JP2007252581A - 骨保持器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】骨折した骨を補強する補強具を前記骨に固定するために、前記骨を保持する骨保持器1であって、長尺状に延びる本体部2と、この本体部2の先端に設けられて前記骨に係合されるフック部10と、前記本体部2の先端に設けられて前記フック部10の内周面10a側に向けて延び、前記補強具の固定の際に、前記補強具を支持する支持部16と、を備え、前記支持部16に、この支持部16の長さ方向に延びる貫通孔22が形成されており、前記貫通孔22の貫通軸線L2と、前記本体部2の長さ方向に延びる本体軸線L1とが、互いに交差していることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
例えば、大腿部頸部骨折に関して取り上げてみると、骨折部の治療のための補強具の固定は、以下のように行われるのが一般的である(例えば、非特許文献1参照。)。すなわち、図13(a)に示すように、骨幹部102の上部近傍の皮膚を人体側方から切開し、この切開部を介して側方からアングルガイド103を骨幹部102の上部の所定の位置に設置する。この状態から、X線照射画像を見ながら、アングルガイド103の挿入孔103aから、先端部に雄ネジ部を有するガイドピン104を、ハンドドリルなどにより回転させながら、骨頭部105の内部の所定の位置までねじ込む。
これら処置によれば、骨頭部105が骨幹部102に固定、補強され、骨折部を適正に接合させることができる。
これら骨保持器の中には、長尺状に延びる本体部と、この本体部の先端に設けられて、骨の外周面に回り込んで骨に係合するフック部とを備えたものが知られている。これによって、骨が保持された状態で、取付孔106dを通してドリルをねじ込んで骨幹部102にネジ止め用の下孔が形成される。
ノアスメディカル株式会社 ノアスヒップスクリュー、カタログp.6
本発明に係る骨保持器は、骨折した骨を補強する補強具を前記骨に固定するために、前記骨を保持する骨保持器であって、長尺状に延びる本体部と、この本体部の先端に設けられて前記骨に係合されるフック部と、前記本体部の先端に設けられて前記フック部の内周面側に向けて延び、前記補強具の固定の際に、前記補強具を支持する支持部と、を備え、前記支持部に、この支持部の長さ方向に延びる貫通孔が形成されており、前記貫通孔の貫通軸線と、前記本体部の長さ方向に延びる本体軸線とが、互いに交差していることを特徴とする。
以下、本発明の第1の実施形態に係る骨保持器について、図面を参照して説明する。
図1から図3において、符号1は骨保持器を示している。
骨保持器1は、長尺状の本体部2を備えている。本体部2は、平板状に延びる一対の支板部2a,2bを備えており、これら一対の支板部2a,2bが互いに対向配置されて固定されている。支板部2a,2bは、ステンレスやチタンなどの金属からなっており、角部はアール加工されている。
また、支板部2a,2bの間には、本体軸線L1上に配されて長尺状に延びる連結軸11が設けられている。連結軸11は、基端貫通孔7に挿通されており、本体軸線L1上を往復移動可能に支持されている。連結軸11の基端には、グリップ15が固定されている。
そして、本体軸線L1と貫通軸線L2とが交差しており、それらのなす角θが所定の角度に設定されている。すなわち、支持部16は、本体部2に対してオフセットされており、換言すれば、支持部16は、本体部2に対して所定の角度θを持って傾斜して設けられている。
粗動機構23は、支板部2a,2bの間に設けられた粗動ユニット26を備えている。粗動ユニット26は、図5に示すように、固定ブロック27と、可動フレーム28とを備えている。固定ブロック27は、略直方体状に形成されている。そして、固定ブロック27には、その長さ方向に向けられ、本体軸線L1上に延びる粗動貫通孔31が形成されている。粗動貫通孔31には、連結軸11(図1に示す)が挿通されるようになっている。また、固定ブロック27の両側面のうち長さ方向の両端には、突起部33が形成されており、これら突起部33の間には、縦(高さ)方向の全長にわたって延びる切欠き32が形成されている。また、固定ブロック27の天面には、略直方体状の押さえ部36が設けられている。押さえ部36には、アール加工が施されている。
そして、固定ブロック27の突起部33が、支板部2a,2bの内面に形成され、かつ本体軸線L1に沿って延びる案内溝45に嵌合させられることにより、粗動ユニット26が支板部2a,2bの間で支持されている。
微動機構50は、連結軸11の外周面に形成された雄ネジ部51と、把持部3の基端貫通孔7の内周面に形成された基端雌ネジ部(雌ネジ部)55と、固定ブロック27の粗動貫通孔31の内周面に形成された中央雌ネジ部(雌ネジ部)52と、を備えている。
