JP2007249353A - 色復元方法、プログラム及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃淡値から色の復元を行う。
【解決手段】濃淡画像において第1の単色とみなされる第1の領域、第2の単色とみなされる第2の領域及び第1の単色と第2の単色との混色とみなされる第3の領域の各々の濃淡値を特定する濃淡値特定ステップと、第1の単色及び第2の単色と混色との関係、並びに第1の領域、第2の領域及び第3の領域の各々における濃淡値と当該濃淡値に関連する色との関係を表すモデルに、濃淡値特定ステップにより特定された第1の領域、第2の領域及び第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ第1の単色及び第2の単色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施し、複数の方程式の解を色算出結果格納部に格納する色算出ステップとを含む。このようにすれば上記複数の方程式が第1の単色及び第2の単色の変数と濃淡値とで表されるので、方程式を解くことにより、方程式の解である第1の単色及び第2の単色を求めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、濃淡画像における文字、罫線、図形等のオブジェクトの色を復元するための技術に関する。
カラー画像において、ノイズ、ぼやけ等により画像劣化がある場合、カラー画像をベースに色を復元する方法が知られている。例えば、特開平11−053537号公報には、入力されたカラー画像のRGB(Red、Green、Blue)値にフィルタや補間処理を行い、カラー画像を復元する技術が開示されている。しかし、RGB値がベースとして必要であり、RGB値を持たない場合については触れられていない。
また、例えば、特表平6−500679には、入力された濃淡画像を基に、濃淡画像と実質的に同一の明度を有する画像を出力する技術が開示されている。しかしながら、色相及び彩度については予め選択しておく必要があり、濃淡画像における濃淡値をベースに色を復元することはできない。また、例えば、特開平9−305707には、濃淡画像における濃淡値を手がかりに文字、図形、記号等を抽出する技術が開示されているが、色の復元については触れられていない。
特開平11−053537号公報 特表平6−500679号公報 特開平9−305707号公報
以上のように従来技術では、濃淡画像における濃淡値をベースに色を復元することができない。
従って、本発明の目的は、濃淡画像における濃淡値をベースに色を復元する技術を提供することである。
本発明に係る色復元方法は、濃淡画像に含まれる濃淡値から色を復元する方法であって、濃淡画像において第1の単色とみなされる第1の領域、第2の単色とみなされる第2の領域及び第1の単色と第2の単色との混色とみなされる第3の領域の各々の濃淡値を特定する濃淡値特定ステップと、第1の単色及び第2の単色と混色との関係、並びに第1の領域、第2の領域及び第3の領域の各々における濃淡値と当該濃淡値に関連する色との関係を表すモデルに、濃淡値特定ステップにより特定された第1の領域、第2の領域及び第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ第1の単色及び第2の単色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施し、複数の方程式の解を色算出結果格納部に格納する色算出ステップとを含む。
このようにすれば、上で述べた複数の方程式が、第1の単色及び第2の単色の変数と濃淡値とで表されるので、方程式を解くことにより、方程式の解である第1の単色及び第2の単色を求めることができる。すなわち、濃淡値をベースに色を復元することができる。なお、単色とみなされる領域が2つの場合だけでなく、3つ以上(すなわち、単色が3種類以上)であってもよい。
また、上記濃淡値特定ステップにおいて、ユーザから第1の領域、第2の領域及び第3の領域の指定を受け付けた場合に、指定された第1の領域、第2の領域及び第3の領域の各々の濃淡値を特定するようにしてもよい。このようにすれば、例えば、複雑な図形等において、ユーザが、どの領域を第1の領域、第2の領域又は第3の領域とするか指定することができ、ユーザが指定した領域に応じて、色を復元することができる。
