JP2007252021A - スイッチング電源装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】平滑用コンデンサの容量低下時に大きな負荷変動があっても電源電圧の変動を抑制できるようにする。
【解決手段】コンデンサ劣化検出部306で平滑用コンデンサ22の容量低下を検出し、容量低下が検出された場合に負荷40の制御状態をFF制御系309によって定電圧スイッチング回路20へフィードフォワードしてスイッチング素子202のスイッチング制御を行わせることで、平滑用コンデンサ22の容量低下時に大きな負荷変動があっても負荷40の制御状態のフィードフォワードを加味したスイッチング素子202のスイッチング制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく出力電圧Voの変動を抑制する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、スイッチング電源装置およびその制御方法に関し、特に平滑用コンデンサの容量低下時に大きな負荷変動があっても電源電圧の変動を抑制できるスイッチング電源装置およびその制御方法に関するものである。
従来、電源電圧を所定の電圧に変圧し、変圧した電圧を負荷に印加する定電圧スイッチング回路を有するスイッチング電源装置が知られている。かかるスイッチング電源装置においては、定電圧スイッチング回路は、コイル等への通電をスイッチング素子のスイッチングにより断続的に行うことにより発生するサージ電圧を利用し、出力側の平滑用コンデンサにチャージすることにより一定の出力電圧を発生させている。このため、通常は定電圧スイッチング回路の出力電圧をモニタし、出力電圧の変動をフィードバックさせることでスイッチング素子のオン/オフデューティを可変制御するようにしている。ここで、定電圧スイッチング回路による出力電圧の供給は、スイッチング素子のオン/オフデューティに従うあるタイミングでしか実行されないが、負荷の急変等の負荷変動による電圧変動(リップル電圧)が生じても平滑用コンデンサの容量によって最小限となるように抑制される。
特開平11−346476号公報 特開2000−308339号公報
しかしながら、例えば平滑用コンデンサに経時的な劣化等が発生し、容量が低下することで容量抜けが生ずると、急激な電力消費等による大きな負荷変動が生じた場合に定電圧スイッチング回路の出力電圧に大きな落込みを生じてもフィードバック制御では遅れを生じて対応しきれず該出力電圧を一定に維持できなくなってしまうという課題がある。
図17は、負荷消費電流Iの変動に対する定電圧スイッチング回路の昇圧電圧(出力電圧)Voの変動の様子を示す説明図である。図17(a)に示すような負荷消費電流Iの変動に対して、平滑用コンデンサの劣化がなく容量低下がない場合であれば、図17(b)に示すように、昇圧電圧Voはほぼ一定となるように制御されるが、平滑用コンデンサが劣化して容量低下を生じた場合には、図17(c)に示すように、負荷消費電流Iの大きな負荷変動に追従できずに昇圧電圧Voに大きな変動を生じてしまい、一定電圧に維持できなくなってしまう。
これに対して、スイッチング電源装置に関連して平滑用コンデンサの劣化、故障等を検出する技術は種々提案されているが(例えば、特許文献1,2等参照)、平滑用コンデンサの交換を適正に行う等のために劣化を検出するに過ぎず、上記課題を解決するものではない。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、平滑用コンデンサの容量低下時に大きな負荷変動があっても電源電圧の変動を抑制できるスイッチング電源装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係るスイッチング電源装置は、スイッチング素子を含む定電圧スイッチング回路と、該定電圧スイッチング回路と負荷との間に接続される平滑用コンデンサと、前記定電圧スイッチング回路の出力電圧が所望の定電圧となるように該出力電圧をフィードバックして前記スイッチング素子のスイッチング制御を行わせるフィードバック制御系とを備え、前記負荷に前記定電圧スイッチング回路の出力電圧を印加するスイッチング電源装置であって、前記平滑用コンデンサの容量低下を検出する検出手段と、前記平滑用コンデンサの容量低下が検出された場合に前記負荷の制御状態を前記定電圧スイッチング回路へフィードフォワードして前記スイッチング素子のスイッチング制御を行わせるフィードフォワード制御系と、を備えたことを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、平滑用コンデンサの容量低下を検出し、容量低下が検出された場合に負荷の制御状態を定電圧スイッチング回路へフィードフォワードしてスイッチング素子のスイッチング制御を行わせることとしたので、平滑用コンデンサの容量低下時に大きな負荷変動があっても平滑用コンデンサの容量変化を電圧制御に反映することができ、負荷の制御状態のフィードフォワードを加味したスイッチング素子のスイッチング制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができる。
また、請求項2の発明に係るスイッチング電源装置は、請求項1の発明において、前記フィードフォワード制御系は、検出された前記平滑用コンデンサの容量低下の度合いに応じて前記定電圧スイッチング回路へのフィードフォワード量を可変させることを特徴とする。
この請求項2の発明によれば、検出された平滑用コンデンサの容量低下の度合いに応じて定電圧スイッチング回路へのフィードフォワード量を可変させることとしたので、容量低下の度合いが大きくても負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができる。
また、請求項3の発明に係るスイッチング電源装置は、請求項1または2の発明において、前記負荷への電力供給量を判定し、該電力供給量が所定値以上の場合に前記フィードフォワード制御系による制御を有効とさせる負荷レベル判定手段を備えたことを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、負荷への電力供給量を判定し、該電力供給量が所定値以上の場合にフィードフォワード制御系による制御を有効とさせることとしたので、負荷への電力供給量が小さい場合にはコンデンサ容量の大小に関わらず負荷変動があっても元々電圧落込み量が少なく負荷変動に伴う影響が少ない一方、強制的にフィードフォワード制御を行うと逆に電圧が必要以上に上昇してハンチングを生じて安定性を欠く可能性があることから、無駄なフィードフォワード制御の実行を回避することができる。
