JP2007246412A - 消化管用経口製剤とその製造方法および消化管用経口カプセル剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】消化液によって溶解可能な制御層を備えた消化管用経口製剤において、薬剤と薬剤担持層とに対する保護層を薄くすることにより、薬剤と薬剤担持層とを外側の消化液から保護するという保護層の機能を満足しつつ、消化管用経口製剤の寸法を微細なものにして、薬剤の吸収のばらつきを少ないものにする。
【解決手段】薬剤2と、この薬剤2を担持した薬剤担持層3と、この薬剤担持層3の外側の一部分を覆うように設けられ、消化管から分泌される消化液によって溶解可能な制御層6と、薬剤担持層3の外表面の概ね残りの部分を覆うように設けられ、薬剤2と薬剤担持層3とを外側の消化液から保護する保護層5とを備え、保護層5は、化学気相成長法により保護層5の成分が薬剤担持層3の外表面に成層されている。
【選択図】図2
【解決手段】薬剤2と、この薬剤2を担持した薬剤担持層3と、この薬剤担持層3の外側の一部分を覆うように設けられ、消化管から分泌される消化液によって溶解可能な制御層6と、薬剤担持層3の外表面の概ね残りの部分を覆うように設けられ、薬剤2と薬剤担持層3とを外側の消化液から保護する保護層5とを備え、保護層5は、化学気相成長法により保護層5の成分が薬剤担持層3の外表面に成層されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、薬剤を消化管へと浸透させる消化管用経口製剤とその製造方法に関するものである。
近年、薬剤の消化管への吸収を効率良く行わせることを目的として、薬剤を消化管へと浸透させる時間を制御する制御層を備えた消化管用経口製剤が提案されている。
例えば、特許文献1には、薬剤担持層と、この薬剤担持層の1部分を覆うように設けられ、消化管から分泌される消化液に反応して自ら溶解することにより消化管の特定の部位に薬剤担持層を付着させる制御層と、薬剤担持層の残りの部分を覆うように設けられた保護層とを備えた消化管用薬物送達経口製剤の技術が開示されている。
この特許文献1に開示された消化管用薬物送達経口製剤においては、保護層は、水不溶性ポリマまたはワックス類から成るフィルムまたはカプセルが採用されている。
また、この特許文献1には、上記の保護層を形成する方法として、水不溶性ポリマまたはワックス類をエタノールなどの有機溶媒に溶解し、得られた溶液を多数の微細な半球状の型を有するテフロン(登録商標)型枠にキャストするとともに、溶媒を蒸発させることで半球状に形成されたフィルム状の保護層を形成する方法(第1の実施形態)と、水不溶性ポリマまたはワックス類を有機溶媒に溶解して得られた溶液をテフロン(登録商標)板にキャストして平板なフィルムを製作した後、このフィルムを多数の微細な突起物の上に載せて熱により変形させて保護層を形成する方法(第2の実施形態)とが開示されている。
特表2002−531394号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載された消化管用経口製剤の製造方法は、いずれも微細な消化管用経口製剤を製造するのに有効な方法であるが、フィルム状の保護層を形成してから薬剤を充填するので、ある程度保護層の厚みを確保する必要がある結果、消化管用経口製剤の外径寸法を1mm以下に小さくしようとする場合には限界があった。そのため、一回に投与される消化管用経口製剤薬剤の個数が少なくなる結果、消化管において一個一個の薬剤の吸収にばらつきが大きくなることが予想された。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、消化管用経口製剤の寸法を微細なものにして、薬剤の吸収のばらつきを少なくすることができる消化管用経口製剤とその製造方法とを提供することを課題としている。
上記課題を解決するための本発明に係る消化管用経口製剤は、薬剤と、この薬剤を担持した薬剤担持層と、この薬剤担持層の外表面に設けられ、薬剤と薬剤担持層とを消化管の消化液から保護する保護層と、上記保護層に設けられ、消化管から分泌される消化液に接した時に薬剤を消化管に供給可能な複数の細孔とを備え、上記保護層は、化学気相成長法により保護層の成分が薬剤担持層の外表面に成層されたものであることを特徴とする消化管用経口製剤である。
本発明によれば、消化管用経口製剤が、複数の細孔を備え、消化管から分泌される消化液に接した時に、この複数の細孔を通して薬剤を消化管に供給することができるので、薬剤を浪費したりすることがない。そのため、薬剤を無駄なく有効に消化管に到達させることができるようになる。
