JP2007248906A - 画像表示装置用光学部品、および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好に光束を反射する投写プリズムおよびリアプロジェクタを提供する。
【解決手段】投写プリズム5は、第一および第二反射部54A,55Aが、透明部材51の表面に一体に形成されるとともに、透明部材51の内部に形成される屈曲光路を挟んで対向配置されている。これにより、透明部材51の内部を通過する光束を良好に反射することができるとともに、これらの反射部の酸化や傷などを防止することができ、良好に反射率を維持することができる。
【選択図】図3
【解決手段】投写プリズム5は、第一および第二反射部54A,55Aが、透明部材51の表面に一体に形成されるとともに、透明部材51の内部に形成される屈曲光路を挟んで対向配置されている。これにより、透明部材51の内部を通過する光束を良好に反射することができるとともに、これらの反射部の酸化や傷などを防止することができ、良好に反射率を維持することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像光を透過させる画像表示装置用光学部品、およびこの画像表示装置用光学部品を備えた画像表示装置に関する。
従来、入射した画像光を反射または透過してスクリーン上に投写する投写装置が知られている(例えば、特許文献1)。
この特許文献1に記載のものは、反射型の表示パネルから射出した光束を装置内部の複数の自由曲面ミラーにて反射させ、さらに、装置外装の天面近傍に設けられる平面ミラーにて反射させて斜入射用スクリーンに投写させるリアプロジェクション表示装置である。
ところで、上記特許文献1に記載のような従来のリアプロジェクション表示装置では、複数のミラーを配置する構成であるため、これらのミラーにごみが付着したり、ミラーの反射面が空気と触れ合うことにより酸化したりして、各ミラーの反射効率が低下するという問題が挙げられる。また、ミラーの反射面の酸化を防止するために、酸化防止膜を別途設ける必要があり、煩雑であるという問題もある。
本発明は、上記問題に鑑み、良好に光束を反射する画像表示装置用光学部品、および画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像表示装置用光学部品は、互いに法線方向が異なる複数の反射部を備え、入射面から入射した光束を前記複数の反射部により反射させて射出面から射出させる屈曲光路が形成される画像表示装置用光学部品であって、前記複数の反射部は、透明部材の表面に一体に形成されるとともに、前記透明部材の内部に形成される前記屈曲光路を挟んで対向配置されたことを特徴とする。
この発明によれば、画像表示装置用光学部品は、透明部材の屈曲光路を挟んで複数の反射部が設けられている。これにより、これらの反射部は、透明部材の内部に設けられて、外部に露出しない。したがって、反射部が空気と触れ合わず、表面の酸化やごみの付着による反射率の低下を防止でき、良好に光束を反射することができる。
本発明では、前記反射部は、前記透明部材の表面に反射膜を設けることで形成されることが好ましい。
この発明によれば、透明部材の表面に反射膜を設けることで反射部が形成されている。これにより、反射部は反射膜を例えば、蒸着やディッピングなどにより容易に形成することができ、透明部材の表面との間に、空気などが入らないため、反射膜の酸化やごみの付着などもなく、良好に光束を反射させることができる。
この発明によれば、透明部材の表面に反射膜を設けることで反射部が形成されている。これにより、反射部は反射膜を例えば、蒸着やディッピングなどにより容易に形成することができ、透明部材の表面との間に、空気などが入らないため、反射膜の酸化やごみの付着などもなく、良好に光束を反射させることができる。
本発明では、前記透明部材の前記表面は、自由曲面形状に形成されることが好ましい。
この発明によれば、画像表示装置用光学部品を構成する透明部材が自由曲面形状に形成されている。これにより、自由曲面の面形状を調整することで、画像表示装置用光学部品内の屈曲光路を容易に変更することができ、例えば入射した画像光を拡大して射出させるなどの光操作を容易に実施できる。また、このような光操作をレンズなどの他の部材を用いずに、1部材にて実施することができるため、部品点数の削減をも実現できる。