さらに、ユーザから上記モデルの指定を受け付けた場合、上記色算出ステップにおいて、指定されたモデルに、上記濃淡値特定ステップにより特定された第1の領域、第2の領域及び第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ第1の単色、第2の単色及び混色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施するようにしてもよい。このようにすれば、例えば、予め複数のモデルが用意されていた場合に、ユーザが用途に応じて使用するモデルを選択することができ、指定されたモデルに基づいて色を復元することができる。
また、ユーザから第1の単色又は第2の単色を特定するための色データを受け付けた場合に、色データを色データ格納部に格納するステップをさらに含むようにしてもよい。そして、上記色算出ステップにおいて、色データ格納部に格納された色データをさらに用いて、複数の方程式の解を得るための処理を実施し、色データ格納部に格納された色データ以外の色データを算出するようにしてもよい。例えば、カラー画像をスキャナからモノクロで読み込むことにより得られる濃淡画像の濃淡値から色を復元する場合において、色データの指定がない場合でも、濃淡画像の濃淡値をベースに色を復元することができるが、方程式の解が複数存在すると元のカラー画像の色に復元できない場合もある。しかし、このように指定された色データを用いることにより、元のカラー画像の色、又は元のカラー画像の色に近い色に復元することができる。なお、色データは、例えば、RGBで表現する場合、第1の単色のRGBを全て指定してもよいし、第1の単色及び第2の単色のRだけを指定するようにしてもよい。
さらに、第1の単色及び第2の単色と混色との関係を表すモデルに、方程式の解として色算出結果格納部に格納された第1の単色及び第2の単色を適用することにより混色を算出し、色算出結果格納部に格納するステップをさらに含むようにしてもよい。このようにすれば、復元された第1の単色と第2の単色との混色をも求めることができる。
なお、本発明に係る色復元方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してディジタル信号にて頒布される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
本発明によれば、濃淡画像における濃淡値をベースに色を復元することができる。
図1に本発明の一実施の形態に係るシステムの機能ブロック図の一例を示す。図1の例では、濃淡値と当該濃淡値に対応する色との関係及び単色と混色との関係を表す混色モデルを格納する混色モデル格納部1と、数値計算に関する計算モデルを格納する計算モデル格納部2と、混色モデル格納部1に格納された混色モデルに基づき計算モデル格納部2から使用する計算式を特定する計算式データ設定部3と、計算式データ設定部3が特定した計算式を示すデータを格納する計算式データ格納部4と、ユーザからの色データを受け付ける色データ設定部5と、色データ設定部5が受け付けた色データを格納する色データ格納部6と、入力された濃淡画像を格納する濃淡画像格納部7と、濃淡画像格納部7に格納された濃淡画像における各々の領域の濃淡値を特定する領域データ設定部8と、領域データ設定部8が特定した各々の領域の濃淡値を格納する領域データ格納部9と、混色モデル格納部1と計算式データ格納部4と色データ格納部6と領域データ格納部9とに格納されたデータを用いて色を算出する色算出処理部10と、色算出処理部10の色の算出結果を格納する色算出結果格納部11と、色算出結果格納部11に格納された算出結果を出力する出力部12とを有する。
次に、図1に示したシステムの処理フローを図2乃至図5を用いて説明する。まず、例えば、スキャナ等の入力装置から濃淡画像を受け付け、濃淡画像格納部7に格納する(ステップS1)。次に、領域データ設定部8が対象物の領域、2つの対象物の重なり領域(以下、単に重なり領域と呼ぶ)の指定をユーザから受け付ける。重なり領域については、どの領域とどの領域とが重なっているかについても指定されるものとする。例えば、濃淡画像格納部7に格納された濃淡画像が複雑な図形等を含む場合に、どの領域を対象物の領域又は重なり領域とするか判断するのが困難なことがある。このような場合に自動的に領域を設定すると、各領域の区分けが実際の区分けと相違したまま色の復元が行われ、不適切な結果が得られることになってしまう。従って、上で述べたように、ユーザから対象物の領域及び重なり領域の指定を受け付けることにより、適切に色の復元を行うようにする。例えば、各領域の区分けの候補を生成してそのデータをユーザに提示し、ユーザが必要に応じて変更を指示するようにしてもよいし、ユーザが一から各領域を指定するようにしてもよい。そして、濃淡画像格納部7に格納される濃淡画像から各領域の濃淡値を特定し、領域データ格納部9に格納する(ステップS3)。