しかも保護層が、化学気相成長法により成層されるので、保護層を極めて薄くすることができる結果、消化管用経口製剤の寸法を微細なものにして、薬剤の吸収のばらつきを少なくすることができる。
また、上記課題を解決するための本発明に係る消化管用経口製剤は、薬剤と、この薬剤を担持した薬剤担持層と、この薬剤担持層の外表面に設けられ、薬剤と薬剤担持層とを消化管の消化液から保護する保護層と、上記薬剤担持層の外表面の概ね残りの部分を覆うように設けられ、消化管から分泌される消化液に接した時に、溶解可能な制御層とを備え、上記保護層は、化学気相成長法により保護層の成分が薬剤担持層の外表面に成層されたものとして構成しても良い。
このようにすれば、消化管用経口製剤が、制御層を備えているので、消化管用経口製剤が消化管に到達してから薬剤担持層を露出させることができる結果、薬剤を浪費したりすることがない。そのため、薬剤を無駄なく有効に消化管に到達させることができるようになる。
しかもこの場合も、保護層が、化学気相成長法により成層されるので、保護層を極めて薄くすることができる結果、消化管用経口製剤の寸法を微細なものにして、薬剤の吸収のばらつきを少なくすることができる。
ここで、上記薬剤担持層と制御層との間に、消化管の特定の部位に付着して薬剤を薬剤担持層から消化管へと浸透させる対消化管付着層を備えたことが好ましい。
このようにすれば、薬剤担持層と制御層との間に、消化管の特定の部位に付着して薬剤を薬剤担持層から消化管へと浸透させる対消化管付着層を備えているので、消化管の特定の部位に付着して薬剤を消化管へと浸透させることができる結果、薬剤の消化管への吸収を効率良く行わせることができる。
また、上記保護層は、化学気相成長法の誘導結合プラズマCVD法により保護層の成分が薬剤担持層の外表面に100℃以下の温度条件で成層されたものであることが好ましい。
このようにすれば、保護層が、誘導結合プラズマCVD法により100℃以下の温度条件で成層されるので、製造の過程で薬剤と薬剤担持層とを変質させることが少ない。
そして、上記保護層は、少なくとも化学気相成長法により成層された二酸化珪素、窒化珪素、窒酸化珪素のいずれかの層を備えていることが好ましい。
このようにすれば、保護層が化学的に安定な二酸化珪素、窒化珪素、窒酸化珪素のいずれかの層を備えているので、消化液に対してより安定な保護層を形成することができる。
また、上記課題を解決するための本発明に係る消化管用経口カプセル剤は、上記消化管用経口製剤が、カプセルに収容されていることが好ましい。
このようにすれば、消化管用経口製剤が、カプセルに収容されているので、嚥下しやすい消化管用経口製剤にすることができるようになる。
また、上記課題を解決するための本発明に係る消化管用経口製剤の製造方法は、薬剤と、この薬剤を担持した薬剤担持層と、この薬剤担持層の外表面の一部分に設けられ、消化管の特定の部位に付着可能で、かつ薬剤が薬剤担持層から消化管へと浸透可能な対消化管付着層と、上記薬剤担持層の外表面の残りの部分に設けられ、薬剤と薬剤担持層とを外側の消化液から保護する保護層とを備えた消化管用経口製剤の製造方法であって、上記対消化管付着層を構成するシート状の対消化管付着性シート材の上に、上記薬剤と薬剤担持層成分との混合物を所定量ずつ間隔を隔てて滴下して複数の薬剤担持層を形成する薬剤担持層形成工程と、上記薬剤担持層形成工程により、薬剤担持層が所定量ずつ間隔を隔てて形成された上記対消化管付着性シート材と薬剤担持層との上から化学気相成長法により保護層の成分を成膜させる保護層形成工程と、複数の薬剤担持層の間にある対消化管付着性シート材と保護層とを切断することにより一つ一つの消化管用経口製剤を分離形成する分離工程とを含むことを特徴としている。
本発明によれば、シート状の対消化管付着性シート材の上に、薬剤と薬剤担持層成分との混合物を所定量ずつ滴下して複数の薬剤担持層を形成するとともに、化学気相成長法により保護層を成膜させるので、保護層を極めて薄くすることができる結果、消化管用経口製剤の寸法を微細なものにして、薬剤の吸収のばらつきを少なくすることができる。
ここで、上記保護層形成工程は、化学気相成長法の誘導結合プラズマCVD法により上記対消化管付着性シート材と薬剤担持層との上から保護層の成分を成膜させるものであることが好ましい。
このようにすれば、誘導結合プラズマCVD法により保護層を成膜させるので、薬剤と薬剤担持層とを低温に維持したまま保護層を成層させることができる結果、薬剤と薬剤担持層とを変質させることがない。
また、上記薬剤担持層形成工程は、インクジェットドットプリンタ手段により上記薬剤と薬剤担持層成分との混合物を圧送して、対消化管付着性シート材の上に滴下する工程を含むことが好ましい。
