JP2007245344A5 - - Google Patents
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Description
この発明は、例えばフライス盤やマシンニングセンタ等の工作機械に備えられる主軸装置に関する。
工作機械等の主軸装置として、フロントハウジングとスピンドル本体間に、フロント側軸受を介装し、スピンドル本体の後部外周にリア側軸受を介装したビルトインモータスピンドル装置が、例えば、特開平7−112303号公報(以後、『特許文献1』と記述する。)、特開2003−159622号公報(以後、『特許文献2』と記述する。)に記載されているように、従来から知られている。
図31に示すように、特許文献1、特許文献2に開示されたビルトインモータスピンドル装置500では、ユニット支持部材501によって保持されるモータハウジング502と、このモータハウジング502前方に結合されるフロントハウジング503と、を備えている。また、このモータハウジング502及びフロントハウジング503内に内装されるスピンドル本体505と、モータハウジング502の中間部内周に固着されたステータ506とを備え、スピンドル本体505の中間部外周にはロータ507が固着されている。
また、スピンドル本体505は中空筒状となり、筒内には皿ばね508で付勢され且つ筒内を摺動自在なドローバ509が設けられているとともに、この先端にはチャック部510が設けられている。そして、フロントハウジング503とスピンドル本体505間には、4個のフロント側軸受511を介装している。また、スピンドル本体505の後部外周には円筒ころ軸受であるリア側軸受512と、軸受スリーブ513が外嵌されており、モータハウジング502の後部にはリアカバー514がボルト締めされている。
ところで、工作機械では、主に軸受に損傷を生じることで主軸故障の原因となることが多く、軸受の寿命や、加工プログラムミスによる主軸の衝突等がその原因である。主軸が故障してから復帰するまでの時間(ダウンタイム)を短縮することが、特に自動車部品加工等の生産ラインに直結する部品加工現場では重要である。また、工作機械の主軸の高速化が進んでおり、主軸軸受の寿命は低速機(dmN60万未満)(dm;転がり軸受のピッチ円直径(mm)、N;回転速度(min−1))では10万時間以上と実質無限であったのに対し、高速機では1〜2万時間となってきたため、消耗品扱いと考え、メンテナンスコストを抑える必要も生じている。
上記特許文献1に開示されたスピンドル装置500では、メンテナンス性向上のためにスピンドル本体505が抜けるように構成されている。しかしながら、この構成では、スピンドル本体505は抜けるが、円筒ころ軸受であるリア側軸受512の交換に関する記載はなく、リア側軸受512が損傷すればメンテナンスの手間は従来と変わらない。また、スピンドル本体505を抜くために、潤滑ノズルの突出部が設けられないので、必然的に、組込み後にリア軸受512の慣らし運転が2〜10時間程度必要となるので、ダウンタイムが長くなるという問題があった。
また、上記特許文献2に開示されたスピンドル装置500では、主軸を取り外す時は後部に回ってパイプを外したり、組立てるときはさらに軸受ケースとパイプの位相を合わせる作業が必要であったりと、作業性が悪いという問題があった。
工作機械等の主軸装置の他の一例として、スリーブハウジングと軸受スリーブの間に複数枚の皿ばねを積層して配置した主軸装置が、例えば、特開平11−138305号公報(以後、『特許文献3』と記述する。)に記載されているように、従来から知られている。
主軸装置においては、高速回転時の発熱等によって回転軸が軸方向に伸縮したときに、該軸方向変位を吸収できるように、一方の軸受(リア側軸受)が、スリーブハウジングに嵌合して軸方向に移動可能とされた軸受スリーブに固定されている。スリーブハウジングと軸受スリーブとの嵌合は、単純なはめあいとした滑り面方式や軸方向に移動可能なボールブッシュを用いたボールスライド方式、等が知られている。回転軸の自由端側を支持する軸受スリーブには、スライド性と共に、ラジアル剛性及びアキシアル方向の振動減衰性が要求される。
スリーブハウジングと軸受スリーブとの嵌合が滑り面方式の場合、発熱に伴って嵌合隙間が減少するので、初期嵌合隙間を大きく設定する必要がある。これは、主軸装置の回転時に回転軸の振動を増大させる一因となっていた。また、ボールブッシュを用いた嵌合のボールスライド方式の場合、発熱によって締め代が増大して軸受スリーブの滑らかな軸方向移動が阻害されたり、アキシアル剛性が低く、回転軸のびびりと呼ばれる自励振動が生じたりする場合があった。
そのため、特許文献3に開示された主軸装置では、回転軸の自励振動を減衰させるため、スリーブハウジングと軸受スリーブの間に複数枚の皿ばねを積層して配置してアキシアル剛性を高めると共に、皿ばねの摩擦によって自励振動を防止するようにしている。
ところが、上記特許文献3に開示された主軸装置では、皿ばねの摩擦によって自励振動を減衰させるようになっており、減衰力は、皿ばねのバネ常数、枚数、設置方向、等で決まる。これらの事項は、主軸装置の組付け時に設定されてしまうので、主軸装置を分解するなどして皿ばねを組み替えない限り一定不変である。言い換えると、例えば減衰率等を運転条件に最適な値に再設定するなど、回転条件に応じて特性を変更することは困難であった。
近年、主軸装置の高速化が著しく、該高速化に伴って発生熱量も多くなっていることから、これに対抗し得る、より高度な回転軸の支持方法が求められている。
また、主軸装置を備えた工作機械一例として、主軸頭のハウジングをフロントハウジングとリアハウジングとに分割し、両者をボルトで締結している工作機械が、例えば、特開2003−159622号公報(前記特許文献2)に記載されているように、従来から知られている。
このような工作機械では、カートリッジ全体ではなく、ビルトインモータのステータと、外筒とを主軸頭に残し、軸、フロント側軸受、フロントハウジング、ビルトインモータのロータ、リア側軸受、リアハウジングを主軸サブカートリッジとして取り外すようにしている。
ところで、工作機械において、故障や寿命の到達により、主軸装置を交換する場合、軸受やステータを個別に主軸頭に組み込む構成のものでは、交換作業に時間がかかり、機械のダウンタイムが増大する。そこで、主軸装置をカートリッジとして主軸頭に対して一体的に分割、組付可能な構造とすることにより、交換時間を短縮できることが知られている。
主軸及び軸受の交換に際し、主軸カートリッジ全体が抜ける構造を有するものもあるが、この構造では、ビルトインモータ方式の場合に、油空圧管や電線を引き離す必要があり、作業に時間がかかる。
これに対し、上記特許文献2では、カートリッジ全体ではなく、ビルトインモータのステータと、外筒とを主軸装置に残し、軸、フロント側軸受、フロントハウジング、ビルトインモータのロータ、リア側軸受、リアハウジング、を主軸サブカートリッジとして、一体的に取り出せるようになっている。しかし、主軸カートリッジの分解のときに、主軸頭内部に入り込んでいる主軸カートリッジの部分を主軸頭からすべて抜き取る必要があるが、主軸カートリッジは重量物のために、人力で抜くことはできない。
そこで、主軸カートリッジを工作機械のワークテーブルに固定して、主軸の軸方向と平行な送り軸であるZ軸送りを利用して抜くと安全かつ短時間に抜くことができる。ところが、主軸カートリッジを主軸頭から完全に抜くために必要な長さよりも、Z軸移動量の方が短いと、Z軸送りを利用した抜き取りが不可能になる。
また、主軸カートリッジを分解するときに、多くの油空圧管や電線を切り離す作業が必要であり、交換時間が長い。これに対して、主軸サブカートリッジの場合は多くの油空圧管や電線を切り離す作業は必要ないが、主軸サブカートリッジを主軸頭から完全に抜くために必要な長さよりも、Z軸移動量の方が短いと、Z軸送りを利用した抜き取りが不可能になる点は同じである。
一方、主軸カートリッジの側面に平らな取付け面を設け、主軸頭に対し側面から固定する構造であれば、Z軸移動量と関係なく、主軸カートリッジを主軸頭から分解することができる。しかし、この方法は主軸カートリッジの側面のみで荷重を受けるため、締結剛性が低くなり、剛性面で不適当である。
また、上記の特許文献2では、油空圧管や電線を切り離す必要はないが、サブカートリッジとして取り出すことができる部品を除いて一体的に取り出すことができない。そのため、ステータやアンクランプシリンダ等の故障時に有効に機能しないので、分解に係る機能性に乏しい。
本発明の主軸装置は、このような事情に鑑みて発明されたものであり、本発明の目的は、メンテナンス時の組込み及び取り外し作業が容易で且つ低コストな主軸装置を提供することにあり、また、高い剛性を有し、かつ良好な減衰特性、スライド性に優れた主軸装置を提供することにあり、さらに、主軸カートリッジまたは主軸サブカートリッジを短時間で分解・組付可能で、内部のあらゆる構成部品の交換作業を容易にできるようにしてメンテナンス性の向上を図ることができる主軸装置を提供することにある。
本発明の対象となる主軸装置は、前述した従来構造と同様に、外筒、回転軸、フロント側軸受、リア側軸受、を備えており、工作機械に組み付けられて回転軸が高速で回転する。
特に、請求項1に記載した主軸装置においては、ステータを有する外筒と、ロータを有する回転自在な回転軸と、外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、を備えた主軸装置であって、前記外筒の内周径、前記ステータの内径、前記軸受スリーブの外径の順に直径が小さくなり、前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、且つ前記軸受スリーブから後方の任意の断面における回転体半径が、前記軸受スリーブ後端から前記断面の間における非回転体の最小半径よりも小さく、前記軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌されており、当該軸受スリーブ外径が、当該スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されている。
また、請求項2に記載した主軸装置においては、ステータを有する外筒と、ロータを有する回転自在な回転軸と、外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、を備えた主軸装置であって、前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、前記回転軸に工具交換自在な内径部品が組み込まれているとともに、工具交換のためのピストン機構を有し、前記軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌されており、当該軸受スリーブ外径が、当該スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されている。
また、請求項3,4に記載した主軸装置においては、前記リア側軸受が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受である。
また、請求項5に記載した主軸装置においては、前記半組立体の取付け基準面と前記内径部品のピストン押付け面との距離が、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整されている。
また、請求項6に記載した主軸装置においては、前記内径部品が、ばねを圧縮可能に組み込まれているとともに、前記内径部品の後部に調整部品が固定されており、当該調整部品に、前記ピストン機構へのピストン押付け面が形成されている。
また、請求項7に記載した主軸装置においては、前記フロントハウジングの前後と、前記軸受スリーブの前後とに、ラビリンスシールを備えている。
また、請求項8に記載した主軸装置においては、前記フロントハウジングが、前記外筒に対して締り嵌めで嵌合されている。
また、請求項9に記載した主軸装置においては、前記フロントハウジングと外筒との嵌め合い部の長さが、該嵌め合い部の直径の1/10〜1/30で、合わせ面の直角度が、軸心に対して5μm以下である。
また、請求項10に記載した主軸装置においては、前記半組立体の取付け基準面と、前記内径部品のピストン押付け面とのアンクランプ状態での距離が、工具ホルダの規格にかかわらず統一されている。
また、請求項11に記載した主軸装置においては、前記軸受スリーブ外径と前記スリーブハウジング内径との間に複数対のオーリングが介在されている。
また、請求項12に記載した主軸装置においては、前記軸受スリーブの円周上に複数設けられた潤滑剤排出穴と、当該軸受スリーブ外周の嵌合面に設けられた円周溝と、当該円周溝に連通接続された半径方向の潤滑剤供給経路と、を有する。
