JP2004322306A5 - - Google Patents

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主軸装置
本発明は、工作機械等の主軸装置に関する。
従来の工作機械等の主軸装置としては、図13に示すようなビルトインモータスピンドル装置が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
図13に示すビルトインモータスピンドル装置80は、ユニット支持部材82によって保持されるモータハウジング83と、このモータハウジング前方に結合されるフロントハウジング84と、を備えている。また、このモータハウジング83及びフロントハウジング84内に内装されるスピンドル本体85と、モータハウジング83の中間部内周に固着されたステータ86とを備え、スピンドル本体85の中間部外周にはロータ87が固着されている。
また、スピンドル本体85は中空筒状となり、筒内には皿ばね88で付勢され且つ筒内を摺動自在なドローバ89が設けられているとともに、この先端にはチャック部89aが設けられている。そして、フロントハウジング84とスピンドル本体85間には、4個のフロント側軸受92を介装している。また、スピンドル本体85の後部外周には円筒ころ軸受であるリア側軸受93と、軸受スリーブ94が外嵌されており、モータハウジング83の後部にはリアカバー95がボルト締めされている。
特開平7−112303号公報(第2−3頁、第1図) 特開2003−159622号公報(第4−5頁、第1図)
ところで、工作機械では、主に軸受に損傷を生じることで主軸故障の原因となることが多く、軸受の寿命や、加工プログラムミスによる主軸の衝突等がその原因である。主軸が故障してから復帰するまでの時間(ダウンタイム)を短縮することが、特に自動車部品加工等の生産ラインに直結する部品加工現場では重要である。また、工作機械の主軸の高速化が進んでおり、主軸軸受の寿命は低速機(dmN 60万未満)では10万時間以上と実質無限であったのに対し、高速機では1〜2万時間となってきたため、消耗品扱いと考え、メンテナンスコストを抑える必要も生じている。
上記特許文献1に開示されているスピンドル装置80では、メンテナンス性向上のためにスピンドル本体85が抜けるように構成されている。しかしながら、この構成では、スピンドル本体85は抜けるが、円筒ころ軸受であるリア側軸受93の交換に関する記載はなく、リア側軸受93が損傷すればメンテナンスの手間は従来と変わらない。また、スピンドル本体85を抜くために、潤滑ノズルの突出部が設けられないので、必然的に、組込み後にリア軸受93の慣らし運転が2〜10時間程度必要となるので、ダウンタイムが長くなるという問題があった。
また、上記特許文献2に開示されている主軸装置では、主軸を取り外す時は後部に回ってパイプ73を外したり、組立てるときはさらに軸受ケース33とパイプ73の位相を合わせる作業が必要であったりと、作業性が悪いという問題があった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、メンテナンス時の組込み及び取り外し作業が容易で且つ低コストな主軸装置を提供することにある。
1)本発明の主軸装置は、ステータを有する外筒と、ロータを有する回転自在な回転軸と、外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、を備えた主軸装置であって、前記外筒の内周径、前記ステータの内径、前記軸受スリーブの外径の順に直径が小さくなり、前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、且つ前記軸受スリーブから後方の任意の断面における回転体直径が、前記軸受スリーブ後端から前記断面の間における非回転体の最小直径よりも小さい、ことを特徴としている。
ここで、フロント側軸受としては、複列の組み合わせアンギュラ玉軸受を例示できる。また、リア側軸受としては、一対のアンギュラ玉軸受を例示できる。
このように構成された主軸装置においては、フロントハウジング、回転軸及び軸受スリーブとからなる半組立体が外筒から抜き取り可能である。そのため、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブは、リア側軸受が組立てられた状態であるため、半組立体の抜き差しでグリースの状態は変化しない。
従って、この主軸装置においては、半組立体を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、回転軸破損時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。これにより、従来のような、メンテナンスの手間を減少することができないグリース潤滑となって組込み後に軸受の慣らし運転を必要とするためにダウンタイムが長くなるという問題を解消できることになる。
また、外筒の内周径、ステータの内径、軸受スリーブの外径の順に直径が小さくなり、軸受スリーブより後方において、半組立体を抜こうとしたときに非回転体が障害とならないように任意の断面における回転体直径が軸受スリーブ後端から前記断面の間における非回転体の最小直径より小さくして、非回転体が障害とならないようにしている。したがって、半組立体を抜こうとしたとき、工具を保持・開放する非回転体であるピストン機構等が障害になることはない。
