JP2007248281A - 電極チップ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイオセンサとして利用可能な電極チップにおいて液漏れ防止と安定した測定を実現する。
【解決手段】チャンバ基体3の第2接合面3aには凹部14が形成されている。絶縁基体2上に形成された導電体パターン5〜7は凹部14内の空隙をあけて収容されている。測定チャンバ11内に形成された封止層21によって凹部14と測定チャンバ11の連通部14aが封止されている。
【選択図】図2
【解決手段】チャンバ基体3の第2接合面3aには凹部14が形成されている。絶縁基体2上に形成された導電体パターン5〜7は凹部14内の空隙をあけて収容されている。測定チャンバ11内に形成された封止層21によって凹部14と測定チャンバ11の連通部14aが封止されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、バイオセンサとして利用可能な電極チップ及びその製造方法に関する。
チャンバ内に電極を備えるチップ(電極チップ)であってバイオセンサとして利用可能なものの製造技術として、特許文献1に電気泳動用チップとその製造方法が開示されている。詳細には、この特許文献1には、試料注入用の注入孔、試料の排出もしくは溜液用の排出孔、及び注入孔と排出孔を接続する分離流路が形成された板状部材と、注入孔と排出孔に対応する電極や個々の電極に電気的に接続された配線が形成されたシール部材を熱可塑性樹脂により構成し、これらの板状部材とシール部材を熱融着によって接合することが開示されている。また、特許文献1には、シール部材の板状部材に対する接合面に電極と配線が設けられていると密閉が不完全となって注入孔や排出孔からの液漏れの原因となるので、シール部材の接合面とは反対側の面に配線を設け、かつこの配線に対してスルーホール構造を介して電極を電気的に接続することにより、板状部材とシール部材との間の隙間をなくすことが開示されている。
しかしながら、シール部材にスルーホール構造を設けると、シール部材の製造工程が非常に煩雑となる。また、スルーホール構造を構成する導電体とシール部材の密着性が低いと、スルーホール構造を通ってチャンバ内の液体が漏れるおそれがある。さらに、前述のようにシール部材の接合面に電極からの配線を設けた場合、前述の液漏れに加え、接合時に板状部材から受ける圧力によって電極や配線を構成する導電体パターンに損傷や破断が生じるおそれもある。導電体パターンの損傷や破断は、バイオセンサとして使用した際に測定が不安定となる原因となる。
前記従来の問題に鑑み、本発明はバイオセンサとして利用可能な電極チップにおいて、液漏れを防止すると共に、導電体パターンの損傷や破断の防止により安定した測定を可能とするとすることを目的とする。
本発明の第1の態様は、電極部と、この電極部から延びる配線部とを有する導電体パターンが形成された第1の接合面を備える第1の基体と、前記第1の基体の前記第1の接合面と互いに接合された第2の接合面と、前記第2の接合面で開口するように形成され、かつ前記導電体パターンの前記電極部がその中に配置されると共に液体が供給されるチャンバと、前記導電体パターンの前記配線部が空隙をあけて収容され、かつ前記チャンバ内から延びる前記導電体パターンを通過させる第1の連通部を有するように前記第2の接合面に形成された凹部とを備える第2の基体と、前記凹部の前記第1の連通部を封止するように前記チャンバ内に設けられた前記第1及び第2の基体とは別体の封止層とを備えている電極チップを提供する。
具体的には、前記凹部は外気と連通する第2の連通部を備える。
さらに具体的には、前記第1の基体及び前記第2の基体は樹脂からなり、前記導電体パターンは金属からなり、かつ前記第1の接合面と前記第2の接合面が熱融着によって接合されている。
第1の基体の第1の接合面と第2の基体の第2の接合面は、熱融着によって気泡の混入や未接合個所のない密接度の高い状態で接合されている。また、チャンバと連通する凹部の第1の連通部は封止層によって封止されている。よって、チャンバに供給された液体の漏れを確実に防止できる。
樹脂からなる第1の基体と金属からなる導電体パターンは熱膨張係数が大きく異なり、この熱膨張係数の相違のために熱融着時には導電体パターンは変形しやすい状態にある。従って、仮に熱融着時に導電体パターンが第2の基体の第2の接合面と接触して機械的な外力ないしは圧力を受けてしまうと、導電体パターンが変形する。しかし、導電体パターンの配線部は第2の基体に設けられた凹部に空隙をあけて収容され、かつ導電体パターンは第1の連通部を通ってチャンバ内から凹部内へ延びている。換言すれば、導電体パターンは第2の基体に対して非接触である。従って、熱融着時に導電体パターンの配線部が第2の基体との接触によって機械的な外力ないしは圧力を受けるのを防止できる。その結果、熱膨張係数の相違に起因する導電パターンの配線部の変形を防止できる。
熱融着時にはチャンバ内の空気が熱膨張するが、熱融着時のチャンバ内は密閉空間ではなく、第1の連通部、凹部、及び第2の連通部を介して外気と連通している。従って、熱融着時の空気の熱膨張によるチャンバ内の圧力上昇を防止できる。その結果、チャンバ内に配置されている導電体パターンの電極部がチャンバ内の圧力上昇によって変形するのを防止できる。
熱膨張係数の相違による配線部の変形と電極部の圧力変形の両方を防止することにより、導電体パターンの損傷や破断を確実に防止できるので、安定した測定が可能である。一方、導電体パターンは電極部と配線部の両方が第1の基体の同一面、すなわち第1の接合面に設けられているので、電極部への導電経路を確保するためにスルーホール構造のような比較的複雑な構造を採用する必要がなく、量産性に優れ取り扱いも容易である。
チャンバと凹部を連通する第1の連通部は封止層によって封止されるので、電極部の面積は導電体パターンのうち第1の連通部が封止層で封止されたチャンバ内において液体と接触する部分の面積として高精度で規定される。一方、第1の連通部が封止層で封止された凹部内にはチャンバ内の液体が流入しないので、凹部内に配置された配線部を絶縁材料で被覆する必要がない。この点で本発明の電極チップは、高精度の電極面積を実現しつつ、構造を簡易化できる。