このようにすれば、インクジェットドットプリンタ手段により薬剤と薬剤担持層成分との混合物を対消化管付着性シート材の上に滴下するので、極めて微細な消化管用経口製剤を製造することができる。
また、この消化管用経口製剤の製造方法は、上記対消化管付着層の外表面に、上記消化管から分泌される消化液のpHに反応して溶解可能な制御層を備えている上記消化管用経口製剤の製造方法であって、上記対消化管付着性シート材の上記薬剤担持層が形成される面と反対側の面に、上記制御層を形成する制御層形成工程を含むとともに、上記分離工程は、複数の薬剤担持層の間にある対消化管付着性シート材と保護層と制御層とを切断することが好ましい。
このようにすれば、対消化管付着性シート材の面に、消化液のpHに反応して溶解可能な制御層を形成するので、消化管用経口製剤が消化管に到達してから対消化管付着層を露出させる消化管用経口製剤を製造することができる。
上記分離工程は、レーザーカッタ手段により、レーザビーム15で複数の薬剤担持層の間を切断することが好ましい。
このようにすれば、レーザビームで薬剤担持層の間を切断するので、より微細な消化管用経口製剤を分離形成することができる。
また、本発明に係る消化管用経口製剤の製造方法は、上記薬剤担持層形成工程により形成された上記薬剤担持層の間の対消化管付着性シート材の上に、保護層の成分の成膜を阻止する格子状のマスクを配置するマスキング工程を含み、上記保護層形成工程は、上記複数の薬剤担持層の上には保護層の成分を成膜させる一方、上記格子状のマスクに対応した薬剤担持層の間の対消化管付着性シート材の上には保護層の成分の成膜を阻止して対消化管付着性シート材が露出した部分を形成する工程を含み、上記分離工程は、保護層の成分が成膜された複数の薬剤担持層と、保護層の成分の成膜が阻止された薬剤担持層の間の対消化管付着性シート材との上から酸素プラズマによるエッチングを行って、薬剤担持層の間にある対消化管付着性シート材が露出した部分を切断する工程を含んでいることが好ましい。
このようにすれば、格子状のマスクに対応して対消化管付着性シート材が露出した部分を薬剤担持層の間に形成し、この薬剤担持層の間の対消化管付着性シート材が露出した部分を酸素プラズマによるエッチングで切断するので、より微細な消化管用経口製剤を分離形成することができる。また、一括して短時間に効率良く消化管用経口製剤を分離形成することができる。
ここで、上記格子状のマスクは、上記対消化管付着性シート材の側に近づくにつれて幅が狭くなるようにテーパー部を備えていることが好ましい。
このようにすれば、格子状のマスクが、対消化管付着性シート材の側に近づくにつれて幅が狭くなるようにテーパー部を備えているので、マスクの側壁に保護層の成分が成膜されることを防ぐことができる。その結果、保護層の縁部に不要な保護層の突出部が形成されたりすることがないので、次の分離工程において、品質のばらつきの少ない消化管用経口製剤を分離形成することができるようになる。
また、上記消化管用経口製剤が、カプセルに収容されるカプセル収容工程を含むことが好ましい。
このようにすれば、消化管用経口製剤が、カプセルに収容されているので、嚥下しやすい消化管用経口製剤にすることができるようになる。
以上説明したように、本発明によれば、消化管の特定の部位に付着して薬剤を消化管へと浸透させる対消化管付着層を備えた消化管用経口製剤において、保護層を極めて薄くすることができるので、薬剤と薬剤担持層とを外側の消化液から保護するという保護層の機能を満足しつつ、消化管用経口製剤の寸法を微細なものにして、薬剤の吸収のばらつきを少なくすることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る消化管用経口製剤1を収容した消化管用経口カプセル剤8の構成を示す斜視図であり、図2は、一つ一つの消化管用経口製剤1の構成を示す斜視図である。また、図3は、図2の側断面図である。
図示の本発明の第1の実施の形態に係る消化管用経口製剤1は、図1に示すように消化管用経口カプセル剤8においてカプセル7に収容された状態になっている。この消化管用経口製剤1は、消化管用経口カプセル剤8が胃に到達した時に、溶解して消化管内に分散するようにするようになっている。消化管用経口製剤1は、図2と図3とに示すように、一つ一つが外径約0.01〜0.1mmの大きさの半球形状に形成されており、薬剤2と、この薬剤2を担持した薬剤担持層3と、この薬剤担持層3の外表面の一部分に設けられた対消化管付着層4と、薬剤担持層3の外表面に設けられ、薬剤と薬剤担持層とを消化管の消化液から保護する保護層5とを備えている。また、この消化管用経口製剤1は、対消化管付着層4の外表面に、消化管から分泌される消化液のpHに反応して溶解可能な制御層6を備えている。