また、請求項4の発明に係るスイッチング電源装置は、請求項1〜3のいずれか一つの発明において、前記平滑用コンデンサは、容量値が温度依存性を有するコンデンサであり、該平滑用コンデンサ近傍の温度を検出する温度センサを備え、前記検出手段は、前記温度センサにより検出された温度が所定温度以下であることに基づき前記平滑用コンデンサの容量低下を検出することを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、容量値が温度依存性を有する平滑用コンデンサ近傍の温度を検出し、検出された温度が所定温度以下であることに基づき平滑用コンデンサの容量低下を検出することとしたので、容量値が温度依存性を有する平滑用コンデンサは周囲温度が所定温度以下に低い場合には劣化時と同様に容量が低下することから、低温環境下で大きな負荷変動があっても電源電圧の変動を抑制することができる。
また、請求項5の発明に係るスイッチング電源装置の制御方法は、スイッチング素子を含む定電圧スイッチング回路と、該定電圧スイッチング回路と負荷との間に接続される平滑用コンデンサと、前記定電圧スイッチング回路の出力電圧が所望の定電圧となるように該出力電圧をフィードバックして前記スイッチング素子のスイッチング制御を行わせるフィードバック制御系とを備え、前記負荷に前記定電圧スイッチング回路の出力電圧を印加するスイッチング電源装置の制御方法であって、前記負荷の制御状態として所定値以上の負荷変動を検出する工程と、前記平滑用コンデンサの容量低下を検出する工程と、前記平滑用コンデンサの容量低下が検出された場合の所定値以上の負荷変動時に該容量低下分の補正量を前記定電圧スイッチング回路へフィードフォワードして前記フィードバック制御系によるスイッチング制御に重畳させて前記スイッチング素子を制御する工程と、を含んだことを特徴とする。
この請求項5の発明によれば、負荷の制御状態として所定値以上の負荷変動を検出するとともに、平滑用コンデンサの容量低下を検出し、容量低下が検出された場合の所定値以上の負荷変動時に該容量低下分の補正量を定電圧スイッチング回路へフィードフォワードしてフィードバック制御系によるスイッチング制御に重畳させてスイッチング素子を制御することとしたので、平滑用コンデンサの容量低下時に大きな負荷変動があっても平滑用コンデンサの容量低下分を電圧制御に反映することができ、フィードフォワードにより平滑用コンデンサの容量低下分を重畳したスイッチング素子のスイッチング制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができる。
請求項1の発明によれば、平滑用コンデンサの容量低下を検出し、容量低下が検出された場合に負荷の制御状態を定電圧スイッチング回路へフィードフォワードしてスイッチング素子のスイッチング制御を行わせるよう構成したので、平滑用コンデンサの容量低下時に大きな負荷変動があっても平滑用コンデンサの容量変化を電圧制御に反映することができ、負荷の制御状態のフィードフォワードを加味したスイッチング素子のスイッチング制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができるという効果を奏する。
また、請求項2の発明によれば、検出された平滑用コンデンサの容量低下の度合いに応じて定電圧スイッチング回路へのフィードフォワード量を可変させるよう構成したので、容量低下の度合いが大きくても負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができるという効果を奏する。
また、請求項3の発明によれば、負荷への電力供給量を判定し、該電力供給量が所定値以上の場合にフィードフォワード制御系による制御を有効とさせるよう構成したので、負荷への電力供給量が小さい場合にはコンデンサ容量の大小に関わらず負荷変動があっても元々電圧落込み量が少なく負荷変動に伴う影響が少ない一方、強制的にフィードフォワード制御を行うと逆に電圧が必要以上に上昇してハンチングを生じて安定性を欠く可能性があることから、無駄なフィードフォワード制御の実行を回避することができるという効果を奏する。
また、請求項4の発明によれば、容量値が温度依存性を有する平滑用コンデンサ近傍の温度を検出し、検出された温度が所定温度以下であることに基づき平滑用コンデンサの容量低下を検出するよう構成したので、容量値が温度依存性を有する平滑用コンデンサは周囲温度が所定温度以下に低い場合には劣化時と同様に容量が低下することから、低温環境下で大きな負荷変動があっても電源電圧の変動を抑制することができるという効果を奏する。
また、請求項5の発明によれば、負荷の制御状態として所定値以上の負荷変動を検出するとともに、平滑用コンデンサの容量低下を検出し、容量低下が検出された場合の所定値以上の負荷変動時に該容量低下分の補正量を定電圧スイッチング回路へフィードフォワードしてフィードバック制御系によるスイッチング制御に重畳させてスイッチング素子を制御するようにしたので、平滑用コンデンサの容量低下時に大きな負荷変動があっても平滑用コンデンサの容量低下分を電圧制御に反映することができ、フィードフォワードにより平滑用コンデンサの容量低下分を重畳したスイッチング素子のスイッチング制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るスイッチング電源装置およびその制御方法の好適な実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明に係るスイッチング電源装置の実施例1の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、実施例1に係るスイッチング電源装置1は、電源10、定電圧スイッチング回路20、平滑用コンデンサ22、制御回路30、負荷40を有する。電源10は、スイッチング電源装置1の電源であり、バッテリ等による直流電源である。定電圧スイッチング回路20は、電源10に対して適宜配線により接続され、この電源10の電圧Viを所定の電圧Voに昇圧し、昇圧した出力電圧Voを負荷40に印加するチョッパ式昇圧定電圧回路であり、コイル201、スイッチング素子202、ドライバ203およびダイオード204を有する。コイル201は、電源10によって励磁される電磁コイルである。スイッチング素子202は、オン/オフ動作に伴いコイル201を地絡または開放するトランジスタ等の半導体スイッチまたは電磁式リレー等のスイッチング素子である。ドライバ203は、PWM(パルス幅変調)信号のオン/オフデューティに従いスイッチング素子202をオン/オフ駆動する駆動回路である。ダイオード204は、整流ダイオードである。また、平滑用コンデンサ22は、定電圧スイッチング回路20が昇圧した出力電圧Voを平滑化して負荷40に印加するためのものであり、例えばアルミニウム電解コンデンサが用いられている。ここで、平滑用コンデンサ22は、負荷変動による出力電圧Voの変動を抑制し得る容量を有する。