前記封止層は、前記液体が供給される前は乾燥状態で前記チャンバ内に担持され、かつ前記チャンバ内に供給された前記液体に溶解してゲル化する材料からなることが好ましい。封止層がゲル化して高粘度となることにより、チャンバへ供給される液体の圧力が作用しても、封止層は凹部の第1の連通部を封止した状態を維持する。その結果、供給された液体は第1の連通部から凹部内へ流入することなくチャンバ内に保持される。液体の供給時に圧力が作用しても第1の連通部を封止した状態を確実に維持するためには、ゲル化した封止層が2〜100cp(センチポワズ)程度の粘度を有することが好ましい。
また、封止層は少なくとも第1の連通部を封止していればよいが、電極部の全体を覆うように設けることが好ましい。この場合、前記封止層は、前記液体に含まれる前記電極部に対して酸化還元体として機能する低分子量の分子は通過させるが、前記電極部に対して非特異吸着性を有する分子を含む高分子量の分子は通過させない分子網目構造を有することが好ましい。液体に含まれる酸化還元体と電極部との電気的ないしは電気化学的な相互作用を確保しつつ、タンパク質等が電極部に非特異吸着することに起因して電極部の電気的特性が時間経過に伴って低下するのを防止できる。
特に、前記封止層を構成する材料は親水性材料からなることが好ましい。電極部の濡れ性が向上するので電極面積をより高精度で規定できる。
封止層を構成する材料として、例えばデンプン系、カルボキシメチルセルロース系、ゼラチン系、アクリル酸塩系、ビニルアルコール系、ビニルピロリドン系、無水マレイン酸系から選択された一つの系の物質もしくは二種類以上の系の混合物を採用できる。セルロース系の親水性高分子材料の一種であって非特異吸着抑制効果を有するカルボキシメチルセルロース(CMC)は、封止層を構成する材料として特に適している。
第2の発明は、電極部とこの電極部から延びる配線部とを含む導電体パターンが形成された第1の接合面を有する第1の基体を準備し、第2の接合面と、この第2の接合面で開口するチャンバと、このチャンバと連通部を介して連通する前記第2の接合面に形成された凹部とを備える第2の基体を準備し、前記導電体パターンの前記電極部が前記チャンバ内に配置され、かつ前記導電体パターンの前記配線部が空隙をあけて前記凹部に収容されるように、前記第1の基体の前記第1の接合面と前記第2の基体の第2の接合面とを互いに接合し、前記チャンバ内に前記凹部の前記連通部を封止する封止層を形成する、電極チップの製造方法を提供する。
本発明に係る電極チップ及びその製造方法によれば、第1の基体に形成された導電体パターンの配線部が第2の基体に形成された凹部に間隔をあけて収容され、かつ導電体パターンの電極部が配置されたチャンバと凹部を連通する第1の連通部がチャンバ内に配置された封止層で封止されているので、チャンバからの液漏れを防止できる。また、液漏れ防止と同時に、導電体パターンの損傷や破断を防止できるので、電極部とチャンバ内の液体との間の電気的ないしは電気化学的な相互作用を安定に実施させることができ、バイオセンサに適用した場合に安定した測定が可能となる。さらに、電極部への導電経路を確保するためにスルーホール構造のような比較的複雑な構造を採用する必要がないので、量産性に優れ取り扱いも容易である。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。構造の理解を容易にするために、図面中の厚み方向の寸法は長さ及び幅方向に寸法に対する比率は実際よりも大きく表している。
(第1実施形態)
図1から図6は本発明の第1実施形態に係る電極チップである3極式の電気化学測定チップ1(以下、測定チップと略称する。)を示す。まず、この測定チップ1による電気化学測定を概説すると、前処理反応チャンバ12内に液体試料(例えば血液や血清等の生体試料)と反応試薬が供給される。前処理反応チャンバ12内で液体試料と反応試薬を反応(例えば酵素反応)させた後、流路13を介して測定チャンバ11に前処理反応チャンバ12内の液体を送液する。この送液は、例えば外部ポンプによる圧送や測定チップ1を回転させることによる遠心力で実行される。測定チャンバ11内には、作用電極部5a、対極部6a、及び参照電極部7aが配置されている。作用電極部5aと参照電極部7aとの間に外部回路で定電圧を印加し、その際に対極部6aと作用電極部5aとの間に流れる電流を読み取ることで液体試料に含まれる特定の物質(例えば酵素)の濃度が測定される。
図1から図6は本発明の第1実施形態に係る電極チップである3極式の電気化学測定チップ1(以下、測定チップと略称する。)を示す。まず、この測定チップ1による電気化学測定を概説すると、前処理反応チャンバ12内に液体試料(例えば血液や血清等の生体試料)と反応試薬が供給される。前処理反応チャンバ12内で液体試料と反応試薬を反応(例えば酵素反応)させた後、流路13を介して測定チャンバ11に前処理反応チャンバ12内の液体を送液する。この送液は、例えば外部ポンプによる圧送や測定チップ1を回転させることによる遠心力で実行される。測定チャンバ11内には、作用電極部5a、対極部6a、及び参照電極部7aが配置されている。作用電極部5aと参照電極部7aとの間に外部回路で定電圧を印加し、その際に対極部6aと作用電極部5aとの間に流れる電流を読み取ることで液体試料に含まれる特定の物質(例えば酵素)の濃度が測定される。
測定チップ1は、絶縁基体2(第1の基体)、チャンバ基体3(第2の基体)、及び上側基体4を接合した3層構造を有する。具体的には、絶縁基体2の上面である第1接合面2a(第1の接合面)と、チャンバ基体3の下面である第2接合面3a(第2の接合面)とが互いに接合されている。また、チャンバ基体3の上面である第3接合面3bと上側基体4の下面である第4接合面4aとが互いに接合されている。後に詳述するように、チャンバ基体3に形成された測定チャンバ11には封止層21が形成されている。図6では絶縁基体2やチャンバ基体3の形状を明確に示すために、封止層21の図示は省略している。
本実施形態では、絶縁基体2、チャンバ基体3、及び上側基体4は幅が等しい矩形板状であり、図において左側ではこれらの基体2〜4の端面が互いに揃えられている。一方、図において右側では絶縁基体2の端面がチャンバ基体3及び上側基体4の端面から突出している。換言すれば、この部分では絶縁基体2はチャンバ基体3及び上側基体4で覆われておらず、第1接合面2aが露出している。
