラグがセットされている場合には、ステップS56で、既に時短回数カウンタの値は−1されている。
次いで、CPU56は、確変フラグ、時短フラグ、または確変時短フラグがセットされていれば(ステップS85)、ステップS76の処理によって通常大当り(非確変かつ非時短大当り:確変状態や時短状態の終了条件を満たすこととなる大当り)にすることが決定された場合には(ステップS86)、確変フラグ、時短フラグ、および確変時短フラグのうちセットされているフラグを全てリセットする(ステップS87)。
また、CPU56は、確変フラグ、時短フラグ、または確変時短フラグがセットされている場合に(ステップS85)、ステップS76の処理によって時短大当り(非確変かつ時短大当り:確変状態であればその終了条件を満たし時短状態に変更することとなり、時短状態であれば制御状態が維持されることとなる大当り)にすることに決定された場合には(ステップS88)、時短フラグをセットするとともに、時短回数カウンタに初期値(例えば「100」)をセットし、さらに、確変フラグと確変時短フラグがセットされていればリセットする(ステップS89)。このように、この実施の形態では、確変状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、遊技状態が確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、確変時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、遊技状態が確変状態から時短状態に変更されるとともに、時短回数カウンタに初期値がセットされる。また、時短状態であるときに時短大当りが発生した場合には、表示結果が時短大当り図柄となる変動表示が開始される前に、遊技状態を変更することなく、時短回数カウンタに初期値がセットされる。
次に、CPU56は、ステップS67の処理による大当りの有無の決定結果と、そのときの遊技状態と、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム4)とにもとづいて、変動パターンを、図11に示された変動パターンのいずれにするのかを決定する(ステップS90)。変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。なお、変動時間を決定した後、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
この実施の形態では、ステップS90では、第2大当り変動フラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、今回の第1特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合を除いて、予告演出を行う変動パターンにすることに決定する。そして、あらかじめ用意されている複数種類の予告演出用の変動パターンの中から、使用する変動パターンを選択する(例えば、複数種類の予告演出用の変動パターンが設定された変動パターン決定用テーブルを用いて選択する)。
そして、CPU56は、遊技状態(確変状態か否か)に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS91)。また、ステップS90で決定した変動パターンに対応した第1変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。さらに、ステップS67の処理による大当りの有無の決定結果とステップS76の処理で決定された第1特別図柄の表示結果とにもとづく第1表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。
なお、この実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の変動を開始するときに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンドの順に演出制御コマンドが送信されるが、それらの送信順は任意である。
また、CPU56は、ステップS90で決定した変動時間に応じた値を第1変動時間タイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS94)、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS95)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄中変動処理に対応した値に更新する(ステップS96)。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1大当りフラグがセットされている場合には、第1大当り図柄表示時間タイマに大当り図柄の表示時間に相当する値を設定し(ステップS123,S124)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS125)。第1大当りフラグがセットされていない場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS126)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図20は、第1特別図柄プロセス処理における第1はずれ図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。第1はずれ図柄停止処理において、CPU56は、第1変動中復旧フラグがセットされていれば(ステップS131)、第1客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに(ステップS137)、第1デモ表示フラグをセットし(ステップS138)、復旧した第1特別図柄の可変表示の停止図柄を表示する(ステップS139)。そして、ステップS134に移行する。なお、第1変動中復旧フラグがセットされているということは、遊技機への電力供給が再開されて計測が再開された第1特別図柄の変動時間が終了したことを意味する。
なお、第1客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うときに、あらためて第1始動入賞記憶数および第2始動入賞記憶数が0であったことを確認し、0であった場合に、第1客待ちデモ表示指定コマンドを送信するようにしてもよい。
第1変動中復旧フラグがセットされていなければ、CPU56は、第1飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う(ステップS132)。また、CPU56は、決定されている第1特別図柄の停止図柄を導出表示する(ステップS132)。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS300に対応した値に更新する(ステップS134)。
なお、ここでは、第1変動中復旧フラグの状態を判定し、第1変動中復旧フラグがセットされていれば第1客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、第1変動中復旧フラグを用いないようにしてもよい。すなわち、ステップS131,S136,S137の処理を実行しないようにしてもよい。この場合、第1変動中復旧フラグをセットするための後述するステップS206,S209の処理も実行しないようにすればよい。そのように構成しても、遊技機への電力供給が再開されて計測が再開された第1特別図柄の変動時間が終了したときに、その後に実行される上述したステップS72〜ステップS74の処理によって第1客待ちデモ表示指定コマンドが送信されることになる。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り図柄停止処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1大当り図柄停止処理において、CPU56は、第1大当り変動中フラグをリセットする(ステップS170)。次いで、第1変動中復旧フラグがセットされていれば(ステップS171)、第1客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに(ステップS172)、復旧した第1特別図柄の可変表示の停止図柄を表示する(ステップS173)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS174)。
第1変動中復旧フラグがセットされていなければ、CPU56は、第1飾り図柄停止コマンドを送信する制御を行う(ステップS176)。また、事前決定されている第1特別図柄の大当り図柄を第1特別図柄表示器8aに導出表示する制御を行う(ステップS177)。そして、大当り表示開始時コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS178)、第1大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば可変表示装置9aにおいて報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS179)、大当り表示開始時コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS179)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS180)。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り表示処理(ステップS306)を示すフローチャートである。第1大当り表示処理において、CPU56は、第1大当り表示時間タイマを−1し(ステップS187)、第1大当り表示時間タイマの値が0になったら(ステップS188)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS189)。
図23は、大当り遊技が終了したときに実行される大当り終了処理(ステップS309)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、第1大当りフラグをリセットする(ステップS150)。そして、大当り遊技の起因となった特別図柄の停止図柄(大当り図柄である)が確変時短図柄であったか否か確認する(ステップS151)。確変時短図柄であった場合には、確変フラグ、時短フラグ、および確変時短フラグをセットするとともに(ステップS152)、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップS153)。なお、この実施の形態では、時短回数カウンタには100が設定される。また、CPU56は、演出制御基板80に、大当り遊技状態の終了と、特別遊技状態(確変状態または時短状態)への移行とを通知するために、特定大当り終了表示コマンドを送信する処理を行う(ステップS155)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値に更新する(ステップS156)。
第1特別図柄の停止図柄が確変時短図柄でなかった場合には、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄であったか否か確認する(ステップS157)。確変図柄であった場合には、確変フラグをセットする(ステップS158)。そして、ステップS155に移行する。
第1特別図柄の停止図柄が確変図柄でなかった場合には、第1特別図柄の停止図柄が時短図柄であったか否か確認する(ステップS160)。時短図柄であった場合には、時短フラグをセットし(ステップS161)、さらに、時短回数カウンタに所定値をセットする(ステップ162)。そして、ステップS155に移行する。
第1特別図柄の停止図柄が時短図柄でもなかった場合には、大当り遊技状態の終了を通知するために、非特定大当り終了表示コマンドを送信する処理を行う(ステップS164)。そして、ステップS156に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS153,S162で時短回数カウンタに100がセットされるように構成されているが、時短回数は他の回数(例えば50回、120回など)であってもよい。また、複数種類の回数(例えば、20回、50回、100回)から時短回数が選択されるように構成されていてもよく、その場合には、抽選によって選択された回数がステップS153,S162で時短回数カウンタに設定される。その場合、例えば、時短回数決定用の乱数を抽出し、その抽出値と回数とが対応付けされた時短回数決定用テーブルを用いて、乱数の抽出値に対応付けされている回数を選択する処理を実行することによって、抽選による選択が行われる。