図1を参照して、定電圧スイッチング回路20および平滑用コンデンサ22の基本的動作について説明する。スイッチング素子202がオンの場合、電源1、コイル201およびスイッチング素子202に流れる電流によってコイル201が励磁され、コイル201は電気エネルギーを蓄積する。一方、スイッチング素子202がオフすると、コイル201に蓄積された電気エネルギーがサージ電圧として昇圧された状態で平滑用コンデンサ22を充電して一定電圧を発生するとともに負荷40に供給される。そこで、スイッチング素子202のオン/オフによるスイッチング制御をPWM信号のオン/オフデューティに従い周期的に繰返すことによって、定電圧スイッチング回路20は、電源10の電圧Viを所定の電圧Voに昇圧し、昇圧した出力電圧Voを負荷40に印加することができる。
制御回路30は、スイッチング電源装置1の全体の制御、すなわち負荷40の供給電力制御と定電圧スイッチング回路20の出力電圧Voの制御とを同時に行う制御部であり、一部実装回路構成に加えてCPUによる制御を主体とするマイクロコンピュータ構成のものである。制御回路30は、比較回路301、PWM演算制御部302、負荷出力算出部303、負荷制御部304、負荷出力変動判定部305、コンデンサ劣化検出部306、FF(フィードフォワード)制御部307、FB(フィードバック)制御系308、FF制御系309等を有する。
比較回路301は、定電圧スイッチング回路20の出力電圧である平滑用コンデンサ22の両端の電圧Voをモニタし、目標とする所望の参照電圧Vtと比較することで参照電圧Vtに対する出力電圧voの変動幅(リップル)を常時監視するためのものである。PWM演算制御部302は、モニタされる出力電圧Voが常に参照電圧Vtで一定となるように比較回路301からの比較出力に基づいてPWM信号のオン/オフデューティを増減補正してドライバ203に出力することでスイッチング素子202のスイッチング制御を行わせるためのものである。比較回路301は、PWM演算制御部302ととともにFB制御系308を構成する。
また、負荷出力算出部303は、負荷40の駆動を要するための外部操作入力に基づいて負荷40に供給するための負荷出力(電力供給量であり、例えば駆動電流)を算出する。負荷制御部304は、負荷出力算出部303により算出された負荷出力に基づいて負荷40を駆動制御する。負荷出力変動判定部305は、制御タイミング毎に前回の負荷出力との差を演算することで、負荷40の制御状態として所定値以上の負荷変動が生ずるか否かを判定する。これにより、制御回路30は、所定値以上の負荷変動が生ずる場合、その負荷変動の生ずるタイミングを把握していることとなる。
さらに、コンデンサ劣化検出部306は、出力電圧Voの変動をモニタすることで平滑用コンデンサ22の劣化に伴う容量低下を検出するための検出手段である。実施例1のスイッチング電源装置1は、負荷変動による出力電圧Voの変動を平滑用コンデンサ22の容量により抑制しているため、この平滑用コンデンサ22に容量抜け(容量低下)が生ずると、急激な負荷変動があった場合の電圧落込みが大きくなってしまい、出力電圧Voを参照電圧Vtに対応する一定値に維持できなくなる。ここで、平滑用コンデンサ22の容量低下は、平滑用コンデンサ22が経時的に劣化した場合に典型的に生ずる一方、急激な負荷変動が生ずるタイミングは、負荷出力変動判定部305を通じて把握されている。そこで、コンデンサ劣化検出部306は、負荷出力変動判定部305の判定出力に基づき所定値以上の負荷変動が生ずるタイミングで、定電圧スイッチング回路20の出力電圧Voの電圧落込み量(リップル幅)をモニタし、その電圧落込み量が初期の想定範囲から外れるような規定値Vth以上である場合には、劣化して容量が低下していることを検出する。
図2は、平滑用コンデンサ22の劣化検出のタイミング制御例の一例を示す概略タイミングチャートである。負荷の制御状態として、例えばオフからオンに切換えられることによる急激な負荷変動時に、その負荷変動に伴う出力電圧Voの電圧落込み量が規定値Vth以上に大きければ平滑用コンデンサ22が劣化して容量低下を生じていると判断することができる。一方、平滑用コンデンサ22が劣化しておらず、規定の容量値を有する場合には、負荷変動分を吸収し得るため、出力電圧Voの電圧落込みは生ぜず、または生じてもわずかな電圧落込み量となる。
FF制御部307は、コンデンサ劣化検出部306によって平滑用コンデンサ22の劣化に伴う容量低下が検出された場合以降の所定値以上の負荷変動時には容量低下分の補正量として負荷40の制御状態をPWM演算制御部302によるオン/オフデューティの演算に反映させるようフィードフォワードさせることで、FB制御系308によるスイッチング制御に重畳させてスイッチング素子202を制御させるためのものである。FF制御部307は、PWM演算制御部302とともにFF制御系309を構成する。即ち、FF制御系309は、平滑用コンデンサ22が劣化した場合には容量低下を生じ、この状態での所定値以上の負荷変動時には出力電圧Voの電圧落込み量が大きくなってしまうことから、平滑用コンデンサ22の劣化に伴う容量低下が検出された場合以降の所定値以上の負荷変動時には、FB制御系308によるフィードバック制御に加えて、フィードフォワード制御によって出力電圧Voの電圧落込みに対する定電圧スイッチング回路20の出力感度(PWM信号のオン/オフデューティ)を上げ、電圧落込みに対して早めに出力電圧Voが大きくなるように制御することで、電圧落込み量を最小限に抑える。