この発明によれば、画像表示装置用光学部品を構成する透明部材が自由曲面形状に形成されている。これにより、自由曲面の面形状を調整することで、画像表示装置用光学部品内の屈曲光路を容易に変更することができ、例えば入射した画像光を拡大して射出させるなどの光操作を容易に実施できる。また、このような光操作をレンズなどの他の部材を用いずに、1部材にて実施することができるため、部品点数の削減をも実現できる。
本発明では、前記透明部材の前記入射面、前記射出面、および前記反射面が形成されない部分には、光の入出射を阻止する遮光部が設けられることが好ましい。
この発明によれば、透明部材の入射面および射出面以外の面には、光の入出射を阻止する遮光部が形成されている。これにより、透明部材の入射面および射出面以外の面からの光の入射および射出を防止できる。したがって、光束の光量の減少を防止でき、良好に入射した光を射出面から射出させることができる。
この発明によれば、透明部材の入射面および射出面以外の面には、光の入出射を阻止する遮光部が形成されている。これにより、透明部材の入射面および射出面以外の面からの光の入射および射出を防止できる。したがって、光束の光量の減少を防止でき、良好に入射した光を射出面から射出させることができる。
本発明では、前記反射部は、前記入射面から入射した入射光を拡大反射させて、前記射出面から射出させることが好ましい。
この発明によれば、反射部にて入射光を拡大反射させて射出面から射出させている。これにより、画像表示装置用光学部品を例えば入射光を拡大投写させてスクリーンなどの投写対象に投写させる投写光学系として用いることができる。この場合も、画像表示装置用光学部品を1部材用いるだけで、投写光学系を構成することができ、他のレンズやミラーなどの光学部品を不要にできるため、部品点数を減少させることができる。
この発明によれば、反射部にて入射光を拡大反射させて射出面から射出させている。これにより、画像表示装置用光学部品を例えば入射光を拡大投写させてスクリーンなどの投写対象に投写させる投写光学系として用いることができる。この場合も、画像表示装置用光学部品を1部材用いるだけで、投写光学系を構成することができ、他のレンズやミラーなどの光学部品を不要にできるため、部品点数を減少させることができる。
また、本発明の画像表示装置は、画像光を射出する画像光射出装置と、前記画像光射出装置から射出された画像光の光路上に設けられる上記のような画像表示装置用光学部品と、前記画像表示装置用光学部品から射出された画像光を投写する画像表示部と、を具備したことを特徴とする。
この発明によれば、画像表示装置は、画像光を射出する画像光射出装置と、この画像光射出装置からの画像光を透過させる画像表示装置用光学部品と、画像表示装置用光学部品を透過した画像光を投写する画像表示部とを備えている。これにより、画像光射出装置用光学部品を1部材設けるだけで、画像光射出装置から射出された画像光を画像表示部に投写させることができる。したがって、レンズや他のミラーなどが不要となり、これらのレンズやミラーなどの設置の際の位置調整などの作業が不要となる。よって、画像表示装置の部品点数の削減を図ることができ、画像表示装置の組み立て作業性も向上させることができる。
本発明は、前記画像光射出装置は、光束を射出する光源装置と、この光源装置から射出された光束を画像情報に応じて光変調して画像光を生成する光変調素子と、を備えることが好ましい。
この発明によれば、画像光射出装置は、光源装置から射出された光束を光変調素子にて光変調させて画像光を生成する、いわゆる光学エンジンを備えている。したがって、このような光学エンジンを備えた画像光射出装置からの画像光を、画像表示装置用光学部品にて画像表示部に拡大投写させることで、リアプロジェクタを構成することができる。このようなリアプロジェクタにおいても、上記したように、画像光射出装置からの画像光を画像表示装置用光学部品を透過させるだけで、画像表示部に拡大投写させることができるので、リアプロジェクタの構成を簡単にでき、組立作業性も良好にすることができる。
この発明によれば、画像光射出装置は、光源装置から射出された光束を光変調素子にて光変調させて画像光を生成する、いわゆる光学エンジンを備えている。したがって、このような光学エンジンを備えた画像光射出装置からの画像光を、画像表示装置用光学部品にて画像表示部に拡大投写させることで、リアプロジェクタを構成することができる。このようなリアプロジェクタにおいても、上記したように、画像光射出装置からの画像光を画像表示装置用光学部品を透過させるだけで、画像表示部に拡大投写させることができるので、リアプロジェクタの構成を簡単にでき、組立作業性も良好にすることができる。