図3に濃淡画像の一例を示す。図3の例では、星型を形成する5本の線が対象物の領域、5本の線の交差する箇所が対象物の重なり領域として指定されるものとする。具体的には、領域C1、領域C2、領域C3、領域C4及び領域C5は対象物の領域であり、領域C12は領域C1と領域C2との重なり領域、領域C13は領域C1と領域C3との重なり領域、領域C14は領域C1と領域C4との重なり領域、領域C15は領域C1と領域C5との重なり領域、領域C23は領域C2と領域C3との重なり領域、領域C24は領域C2と領域C4との重なり領域、領域C25は領域C2と領域C5との重なり領域、領域C34は領域C3と領域C4との重なり領域、領域C35は領域C3と領域C5との重なり領域、領域C45は領域C4と領域C5との重なり領域であるという指定を受ける。なお、本実施の形態では、図3で示した星型の内部領域(すなわち、5本の線で囲まれる領域)については、対象物とはみなさない。
一般的に、対象物の領域をm個とすると、重なり領域Cij(1≦i≦m、i<j、jは領域Ciと重なる領域Cjに限る)の個数は、m2個以下(ここで、m2は組み合わせの数の式を示す)となる。対象物の領域が他の対象物の領域と全て重なる場合は、m個の中から2つを選択するのでm2個となるが、全て重なるとは限らないため、m2個以下となる。
また、図示していないが、領域Ci(1≦i≦5)に対応する濃淡値をVi、領域Cij(iは1≦i≦5、jはi<j≦5且つ領域Ciと重なっているjに限る)に対応する濃淡値をVijとする。Vi、Vijの濃淡値は濃淡画像から特定され、Vi、Vij等を含む領域データが領域データ格納部9に格納される。
次に、計算式データ設定部3は、ユーザから使用する混色モデルを受け付ける(ステップS5)。混色モデルとは、領域Ciの色と濃淡値Viとの関係、領域Ci及び領域Cjの色と領域Cijの色の関係を表すものである。本実施の形態で使用するモデルを以下に示す。なお、本実施の形態では、RGBで色を表現するものとする。
i=Ri+Gi+Bi (1)
(Rij,Gij,Bij)=(f(Ri,Rj),f(Gi,Gj),f(Bi,Bj)) (2)
(1)式は、濃淡値Viと領域CiのRGBとの関係を表した式である。(2)式は、領域Ciにおける各色成分RGBの値Ri、Gi、Bi、及び領域Cjにおける各色成分RGBの値Rj、Gj、Bjと、領域Cijにおける各色成分RGBの値Rij、Gij、Bijとの関係を表した式である。また、(2)式において、f()は非線形関数であり、例えば、Rij=f(Ri,Rj)=Ri a×Rjである。本実施の形態では、a=1とし、Rij=f(Ri,Rj)=Ri×Rj、Gij=f(Gi,Gj)=Gi×Gj、Bij=f(Bi,Bj)=Bi×Bjとし、R、G、Bは0から1までの実数とする。従って、R、G、Bが256階調(例えば、0から255の整数)で表される場合は、R、G、Bの値を0から1の実数に調整する必要がある。つまり、関数f()の計算前であればRi、Rj、Gi、Gj、Bi、Bjの各値を256で除算、関数f()の計算後であればRij、Gij、Bijの各値を2562で除算することにより調整する。なお、このような混色モデル(すなわち、(1)式、(2)式、関数f())を予め混色モデル格納部1に複数格納しておき、当該複数の混色モデルの候補をユーザに提示してユーザが混色モデルを選択する場合もあれば、ユーザが新しい混色モデルを指定する場合もある。新しい混色モデルを指定する場合は、以下で説明するが、偏導関数が必要となるので、この入力が必要となる。さらに、混色モデルは、ユーザが選択できず固定の場合もある。
図4に、図3で示した濃淡画像の領域C12を拡大した一例を示す。上で述べた混色モデルに従うと、領域C1の濃淡値V1はV1=R1+G1+B1、領域C2の濃淡値V2はV2=R2+G2+B2、領域C12の濃淡値V12はV12=R1×R2+G1×G2+B1×B2となる。また、図示していないが、領域C3、領域C4、領域C5、領域C13、領域C14、領域C15、領域C23、領域C24、領域C25、領域C34、領域C35、領域C45についても混色モデルに従った方程式を得ることができる。従って、本実施の形態では、計15個(すなわち、対象物の領域に関する方程式が5個、重なり領域に関する方程式が10個)の方程式が得られる。