また、請求項13に記載した主軸装置においては、グリース潤滑である。
また、請求項14に記載した主軸装置においては、グリース補給装置を備えている。
また、請求項15に記載した主軸装置においては、グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機構を持っている。
また、請求項16に記載した主軸装置においては、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いている。
上記のように構成する本発明の主軸装置によれば、フロントハウジング、回転軸及び軸受スリーブからなる半組立体が外筒から抜き取り可能である。そのため、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブは、リア側軸受が組立てられた状態であるため、半組立体の抜き差しでグリースの状態は変化しない。
従って、この主軸装置においては、半組立体を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、回転軸破損時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。これにより、従来のような、メンテナンスの手間を減少することができないグリース潤滑となって組込み後に軸受の慣らし運転を必要とするためにダウンタイムが長くなるという問題を解消できることになる。
また、外筒の内周径、ステータの内径、軸受スリーブの外径の順に直径が小さくなり、軸受スリーブより後方において、半組立体を抜こうとしたときに非回転体が障害とならないように任意の断面における回転体半径が軸受スリーブ後端から前記断面の間における非回転体の最小半径より小さくして、非回転体が障害とならないようにしている。したがって、半組立体を抜こうとしたとき、工具を保持・開放する非回転体であるピストン機構等が障害になることはない。
ここで、フロント側軸受としては、複列の組み合わせアンギュラ玉軸受を例示できる。また、リア側軸受としては、一対のアンギュラ玉軸受を例示できる。
また、フロントハウジング、回転軸及び軸受スリーブからなる半組立体が外筒から抜き取り可能であれば、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブは、リア側軸受が組立てられた状態であるため、半組立体の抜き差しでグリースの状態は変化しない。
従って、この主軸装置においては、半組立体を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、主軸装置の損傷時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。
また、ピストン機構を介し、回転軸に組み込まれた内径部品によって工具交換が行われるため、外部に露出したものと比べて、高い潤滑性能を有して工具交換を行うことができる。
また、リア側軸受が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受であれば、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
また、半組立体の取付け基準面と前記内径部品のピストン押付け面との距離が、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整されれば、適切にアンクランプを行えるため、半組立体の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
また、内径部品が、ばねを圧縮可能に組み込まれているとともに、内径部品の後部に調整部品が固定され、調整部品に、ピストン機構へのピストン押付け面が形成されれば、調整部品によって、工具ホルダ押し量を予め定められた値に設定することができるので、その許容差を調整することによって、適切にアンクランプを行えるようにし、その結果、内径部品の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
また、フロントハウジングが、外筒に対して締り嵌めで嵌合されれば、半組立体の分解、組付け、または交換した場合等、フロントハウジングと外筒の軸心にずれが生じることがなくなり、高い精度を維持できる。
また、軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌され、軸受スリーブ外径が、スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されれば、リア側軸受及び軸受スリーブは、主に回転軸をサポートするのが役割であるが、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
また、軸受スリーブ外径と前記スリーブハウジング内径との間に複数対のオーリングが介在されれば、軸受スリーブ外径とスリーブハウジング内径との間の複数対のオーリングによって潤滑剤の漏れを防ぎ、オーリングの締め代による減衰効果によって、軸受スリーブの振動を減衰させることができる。
また、軸受スリーブとスリーブハウジングとの嵌合長さと、軸受スリーブの外径と、の比が、嵌合長さ/外径=0.45〜0.8の範囲内に設定されれば、軸受スリーブの外径と、スリーブハウジングとの嵌合部の長さと、が適切な関係に設定されるため、メンテナンス性および工作機械としての性能に優れた半組立体の構造を得ることができる。
また、軸受スリーブの円周上に複数設けられた潤滑剤排出穴と、軸受スリーブ外周の嵌合面に設けられた円周溝と、円周溝に連通接続された半径方向の潤滑剤供給経路と、を有すれば、軸受スリーブがどんな位相でも問題なく潤滑剤を排出することが可能となる。例えば、水平取付けのスピンドルは下側に排出穴が必要になるが、いずれかの穴が下側に向くので排出を行うことができる。さらに、潤滑剤を軸受スリーブがどんな位置でも供給できる。したがって、軸受スリーブの位相を合わせる必要がなくなり、メンテナンスの作業性が良い。
また、グリース潤滑であれば、取り扱いが容易であって、比較的安価なグリース潤滑により、メンテナンスを少ない費用で行うことができる。
また、グリース補給装置を備えていれば、グリース補給装置によって、グリースの不足を補うことができるので、焼付き等を回避することができる。
また、グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機構を持っていれば、軸受内部へ供給され、不要となった潤滑剤は、軸受近傍に配された外輪間座等の回転部材に付着され、回転部材に付着した潤滑剤は、回転力により軸受の外側に弾き飛ばされる。それにより、不要になった潤滑剤を強制的に軸受外部へ排出することができる。
また、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いれば、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑によって、効率の良い潤滑を行うことができるので、耐焼付き性を更に向上させることができる。
以上のように、本発明の主軸装置を備えた工作機械は、メンテナンス時の組込み及び取り外し作業が容易で且つ低コストな主軸装置を提供することができ、高い剛性を有し、かつ良好な減衰特性、スライド性に優れた主軸装置を提供することができ、主軸カートリッジまたは主軸サブカートリッジを短時間で分解・組付可能で、且つ最小限の機械高さに抑え、且つ剛性の高い工作機械を提供することができ、内部のあらゆる構成部品の交換作業を容易にできるようにしてメンテナンス性の向上を図ることができる。
更に、請求項1に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、フロントハウジング、回転軸及び軸受スリーブからなる半組立体が外筒から抜き取り可能であり、それにより、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブは、リア側軸受が組立てられた状態であるため、半組立体の抜き差しでグリースの状態は変化しない。
従って、この主軸装置においては、半組立体を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、主軸装置損傷時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。これにより、従来のような、メンテナンスの手間を減少することができないグリース潤滑の場合に組込み後に軸受の慣らし運転を必要とするためにダウンタイムが長くなるという問題を解消できることになる。
また、外筒の内周径、ステータの内径、軸受スリーブの外径の順に直径が小さくなり、軸受スリーブより後方において、半組立体を抜こうとしたときに非回転体が障害とならないように任意の断面における回転体半径が軸受スリーブ後端から前記断面の間における非回転体の最小半径より小さくして、非回転体が障害とならないようにしている。したがって、半組立体を抜こうとしたとき、工具を保持・開放する非回転体であるピストン機構等が障害になることはない。
また、軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌され、軸受スリーブ外径が、スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されていることにより、リア側軸受及び軸受スリーブは、主に回転軸をサポートするのが役割であるが、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
更に、本発明の請求項2に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、フロントハウジング、回転軸及び軸受スリーブからなる半組立体が外筒から抜き取り可能であることにより、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブは、リア側軸受が組立てられた状態であるため、半組立体の抜き差しでグリースの状態は変化しない。
従って、この主軸装置においては、半組立体を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、主軸装置損傷時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。
また、ピストン機構を介し、回転軸に組み込まれた内径部品によって工具交換が行われるため、外部に露出したものと比べて、高い潤滑性能を有して工具交換を行うことができる。
また、軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌され、軸受スリーブ外径が、スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されていることにより、リア側軸受及び軸受スリーブは、主に回転軸をサポートするのが役割であるが、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
更に、本発明の請求項3,4に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、前記リア側軸受が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受であることにより、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
更に、本発明の請求項5に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、半組立体の取付け基準面と前記内径部品のピストン押付け面との距離が、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整されることにより、適切にアンクランプを行えるため、半組立体の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
更に、本発明の請求項6に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、内径部品が、ばねを圧縮可能に組み込まれているとともに、内径部品の後部に調整部品が固定され、調整部品に、ピストン機構へのピストン押付け面が形成されているために、調整部品によって、工具ホルダ押し量を予め定められた値に設定することができるので、その許容差を調整することによって、適切にアンクランプを行えるようにし、その結果、内径部品の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