以下、本発明に係る一実施の形態のリアプロジェクタを図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態に係るリアプロジェクタを模式的に示す側断面図である。図2は、リアプロジェクタを構成する光学エンジンの光学系の概略を示す図である。図3は、投写プリズムの断面図である。
〔リアプロジェクタの主な構成〕
図1において、1は、画像表示装置としてのリアプロジェクタであり、このリアプロジェクタ1は、キャビネット2と、画像光射出装置としての光学エンジン3と、制御ユニット4と、画像表示装置用光学部品としての投写プリズム5と、画像表示部としての透過型スクリーン6とにより大略構成されている。
図1において、1は、画像表示装置としてのリアプロジェクタであり、このリアプロジェクタ1は、キャビネット2と、画像光射出装置としての光学エンジン3と、制御ユニット4と、画像表示装置用光学部品としての投写プリズム5と、画像表示部としての透過型スクリーン6とにより大略構成されている。
キャビネット2は、図1に示すように、背面側(図1中、右側)が傾斜した箱形に構成され、内部に光学エンジン3、制御ユニット4、および投写プリズム5を収納配置する。なお、具体的な図示は省略するが、キャビネット2内部には、光学エンジン3、制御ユニット4、および投写プリズム5の他、リアプロジェクタ1の各構成部材に電力を供給する電源ユニット、および、リアプロジェクタ1内部を冷却する冷却ユニット、音声を出力する音声出力部等が配設される。
また、このキャビネット2の前面側(図1中、左側)には、平面視矩形状の開口部21が形成され、開口部21周縁に透過型スクリーン6が支持固定される。
光学エンジン3は、キャビネット2内の底面に配設され、制御ユニット4から出力された画像信号に基づいて画像光Lを形成して投写プリズム5に向けて投写する。そして、この光学エンジン3は、図2に示すように、光源装置としてのインテグレータ照明光学系31と、色分離光学系32と、リレー光学系33と、光変調素子としての光学装置34と、を備えている。
インテグレータ照明光学系31は、光源から射出された光束を照明光軸直交面内における照度を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系31は、図2に示すように、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等の放電発光型の光源ランプ3111およびリフレクタ3112を含む光源装置311と、第1レンズアレイ312と、第2レンズアレイ313と、偏光変換素子314と、重畳レンズ315とを備える。光源ランプ3111から射出された光束は、リフレクタ3112によって射出方向が揃えられ、第1レンズアレイ312によって複数の部分光束に分割され、第2レンズアレイ313の近傍で結像する。第2レンズアレイ313から射出された各部分光束は、その中心軸(主光線)が後段の偏光変換素子314の入射面に垂直となるように入射し、偏光変換素子314にて略1種類の直線偏光光として射出される。偏光変換素子314から直線偏光光として射出され、重畳レンズ315を介した複数の部分光束は、光学装置34の後述する3枚の液晶パネル上で重畳する。
色分離光学系32は、2枚のダイクロイックミラー321,322と、反射ミラー323とを備え、これらのダイクロイックミラー321,322、反射ミラー323によりインテグレータ照明光学系31から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の三色の色光に分離する機能を有する。
リレー光学系33は、入射側レンズ331、リレーレンズ332、および反射ミラー333,334を備え、色分離光学系32で分離された色光を後述する液晶パネルまで導く機能を有する。
光学装置34は、色分離光学系32から射出される3つの色光を画像情報に応じてそれぞれ変調し、変調した各色光を合成してカラー画像を形成する。この光学装置34は、図2に示すように、光変調素子としての3つの液晶パネル341(R色光用の液晶パネルを341R、G色光用の液晶パネルを341G、B色光用の液晶パネルを341Bとする)と、これら液晶パネル341の光束入射側および光束射出側にそれぞれ配置される入射側偏光板342および射出側偏光板343と、クロスダイクロイックプリズム344とを備える。