このような構成のもと、連結軸11は、基端雌ネジ部55と中央雌ネジ部52とを挿通されており、雄ネジ部51と、各雌ネジ部52,55とが螺合した状態になっている。そして、グリップ15を回すと、本体軸線L1を中心として連結軸11が回転し、これにより、雄ネジ部51が各雌ネジ部52,55に対して回転し、図2に示すように、連結軸11が本体軸線L1上を微動移動するようになっている。そして、連結軸11が微動移動することにより、支持部16が、フック部10の内周面10aに接近・離隔する方向に微動移動するようになっている。
なお、図9から図12において、図13と同一のものは同一符号を付し、その説明を省略する。
一般的に、大腿部頸部骨折の場合、上述したように、図9に示す骨頭部105内に、ラグスクリュー(補強具)107などの骨接合インプラントを挿入し、チューブプレート(補強具)106を骨幹部102に固定することにより、骨頭部105を骨幹部102の上部に固定、接合するという処置が行われる。
本実施形態における骨保持器1は、以下のようにして、骨幹部102を保持する。
すなわち、図9及び図10に示すように、まず、骨幹部102の外周面にフック部10を回り込ませて、骨幹部102とフック部10とを係合させる。それから、粗動機構23によって、連結軸11を介して支持部16を、チューブプレート106に向けて粗動移動させる。つまり、図11に示すように、本体部2を把持した状態で、押さえ部36を人差し指などで押さえながら、可動フレーム28の底部38bを親指等で押し込む。このとき、底部38bの外周面がドーム状に形成されていることから、親指等で押し込み易くなる。
グリップ15を所定の方向に回転させて、連結軸11を回転させ、フック部10の内周面10aに向けて支持部16を微動移動させる。そして、チューブプレート106が動かなくなるまで、フック部10と支持部16とで骨幹部102をしっかりと挟んでいく。このとき、フック部10と支持部16とによって骨幹部102が把持されるだけでなく、支持部16によってチューブプレート106が動かないように支持される。
さらに、微動機構50が設けられていることから、支持部16の微調整を容易に行うことができ、骨幹部102を保持しながらチューブプレート106を確実に支持することができる。
また、本体軸線L1と貫通軸線L2とが互いに傾斜していることから、骨幹部102を保持し、チューブプレート106を支持した状態で、図10に示すように、切開口57を広げた状態のまま維持することができる。そのため、切開口を広げるための開創器などが不要となり、迅速かつ容易に処置を行うことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
2 本体部
10 フック部
10a 内周面(フック部の内周面)
11 連結軸
16 支持部
22 支持貫通孔
23 粗動機構
39 可動部材
43 係合凸部(係合部)
44 係合凹部(被係合部)
50 微動機構
51 雄ネジ部
52 中央雌ネジ部(雌ネジ部)
55 基端雌ネジ部(雌ネジ部)
106 チューブプレート(補強具)
107 ラグスクリュー(補強具)
L1 本体軸線
L2 貫通軸線
P1 接触位置
P2 非接触位置
Claims (5)
- 骨折した骨を補強する補強具を前記骨に固定するために、前記骨を保持する骨保持器であって、
長尺状に延びる本体部と、
この本体部の先端に設けられて前記骨に係合されるフック部と、
前記本体部の先端に設けられて前記フック部の内周面側に向けて延び、前記補強具の固定の際に、前記補強具を支持する支持部と、を備え、
前記支持部に、この支持部の長さ方向に延びる貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の貫通軸線と、前記本体部の長さ方向に延びる本体軸線とが、互いに交差していることを特徴とする骨保持器。 - 前記本体部が、
前記本体軸線上に延び、かつ、前記本体軸線上を移動可能な連結軸を備え、
この連結軸の先端に、前記支持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の骨保持器。 - 前記連結軸及び前記支持部を微動させる微動機構と、
前記連結軸及び前記支持部を粗動させる粗動機構と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の骨保持器。 - 前記微動機構が、
前記連結軸に形成された雄ネジ部と、
前記本体部に形成された雌ネジ部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の骨保持器。 - 前記粗動機構が、
前記連結軸に連結され、かつ、前記本体部の外面に接触する接触位置と非接触位置との間を、前記本体軸線と交差する方向に移動可能な可動部材を備え、
前記可動部材のうち、この可動部材が前記接触位置に配されたとき前記本体部の外面に接触する位置に、前記交差する方向に延びる係合部が設けられ、
前記本体部の外面に、前記可動部材が前記接触位置に配されたときに前記係合部に係合される被係合部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の骨保持器。
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