図3は、平滑用コンデンサ22の容量が低下した場合であって負荷変動時に対してフィードフォワード制御適用の有無に応じた出力電圧Voの変動の様子を誇張して模式的に示す電圧波形図である。同図中、実線はフィードフォワード適用ありの場合の波形を示し、破線はフィードフォワード適用なしの場合の波形を示す。出力電圧Voが一旦落ち込まないと変動がわからないため、フィードフォワード制御適用の有無に関わらず電圧落出しは一緒であるが、その後は、電圧落込みに対して早めに出力電圧を大きくするようにフィードフォワード制御によって出力感度を上げる早期対応により電圧落込み量が最小限に抑えられる。また、フィードフォワード適用ありの場合、電圧落込み量が小さくなる分、所望の電圧値への復帰も早くなる。
次に、図4を参照して、実施例1の制御回路30による動作制御例を説明する。図4は、制御回路30により実行される動作制御例を示す概略フローチャートである。基本的には、負荷40の制御状態として所定値以上の負荷変動を検出する工程と、平滑用コンデンサ22の容量低下を検出する工程と、平滑用コンデンサ22の容量低下が検出された場合の所定値以上の負荷変動時に該容量低下分の補正量を定電圧スイッチング回路20へフィードフォワードしてFB制御系308によるスイッチング制御に重畳させてスイッチング素子202を制御する工程とを含んでいる。
同図に示すように、まず、負荷40に対する何らかの外部操作入力があるか否かを随時監視し(ステップS101)、外部操作入力があった場合には(ステップS101;Yes)、負荷出力算出部303によって操作量に伴う負荷出力I(n)を算出する(ステップS102)。負荷制御部304は、算出された負荷出力I(n)に基づいて負荷40を駆動制御する。この処理と並行して、比較回路301によって定電圧スイッチング回路20の出力電圧Voを随時モニタする(ステップ103)。そして、負荷出力変動判定部305は、算出された負荷出力I(n)と前回の負荷出力I(n-1)との差(絶対値)を演算することで負荷変動量を求め、この負荷変動量があらかじめ設定されている所定値A以上であるか否かを判定する(ステップS104)。
ここで、負荷変動量が所定値Aよりも小さい場合には(ステップS104;No)、平滑用コンデンサ22の容量低下の有無に関わらず負荷変動に対する出力電圧Voの落込みは問題とならないため、FB制御系308を機能させる。即ち、ステップS103でモニタされた出力電圧Voと参照電圧Vtとの差(リップル量)を比較回路301で求め、PWM演算制御部302でこの差(Vt−Vo)にフィードバック制御用の所定の係数xを乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=x(Vt−Vo)として求め(ステップS108)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。ドライバ203は、PWM演算制御部302から出力されるオン/オフデューティDuty(n)に従うPWM信号に基づいてスイッチング素子202のオン/オフスイッチング制御を行うことで、出力電圧Voのリップル変動を抑制し、目標とする参照電圧Vtに維持させる。その後、次回の制御のために、今回のオン/オフデューティDuty(n)を前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に置換え(ステップS111)、今回の負荷出力I(n)を前回の負荷出力I(n-1)に置換える(ステップS112)。ここで、ステップS108を経る処理がFB制御系308による制御として実行される。
一方、負荷変動量が所定値A以上の場合には(ステップS104;Yes)、平滑用コンデンサ22の劣化が検出済みであることを示すフィードフォワード(FF)系フラグが立てられているか否かをチェックし(ステップS105)、FF系フラグが立てられていなければ(ステップS105;No)、コンデンサ劣化検出部306は、負荷出力変動判定部305から出力される所定値A以上の負荷変動のタイミングで、出力電圧Voをモニタすることで、この出力電圧Voの落込み量が所定値Vth以上であるか否かにより、平滑用コンデンサ22に劣化が生じているか否かを判定する(ステップS106)。出力電圧Voの落込み量が所定値Vthよりも小さければ(ステップS106;No)、平滑用コンデンサ22に劣化が生じていないものと判定し、ステップS108を経るFB制御系308の制御に移行する。
出力電圧Voの落込み量が所定値Vth以上であれば(ステップS106;Yes)、平滑用コンデンサ22は劣化し容量低下を生じているものと判定し、FF制御系309は、FF系フラグを立て、以後、フィードフォワード制御を可能とする(ステップS107)。即ち、1回目の所定値A以上の電圧落込みの検出により平滑用コンデンサ22の劣化を検出し、この検出時点を境に、コンデンサ劣化以前とコンデンサ劣化以後とで制御を切換えるためにFF系フラグが利用される。
そして、その後の制御において、負荷変動量が所定値A以上であって(ステップS104;Yes)、FF系フラグが立てられている状況では(ステップS105;Yes)、平滑用コンデンサ22の容量低下が検出された場合の所定値A以上の負荷変動時に相当し、PWM演算制御部302に対してFF制御部307が機能する。即ち、PWM演算制御部302は、差(Vt−Vo)にフィードフォワード制御用の所定の係数αを乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=α(Vt−Vo)として求め(ステップS109)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。ここで、係数αは、出力感度に相当し、フィードバック制御用の係数xよりも感度の高いものである。即ち、係数αは、係数xに対して平滑用コンデンサ22の容量低下分の補正量をフィードフォワードにより重畳させることで感度を上げたものであり、出力電圧Voの落込みに対して早めに出力を大きくさせ得るオン/オフデューティを生成する。
ドライバ203は、PWM演算制御部302から出力されるオン/オフデューティDuty(n)に従うPWM信号に基づいてスイッチング素子202のオン/オフスイッチング制御を行うことで、大きな負荷変動があっても電圧落込み量を最小限に抑えることで、出力電圧Voの変動を抑制し、目標とする参照電圧Vtに維持させる。その後、次回の制御のために、今回のオン/オフデューティDuty(n)を前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に置換え(ステップS111)、今回の負荷出力I(n)を前回の負荷出力I(n-1)に置換える(ステップS112)。ここで、ステップS109を経る処理がFF制御系309による制御として実行される。