上記薬剤2は、消化管が吸収可能な経口薬剤であり、本実施形態では、例えば、生理活性蛋白質、ペプチド、インターフェロン、インジナビルなどの薬剤が採用可能である。
上記薬剤担持層3は、薬剤2を含有可能なゲルもしくはワックスで構成され、薬剤2のほかに吸収促進剤、プロテアーゼ阻害剤、トランスポータ阻害剤などをさらに含有する場合がある。
上記対消化管付着層4は、消化管の特定の部位に付着可能で、かつ薬剤2が薬剤担持層3から消化管へと浸透可能な成分からなる概ね円板状に形成された約1〜10ミクロンの薄い層であり、薬剤担持層3の外表面の一部分を覆うように設けられている。本実施形態では、カルボキシビニルポリマーや、アルギン酸ナトリウムなどの粘膜付着性ポリマーが採用されている。
上記保護層5は、薬剤2と薬剤担持層3とを外側の消化液から保護する約0.1〜1ミクロンの薄い層であり、薬剤担持層3の外表面の対消化管付着層4以外の残りの部分を覆うように設けられている。本実施形態では、化学気相成長法の誘導結合プラズマCVD法により成層された二酸化珪素の層が、保護層5として薬剤担持層3の外表面に概ね半球面の形状に成層されている。そして、このように、概ね半球面に形成された保護層5と概ね円板状に形成された対消化管付着層4とが、それぞれの縁部4aで接続されることにより、薬剤担持層3の外表面が覆われて消化管用経口製剤1の一粒を形成するようになっている。
上記制御層6は、消化管から分泌される消化液に反応して一定の時間内に自ら溶解することにより、対消化管付着層4が消化管の特定の部位に付着するまでの時間を制御するように構成された層である。本実施形態では、この制御層6は、消化管から分泌される消化液のpHに反応して溶解可能な腸溶性のポリマーとして、例えば、メタクリル酸とメチルメタクリル酸とのコポリマー(1:1)や、メタクリル酸とメチルメタクリル酸とのコポリマー(1:2)、あるいは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロースなどが採用され、対消化管付着層4の外表面に約1〜10ミクロンの層をなすように設けられている。
上記カプセル7は、多数の消化管用経口製剤1をまとめて収容することにより、消化管用経口カプセル剤8を形成するものであり、本実施形態では、胃溶性のポリマーからなるフィルムをカプセル状にしたもので構成されている。このカプセル7は、一方のカプセルボディ7aに充填したのち、他方のカプセルキャップ7bで蓋をして消化管用経口製剤1をカプセル7に収容するようになっている。そして、このカプセル7は、胃に到達した時に、溶解することにより、内部に収容した消化管用経口製剤1を分散させるようになっている。
ここで、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る消化管用経口製剤1の作用について説明する。
まず、消化管用経口製剤1を収容しているカプセル7が、胃に到着すると、カプセル7が、溶解され、消化管用経口製剤1が胃内に分散し、この状態で消化管である小腸に運ばれる。
次に、消化管に運ばれた消化管用経口製剤1のそれぞれにおいて、対消化管付着層4の外表面に設けられている制御層6が、消化管から分泌される消化液のpHに反応して時間をかけて溶解され、消化管用経口製剤1の対消化管付着層4が、制御層6の材料と厚みとによって決定されるタイミングで露出する。
そして、対消化管付着層4が消化管の特定の部位に付着するとともに、この対消化管付着層4が、薬剤2を薬剤担持層3から消化管へと浸透させ、消化管に吸収させる。
この時、薬剤担持層3の外表面の残りの部分を覆うように設けられた保護層5が、薬剤2と薬剤担持層3とを外側の消化液から保護するので、消化管の中に分散する薬剤2と薬剤担持層3とがなく、効率よく薬剤2を消化管に吸収させることができる。
次に、図4と図5とを参照して、本発明の第1の実施の形態に係る消化管用経口製剤1の製造方法について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る消化管用経口製剤1の製造工程における対消化管付着性シート材9の概略を示す説明図であり、図4(a)は、下面に制御層6が形成された対消化管付着性シート材9の上面図を、図4(b)は側断面図をそれぞれ示している。また、図5は、本発明の第1の実施の形態に係る消化管用経口製剤1の製造工程を示す説明図であり、(a)は、薬剤担持層形成工程を、(b)は、マスキング工程を、(c)は、保護層形成工程を、(d)は、分離工程を、(e)は、カプセル収容工程をそれぞれ示している。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る消化管用経口製剤1の製造方法においては、図4(a)、(b)に示すように、最初に消化管用経口製剤1の対消化管付着層4を構成するために採用されるシート状の対消化管付着性シート材9に対して、制御層6が形成される。すなわち、シート状の対消化管付着性シート材9において、薬剤担持層3が形成される面と反対側の面、すなわち対消化管付着性シート材9の下面9aに、制御層6が塗布され、二重構造のシートが形成される。この時、対消化管付着性シート材9は、所定の厚みとして約10ミクロンの厚さのものが採用される。また、制御層6も、所定の厚みとして約10ミクロンの厚さに塗布される。