2)本発明の主軸装置は、ステータを有する外筒と、ロータを有する回転自在な回転軸と、外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、を備えた主軸装置であって、前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、前記回転軸に工具交換自在な内径部品が組み込まれているとともに、工具交換のためのピストン機構を有することを特徴としている。
このように構成された主軸装置においては、フロントハウジング、回転軸及び軸受スリーブとからなる半組立体が外筒から抜き取り可能である。そのため、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブは、リア側軸受が組立てられた状態であるため、半組立体の抜き差しでグリースの状態は変化しない。
従って、この主軸装置においては、半組立体を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、回転軸破損時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。
また、ピストン機構を介し、回転軸に組み込まれた内径部品によって工具交換が行われるため、外部に露出したものと比べて、高い潤滑性能を有して工具交換を行うことができる。
3)本発明の主軸装置は、前記2)に記載した主軸装置において、前記半組立体の取付け基準面と前記内径部品のピストン押付け面との距離が、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整されていることを特徴としている。
このようにすると、適切にアンクランプを行えるため、半組立体の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
4)本発明の主軸装置は、前記2)に記載した主軸装置において、前記内径部品が、ばねを圧縮可能に組み込まれているとともに、前記内径部品の後部に調整部品が固定されており、当該調整部品に、前記ピストン機構へのピストン押付け面が形成されていることを特徴としている。
このようにすると、調整部品によって、工具ホルダ押し量を予め定められた値に設定することができるので、その許容差を調整することによって、適切にアンクランプを行えるようにし、その結果、内径部品の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
5)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記4)のいずれか一項に記載した主軸装置おいて、前記フロントハウジングの前後と、前記軸受スリーブの前後とに、ラビリンスシールを備えたことを特徴としている。
フロントハウジング及び軸受スリーブの前後には、回転部と非回転部との境が必ず存在し、この境目が外気に露出する場合は、異物の進入を防ぐ必要がある。フロントハウジングの前側(工具側)と、軸受スリーブの後側(ピストン機構側)は、常に外気に露出しているので、通常はラビリンスシールなどにより強固にシールされている。一方フロントハウジングの後側(ロータ側)と、軸受スリーブ前側(ロータ側)は、完成体の状態では外気に直接露出することはないが、半組立体の状態で在庫する場合や半組立体を交換する場合は外気に露出するので、この時の異物進入を防ぐことができる。
6)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記5)のいずれか一項に記載した主軸装置において、前記フロントハウジングが、前記外筒に対して締り嵌めで嵌合されていることを特徴としている。
このようにすると、半組立体の分解組付け、または交換した場合等、フロントハウジングと外筒の軸心がズレることがなく、高い精度を維持できる。
7)本発明の主軸装置は、前記6)に記載した主軸装置において、前記フロントハウジングと外筒との嵌め合い部の長さが、該嵌め合い部の直径の1/10〜1/30で、合わせ面の直角度が、軸心に対して5μm以下であることを特徴としている。
このようにすると、フロントハウジングと外筒との嵌め合いが締まり嵌めであると、嵌め合い長さが長いと組込み性が悪いが、嵌め合い部の長さを嵌め合い部の直径の1/10〜1/30と短くすることにより、組込みボルトによって容易に締め込んで組立てることができる。このとき、軸心に対する合わせ面の直角度が悪いと、嵌め合い部の長さが短い分、合わせ面に倣って組み付くので、フロントハウジングと外筒との組立体の軸心が平行でなくなるが、それぞれの直角度を5μm以下とすることにより、嵌め合い部の長さが短くても、平行を維持することができる。
8)本発明の主軸装置は、前記2)〜前記7)のいずれか一項に記載した主軸装置において、前記半組立体の取付け基準面と、前記内径部品のピストン押付け面とのアンクランプ状態での距離が、工具ホルダの規格にかかわらず統一されていることを特徴としている。
一般的に工具ホルダの規格は多数あり、工作機械ユーザによって選定されるので、工作機械メーカはこれら多くの工具ホルダ規格に適合する仕様の機械を用意する必要がある。工具を着脱するために必要な内径部品のストローク(ドローバストローク)は規格によって変動するので、通常は工具ホルダ規格に応じてピストン機構を変更又は調整する必要がある。しかしながら、上記8)の構成とすることで、半組立体の変更だけでよく、ピストン機構の変更、調整が不要となり、また半組立体以外の在庫の種類を減らし在庫費用を低減することができる。
9)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記8)のいずれか一項に記載した主軸装置において、前記軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌されており、当該軸受スリーブ外径が、当該スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されていることを特徴としている。