入射側偏光板342は、偏光変換素子314で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子314で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板342は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
液晶パネル341は、具体的な図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、前記制御装置から出力される駆動信号に応じて、前記液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板342から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
射出側偏光板343は、入射側偏光板342と略同様の構成であり、液晶パネル341から射出された光束のうち、入射側偏光板342における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
クロスダイクロイックプリズム344は、射出側偏光板343から射出された色光毎に変調された変調光(光学像)を合成して画像光(カラー画像)を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム344は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、投写プリズム5に対向する側に配置された液晶パネル341(341G)から射出され射出側偏光板343を介した色光を透過し、残りの2つの各液晶パネル341(341R,341B)から射出され各射出側偏光板343を介した各色光を反射する。このようにして、各液晶パネル341にて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。そして、形成されたカラー画像は画像光Lとして投写プリズム5に向かって射出される。
制御ユニット4は、具体的な図示は省略するが、例えば、チューナ、IF回路、音声検波回路、映像検波回路、増幅回路、およびCPU等を備えて構成され、光学エンジン3を統括的に制御する。また、制御ユニット4は、例えば、リモートコントローラ(図示略)の操作によって選択されたチャンネルに対応する周波数の放送信号を抽出して、画像信号を光学エンジン3に出力するとともに音声信号を音声出力部(図示略)に出力する。
投写プリズム5は、キャビネット2内の上部の背面側に配設され、光学エンジン3によって投写された画像光Lを透過型スクリーン6の背面側に反射する。投写プリズム5の具体的な構成については後述する。
透過型スクリーン6は、矩形形状を有し、キャビネット2の開口部21周縁に支持固定される。そして、この透過型スクリーン6は、画像光Lを背面側から前面側に投影して投影画像を表示する。
〔投写プリズムの構成〕
次に、投写プリズム5の構成について図3に基づいて説明する。
次に、投写プリズム5の構成について図3に基づいて説明する。
投写プリズム5は、図1および図3に示すように、自由曲面形状を有する透明部材51を備えている。この透明部材51は、例えばガラス、プラスチックなどから形成されている。この透明部材51は、長手状に形成され、長手方向の両端側にそれぞれ入射面52と射出面53とが形成されている。また、これらの入射面52および射出面53の間には、第一反射面54および第二反射面55が互いに対向して形成されている。これらの入射面52、射出面53、第一および第二反射面54,55は、鏡面加工により表面が光学鏡面状に形成されている。さらに、入射面52と第一反射面54との間、射出面53と第一反射面54との間、および射出面53と第二反射面55との間には、それぞれを連結する光路壁部56が形成されている。そして、投写プリズム5の透明部材51には、入射面52および射出面53以外の表面、すなわち第一および第二反射面54,55、光路壁部56の外側表面上に反射膜57が形成されている。なお、第一および第二反射面54,55と、反射膜57とにより、本発明の反射部としての第一反射部54A、および第二反射部55Aが構成される。また、光路壁部56と、反射膜57とにより、本発明の遮光部58が形成されている。
