JP2007247070A5 - 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法および陽極酸化ポーラスアルミナ - Google Patents
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本発明の課題は、陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法および陽極酸化ポーラスアルミナを提供することにあり、例えば、陽極酸化ポーラスアルミナ細孔内に真空蒸着法により他物質を充填するに際し、高アスペクト比の充填構造を簡便に、かつ、安価に達成可能とした、陽極酸化ポーラスアルミナ複合体の製造に用いて好適な陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法および陽極酸化ポーラスアルミナを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法は、エッチング処理により少なくとも陽極酸化ポーラスアルミナの細孔の開口部を拡径した後、再び陽極酸化を行うことにより、初期に形成されていた細孔の底部から延長する細孔を形成し、この2段の細孔に対してさらに前記エッチング処理を行うことを特徴とする方法からなる。すなわち、陽極酸化ポーラスアルミナの細孔構造の細孔開口部における、開口部を塞ぐように形成されていた部分をエッチング処理により選択的に溶解除去し、所望の孔径を有する開口部分を確保する。これにより、例えば細孔内に真空蒸着により他物質を充填する場合には、蒸着物質が容易に細孔内奥部に到達できるようになり、これによって、容易に高アスペクト比の充填構造を有する複合体が得られる。
とくに本発明では、上記エッチング処理の後再び陽極酸化を行うことにより、初期に形成されていた細孔の底部からさらに延長する細孔を形成し、この2段の細孔に対してさらに上記エッチング処理を行う。また、この陽極酸化とエッチング処理を複数回繰り返すこともできる。このような繰り返し処理により、細孔開口部における溶解がより進行してより確実に所望の細孔開口部の拡径処理が行われるとともに、細孔の開口部側ほど拡径された細孔形状となるので、例えば真空蒸着の際に、細孔の奥深くまで、一層容易に充填されるようになる。
細孔内に充填される上記他物質は複合体の用途に応じて決めればよい。たとえば前述したような垂直磁気記録媒体とする場合には、細孔内に充填する他物質として強磁性体を用いればよい。このような本発明方法を用いて製造された陽極酸化ポーラスアルミナ複合体は、とくに、電気・電子、光学、または磁気デバイスを構成するのに使用できる。
本発明はまた、例えば後述の図6に示すように、陽極酸化処理及びエッチング処理を行うことにより複数の細孔が形成された陽極酸化ポーラスアルミナであって、該細孔の断面形状が階段状であることを特徴とする陽極酸化ポーラスアルミナも提供する。
以上説明したように、本発明に係る陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法および陽極酸化ポーラスアルミナによれば、例えば細孔内に他物質を充填して陽極酸化ポーラスアルミナ複合体を製造する場合、従来の方法に比較し、陽極酸化ポーラスアルミナ細孔内に容易に、且つ密に物質を充填した複合体の作製が可能となり、この結果、高性能なデバイスの作製が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明を利用して細孔内に他物質を充填して陽極酸化ポーラスアルミナ複合体を製造する場合における、陽極酸化、真空蒸着、平滑化のプロセスの基本的な概念を模式的に示している。すなわち、アルミニウム素材1に陽極酸化処理を施すことにより、規則的な細孔2を有する陽極酸化ポーラスアルミナ3の層が形成される。二段階陽極酸化処理を施せば、細孔2の均一性、規則性を向上できる。この陽極酸化ポーラスアルミナ3に真空蒸着により、他物質、たとえばニッケルが蒸着される。蒸着物質4は、陽極酸化ポーラスアルミナ3の細孔2内に充填されるが、細孔2以外の表面にも蒸着され、その分表面に凹凸が形成されてしまうので、凸部分を機械的あるいは化学的に除去し、表面を平滑化する。このような方法により、たとえば垂直磁気記録媒体等に好適な陽極酸化ポーラスアルミナ複合体5の構造が完成する。
図1は、本発明を利用して細孔内に他物質を充填して陽極酸化ポーラスアルミナ複合体を製造する場合における、陽極酸化、真空蒸着、平滑化のプロセスの基本的な概念を模式的に示している。すなわち、アルミニウム素材1に陽極酸化処理を施すことにより、規則的な細孔2を有する陽極酸化ポーラスアルミナ3の層が形成される。二段階陽極酸化処理を施せば、細孔2の均一性、規則性を向上できる。この陽極酸化ポーラスアルミナ3に真空蒸着により、他物質、たとえばニッケルが蒸着される。蒸着物質4は、陽極酸化ポーラスアルミナ3の細孔2内に充填されるが、細孔2以外の表面にも蒸着され、その分表面に凹凸が形成されてしまうので、凸部分を機械的あるいは化学的に除去し、表面を平滑化する。このような方法により、たとえば垂直磁気記録媒体等に好適な陽極酸化ポーラスアルミナ複合体5の構造が完成する。
上記陽極酸化ポーラスアルミナの製造におけるエッチング処理としては、リン酸に代表される陽極酸化ポーラスアルミナを溶解するエッチング溶液の他、イオンミリングをはじめとする乾式エッチングプロセスを利用することもできる。
そして本発明においては、細孔2は次のように形成される。図6に示すように、上記の如くエッチング処理により拡径された細孔開口部7を確保した後に、さらに陽極酸化処理を行い、それまでに形成されていた細孔2の底部からさらに延びる細孔9を形成し、これら両細孔2、9に対してさらにエッチング処理を施す。そして、さらに陽極酸化処理を行ってさらなる細孔10を追加することもでき、続いてエッチング処理を行うこともできる。このような陽極酸化処理とエッチング処理により形成された複数の細孔の、各細孔の断面形状は、図6に示すように、階段状の断面形状に形成される。また、上記のように、陽極酸化とエッチング処理を繰り返すことにより、たとえば図7に示すような逆台形形状に近い細孔11とすることも可能になり、物質充填上より望ましい形態に近づけることも可能になる。
Claims (3)
- エッチング処理により少なくとも陽極酸化ポーラスアルミナの細孔の開口部を拡径した後、再び陽極酸化を行うことにより、初期に形成されていた細孔の底部から延長する細孔を形成し、この2段の細孔に対してさらに前記エッチング処理を行うことを特徴とする陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
- 前記陽極酸化とエッチング処理を複数回繰り返す、請求項1に記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
- 陽極酸化処理及びエッチング処理を行うことにより複数の細孔が形成された陽極酸化ポーラスアルミナであって、該細孔の断面形状が階段状であることを特徴とする陽極酸化ポーラスアルミナ。
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