更に、本発明の請求項7に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、前記フロントハウジングの前後と、前記軸受スリーブの前後とに、ラビリンスシールを備えたことにより、切削水、切粉等の異物の侵入を防ぐことができる。
更に、本発明の請求項8に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、フロントハウジングが、外筒に対して締り嵌めで嵌合されていることにより、半組立体の分解、組付け、または交換した場合等、フロントハウジングと外筒の軸心にずれが生じることがなくなり、高い精度を維持できる。
更に、本発明の請求項9に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、前記フロントハウジングと外筒との嵌め合い部の長さが、該嵌め合い部の直径の1/10〜1/30で、合わせ面の直角度が、軸心に対して5μm以下であることにより、嵌め合い部の長さが短くても両者の軸心が一致し、心合わせ作業の必要がなく、容易に組み立てることができる。
更に、本発明の請求項10に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、前記半組立体の取付け基準面と、前記内径部品のピストン押付け面とのアンクランプ状態での距離が、工具ホルダの規格にかかわらず統一されているために、仕様の変更が容易になったり、メンテナンスのためのインナーカートリッジの在庫管理を容易にしたりしてコスト低減が図れる。
更に、本発明の請求項11に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、軸受スリーブ外径と前記スリーブハウジング内径との間に複数対のオーリングが介在されているために、軸受スリーブ外径とスリーブハウジング内径との間の複数対のオーリングによって潤滑剤の漏れを防ぎ、オーリングの締め代による減衰効果によって、軸受スリーブの振動を減衰させることができる。
更に、本発明の請求項12に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、軸受スリーブの円周上に複数設けられた潤滑剤排出穴と、軸受スリーブ外周の嵌合面に設けられた円周溝と、円周溝に連通接続された半径方向の潤滑剤供給経路と、を有することにより、軸受スリーブがどんな位相でも問題なく潤滑剤を排出することが可能となる。例えば、水平取付けのスピンドルは下側に排出穴が必要になるが、いずれかの穴が下側に向くので排出を行うことができる。さらに、潤滑剤を軸受スリーブがどんな位置でも供給できる。したがって、軸受スリーブの位相を合わせる必要がなくなり、メンテナンスの作業性が良い。
更に、本発明の請求項13に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、グリース潤滑であることにより、取り扱いが容易であって、比較的安価なグリース潤滑により、メンテナンスを少ない費用で行うことができる。
更に、本発明の請求項14に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、グリース補給装置を備えていることにより、グリース補給装置によって、グリースの不足を補うことができるので、焼付き等を回避することができる。
更に、本発明の請求項15に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機構を持っていることにより、軸受内部へ供給され、不要となった潤滑剤は、軸受近傍に配された外輪間座等の回転部材に付着され、回転部材に付着した潤滑剤は、回転力により軸受の外側に弾き飛ばされる。それにより、不要になった潤滑剤を強制的に軸受外部へ排出することができる。
更に、本発明の請求項16に記載した主軸装置は、以上に述べた通り構成し作用するために、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いていることにより、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑によって、効率の良い潤滑を行うことができるので、耐焼付き性を更に向上させることができる。
図1〜図3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。なお、本例の特徴は、外筒3の内周径φA、ステータ4の内径φB´、軸受スリーブ11の外径φCの順に直径が小さくなり、フロントハウジング8と、回転軸6と軸受スリーブ11とからなる半組立体2が外筒3から抜き取り可能であり、且つ軸受スリーブ11から後方の任意の断面における回転体半径が、軸受スリーブ11後端から当該断面の間における非回転体の最小半径より小さいか、軸受スリーブ11から後方の任意の断面における回転体直径が、軸受スリーブ11後端から当該断面の間における非回転体の最小直径よりも小さいことである。
図1に示すように、第1例の主軸装置1は、ステータ4とスリーブハウジング5を有する外筒3と、ロータ7を有する回転自在な回転軸6と、外輪がフロントハウジング8に固定されると共に内輪が回転軸6の一端に外嵌する組み合わせアンギュラ玉軸受であるフロント側軸受12と、を備えている。また、回転軸6の他端側に配設されスリーブハウジング5に嵌合して回転軸6の軸方向に移動可能な軸受スリーブ11と、内輪が回転軸6の他端に外嵌すると共に外輪が軸受スリーブ11に固定されてフロント側軸受12と共働して回転軸6を回動自在に支持する一対のアンギュラ玉軸受であるリア側軸受13と、を備えている。符号14は、工具交換のためのピストン機構である。なお、スリーブハウジング5と外筒3とは一体構造としても良い。
図2に示すように、フロントハウジング8と、回転軸6と、軸受スリーブ11とからなる半組立体2が、外筒3から抜き取り可能なように構成されている。すなわち、本実施形態の主軸装置1は、外筒3の内周径φA、ロータ7の外径φB、軸受スリーブ11の外径φCの順に直径が小さくなっている(φA>φB>φC)。また、ロータ外径φBの代わりにステータ内径φB´(図1参照)に対して、φA>φB´>φCとしても良い。また、軸受スリーブ11より後方の範囲Lにおいて、半組立体2の外径が軸受スリーブ11の外径より小さく設定されている。すなわち、矢印Mの方向に主軸を抜こうとしたときに、非回転体が障害とならないように範囲Lの任意の断面における主軸回転体の外径を当該断面から軸受スリーブ後端の間の非回転体の最小内周径より小さくして、非回転体が障害とならないように回転体外径を規定している。したがって、半組立体2を図中M方向に抜こうとしたとき、図中左側端部に装着される工具Wを保持/開放する非回転体であるピストン機構14等が障害になることはない(図1参照)。
また、主軸装置1は、軸受スリーブ11の外径が、スリーブハウジング5の内径に対して5〜30μmの隙間嵌めである。更に、主軸装置1は、リア側軸受13が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受である。これにより、リア側軸受13及び軸受スリーブ11は、主に回転軸6をサポートするのが役割であるが、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
また、主軸装置1は、フロントハウジング8と外筒3内周面とのインロー部15が、0〜20μmの締り嵌めである。これにより、フロントハウジング8と外筒3の軸心がずれるようなことはない。また、合わせ面16はフロントハウジング8及び外筒3が軸心に対して2〜5μm以下の直角度にて高精度に仕上げ加工されている。これにより、インロー部15の長さLRが短くても、両者の軸心が一致する。インロー部15の長さが長いと組込み性が悪いが、本実施形態では、インロー長さLRは、インロー径φAの1/10〜1/30程度と短くしている。また、インロー部15の長さLRが短いので、組込みボルト17によって容易に締め込んで組立てることができる。これにより、心合わせ作業の必要がなくなる。
また、半組立体2は、外気との間でラビリンスシールL1〜L4が形成されている。スピンドル使用時は、強固なラビリンスL1,L4によって、切削水、切粉等の異物の侵入を防ぐ。また、半組立体2のみを在庫する場合などは、ラビリンスL1〜L4によって埃などの異物を遮断する。ラビリンスL2,L3はメンテナンスによる半組立体交換時にも異物の侵入を防ぐ役割を果す。メンテナンス時は、クリーンルームなど異物の少ない環境を期待できないので、ラビリンスL2,L3は有用である。ラビリンスL3,L4の構造は、軸受スリーブ11を用いていることにより実現可能となっている。
図3に示すように、リアカバー9後部は、配線7箇所(モータ動力線25、モータ温度センサ線26、ロータリーエンコーダ線27等(一部不図示))、配管14個所(軸受潤滑油配管21、冷却油配管22、工具アンクランプ油圧配管23、工具テーパエアブロー配管24、エアシール配管28)が外部と接続されているので、メンテナンス時に、これらを一切取り扱わずに済むので、ダウンタイムが非常に短く、メンテナンス性が良い。
上述した主軸装置10によれば、フロントハウジング8、回転軸6及び軸受スリーブ11とからなる半組立体2が外筒3から抜き取り可能である。そのため、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブ11は、リア側軸受13が組立てられた状態であるため、半組立体2の抜き差しでグリースの状態は変化しない。従って、半組立体2を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、主軸装置損傷時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置1全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。
図4〜図7は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の特徴は、内径部品31が、ばね32を圧縮可能に組み込まれているとともに、内径部品31の後部に調整部品33が固定されており、調整部品33に、ピストン機構14へのピストン押付け面34が形成されていることである。その他の構成は第1例と同じであるから、同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すように、第2例の主軸装置30は、外筒3のステータ4に通電されることによりロータ7とともに回転する回転軸6内に、2個のばね32を圧縮可能にして工具交換自在な内径部品(ドローバとも言う。)31が組み込まれているとともに、内径部品31の後端部に、内径部品側調整部品33が装着されている。内径部品側調整部品33の端部には、ピストン機構14へのピストン押付け面34が形成されている。ピストン機構14のピストン35の端部には、内径部品側調整部品33を押圧するピストン側調整部品36が装着されている。
ピストン機構14は、往動側圧力導入部37に油,水,空気等の圧力媒体が導入されることにより、ピストン35が往動され、ピストン35のピストン側調整部品36が内径部品側調整部品33のピストン押付け面34を押圧し、内径部品31を軸方向に押圧移動させて工具Wを押出して工具アンクランプ状態とする。これに反して、往動側圧力導入部37の圧力を抜き、復動側圧力導入部38に圧力媒体が導入されることにより、ピストン35が復動され、内径部品31を軸方向に戻り移動させて工具クランプ状態とする。
図5に示すように、内径部品側調整部品33は、半組立体2の取付け基準面39と内径部品31におけるピストン押付け面34との軸方向寸法(距離)Zを、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整することができる。つまり、半組立体2は、取付け基準面39から内径部品31におけるピストン押付け面34までの軸方向寸法Z内に、多数の部品の積み重ねによる寸法差が生じている。そのため、予め調整がなければメンテナンス時に、ピストンストロークの調整作業を現場にて行う必要がある。例えば、ピストンストロークの不足で内径部品31の移動量(押出し量)が少なくなると、工具ホルダがアンクランプできない。逆に、内径部品31の移動量が多すぎると、内径部品31が工具ホルダを余分に前方へ押し出してしまうために、自動工具交換装置(ATC)40(図7参照)が工具ホルダを把持することが出来なくなる。これに対して、内径部品側調整部品33は、工具ホルダ押し量(ピストン35が最前端まで押されたときに内径部品31により工具ホルダが把持位置から押し出される量)を0.4mm〜0.6mmとして、その許容差を、0.1mm〜0.2mm程度である±0.1mm以内に調整することによって、適切にアンクランプを行えるようにし、その結果、半組立体の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