次に、図5(a)の薬剤担持層形成工程により、対消化管付着性シート材9の上に複数の薬剤担持層3が形成され、図5(b)のマスキング工程により、対消化管付着性シート材9の上に、格子状のマスク13が配置される。また、図5(c)の保護層形成工程により、複数の薬剤担持層3の上に保護層5の成分5aが成膜される一方、格子状のマスク13に対応して対消化管付着性シート材9が露出した部分9bが形成され、図5(d)の分離工程により、酸素プラズマ14によるエッチングが行われて複数の薬剤担持層3の間が切断される。そして、図5(e)のカプセル収容工程により、分離形成された消化管用経口製剤1がカプセル7に収容される。
上記薬剤担持層形成工程(図5(a))は、下面に制御層6が塗布された対消化管付着性シート材9の上面に、薬剤2と薬剤担持層3の成分との混合物12を所定量ずつ間隔を隔てて滴下して複数の薬剤担持層3を形成する工程である。本実施形態では、この薬剤担持層形成工程は、インクジェットドットプリンタ手段10により、薬剤2と薬剤担持層3成分との混合物12を圧送して対消化管付着性シート材9の上に滴下するようになっている。
上記マスキング工程(図5(b))は、薬剤担持層形成工程により形成された薬剤担持層3の間の対消化管付着性シート材9の上に、保護層5の成分5aの成膜を阻止する格子状のマスク13を配置する工程である。
この格子状のマスク13としては、微細な矩形の開口部が多数形成された薄い金属製の板材が採用される。また、この格子状のマスク13には、保護層5がこのマスク13の縁部で途切れて、対消化管付着性シート材9が露出した部分9bが格子状に精度良く形成されるように、対消化管付着性シート材9の側に近づくにつれて幅が狭くなるようなテーパー部13aが形成されている。
上記保護層形成工程(図5(c))は、対消化管付着性シート材9とその上の薬剤担持層3との上から保護層5の成分5aを成膜させる工程であり、本実施形態では、化学気相成長法の誘導結合プラズマCVD法により二酸化珪素が、保護層5として薬剤担持層3の外表面に概ね半球面の形状に成層され、消化管用経口製剤1の一粒を形成するようになっている。この時、保護層5を形成する二酸化珪素の原料としては、シランガス(SiH4)と酸素ガス(O2)とを混合した気体が用いられ、保護層5は、所定の厚みとして約10ミクロンの厚さに生成される。また、薬剤担持層3や対消化管付着性シート材9は100℃以下に保たれる。
また、この時、格子状のマスク13に対応した薬剤担持層3の間の対消化管付着性シート材9の上には、保護層5の成分5aの成膜が阻止されて対消化管付着性シート材9が露出した部分9bが形成される。
上記分離工程(図5(d))は、複数の薬剤担持層3の間にある対消化管付着性シート材9と保護層5と制御層6とを切断することにより一つ一つの消化管用経口製剤1を分離形成する工程であり、本実施形態では、保護層5の成分5aが成膜された複数の薬剤担持層3と、保護層5の成分5aの成膜が阻止された薬剤担持層3の間の対消化管付着性シート材との上から酸素プラズマ14によるエッチングを行って、複数の薬剤担持層3の間にある対消化管付着性シート材9が露出した部分9bが燃焼切断される。
上記カプセル収容工程(図5(e))は、カプセル7に、分離工程で分離形成された消化管用経口製剤1を収容する工程であり、消化管用経口製剤1を一方のカプセルボディ7aに充填したのち、他方のカプセルキャップ7bで蓋をして消化管用経口製剤1をカプセル7に収容する。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る消化管用経口製剤1によれば、消化管用経口製剤1が、制御層6を備えているので、消化管用経口製剤1が消化管に到達してから薬剤担持層3を露出させることができる結果、消化管用経口製剤1を浪費したりすることがない。そのため、投与した消化管用経口製剤1を無駄なく有効に消化管に到達させることができるようになる。
しかも保護層5が、化学気相成長法により成層されるので、保護層5を極めて薄くすることができる結果、消化管用経口製剤1の寸法を微細なものにして、薬剤の吸収のばらつきを少なくすることができる。