このようにすると、リア側軸受及び軸受スリーブは、主に回転軸をサポートするのが役割であるが、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
10)本発明の主軸装置は、前記9)に記載した主軸装置において、前記軸受スリーブ外径と前記スリーブハウジング内径との間に複数対のオーリングが介在されていることを特徴としている。
このようにすると、軸受スリーブ外径とスリーブハウジング内径との間の複数対のオーリングによって潤滑剤の漏れを防ぎ、オーリングの締め代による減衰効果によって、軸受スリーブの振動を減衰させることができる。
11)本発明の主軸装置は、前記9)又は前記10)のいずれか一項に記載した主軸装置において、前記軸受スリーブと前記スリーブハウジングとの嵌合長さと、当該軸受スリーブの外径と、の比が、嵌合長さ/外径=0.45〜0.8の範囲内に設定されていることを特徴としている。
このようにすると、軸受スリーブの外径と、スリーブハウジングとの嵌合部の長さと、が適切な関係に設定されるため、メンテナンス性および工作機械としての性能に優れた半組立体の構造を得ることができる。
12)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記11)のいずれか一項に記載した主軸装置において、前記軸受スリーブの円周上に複数設けられた潤滑剤排出穴と、当該軸受スリーブ外周の嵌合面に設けられた円周溝と、当該円周溝に連通接続された半径方向の潤滑剤供給経路と、を有することを特徴としている。
このようにすると、軸受スリーブがどんな位相でも問題なく潤滑剤を排出することが可能となる。例えば、水平取付けのスピンドルは下側に排出穴が必要になるが、いずれかの穴が下側に向くので排出を行うことができる。さらに、潤滑剤を軸受スリーブがどんな位置でも供給できる。したがって、軸受スリーブの位相を合わせる必要がなくなり、メンテナンスの作業性が良い。
13)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記12)のいずれか一項に記載した主軸装置において、前記リア側軸受が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受であることを特徴としている。
このようにすると、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
14)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記13)のいずれか一項に記載した主軸装置において、グリース潤滑であることを特徴としている。
このようにすると、取り扱いが容易であって、比較的安価なグリース潤滑により、メンテナンスを少ない費用で行うことができる。
15)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記14)のいずれか一項に記載した主軸装置において、グリース補給装置を備えていることを特徴としている。
このようにすると、グリース補給装置によって、グリースの不足を補うことができるので、焼付き等を回避することができる。
16)本発明の主軸装置は、前記15)に記載した主軸装置において、グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機構を持っていることを特徴としている。
このようにすると、軸受内部へ供給され、不要となった潤滑剤は、軸受近傍に配された外輪間座等の回転部材に付着され、回転部材に付着した潤滑剤は、回転力により軸受の外側に弾き飛ばされる。それにより、不要になった潤滑剤を強制的に軸受外部へ排出することができる。
17)本発明の主軸装置は、前記1)〜前記13)のいずれか一項に記載した主軸装置において、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いたことを特徴としている。
このようにすると、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑によって、効率の良い潤滑を行うことができるので、耐焼付き性を更に向上させることができる。
本発明によれば、メンテナンス時の組込み及び取り外し作業が容易で、交換後すぐに運転でき、且つ低コストな主軸装置を提供することができる。
以下、本発明に係る複数の好適な実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る主軸装置の第1実施形態の縦断面図、図2は図1に示す主軸装置における半組立体を示す縦断面図、図3は図1におけるリアカバーを示す正面図、図4は本発明に係る主軸装置の第2実施形態の縦断面図、図5は図4に示す主軸装置の半組立体を示す縦断面図、図6は図4に示す主軸装置の工具アンクランプ状態での縦断面図、図7は図4に示す主軸装置の自動工具交換装置機との組付け図、図8は本発明に係る主軸装置の第3実施形態の半組立体を示す縦断面図、図9は図8に示した半組立体の外筒への挿入状態を示す縦断面図、図10は図9に示した主軸装置における軸受の寸法及び面圧の特性図、図11(a)は本発明に係る主軸装置の第4実施形態における軸受スリーブの正面図、図11(b)は(a)の縦断面図、図12は図11(a),(b)の変形例を示す要部縦断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態である主軸装置1は、ステータ4とスリーブハウジング5を有する外筒3と、ロータ7を有する回転自在な回転軸6と、外輪がフロントハウジング8に固定されると共に内輪が回転軸6の一端に外嵌する組み合わせアンギュラ玉軸受であるフロント側軸受12と、を備えている。また、回転軸6の他端側に配設されスリーブハウジング5に嵌合して回転軸6の軸方向に移動可能な軸受スリーブ11と、内輪が回転軸6の他端に外嵌すると共に外輪が軸受スリーブ11に固定されてフロント側軸受12と共働して回転軸6を回動自在に支持する一対のアンギュラ玉軸受であるリア側軸受13と、を備えている。符号14は、工具交換のためのピストン機構である。なお、スリーブハウジング5と外筒3とは一体構造としても良い。