図5は、平滑用コンデンサ22の容量低下時における実施例1による負荷消費電流Iの変動に対する定電圧スイッチング回路20の昇圧電圧(出力電圧)Voの変動の様子を示す説明図である。図5(a)に示すような負荷消費電流Iの大きな負荷変動に対して、その負荷変動のタイミングでのフィードフォワード制御がない場合であれば、図5(b)中に破線で示すように、出力電圧Voの変動は図17(c)の場合と同様に大きいが、負荷変動のタイミングでのフィードフォワード制御を行うことで、図5(b)中に実線で示すように、負荷変動に対する出力電圧Voの変動が抑制される。
上述してきたように、本実施例1では、スイッチング電源装置1は、平滑用コンデンサ22の容量低下を検出し、容量低下が検出された場合に負荷40の制御状態を定電圧スイッチング回路20へフィードフォワードしてスイッチング素子202のスイッチング制御を行わせることとしたので、平滑用コンデンサ22の容量低下時に大きな負荷変動があっても平滑用コンデンサ22の容量変化を電圧制御に反映することができ、負荷40の制御状態のフィードフォワードを加味したスイッチング素子202のスイッチング制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができる。
また、本実施例1では、コンデンサ劣化検出部306は、平滑用コンデンサ22の劣化を検出することで該平滑用コンデンサ22の容量低下を検出することとしたので、平滑用コンデンサ22の容量低下を生ずる典型例として該平滑用コンデンサ22の劣化時に大きな負荷変動があっても電源電圧の変動を抑制することができる。
次に、図6を参照して、実施例1の制御回路30による動作制御例の変形例を説明する。図6は、制御回路30により実行される動作制御例の変形例を示す概略フローチャートである。この変形例は、コンデンサ劣化検出部306により検出された平滑用コンデンサ22の劣化の程度(容量低下の度合い)に応じてFF制御系309によるフィードフォワード量を可変させるようにしたものである。
この変形例では、ステップS107に相当するステップS107aの処理において、平滑用コンデンサ22の劣化を検出した場合、FF用フラグを立てるとともに、その劣化量の程度も判定する。そして、ステップS109に相当する処理では、検出された平滑用コンデンサ22の劣化の程度が所定値B以上であるか否かを判定し(ステップS109a)、劣化があってもその劣化の程度が所定値Bよりも小さければ(ステップS109a;No)、差(Vt−Vo)にフィードフォワード制御用の所定の係数α1を乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=α1(Vt−Vo)として求め(ステップS109b)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。
一方、劣化の程度が所定値B以上の場合であれば(ステップS109a;Yes)、差(Vt−Vo)にフィードフォワード制御用の所定の係数α1よりも感度の高い係数α2を乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=α2(Vt−Vo)として求め(ステップS109c)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。
この変形例では、FF制御系309は、検出された平滑用コンデンサ22の容量低下の度合いに応じて定電圧スイッチング回路20へのフィードフォワード量を可変させることとしたので、容量低下の度合いが大きくても負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく出力電圧Voの変動を抑制することができる。
図7は、本発明に係るスイッチング電源装置1aの実施例2の構成を示す機能ブロック図である。図7を参照して、実施例2に係るスイッチング電源装置1aの構成について説明する。なお、図1に示した実施例1に係るスイッチング電源装置1の構成との相違点について説明し、共通点については省略する。
図7に示すように、図1に示した実施例1に係るスイッチング電源装置1の構成との相違点は、制御回路30aが備える負荷出力レベル判定部310である。負荷制御部304によって制御される負荷40への電力供給量が小さい場合には平滑用コンデンサ22の容量の大小に関わらず所定値以上の負荷変動があっても元々電圧落込み量が少なく負荷変動に伴う影響が少ない一方、強制的にフィードフォワード制御を行うと逆に電圧が必要以上に上昇してハンチングを生じて(図2中に示す仮想線参照)、安定性を欠く可能性がある。そこで、負荷出力レベル判定部310は、負荷出力算出部303によって算出された負荷出力I(n)のレベル(電力供給量)があらかじめ設定されている所定値以上であるか否かを判定し、所定値以上の場合にはFF制御系309による制御を有効とするためにFF制御部307に対して有効信号を出力する一方、所定値よりも小さい場合にはFF制御系309による制御を無効とするためにFF制御部307に対して無効信号を出力する負荷レベル判定手段である。
次に、図8を参照して、実施例2の制御回路30aによる動作制御例を説明する。図8は、制御回路30aにより実行される動作制御例を示す概略フローチャートである。同図に示すように、図4に示した実施例1に係る制御回路30の動作制御例との相違点は、ステップS104,S105間に付加したステップS121の処理である。
所定値A以上の負荷変動がある場合(ステップS104;Yes)であっても、負荷出力算出部303により算出された負荷出力I(n)が所定値Cよりも小さい場合には(ステップS121;No)、負荷出力レベル判定部310は、FF制御部307に対して無効信号を出力することで、ステップS105以降の処理に移行せずにステップS108を経るFB制御系308の制御に移行させる。一方、負荷出力算出部303により算出された負荷出力I(n)が所定値C以上である場合には(ステップS121;Yes)、負荷出力レベル判定部310は、FF制御部307に対して有効信号を出力することで、ステップS105以降の処理への移行を可能とし、FF制御系309による制御を有効とする。