次に、計算式データ設定部3は、ユーザが選択した混色モデルに対応し且つ数値計算などによって用いられる計算式を特定し、当該計算式に関するデータを計算式データ格納部4に格納する(ステップS7)。本実施の形態では、混色モデル毎に偏導関数が色算出処理部10に用意されており、計算式データ設定部3は、使用する混色モデルに対応する偏導関数を特定するためのデータを計算式データ格納部4に格納する。なお、混色モデルを直接指定した場合には、計算式データ格納部4に偏導関数のデータが格納される。この偏導関数は後で述べるステップS31、S37及びS43で使用される。
本実施の形態における偏導関数について説明する。本実施の形態では、方程式の解を得るために最急降下法を用いる。まず、方程式のずれを表すエネルギー関数は以下のように定義される。
Figure 2007249353
(3)式は、15個の各方程式において、右辺又は左辺が0となる形に変形し、他方の辺を二乗して加算したものである。(3)式における右辺の後ろの項のΣは、重なり領域の方程式のずれの和を表す。従って、iは1からn、jはi<j≦n且つ領域Ciと重なっているjとなる。そして、(3)式をRi、Gi、Biについてそれぞれ偏微分すると以下で表される。
Figure 2007249353
(4)式はRi、(5)式はGi、(6)式はBiで偏微分した式である。(4)式、(5)式、(6)式における変数kは、最急降下法の速度を決める定数である。また、ΔRi、ΔGi、ΔBiは変化量を表している。さらに、(4)式、(5)式、(6)式の右辺を展開すると、以下のようになる。
Figure 2007249353
(7)式、(8)式、(9)式において、jはi<j≦n且つ領域Ciと重なっているjである。また、(7)式、(8)式、(9)式に上で述べた関数f()を適用すると以下のようになる。
Figure 2007249353
計算式データ設定部3により、(10)式、(11)式、(12)式が本実施の形態で用いる計算式として特定される。
最急降下法では、R、G、Bに適当な初期値を代入して変化量ΔR、ΔG、ΔBを計算し、変化量ΔR、ΔG、ΔBを加算した新たなR、G、Bを用いて再度、変化量ΔR、ΔG、ΔBの計算を繰り返す。そして、変化量=0又は変化量≒0になった時点のR、G、Bの値を方程式の解とする。なお、最急降下法の詳細については、例えば「アルゴリズム辞典」(島内剛一他,共立出版,1994年,pp.270)を参照のこと。
次に、色データ設定部5が部分的な色データをユーザから受け付け、色データ格納部6に格納する(ステップS9)。色データには、例えば、領域C1のR、G、Bの値を含む場合もあれば、領域C1乃至領域C5のRの値だけを含む場合もある。次に、色算出処理部10が、色算出処理を実施する(ステップS11)。色算出処理の詳細については後で説明する。次に、出力部12が、色算出結果格納部11に格納される算出結果を出力する(ステップS13)。例えば、色算出結果格納部11に格納される各領域のR、G、Bの値を用いて復元したカラー画像を表示装置等に表示する。また、色算出結果格納部11に格納される各領域のR、G、Bの数値を表示するようにしてもよい。
次に、色算出処理について図5を用いて説明する。まず、領域データ格納部9から全ての濃淡値(すなわち、Vi及びVij)を取得する(ステップS15)。次に、色データ格納部6を参照して色データの指定があるか否か判定する(ステップS17)。色データの指定がある場合は(ステップS17:Yesルート)、色データ格納部6から色データを取得する(ステップS19)。次に、繰り返し回数を示す変数nを0で初期化する(ステップS21)。次に、全てのR、G、Bに初期値を設定する(ステップS23)。取得した色データがある場合は色データを初期値として設定し、取得した色データがない場合は任意の値を設定する。次に、対象物の領域の識別番号を示す変数iを1で初期化する(ステップS25)。次に、Riがユーザから指定された値か否かを判定する(ステップS27)。Riが指定された値の場合は(ステップS27:Yesルート)、Riは既に確定しているので、ΔRiに0を設定する(ステップS29)。一方、Riが指定された値でない場合は(ステップS27:Noルート)、計算式データ格納部4に格納されるデータにより特定される計算式(すなわち、(10)式)に基づき、ΔRiを算出する(ステップS31)。次に、Giがユーザから指定された値か否かを判定する(ステップS33)。Giが指定された値の場合は(ステップS33:Yesルート)、Giは既に確定しているので、ΔGiに0を設定する(ステップS35)。