図1から図4、及び図6を参照すると、矩形板状である絶縁基体2の第1接合面2aには、3個の互いに分離された導電体パターン5,6,7が形成されている。導電体パターン5は作用電極部(電極部)5a、作用電極部5aから延びる配線部5b、及び配線部5bの他端に設けられた外部機器との電気的導通のための接点端子部5cを備える。導電体パターン6は対極部(電極部)6a、対極部6aから延びる配線部6b、及び配線部6bの他端に設けられた接点端子部6cを備える。導電体パターン7は参照電極部(電極部)7a、参照電極部7aから延びる配線部7b、及び配線部7bの他端に設けられた接点端子部7cを備える。
測定チャンバ11内の液体と電気化学的に相互作用する部分である作用電極部5a、対極部6a、及び参照電極部7aは、各導電体パターン5〜7のうち測定チャンバ11内に露出する部分として規定される。換言すれば、作用電極部5a、対極部6a、及び参照電極部7aは測定チャンバ11内に配置されている。作用電極部5aと対極部6aの寸法及び形状は、作用電極部5aと測定チャンバ11の液体の接触面積よりも対極部6aと測定チャンバ11内の液体の接触面積が十分大きくなるように設定されている。一方、参照電極部7aに関しては測定チャンバ11内の液体との接触面積は特に限定されない。
各導電体パターン5〜7の接点端子部5c〜7cは、前述のようにチャンバ基体3及び上側基体4に覆われずに露出している絶縁基体2の右側端部付近に配置されている。
各導電体パターン5〜7の配線部5b〜7bは、各導電体パターン5〜7のうち電極部5a〜7a及び接点端子部5c〜7c以外の部分として規定される。本実施形態では配線部5b〜7bはいずれも直線状であり、電極部5a〜7aから接点端子部5c〜7cに向けて互いに平行に延びている。
絶縁基体2の材料としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、セラミック、樹脂等を選択することができる。ディスポーサブルのバイオセンサとしての用途を考慮すると、加工性やコストの点から樹脂材料が絶縁基体2の材料として適している。絶縁基体2に適した樹脂材料としては、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等がある。また、後に詳述するように絶縁基体2とチャンバ基体3は熱融着により接合することが好ましいが、熱融着を採用する場合には絶縁基体2は樹脂材料(熱可塑性樹脂)である必要がある。特に、金のスパッタリングにより導電体パターン5〜7を形成し、かつ絶縁基体2とチャンバ基体3を熱融着で接合する場合、金との密着性の観点等からポリエチレンテレフタレートが絶縁基体2の材料として適している。
導電体パターン5〜7の電極部5a〜7aの材料としては、金、白金、パラジウム等の貴金属やカーボン等から選択することが可能である。特に、表面状態の安定性等の観点から、導電体パターン5〜7の材料として金を選択することが好ましい。製造工程の効率化等の観点から、導電体パターン5〜7の配線部5b〜7b及び接点端子部5c〜7cも電極部5a〜7aと同様の材料で形成することが好ましい。参照電極部7aの表面は、電界めっきやペースト塗布等の当業者に公知の方法で塩化銀化している。電界めっきの場合、ジシアン銀(I)酸イオン等を含むメッキ液中で、白金電極に対して−1.0V程度の電圧を印加することによって金や白金等で形成された導電体パターン7の参照電極部7aの部位上に銀めっきを施し、さらに3MのNaCl中で+1.2V程度の電圧を印加して塩化銀化する。また、ペースト塗布の場合、例えば銀塩化銀ペースト材料を表面に点着する。これにより、銀の脱脂洗浄や塩化銀処理、洗浄・乾燥工程等を省略できるので、低コスト化を図ることができる。
図1から図4、及び図6を参照すると、チャンバ基体3には、測定チャンバ11、前処理反応チャンバ12、及びこれらを連通する流路13、及び凹部14が形成されている。測定チャンバ11は、第2接合面3aと第3接合面3bとの間を貫通するように形成されており、本実施形態では平面視での形状が略矩形状である。前処理反応チャンバ12は第3接合面3bで開口する有底の窪みとして形成されており、本実施形態では平面視での形状は測定チャンバ11と同様の略矩形状である。流路13は第3接合面3bに形成された溝として形成されており、本実施形態では断面形状は矩形状である。測定チャンバ11は下端開口が絶縁基体2により閉鎖され、上端開口が上側基体4により閉鎖されている。前処理反応チャンバ12及び流路13の上端開口は上側基体4により閉鎖されている。
チャンバ基体3には凹部14が形成されている。この凹部14はチャンバ基体3の第2接合面3a、すなわち導電体パターン5〜7が形成された絶縁基体2の第1接合面2aと接合されるチャンバ基体3の下面に形成されている。凹部14は一端(図において左端)に測定チャンバ11と連通する連通部14a(第1の連通部)を有し、この連通部14aから測定チャンバ11に対して離れる方向に延びている。また、凹部14は他端(図において右端)にチャンバ基体3の端面で外部に開口する開口部14b(第2の連通部)を有する。図4及び図6に最も明瞭に示すように、本実施形態における凹部14はそれ自体が延びる方向と直交する断面の形状が扁平な矩形状である。具体的には、凹部14は、間隔をあけて互いに対向する一対の側壁部14c,14dと、絶縁基体2の第1接合面2aに対して間隔をあけて対向する天井壁部14eとを有する。凹部14の側壁部14c,14d、天井壁部14e、及び絶縁基体2によって、測定チャンバ11(連通口14a)から測定チップ1の外部(開口部14b)に到る扁平な直方体状の空間が形成されている。
導電体パターン5〜7は一端側(電極部5a〜7a)が前述のように測定チャンバ11内に配置されており、連通部14aを通過して測定チャンバ11から凹部14(空間16)内へ延びている。また、導電体パターン5〜7は開口部14bを通過して図において右側の絶縁基体2の第1接合面2aが露出している部分までの延びている(接点端子部5c〜7c)。各導電体パターン5〜7の電極部5a〜7aから接点端子部5c〜7cまでの部分、すなわち配線部5b〜7bは凹部14内に空隙をあけて収容されている。具体的には、図4に最も明瞭に示すように、すべての導電体パターン5〜7と凹部14の側壁部14c,14dとの間には空隙があり、かつすべての導電体パターン5〜7と天井壁部14eとの間にも空隙がある。換言すれば、いずれの導電体パターン5〜7も凹部14の側壁部14c,14dや天井壁部14eに対して非接触である。