上述してきたように、本実施例2では、スイッチング電源装置1aは、負荷出力レベル判定部310を備え、負荷40への電力供給量を判定し、該電力供給量が所定値以上の場合にFF制御系309による制御を有効とさせることとしたので、負荷40への電力供給量が小さい場合の無駄なフィードフォワード制御の実行を回避することができる。
次に、図9を参照して、実施例2の制御回路30aによる動作制御例の変形例を説明する。図9は、制御回路30aにより実行される動作制御例の変形例を示す概略フローチャートである。この変形例は、負荷出力算出部303により算出された負荷40への負荷出力(電力供給量)に応じてFF制御系309によるフィードフォワード量を何分割かに分割して段階的に可変させるようにしたものである。
この変形例では、ステップS109に相当する処理において、まず、負荷出力I(n)があらかじめ設定されている所定値D以上であるか否かを判定する(ステップS109d)。ただし、所定値Dは、所定値Cよりも大きな値である。負荷出力I(n)が所定値C以上であって所定値Dよりも小さい場合には(ステップS109d;No)、差(Vt−Vo)にフィードフォワード制御用の所定の係数β1を乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=β1(Vt−Vo)として求め(ステップS109e)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。
一方、負荷出力I(n)が所定値D以上である場合には(ステップS109d;Yes)、差(Vt−Vo)にフィードフォワード制御用の所定の係数β1よりも感度の高い所定の係数β2を乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=β2(Vt−Vo)として求め(ステップS109f)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。
さらに、図10を参照して、実施例2の制御回路30による動作制御例の別の変形例を説明する。図10は、制御回路30aにより実行される動作制御例の別の変形例を示す概略フローチャートである。この変形例は、負荷出力算出部303により算出された負荷40への負荷出力(電力供給量)に応じてFF制御系309によるフィードフォワード量を連続的に可変させるようにしたものである。
この変形例では、ステップS109に相当する処理において、差(Vt−Vo)にフィードフォワード制御用の所定の係数(I(n)/γ)(γは所定の定数)を乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=(I(n)/γ)(Vt−Vo)として求め(ステップS109g)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。即ち、所定の係数(I(n)/γ)が負荷出力I(n)に応じて連続的に可変され、フィードフォワード制御に供される。
これらの変形例では、スイッチング電源装置1aは、負荷40への電力供給量に応じて段階的または連続的に定電圧スイッチング回路20へのフィードフォワード量を可変させることとしたので、平滑用コンデンサ22の容量低下時に電圧変動を引き起こす要因となる負荷変動のレベルが異なってもそのレベルに応じたフィードフォワード制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく電源電圧の変動を抑制することができる。
図11は、本発明に係るスイッチング電源装置1bの実施例3の構成を示す機能ブロック図である。図11を参照して、実施例3に係るスイッチング電源装置1bの構成について説明する。なお、図1に示した実施例1に係るスイッチング電源装置1の構成との相違点について説明し、共通点については省略する。
図11に示すように、図1に示した実施例1に係るスイッチング電源装置1の構成との相違点は、サーミスタ24と、制御回路30bが備える温度低下検出部311である。サーミスタ24は、平滑用コンデンサ22の近傍に配設され、平滑用コンデンサ22の雰囲気温度を常時検出する。温度低下検出部311は、サーミスタ24により検出される平滑用コンデンサ22の雰囲気温度を監視し、この雰囲気温度が所定の低温閾値以下に低下した場合には平滑用コンデンサ22に容量低下を生ずることを検出するための検出手段である。
平滑用コンデンサ22が、例えばアルミニウム電解コンデンサの場合、図12に示すように容量値が温度依存性を有し、雰囲気温度が所定温度(例えば、25℃)よりも高いと規定容量を呈示するが、所定温度以下の低温環境では容量が温度に従い低下する特性を示す。したがって、平滑用コンデンサ22は、劣化していない場合であっても、その雰囲気温度が低温環境にあっては劣化時の場合と同様の容量低下に伴う容量抜けを生ずる。これにより、低温環境下では、所定値以上の負荷変動があった場合、平滑用コンデンサ22の容量抜けにより、出力電圧Voの変動を抑制できなくなってしまう。
そこで、実施例3では、サーミスタ24により検出される平滑用コンデンサ22の雰囲気温度を温度低下検出部311により常時監視し、この雰囲気温度が所定の低温閾値以下に低下した場合には平滑用コンデンサ22に容量低下を生ずるものと判定し、所定値以上の負荷変動時にはフィードバック制御にフィードフォワード制御を重畳させることで、電圧落込みを軽減させるものである。
次に、図13を参照して、実施例3の制御回路30bによる動作制御例を説明する。図13は、制御回路30bにより実行される動作制御例を示す概略フローチャートである。同図に示すように、図4に示した実施例1に係る制御回路30の動作制御例との相違点は、ステップS131,S132の処理である。
平滑用コンデンサ22の劣化を検出する処理において劣化が検出されなかった場合(ステップS106;No)、そのままステップS105を経るSB制御系308の処理に移行せずに、温度低下検出部311によってサーミスタ24の検出温度Tが平滑用コンデンサ22に容量低下を生ずる所定の低温閾値E以下であるか否かを判定する(ステップS131)。検出温度Tが低温閾値Eよりも大きければ(ステップS131;No)、平滑用コンデンサ22に容量低下は生じないので、図4に示した処理制御の場合と同様に、ステップS105を経るSB制御系308の処理に移行させる。