一方、Giが指定された値でない場合は(ステップS33:Noルート)、計算式データ格納部4に格納されるデータにより特定される計算式(すなわち、(11)式)に基づき、ΔGiを算出する(ステップS37)。次に、Biがユーザから指定された値か否かを判定する(ステップS39)。Biが指定された値の場合は(ステップS39:Yesルート)、Biは既に確定しているので、ΔBiに0を設定する(ステップS41)。一方、Biが指定された値でない場合は(ステップS39:Noルート)、計算式データ格納部4に格納されるデータにより特定される計算式(すなわち、(12)式)に基づき、ΔBiを算出する(ステップS43)。次に、変数iが対象物の総数未満か否かを判定する(ステップS45)。変数iが対象物の総数未満の場合(ステップS53:Yesルート)、変数iを1インクリメントする(ステップS47)。そして、ステップS27乃至ステップS47の処理を繰り返す。
一方、変数iが対象物の総数以上の場合(ステップS45:Noルート)、全てのΔR、ΔG、ΔBを算出したことになり、繰り返し回数を示す変数nを1インクリメントする(ステップS49)。そして、全てのΔR、ΔG及びΔBの値が0又は限りなく0に近い値か否か、若しくはnが規定回数を超えたか否かを判定する(ステップS51)。例えば、予め閾値及び規定回数を決めておき、閾値を下回ったら0とみなしたり、規定回数を超えたら繰り返しを終了するようにしてもよい。もし、ΔR、ΔG及びΔBの値のうち少なくともいずれか1つが0でない又は0に遠い値であり、nが規定回数を超えていない場合(ステップS51:Noルート)、全てのR、G、Bについて、各々に対応するΔR、ΔG、ΔBをそれぞれ加算し、新たなR、G、Bを算出する(ステップS53)。そして、ステップS25乃至ステップS53の処理を繰り返す。
一方、全てのΔR、ΔG及びΔBの値が0又は0に近い値、若しくはnが規定回数を超えた場合(ステップS51:Yesルート)、全てのR、G、Bの値を色算出結果格納部11に格納する(ステップS55)。次に、上で述べた(2)式に色算出結果格納部11に格納されている値を代入し、重なり領域の混色を算出する(ステップS57)。なお、重なり領域については、どの領域とどの領域とが重なっているかの指定を受けているので、その指定に従って必要な組み合わせを判断し、混色を算出する。そして、元の処理に戻る。
以上述べたように、本実施の形態によれば、濃淡画像における濃淡値をベースに対象物の領域の色を復元することができる。
以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図1に示した機能ブロック図は、一例であって、必ずしも実際の構成と合致しない場合もある。
また、本実施の形態では、方程式を解く方法として最急降下法を使用しているが、他の数値計算手法を使用する場合もある。
また、(4)式乃至(12)式において、変数kは通常固定であるが、ループの中で適切に変動させることで、より早く解を得ることが可能である。
(付記1)
濃淡画像に含まれる濃淡値から色を復元する方法であって、
前記濃淡画像において第1の単色とみなされる第1の領域、第2の単色とみなされる第2の領域及び前記第1の単色と前記第2の単色との混色とみなされる第3の領域の各々の濃淡値を特定する濃淡値特定ステップと、
前記第1の単色及び前記第2の単色と前記混色との関係、並びに前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における濃淡値と当該濃淡値に関連する色との関係を表すモデルに、前記濃淡値特定ステップにより特定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ前記第1の単色及び前記第2の単色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施し、前記複数の方程式の解を色算出結果格納部に格納する色算出ステップと、
を含み、コンピュータにより実行される色復元方法。
(付記2)
前記濃淡値特定ステップにおいて、ユーザから前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の指定を受け付けた場合に、指定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々の濃淡値を特定する
ことを特徴とする付記1記載の色復元方法。
(付記3)
ユーザから前記モデルの指定を受け付けた場合、前記色算出ステップにおいて、指定された前記モデルに、前記濃淡値特定ステップにより特定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ前記第1の単色、前記第2の単色及び前記混色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施する