ここで、内径部品側調整部品33による調整は、寸法測定の後に、予め取り代をつけて削り(旋削、研削)加工する方法、隙間Sに厚さの異なるシムを挟む方法、予め用意された数種寸法の調整板を選択して取り付ける方法、調整ネジにて所望の位置に調整板を配置して嫌気性の接着剤などによって固定する方法等が挙げられる。そして、軸方向寸法Zを直接測定するためには大型の治具を必要とし、重量物である半組立体を治具にセットしなければならない場合があるので、調整作業を簡略化するために、ある程度の寸法管理を各部品に旋こすことがある。例えば、寸法A、寸法B(内輪間座、外輪間座の両方)、フロント側軸受12の最後側の内外輪の差幅C、寸法Dを管理しておき、回転軸6に内径部品31を取り付けた状態で寸法ZZのみを測定調整する方法が挙げられる。この方法は、もっとも管理が難しい軸内径部(コレット部各種寸法や工具テーパの出入り、内径部品31の穴深さなど)の軸方向寸法を管理する必要がないため寸法管理のコストが低減でき、調整作業の負担も少ない。尚、差幅Cの管理を簡略化するため、フロント側軸受12の4列には、正面および背面差幅が個別にすべて調整されている万能組み合わせ軸受を用いてもよい。
図4〜図6に示すように、軸方向寸法Zが管理された半組立体2を用いて、工具ホルダ押し量(図6参照)Eを調整する。
工具ホルダ押し量E=(ピストンストロークF)−(空間G)−(空間H)
となり、右辺のそれぞれの量を測定するか、又は実際にアンクランプして押し量E(工具ホルダが前進する量)を測定する。そして、ここでは、E=0.5±0.1mmになるようにピストン側調整部品36を調整加工する。これにより、クランプ・アンクランプストロークの軸方向位置が決まる。その結果、以後、互いに調整された半組立体2の交換であれば、ピストン35と内径部品31の位置関係が変わらないので、ピストン部の調整を不要とすることができる。
となり、右辺のそれぞれの量を測定するか、又は実際にアンクランプして押し量E(工具ホルダが前進する量)を測定する。そして、ここでは、E=0.5±0.1mmになるようにピストン側調整部品36を調整加工する。これにより、クランプ・アンクランプストロークの軸方向位置が決まる。その結果、以後、互いに調整された半組立体2の交換であれば、ピストン35と内径部品31の位置関係が変わらないので、ピストン部の調整を不要とすることができる。
このようにすることにより、半組立体2は、取付け基準面39から内径部品31のピストン押付け面34までの軸方向寸法Zの許容差について、工具ホルダ押し量Eの許容差0.1mm〜0.2mmよりも小さな値に管理される。工具交換用のピストン機構14を組立てるとき、この管理された半組立体2に合わせてピストンストロークFを調整する。これにより、メンテナンス時、軸方向寸法Zが管理された半組立体2のユニット同士を交換すれば、内径部品31のピストン押付け面34の軸方向位相関係が変化しないのでピストンストローク再調整が不要となる。また、軸方向寸法Zは多数の部品の積み重ねによって決まるので、これら部品の軸方向寸法許容差をそれぞれ設定し、それらを積み重ねた値が所望の値以下となるように管理してもよい。しかし、このような方法、具体的には10個以上の寸法許容差の積み重ねにて許容差0.1〜0.2mmを満足することは、コスト高となったり、不良率の上昇を招くことになったりする場合が多い。そこで、内径部品31の後部に内径部品側調整部品33を内径部品31の組付け後に調整してから組付けることで、非常に低コストで軸方向寸法Zを管理することができる。
図6に示すように、ピストン機構14は、往動側圧力導入部37に圧力媒体が導入されることにより、ピストン35が往動され、ピストン側調整部品36が、内径部品側調整部品33のピストン押付け面34を押圧し、ばね32に抗して内径部品31を軸方向に押圧移動させて工具Wを押出し、工具アンクランプ状態とする。
図7に示すように、主軸装置30の自動工具交換時においては、自動工具交換装置40の動作は効率向上のため非常に速くなっており、交換時間が、通常、0.2〜1.5秒程度である。そのため、各部の強度や剛性を高く保つ必要がある。自動工具交換装置40は、アーム41が回転軸6と工具マガジン42の工具ホルダ43を把持した後に、回転軸6の工具Wをアンクランプし、アーム41が上下および旋回動作して工具交換が行われるように動作する。工具Wを把持して回転軸6をアンクランプする際、工具ホルダ43の押し量が大きすぎると、前述のように工具ホルダ43は剛性が高くアーム41に把持されているので、アーム41に無理な負担がかかり、自動工具交換装置40の故障を招く。そのため、工具ホルダ43の押し量としては、0.5〜0.6mm以下とする必要がある。主軸装置30では、メンテナンスを行って半組立体2を交換しても、工具ホルダ43の押し量が変化しないため、調整の手間がなく短時間での交換が可能となる。
図8〜図10は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の特徴は、軸受スリーブ11とスリーブハウジング5との嵌合長さJと、軸受スリーブ11の外径Iと、の比が、嵌合長さJ/外径I=0.45〜0.8の範囲内に設定されていることである。その他の構成は第1例と同じであるから、同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図8を参照して、本発明に係る主軸装置の第3実施形態を説明する。尚、図8においては、図中上側半分が工具アンクランプ状態を示し、図中下側半分が工具クランプ状態を示す。
図8に示すように、第3例の主軸装置50は、半組立体2にテーパ角の異なる内径部品51を用いている。このとき、BTホルダ(JIS B6339)用の内径部品、HSKホルダ(ISO−12164)は、工具テーパの規格により、管理すべき、軸方向寸法Zに対するねらい値Z1に変動があるが、図1,図4に示すものと互換性があるように調整されている。すなわち、アンクランプしたときの軸方向寸法ZUC2が、図6に示すアンクランプ状態UC1と同一になるように調整されている。なお、図4における空間Gは、このように軸方向寸法Zが異なる内径部品に対しても適用するためBTホルダをアンクランプする最低必要量よりも大きな値としている。用途によりさまざまな工具テーパ規格が使用される場合があるが、本例のように異なる工具規格においてもアンクランプが可能なように互換性をもたせることで、仕様の変更が容易になったり、メンテナンスのためのインナーカートリッジの在庫管理を容易にしたりしてコスト低減が図れる。
また、図9に示すように、主軸装置50では、軸受スリーブ11の外径Iとその嵌合部の長さJとの比が、J/I≒0.5となっている。この場合、外径Iと長さJとの関係は、好ましくは、0.45〜0.8とすることが望ましい。半組立体2を外筒3に挿入するとき、先ず軸受スリーブ11がスリーブハウジング5の内径に嵌合する。半組立体2の交換は、通常、工作機械ユーザーの作業現場で行うので、交換作業に特殊な治具を用いることができない場合が多い。そのようなとき、半組立体2が、例えば、自重などの矢印K方向の力を受けると、リア側軸受13にモーメント荷重がかかる。その際、長さJが小さいとリア側軸受13の2列のスパンMが短くなり、接触面圧が大きくなってリア側軸受13が損傷するおそれがある。
図10に示すように、主軸装置50において、前述したJ/Iと軸受スパンの関係及び、荷重Kが作用したときのリア側軸受13に発生する接触面圧の関係を調べた。荷重Kは、半組立体2の自重とし、治具を用いることのできない現場での交換作業においては組込時の扱いにより発生してしまう荷重である。リア側軸受13は、内径がφ55mmのアンギュラ玉軸受である。軸受の接触面圧は、硬さHv=700の軸受鋼において、3.5GPa以上で圧こんが生じてしまうことが知られている。これらにより、J/I≧0.45が必要であることがわかる。また、リア側軸受13のスパンを長くしすぎても、工作機械としての性能を向上することはできず、軸の慣性モーメント増大(加減速時間の増加)や共振点低下などの問題が生じるため、J/I≦0.8とすることが望ましい。さらに、上記のようなJ/Iの関係に設定することにより、スライド不良を発生することもなく、後述の振動減衰作用のあるオーリング(Oリング)を備えることもできる。このように、軸受スリーブ11の外径Iと、その嵌合部の長さJとの関係を設定して適切に設計することにより、メンテナンス性及び工作機械としての性能に優れた半組立体2の構造を得ることができる。
図11(a),(b),図12は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の特徴は、軸受スリーブ11の円周上に複数設けられた潤滑剤排出穴71と、軸受スリーブ11外周の嵌合面に設けられた円周溝64と、円周溝64に連通接続された半径方向の潤滑剤供給経路62,65と、を有することである。その他の構成は第1例と同じであるから、同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11(a),(b)に示すように、第4例の主軸装置60は、リア側軸受13に、潤滑供給及び排出構造を配したものであり、半組立体2の容易な取外し及び組付けを可能とするために、位相を決める必要のない構造を有する。
また、軸受スリーブ11は、スリーブハウジング5の内径に対して隙間嵌めである(図6参照)。これにより、軸受スリーブ11は、内径部品31を組み付けた状態で、回転軸6に対して容易に回転してしまう。そこで、従来は、潤滑剤をリア側軸受13に供給する場合、その供給位相および潤滑剤排出穴位相を決めるためノズルやキーなどの突起物を設けていた。そのため、位相合わせや突起部品の抜き差しを行わないと半組立体2の組付け及び分離ができず、メンテナンスが難しいという問題があった。これに対して、半組立体2には、その外周側から潤滑ノズル等の突起物を設けていないため、組込みボルト17を外すだけで半組立体2の取り外しが可能となる。
潤滑供給構造は、スリーブハウジング61の径方向に形成され、潤滑剤供給機(不図示)に連通接続された潤滑剤供給入口(潤滑剤供給経路)62と、軸受スリーブ63の外周の嵌合面に設けられた円周溝64と、軸受スリーブ63の径方向に、円周溝64に連通させて形成された径方向穴(潤滑剤供給経路)65とを介し、リア側軸受13の外輪を通じて軸受空間内に潤滑剤が供給される。そして、スリーブハウジング61と軸受スリーブ63とは、前方側端部が前側オーリング(Oリング)66,66でシールされ、後方側端部が後側オーリング67,67でシールされている。このとき、スリーブハウジング61及び軸受スリーブ63の半径方向の潤滑剤供給経路が同じ位相になっていても、或いは、両者が180°反対位相に回っていても、円周溝64によって、リア側軸受13に潤滑油が円滑に供給される。尚、円周溝64は、スリーブハウジング61の内周に設けられても良い。
排出構造は、リア側軸受13のそれぞれの間に配された外輪間座68,68、外輪押え68Aと軸受スリーブ63とに径方向に形成された径方向排出穴69,69,69と、軸受スリーブ63の軸方向に径方向排出穴69,69,69に連通して形成された軸方向排出穴70と、軸方向排出穴70に連通して軸受スリーブ63の円周方向に等間隔に複数の6個設けられた潤滑剤排出穴71,71,71,71,71,71とからなる。6個の潤滑剤排出穴71は、等配で配されているため、どんな位相でも真下±15°以内に最低1か所の潤滑剤排出穴71が確保されることにより、水平取付け時の排出が可能になっている。
潤滑供給及び排出構造は、グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機能を持つ。これにより、軸受内部へ供給され、不要となった潤滑剤は、軸受近傍に配された図12のスリンガ部68Bの回転力により軸受の外側に弾き飛ばされる。それにより、どんな位相でも問題なく潤滑剤を排出することが可能となり、例えば水平取付けのスピンドルは下側に排出穴が必要になるが、いずれかの穴が下側に向くので排出を行うことができる。また、グリース潤滑であるため、取り扱いが容易であって、比較的安価なグリース潤滑により、メンテナンスを少ない費用で行うことができる。また、潤滑剤供給機(グリース補給装置)を備えているため、グリースの不足を補うことができるので、焼付き等を回避することができる。また、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いても良い。そうすれば、効率の良い潤滑を行うことができるので、耐焼付き性を更に向上させることができる。