図2に示すように、フロントハウジング8と、回転軸6と、軸受スリーブ11とからなる半組立体2が、外筒3から抜き取り可能なように構成されている。すなわち、本実施形態の主軸装置1は、外筒3の内周径φA、ロータ7の外径φB、軸受スリーブ11の外径φCの順に直径が小さくなっている(φA>φB>φC)。また、ロータ外径φBの代わりにステータ内径φB´(図1参照)に対して、φA>φB´>φCとしても良い。また、軸受スリーブ11より後方の範囲Lにおいて、半組立体2の外径が軸受スリーブ11の外径より小さく設定されている。すなわち、矢印Mの方向に主軸を抜こうとしたときに、非回転体が障害とならないように範囲Lの任意の断面における主軸回転体の外径を当該断面から軸受スリーブ後端の間の非回転体の最小内周径より小さくして、非回転体が障害とならないように回転体外径を規定している。したがって、半組立体2を図中M方向に抜こうとしたとき、図中左側端部に装着される工具Wを保持/開放する非回転体であるピストン機構14等が障害になることはない。
また、主軸装置1は、軸受スリーブ11の外径が、スリーブハウジング5の内径に対して5〜30μmの隙間嵌めである。更に、主軸装置1は、リア側軸受13が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受である。これにより、リア側軸受13及び軸受スリーブ11は、主に回転軸6をサポートするのが役割であるが、ロータ発熱による熱膨張など軸方向変位をシンプルな構造で吸収することができる。
また、主軸装置1は、フロントハウジング8と外筒3内周面とのインロー部15が、0〜20μmの締り嵌めである。これにより、フロントハウジング8と外筒3の軸心がずれるようなことはない。また、合わせ面16はフロントハウジング8及び外筒3が軸心に対して2〜5μm以下の直角度にて高精度に仕上げ加工されている。これにより、インロー部15の長さLRが短くても、両者の軸心が一致する。インロー部15の長さが長いと組込み性が悪いが、本実施形態では、インロー長さLR(フロントハウジング8と外筒3との嵌め合い部の長さ)は、インロー径φA(嵌め合い部の直径)の1/10〜1/30程度と短くしている。また、インロー部15の長さLRが短いので、組込みボルト17によって容易に締め込んで組立てることができる。これにより、心合わせ作業の必要がなくなる。
また、半組立体2は、外気との間でラビリンスシールL1〜L4が形成されている。スピンドル使用時は、強固なラビリンスL1,L4によって、切削水、切粉等の異物の侵入を防ぐ。また、半組立体2のみを在庫する場合などは、ラビリンスL1〜L4によって埃などの異物を遮断する。ラビリンスL2,L3はメンテナンスによる半組立体交換時にも異物の侵入を防ぐ役割を果す。メンテナンス時は、クリーンルームなど異物の少ない環境を期待できないので、ラビリンスL2,L3は有用である。ラビリンスL3,L4の構造は、軸受スリーブ11を用いていることにより実現可能となっている。
図3に示すように、リアカバー9後部は、配線7箇所(モータ動力線25、モータ温度センサ線26、ロータリーエンコーダ線27等)、配管14個所(軸受潤滑油配管21、冷却油配管22、工具アンクランプ油圧配管23、工具テーパエアブロー配管24、エアシール配管28)が外部と接続されているので、メンテナンス時に、これらを一切取り扱わずに済むので、ダウンタイムが非常に短く、メンテナンス性が良い。
上述した主軸装置10によれば、フロントハウジング8、回転軸6及び軸受スリーブ11とからなる半組立体2が外筒3から抜き取り可能である。そのため、組込み性が向上するとともに破損時に速やかに交換できる。また、軸受スリーブ11は、リア側軸受13が組立てられた状態であるため、半組立体2の抜き差しでグリースの状態は変化しない。従って、半組立体2を別の外筒を用いて予め慣らし運転を行ってから在庫することで、回転軸破損時に半組立体を交換して、即座に通常運転が可能となり、ダウンタイムの大幅な短縮が可能となる。また、主軸装置1全体を交換するよりコスト低減でき、在庫コストの低減も可能となる。
次に、図4〜図6を参照して、本発明に係る主軸装置の第2実施形態を説明する。尚、第2実施形態以下の各実施形態において、既に説明した部材等と同様な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号または相当符号を付することにより、説明を簡略化或いは省略する。
図4に示すように、本発明の第2実施形態に係る主軸装置30は、外筒3のステータ4に通電されることによりロータ7とともに回転する回転軸6内に、2個のばね32を圧縮可能にして工具交換自在な内径部品(ドローバとも言う。)31が組み込まれているとともに、内径部品31の後端部に、内径部品側調整部品33が装着されている。内径部品側調整部品33の端部には、ピストン機構14へのピストン押付け面34が形成されている。ピストン機構14のピストン35の端部には、内径部品側調整部品33を押圧するピストン側調整部品36が装着されている。