ことを特徴とする付記1記載の色復元方法。
(付記4)
ユーザから前記第1の単色又は前記第2の単色を特定するための色データを受け付けた場合に、前記色データを色データ格納部に格納するステップ
をさらに含み、
前記色算出ステップにおいて、前記色データ格納部に格納された前記色データをさらに用いて、前記複数の方程式の解を得るための処理を実施し、前記色データ格納部に格納された前記色データ以外の色データを算出する
ことを特徴とする付記1記載の色復元方法。
(付記5)
前記色算出ステップが、
右辺又は左辺が0となる形にした各前記方程式の他方の辺を二乗して加算したエネルギー関数の各偏導関数の変数に仮の値を代入して、各前記偏導関数の解である未知変数の変化量を算出し、記憶装置に格納する変化量算出ステップと、
前記記憶装置に格納された前記未知変数の変化量又は処理回数が所定の条件を満たしているか判断するステップと、
前記記憶装置に格納された前記未知変数の変化量又は処理回数が所定の条件を満たしていないと判断された場合には、前記仮の値に前記未知変数の変化量を加算した結果を仮の値として前記変化量算出ステップを実行するステップと、
前記記憶装置に格納された前記未知変数の変化量又は処理回数が所定の条件を満たしていると判断された場合には、前記仮の値を前記方程式の解として前記色算出結果格納部に格納するステップと、
を含む付記1記載の色復元方法。
(付記6)
前記第1の単色及び前記第2の単色と前記混色との関係を表すモデルに、前記方程式の解として前記色算出結果格納部に格納された前記第1の単色及び前記第2の単色を適用することにより前記混色を算出し、前記色算出結果格納部に格納するステップ
をさらに含む付記1記載の色復元方法。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか1つ記載の色復元方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記8)
濃淡画像に含まれる濃淡値から色を復元する装置であって、
前記濃淡画像において第1の単色とみなされる第1の領域、第2の単色とみなされる第2の領域及び前記第1の単色と前記第2の単色との混色とみなされる第3の領域の各々の濃淡値を特定する濃淡値特定手段と、
前記第1の単色及び前記第2の単色と前記混色との関係、並びに前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における濃淡値と当該濃淡値に関連する色との関係を表すモデルに、前記濃淡値特定手段により特定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ前記第1の単色及び前記第2の単色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施し、前記複数の方程式の解を色算出結果格納部に格納する色算出手段と、
を有する色復元装置。
本発明の実施の形態における機能ブロック図である。 本発明の実施の形態における処理フローを示す図である。 濃淡画像の一例を示す図である。 濃淡画像の一部を拡大した図である。 色算出処理の処理フローを示す図である。
符号の説明
1 混色モデル格納部 2 計算モデル格納部
3 計算式データ設定部 4 計算式データ格納部
5 色データ設定部 6 色データ格納部
7 濃淡画像格納部 8 領域データ設定部
9 領域データ格納部 10 色算出処理部
11 色算出結果格納部 12 出力部

Claims (8)

  1. 濃淡画像に含まれる濃淡値から色を復元する方法であって、
    前記濃淡画像において第1の単色とみなされる第1の領域、第2の単色とみなされる第2の領域及び前記第1の単色と前記第2の単色との混色とみなされる第3の領域の各々の濃淡値を特定する濃淡値特定ステップと、
    前記第1の単色及び前記第2の単色と前記混色との関係、並びに前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における濃淡値と当該濃淡値に関連する色との関係を表すモデルに、前記濃淡値特定ステップにより特定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ前記第1の単色及び前記第2の単色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施し、前記複数の方程式の解を色算出結果格納部に格納する色算出ステップと、