そして、スリーブハウジング61と、軸受スリーブ63とにおいて、軸受スリーブ63を抜き差しする際におけるオーリング切れを防止するため、軸受スリーブ63の前方側外周に前側オーリング66,66を配し、スリーブハウジング61の後方側内周に後側オーリング67,67を配している。これにより、半組立体2の挿入や抜き取りによって軸受スリーブ63がスリーブハウジング61の内周を滑るとき、各オーリング66,66,67,67の滑る距離が最短化され、尚且つオーリング切れの要因となる段差や穴を各オーリング66,66,67,67が通過しないため、各オーリング66,66,67,67の信頼性を格段に向上することができる。
また、各オーリング66,66,67,67は、前端側2本、後端側2本と多数のオーリングを使っている。これは、オーリング66,66,67,67の締め代による減衰効果によって、軸受スリーブ63の振動を減衰させることを目的としている。軸受スリーブ63は、スリーブハウジング61に対して隙間嵌めであるため、オーリングのような減衰要素がないと軸受スリーブ63が隙間の中で振動してしまい、その振動が大きければ、工作機械としての切削性能や精度を劣化させる他、スリーブハウジング61の内径または軸受スリーブ63の外径がフレッティング摩耗してしまう虞があるからである。フレッティング摩耗が発生すれば、さらに振動が増大したり、スライド不良を招いたりする他、その修理には主軸装置全体を交換しなければならなくなる。また、オーリングを複数用いることで拘束力が増大するため、軸受スリーブ63が回転方向に自由に回らなくなるので、クリープの防止も可能となり、嵌め合い面クリープ摩耗の防止にもなる。このように、複数のオーリングを用いることで更に一層の効果をあげることができる。
図12に示すように、第4例の変形例においては、軸受スリーブ63の後部側のみを小径の単一のオーリング72にしている。このようにすることにより、オーリングの数を減少させることができ、コンパクトにオーリングを配置できる。ただし、図11(a),(b)の方が、潤滑剤の圧力により軸受スリーブ63がアキシアル力を受けない点で優れている。
尚、第1例,第2例,第3例,第4例に係る主軸装置は、前述した各実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、マシンニングセンタに適用される他に、NC工作機械や、手動で送り動作を行う汎用工作機械等に適用しても良い。
また、フロント側・リア側軸受は、アンギュラ玉軸受に限らず、深溝玉軸受や各種ころ軸受、等の転がり軸受であっても良い。
図13〜図16は、本発明の第1参考例を示している。本例の特徴は、スリーブハウジング88と軸受スリーブ84との嵌合面にスリーブハウジング88と軸受スリーブ84との間をシールする弾性体94を備えると共に、弾性体94に圧力を負荷する流体を供給するように構成したことである。
図13,図14に示すように、本例の主軸装置80は、回転軸81と、フロント側軸受である一対の転がり軸受82,83と、軸受スリーブ84と、リア側軸受である一対の転がり軸受85,86と、フロントハウジング87と、スリーブハウジング88と、を備えている。スリーブハウジング88は、フロントハウジング87に固定されており、実質的にフロントハウジング87の一部として機能する。
一対の転がり軸受82,83は、外輪89,90がフロントハウジング87に固定されると共に内輪91,92が回転軸81の一端に嵌合・固定されてフロントハウジング87との相対位置が固定されたフロント側軸受となっており、回転軸81を回転自在に支持している。
軸受スリーブ84は、回転軸81の他端側に配設されたスリーブハウジング88の孔93に嵌合し、軸方向に移動可能に配設されている。軸受スリーブ84とスリーブハウジング88の内径面93との隙間Cは、スリーブ寸法、要求される剛性、回転軸81の回転に伴う発熱による熱膨張等を考慮して決められ、1〜200μmの範囲から適宜選択して設計される。隙間Cが小さ過ぎると、熱膨張によって軸受スリーブ84とスリーブハウジング88の内径面93とが接触する可能性がある。また、大き過ぎると、軸受スリーブ84の中心位置が不安定となる傾向がある。
軸受スリーブ84とスリーブハウジング88の内径面93との嵌合面には、弾性体の一例であるオーリング94が両端部に2本ずつ、合計4本のオーリング94が配設されている。オーリング94は、複数本がまとめられて1つのセットを構成している。本例においては、2セットのオーリング94が軸受スリーブ84の外周面95の両端に配置されている。
すなわち、フロント側軸受82,83に近い側に配置された2本のオーリング94は、スリーブハウジング88の内径面93に設けられたオーリング溝96に装着される。また、フロント側軸受82,83から遠い側に配置された2本のオーリング94は、軸受スリーブ84の外周面95に設けられたオーリング溝97に装着されている。なお、本例の配置とは逆に、フロント側軸受82,83に近い側のスリーブ外周面にオーリング溝を設け、フロント側軸受から遠い側のスリーブハウジングにオーリング溝を設ける構成も可能である。また、スリーブ外周面のみにオーリング溝を設ける構成やスリーブハウジングのみにオーリング溝を設ける構成も可能である。
オーリング94の締め代は、オーリング94の使用標準値以下、且つ使用標準値の10%以上とするのがよく、例えば内径84.5mm、太さ2mmのオーリング94の場合の締め代は、0.05mm以上、0.5mm以下とするのがよい(使用標準値は通常オーリングメーカーより推奨値として提供されており、前記オーリング94は0.3〜0.6mmである)。なお、使用標準値は、オーリング等の弾性体の平均直径の15〜20%とする。好ましくは、0.2mm〜0.45mmとするのがよい。また、弾性体は、オーリング94に限定されるものではなく、シール性を有するゴムパッキンや金属製パッキンなどであってもよい。
ここで、オーリング94における締め代の上限値を使用標準値以下としたのは、これより大きくすると、軸受スリーブ84のスライド性が悪くなり、またオーリング94の変形量が大きくなってオーリング94の寿命が短くなる可能性がある。また、締め代の下限値を使用標準値の10%以上としたのは、これより小さくなるとオーリング94のシール性能が悪くなるからである。
一対の転がり軸受85,86は、内輪97,98が回転軸81の他端に外嵌すると共に、外輪99,100が軸受スリーブ84に嵌合し、外輪押え101によって軸受スリーブ84に固定されており、軸受スリーブ84と共に回転軸81の軸方向に移動可能とされたリア側軸受となっている。そして、フロント側軸受82,83と共働して回転軸81を回動自在に支持している。予圧ばね102は、スリーブハウジング88と外輪押え101との間に装着されており、外輪押え101を介して軸受スリーブ84を後方に引っ張って転がり軸受85,86及び転がり軸受82,83に予圧をかけている。なお、定圧予圧の場合、定位置予圧で予圧ばねのない場合もある。
スリーブハウジング88には、夫々の一対のオーリング94の間に流体供給口103が開口する流体供給路104が設けられており、該流体供給路104は、主軸装置80の外部に配設された圧縮流体供給装置(図示せず)に接続されて、該圧縮流体供給装置から圧縮流体を供給されて一対のオーリング94の間に圧縮流体を供給するようになっている。圧縮流体供給装置は、例えばコンプレッサであり、流体は、例えば空気である。
次に、本例の作用を説明する。主軸装置80は、図13及び図14に示すように、回転軸81が高速回転すると、発生する摩擦熱などによって温度が上昇する。これによって、回転軸81は軸方向に伸びるが、リア側軸受である一対の転がり軸受85,86が軸受スリーブ84と共に軸方向(図1において右方向)に移動して熱による回転軸81の伸びを吸収する。同時に、軸受スリーブ84は熱膨張して外径が大きくなってスリーブハウジング88との隙間Cが小さくなるので、熱膨張を予め予測して隙間Cが、例えば10μm程度に設定されている。隙間Cが大きいと、ラジアル剛性が低下するが、実際には軸受スリーブ84とスリーブハウジング88との間に複数本のオーリング94が締め代分、潰された状態で配設されているので、オーリング94によってラジアル剛性が高められ、回転軸81の振動が抑制されている。
図15に示すように、流体供給路104を介して圧縮流体供給装置であるコンプレッサから圧縮空気を矢印A方向に圧送し、一対のオーリング94の間に供給すると、オーリング溝97に嵌合して装着されている一対のオーリング94は、互いに離れる方向に押圧されて潰れる(圧縮量c)。これによって、一対のオーリング94の剛性が更に高くなり、軸受スリーブ84のラジアル剛性及びアキシアル減衰性が高くなる。一対のオーリング94の剛性は、圧縮空気の圧力を調整してオーリング94の潰し量を調整することによって、任意の剛性を得ることができる。また、両方のオーリング94に作用する圧力は、どちらのオーリング94にも均一に作用するので、その潰し量も均一とすることができ、両方のオーリング94の剛性のバランスを維持したまま高めることができる。
次に、試験装置110(一例として要部を図16に示す)を用いて行った剛性の測定結果について説明する。
試験装置110は、実機の主軸装置80と同一寸法、外径85mmとしたダミー軸受スリーブ111に、内径85mmとしたダミースリーブハウジング112を嵌合隙間150μmを持たせて嵌合して配置されている。ダミースリーブハウジング112のフロント側軸受側(図16において左側)には2本のオーリング溝96が設けられ、ダミー軸受スリーブ111のリア側軸受側(図16において右側)には、同様に2本のオーリング溝97が平行に設けられており、夫々のオーリング溝97,96に内径84.5mm、太さ2mmのオーリング94が装着されている。また、ダミースリーブハウジング112の外周面113には、電気マイクロメータのピックアップが取り付けられており、ダミースリーブハウジング112の外周面113の半径方向変位量(ダミースリーブハウジング112の中心の変位量でもある)を電気マイクロメータ114で検出できるようになっている。
このように構成された試験装置110に、エアシリンダ(図示せず)によってダミースリーブハウジング112の外周面を矢印B方向に押圧して荷重を付与した。
上述した以外の各試験条件は以下のようである。
オーリングの素材:A) ニトリルゴム
:B) フッ素ゴム
オーリングの締め代:A) 0.300mm
:B) 0.275mm
:C) 0.250mm
圧縮空気の圧力:A) 0 MPa
:B) 0.49MPa
エアシリンダによるオーリング2個の負荷荷重:A) 50N
:B) 100N
試験方法: オーリングの素材、オーリングの締め代、圧縮空気の圧力、エアシリンダによる荷重、の各条件をランダムに変更して試験し、その時のダミースリーブハウジング112の外周面113の変位量(中心の変位量)を電気マイクロメータ114で測定した。夫々の測定は、5回ずつ測定して、その平均値を測定結果とした。
オーリングの素材:A) ニトリルゴム
:B) フッ素ゴム
オーリングの締め代:A) 0.300mm
:B) 0.275mm
:C) 0.250mm
圧縮空気の圧力:A) 0 MPa
:B) 0.49MPa
エアシリンダによるオーリング2個の負荷荷重:A) 50N
:B) 100N
試験方法: オーリングの素材、オーリングの締め代、圧縮空気の圧力、エアシリンダによる荷重、の各条件をランダムに変更して試験し、その時のダミースリーブハウジング112の外周面113の変位量(中心の変位量)を電気マイクロメータ114で測定した。夫々の測定は、5回ずつ測定して、その平均値を測定結果とした。
(試験結果)
圧縮空気の圧力を0MPaとしたとき(つまり圧縮空気の供給がないとき)のオーリング剛性の測定結果を、エアシリンダでダミースリーブハウジング112に負荷した荷重と、中心の変位量との比として表1に示す。なお、単位は、N/μmであり数値が大きいほどラジアル剛性が大きいことを示している。
圧縮空気の圧力を0MPaとしたとき(つまり圧縮空気の供給がないとき)のオーリング剛性の測定結果を、エアシリンダでダミースリーブハウジング112に負荷した荷重と、中心の変位量との比として表1に示す。なお、単位は、N/μmであり数値が大きいほどラジアル剛性が大きいことを示している。
圧縮空気の圧力を0.49MPaとしたときのオーリング剛性の測定結果を、エアシリンダでダミースリーブハウジング112に負荷した荷重と、中心の変位量の比として表2に示す。なお、単位は、N/μmであり数値が大きいほどラジアル剛性が大きいことを示している。
また、締め代0.250mmに設定したフッ素ゴム製オーリング94をランダムな装着順で装着してダミースリーブハウジング112の中心位置のずれを5回測定した。そのばらつき(最大値−最小値)を表3に示す。
表1から分かるように、オーリング94に圧縮空気を供給しない場合、オーリング94の締め代の大きい方が、ラジアル剛性が高い。また、締め代の変化量に対するラジアル剛性の変化量は、ニトリルゴム製オーリングよりフッ素ゴム製オーリングのほうが大きい。