ピストン機構14は、往動側圧力導入部37に油,水,空気等の圧力媒体が導入されることにより、ピストン35が往動され、ピストン35のピストン側調整部品36が内径部品側調整部品33のピストン押付け面34を押圧し、内径部品31を軸方向に押圧移動させて工具Wを押出して工具アンクランプ状態とする。これに反して、往動側圧力導入部37の圧力を抜き、復動側圧力導入部38に圧力媒体が導入されることにより、ピストン35が復動され、内径部品31を軸方向に戻り移動させて工具クランプ状態とする。
図5に示すように、内径部品側調整部品33は、半組立体2の取付け基準面39と内径部品31におけるピストン押付け面34との軸方向寸法(距離)Zを、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整することができる。つまり、半組立体2は、取付け基準面39から内径部品31におけるピストン押付け面34までの軸方向寸法Z内に、多数の部品の積み重ねによる寸法差が生じている。そのため、予め調整がなければメンテナンス時に、ピストンストロークの調整作業を現場にて行う必要がある。例えば、ピストンストロークの不足で内径部品31の移動量(押出し量)が少なくなると、工具ホルダがアンクランプできない。逆に、内径部品31の移動量が多すぎると、内径部品31が工具ホルダを余分に前方へ押し出してしまうために、自動工具交換装置(ATC)40(図7参照)が工具ホルダを把持することが出来なくなる。これに対して、内径部品側調整部品33は、工具ホルダ押し量(ピストン35が最前端まで押されたときに内径部品31により工具ホルダが把持位置から押し出される量)を0.4mm〜0.6mmとして、その許容差を、0.1mm〜0.2mm程度である±0.1mm以内に調整することによって、適切にアンクランプを行えるようにし、その結果、半組立体の交換を行う際にピストン調整を不要としてメンテナンス性を向上させることができる。
ここで、内径部品側調整部品33による調整は、寸法測定の後に、予め取り代をつけて削り(旋削、研削)加工する方法、隙間Sに厚さの異なるシムを挟む方法、予め用意された数種寸法の調整板を選択する方法、調整ネジにて所望の位置に調整板を配置して嫌気性の接着剤などによって固定する方法等が挙げられる。そして、軸方向寸法Zを直接測定するためには大型の治具を必要とし、重量物である半組立体を治具にセットしなければならない場合があるので、調整作業を簡略化するために、ある程度の寸法管理を各部品に旋こすことがある。例えば、寸法A、寸法B(内輪間座、外輪間座の両方)、フロント側軸受12の最後側の内外輪の差幅C、寸法Dを管理しておき、回転軸6に内径部品31を取り付けた状態で寸法ZZのみを測定調整する方法が挙げられる。この方法は、もっとも管理が難しい軸内径部(コレット部各種寸法や工具テーパの出入り、内径部品31の穴深さなど)の軸方向寸法を管理する必要がないため寸法管理のコストが低減でき、調整作業の負担も少ない。尚、差幅Cの管理を簡略化するため、フロント側軸受12の4列には、正面および背面差幅が個別にすべて調整されている万能組み合わせ軸受を用いてもよい。
図4〜図6に示すように、軸方向寸法Zが管理された半組立体2を用いて、工具ホルダ押し量(図5参照)Eを調整する。
工具ホルダ押し量E=(ピストンストロークF)−(空間G)−(空間H)
となり、右辺のそれぞれの量を測定するか、又は実際にアンクランプして押し量E(工具ホルダが前進する量)を測定する。そして、ここでは、E=0.5±0.1mmになるようにピストン側調整部品36を調整加工する。これにより、クランプ・アンクランプストロークの軸方向位置が決まる。その結果、以後、互いに調整された半組立体2の交換であれば、ピストン35と内径部品31の位置関係が変わらないので、ピストン部の調整を不要とすることができる。
このようにすることにより、半組立体2は、取付け基準面39から内径部品31のピストン押付け面34までの軸方向寸法Zの許容差について、工具ホルダの規格にかかわらず、工具ホルダ押し量Eの許容差0.1mm〜0.2mmよりも小さな値に管理される。工具交換用のピストン機構14を組立てるとき、この管理された半組立体2に合わせてピストンストロークFを調整する。これにより、メンテナンス時、軸方向寸法Zが管理された半組立体2のユニット同士を交換すれば、内径部品31のピストン押付け面34の軸方向位相関係が変化しないのでピストンストローク再調整が不要となる。また、軸方向寸法Zは多数の部品の積み重ねによって決まるので、これら部品の軸方向寸法許容差をそれぞれ設定し、それらを積み重ねた値が所望の値以下となるように管理してもよい。しかし、このような方法、具体的には10個以上の寸法許容差の積み重ねにて許容差0.1〜0.2mmを満足することは、コスト高となったり、不良率の上昇を招くことになったりする場合が多い。そこで、内径部品31の後部に内径部品側調整部品33を内径部品31の組付け後に調整してから組付けることで、非常に低コストで軸方向寸法Zを管理することができる。
図6に示すように、ピストン機構14は、往動側圧力導入部37に圧力媒体が導入されることにより、ピストン35が往動され、ピストン側調整部品36が、内径部品側調整部品33のピストン押付け面34を押圧し、ばね32に抗して内径部品31を軸方向に押圧移動させて工具Wを押出し、工具アンクランプ状態とする。