凹部14には主として2つの機能がある。第1に、凹部14を設けたことにより導電体パターン5〜7(配線部5b〜7b)はチャンバ基板3に対して非接触の状態を維持する。この第1の機能により、後に詳述するように熱融着時に熱膨張係数の相違によって導電体パターン5〜7の配線部5b〜7bが変形するのを防止できる。第2に、凹部14を設けたことにより、封止層21が形成される前であれば、測定チャンバ11の内部は外気と連通した状態にある。詳細には、封止層21を形成する前は、測定チャンバ11の内部は連通部14a、凹部14(空間16)、及び開口部14bを介して外気と連通している。この第2の機能により、後に詳述するように熱融着時に測定チャンバ11内の圧力上昇によって導電体パターン5〜7の電極部5a〜7aが変形するのを防止できる。
本実施形態では導電体パターン5〜7は開口部14bから凹部14の外側へ延びており、絶縁基体2の第1接合面2aのうちチャンバ基体3及び上側基体4で覆われていない部分に接点端子部5c〜7cが配置されている。しかし、接点端子部5c〜7cへの外部機器の電気的接続の確保はこの構造に限定されてない。例えば、チャンバ基体3と絶縁基体2の平面視での形状と寸法を同一にして導電体パターン5〜7全体をチャンバ基体3で覆い、かつチャンバ基体3に第2接合面3aと第3接合面3bとの間を貫通する貫通孔を設けることで接点端子部5c〜7cに外部機器を接続可能としてもよい。この場合、絶縁基体2とチャンバ基体3との位置合わせが容易となるので、絶縁基体2とチャンバ基体3の接合時に誤差(位置ずれ)が生じるのを防止できる。また、図5に示すように、各導電体パターン5〜7毎に個別に凹部14A〜14Cを設けてもよい。
チャンバ基体3の材料としては、液体試料、反応試薬、これらが反応した後の液体、及び後述する封止剤分散液に対する耐食性を有する限り特に限定されない。シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、セラミック、樹脂等を選択することができる。ディスポーサブルのバイオセンサとしての用途を考慮すると、加工性やコストの点から樹脂材料がチャンバ基体3の材料として適している。チャンバ基体3に適した樹脂材料としては、ウレタン樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリジメチルシルオキサン(PDMS)等がある。また、絶縁基体2とチャンバ基体3は熱融着により接合する場合には、チャンバ基体3は樹脂材料(熱可塑性樹脂)である必要がある。透明度が高い点、微細加工等の加工が容易である点で、ポリメチルメタクリレートはチャンバ基体3の材料として適している。また、インジェクションモールドによる成形が容易である点、及びガラス転移温度が同等であるのでポリエチレンテレフタレートとの熱融着に適している点で、ウレタン樹脂はチャンバ基体3の材料として適している。
次に、封止層21については説明する。封止層21は測定チャンバ11内に形成されており、少なくとも連通部14aを封止している必要がある。本実施形態では、図2及び図3に最も明瞭に示すように、測定チャンバ11の底面全体に略一様な厚みで封止層21を形成している。詳細には、封止層21の底面は絶縁基体2のうち測定チャンバ11の底壁部を構成する部分に密着し、封止層21の周面はチャンバ基体3のうち測定チャンバ11の側壁部を構成する部分の下部側(底壁部側)に密着している。また、平面視では測定チャンバ11全体に封止層21が設けられている。このように形成された封止層21は、連通部14aを封止すると共に、各導電体パターン5〜7のうち測定チャンバ11内に配置された部分、すなわち作用電極部5a、対極部6a、及び参照電極部7aを覆っている。測定チャンバ11内の一部にのみ、すなわち連通部14aの部分にのみ封止層を形成するよりも、測定チャンバ11の底面全体に封止層21を形成する方が、被膜工法の観点から容易である。
作用電極部5a、対極部6a、及び参照電極部7aを覆うように封止層21を設ける場合、封止層21は前処理反応チャンバ12から測定チャンバ11に供給された液体を保持し、電極部5a〜7aと液体の電気的な導通を確保する性質を有する必要がある。本実施形態では、後述する材料を乾燥状態で担持させることにより封止層21を形成しており、前処理反応チャンバ12から測定チャンバ11に液体(液体試料と反応試薬を反応させた)が供給されると、封止層21を構成する材料が溶解し、水分を含んでゲル化する。封止層21がゲル化して高粘度となることにより、前処理反応チャンバ12から測定チャンバ11へ供給される液体の圧力が作用しても、封止層21は連通部14aを封止した状態を維持する。その結果、測定チャンバ11内の液体が連通部14aから凹部14内へ流入することなく測定チャンバ11内に保持される。換言すれば、ゲル化した封止層21により測定チャンバ11からの液漏れが防止される。液体の供給時に圧力が作用しても連通部14aを封止した状態を確実に維持するためには、ゲル化した封止層が2〜100cP程度の粘度を有することが好ましい。
封止層21は前処理反応チャンバ12から測定チャンバ11へ液体が供給される前の段階からゲル化していてもよい。また、本実施形態とは異なり封止層が電極部5a〜7aを覆っていない場合には、封止層21は前処理反応チャンバ12から測定チャンバ11へ液体が供給された後もゲル化することなく固体の形態を維持してもよい。
封止層21により連通部14aを封止しているので、導電体パターン5〜7のうち測定チャンバ11内において液体と接触して液体に含まれる酸化還元体と作用する部分の面積、すなわち電極部5a〜7aの面積が高精度で規定される。特に、作用電極部5aと液体の接触面積が高精度規定されるため、電気化学測定で検出される電流値が常に一定となる。一方、連通部14aが封止層21で封止された凹部14内には測定チャンバ11から液体が流入しないので、導電体パターン5〜7の配線部5b〜7bを絶縁材料等で被覆する必要はない。この点で本実施形態の電気化学測定チップ1は、高精度で電極部5a〜7aの面積を規定しながらも、構造は簡易である。なお、本実施形態のように接点端子部5c〜7cが導電体パターン5〜7のうちチャンバ基体3で覆われることなく露出している場合、接点端子部5c〜7cを絶縁材料で被覆することが好ましい。