入射面52は、光学エンジン3のクロスダイクロイックプリズム344に対向して配置されている。また、入射面52は、中心部の表面形状がクロスダイクロイックプリズム344側に突出して凸状曲面形状に形成されている。これにより、光学エンジン3から射出された画像光Lは、入射面52にて挟角化されて透明部材51の内部に入射する。ここで、入射面52の曲率は、入射面52と第一反射面54との間に、投射された画像光Lの焦点が設けられるように設定されている。これにより、入射面52から入射した画像光Lは偏光方向が逆転した状態で第一反射面54に入射する。
第一反射面54は、入射面52に対向する位置に、光路壁部56を介して入射面52および射出面53と連続して形成されている。この第一反射面54は、図3に示すように、外方に向かって凸状となる自由曲面形状に形成されている。
第二反射面55は、第一反射面54および射出面53に対向する位置に、入射面52と連続して、また射出面53と光路壁部56を介して連続して形成されている。この第二反射面55は、透明部材51の内方に向かって凹状となる自由曲面形状に形成されている。
そして、上記したように、これらの第一および第二反射面54,55は、外側表面が光学鏡面状に形成されており、外側表面に反射膜57が設けられることで、第一反射部54Aおよび第二反射部55Aが形成されている。ここで、この反射膜57としては、例えばアルミ、銀などの金属素材が用いられ、例えば蒸着、スパッタ、ディッピングなどの手法により膜状に形成されている。また、反射膜57の膜厚は特に限定されない。すなわち、これらの第一および第二反射部54A,55Aでは、透明部材51の内部を透過する画像光Lを反射すればよく、反射膜57の外側表面は画像光Lの反射に関係しないため、反射膜57の厚み寸法や外側表面の状態がいかなる状態であってもよく、外側表面の加工などが不要である。
そして、第一反射部54Aは、入射面52から入射した画像光Lを第二反射部55Aに向かって反射し、第二反射部55Aは、第一反射部54Aにて反射された画像光Lを射出面53に向かって反射する。これにより、透明部材51の内部に、第一および第二反射部54A,55Aにより折れ曲がった屈曲光路が形成される。ここで、これらの第一および第二反射部54A,55Aにより画像光Lは広角化され、すなわち拡大されて射出面53から射出される。この時、入射面52から入射した画像光Lの光束が射出面53の面内に収まるように、第一反射面54および第二反射面55の曲率が設定されている。
射出面53は、第二反射面55および透過型スクリーン6に対向するように形成され、第二反射部55Aにて拡大反射された画像光Lを透過型スクリーン6に向かって投写する。この射出面53は、中心部の表面形状が透過型スクリーン6側に突出する凸状曲面形状に形成されている。ここで、この射出面53の曲率は、画像光Lが透過型スクリーン6の所定の表示範囲内に投写されるように、設定されている。
光路壁部56は、上記したように、入射面52と第一反射面54との間、第一反射面54と射出面53との間、および第二反射面55と射出面53との間など、設計上、透明部材51の入射面52、射出面53、および第一および第二反射面54,55が設けられない部分に形成されている。そして、これらの光路壁部56には、上記したように、反射膜57が被膜されることにより遮光部58が形成されている。この遮光部58は、透明部材51内部に設けられる上記したような屈曲光路から画像光Lが逃げるのを防止し、さらに外部からの光の入射を防止する。これにより、透明部材51内部の屈曲光路を通過する画像光Lの外乱が防止される。
なお、上記入射面52、射出面53、第一および第二反射面54,55の曲率は、リアプロジェクタ1のサイズや透過型スクリーン6のサイズ、光学エンジン3から射出される画像光Lの光束幅により適宜設定を変更できるものであり、特に限定されない。
〔投写プリズムの製造方法〕
次に上記のような投写プリズム5の製造方法について説明する。
投写プリズム5を製造するためには、まず、透明部材51を形成する。この透明部材51の製造方法としては、例えば透明部材51の素材がガラスである場合、予め精密に設計された金型に溶融状態のガラスを流し込み、熱プレスすることで形成される。また、透明部材51の素材がプラスチックである場合、予め形成された金型にプラスチックの原料モノマーを射出する射出成形により形成される。
次に上記のような投写プリズム5の製造方法について説明する。