    を含み、コンピュータにより実行される色復元方法。
  2. 前記濃淡値特定ステップにおいて、ユーザから前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の指定を受け付けた場合に、指定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々の濃淡値を特定する
    ことを特徴とする請求項1記載の色復元方法。
  3. ユーザから前記モデルの指定を受け付けた場合、前記色算出ステップにおいて、指定された前記モデルに、前記濃淡値特定ステップにより特定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ前記第1の単色、前記第2の単色及び前記混色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施する
    ことを特徴とする請求項1記載の色復元方法。
  4. ユーザから前記第1の単色又は前記第2の単色を特定するための色データを受け付けた場合に、前記色データを色データ格納部に格納するステップ
    をさらに含み、
    前記色算出ステップにおいて、前記色データ格納部に格納された前記色データをさらに用いて、前記複数の方程式の解を得るための処理を実施し、前記色データ格納部に格納された前記色データ以外の色データを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の色復元方法。
  5. 前記色算出ステップが、
    右辺又は左辺が0となる形にした各前記方程式の他方の辺を二乗して加算したエネルギー関数の各偏導関数の変数に仮の値を代入して、各前記偏導関数の解である未知変数の変化量を算出し、記憶装置に格納する変化量算出ステップと、
    前記記憶装置に格納された前記未知変数の変化量又は処理回数が所定の条件を満たしているか判断するステップと、
    前記記憶装置に格納された前記未知変数の変化量又は処理回数が所定の条件を満たしていないと判断された場合には、前記仮の値に前記未知変数の変化量を加算した結果を仮の値として前記変化量算出ステップを実行するステップと、
    前記記憶装置に格納された前記未知変数の変化量又は処理回数が所定の条件を満たしていると判断された場合には、前記仮の値を前記方程式の解として前記色算出結果格納部に格納するステップと、
    を含む請求項1記載の色復元方法。
  6. 前記第1の単色及び前記第2の単色と前記混色との関係を表すモデルに、前記方程式の解として前記色算出結果格納部に格納された前記第1の単色及び前記第2の単色を適用することにより前記混色を算出し、前記色算出結果格納部に格納するステップ
    をさらに含む請求項1記載の色復元方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つ記載の色復元方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  8. 濃淡画像に含まれる濃淡値から色を復元する装置であって、
    前記濃淡画像において第1の単色とみなされる第1の領域、第2の単色とみなされる第2の領域及び前記第1の単色と前記第2の単色との混色とみなされる第3の領域の各々の濃淡値を特定する濃淡値特定手段と、
    前記第1の単色及び前記第2の単色と前記混色との関係、並びに前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における濃淡値と当該濃淡値に関連する色との関係を表すモデルに、前記濃淡値特定手段により特定された前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域の各々における具体的な濃淡値を適用して得られ且つ前記第1の単色及び前記第2の単色を変数とする複数の方程式の解を得るための処理を実施し、前記複数の方程式の解を色算出結果格納部に格納する色算出手段と、
    を有する色復元装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019101599A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像処理装置

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