本実施形態のように電極部5a〜7aを覆うように封止層21が形成されている場合、すなわち封止層21が少なくとも作用電極部5aと対極部6aを覆っている場合、ゲル化した封止層21が電極コーティング特性、すなわち液体中に含まれるタンパク質等の金属電極に非特異的吸着する成分が電極部5a〜7aに到達するのを遮断する阻止する性質を有することが好ましい。かかる電極コーティング特性を有する材料は、液体に含まれる電極部5a〜7aに対して酸化還元体として機能する低分子量の分子は通過させるが、電極部5a〜7aに対して非特異吸着性を有するタンパク質等の高分子量(分子構造の大きい)分子は通過させない分子網目構造を有する。封止層21が電極コーティング特性を有することにより、液体中に非特異的吸着性を有する成分が含まれていても、そのような成分の吸着に起因して対極部6aと作用電極部5aとの間に流れる電流が測定開始後の時間経過に伴って減少するのを防止できる。換言すれば、対極部6aと作用電極部5aとの間に流れる電流の安定した測定は非特異的吸着を有する成分の影響を受けず、安定した測定が可能である。
また、本実施形態のように電極部5a〜7aを覆うように封止層21が形成されている場合、封止層21を構成する材料は親水性を有することが好ましい。封止層21に親水性を持たせて濡れ性を高めることにより、各導電体パターン5〜7と測定チャンバ11内の液体の接触面積、すなわち電極部5a〜7aの面積がより高精度規定でき、測定安定性をさらに高めることができる。
具体的には、封止層21を構成する材料として、例えばデンプン系、カルボキシメチルセルロース系、ゼラチン系、アクリル酸塩系、ビニルアルコール系、ビニルピロリドン系、無水マレイン酸系から選択された一つの系の物質もしくは二種類以上の系の混合物を採用できる。これらの高分子材料は容易に溶液にでき、連通部14aの面積、測定チャンバ11の容積等の条件に応じた適切な濃度と量の溶液を滴下して乾燥することにより、電極部5a〜7aを覆う適切な厚みを有する薄膜を測定チャンバ11内に形成できる。また、これらの高分子材料は、前述の電極コーティング特性と親水性を有する。特に、セルロース系の親水性高分子材料の一種であって非特異吸着抑制効果を有するカルボキシメチルセルロース(CMC)が封止層21を構成する材料として適している。
上側基体4には厚み方向に貫通する空気口4bと注入口4cが形成されている。空気口4bは測定チャンバ11内と測定チップ1の外部を連通させ、反応試薬や液体試料を注入する際に測定チャンバ11内の空気を電気化学測定チップ1の外部に排出する機能を有する。注入口4cは前処理反応チャンバ12と測定チップ1の外部を連通させ、前処理反応チャンバ12から液体を測定チャンバ11に送液する際に測定チャンバ11内の空気を電気化学測定チップ1の外部に排出する機能を有する。上側基体4は例えば一方の面(第4接合面4a)に接着剤層が形成された樹脂製のシートからなる。
次に、本実施形態の電気化学測定チップ1の製造方法を説明する。電気化学測定チップ1の製造方法は、絶縁基体2の第1接合面2aに導電体パターン5〜7を形成する工程(図7(A))、チャンバ基体3を製作する工程、絶縁基体2の第1接合面2aとチャンバ基体3の第2接合面3aを接合する工程(図7(B),(C))、測定チャンバ11内に封止層21を形成して連通部14aを封止する工程(図7(D))、及びチャンバ基体3の第3接合面3bに上側基体4の第4接合面4aを接合する工程(図7(E))からなる。絶縁基体2の製作工程とチャンバ基体の製作工程の順序は限定されないことは言うまでもない。
絶縁基体2の第1接合面2aに導電体パターン5〜7を形成する方法としては、導電性材料の印刷、導電性材料のスパッタリング又は蒸着後のエッチング又はレーザによる除去加工、マスクを使用したスパッタリングによる除去加工を伴わない導電体パターン5〜7の形成等がある。
チャンバ基体3の製作方法としては、特にチャンバ基体3の材料として樹脂を選択した場合、切削加工、インジェクションモールド等の金型成型、熱転写によるエンボス加工等がある。
絶縁基体2とチャンバ基体3の接合方法としては熱融着が好ましい。熱融着は、熱によって軟化させた2つの樹脂部材に圧力を加えて接合する技術である。以下、熱融着が好ましい理由を詳述する。液状の接着剤で絶縁基体2とチャンバ基体3を接合すると、接着剤が微細な流路13が埋めるおそれや、接着剤中に混入した気泡により未接合個所が生じ液漏れを引き起こすおそれがある。また、予め両面に接着剤が塗布されたシートで絶縁基体2とチャンバ基体3を接合すると、シートの反りや曲がりにより微細な流路13の内部にシートが張り付くおそれや、接合時に混入した気泡により未接合個所が生じ液漏れを引き起こすおそれがある。さらに、超音波溶接により絶縁基体2とチャンバ基体3を接合する場合、接着剤は使用しないので気泡の混入は生じないが、基体全体に一様にエネルギーが作用するため微小な流路13が埋まるおそれがある。これに対して、熱融着による接合であれば、絶縁基体2の第1接合面2aとチャンバ基体3の第2接合面3aは液漏れの原因となる気泡の混入や未接合個所のない密接度の高い状態で接合される。また、熱融着による接合であれば、微細な流路13の埋まり等をも防止できる。
熱融着の具体的な方法は、以下の2つのうちいずれであってもよい。第1の方法としては、まず絶縁基体2の第1接合面2a上にチャンバ基体3の第2接合面3aを位置合わせして重ね合わせる。次に、チャンバ基体3の第3接合面3b上に圧力を加え又はチャンバ基体3の第3接合面3b上におもりを載置することで絶縁基体2の第1接合面2aにチャンバ基体3の第3接合面を押し付ける。この加圧状態を維持しつつ、絶縁基体2とチャンバ基体3を高温炉内収容して加熱する。絶縁基体2とチャンバ基体3を構成する樹脂材料をガラス転移温度Tg以上の温度とし、第1及び第2接合面2a,3aを軟化させ、その後、所定時間の冷却を行って樹脂材料を硬化させると第1及び第2接合面2a,3aが互いに接合される。第2の方法としては、まず絶縁基体2とチャンバ基体3を重ね合わせない状態で加熱する。その後、絶縁基体2の第1接合面2a上にチャンバ基体3の第2接合面3aを位置合わせされた状態で重ね合わせて加圧する。その後、所定時間の冷却を行って樹脂材料を硬化させると第1及び第2接合面2a,3aが互いに接合される。熱融着に使用される加圧装置、高温炉等の加熱装置は特に限定されず、当業者にとって公知のものを使用できる。また、温度、加圧力等の条件は、樹脂材料の種類、基体2,3の寸法や形状等に応じて適宜設定される。