一方、検出温度Tが低温閾値E以下の場合には(ステップS131;Yes)、平滑用コンデンサ22に容量低下を生ずるので、温度低下検出部311はPWM演算制御部302に対してFF制御部307を機能させる。即ち、PWM演算制御部302は、差(Vt−Vo)にフィードフォワード制御用の所定の係数τを乗算することでオン/オフデューティの補正量DcalをDcal=τ(Vt−Vo)として求め(ステップS132)、前回のオン/オフデューティDuty(n-1)に補正量Dcalを加算することにより今回のオン/オフデューティDuty(n)を算出する(ステップS110)。ここで、係数τは、出力感度に相当し、係数αの場合と同様に、フィードバック制御用の係数xよりも感度の高いものである。即ち、係数τは、係数xに対して平滑用コンデンサ22の温度低下に伴う容量低下分の補正量をフィードフォワードにより重畳させることで感度を上げたものであり、出力電圧Voの落込みに対して早めに出力を大きくさせ得るオン/オフデューティを生成する。
上述してきたように、本実施例3では、スイッチング電源装置1cは、容量値が温度依存性を有する平滑用コンデンサ22近傍の温度をサーミスタ24で検出し、検出された温度が所定温度以下であることに基づき平滑用コンデンサ22の容量低下を温度低下検出部311で検出することとしたので、劣化時と同様に平滑用コンデンサ22の容量が低下する低温環境下で大きな負荷変動があっても出力電圧Voの変動を抑制することができる。特に、平滑用コンデンサ22に劣化を生じない段階での容量低下発生時に効果的な対応策となる。
なお、本実施例3では、FF制御系309による制御に際して、フィードフォワード量として特定の係数τを用いて補正量を算出するようにしたが、これに限らず、負荷出力I(n)の場合と同様に、サーミスタ24により検出される検出温度Tに応じてフィードフォワード量をτ1,τ2の如く段階的に可変させてよく、または、T/τの如く連続的に可変させてもよい。これによれば、平滑用コンデンサ22の低温環境に伴う容量低下時に電圧変動を引き起こす要因となる低温の程度が異なってもその程度に応じたフィードフォワード制御によって負荷変動に対する補正に遅れを生ずることなく出力電圧Voの変動を抑制することができる。
図14は、本発明に係るスイッチング電源装置2の実施例4の構成を示す機能ブロック図である。図14を参照して、実施例4に係るスイッチング電源装置2の構成について説明する。なお、図1に示した実施例1に係るスイッチング電源装置1の構成との相違点について説明し、共通点については省略する。
図14に示すように、図1に示した実施例1に係るスイッチング電源装置1の構成との相違点は、負荷40として電動パワーステアリング装置41に適用した点である。電動パワーステアリング装置41は、自動車等の車両のステアリングを電動制御する装置であり、パワーステアリング駆動回路411、パワーステアリングモータ412を有する。パワーステアリング駆動回路411は、負荷制御部304の負荷出力制御に基づきパワーステアリングモータ412を駆動する回路であり、パワーステアリングモータ412は、車両のステアリングを駆動するモータであり、DCモータまたは3相モータである。
次に、図15を参照して、実施例4の制御回路30による動作制御例を説明する。図15は、制御回路30により実行される動作制御例を示す概略フローチャートである。同図に示すように、図4に示した実施例1に係る制御回路30の動作制御例との相違点は、ステップS102,S104,S112の処理に相当するステップS102a〜S102c,S104a,S112aの処理である。
本実施例4では、負荷40の適用例として電動パワーステアリング装置41に具体化しているので、ステアリング操作による外部操作入力があった場合(ステップS101;Yes)、負荷出力算出部303は、ステアリング操作に伴うトルク入力を読込み(ステップS102a)、このトルク入力をモータ電流に変換することで(ステップS102b)、負荷出力としてモータ電流MI(n)を算出する(ステップS102c)。負荷制御部304は、算出されたモータ電流MI(n)に基づいてパワーステアリングモータ駆動回路411を駆動させることでパワーステアリングモータ412を駆動制御する。また、負荷出力変動判定部305は、算出されたモータ電流MI(n)と前回のモータ電流出力MI(n-1)との差(絶対値)を演算することで負荷変動量を求め、この負荷変動量があらかじめ設定されている所定値A以上であるか否かを判定する(ステップS104a)。この後の処理は、図4で説明した場合と同様であり、最後に、今回のモータ電流MI(n)を前回のモータ電流MI(n-1)に置換える(ステップS112a)。
上述してきたように、本実施例4では、パワーステアリングモータ412を含む電動パワーステアリング装置41を負荷とすることとしたので、平滑用コンデンサ22の容量低下時に例えばステアリングの急操舵により大きな負荷変動が発生しても出力電圧Voの抑制によりステアリング操舵性の悪化を防止することができ、もって運転者の違和感を解消することができる。
特に、電動パワーステアリング装置41のように消費電力の大きな負荷の場合、同じ電力供給を得るためには電流値が低い方が電源10からの配線やパワーステアリングモータ412におけるロスが減り、エネルギー効率が高くなることから、例えば、12Wの電力供給を得ようとする場合、車載用の12Vの電源10のままでは1Aの電流を要することから、定電圧スイッチング回路20で24Vに昇圧して0.5Aの電流で済むように構成することとなる。この場合、定電圧スイッチング回路20はスイッチング素子202のスイッチング動作で昇圧しているため、平滑用コンデンサ22の容量低下時に、急旋回ステアリング操作等の大きな負荷変動があると、出力電圧Voの電圧落込みを生じてリップルが大きくなり、電動パワーステアリング装置41に供給する電流が低下し、ステアリングがスムーズに回らなくなり、引っかかる感じを与え、操舵性が悪くなってしまうが、本実施例4のようにフィードフォワード制御を適用することで、ステアリング操舵性の悪化を防止することができる。
なお、本実施例4では、負荷40の具体的な適用例として、電動パワーステアリング装置41への適用例を例示したが、これに限らず、各種負荷に適用することができる。例えば、車両用の電動スライドドア機構に適用できる。
また、上述の各実施例では、フィードフォワード制御の対象をPWM信号のオン/オフデューティの補正量を決定するための係数としたが、これに限らず、例えば比較回路301に対する参照電圧Vtの値を可変とし、フィードフォワード量に対応させてこの参照電圧Vtの値を可変させるようにしてもよい。