図24は、表示制御処理(ステップS22)を示すフローチャートである。表示制御処理では、CPU56は、まず、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、および普通図柄保留記憶表示器41に対する駆動信号を停止する(ステップS22a)。
次いで、CPU56は、第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第1特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、第1特別図柄表示器8aに対して駆動信号を出力する(ステップS22b)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値が設定されていれば、その内容に応じて、第1特別図柄表示器8aに、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値が設定されていれば、第1特別図柄表示器8aの表示状態を点滅状態にするための駆動信号を出力する。
次いで、CPU56は、ステップS22bの処理と同様に、第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(第2特別図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、第2特別図柄表示器8bに対して駆動信号を出力する(ステップS22c)。
また、CPU56は、普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファ(普通図柄用出力バッファ)に設定された表示制御データに応じて、普通図柄表示器10に対して駆動信号を出力する(ステップS22d)。
具体的には、表示制御データとして停止図柄指定値(普通図柄プロセス処理で設定される。)が設定されていれば、その内容に応じて、普通図柄表示器10に、今回の可変表示の停止図柄あるいは前回の可変表示の停止図柄を表示するための駆動信号を出力する。また、表示制御データとして変動状態指定値(普通図柄プロセス処理で設定される。)が設定されていれば、普通図柄表示器10の表示状態を左右のランプを交互に点灯させるための駆動信号を出力する。
次いで、CPU56は、第1始動入賞記憶数および第2始動入賞記憶数に応じて、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bに対して、始動入賞記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22e)。
そして、CPU56は、普通図柄保留記憶数データ設定用の出力バッファ(普通図柄用始動入賞記憶数バッファ)に設定された普通図柄保留記憶数データ(普通図柄プロセス処理で設定される。)に応じて、普通図柄保留記憶表示器41に対して、現在の普通図柄の保留記憶数を表示させるための駆動信号を出力する(ステップS22f)。
図25は、第1特別図柄表示制御処理(ステップS32の特別図柄表示制御処理のうち第1特別図柄に関する処理)を示すフローチャートである。なお、ステップS32の特別図柄表示制御処理には、第1特別図柄表示制御処理と同様に処理される第2特別図柄表示制御処理も含まれるが、ここではその説明は省略する。CPU56は、第1特別図柄表示制御処理では、第1特別図柄プロセスフラグが示す値に応じて、第1特別図柄表示器8aに表示すべき第1特別図柄の表示内容を特定する指定値を、第1特別図柄用出力バッファにセットする処理を実行する。ここで第1特別図柄用出力バッファにセットされた指定値に応じて、ステップS22bの処理で駆動信号が出力される。
第1特別図柄表示制御処理において、CPU56は、まず、第1特別図柄プロセスフラグを読み出す(ステップS35a)。読み出した第1特別図柄プロセスフラグがステップS303(第1特別図柄変動中処理)を示す値であれば(ステップS35bのY)、CPU56は、変動状態指定値を選択し(ステップS35c)、選択した変動状態指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35e)。なお、変動状態指定値は、第1特別図柄の変動期間に応じて選択され、この実施の形態では、ステップS35cの処理で変動表示における変動状態で表示される図柄を示す指定値が選択される。
ステップS35aの処理で読み出した第1特別図柄プロセスフラグが示す値が、第1特別図柄変動中処理に応じた値でなければ、CPU56は、停止図柄指定値を選択し(ステップS35e)、選択した停止図柄指定値を特別図柄用出力バッファにセットする(ステップS35f)。
なお、停止図柄指定値は、第1特別図柄プロセスフラグの状態に応じて選択される。具体的には、第1特別図柄プロセスフラグがステップS300〜ステップS302のいずれかを示す値であれば、ステップS35eで、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。一方、第1特別図柄プロセスフラグがステップS304またはS305に応じた値であれば、ステップS35eで、今回の変動表示の表示結果である停止図柄を示す停止図柄指定値が選択される。なお、第1特別図柄プロセスフラグがステップS302に応じた値である場合に、前回の変動表示の表示結果であった停止図柄を示す停止図柄指定値として大当り図柄を示す停止図柄指定値が選択された場合には、はずれ図柄を示す停止図柄指定値に差し替えるようにしてもよい。
図26および図27は、ステップS20の電源断処理を示すフローチャートである。電源断処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理を実行する状態に移行する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、RAM55に形成されるバックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS14では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、CPU56は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、CPU56は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
CPU56は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止(禁止)し(ステップS481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行する(ステップS483)。すなわち、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態に戻る。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55の全領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されこと)されている。従って、ステップS452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM55の内容にもとづくチェックサムもRAM55に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御手段は、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御手段による制御状態である遊技状態を示すデータ(例えば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S14の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に変動データ記憶手段(この例ではRAM55の全領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、RAM55の全領域が電源バックアップされるのではなく、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータを記憶する領域のみが電源バックアップされるようにしてもよい。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS41〜S43処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電源監視手段からの検出信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
図28は、遊技状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す遊技状態復旧処理は、表示制御用マイクロコンピュータ100に停電復旧表示指定コマンド等を送信する処理である。遊技状態復旧処理において、CPU56は、まず、遊技状態を電源断時の状態に復旧させることを通知するための第1停電復旧表示指定コマンドおよび第2停電復旧表示指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS201)。
次いで、CPU56は、電源断時に第1特別図柄または第2特別図柄が可変表示の実行中であったか否かを確認する(ステップS202)。例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄変動中処理に応じた値であるか否か、および第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理に応じた値であるか否か確認する。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示中であった場合には、第1始動入賞記憶数および第2始動入賞記憶数がともに0であったことを条件に(ステップS203)、第1特別図柄の可変表示中であった場合には(ステップS204)、実行中の可変表示の表示結果を通知するために、電源断によって中断した第1特別図柄の可変表示の開始時に送信した第1表示結果指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する(ステップS205)。そして、第1特別図柄の可変表示の実行中の状態に復旧し電源断によって中断した第1特別図柄の可変表示の変動期間が未だ終了していないことを示す第1変動中復旧フラグをセットする(ステップS206)。
第1特別図柄の可変表示中でなかった場合には、ステップS205,S206の処理を実行することなく、ステップS208に移行する。
ステップS208では、CPU56は、実行中の可変表示の表示結果を通知するために、電源断によって中断した第2特別図柄の可変表示の開始時に送信した第2表示結果指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。そして、第2特別図柄の可変表示の実行中の状態に復旧し電源断によって中断した第2特別図柄の可変表示の変動期間が未だ終了していないことを示す第2変動中復旧フラグをセットする(ステップS209)。
なお、遊技状態復旧処理で演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される演出制御コマンドは、上記のコマンドに限られず、例えば、確変状態であることを通知するための演出制御コマンドなどの他のコマンドが含まれていてもよい。