また、薬剤担持層3と制御層6との間に、消化管の特定の部位に付着して薬剤2を薬剤担持層3から消化管へと浸透させる対消化管付着層4を備えているので、消化管の特定の部位に付着して薬剤2を消化管へと浸透させることができる結果、薬剤2の消化管への吸収を効率良く行わせることができる。
また、保護層5が、誘導結合プラズマCVD法により100℃以下の温度条件で成層されるので、製造の過程で薬剤2と薬剤担持層3とを変質させることが少ない。
さらに、保護層5が化学的に安定な二酸化珪素、窒化珪素、窒酸化珪素のいずれかの層を備えているので、消化液に対してより安定な保護層5を形成することができる。
また、本発明の実施形態に係る消化管用経口製剤1の製造方法によれば、インクジェットドットプリンタ手段により薬剤2と薬剤担持層3成分との混合物を対消化管付着性シート材9の上に滴下するので、極めて微細な消化管用経口製剤1を製造することができる。
また、格子状のマスク13に対応して対消化管付着性シート材9が露出した部分9bを薬剤担持層3の間に形成し、この薬剤担持層3の間の対消化管付着性シート材9が露出した部分9bを酸素プラズマ14によるエッチングで切断するので、より微細な消化管用経口製剤1を分離形成することができる。また、一括して短時間に効率良く消化管用経口製剤1を分離形成することができる。
さらに、格子状のマスク13が、対消化管付着性シート材9の側に近づくにつれて幅が狭くなるようにテーパー部13aを備えているので、マスク13の側壁に保護層5の成分5aが成膜されることを防ぐことができる。その結果、保護層5の縁部に不要な保護層5の突出部が形成されたりすることがないので、次の分離工程において、品質のばらつきの少ない消化管用経口製剤1を分離形成することができるようになる。
そして、消化管用経口製剤が、カプセル7に収容されているので、嚥下しやすい消化管用経口製剤1にすることができるようになる。
次に、図7と図8とを参照して、本発明の第2の実施形態に係る消化管用経口製剤21について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る消化管用経口製剤21単体の構成を示す斜視図であり、図8は、本発明の第2の実施形態に係る消化管用経口製剤21単体の構成を示す断面図である。なお、第1の実施形態に係る消化管用経口製剤1と同様の構成については同じ符号を付し、説明の重複を避けるものとする。
図7と図8とに示すように、本発明の第2の実施形態に係る消化管用経口製剤21は、薬剤2と、この薬剤2を担持した薬剤担持層3と、この薬剤担持層3の外表面に設けられ、薬剤2と薬剤担持層3とを消化管の消化液から保護する保護層25とを備えている。
上記薬剤2と薬剤担持層3とは、第1の実施形態に係る消化管用経口製剤1で用いられたものと同様のものが採用され、その形状は球状に形成されている。
上記保護層25は、薬剤2と薬剤担持層3とを外側の消化液から保護する約0.1〜1ミクロンの薄い層であり、薬剤担持層3の外表面の全体を覆うように設けられている。本実施形態では、第1の実施形態に係る消化管用経口製剤1の保護層5と同様に、化学気相成長法の誘導結合プラズマCVD法により成層された二酸化珪素の層が、保護層25として薬剤担持層3の外表面に概ね球面の形状に成層されている。そして、この球面状に形成された保護層25とその中の薬剤2および薬剤担持層3とが、消化管用経口製剤21の一粒を形成し、必要に応じて複数の消化管用経口製剤21が服用されるようになっている。
この保護層25には、薬剤2を消化管に供給するための多数の細孔25aが表面全体にわたって設けられている。そしてこの細孔25aのそれぞれの大きさは、消化管用経口製剤21が消化管に到達して細孔25aが、消化管から分泌される消化液に接した時に、この細孔25aを通して薬剤2を消化管に供給することができるような適当な大きさに調整されている。
このように、本発明の第2の実施形態に係る消化管用経口製剤21によれば、消化管用経口製剤21が、複数の細孔25aを備え、消化管から分泌される消化液に接した時に、この複数の細孔25aを通して薬剤2を消化管に供給することができるので、薬剤2を浪費したりすることがない。そのため、薬剤2を無駄なく有効に消化管に到達させることができるようになる。
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
例えば、消化管用経口製剤1は、必ずしも図示のように、カプセル7に収容されている必要はない。多数の顆粒剤の状態で服用するものとして提供されることも可能である。
また、一つ一つの消化管用経口製剤1は、必ずしも半球状である必要はなく球形状、円盤形状など、種々の形状に設計変更することが可能である。
また、消化管用経口製剤21も、必ずしも図示のような形状である必要はなく、種々の設計変更が可能である。また、消化管用経口製剤1と同様にカプセルに収容されても良い。