樹脂からなる絶縁基体2と金属からなる導電体パターン5〜7は熱膨張係数が大きく異なり、この熱膨張係数の相違のために熱融着時には導電体パターン5〜7は変形しやすい状態にある。従って、仮に熱融着時に導電体パターン5〜7がチャンバ基体3の第2接合面3aと接触して機械的な外力ないしは圧力を受けてしまうと、導電体パターン5〜7が変形する。しかし、導電体パターン5〜7の配線部5b〜7bはチャンバ基体3に設けられた凹部14(空間16)に空隙をあけて収容され、かつ導電体パターン5〜7は連通部14aを通って測定チャンバ11内から凹部14内へ延びている。換言すれば、導電体パターン5〜7は熱圧着時もチャンバ基体3に対して非接触である。従って、熱融着時に導電体パターン5〜7の配線部5b〜7bがチャンバ基体3との接触によって機械的な外力ないしは圧力を受けるのを防止できる。その結果、熱膨張係数の相違に起因する導電体パターン5〜7の配線部の変形を防止できる。
熱融着時には測定チャンバ11内の空気が熱膨張するが、熱融着時の測定チャンバ11内は密閉空間ではなく、連通部14a、凹部14、及び開口部14bを介して外気と連通している。従って、熱融着時の空気の熱膨張による測定チャンバ11内の圧力上昇を防止できる。その結果、測定チャンバ内に配置されている導電体パターン5〜7の電極部5a〜7aが測定チャンバ11内の圧力上昇によって変形するのを防止できる。
このように熱膨張係数の相違による配線部5b〜7bの変形と電極部5a〜7aの圧力変形の両方を防止することにより、導電体パターン5〜7の損傷や破断を確実に防止できる。
封止層21の形成方法について説明する。封止層21は、封止材料の分散液を測定チャンバ11内に滴下し、乾燥することで形成される。すなわち、封止層21の形成は、封止材料を溶媒に分散させた分散液を測定チャンバ11内に滴下する工程と、測定チャンバ11内に滴下された分散液から溶媒を蒸発させて乾燥した封止層21を測定チャンバ11内に担持させる工程とからなる。
封止材料を分散させる溶媒としては、水、蒸留水、又は純水等の水類、生理食塩水、各種化学物質・塩等を融解したバッファー溶液、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ノルマルブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、石油類等から適宜選択される。特に、超純水を溶媒として採用、高分子液(封止材料)を所定の濃度に溶解して分散液として用いるのが好ましい。分散液中の封止材料の濃度としては、0.01重量%から30重量%の範囲が好ましく、特に2.5重量%が好ましい。
乾燥方法は、特に限定されず当業者にとって公知の技術を適用できる。例えば、真空乾燥、常温乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、回転乾燥、加熱乾燥等を適用できる。封止層21と絶縁基体2及びチャンバ基体3との密着性、製造容易性、及び迅速乾燥性の点から真空乾燥が特に好ましい。
本実施形態の電気化学測定チップ1は、特に以下の特徴を有する。第1に、絶縁基体2の第1接合面2aとチャンバ基体3の第2接合面3aは熱融着によって気泡の混入や未接合個所のない密接度の高い状態で接合され、かつ測定チャンバ11と凹部14との接続部分である連通部14aは封止層21によって封止されている。そのため、測定チャンバ11に供給された液体の漏れを確実に防止できる。第2に、凹部14(空間16)内に導電体パターン5〜7の電極部5a〜7aを配置した構造により熱膨張係数射の相違に起因する熱融着時の配線部5b〜7bの変形防止できる。また、凹部14(空間16)を介して熱膨張した測定チャンバ11の空気を外部に逃がすことができるので、熱融着時の電極部5a〜7aの圧力変形を防止できる。これら熱膨張係数の相違による配線部の変形防止と電極部の圧力変形防止により、熱融着時に導電体パターン5〜7に損傷や破断が生じるのを確実に防止している。その結果、電極部5a〜7aと測定チャンバ11内の液体との間の酸化還元作用等の電気的ないしは電気化学的な相互作用が安定し、安定した電気化学測定が可能である。第3に、導電体パターン5〜7は電極部5a〜7aと配線部5b〜7bの両方がチャンバ基体3の同一面、すなわち第1接合面2aに設けられているので、外部機器から電極部5a〜7aへの導電経路を確保するためにスルーホール構造のような比較的複雑な構造を採用する必要がなく、量産性に優れ取り扱いも容易である。
(第2実施形態)
図8から図11に示す本発明の第2実施形態に係る測定チップ1は、作用電極部5aを有する導電体パターン5と対極部6aを有する導電体パターン6が絶縁基体2に形成されているが、参照電極部7aを有する導電体パターン7は絶縁基体2に形成されていない。接点端子部5,6に接続した外部機器により作用電極部5aと対極部6aに電圧を印加し、その際に流れる電流を検出することにより測定チャンバ11内の液体に含まれる特定の成分(例えば、グルコース)の濃度を検出できる。図12に示すように、導電体パターン5,6毎に個別に凹部14A,14Bを設けてもよい。第2実施形態のその他の構成、製造方法、作用効果は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図8から図11に示す本発明の第2実施形態に係る測定チップ1は、作用電極部5aを有する導電体パターン5と対極部6aを有する導電体パターン6が絶縁基体2に形成されているが、参照電極部7aを有する導電体パターン7は絶縁基体2に形成されていない。接点端子部5,6に接続した外部機器により作用電極部5aと対極部6aに電圧を印加し、その際に流れる電流を検出することにより測定チャンバ11内の液体に含まれる特定の成分(例えば、グルコース)の濃度を検出できる。図12に示すように、導電体パターン5,6毎に個別に凹部14A,14Bを設けてもよい。第2実施形態のその他の構成、製造方法、作用効果は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
(実施例)
本発明の第1実施形態に係る測定チップ1を製作し、定電位測定を行った。
本発明の第1実施形態に係る測定チップ1を製作し、定電位測定を行った。