第1始動入賞記憶数と第2始動入賞記憶数との少なくとも一方が0でない場合には、第1始動入賞記憶数が0でないときには第1始動入賞記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS215,S216)、第2始動入賞記憶数が0でないときには第2始動入賞記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217,S218)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図29は、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9aの表示制御を実行する。また、演出制御用CPU101は、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9bの表示制御を実行する。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS707)。また、可変表示装置9a,9bに始動入賞記憶数を表示するための始動入賞記憶数表示制御処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に戻る。
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図30は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成にしてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式にしてもよい。
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
図31,図32は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく(ステップS613)。
受信した演出制御コマンドが第1変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを第1変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが第2変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを第2変動パターンデータ格納領域に格納する(ステップS617)。
受信した演出制御コマンドが第1表示結果指定の演出制御コマンドであれば(ステップS618)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを第1飾り図柄格納領域に格納する(ステップS619)。すなわち、第1飾り図柄の表示結果を示すデータをセーブする。
受信した演出制御コマンドが第2表示結果指定の演出制御コマンドであれば(ステップS620)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを第2飾り図柄格納領域に格納する(ステップS621)。すなわち、第2飾り図柄の表示結果を示すデータをセーブする。
受信した演出制御コマンドが第1停電復旧表示指定コマンドであれば(ステップS622)、演出制御用CPU101は、可変表示装置9aに、停電復旧中であることを示す第1停電復旧中画面(例えば、「停電復旧中!!」の表示)を表示するとともに、第1飾り図柄復旧フラグをセットする(ステップS623)。第1飾り図柄復旧フラグは、可変表示装置9aの表示に関する復旧のための処理の実行中であるか否かを判定するためのフラグであり、例えば演出制御基板80に搭載されているRAM領域に格納される。
受信した演出制御コマンドが第2停電復旧表示指定コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用CPU101は、可変表示装置9bに、停電復旧中であることを示す第2停電復旧中画面(例えば、「停電復旧中!!」の表示)を表示するとともに、第2飾り図柄復旧フラグをセットする(ステップS625)。第2飾り図柄復旧フラグは、可変表示装置9bの表示に関する復旧のための処理の実行中であるか否かを判定するためのフラグであり、例えば演出制御基板80に搭載されているRAM領域に格納される。
受信した演出制御コマンドが第1客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS627)。すなわち、可変表示装置9aの表示に関する復旧のための処理の実行中であるか否かを確認する。第1飾り図柄復旧フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄の表示結果がセーブされていないか、またはセーブされている第1飾り図柄の表示結果がはずれ図柄であった場合には(ステップS628)、可変表示装置9aに第1初期出目を表示するとともに(ステップS629)、第1初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS630)。なお、第1初期出目表示計測タイマとして、演出制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するタイマが用いられる。従って、演出制御用CPU101は、第1初期出目表示計測タイマの値を減算するような処理を行わない。ただし、第1初期出目表示計測タイマとしてソフトウェアタイマ(演出制御用CPU101による減算処理によって時間が計時されることになるタイマ)を用いてもよい。
「第1初期出目」とは、遊技機への電源投入がなされたときに、初期表示として最初に可変表示装置9aに表示される第1飾り図柄(いわゆる朝一出目)を意味する。また、「第1初期出目表示計測タイマ」は、第1初期出目の表示時間を計測するためのタイマである。
ステップS628でセーブされている第1飾り図柄の表示結果が大当り図柄であった場合には、演出制御用CPU101は、可変表示装置9aにセーブされている大当り図柄を表示する(ステップS631)。
また、ステップS627の処理で第1飾り図柄復旧フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、可変表示装置9aに第1デモンストレーション画面を表示する(ステップS632)。すなわち、復旧時でないときに第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信したときには、演出制御用CPU101は、第1初期出目を表示することなく直ちに第1デモンストレーション画面を表示する。
受信した演出制御コマンドが第2客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS634)。すなわち、可変表示装置9bの表示に関する復旧のための処理の実行中であるか否かを確認する。第2飾り図柄復旧フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄の表示結果がセーブされていないか、またはセーブされている第2飾り図柄の表示結果がはずれ図柄であった場合には(ステップS635)、可変表示装置9bに第2初期出目を表示するとともに(ステップS636)、第2初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS637)。なお、第2初期出目表示計測タイマとして、演出制御用マイクロコンピュータ100が内蔵するタイマが用いられる。従って、演出制御用CPU101は、第2初期出目表示計測タイマの値を減算するような処理を行わない。ただし、第2初期出目表示計測タイマとしてソフトウェアタイマ(演出制御用CPU101による減算処理によって時間が計時されることになるタイマ)を用いてもよい。
「第2初期出目」とは、遊技機への電源投入がなされたときに、初期表示として最初に可変表示装置9bに表示される第2飾り図柄(いわゆる朝一出目)を意味する。また、「第2初期出目表示計測タイマ」は、第2初期出目の表示時間を計測するためのタイマである。
ステップS635でセーブされている第2飾り図柄の表示結果が大当り図柄であった場合には、演出制御用CPU101は、可変表示装置9bにセーブされている大当り図柄を表示する(ステップS638)。
また、ステップS634の処理での処理で第2飾り図柄復旧フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、可変表示装置9bに第2デモンストレーション画面を表示する(ステップS639)。すなわち、復旧時でないときに第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信したときには、演出制御用CPU101は、第2初期出目を表示することなく直ちに第2デモンストレーション画面を表示する。
演出制御用CPU101は、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するコマンド受信フラグをセットし、必要であれば受信コマンドを保存する(ステップS640)。
図33は、図29に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、縁当り出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2演出制御プロセス処理(ステップS706)も、制御対象が可変表示装置9bであるという違いはあるが、第1演出制御プロセス処理と同様に構成される。
第1飾り図柄通常処理(ステップS800):第2飾り図柄の可変表示等を行う可変表示装置9bにおいて大当り遊技演出(第2大当り遊技演出)が実行されているか否か確認する。具体的には、後述する第2大当り中演出フラグがセットされているか否を確認する。第2大当り中演出フラグがセットされていない状態で、かつ、第1変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターン決定処理に対応した値に変更する。そして、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801):第1変動パターンデータ格納領域の格納情報などにもとづいて、第1飾り図柄の変動パターンを決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信してたら、第1飾り図柄の変動を停止し停止図柄を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または第1飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動時間が終了し、第1飾り図柄停止指定コマンドを受信したことを条件に第1飾り図柄の停止図柄を導出表示するが、変動時間が終了したら、第1飾り図柄停止指定コマンドを受信したか否かの判定を行うことなく、停止図柄を導出表示するようにしてもよい。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示、時短大当り表示、確変時短大当り表示、または通常大当り表示の制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):第1大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、最終ラウンドの表示制御等が終了したときは、第1大当り中演出フラグをリセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図34は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、飾り図柄の変動期間中における可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9a,9bの表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、飾り図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、飾り図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9a,9bにおいて新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9a,9bおよびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9a,9bおよびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板80に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを1つのROMに格納することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データにしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータ(この実施の形態では音声データROM704に格納されているデータを除くデータ)を同一ROMに格納することができる。