薬剤2としては、消化管が吸収可能な経口薬剤2であれば、生理活性蛋白質、ペプチド、インターフェロン、インジナビルなどの薬剤2以外の薬剤2も採用可能である。
さらに、薬剤担持層3も、薬剤2を含有可能であれば、ゲルやワックスだけに限定されない。また、必要に応じて吸収促進剤、プロテアーゼ阻害剤、トランスポータ阻害剤以外のほかの物質を含有するようにすることも可能である。
保護層5は、必ずしも二酸化珪素に限定されない。窒化珪素、窒酸化珪素、その他の材料が採用可能である。また、異なる材質の複数の層から構成されていてもよい。
また、薬剤担持層形成工程は、必ずしもインクジェットドットプリンタ手段10によるものである必要はなく、対消化管付着性シート材9の上面に、薬剤2と薬剤担持層3成分との混合物12を所定量ずつ間隔を隔てて滴下して複数の薬剤担持層3を形成することができれば、種々の方法が採用可能である。
さらに分離工程も、必ずしも酸素プラズマ14のエッチングによるものに限定されず、例えば、以下のように図略のレーザーカッタ手段により、レーザビーム15で複数の薬剤担持層3の間を切断する方法なども採用可能である。
図6は、本発明の実施の形態の変形例に係る消化管用経口製剤1の製造工程を示す説明図であり、図6(a)は、薬剤担持層形成工程を、図6(b)は、保護層形成工程を、図6(c)は、分離工程を、図6(d)は、カプセル収容工程をそれぞれ示している。
この変形例に係る消化管用経口製剤1の製造工程においては、マスキング工程が省略され、変形例に係る保護層形成工程(図6(b))においては、対消化管付着性シート材9とその上の薬剤担持層3との上から保護層5の成分5aがほぼ均一に成膜される。
また、変形例に係る分離工程(図6(c))においては、図略のレーザーカッタ手段により、レーザビーム15で複数の薬剤担持層3の間が切断されるようになっている。
この変形例に係る消化管用経口製剤1の製造工程によれば、レーザビーム15で薬剤担持層3の間を切断するので、より微細な消化管用経口製剤1を分離形成することができる。
このように、複数の薬剤担持層3の間にある対消化管付着性シート材9と保護層5と制御層6とを切断することにより一つ一つの消化管用経口製剤1を分離形成することができるものであれば、その他の種々の方法が採用可能である。
1、21 消化管用経口製剤
2 薬剤
3 薬剤担持層
4 対消化管付着層
5、25 保護層
6 制御層
4a 縁部
7 カプセル
8 消化管用経口カプセル剤
9 対消化管付着性シート材
9b 対消化管付着性シート材が露出した部分
10 インクジェットドットプリンタ手段
12 薬剤と薬剤担持層成分との混合物
13 マスク
13a テーパー部
14 酸素プラズマ
15 レーザビーム
25a 細孔
2 薬剤
3 薬剤担持層
4 対消化管付着層
5、25 保護層
6 制御層
4a 縁部
7 カプセル
8 消化管用経口カプセル剤
9 対消化管付着性シート材
9b 対消化管付着性シート材が露出した部分
10 インクジェットドットプリンタ手段
12 薬剤と薬剤担持層成分との混合物
13 マスク
13a テーパー部
14 酸素プラズマ
15 レーザビーム
25a 細孔
Claims (13)
- 薬剤と、
この薬剤を担持した薬剤担持層と、
この薬剤担持層の外表面に設けられ、薬剤と薬剤担持層とを消化管の消化液から保護する保護層と、
上記保護層に設けられ、消化管から分泌される消化液に接した時に薬剤を消化管に供給可能な複数の細孔とを備え、
上記保護層は、化学気相成長法により保護層の成分が薬剤担持層の外表面に成層されたものであることを特徴とする消化管用経口製剤。 - 薬剤と、
この薬剤を担持した薬剤担持層と、
この薬剤担持層の外表面に設けられ、薬剤と薬剤担持層とを消化管の消化液から保護する保護層と、
上記薬剤担持層の外表面の概ね残りの部分を覆うように設けられ、消化管から分泌される消化液に接した時に、溶解可能な制御層とを備え、
上記保護層は、化学気相成長法により保護層の成分が薬剤担持層の外表面に成層されたものであることを特徴とする消化管用経口製剤。 - 上記薬剤担持層と制御層との間に、消化管の特定の部位に付着して薬剤を薬剤担持層から消化管へと浸透させる対消化管付着層を備えたことを特徴とする請求項2に記載の消化管用経口製剤。
- 上記保護層は、化学気相成長法の誘導結合プラズマCVD法により保護層の成分が薬剤担持層の外表面に100℃以下の温度条件で成層されたものであることを特徴とする請求項1ないし3に記載の消化管用経口製剤。
- 上記保護層は、少なくとも化学気相成長法により成層された二酸化珪素、窒化珪素、窒酸化珪素のいずれかの層を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の消化管用経口製剤。