表1及び表2から、オーリング94に圧縮空気を供給することによって、ラジアル剛性を高められることが分かる。これは、圧縮空気によってオーリング94が潰され(図15参照)、オーリング94自身の剛性が高くなったことによる。また、締め代が小さい方が圧縮空気供給によるラジアル剛性の変化量が大きい。更に、圧縮空気供給によるラジアル剛性の変化量は、フッ素ゴム製オーリングの方がニトリルゴム製オーリングより大きくなっている。
表3から分かるように、ダミースリーブハウジング112の中心位置のずれ量のばらつきは、圧縮空気を供給しない場合は56μmであるのに対して、圧縮空気を供給すると22μmと小さくなっており、圧縮空気を供給することによって、オーリング94の形状や姿勢が安定することが分かる。
以上の試験結果から、フロントハウジング87と軸受スリーブ84の間に、複数のオーリング94を配設すると共に、オーリング94間に圧縮空気を供給することによって、ラジアル剛性を高めることができ、且つ圧縮空気の圧力を調整することにより、ラジアル剛性を任意の硬さに調整できることが理解できる。
尚、本例に係る主軸装置は、前述した各実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、マシンニングセンタに適用される他に、NC工作機械や、手動で送り動作を行う汎用工作機械等に適用しても良い。
また、フロント側・リア側軸受は、アンギュラ玉軸受に限らず、深溝玉軸受や各種ころ軸受、等の転がり軸受であっても良い。
図17及び図18は、本発明の第2参考例を示している。本例の特徴は、回転軸121と、フロント側軸受122,122と、フロントハウジング125と、ビルトインモータ126のロータ127及びステータ128と、リア側軸受130と、リアハウジング145と、外筒132と、から構成された主軸カートリッジ133が、主軸頭131に対して一体的に分解可能且つ組付可能であることである。
図17,図18に示すように、本例の工作機械120は、回転自在な回転軸121と、内輪123,123に回転軸121の前端が内嵌されたフロント側軸受122,122と、フロント側軸受122,122の外輪124,124が内嵌されたフロントハウジング125と、ビルトインモータ126のロータ127と、ビルトインモータ126のステータ128と、内輪129に回転軸121の後端が内嵌されたリア側軸受130と、主軸頭131に内嵌される外筒132と、から構成された主軸カートリッジ(主軸装置)133を備え、主軸カートリッジ133が、主軸頭131に対して一体的に分解可能且つ組付可能である。
そして、主軸頭131が、主軸カートリッジ把持部134を軸方向に有し、主軸カートリッジ133が、当該主軸カートリッジ把持部134に挿入されている。また、主軸カートリッジ133が主軸頭131に挿入されるために必要な長さよりも、回転軸121の軸方向と平行な送り軸方向への移動量の方が長く設定されている。
工作機械120は、立形マシンニングセンタであって、ベッド135にコラム136が立設固定されており、ベッド135上に配されたY軸案内レール137に支持されながら、ワークテーブル138がコラム136に対して進退する、回転軸121の軸方向と直交する送り軸方向であるY軸方向に移動する。コラム136の上端部には、X軸案内レール139が配られており、このX軸案内レール139に支持されながら、サドル140がコラム136に対する横方向(図17中の前後方向)に、回転軸121の軸方向と直交する送り軸方向であるX軸方向に移動する。サドル140の先端部には、Z軸案内レール141が配されており、このZ軸案内レール141に支持されながら、主軸頭131が回転軸121の軸方向と平行な送り軸方向であるZ軸方向に、ワークテーブル138に対して進退移動する。
主軸カートリッジ133は、回転軸121と、フロント側軸受122と、フロントハウジング125と、ビルトインモータ126を構成するロータ127と、同じくビルトインモータ126を構成するステータ128と、リア側軸受130と、リアハウジング145と、外筒132と、から構成されている。
回転軸121は、ステータ128の内周部に非接触にしてロータ127を有する。ロータ127は、ステータ128が発生した回転磁界により、回転軸121を回転させる。回転軸121は、内装されたドローバ(不図示)を介して工具ホルダ(不図示)に連結される。
外筒132は、円筒形状に形成されており、内周面にステータ128が固定されている。ステータ128は、モータ電力ケーブル(不図示)を通じて与えられた電流により、内周側に回転磁界を発生する。
フロントハウジング125は、円筒形状に形成されており、外筒132の前端部に固定されている。
リアハウジング145は、円筒形状に形成されており、外筒132の後端部に固定されている。リアハウジング142には、ドローバを押圧するために進退移動するロータリージョイント(不図示)を内装したピストン機構のツールアンクランプシリンダ143が結合されている。
フロント側軸受122,122は、複列のアンギュラ玉軸受であって、内輪123,123に回転軸121の前端部がそれぞれ内嵌されており、外輪124,124がフロントハウジング125にそれぞれ内嵌されている。
リア側軸受130は、単列のアンギュラ玉軸受であって、内輪129に回転軸121の後端部が内嵌されており、外輪144がリアハウジング142に内嵌されている。
本例の工作機械120によれば、主軸カートリッジ133が主軸頭131に挿入されるために必要な長さよりも、回転軸121の軸方向と平行な送り軸方向への移動量の方が長く設定されている。これにより、回転軸121の軸方向と平行な送り軸方向であるZ軸移動量の方が、主軸カートリッジ133が主軸頭131に挿入されるために必要な長さよりも長いために、Z軸送りを利用して抜き取りを容易に行うことができる。
図19〜図23は、本発明の第3参考例を示している。本例の特徴は、回転軸121と、フロント側軸受122と、フロントハウジング125と、ビルトインモータ126のロータ127と、リア側軸受130と、軸受スリーブ142と、から構成された半組立体である主軸サブカートリッジ151が、主軸頭131に対して一体的に分解可能且つ組付可能である。また、主軸サブカートリッジ151が主軸頭131に挿入されるために必要な長さよりも、回転軸121の軸方向と平行な送り軸方向への移動量の方が長く設定されていることである。その他の構成は第1例と同じであるから、同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図19に示すように、本例の工作機械150は、回転自在な回転軸121と、内輪123に回転軸121の前端が内嵌されたフロント側軸受122と、フロント側軸受122の外輪124が内嵌されたフロントハウジング125と、ビルトインモータ126のロータ127と、内輪144に回転軸121の後端が内嵌されたリア側軸受130と、リア側軸受130の外輪144が内嵌された軸受スリーブ142と、から構成された半組立体である主軸サブカートリッジ151を備え、主軸サブカートリッジ151が、主軸頭131に対して一体的に分解可能且つ組付可能である。また、主軸サブカートリッジ151が主軸頭131に挿入されるために必要な長さよりも、回転軸121の軸方向と平行な送り軸方向への移動量の方が長く設定されている。
立形マシンニングセンタの工作機械の場合、Z軸案内レール141に支持されながらZ軸方向に移動する主軸頭131のZ軸移動量L3が長くなると、必然的に機械高さH1が高くなる。機械高さH1は、道路運搬時の高さ、機械搬入・搬出時の工場入口・出口部の高さ、設置場所の天井高さの制限を受ける。このため、機械高さH1はできるだけ低い方が望ましい。そこで、工作機械150では、半組立体である主軸サブカートリッジ151を主軸頭131から完全に引き抜くために必要な長さL4は主軸カートリッジ133(図17参照)を引き抜くために必要な長さL1より小さいため、Z軸移動量L3を短くでき、結果的に、機械高さH1を低くできる。
図20に示すように、主軸サブカートリッジ151は、ステータ128の内径φD1よりも、軸受スリーブ142の外径φD2の方が小さい。そして、主軸サブカートリッジ151は、軸受スリーブ142が、この軸受スリーブ142を内嵌しているスリーブハウジング152に対して、図20中下方へ軸方向に自由に移動できる。これにより、半組立体である主軸サブカートリッジ151は外筒132と締結しているボルト(不図示)を取外すだけで、フロントハウジング125を先にして外筒132から一体的にして引き抜くことができるとともに、スリーブハウジング152に配されている、冷却油供給ホース153,油圧供給ホース154,モータ動力ケーブル155の切り離し作業をすることなく、主軸頭131に対し一体的に分解、組み付けが可能であり、それによって、交換時間を短縮することができる。
次に、図21〜図23を参照して、本例の工作機械150における主軸サブカートリッジ151の取り外し手順を説明する。
図21に示すように、まず、Z軸送りを利用して主軸頭131を最下位置A1まで下降させる。そこで、フロントハウジング125の外筒132への固定を解除する。
図22に示すように、Z軸送りを利用して主軸頭131を最上位置A2まで上昇させる。主軸頭131は、ステータ128を有する外筒132,スリーブハウジング152といっしょに上昇するため、半組立体である主軸サブカートリッジ151のみが残され、この主軸サブカートリッジ151を一体的に取外すことができる。
図23に示すように、主軸頭131の外筒132に対する締結を解除することにより、残りの、ステータ128を有する外筒132,スリーブハウジング152等の部品を取外すことができる。このとき、残りの、ステータ128を有する外筒132,スリーブハウジング152等の部品を一体的に取り出すためには、残りの部品の全長L5よりも、主軸頭131の下面からワークテーブル137の上面までの距離L6の方が長くなければならないが、主軸サブカートリッジ151が予め分解済みのために、L5<L6の関係を構成するのが容易である。それにより、Z軸移動量L3を短くでき、機械高さH1を低くすることができる。
本例の工作機械150によれば、回転軸121と、フロント側軸受122と、フロントハウジング125と、ロータ127と、リア側軸受130と、軸受スリーブ142と、から主軸サブカートリッジ151が構成され、この主軸サブカートリッジ151が、主軸頭131に対して一体的に分解可能且つ組付可能に配される。従って、工作機械150全体を分解することなく、点検・修理・交換が必要な、半組立体である主軸サブカートリッジ151を主軸頭131から単体で取り外して分解・組み付けを行うことができる。
図24は、本発明の第4参考例を示している。本例の特徴は、主軸カートリッジ133が、単体で一体的に分解且つ一体的に組付可能である。また、主軸頭161が、主軸カートリッジ133を収容する主軸カートリッジ把持部134を有し、主軸カートリッジ把持部134が、少なくとも半分に分割する位置で分割して分解可能であることである。その他の構成は第1例と同じであるから、同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図24に示すように、本例の工作機械160は、主軸カートリッジ133が、単体で一体的に分解且つ一体的に組付可能である。また、主軸頭161が、主軸カートリッジ133を収容する主軸カートリッジ把持部134を有する。また、主軸頭161の主軸カートリッジ把持部134が、少なくとも半分に分割する位置で分割して分解可能である。
工作機械160は、主軸頭161が、回転軸中心線162の部分で分割された第1主軸頭部163,第2主軸頭部164を有し、両主軸頭部163,164がボルト165によって締結されている。そして、主軸カートリッジ133が、フランジ部166を介して、一体化した第1主軸頭部163,第2主軸頭部164の両方にボルト167によって締結されている。
工作機械160では、主軸カートリッジ133を交換するときに、ボルト165を取り外して第1主軸頭部163を第2主軸頭部164から取り外すことにより、Z軸ストロークの長さに関係なく、主軸カートリッジ133を単体で一体的に取り外すことができ、その作業を容易に行うことができる。ここで、第2主軸頭部164は人が持つことのできる質量に設定されている。
尚、第2、第3、第4参考例に係る工作機械は、前述した各実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、マシンニングセンタに適用される他に、NC工作機械や、手動で送り動作を行う汎用工作機械等に適用しても良い。
また、フロント側・リア側軸受は、アンギュラ玉軸受に限らず、深溝玉軸受や各種ころ軸受、等の転がり軸受であっても良い。