図34に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、飾り図柄の変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。なお、飾り図柄の変動パターンと、特別図柄の変動パターンとは異なるものである。ただし、飾り図柄の変動パターンには、少なくとも、図11に示された各変動パターンに対応する変動パターンが含まれる。
図35は、図33に示された演出制御プロセス処理における第1飾り図柄通常処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1飾り図柄通常処理において、演出制御用CPU101は、第2大当り中演出フラグがセットされているか否を確認する(ステップS811)。第2大当り中演出フラグは、演出制御用CPU101によって、可変表示装置9bにおいて大当り遊技演出が開始されるときにセットされ(第1大当り中演出フラグがセットされるステップS856の処理に対応する処理でセットされる)、その大当り遊技演出が終了したときにリセットされる(第1大当り中演出フラグがリセットされるステップS806で最終ラウンドの表示制御等が終了したあとの処理に対応する処理でリセットされる)フラグである。
第2大当り中演出フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS812)。第1変動パターンコマンド受信フラグは、ステップS614でYと判定されたとき、すなわち、第1変動パターンコマンドを受信したときにセットされる。
第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンド受信フラグをリセットし、第1初期出目表示計測タイマをリセットする(ステップS813)。すなわち、第1初期出目表示計測タイマが第1初期出目の表示時間の計測中であれば、その計測を中途終了させる。また、第1飾り復旧フラグがセットされていれば、その第1飾り復旧フラグをリセットする(ステップS814)。そして、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動パターン決定処理に対応した値に更新する(ステップS815)。
第1変動パターンコマンド受信フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、第1初期出目表示計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS816)。すなわち、第1初期出目表示計測タイマが第1初期出目の表示時間の計測中であれば、その計測時間が経過したか否かを確認する。第1初期出目表示計測タイマがタイムアウトしていれば、演出制御用CPU101は、可変表示装置9aに第1デモンストレーション画面を表示し(第1デモ表示:ステップS817)、第1飾り復旧フラグをリセットする(ステップS818)。
図36は、図33に示された演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動パターン決定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動パターン決定処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターンデータ格納領域の格納情報にもとづいて、第1飾り図柄の可変表示の表示結果が大当り表示結果であるか否か確認する(ステップS820)。大当り表示結果である場合には、演出制御用CPU101は、可変表示装置9aにおいて大当り表示結果になる可変表示が実行されているか否かの確認に用いられる第1大当り変動中フラグをセットする(ステップS821)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100が予告演出に関わる決定(実行の有無、演出内容)を行うときにのみ第1大当り変動中フラグが使用される場合には、この実施の形態では遊技制御用マイクロコンピュータ560が予告演出に関わる決定を行い、第1大当り変動中フラグが使用されないので、ステップS821を実行しない(第1大当り変動中フラグをセットしない)ようにしてもよい。一方、演出制御用マイクロコンピュータ100が予告演出に関わる決定を行うように構成する場合には、ステップS821の処理で第1大当り変動中フラグをセットする処理を実行するようにすればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、第1変動パターンデータ格納領域に格納されているEXTデータに応じて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS822)。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。例えば、あらかじめ用意された複数種類の飾り図柄の変動パターンのうち、EXTデータによって特定される変動時間および事前判定結果(確変時短大当り、確変大当り、時短大当り、通常大当り、はずれ、リーチ、予告など)に合致する複数種類の飾り図柄の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択する。上記のようにして、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の演出内容(例えば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。
ステップS822で飾り図柄の変動パターンを決定するときには、例えば、遊技状態が通常状態であるときに使用される変動パターンテーブル(通常状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が確変状態であるときに使用される変動パターンテーブル(確変状態用飾り図柄変動パターンテーブル)と、遊技状態が時短状態であるときに使用される変動パターンテーブル(時短状態用飾り図柄変動パターンテーブル)とが用いられる。各飾り図柄変動パターンテーブルには、複数種類の飾り図柄の変動パターンが設定されている。なお、遊技状態が確変時短状態であるときには、確変状態用飾り図柄変動パターンテーブルが用いられる。
なお、演出制御用CPU101が、予告演出の実行の有無、および予告演出の演出内容を決定するようにする場合には、主基板31からの変動パターンコマンドには予告演出の有無や演出内容に関する情報は含まれない。この場合、演出制御用CPU101は、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間や変動結果にもとづいて、予告演出を実行するか否か、および予告演出の演出内容を決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、ステップS822の処理で、第2大当り変動中フラグ(可変表示装置9bにおいて大当り表示結果となる可変表示が実行されているか否かを示すフラグ)がセットされているか否か確認し、セットされていれば、第1飾り図柄の変動表示結果が大当りとなる場合を除いて、予告演出を行う変動パターンにすることに決定するようにすればよい。そして、あらかじめ用意されている複数種類の予告演出用の変動パターンの中から、主基板31からの変動パターンコマンドが示す変動時間に合致する変動パターンを使用する変動パターンとして選択するようにすればよい。このようにして、例えば、第2飾り図柄によって変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が実行されているとき(第2大当り変動中フラグがセットされているとき)に、可変表示装置9aにおいて予告演出を行うことに決定する。なお、第2飾り図柄によって変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が実行されているときに、乱数抽選によってランダムに予告演出を行うか否かを決定するようにしてもよい。また、第2飾り図柄によって変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が実行されていないときに、例えば乱数抽選によって予告演出(いわゆるガセ予告)を行うか否かを決定し、ガセ予告を行うようにしてもよい。さらに、上記のように他方の飾り図柄の表示結果を一方の飾り図柄の変動表示演出によって予告するのではなく、自己の飾り図柄の表示結果を予告する予告演出を実行するようにしてもよい。また、主基板31側で予告演出の有無や演出内容を決定する場合と同様にして、演出制御用CPU101が、実行する予告演出の演出内容を示す実行データを記憶するようにし、前回までに記憶された実行データにもとづいて、今回の予告演出の演出内容を決定するようにしてもよい。この場合、主基板31側で予告演出の有無や演出内容を決定する場合と同様のタイミングで、実行データを初期化するようにすればよい。
また、受信している第1変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドに応じて第1飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS823)。はずれ指定コマンドを受信し、リーチ演出を伴わない第1変動パターンコマンドを受信している場合には、左中右の図柄が不一致の組み合わせを停止図柄として決定する。はずれ指定コマンドを受信し、リーチ演出を伴う第1変動パターンコマンドを受信している場合には、左右の図柄が一致した組み合わせを停止図柄として決定する。通常大当り指定コマンドを受信している場合には、左中右の図柄が一致した組み合わせであって確変大当りや時短大当りを想起させない図柄の組み合わせを停止図柄として決定する。時短大当り指定コマンドを受信している場合には、左中右の図柄が一致した組み合わせであって時短大当りを想起させる図柄の組み合わせ(例えば「9」「9」「9」)を停止図柄として決定する。確変大当り指定コマンドを受信している場合には、左中右の図柄が一致した組み合わせであって確変大当りを想起させる図柄の組み合わせ(例えば「5」「5」「5」)を停止図柄として決定する。確変時短大当り指定コマンドを受信している場合には、左中右の図柄が一致した組み合わせであって確変時短大当りを想起させる図柄の組み合わせ(例えば「7」「7」「7」)を停止図柄として決定する。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS824)。
図37は、図33に示された演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、第1飾り図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS833)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9aに与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS834)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
また、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS835)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
その後、第1変動時間タイマ(第1飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS836)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS837)。