- 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の上記消化管用経口製剤が、カプセルに収容されていることを特徴とする消化管用経口カプセル剤。
- 薬剤と、この薬剤を担持した薬剤担持層と、この薬剤担持層の外表面の一部分に設けられ、消化管の特定の部位に付着可能で、かつ薬剤が薬剤担持層から消化管へと浸透可能な対消化管付着層と、上記薬剤担持層の外表面の残りの部分に設けられ、薬剤と薬剤担持層とを外側の消化液から保護する保護層と、上記対消化管付着層の外表面に、上記消化管から分泌される消化液によって溶解可能な制御層とを備えた消化管用経口製剤の製造方法であって、
上記対消化管付着層を構成するシート状の対消化管付着性シート材の上に、上記薬剤と薬剤担持層成分との混合物を所定量ずつ間隔を隔てて滴下して複数の薬剤担持層を形成する薬剤担持層形成工程と、
上記薬剤担持層形成工程により、薬剤担持層が所定量ずつ間隔を隔てて形成された上記対消化管付着性シート材と薬剤担持層との上から化学気相成長法により保護層の成分を成膜させる保護層形成工程と、
上記対消化管付着性シート材の上記薬剤担持層が形成される面と反対側の面に、上記制御層を形成する制御層形成工程と、
複数の薬剤担持層の間にある対消化管付着性シート材と保護層と制御層とを切断することにより一つ一つの消化管用経口製剤を分離形成する分離工程と
を含むことを特徴とする消化管用経口製剤の製造方法。 - 上記保護層形成工程は、化学気相成長法の誘導結合プラズマCVD法により上記対消化管付着性シート材と薬剤担持層との上から保護層の成分を成膜させるものであることを特徴とする請求項7に記載の消化管用経口製剤の製造方法。
- 上記薬剤担持層形成工程は、インクジェットドットプリンタ手段により上記薬剤と薬剤担持層成分との混合物を圧送して、対消化管付着性シート材の上に滴下する工程を含むことを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の消化管用経口製剤の製造方法。
- 上記分離工程は、レーザーカッタ手段により、レーザビームで複数の薬剤担持層の間を切断することを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の消化管用経口製剤の製造方法。
- 上記消化管用経口製剤の製造方法は、上記薬剤担持層形成工程により形成された上記薬剤担持層の間の対消化管付着性シート材の上に、保護層の成分の成膜を阻止する格子状のマスクを配置するマスキング工程を含み、
上記保護層形成工程は、上記複数の薬剤担持層の上には保護層の成分を成膜させる一方、上記格子状のマスクに対応した薬剤担持層の間の対消化管付着性シート材の上には保護層の成分の成膜を阻止して対消化管付着性シート材が露出した部分を形成する工程を含み、
上記分離工程は、保護層の成分が成膜された複数の薬剤担持層と、保護層の成分の成膜が阻止された薬剤担持層の間の対消化管付着性シート材との上から酸素プラズマによるエッチングを行って、薬剤担持層の間にある対消化管付着性シート材が露出した部分を切断する工程を含んでいることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の消化管用経口製剤の製造方法。 - 上記格子状のマスクは、上記対消化管付着性シート材の側に近づくにつれて幅が狭くなるようにテーパー部を備えていることを特徴とする請求項11に記載の消化管用経口製剤の製造方法。
- 上記消化管用経口製剤が、カプセルに収容されるカプセル収容工程を含むことを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の消化管用経口製剤の製造方法。
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US5693340A (en) * | 1992-11-21 | 1997-12-02 | Basf Aktiengesellschaft | Delayed-release form for pharmaceutical active compounds |
JP2002531394A (ja) * | 1998-11-27 | 2002-09-24 | ▲高▼田 ▲寛▼治 | 消化管用薬物送達経口製剤 |
-
2006
- 2006-03-14 JP JP2006069636A patent/JP2007246412A/ja active Pending
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