まず、測定チップ1の製作について説明する。絶縁基体2である1mmのポリエチレンテレフタレート(PET)上に2000Åの金属膜をスパッタリングにより成膜し、フォトリソグラフィによって電極部5a〜7aを有する導電体パターン5〜7を形成した。また、参照電極部7aには銀−塩化銀ペーストを滴下し、2日間乾燥して固定させた。この導電体パターン5〜7を形成した絶縁基体2を4枚製作した。
鉄鋼材料を切削加工してキャビティ中に前処理反応チャンバ12、測定チャンバ11、流路13、及び凹部14に対応する突出部分を有する金型を製作した。この金型を使用してウレタン樹脂であるキャスト材をインジェクションモールドにより樹脂転写し、チャンバ基体3を製作した。なお、図1から図6とは異なり、前処理反応チャンバ12及び測定チャンバ11は直径3mmの円形とした(図15参照)。凹部14は幅(側壁部14c,14d間の間隔)を1mm、深さを35μmとした。このチャンバ基体3を2枚製作した。また、比較のために、凹部14を形成していないチャンバ基体3を2枚製作した。以下の説明では、製作した4枚のチャンバ基体3のうち凹部14が形成されている第1実施形態のチャンバ基体に言及する場合には参照番号3Aを使用し、凹部14が形成されていないチャンバ基体に言及する場合には参照番号3Bを使用する。
次に、熱融着により絶縁基体2とチャンバ基体3を接合した。導電体パターン5〜7が形成された絶縁基体2の第1接合面2a上にチャンバ基体3の第2接合面3aを位置合わせして配置した後、チャンバ基体3の第3接合面3bにおもりを載せて加圧した。この状態で絶縁基体2とチャンバ基体3を80℃に加熱したオーブン内に投入し、所定時間の間加熱した。その後、加熱を停止して十分に冷却した後、絶縁基体2とチャンバ基体3をオーブンから取り出した。凹部14を有するチャンバ基体3Aと絶縁基体2を熱融着したものを2枚製作した。これらは2枚とも前処理反応チャンバ12、測定チャンバ11、流路13、及び凹部14を除く部分で第1及び第2接合面2a,3aが強固に接続されていた。また、凹部14を有してないチャンバ基体3Bと絶縁基体2を熱融着したものを2枚製作した。これらについても2枚とも前処理反応チャンバ12、測定チャンバ11、及び流路13を除く部分で第1及び第2接合面2a,3aが強固に接続されていた。
封止材料であるカルボキシメチルセルロース(CMC)が終濃度で2.5重量%となるように溶媒としての超純水に分散させて、分散液を作製した。チャンバ基体3Aと絶縁基体2を熱融着したもの(1枚)及びチャンバ基体3Bと絶縁基体2を熱融着したもの(1枚)の測定チャンバ11にそれぞれ11μL注入した。その後、これらをデシケータ内に配置して外部からターボポンプにより室温で15分間真空引きし、分散液から溶媒である超純水を蒸発させた。その結果、測定チャンバ11内の底部に連通部14aを封止し、かつ電極部5a〜7aを覆う封止層21が形成された。チャンバ基体3Aと絶縁基体2を熱融着したものの内の他の1枚及びチャンバ基体3Bと絶縁基体2を熱融着したものうちの他の1枚について封止層21の形成は行わなかった。
以上の手順により以下の表1に示す4種類の測定チップ1A,1A’,1B,1B’が得られた。測定チップ1Aが本発明の第1実施形態に対応し、測定チップ1A’,1B,1B’は比較のための例である。
次に、これらの測定チップ1A〜1B'を使用した測定について説明する。これらの測定チップ1A〜1B'を使用して、生体中の血液等に含まれる酵素である乳酸脱水素酵素(LDH)の濃度を測定した。LDHは、ニコチン酸アミドアデニンヌクレオチド還元体(NAD)とニコチン酸アミドアデニンヌクレオチド酸化体(NAD+)を補酵素として、以下の式に示す反応を触媒である。
測定に関係する反応は以下の通りである。
反応1:乳酸とNADを、LDHの存在下でピルビン酸とNADHへ変換する。
反応2:NADHと電子受容体(酸化型メディエータ)をジアホラーゼの存在下でNADと電子供与体(還元型メディエータ)へ変換する。
反応3:電子供与体を電極により電子受容体に変換する。
反応2:NADHと電子受容体(酸化型メディエータ)をジアホラーゼの存在下でNADと電子供与体(還元型メディエータ)へ変換する。
反応3:電子供与体を電極により電子受容体に変換する。
以下、具体的手順を説明する。まず、前処理反応チャンバ12内に電子受容体としての100mMのフェリシアン化カリウム0.4μl、1000U/mlのジアホラーゼを0.5μl、1Mの乳酸リチウムを0.4μl、及び1000mMのニコチンアミドジヌクレオチド酸化体(以下、NAD+)を0.4μl滴下し、室温で15分間真空乾燥して乾燥させた。次に、チャンバ基体3の第3接合面3bに上側基体4である粘着テープを貼り付けて前処理反応チャンバ12、測定チャンバ11、及び流路13をシールした。前処理反応チャンバ12と測定チャンバ11は完全にはシールしておらず、前述の注入口と空気口4bが設けられている。
次に、液体試料として400U/LのLDHに50mMのTris−HCl緩衝液を加えたものを50μl注入口4cから前処理反応チャンバ12に注入し、30℃雰囲気中で5分間反応させた。続いて、遠心力によって流路13を介して測定チャンバ11へ前処理反応チャンバ12内の液体を送液した。図14に遠心力を利用した送液装置31を示す。この送液装置31は回転軸32に固定された円板33を備え、この円板33に測定チップ1を取り外し可能に装着できる。回転軸32には駆動回路34により駆動されるモータ35の回転が伝達される。測定チップ1は測定チャンバ11が前処理反応チャンバ12よりも回転軸32から離れた位置となるように、円板33に装着される。円板33の回転により生じる遠心力で前処理反応チャンバ12内の液体が流路13を介して測定チャンバ11に送られる。
図15(A)〜(D)に測定チャンバ11への測定完了時の液体36の平面視で外観を模式的に示す。図15(A)は測定チップ1A、図15(B)は測定チップ1A'、図15(C)は測定チップ1B、図15(D)は測定チップ1B'をそれぞれ示す。凹部14を設け、かつ封止層21を形成しなかった測定チップ1A’は測定チャンバ11から凹部14への顕著な液体36が漏れ出した。また、凹部14を設けず、かつ封止層21を形成しなかった測定チップ1B'についても若干量の液体36の漏れ出しが認められた。
次に、液体36の漏れが顕著であった測定チップ1A’以外の3種類の測定チップ1A,1B,1B’について測定を実行した。具体的には、作用電極部5aと参照電極部7a間に定電圧(+400mV)を印加し、その際に作用電極部5aと対極部6a間に流れる電流を測定した。測定結果を表2に示す。