図38は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS841)、第1変動中断フラグがセットされていなければ第1変動中断指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS842)。第1変動中断指定コマンドを受信していれば第1変動中断フラグをセットし(ステップS843)、可変表示装置9aにはずれ図柄を停止表示する(ステップS844)。また、変動が中断されている(継続している)ことを示す報知も表示する(ステップS845)。なお、遊技者に可変表示が継続していることを報知するための表示は、例えば、飾り図柄を通常とは異なる態様(例えば、表示領域が小さくなっている態様)で可変表示を継続することによって。可変表示が継続していることを報知するようにしてもよい。また、ステップS844の処理で飾り図柄を停止表示させる場合に、演出制御用CPU101は、飾り図柄を完全に停止させるのではなく、飾り図柄をゆれ変動(例えば、上下方向に移動したり戻ったりするような変動が繰り返されること)させるようにしてもよい。
また、ステップS841で第1変動中断フラグがセットされていることを確認したら、演出制御用CPU101は、第1再開指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS848)。第1再開指定コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(ステップS849)、可変表示装置9aにおいて第1飾り図柄の変動を再開させる(ステップS850)。そして、ステップS851に移行する。第1再開指定コマンドを受信していなければ第1飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS842で第1中断指定コマンドを受信していないことを確認したら、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS851)、変動時間タイマを1減算する(ステップS852)。プロセスタイマがタイムアップしたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS853,S854)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS855)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
以上のように、演出制御用CPU101は、可変表示装置9bに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、第1中断指定コマンドを受信したことにもとづいて第1変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、第1再開指定コマンドを受信するまでステップS851〜S855の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄の変動を中断する制御がなされる。
図39は、演出制御プロセス処理における第1飾り図柄停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。第1飾り図柄停止処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS862)。第1飾り図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、ステップS823で決定した第1飾り図柄の停止図柄(確定図柄)を可変表示装置9aにおいて停止させる制御を行う(ステップS863)。
そして、ステップS863の処理で大当り図柄を表示した場合には(ステップS864のY)、演出制御用CPU101は、第1大当り変動中フラグをリセットするとともに(ステップS865)、第1大当り中演出フラグをセットし(ステップS866)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS867)。
ステップS853の処理で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を第1飾り図柄通常処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS868)。
次に、特別図柄と飾り図柄の変動状態の関係について説明する。ここでは、第1特別図柄表示器8aと可変表示装置9aの図柄変動状態の関係について説明するが、第2特別図柄表示器8bと可変表示装置9bの図柄変動状態の関係についても同様である。
図40は、始動入賞口13aへの始動入賞が連続して2回あった場合における第1特別図柄と第1飾り図柄の変動状態の一例を示すタイミング図である。ここでは、始動入賞口13aへの2回の始動入賞(始動入賞A〜B)にもとづく第1特別図柄の変動表示が実行される例について説明する。
始動入賞Aが発生すると、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理(図15参照)を実行する。そして、CPU56は、第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となっていれば、事前判定(ステップS66〜S68, S75〜S77, S90参照)を行い、その結果にもとづいて、背景指定コマンドと、例えば10秒の変動時間であることを示す第1変動パターンコマンドと、はずれになることを指定する第1表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91,S92,S93参照)。また、CPU56は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する(ステップS95参照)。なお、背景指定コマンドは、事前判定の結果にもとづいているわけではない。
演出制御用CPU101は、始動入賞Aにもとづく変動パターンコマンド(第1変動パターンコマンド)を受信すると、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、10秒の変動時間で表示結果がはずれになる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
また、CPU56は、始動入賞Bが発生したときに、第1始動口スイッチ通過処理を実行する。しかし、未だ特図変動Aが終了せず、始動入賞Bにもとづく第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態でないので、始動入賞Bにもとづく第1特別図柄の可変表示は保留される。
その後、CPU56は、特図変動Aの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンドを送信するとともに(ステップS132参照)、特図変動Aを終了する(ステップS133参照)。演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマがタイムアウトして第1飾り図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Aを終了する(ステップS855,S856,S862,S863参照)。
次いで、CPU56は、特図変動Aが終了して第1特別図柄の可変表示の実行が可能な状態となったときに、始動入賞Bにもとづく事前判定(ステップS66〜S68, S75〜S77, S90参照)を行い、その結果にもとづいて、背景指定コマンドと、例えば15秒の変動時間であることを示す第1変動パターンコマンドと、はずれになることを指定する第1表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91,S92,S93参照)。また、CPU56は、始動入賞Bに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動B)を開始する(ステップS95参照)。
演出制御用CPU101は、始動入賞Bにもとづく第1変動パターンコマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、15秒の変動時間で表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動B)を実行する。
その後、CPU56は、特図変動Bの終了タイミングが到来すると、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止コマンドを送信するとともに(ステップS132参照)、特図変動Bを終了する(ステップS133参照)。演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマがタイムアウトして第1飾り図柄停止コマンドを受信すると、飾り変動Bを終了する(ステップS855,S856,S862,S863参照)。
上記のように、本実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動開始時に第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドを送信し、変動停止時に第1飾り図柄停止コマンドを送信する。従って、特別図柄と飾り図柄との間の同期を確実にとることができる。
次に、電源断状態になった後、遊技機への電力供給が再開されたときの可変表示装置9a,9b等の表示制御について説明する。図41は、電力供給が復旧したときの可変表示装置9a,9bの表示状態等の一例を示すタイミング図である。図42は、電力供給が復旧したときの可変表示装置9a,9b等の表示状態の一例を示す説明図である。
この例では、始動入賞Aにもとづく表示結果がはずれとなる特図変動Aおよび飾り変動Aの実行中であり、第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示は実行されていないときに電源断状態になり、その後に電力供給が復旧したときを例に説明する。なお、この例では、電源断が発生したときに第1始動入賞記憶も第2始動入賞記憶も0であるとする。
第1始動入賞記憶がないときに始動入賞口13aへの始動入賞(始動入賞A)が発生すると、CPU56は、図41に示すように、始動入賞Aにもとづく変動表示を開始できる状態となったときに、ステップS67で始動入賞Aにもとづく表示結果がはずれであると判定されたことにもとづいて、ステップS90で複数種類の変動パターンから実行する変動パターンを決定する。ここでは、表示結果がはずれになる可変表示の変動パターンが選択される。
CPU56は、事前判定(ステップS66〜S68,S75〜S77,S90参照)を実行した後、背景指定コマンドと、始動入賞Aにもとづく変動パターンを示す第1変動パターンコマンドと、表示結果がはずれとなることを指定する第1表示結果指定コマンドとを送信する(ステップS91,S92,S93参照)。また、CPU56は、始動入賞Aに応じた第1特別図柄の変動表示(特図変動A)を開始する。なお、図41には、第1変動パターンコマンドのみが示され、背景指定コマンドと表示結果指定コマンドとは記載省略されている。
演出制御用CPU101は、始動入賞Aにもとづく第1変動パターンコマンドおよび第1表示結果指定コマンドを受信すると、受信した第1変動パターンコマンドにもとづいて、表示結果がはずれとなる第1飾り図柄の変動パターンを決定し(ステップS822参照)、決定した変動パターンに従って第1飾り図柄の変動表示(飾り変動A)を実行する。
この例では、第1特別図柄表示器8aにおいて特図変動Aの実行中であり、可変表示装置9aにおいて飾り変動Aの実行中であり(図42(A)参照)、第2特別図柄表示器8bおよび可変表示装置9bでは変動表示が実行されていないとき(図42(B)参照:変動表示されていない場合の例として、前回の可変表示の表示結果として「3,9,0」が表示されている状態が示されている。)に、電源断が発生して電力供給停止時処理(図26、図27参照)が実行され、その後に遊技機への電力供給が復旧して遊技状態復旧処理(図28参照)が実行されるとする。
電力供給が復旧すると、CPU56は、バックアップRAMの記憶内容が保存されていたことを確認した場合には(ステップS7,S8参照)、遊技状態復旧処理によって第1停電復旧表示指定コマンドおよび第2停電復旧表示指定コマンドを送信する(ステップS201参照)。また、バックアップRAMの記憶内容が保存されているので、RAMに形成されている第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(図19参照)を実行する状態になる。また、RAMに形成されている第1変動時間タイマの値も保存されていたはずであるから、第1特別図柄変動中処理において変動時間の計測を続行する(ステップS121参照)。