投写プリズム5を製造するためには、まず、透明部材51を形成する。この透明部材51の製造方法としては、例えば透明部材51の素材がガラスである場合、予め精密に設計された金型に溶融状態のガラスを流し込み、熱プレスすることで形成される。また、透明部材51の素材がプラスチックである場合、予め形成された金型にプラスチックの原料モノマーを射出する射出成形により形成される。
この後、この透明部材51の表面を鏡面加工して、入射面52、射出面53、第一および第二反射面54,55を光学鏡面状に形成する。
そして、入射面52および射出面53をマスキングした上で、透明部材51の表面に反射膜57を形成する。この時、反射膜57を蒸着、スパッタなどにより、形成してもよく、ディッピングなどにより形成してもよい。この後、入射面52および射出面53のマスキングを除去することで、投写プリズム5が製造される。
〔実施の形態の作用効果〕
上述のようなリアプロジェクタ1の投写プリズム5は、透明部材51の屈曲光路を挟んで第一反射面54および第二反射面55が形成され、これらの第一反射面54および第二反射面55に反射膜57が形成されることで、第一反射部54Aおよび第二反射部55Aが形成されている。このため、これらの第一および第二反射部54A,55Aでは、反射膜57が第一および第二反射面54,55の光学鏡面に沿って形成されているため、画像光Lを良好に反射することができる。また、これらの第一および第二反射部54A,55Aでは、反射膜57の光反射面が光学鏡面状の第一および第二反射面54,55に密着しているため、外部に露出せず、空気と接触しない。したがって、光反射面の酸化や、ごみなどの付着、傷などを防止でき、画像光Lの光量の損失を防止でき、反射効率を維持することができる。また、複数の反射部(本実施の形態では第一および第二反射部54A,55A)を設けることで、光束が材質の異なる素材を透過する際に生じる、いわゆる色収差を軽減することができる。
上述のようなリアプロジェクタ1の投写プリズム5は、透明部材51の屈曲光路を挟んで第一反射面54および第二反射面55が形成され、これらの第一反射面54および第二反射面55に反射膜57が形成されることで、第一反射部54Aおよび第二反射部55Aが形成されている。このため、これらの第一および第二反射部54A,55Aでは、反射膜57が第一および第二反射面54,55の光学鏡面に沿って形成されているため、画像光Lを良好に反射することができる。また、これらの第一および第二反射部54A,55Aでは、反射膜57の光反射面が光学鏡面状の第一および第二反射面54,55に密着しているため、外部に露出せず、空気と接触しない。したがって、光反射面の酸化や、ごみなどの付着、傷などを防止でき、画像光Lの光量の損失を防止でき、反射効率を維持することができる。また、複数の反射部(本実施の形態では第一および第二反射部54A,55A)を設けることで、光束が材質の異なる素材を透過する際に生じる、いわゆる色収差を軽減することができる。
また、このような投写プリズム5をリアプロジェクタ1に設ける構成では、投写プリズム5、光学エンジン3、および透過型スクリーン6の相対位置関係を調整するだけで、容易にかつ精度よく投写プリズム5の設置ができる。よって、リアプロジェクタ1の組み立て効率が向上し、製造性が良好になる。さらに、投写プリズム5により、光学エンジン3から投写された画像光Lを透過型スクリーン6に拡大投写することができるので、他のミラーやレンズなどのその他の光学部品、およびこれらの光学部品を取り付けるための治具などが不要であり、部品点数を減少させることができ、構成を簡単にすることができる。
また、第一および第二反射部54A,55Aは、第一および第二反射面54,55の表面上に反射膜57を設けることで形成されている。このため、第一および第二反射面54、55の表面形状が自由曲面形状であった場合でも、蒸着、スパッタ、ディッピングなどの手法により容易に反射膜57を形成することができる。また、反射膜57の内方の面で画像光Lを反射させるため、反射膜57の外方、すなわち外気と触れ合う側は、表面形状を鏡面状にするなどの加工が不要であり、反射膜57の膜厚も精密に設置する必要がない。よって、第一および第二反射部54A,55Aを容易に形成することができる。