図25〜図29は、本発明の第5参考例を示している。本例の特徴は、外筒181と、主軸頭183と、回転軸184と、フロント側軸受186,186と、リア側軸受188と、フロントハウジング191と、スリーブハウジング193と、ツールアンクランプシリンダ194と、を備え、回転軸184と、フロント側軸受186と、リア側軸受188と、フロントハウジング191と、スリーブハウジング193と、が一体的に組み付けられて半組立体である主軸サブカートリッジ195をなして、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、が三分割で構成され、半組立体である主軸サブカートリッジ195が、外筒181から抜き取り可能としたことである。
図25に示すように、本例の主軸装置180は、ステータ182を有する外筒181と、外筒181が内嵌された主軸頭183と、ステータ182の内側に配されたロータ185を有する回転自在な回転軸184と、内輪187,187に回転軸184の一端が内嵌されたフロント側軸受186,186と、内輪189に回転軸184の他端が内嵌されたリア側軸受188と、フロント側軸受186,186の外輪190,190が内嵌され、外筒181の一端に装着されたフロントハウジング191と、リア側軸受188の外輪192が内嵌され、外筒181の他端に内嵌されたスリーブハウジング193と、外筒181の一端に固定されたツールアンクランプシリンダ194と、を備え、ロータ185を有する回転軸184と、フロント側軸受186と、リア側軸受188と、フロントハウジング191と、スリーブハウジング193と、が一体的に組み付けられて主軸サブカートリッジ195をなして、当該主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、が三分割で構成され、主軸サブカートリッジ195が、外筒181から抜き取り可能である。
また、ツールアンクランプシリンダ194が、外筒181から抜き取り可能であり、主軸サブカートリッジ195が抜き取られた外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、の組体(第1組体)(図28に示す)196が、主軸頭183から抜き取り可能である。
また、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、の組体(第2組体)(図29に示す)197が、主軸頭183から抜き取り可能であり、回転軸184の回転を検出するセンサ(回転センサ)198を、回転軸184と、外筒181と、の間に配している。
外筒181は、円筒形状に形成されており、図25中下方である一端部がフロントハウジング固定部199になっている。また、外筒181は、図25中上方である他端部にスリーブハウジング固定部200が形成されている。スリーブハウジング固定部200には、電線挿通部201が形成されている。外筒181の内周面には、ステータ182が固定されている。ステータ182は、電源配線202から与えられた電流により、内周側に回転磁界を発生する。
主軸頭183は、外筒181を着脱可能に把持しており、例えば横形マシンニングセンタの場合、ベッドに立設固定されたコラムのY軸案内レールに沿って上下移動する。
回転軸184は、ステータ182の内周部に非接触にしてロータ185を有する。ロータ185は、ステータ182が発生した回転磁界により、回転軸184を回転させる。回転軸184は、内装されたドローバ203を介して工具ホルダ(不図示)に連結される。
フロント側軸受186,186は、複列のアンギュラ玉軸受であって、内輪187,187に回転軸184の一端部がそれぞれ内嵌されており、外輪190,190がフロントハウジング191にそれぞれ内嵌されている。
フロントハウジング191は、円筒形状に形成されており、外筒181の端部に外筒内嵌部204が形成されている。また、フロントハウジング191は、外周部に外周部材205が外嵌されており、この外周部材205との間に、円周方向に凹溝状をなす流体流路206が複数形成されている。流体流路206は、ツールアンクランプシリンダ194に装着された冷却油供給ホース207に連通接続される。
リア側軸受188は、単列のアンギュラ玉軸受であって、内輪189に回転軸184の他端部が内嵌されており、外輪192がスリーブハウジング193に内嵌されている。
スリーブハウジング193は、円筒形状に形成されており、外筒181のスリーブハウジング固定部200に内嵌されている。
そして、回転軸184の他端部に回転センサ198が配されている。回転センサ198は、回転軸184の他端部に固定された回転体208と、この回転体208の外周に近接して外筒181に固定された電気信号発生器209と、からなる。電気信号発生器209は、回転軸184とともに回転体208が回転することにより、回転体208から与えられた磁気を電気的に変換して、例えばパルス状の回転信号を発生する。発生した回転信号は、センサ信号線(不図示)や送信機(不図示)により制御装置(不図示)に転送されて監視される。
ツールアンクランプシリンダ194は、外筒181の一端部に着脱可能に固定されており、ドローバ203を押圧するために進退移動するピストン210を内装している。また、ツールアンクランプシリンダ194には、電源配線202がプラグ211を介して装着されているとともに、冷却油供給ホース207がねじ固定されている。冷却油供給ホース207は、このツールアンクランプシリンダ194内と、外筒181内と、を通じてフロントハウジング191の流体流路206に連通接続されている。
このような主軸装置180では、ロータ185を有する回転軸184と、フロント側軸受186と、リア側軸受188と、フロントハウジング191と、スリーブハウジング193と、回転センサ198の回転体208とが、一体的に組み付けられて主軸サブカートリッジ195をなしており、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、が三分割で構成されている。
図26に示すように、主軸装置180は、ロータ185の外径D1、スリーブハウジング193の外径D2、回転センサ198の回転体208の外径D3、のいずれもが、ステータ182の内径D4よりも小さく設定されている。そのため、フロントハウジング191を先にして、主軸サブカートリッジ195を外筒181から引き抜くことができる。これにより、主軸サブカートリッジ195を構成する、ロータ185を有する回転軸184と、フロント側軸受186と、リア側軸受188と、フロントハウジング191と、スリーブハウジング193と、回転センサ198の回転体208と、に点検、修理、交換等のメンテナンスが必要になった時に、主軸サブカートリッジ195へのメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
図27に示すように、主軸装置180は、ツールアンクランプシリンダ194が、外筒181の端部に着脱可能に固定されている。そのため、ツールアンクランプシリンダ194のみを外筒181から簡単に抜き取ることができるので、ツールアンクランプシリンダ194に配されている、ロータリージョイント212、電源配線202のプラグ211、冷却油供給ホース207に、点検、修理、交換等のメンテナンスが必要になった時に、それらに対するメンテナンス作業を簡単に行うことができる。更に、ツールアンクランプシリンダ194を取り外すことにより、回転センサ198の電気信号発生器209における点検、修理、交換等のメンテナンス作業も簡単に行うことができる。
図28に示すように、主軸装置180は、外筒181が、主軸頭183に着脱可能に把持されているために、主軸サブカートリッジ195が抜き取られた外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、からなる第1組体196を主軸頭183から抜き取ることができる。それにより、外筒181に、点検、修理、交換等のメンテナンスが必要になった時に、外筒181に対するメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
図29に示すように、主軸装置180は、外筒181が、主軸頭183に着脱可能に把持されているために、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、からなる第2組体197を主軸頭183から抜き取ることができる。それにより、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、からなる第2組体197に、点検、修理、交換等のメンテナンスが必要になった時に、第2組体197に対するメンテナンス作業を簡単に行うことができる。
本例の主軸装置180によれば、ロータ185を有する回転軸184と、フロント側軸受186と、リア側軸受188と、フロントハウジング191と、スリーブハウジング193と、が一体的に組み付けられて主軸サブカートリッジ195をなし、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、が三分割で構成され、主軸サブカートリッジ195を、外筒181から抜き取ることができる。従って、主軸サブカートリッジ195を構成する、ロータ185を有する回転軸184、フロント側軸受186、リア側軸受188、フロントハウジング191、スリーブハウジング193を外筒181から一体的に抜き取れるために、主軸装置180全体を分解することなく、点検・修理・交換が必要な、回転軸184、フロント側軸受186、リア側軸受188のみを簡単に取り外すことができる。
また、本例の主軸装置180によれば、ツールアンクランプシリンダ194が、外筒181から抜き取り可能である。これにより、主軸装置180全体を分解することなく、点検・修理・交換が必要な、ツールアンクランプシリンダ194のみを簡単に取り外すことができる。
また、本例の主軸装置180によれば、主軸サブカートリッジ195が抜き取られた外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、の第1組体196が、主軸頭183から抜き取り可能である。これにより、主軸装置180全体を分解することなく、点検・修理・交換が必要な、主軸サブカートリッジ195に加えて、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、の第1組体196を主軸頭183から簡単に取り外すことができる。
また、本例の主軸装置180によれば、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、の第2組体197が、主軸頭183から抜き取り可能である。これにより、主軸装置180全体を分解することなく、点検・修理・交換が必要な、主軸サブカートリッジ195と、外筒181と、ツールアンクランプシリンダ194と、の第2組体197を主軸頭183から簡単に取り外すことができる。
図30は、本発明の第6参考例を示している。本例の特徴は、ツールアンクランプシリンダ194に、各種流体配管、各種電源ケーブルを配したカプラ221を着脱自在に取付けたことである。その他の構成は第1例と同じであるから、同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図30に示すように、本例の主軸装置220は、主軸カートリッジ方式を採用しており、ツールアンクランプシリンダ194に、各種流体配管、各種電源ケーブルを配したカプラ221が着脱自在に取付けられている。
ここで、主軸カートリッジ222に必要な油空圧管としては、冷却油供給管路、油圧供給管路、切削液供給管路、エアパージ供給管路、テーパクリーニングエア供給管路などがある。また、主軸カートリッジ222に必要な電線としては、モータ動力ケーブル、モータ回転センサケーブル、検出スイッチケーブル等がある。そして、主軸カートリッジ222を主軸頭183から分解、または組み付けるときは、これら多くの流体配管と電源ケーブルを切り離す必要があり、作業時間がかかる。そこで、主軸装置220では、各種流体配管および各種電源ケーブルの、主軸カートリッジ222と接続される部分を一体にしたカプラ221を用いている。
カプラ221は、外筒181の外周部に形成された流体流路223およびフロントハウジング191の流体流路206に冷却油を供給する冷却油供給ホース207、ツールアンクランプシリンダ194に油圧を供給する油圧供給ホース224、電源配線202が、プラグ225に接続されている。そして、外筒181の他端部に結合されていてリア側軸受188の外輪192が内嵌されたスリーブハウジング226にソケット227が固定されている。プラグ225とソケット227とは、爪228により固定されており、爪228は、押し付けるだけで互いに締結される。外すときは引っ掛かりを開放して引き抜くようになっている。