さらに、上述の各実施例では、制御回路30,30a,30bは、負荷出力算出部303、負荷制御部304を含む構成例で説明したが、これに限らず、例えば図16に示すように、制御回路31aと負荷駆動制御回路31bとに分離して構成し、これらの負荷出力算出部303、負荷制御部304は負荷駆動制御回路31bに含まれるものとし、負荷出力変動判定部305等は負荷駆動制御回路31b側からの外部信号として負荷出力を取得するように構成してもよい。
また、上述の各実施例では、定電圧スイッチング回路20は、コイル201を用いたチョッパ式昇圧定電圧回路の例で説明したが、これに限らず、例えばコイル201に代えて、1次コイル、2次コイルを有するトランスを用いた構成でもよい。
以上のように、本発明に係るスイッチング電源装置は、容量低下を生じ得る平滑用コンデンサを備える電源装置に有用であり、特に、電動パワーステアリング装置等の消費電力の大きい負荷を対象とする電源装置に適している。
本発明に係るスイッチング電源装置の実施例1の構成を示す機能ブロック図である。 平滑用コンデンサの劣化検出のタイミング制御例の一例を示す概略タイミングチャートである。 平滑用コンデンサの容量が低下した場合であって負荷変動時に対してフィードフォワード制御適用の有無に応じた出力電圧Voの変動の様子を誇張して模式的に示す電圧波形図である。 制御回路により実行される動作制御例を示す概略フローチャートである。 平滑用コンデンサの容量低下時における実施例1による負荷消費電流Iの変動に対する定電圧スイッチング回路の昇圧電圧Voの変動の様子を示す説明図である。 制御回路により実行される動作制御例の変形例を示す概略フローチャートである。 本発明に係るスイッチング電源装置の実施例2の構成を示す機能ブロック図である。 制御回路により実行される動作制御例を示す概略フローチャートである 制御回路により実行される動作制御例の変形例を示す概略フローチャートである。 制御回路により実行される動作制御例の別の変形例を示す概略フローチャートである。 本発明に係るスイッチング電源装置の実施例3の構成を示す機能ブロック図である。 コンデンサ容量の温度依存性を示す特性図である。 制御回路により実行される動作制御例を示す概略フローチャートである。 本発明に係るスイッチング電源装置の実施例4の構成を示す機能ブロック図である。 制御回路により実行される動作制御例を示す概略フローチャートである。 制御回路の変形例を示す機能ブロック図である。 負荷消費電流Iの変動に対する定電圧スイッチング回路の昇圧電圧(出力電圧)Voの変動の様子を示す説明図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c,2 スイッチング電源装置
20 定電圧スイッチング回路
22 平滑用コンデンサ
24 サーミスタ
40 負荷
41 電動パワーステアリング装置
202 スイッチング素子
305 負荷出力判定部
306 コンデンサ劣化検出部
308 FB制御系
309 FF制御系
310 負荷出力レベル判定部
311 温度低下検出部
412 パワーステアリングモータ

Claims (5)

  1. スイッチング素子を含む定電圧スイッチング回路と、該定電圧スイッチング回路と負荷との間に接続される平滑用コンデンサと、前記定電圧スイッチング回路の出力電圧が所望の定電圧となるように該出力電圧をフィードバックして前記スイッチング素子のスイッチング制御を行わせるフィードバック制御系とを備え、前記負荷に前記定電圧スイッチング回路の出力電圧を印加するスイッチング電源装置であって、
    前記平滑用コンデンサの容量低下を検出する検出手段と、
    前記平滑用コンデンサの容量低下が検出された場合に前記負荷の制御状態を前記定電圧スイッチング回路へフィードフォワードして前記スイッチング素子のスイッチング制御を行わせるフィードフォワード制御系と、
    を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記フィードフォワード制御系は、検出された前記平滑用コンデンサの容量低下の度合いに応じて前記定電圧スイッチング回路へのフィードフォワード量を可変させることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記負荷への電力供給量を判定し、該電力供給量が所定値以上の場合に前記フィードフォワード制御系による制御を有効とさせる負荷レベル判定手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記平滑用コンデンサは、容量値が温度依存性を有するコンデンサであり、
    該平滑用コンデンサ近傍の温度を検出する温度センサを備え、
    前記検出手段は、前記温度センサにより検出された温度が所定温度以下であることに基づき前記平滑用コンデンサの容量低下を検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のスイッチング電源装置。
  5. スイッチング素子を含む定電圧スイッチング回路と、該定電圧スイッチング回路と負荷との間に接続される平滑用コンデンサと、前記定電圧スイッチング回路の出力電圧が所望の定電圧となるように該出力電圧をフィードバックして前記スイッチング素子のスイッチング制御を行わせるフィードバック制御系とを備え、前記負荷に前記定電圧スイッチング回路の出力電圧を印加するスイッチング電源装置の制御方法であって、
    前記負荷の制御状態として所定値以上の負荷変動を検出する工程と、
    前記平滑用コンデンサの容量低下を検出する工程と、
    前記平滑用コンデンサの容量低下が検出された場合の所定値以上の負荷変動時に該容量低下分の補正量を前記定電圧スイッチング回路へフィードフォワードして前記フィードバック制御系によるスイッチング制御に重畳させて前記スイッチング素子を制御する工程と、
    を含んだことを特徴とするスイッチング電源装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9755509B2 (en) * 2014-04-25 2017-09-05 Rohm Co., Ltd. Control circuit for switching power supply

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