そして、第一および第二反射面54,55は自由曲面形状に形成されている。このため、これらの第一および第二反射面54,55の曲率に応じて、透明部材51内の屈曲光路を容易に設定することができる。そして、上記実施の形態のように、第一反射面54を外方に向かって凸状となる曲面に形成し、第二反射面55を内方に向かって凹状となる曲面に形成することで、入射面52から入射した画像光Lを広角化させて射出面53から拡大投写することができる。したがって、投写プリズム5を、光学エンジン3から射出された画像光Lを透過型スクリーン6に拡大投写する投写光学系として利用することもできる。このように、投写プリズム5を投写光学系として用いることで、光学エンジン3に別途投写レンズなどの光学系を設ける必要がなくなり、光学エンジン3およびリアプロジェクタ1の構成をも簡単にすることができる。
また、透明部材51の入射面52、射出面53、第一反射面54、および第二反射面55以外の表面には、光路壁部56が形成され、この光路壁部56の表面に反射膜57を設けることで遮光部58が形成されている。このため、この遮光部58における光の入出射を防止することができ、透明部材51内部の屈曲光路を透過する画像光Lの外乱などを防止することができる。したがって、入射面52から入射した画像光Lの光量損失などを防止でき、良好に射出面53から画像光Lを射出することができる。
さらに、入射面52および射出面53の中心部が外方に突出する凸状曲面形状に形成されている。ここで、入射面52と第一反射部54Aとの間に、焦点が設けられるように入射面の曲率が形成されているので、入射面52から入射した画像光Lを良好に第一反射部54Aに誘導することができる。また、射出面53から射出する画像光Lが透過型スクリーン6の所定範囲、すなわち透過型スクリーン6の画像を表示する領域に拡大投写されるように射出面53の曲率が形成されているので、良好に投写プリズム5からの画像光Lを透過型スクリーン6に投写することができる。
[実施の形態の変形]
以上、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
以上、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、光学エンジン3から射出された画像光Lを投写プリズム5にて透過型スクリーン6に向かって拡大投写させる構成を示したが、光学エンジン3に別途画像光Lを拡大投写する投写レンズを設けてもよい。この場合、投写レンズを複数のレンズにて構成して、これらのレンズの配置により画像光Lの拡大率を変更させる構成としてもよい。
さらに、投写プリズム5を光学エンジン3に一体的に取り付けた構成としてもよい。この場合、光学エンジン3の取付位置を、画像光Lが透過型スクリーンに投写されるように調整するだけでよいため、リアプロジェクタの各部品の位置調整がさらに容易に実施できる。
さらに、入射面52と第一反射面54との間、第一反射面54と射出面53との間、および第二反射面55と射出面53との間などに光路壁部56が形成される例を示したが、光路壁部56が設けられない構成としてもよい。例えば、入射面52、第一反射面54、第二反射面55、および射出面53が連続形成された構成としてもよい。
また、上記したように、入射面52、射出面53、および反射面54,55の曲率が適宜変形可能であり、リアプロジェクタ1や透過型スクリーン6、光学エンジン3のサイズなどにより調整することが可能である。
さらには、上記実施の形態において、反射部54A,55Aは、屈曲光路を挟んで2つ設けられる構成としたが、例えば3つ以上の反射部が設けられる構成としてもよい。
そして、上記実施の形態において、入射面52および射出面53は、それぞれ透明部材51の長手方向の両端側に設けられる構成としたが、透明部材の一端面に設けられうる構成などとしてもよい。この場合でも、透明部材の内部に複数の反射部を設け、入射面から射出面までに屈曲光路を形成する構成とすればよい。
また、上記実施の形態において、第一および第二反射面54,55が自由曲面形状に形成される例を示したが、例えば、反射面が平面状に形成されていてもよく、球面形状に形成されていてもよい。また、複数の反射面のうち、いずれか1つのみが平面形状に形成されていたり、球面形状に形成されていたりする構成としてもよい。
そして、上記実施の形態では、投写プリズム5をリアプロジェクタ1に設ける構成を示したが、例えば、光学エンジンからの画像光Lを投写プリズム5を通して、非透過型のスクリーン上に拡大投写するプロジェクタなど、その他の電子機器に用いてもよい。
また、上記実施の形態では、光学エンジン3がインテグレータ照明光学系31から光束を射出する構成としたが、例えばレーザダイオードや、半導体ダイオードなどを用いた構成としてもよい。