図7に示すように、主軸装置30の自動工具交換時においては、自動工具交換装置40の動作は効率向上のため非常に速くなっており、交換時間が、通常、0.2秒程度である。そのため、各部の強度や剛性を高く保つ必要がある。自動工具交換装置40は、アーム41が回転軸6と工具マガジン42の工具ホルダ43を把持した後に、回転軸6の工具Wをアンクランプし、アーム41が上下および旋回動作して工具交換が行われるように動作する。工具Wを把持して回転軸6をアンクランプする際、工具ホルダ43の押し量が大きすぎると、前途のように工具ホルダ43は剛性が高くアーム41に把持されているので、アーム41に無理な負担がかかり、自動工具交換装置40の故障を招く。そのため、工具ホルダ43の押し量としては、0.5〜0.6mm以下とする必要がある。主軸装置30では、メンテナンスを行って半組立体2を交換しても、工具ホルダ43の押し量が変化しないため、調整の手間がなく短時間での交換が可能となる。
次に、図8を参照して、本発明に係る主軸装置の第3実施形態を説明する。尚、図8においては、図中上側半分が工具アンクランプ状態を示し、図中下側半分が工具クランプ状態を示す。
図8に示すように、本発明の第3実施形態に係る主軸装置50は、半組立体2にテーパ角の異なる内径部品51を用いている。このとき、BTホルダ(JIS B6339)用の内径部品、HSKホルダ(ISO−12164)は、工具テーパの規格により、管理すべき、軸方向寸法Zに対するねらい値Z1に変動があるが、図1,図4に示すものと互換性があるように調整されている。すなわち、アンクランプしたときの軸方向寸法ZUC2が、図6に示すアンクランプ状態ZUC1と同一になるように調整されている。なお、図4における空間Gは、このように軸方向寸法Zが異なる内径部品に対しても適用するためBTホルダをアンクランプする最低必要量よりも大きな値としている。用途によりさまざまな工具テーパ規格が使用される場合があるが、本例のように異なる工具規格においてもアンクランプが可能なように互換性をもたせることで、仕様の変更が容易になったり、メンテナンスのためのインナーカートリッジの在庫管理を容易にしたりしてコスト低減が図れる。
また、図9に示すように、主軸装置30では、軸受スリーブ11の外径Iとその嵌合部の長さJとの比が、J/I≒0.5となっている。この場合、外径Iと長さJとの関係は、好ましくは、0.45〜0.8とすることが望ましい。半組立体2を外筒3に挿入するとき、先ず軸受スリーブ11がスリーブハウジング5の内径に嵌合する。半組立体2の交換は、通常、工作機械ユーザーの作業現場で行うので、交換作業に特殊な治具を用いることができない場合が多い。そのようなとき、半組立体2が、例えば、自重などの矢印K方向の力を受けると、リア側軸受13にモーメント荷重がかかる。その際、長さJが小さいとリア側軸受13の2列のスパンMが短くなり、接触面圧が大きくなってリア側軸受13が損傷するおそれがある。
図10に示すように、主軸装置30において、前述したJ/Iと軸受スパンの関係及び、荷重Kが作用したときの軸受接触面圧の関係を調べた。荷重Kは、半組立体2の自重とし、治具を用いることのできない現場での交換作業においては組込時の扱いにより発生してしまう荷重である。リア側軸受13は、内径がφ55mmのアンギュラ玉軸受である。軸受の接触面圧は、硬さHv=700の軸受鋼において、3.5GPa以上で圧こんが生じてしまうことが知られている。これらにより、J/I≧0.45が必要であることがわかる。また、リア側軸受13のスパンを長くしすぎても、工作機械としての性能を向上することはできず、軸の慣性モーメント増大(加減速時間の増加)や共振点低下などの問題が生じるため、J/I≦0.8とすることが望ましい。さらに、上記のようなJ/Iの関係に設定することにより、スライド不良を発生することもなく、後述の振動減衰作用のあるオーリング(Oリング)を備えることもできる。このように、軸受スリーブ11の外径Iと、その嵌合部の長さJとの関係を設定して適切に設計することにより、メンテナンス性及び工作機械としての性能に優れた半組立体2の構造を得ることができる。
次に、図11(a),(b)を参照して、本発明に係る主軸装置の第4実施形態を説明する。
図11(a),(b)に示すように、本発明の第4実施形態に係る主軸装置60は、リア側軸受13に、潤滑供給及び排出構造を配したものであり、半組立体2の容易な取外し及び組付けを可能とするために、位相を決める必要のない構造を有する。
また、軸受スリーブ11は、スリーブハウジング5の内径に対して隙間嵌めである(図6参照)。これにより、軸受スリーブ11は、内径部品31を組み付けた状態で、回転軸6に対して容易に回転してしまう。そこで、従来は、潤滑剤をリア側軸受13に供給する場合、その供給位相および潤滑剤排出穴位相を決めるためノズルやキーなどの突起物を設けていた。そのため、位相合わせや突起部品の抜き差しを行わないと半組立体2の組付け及び分離ができず、メンテナンスが難しいという問題があった。これに対して、半組立体2には、その外周側から潤滑ノズル等の突起物を設けていないため、組込みボルト17を外すだけで半組立体2の取り外しが可能となる。
潤滑供給構造は、スリーブハウジング61の径方向に形成され、潤滑剤供給機(不図示)に連通接続された潤滑剤供給入口(潤滑剤供給経路)62と、軸受スリーブ63の外周の嵌合面に設けられた円周溝64と、軸受スリーブ63の径方向に、円周溝64に連通させて形成された径方向穴(潤滑剤供給経路)65とを介し、リア側軸受13の外輪を通じて軸受空間内に潤滑剤が供給される。そして、スリーブハウジング61と軸受スリーブ63とは、前方側端部が前側オーリング(Oリング)66,66でシールされ、後方側端部が後側オーリング67,67でシールされている。このとき、スリーブハウジング61及び軸受スリーブ63の半径方向の潤滑剤供給経路が同じ位相になっていても、或いは、両者が180°反対位相に回っていても、円周溝64によって、リア側軸受13に潤滑油が円滑に供給される。尚、円周溝64は、スリーブハウジング61の内周に設けられても良い。