凹部14を形成しなかった測定チップ1B,1B’では電流値にばらつきが大きかった。特に、液体36中に被測定物質であるLDHが存在しない場合(LDH活性 0U/l)で測定される電流値が、LDHが存在する場合(LDH活性 200U/l,400U/l)に比べ顕著に大きくなっており、測定精度が劣る。これに対して、凹部14を設け、かつ封止層21を形成した測定チップ1Aでは、測定された電流は、LDH活性との相関性が良好であった。図16に測定チップ1AについてLDH活性を変化させたときの測定開始後60秒後の電流値を示す。この図16では縦軸が電流値(nA)で横軸が液体36中のLDH活性(U/l)であり、LDH活性に対する電流値を白丸で示している。測定チップ1Aにおける電流値とLDH活性の相関を決定数R2乗で評価したところ、0.98であった。このように測定チップ1Aでは安定した電気化学測定が可能であった。
なお、実施例では反応の安定性を考慮してフェリシアン化カリウム−フェロシアン化カリウムの系を電子受容体として使用した。電子受容体としてP−ベンゾキノンを使用しても安定した反応が可能である。P−ベンゾキノンを使用すれば反応速度が速くなるので、測定の高速化を図ることができる。また、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール、メチレンブルー、フェナジンメトサルフェート、β−ナフトキン、4−スルホン酸カリウム、フェロセン等が使用できる。
本発明は前記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。例えば、本発明は実施形態のような電気化学測定チップに限定されず、電気泳動用チップにも適用できる。
1,1A,1A’,1B,1B’ 測定チップ
2 絶縁基板
2a 第1接合面
3 チャンバ基体
3a 第2接合面
3b 第3接合面
4 上側基体
4a 第4接合面
4b 空気口
4c 注入口
5 導電体パターン
5a 作用電極部
5b 配線部
5c 接点端子部
6 導電体パターン
6a 対極部
6b 配線部
6c 接点端子部
7 導電体パターン
7a 参照電極部
7b 配線部
7c 接点端子部
11 測定チャンバ
12 反応チャンバ
13 流路
14,14A,14B,14C 凹部
14a 連通部
14b 開口部
14c,14d 側壁部
14e 天井壁部
16 空間
21 封止層
31 送液装置
32 回転軸
33 円板
34 駆動回路
35 モータ
36 液体
2 絶縁基板
2a 第1接合面
3 チャンバ基体
3a 第2接合面
3b 第3接合面
4 上側基体
4a 第4接合面
4b 空気口
4c 注入口
5 導電体パターン
5a 作用電極部
5b 配線部
5c 接点端子部
6 導電体パターン
6a 対極部
6b 配線部
6c 接点端子部
7 導電体パターン
7a 参照電極部
7b 配線部
7c 接点端子部
11 測定チャンバ
12 反応チャンバ
13 流路
14,14A,14B,14C 凹部
14a 連通部
14b 開口部
14c,14d 側壁部
14e 天井壁部
16 空間
21 封止層
31 送液装置
32 回転軸
33 円板
34 駆動回路
35 モータ
36 液体
Claims (11)
- 電極部と、この電極部から延びる配線部とを有する導電体パターンが形成された第1の接合面を備える第1の基体と、
前記第1の基体の前記第1の接合面と互いに接合された第2の接合面と、前記第2の接合面で開口するように形成され、かつ前記導電体パターンの前記電極部がその中に配置されると共に液体が供給されるチャンバと、前記導電体パターンの前記配線部が空隙をあけて収容され、かつ前記チャンバ内から延びる前記導電体パターンを通過させる第1の連通部を有するように前記第2の接合面に形成された凹部とを備える第2の基体と、
前記凹部の前記第1の連通部を封止するように前記チャンバ内に設けられた前記第1及び第2の基体とは別体の封止層と
を備えている、電極チップ。 - 前記凹部は外気と連通する第2の連通部を備えている、請求項1に記載の電極チップ。
- 前記第1の基体及び前記第2の基体は樹脂からなり、
前記導電体パターンは金属からなり、かつ
前記第1の接合面と前記第2の接合面が熱融着によって接合されている、請求項1に記載の電極チップ。 - 前記封止層は、前記液体が供給される前は乾燥状態で前記チャンバ内に担持され、かつ前記チャンバ内に供給された前記液体に溶解してゲル化する材料からなる、請求項1に記載の電極チップ。
- 前記封止層は前記電極部の全体を覆うように設けられている、請求項1に記載の電極チップ。
- 前記封止層は、前記液体に含まれる前記電極部に対して酸化還元体として機能する低分子量の分子は通過させるが、前記電極部に対して非特異吸着性を有する分子を含む高分子量の分子は通過させない分子網目構造を有する、請求項5に記載の電極チップ。
- 前記封止層を構成する材料は親水性材料からなる、請求項5に記載の電極チップ。
- 前記封止層を構成する材料はカルボキシメチルセルロースである、請求項1に記載の電極チップ。
- 電極部とこの電極部から延びる配線部とを含む導電体パターンが形成された第1の接合面を有する第1の基体を準備し、
第2の接合面と、この第2の接合面で開口するチャンバと、このチャンバと連通部を介して連通する前記第2の接合面に形成された凹部とを備える第2の基体を準備し、
前記導電体パターンの前記電極部が前記チャンバ内に配置され、かつ前記導電体パターンの前記配線部が空隙をあけて前記凹部に収容されるように、前記第1の基体の前記第1の接合面と前記第2の基体の第2の接合面とを互いに接合し、
前記チャンバ内に前記凹部の前記連通部を封止する封止層を形成する、電極チップの製造方法。 - 前記第1の基体及び前記第2の基体は樹脂からなり、前記第1の基体の前記第1の接合面と前記第2の基体の前記第2の接合面との接合は熱融着による、請求項9に記載の電極チップの製造方法。
- 前記封止層の形成は、前記封止層を構成する材料を溶媒に分散させた分散液を前記チャンバ内に滴下した後、前記分散液から前記溶媒を蒸発させることにより行われる、請求項9に記載の電極チップの製造方法。
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