さらに、上記実施の形態では、光変調素子として透過型の液晶パネル341を採用していたが、これに限らず、反射型の液晶パネルを採用してもよく、あるいは、ディジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサス・インスツルメント社の商標)を採用してもよい。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の投写プリズムは、画像光を透過させる画像表示装置用光学部品として利用できる。
1…画像表示装置としてのリアプロジェクタ、3…画像光射出装置としての光学エンジン、5…画像表示装置用光学部品としての投写プリズム、6…画像表示部としての透過型スクリーン、51…透明部材、52…入射面、53…射出面、54A…第一反射部、55A…第二反射部、57…反射膜、58…遮光部、31…光源装置としてのインテグレータ照明光学系、341…光変調素子としての液晶パネル。
Claims (7)
- 互いに法線方向が異なる複数の反射部を備え、入射面から入射した光束を前記複数の反射部により反射させて射出面から射出させる屈曲光路が形成される画像表示装置用光学部品であって、
前記複数の反射部は、透明部材の表面に一体に形成されるとともに、前記透明部材の内部に形成される前記屈曲光路を挟んで対向配置された
ことを特徴とした画像表示装置用光学部品。 - 請求項1に記載の画像表示装置用光学部品であって、
前記反射部は、前記透明部材の表面に反射膜を設けることで形成される
ことを特徴とした画像表示装置用光学部品。 - 請求項1または請求項2に記載の画像表示装置用光学部品であって、
前記透明部材の前記表面は、自由曲面形状に形成された
ことを特徴とした画像表示装置用光学部品。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像表示装置用光学部品であって、
前記透明部材の前記入射面、前記射出面、および前記反射面が形成されない部分には、光の入出射を阻止する遮光部が設けられた
ことを特徴とした画像表示装置用光学部品。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像表示装置用光学部品であって、
前記反射部は、前記入射面から入射した入射光を拡大反射させて、前記射出面から射出させる
ことを特徴とした画像表示装置用光学部品。 - 画像光を射出する画像光射出装置と、
前記画像光射出装置から射出された画像光の光路上に設けられる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像表示装置用光学部品と、
前記画像表示装置用光学部品から射出された画像光を投写する画像表示部と、
を具備したことを特徴とした画像表示装置。 - 請求項6に記載の画像表示装置であって、
前記画像光射出装置は、光束を射出する光源装置と、この光源装置から射出された光束を画像情報に応じて光変調して画像光を生成する光変調素子と、を備えた
ことを特徴とした画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006073336A JP2007248906A (ja) | 2006-03-16 | 2006-03-16 | 画像表示装置用光学部品、および画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006073336A JP2007248906A (ja) | 2006-03-16 | 2006-03-16 | 画像表示装置用光学部品、および画像表示装置 |
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Family
ID=38593262
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010026262A (ja) * | 2008-07-18 | 2010-02-04 | Panasonic Corp | 照明光学装置及びそれを用いた投写型表示装置 |
-
2006
- 2006-03-16 JP JP2006073336A patent/JP2007248906A/ja not_active Withdrawn
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