排出構造は、リア側軸受13のそれぞれの間に配された外輪間座68,68、外輪押え68Aと軸受スリーブ63とに径方向に形成された径方向排出穴69,69,69と、軸受スリーブ63の軸方向に径方向排出穴69,69,69に連通して形成された軸方向排出穴70と、軸方向排出穴70に連通して軸受スリーブ63の円周方向に等間隔に複数の6個設けられた潤滑剤排出穴71,71,71,71,71,71とからなる。6個の潤滑剤排出穴71は、等配で配されているため、どんな位相でも真下±15°以内に最低1か所の潤滑剤排出穴71が確保されることにより、水平取付け時の排出が可能になっている。
潤滑供給及び排出構造は、グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機能を持つ。これにより、軸受内部へ供給され、不要となった潤滑剤は、軸受近傍に配された図12のスリンガ部68Bの回転力により軸受の外側に弾き飛ばされる。それにより、どんな位相でも問題なく潤滑剤を排出することが可能となり、例えば水平取付けのスピンドルは下側に排出穴が必要になるが、いずれかの穴が下側に向くので排出を行うことができる。また、グリース潤滑であるため、取り扱いが容易であって、比較的安価なグリース潤滑により、メンテナンスを少ない費用で行うことができる。また、潤滑剤供給機(グリース補給装置)を備えているため、グリースの不足を補うことができるので、焼付き等を回避することができる。また、オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いても良い。そうすれば、効率の良い潤滑を行うことができるので、耐焼付き性を更に向上させることができる。
そして、スリーブハウジング61と、軸受スリーブ63とにおいて、軸受スリーブ63を抜き差しする際におけるオーリング切れを防止するため、軸受スリーブ63の前方側外周に前側オーリング66,66を配し、スリーブハウジング61の後方側内周に後側オーリング67,67を配している。これにより、半組立体2の挿入や抜き取りによって軸受スリーブ63がスリーブハウジング61の内周を滑るとき、各オーリング66,66,67,67の滑る距離が最短化され、尚且つオーリング切れの要因となる段差や穴を各オーリング66,66,67,67が通過しないため、各オーリング66,66,67,67の信頼性を格段に向上することができる。
また、各オーリング66,66,67,67は、前端側2本、後端側2本と多数のオーリングを使っている。これは、オーリング66,66,67,67の締め代による減衰効果によって、軸受スリーブ63の振動を減衰させることを目的としている。軸受スリーブ63は、スリーブハウジング61に対して隙間嵌めであるため、オーリングのような減衰要素がないと軸受スリーブ63が隙間の中で振動してしまい、その振動が大きければ、工作機械としての切削性能や精度を劣化させる他、スリーブハウジング61の内径または軸受スリーブ63の外径がフレッティング摩耗してしまう虞があるからである。フレッティング摩耗が発生すれば、さらに振動が増大したり、スライド不良が発生を招いたりする他、その修理には主軸装置全体を交換しなければならなくなる。また、オーリングを複数用いることで拘束力が増大するため、軸受スリーブ63が回転方向に自由に回らなくなるので、クリープの防止も可能となり、嵌め合い面クリープ摩耗の防止にもなる。このように、複数のオーリングを用いることで更に一層の効果をあげることができる。
図12に示すように、図11(a),(b)の変形例においては、軸受スリーブ63の後部側のみを小径の単一のオーリング72にしている。このようにすることにより、オーリングの数を減少させることができ、コンパクトにオーリングを配置できる。ただし、図11(a),(b)の方が、潤滑剤の圧力により軸受スリーブ63がアキシャル力を受けない点で優れている。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係る主軸装置の第1実施形態の縦断面図である。 図1に示した主軸装置における半組立体を示す縦断面図である。 図1におけるリアカバーを示す正面図である。 本発明に係る主軸装置の第2実施形態の縦断面図である。 図4に示した主軸装置の半組立体を示す縦断面図である。 図4に示した主軸装置の工具アンクランプ状態での縦断面図である。 図4に示した主軸装置の自動工具交換装置機との組付け図である。 本発明に係る主軸装置の第3実施形態の半組立体を示す縦断面図である。 図8に示した半組立体の外筒への挿入状態を示す縦断面図である。 図9に示した主軸装置における軸受の寸法及び面圧の特性図である。 (a)は本発明に係る主軸装置の第4実施形態における軸受スリーブの正面図、(b)は(a)の縦断面図である。 図11(a),(b)の変形例を示す要部縦断面図である。 従来の主軸装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1,30,40,50,60 主軸装置
2 半組立体
3 外筒
4 ステータ
5,61 スリーブハウジング
6 回転軸
7 ロータ
8 フロントハウジング
9 リアカバー
11,63 軸受スリーブ
12 フロント側軸受
13 リア側軸受
14 ピストン機構
31 内径部品
32 ばね
33 内径部品側調整部品(調整部品)
34 ピストン
39 取付け基準面
62 潤滑剤供給入口(潤滑剤供給経路)