演出制御用CPU101は、第1停電復旧表示指定コマンドを受信すると、可変表示装置9aに停電復旧していることを示す停電復旧中画面(第1復旧中画面)を表示するとともに(図42(C)参照)、第1飾り復旧フラグをセットする(ステップS623参照)。また、演出制御用CPU101は、第2停電復旧表示指定コマンドを受信すると、可変表示装置9bに停電復旧していることを示す停電復旧中画面(第2復旧中画面)を表示するとともに(図42(D)参照)、第2飾り復旧フラグをセットする(ステップS625参照)。
次いで、CPU56は、電源断時に第1特別図柄の変動中であったことを確認し(ステップS202,S204参照)、電源断時に実行されていた可変表示を開始する際に送信した第1表示結果指定コマンドを再度送信するとともに(ステップS205参照)、第1変動中復旧フラグをセットする(ステップS206参照)。演出制御用CPU101は、第1表示結果指定コマンドを受信すると、第1表示結果指定コマンドが示す第1飾り図柄の表示結果をセーブする(ステップS618,S619参照)。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理(図30参照)を終了した後に実行される第2特別図柄通常処理において、第2客待ちデモ表示指定コマンドを送信する(ステップS74に対応する第2特別図柄に関する処理を実行する部分)。
演出制御用CPU101は、第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信すると(ステップS633参照)、第2飾り復旧フラグがセットされているので、可変表示装置9bに第2初期出目を表示するとともに(ステップS636、図42(F参照))、第2初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS637参照)。ここでは、第2初期出目は、「1,2,3」であるとする。そして、演出制御用CPU101は、第2始動入賞が発生することなく所定期間(例えばt秒)が経過して第2初期出目表示計測タイマがタイムアウトすると、第2デモンストレーション画面を可変表示装置9bに表示する(ステップS816、S817の処理に対応した第1演出制御プロセス制御における処理。図42(H)参照)。すなわち、可変表示装置9bに、第2初期出目が所定期間(例えばt秒)表示されたあと、第2デモンストレーション画面が表示される。
また、CPU56は、復旧した第1特別図柄の変動時間が終了したときに(ステップS122の判定がYになったときに)第1はずれ図柄停止処理を実行する状態に移行し、第1はずれ図柄停止処理において、第1変動中復旧フラグがセットされているので第1客待ちデモ表示指定コマンドを送信する(ステップS131,S137参照)。また、第1特別図柄の停止図柄を表示する(ステップS138参照)。
演出制御用CPU101は、第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信すると(ステップS626参照)、第1飾り復旧フラグがセットされているので、可変表示装置9aに第1初期出目を表示するとともに(ステップS627,S629、図42(I))、第1初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS630参照)。ここでは、第1初期出目は、第2初期出目と同じ「1,2,3」であるとする。なお、第1初期出目は、第2初期出目と異なる図柄であってもよい。そして、演出制御用CPU101は、第1始動入賞が発生することなく所定期間(例えばt秒)が経過して第1初期出目表示計測タイマがタイムアウトすると(ステップS816参照)、第1デモンストレーション画面を可変表示装置9aに表示する(図42(J))。すなわち、可変表示装置9aに、第1初期出目が所定期間(例えばt秒)表示されたあと、第1デモンストレーション画面が表示される。
なお、上記の例においては、演出制御用CPU101が、第2停電復旧表示指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9bに停電復旧中画面(第2復旧中画面)を表示した後(図42(D))、第2客待ちデモ表示指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9bに第2初期出目を表示する(図42(F))ようにしていたが、第2停電復旧表示指定コマンドのあと直ぐに第2客待ちデモ表示指定コマンドが送信されてくるため、停電復旧中画面を表示することなく第2初期出目を表示するようにしてもよい。
以上に説明したように、複数の可変表示装置9a,9bを備えた遊技機において、可変表示装置9a,9bの少なくとも一方において可変表示が実行されているときに電源断が発生し、その後に電力供給が復旧したときに、遊技制御手段から表示制御手段に送信されるコマンドの種類を減らすことができ、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。すなわち、電源断が発生したときに可変表示中であった飾り図柄における左中右それぞれの停止図柄を指定する3つのコマンドを送信するのではなく、表示結果を示す表示結果指定コマンドを1つ送信するので、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。また、電源断が発生したときに可変表示中であった飾り図柄を電力供給が復旧したあとに停止させる図柄停止コマンドと、電力供給が復旧したあとに保留記憶がない状態が所定期間継続したときにデモンストレーション画面を表示させるための客待ちデモ表示コマンドとをそれぞれ送信するのではなく、復旧した可変表示の停止を指示するときに客待ちデモ表示コマンドを送信し、客待ちデモ表示コマンドの受信に応じて可変表示を停止させ、所定期間が停止しても始動入賞がないときにデモンストレーション画面を表示させるようにし、客待ちデモ表示指定コマンドのみを送信するようにしたので、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、遊技状態復旧処理で、複数の可変表示装置9a,9bに対応した2つの停電復旧表示指定コマンド(第1停電復旧表示指定コマンド、第2停電復旧表示指定コマンド)を送信するようにしていたが、複数の可変表示装置9a,9bに共通の停電復旧表示指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図43は、第2の実施の形態における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示された例では第1停電復旧表示指定コマンドと第2停電復旧表示指定コマンドとが別個に存在していたが、図43に示す例では、可変表示装置9a,9bにおける停電復旧中画面の表示を指定する1つの演出制御コマンド(停電復旧表示指定コマンド)のみが存在する。その他の演出制御コマンドは、第1の実施の形態における演出制御コマンドと同じである。
図44は、第2の実施の形態における遊技状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。図44に示す遊技状態復旧処理において、CPU56は、遊技状態を電源断時の状態に復旧させることを通知するための停電復旧表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS201B)。遊技状態復旧処理におけるその他の制御は、第1の実施の形態における制御と同じである。
図45は、第2の実施の形態におけるコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドが停電復旧表示指定コマンドであれば(ステップS622B)、可変表示装置9aに、停電復旧中であることを示す第1停電復旧中画面(例えば、「停電復旧中!!」の表示)を表示するとともに、第1飾り図柄復旧フラグをセットする(ステップS623)。また、可変表示装置9bに、停電復旧中であることを示す第2停電復旧中画面(例えば、「停電復旧中!!」の表示)を表示するとともに、第2飾り図柄復旧フラグをセットする(ステップS625)。コマンド解析処理におけるその他の制御は、第1の実施の形態における制御と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560および演出制御用マイクロコンピュータ100による遊技状態復旧処理およびコマンド解析処理以外の制御は、第1の実施の形態における制御と同じである。
図46は、第2の実施の形態において、電力供給が復旧したときに共通の停電復旧表示指定コマンドが送信される場合における可変表示装置9a,9b等の表示状態の例を示すタイミング図である。なお、電力供給が復旧したときの可変表示装置9a,9b等の表示状態は図42に示した例と同様であるから、以下、図42を参照して説明する。
この例では、始動入賞Aにもとづく表示結果がはずれになる特図変動Aおよび飾り変動Aの実行中であり、第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示は実行されていないときに電源断状態になり、その後に電力供給が復旧したときを例に説明する。なお、この例では、電源断が発生したとき、第1始動入賞記憶数も第2始動入賞記憶数も0であるとする。
第1の実施の形態の場合と同様に、この例では、第1特別図柄表示器8aで特図変動Aの実行中であり、可変表示装置9aで飾り変動Aの実行中であり(図42(A)参照)、第2特別図柄表示器8bおよび可変表示装置9bでは変動表示が実行されていないとき(図42(B)参照:変動表示されていない場合の例として、前回の可変表示の表示結果として「3,9,0」が表示されている状態が示されている。)に、電源断が発生して電力供給停止時処理(図26、図27参照)が実行され、その後に遊技機への電力供給が復旧して遊技状態復旧処理(図44参照)が実行されるとする。
電力供給が復旧すると、CPU56は、複数の可変表示装置9a,9bに対して共通に用いられる停電復旧表示指定コマンドを送信する(ステップS201B参照)。
演出制御用CPU101は、停電復旧表示指定コマンドを受信すると、可変表示装置9aに停電復旧していることを示す停電復旧中画面(第1復旧中画面)を表示するとともに(図42(C)参照)、可変表示装置9bに停電復旧していることを示す停電復旧中画面(第2復旧中画面)を表示する(図42(D)参照)。また、第1飾り復旧フラグをセットし(ステップS623参照)、第2飾り復旧フラグをセットする(ステップS625参照)。
次いで、CPU56は、電源断時に第1特別図柄の変動中であったことを確認し(ステップS202,S204参照)、電源断時に実行されていた可変表示を開始する際に送信した第1表示結果指定コマンドを再度送信するとともに(ステップS205参照)、第1変動中復旧フラグをセットする(ステップS206参照)。演出制御用CPU101は、第1表示結果指定コマンドを受信すると、第1表示結果指定コマンドが示す第1飾り図柄の表示結果(第1特別図柄の表示結果と同じ)をセーブする(ステップS618,S619参照)。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理(図44参照)を終了した後に実行される第2特別図柄通常処理において、第2客待ちデモ表示指定コマンドを送信する(ステップS74に対応する第2特別図柄に関する処理を実行する部分)。
演出制御用CPU101は、第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信すると(ステップS633参照)、第2飾り復旧フラグがセットされているので、可変表示装置9bに第2初期出目を表示する(ステップS636、図42(F)参照)。また、第2初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS637参照)。第2初期出目は、「1,2,3」であるとする。そして、演出制御用CPU101は、第2始動入賞が発生することなく所定期間(例えばt秒)が経過して第2初期出目表示計測タイマがタイムアウトすると、第2デモンストレーション画面を可変表示装置9bに表示する(図42(H)参照)。すなわち、可変表示装置9bに、第2初期出目が所定期間(例えばt秒)表示されたあと、第2デモンストレーション画面が表示される。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を終えて遊技制御処理を開始した後、復旧した第1特別図柄の変動時間が終了したときに、第1変動中復旧フラグがセットされているので、第1客待ちデモ表示指定コマンドを送信するとともに(ステップS131,S137参照)、第1特別図柄の停止図柄を表示する(ステップS138参照)。