また、プラグ225とソケット227との油空圧管路にはシール229が配されており、油や空気が漏れ出すことはない。このとき、カプラ221の油圧管路に着脱動作により開閉するバルブを内蔵すれば、カプラ221を外すときに油漏れがなく作業性がよい。また、カプラ221には電線カプラ230が配されており、電線カプラ230はカプラ221の着脱動作と同時に着脱される。このような構造は、切削液供給管路、エアパージ供給管路、テーパクリーニングエア供給管路、モータ回転センサケーブル、検出スイッチケーブルなどに適用しても良い。
このようにすることにより、主軸カートリッジ222を主軸頭183から分解、または組み付けるときに、冷却油供給ホース207や油圧供給ホース224等の多くの油空圧管と、電源配線202と、を工具無しに一度で切り離すことができ、作業時間が短縮できる。また、カプラ221に各種流体配管207,224の開閉弁や電源カプラ230を配することにより、点検・修理・交換時に、各種流体配管207,224を閉塞し、電源配線202を取外してから作業を行えば、流体の漏洩や電源配線の絡まり、等を防止して作業を行うことができる。このとき、カプラ221の代わりに、例えば2〜3本のボトル締結としても良く、そうすることにより、作業性を大きく損なうことなく、構造をシンプルにできる。更に、このようなカプラ221を有する構造を主軸サブカートリッジ方式に適用すると、フロント側軸受186またはリア側軸受188の交換のときには、主軸サブカートリッジ195(図25参照)を取り出すことで交換時間を短縮でき、ステータ182の交換のときには、カプラ221を外して主軸カートリッジ全体を短時間で交換することができる。
尚、第5、第6参考例に係る主軸装置は、前述した各実施の形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、マシンニングセンタに適用される他に、NC工作機械や、手動で送り動作を行う汎用工作機械等に適用しても良い。
また、フロント側・リア側軸受は、アンギュラ玉軸受に限らず、深溝玉軸受や各種ころ軸受、等の転がり軸受であっても良い。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2003年04月07日出願の日本特許出願(特願2003−103219)、2003年12月17日出願の日本特許出願(特願2003−419854)、2003年03月31日出願の日本特許出願(特願2003−096503)、2004年01月05日出願の日本特許出願(特願2004−000261)、2003年11月14日出願の日本特許出願(特願2003−384703)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1 主軸装置
2 半組立体
3 外筒
4 ステータ
5 スリーブハウジング
6 回転軸
7 ロータ
8 フロントハウジング
9 リアカバー
11 軸受スリーブ
12 フロント側軸受
13 リア側軸受
14 ピストン機構
30 主軸装置
31 内径部品
32 ばね
33 内径部品側調整部品(調整部品)
34 ピストン
39 取付け基準面
40 主軸装置
50 主軸装置
60 主軸装置
61 スリーブハウジング
62 潤滑剤供給入口(潤滑剤供給経路)
63 軸受スリーブ
64 円周溝
65 径方向穴(潤滑剤供給経路)
66 前側オーリング(オーリング)
67 後側オーリング(オーリング)
71 潤滑剤排出穴
72 オーリング
80 主軸装置
81 回転軸
82 フロント側軸受
83 フロント側軸受
84 軸受スリーブ
85 リア側軸受
86 リア側軸受
87 フロントハウジング
88 スリーブハウジング
89 外輪
90 外輪
91 内輪
92 内輪
94 オーリング(弾性体)
97 内輪
98 内輪
99 外輪
100 外輪
120 工作機械
121 回転軸
122 フロント側軸受
123 内輪
124 外輪
125 フロントハウジング
126 ビルトインモータ
127 ロータ
128 ステータ
129 内輪
130 リア側軸受
131 主軸頭
132 外筒
133 主軸カートリッジ(主軸装置)
134 主軸カートリッジ把持部
142 軸受スリーブ
145 リアハウジング
150 工作機械
151 主軸サブカートリッジ
160 工作機械
161 主軸頭
180 主軸装置
181 外筒
182 ステータ
183 主軸頭
184 回転軸
185 ロータ
186 フロント側軸受
187 内輪
188 リア側軸受
189 内輪
190 外輪
191 フロントハウジング
192 外輪
193 スリーブハウジング
194 ツールアンクランプシリンダ
195 主軸サブカートリッジ
196 第1組体(組体)
197 第2組体(組体)
198 回転センサ(センサ)
207 冷却油供給ホース(各種流体配管)
220 主軸装置
221 カプラ
222 主軸カートリッジ
224 油圧供給ホース(各種流体配管)
226 スリーブハウジング
230 電源カプラ
2 半組立体
3 外筒
4 ステータ
5 スリーブハウジング
6 回転軸
7 ロータ
8 フロントハウジング
9 リアカバー
11 軸受スリーブ
12 フロント側軸受
13 リア側軸受
14 ピストン機構
30 主軸装置
31 内径部品
32 ばね
33 内径部品側調整部品(調整部品)
34 ピストン
39 取付け基準面
40 主軸装置
50 主軸装置
60 主軸装置
61 スリーブハウジング
62 潤滑剤供給入口(潤滑剤供給経路)
63 軸受スリーブ
64 円周溝
65 径方向穴(潤滑剤供給経路)
66 前側オーリング(オーリング)
67 後側オーリング(オーリング)
71 潤滑剤排出穴
72 オーリング
80 主軸装置
81 回転軸
82 フロント側軸受
83 フロント側軸受
84 軸受スリーブ
85 リア側軸受
86 リア側軸受
87 フロントハウジング
88 スリーブハウジング
89 外輪
90 外輪
91 内輪
92 内輪
94 オーリング(弾性体)
97 内輪
98 内輪
99 外輪
100 外輪
120 工作機械
121 回転軸
122 フロント側軸受
123 内輪
124 外輪
125 フロントハウジング
126 ビルトインモータ
127 ロータ
128 ステータ
129 内輪
130 リア側軸受
131 主軸頭
132 外筒
133 主軸カートリッジ(主軸装置)
134 主軸カートリッジ把持部
142 軸受スリーブ
145 リアハウジング
150 工作機械
151 主軸サブカートリッジ
160 工作機械
161 主軸頭
180 主軸装置
181 外筒
182 ステータ
183 主軸頭
184 回転軸
185 ロータ
186 フロント側軸受
187 内輪
188 リア側軸受
189 内輪
190 外輪
191 フロントハウジング
192 外輪
193 スリーブハウジング
194 ツールアンクランプシリンダ
195 主軸サブカートリッジ
196 第1組体(組体)
197 第2組体(組体)
198 回転センサ(センサ)
207 冷却油供給ホース(各種流体配管)
220 主軸装置
221 カプラ
222 主軸カートリッジ
224 油圧供給ホース(各種流体配管)
226 スリーブハウジング
230 電源カプラ
Claims (16)
- ステータを有する外筒と、
ロータを有する回転自在な回転軸と、
外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、
前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、
内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、
を備えた主軸装置であって、
前記外筒の内周径、前記ステータの内径、前記軸受スリーブの外径の順に直径が小さくなり、前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、且つ前記軸受スリーブから後方の任意の断面における回転体半径が、前記軸受スリーブ後端から前記断面の間における非回転体の最小半径よりも小さく、
前記軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌されており、当該軸受スリーブ外径が、当該スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されていることを特徴とする主軸装置。 - ステータを有する外筒と、
ロータを有する回転自在な回転軸と、
外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、
前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、
内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、
を備えた主軸装置であって、
前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、
前記回転軸に工具交換自在な内径部品が組み込まれているとともに、工具交換のためのピストン機構を有し、
前記軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌されており、当該軸受スリーブ外径が、当該スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されていることを特徴とする主軸装置。 - 前記リア側軸受が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項1に記載した主軸装置。
- 前記リア側軸受が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項2に記載した主軸装置。
- 前記半組立体の取付け基準面と前記内径部品のピストン押付け面との距離が、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整されていることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載した主軸装置。
- 前記内径部品が、ばねを圧縮可能に組み込まれているとともに、前記内径部品の後部に調整部品が固定されており、当該調整部品に、前記ピストン機構へのピストン押付け面が形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載した主軸装置。
- 前記フロントハウジングの前後と、前記軸受スリーブの前後とに、ラビリンスシールを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載した主軸装置。
- 前記フロントハウジングが、前記外筒に対して締り嵌めで嵌合されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載した主軸装置。
- 前記フロントハウジングと外筒との嵌め合い部の長さが、該嵌め合い部の直径の1/10〜1/30で、合わせ面の直角度が、軸心に対して5μm以下であることを特徴とする請求項8に記載した主軸装置。
- 前記半組立体の取付け基準面と、前記内径部品のピストン押付け面とのアンクランプ状態での距離が、工具ホルダの規格にかかわらず統一されていることを特徴とする請求項2,請求項4〜9のいずれか一項に記載した主軸装置。
- 前記軸受スリーブ外径と前記スリーブハウジング内径との間に複数対のオーリングが介在されていることを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれかに記載した主軸装置。
- 前記軸受スリーブの円周上に複数設けられた潤滑剤排出穴と、当該軸受スリーブ外周の嵌合面に設けられた円周溝と、当該円周溝に連通接続された半径方向の潤滑剤供給経路と、を有することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載した主軸装置。
- グリース潤滑であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載した主軸装置。
- グリース補給装置を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載した主軸装置。
- グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機構を持っていることを特徴とする請求項14に記載した主軸装置。
- オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載した主軸装置。
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