64 円周溝
65 径方向穴(潤滑剤供給経路)
66 前側オーリング(オーリング)
67 後側オーリング(オーリング)
71 潤滑剤排出穴
72 オーリング

Claims (17)

  1. ステータを有する外筒と、
    ロータを有する回転自在な回転軸と、
    外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、
    前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、
    内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、
    を備えた主軸装置であって、
    前記外筒の内周径、前記ステータの内径、前記軸受スリーブの外径の順に直径が小さくなり、前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、且つ前記軸受スリーブから後方の任意の断面における回転体直径が、前記軸受スリーブ後端から前記断面の間における非回転体の最小直径よりも小さい、ことを特徴とする主軸装置。
  2. ステータを有する外筒と、
    ロータを有する回転自在な回転軸と、
    外輪がフロントハウジングに固定されると共に内輪が前記回転軸の一端に外嵌するフロント側軸受と、
    前記回転軸の他端側に配設され前記外筒に嵌合して前記回転軸の軸方向に移動可能な軸受スリーブと、
    内輪が前記回転軸の他端に外嵌すると共に外輪が前記軸受スリーブに固定されて前記フロント側軸受と共働して前記回転軸を回動自在に支持するリア側軸受と、
    を備えた主軸装置であって、
    前記フロントハウジングと、前記回転軸と前記軸受スリーブとからなる半組立体が前記外筒から抜き取り可能であり、
    前記回転軸に工具交換自在な内径部品が組み込まれているとともに、工具交換のためのピストン機構を有することを特徴とする主軸装置。
  3. 前記半組立体の取付け基準面と前記内径部品のピストン押付け面との距離が、基準寸法に対して±0.1mm以内に調整されていることを特徴とする請求項2に記載した主軸装置。
  4. 前記内径部品が、ばねを圧縮可能に組み込まれているとともに、前記内径部品の後部に調整部品が固定されており、当該調整部品に、前記ピストン機構へのピストン押付け面が形成されていることを特徴とする請求項2に記載した主軸装置。
  5. 前記フロントハウジングの前後と、前記軸受スリーブの前後とに、ラビリンスシールを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載した主軸装置。
  6. 前記フロントハウジングが、前記外筒に対して締り嵌めで嵌合されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載した主軸装置。
  7. 前記フロントハウジングと外筒との嵌め合い部の長さが、該嵌め合い部の直径の1/10〜1/30で、合わせ面の直角度が、軸心に対して5μm以下であることを特徴とする請求項6に記載した主軸装置。
  8. 前記半組立体の取付け基準面と、前記内径部品のピストン押付け面とのアンクランプ状態での距離が、工具ホルダの規格にかかわらず統一されていることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載した主軸装置。
  9. 前記軸受スリーブが、スリーブハウジングに内嵌されており、当該軸受スリーブ外径が、当該スリーブハウジング内径に対して隙間嵌めで嵌合されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載した主軸装置。
  10. 前記軸受スリーブ外径と前記スリーブハウジング内径との間に複数対のオーリングが介在されていることを特徴とする請求項9に記載した主軸装置。
  11. 前記軸受スリーブと前記スリーブハウジングとの嵌合長さと、当該軸受スリーブの外径と、の比が、嵌合長さ/外径=0.45〜0.8の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれか一項に記載した主軸装置。
  12. 前記軸受スリーブの円周上に複数設けられた潤滑剤排出穴と、当該軸受スリーブ外周の嵌合面に設けられた円周溝と、当該円周溝に連通接続された半径方向の潤滑剤供給経路と、を有することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載した主軸装置。
  13. 前記リア側軸受が、定位置予圧で且つ背面組み合わせのアンギュラ玉軸受であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載した主軸装置。
  14. グリース潤滑であることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載した主軸装置。
  15. グリース補給装置を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載した主軸装置。
  16. グリース補給された後に、余分なグリースを排出させる機構を持っていることを特徴とする請求項15に記載した主軸装置。
  17. オイルエア、オイルミスト及び直噴潤滑のいずれかの微量潤滑を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載した主軸装置。
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