演出制御用CPU101は、第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信すると(ステップS626参照)、第1飾り復旧フラグがセットされているので、可変表示装置9aに第1初期出目を表示するとともに(ステップS626,S629参照)(図42(I)参照)、第1初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS630参照)。第1初期出目は、第2初期出目と同じ「1,2,3」であるとする。そして、演出制御用CPU101は、第1始動入賞が発生することなく所定期間(例えばt秒)が経過して第1初期出目表示計測タイマがタイムアウトすると(ステップS816参照)、第1デモンストレーション画面を可変表示装置9aに表示する(ステップS817、図42(J)参照)。すなわち、可変表示装置9aに、第1初期出目が所定期間(例えばt秒)表示されたあと、第1デモンストレーション画面が表示される。
上記のように、複数の可変表示装置9a,9bに共通の停電復旧表示指定コマンドを送信すれば、複数の可変表示装置を備えた遊技機において、電力供給が復旧したときに遊技制御手段から表示制御手段に送信されるコマンドの種類を、コマンドを極力共通化することによって減らすことができ、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。すなわち、第1停電復旧表示指定コマンドと第2停電復旧表示指定コマンドとを別個に送信することなく、機能を共通化した停電復旧表示指定コマンドを1つ送信するだけでよくすることができ、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、遊技状態復旧処理において、電源断時に可変表示中であった可変表示装置(例えば可変表示装置9a)に対しても、電源断時に可変表示中でなかった可変表示装置(例えば可変表示装置9b)に対しても、それぞれ別個に停電復旧表示指定コマンド(第1停電復旧表示指定コマンドと第2停電復旧表示指定コマンド)を送信するようにしていたが、電源断時に可変表示中であった可変表示装置(例えば可変表示装置9a)に対してのみ停電復旧表示指定コマンド(例えば、第1停電復旧表示指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
図47は、電源断時に可変表示中であった可変表示装置に対してのみ停電復旧表示指定コマンドを送信する第3の実施の形態における遊技状態復旧処理の一例を示すフローチャートである。図47に示す遊技状態復旧処理において、CPU56は、遊技状態を電源断時の状態に復旧させることを通知するための停電復旧表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行うのであるが、第1停電復旧表示指定コマンドと第2停電復旧表示指定コマンドのうち、電源断時に可変表示中であった可変表示装置に対応するコマンドのみを送信する(ステップS201C)。なお、電源断時に可変表示中であった可変表示装置は、例えば第1特別図柄プロセスフラグの値および第2特別図柄プロセスフラグの値にもっとづいて判定できる。遊技状態復旧処理におけるその他の制御は、第1の実施の形態における制御と同じである。
図48は、第3の実施の形態におけるコマンド解析処理の一部を示すフローチャートである。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドが第1停電復旧表示指定コマンドであれば(ステップS622)、可変表示装置9aに、停電復旧中であることを示す第1停電復旧中画面(例えば、「停電復旧中!!」の表示)を表示するとともに、第1飾り図柄復旧フラグおよび第2飾り図柄復旧フラグをセットする(ステップS623C)。また、受信した演出制御コマンドが第2停電復旧表示指定コマンドであれば(ステップS624)、可変表示装置9bに、停電復旧中であることを示す第2停電復旧中画面(例えば、「停電復旧中!!」の表示)を表示するとともに、第1飾り図柄復旧フラグおよび第2飾り図柄復旧フラグをセットする(ステップS625C)。コマンド解析処理におけるその他の制御は、第1の実施の形態における制御と同じである。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560および演出制御用マイクロコンピュータ100による遊技状態復旧処理およびコマンド解析処理以外の制御は、第1の実施の形態における制御と同じである。
図49は、電源断時に可変表示中であった可変表示装置に対してのみ停電復旧表示指定コマンドを送信するようにした場合における電力供給が復旧したときの可変表示装置9a,9b等の表示状態の例を示すタイミング図である。図50は、電源断時に可変表示中であった可変表示装置に対してのみ停電復旧表示指定コマンドを送信するようにした場合における電力供給が復旧したときの可変表示装置9a,9b等の表示状態の例を示す説明図である。
この例では、始動入賞Aにもとづく表示結果がはずれとなる特図変動Aおよび飾り変動Aの実行中であり、第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示は実行されていないときに電源断状態になり、その後に電力供給が復旧したときを例に説明する。なお、この例では、電源断が発生したとき、第1始動入賞記憶数も第2始動入賞記憶数も0であるとする。
第1の実施の形態の場合(図47参照)と同様に、この例では、第1特別図柄表示器8aで特図変動Aの実行中であり、可変表示装置9aで飾り変動Aの実行中であり(図50(A)参照)、第2特別図柄表示器8bおよび可変表示装置9bでは変動表示が実行されていないとき(図50(B)参照:変動表示されていない場合の例として、前回の可変表示の表示結果として「3,9,0」が表示されている状態が示されている。)に、電源断が発生して電力供給停止時処理(図26、図27参照)が実行され、その後に遊技機への電力供給が復旧して遊技状態復旧処理(図47参照)が実行されるとする。
電力供給が復旧すると、CPU56は、電源断時に第1特別図柄の変動中であったことを確認し(ステップS201C参照)、第1停電復旧表示指定コマンドを送信する。なお、CPU56は、第2停電復旧表示指定コマンドを送信しない。
演出制御用CPU101は、第1停電復旧表示指定コマンドを受信すると、可変表示装置9aに停電復旧していることを示す停電復旧中画面(第1復旧中画面)を表示するとともに(図50(C)参照)、第1飾り復旧フラグおよび第2飾り復旧フラグをセットする(ステップS622,S623C参照)。
次いで、CPU56は、電源断時に第1特別図柄の変動中であったことを確認したので、電源断時に実行されていた可変表示を開始する際に送信した表示結果指定コマンドを再度送信するとともに(ステップS204,S205参照)、第1変動中復旧フラグをセットする(ステップS206参照)。演出制御用CPU101は、第1表示結果指定コマンドを受信すると、第1表示結果指定コマンドが示す第1飾り図柄の表示結果(第1特別図柄の表示結果と同じ)をセーブする(ステップS618,S619参照)。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理(図47参照)を終了した後に実行される第2特別図柄通常処理において、第2客待ちデモ表示指定コマンドを送信する(ステップS74に対応する第2特別図柄に関する処理を実行する部分)。
演出制御用CPU101は、第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信すると(ステップS633参照)、第2飾り復旧フラグがセットされているので、可変表示装置9bに第2初期出目を表示するとともに(S634,ステップS636参照)(図50(D)参照)、第2初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS637参照)。第2初期出目は、「1,2,3」であるとする。そして、演出制御用CPU101は、第2始動入賞が発生することなく所定期間(例えばt秒)が経過して第2初期出目表示計測タイマがタイムアウトすると、第2デモンストレーション画面を可変表示装置9bに表示する(図50(F)参照)。すなわち、電力供給が開始されてかた所定期間内に第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信したときは、第2飾り復旧フラグがセットされていなくても、可変表示装置9bに第2初期出目を所定期間(例えばt秒)表示したあと、第2デモンストレーション画面を表示する。
また、CPU56は、遊技状態復旧処理を終了して遊技制御処理を開始した後に、復旧した第1特別図柄の変動時間が終了したときに、第1変動中復旧フラグがセットされているので)、第1客待ちデモ表示指定コマンドを送信するとともに(ステップS131,S137参照)、第1特別図柄の停止図柄を表示する(ステップS138参照)。
演出制御用CPU101は、第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信すると(ステップS626参照)、第1飾り復旧フラグがセットされているので、可変表示装置9aに第1初期出目を表示するとともに(ステップS627,S629参照)(図50(G)参照)、第1初期出目表示計測タイマをスタートする(ステップS630参照)。第1初期出目は、第2初期出目と同じ「1,2,3」であるとする。そして、演出制御用CPU101は、第1始動入賞が発生することなく所定期間(例えばt秒)が経過して第1初期出目表示計測タイマがタイムアウトすると(ステップS816参照)、第1デモンストレーション画面を可変表示装置9aに表示する(図50(H)参照)。すなわち、可変表示装置9aに、第1初期出目が所定期間(例えばt秒)表示されたあと、第1デモンストレーション画面が表示される。
上記のように、電源断時に可変表示中であった可変表示装置に対してのみ停電復旧表示指定コマンドを送信するように構成すれば、複数の可変表示装置を備えた遊技機において、電力供給が復旧したときに遊技制御手段から表示制御手段に送信されるコマンドの種類を、必要なコマンドに絞ることによって減らすことができ、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。すなわち、第1停電復旧表示指定コマンドと第2停電復旧表示指定コマンドとを常に送信することなく、電源断時に可変表示中であった可変表示装置に対応する停電復旧表示指定コマンドのみを送信することによって、電力供給が復旧したときに遊技制御手段から表示制御手段に送信されるコマンドの種類を減らすことができ、遊技制御手段の制御負担を軽減させることができる。
図51および図52は、可変表示装置9aと可変表示装置9bとにおける飾り図柄の可変表示の一例を示す説明図である。上記の各実施の形態では、可変表示装置9aと可変表示装置9bとの2つの可変表示装置において、飾り図柄の変動表示を並行して行うことが可能である。図51および図52において、(1)(2)(3)・・・というように番号順に表示状態が遷移する。なお、図51および図52において、飾り図柄としての矢印は、飾り図柄が変動中であることを示す。
図51において、(1)の時点では、2つの可変表示装置9a,9bにおいて第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動表示が並行して実行されている。(2)に示すように、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示(変動)が可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示よりも先に終了して停止図柄(はずれ図柄)が導出表示されている。可変表示装置9aにおいて第1飾り図柄の停止図柄が導出表示されると、第1飾り図柄の可変表示を開始できる状態であるので、CPU56は、次の可変表示についての大当り判定を行う(ステップS67)。大当り判定の結果が大当りであったとする。
その後、可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示が終了し、新たな可変表示が開始される例が示されている((3),(4))。また、可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示中に、予告演出が実行される例が示されている((5))。
また、(9)の時点で、可変表示装置9aにおける第1飾り図柄の可変表示が終了し、大当り図柄が導出表示されている。そのとき、可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示は中断される(図38におけるステップS841〜S844参照)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示時間の経過の計測を中断し(図10におけるステップS314〜S316参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の可変表示時間の経過の計測を中断する(図38におけるステップS841〜S844参照。つまり、ステップS852の処理を実行しない)。可変表示の中断は、第1大当り遊技が終了するまで継続する((9)〜(12))。第1大当り遊技が終了すると、可変表示装置9bにおける第2飾り図柄の可変表示が再開される(図10におけるステップS317,S318、および図38におけるステップS848〜S850参照)。また、第2飾り図柄の可変表示が中断されているときに、可変表示装置9bには、はずれ図柄が停止表示され、可変表示(変動)が中断しているだけであって停止図柄が導出表示されている訳ではないことを示す報知表示がなされている((10)〜(12)、ステップS844,S845参照)。
このように、複数の表示装置(例えば第1特別図柄表示器8a,8b、または可変表示装置9a,9b)を用いて識別情報の変動表示を行う場合に、一方の表示装置(例えば第1特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)で大当り遊技演出が実行されているときは、他方の表示装置(例えば第2特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)における変動表示の実行期間の計測が中断されるように構成されている。すなわち、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理において第2大当り遊技が実行されている状態では、ステップS300〜S309の処理を実行しないようにして、結果として、第1変動時間タイマの値が更新されないように制御するとともに、第1中断指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS314〜S316参照)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1中断指定コマンドを受信したことに応じて、変動時間タイマの値が更新されないようにする(ステップS841〜S845)。
そのような制御を行うことによって、一方の表示装置で大当りになる変動表示が実行されていても、他方の表示装置における変動表示を遅延させることなく開始させることができるようになる。よって、一の表示装置で大当り表示結果が導出表示されることが、他の表示装置の表示態様によって遊技者が予測可能となってしまうことを防止することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、一方の表示装置(例えば第1特別図柄表示器8a、可変表示装置9a)において特定表示結果が導出表示されたことにもとづく特定遊技状態が継続している間、他方の表示装置(例えば第2特別図柄表示器8b、可変表示装置9b)で特定表示結果以外の表示態様(例えばはずれ図柄)で識別情報を停止表示するように構成されているので、特定遊技状態が継続している間に他方の表示装置で特定表示結果が停止表示されることを防止することができ、可変表示の整合をとることができるとともに、遊技者に誤解を与えてしまうことを防止することができる。
また、上記の各実施の形態では、一方の特別図柄表示器(例えば第1特別図柄表示器8a)に大当り表示結果が導出表示されたときに、他方の特別図柄表示器(例えば第2特別図柄表示器8b)における特別図柄の可変表示を中断するように構成されているので、複数の特別図柄表示器において同時期に大当り表示結果が導出表示され、複数箇所で大当たりが発生してしまうことを防止することができる。
なお、上記の各実施の形態では、特別図柄および飾り図柄の可変表示時間の計測が中断されているときに、飾り図柄の可変表示は中断されている(例えば、はずれ図柄が停止表示されている)が、特別図柄の可変表示は続行している(ステップS314〜S316の処理を実行するだけでは特別図柄の変動は中断しない。)。しかし、特別図柄および飾り図柄の可変表示時間の計測が中断されているときに、特別図柄の可変表示も中断するようにしてもよい。
逆に、特別図柄および飾り図柄の可変表示時間の計測が中断されているときに、飾り図柄の可変表示を続行するようにしてもよい。その場合には、第1飾り図柄変動中処理(図38参照)において、ステップS844およびステップS850の処理を実行しなければよい。
また、上記の各実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2第1特別図柄保留記憶表示器18bはCPU56によって制御されているが、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2第1特別図柄保留記憶表示器18bを演出制御用CPU101が制御するように構成されてもよい。
図53は、可変表示装置9aの画面の一部に第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている例を示す説明図である。なお、可変表示装置9bの画面の一部に第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている
図54は、図29に示された演出制御用CPU101が実行するメイン処理における始動入賞記憶表示制御処理(ステップS708)を示すフローチャートである。始動入賞記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1始動入賞記憶指定コマンドを受信すると(ステップS901)、そのコマンドのEXTデータで示される第1始動入賞記憶数を表す情報を、可変表示装置9aの画面の一部として設けられている第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示する(ステップS902)。また、第2始動入賞記憶指定コマンドを受信すると(ステップS903)、そのコマンドのEXTデータで示される第2始動入賞記憶数を表す情報を、可変表示装置9bの画面の一部として設けられている第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示する(ステップS904)。
そのような制御を実行することによって、停電復旧表示がなされているときに保留記憶数も表示することができ、始動入賞記憶が失われていないとの安心感を遊技者に与えることができる。なお、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2第1特別図柄保留記憶表示器18bをCPU56が制御する場合にも、電力供給が再開されたときに、始動入賞記憶数を表示するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、複数の第1特別図柄表示器8a,8bを遊技制御手段が制御するとともに、複数の可変表示装置9a,9bを演出制御手段が制御し、遊技制御手段が、大当りか否かなどの事前判定の判定結果を示す変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御手段に送信するとともに、演出制御手段が、受信した変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドにもとづいて飾り図柄の変動パターンを決定し、決定した変動パターンに従って飾り図柄を順次変動表示させるように構成したので、遊技制御手段の制御負担を増大させることなく、特別図柄および飾り図柄それぞれについて複数の表示装置を用いた可変表示を行うことができ、多くのバリエーションの演出を行うことができる。
具体的には、遊技制御手段は、飾り図柄の変動態様の全体を決定する必要がなく、また、飾り図柄の停止タイミングなどの変動状態にもすべて関与する必要がない。このため、飾り図柄の変動表示に関わる遊技制御手段の制御負担が軽減される。
また、遊技制御手段が、飾り図柄の変動態様の全体を決定しないので、飾り図柄の変動パターンの決定に用いる各種のデータ(テーブル、プログラムなど)を主基板31が備える記憶媒体に保存しておく必要がなくなる。パチンコ遊技機では、不正防止の観点から、大当りの決定を行うマイクロコンピュータでは、プログラムの書き換えを容易に判別可能にするために、記憶容量が制限されている。一方、演出制御基板80では、そのような制限がない。このようなことから、演出制御手段で飾り図柄の変動パターンを決定できるので、多くのバリエーションの演出を行うことができる。
また、上述した各実施の形態では、大当り判定用乱数の抽出処理が実行される第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理との間で大当り判定用乱数の更新処理を実行したが、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とを各回のタイマ割込処理で交互に行うように構成してもよい。すなわち、第1特別図柄プロセス処理のみを実行するタイマ割込処理と、第2特別図柄プロセス処理のみを実行するタイマ割込処理とを、タイマ割込が発生する毎に交互に行うように構成してもよい。上記のように構成すれば、1回のタイマ割込処理において第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理との双方で大当り判定用乱数の抽出処理が実行されることを防止することができ、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とで抽出値が同期してしまうことを防止することができる。よって、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とで、一つの大当り判定用乱数発生用の乱数カウンタを共通に利用しても、同期してしまうことを防止することができ、遊技の公平性を担保することができる。
なお、上述した各実施の形態では、飾り図柄は2つの可変表示装置9a,9bのそれぞれにおいて可変表示されていたが、それぞれが飾り図柄の可変表示を行う2つの表示エリアを有する1つの可変表示装置を設けてもよい。
また、上記の各実施の形態では、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560から、可変表示装置9a,9bの制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80に演出制御コマンドを送信したが、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560から、発光体や音発生手段の制御を行うマイクロコンピュータが搭載された基板に演出制御コマンドを送信し、そのマイクロコンピュータから、可変表示装置9a,9bの制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80に演出制御コマンドを送信するように構成されていてもよい。
また、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示装置9a,9bに可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。