JP2007245069A - 信頼性の高い膜の破断を検知する方法およびシステム - Google Patents

信頼性の高い膜の破断を検知する方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】
検出感度を落とすことなく、信頼性が向上し、迅速性であって、異常値を回避する新たな膜破断検知システムを提供すること。
【解決手段】
ろ過水中の濁度又は微粒子濃度を測定する手段と、その測定値から膜の破断を検知する手段を有する膜破断検知システムにおいて、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間T1の間に、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する手段と、警報を発する手段を有する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、河川水、湖沼水、地下水などの環境水中に含まれる汚濁物質を取り除く処理システム、および膜の破断などの異常を検知する方法、とくに限外ろ過膜(UF膜)、精密ろ過膜(MF膜)などを用いた浄水用膜処理システムにおいて、膜の破断などの異常を検知するシステム、および膜の破断などの異常を検知する方法に関する。
近年、河川水、湖沼水などの環境水処理の分野においては、原水中の濁質や微生物を、UF膜、MF膜を用いてろ過することにより、効率的に除去できる膜処理システムが注目されている。このシステムでは、膜に破断が生じた場合、目的とする性能が得られなくなることから、膜の破断などの異常がもたらされないような膜に関する技術の研究、あるいは膜の使用に関する技術の研究が行われているが、一方、膜の破断などの異常を迅速かつ確実に検知する技術が必要であり、この研究も盛んに行われている。
膜の破断検知技術としては、ろ過水中の濁度や微粒子濃度を検出し、高い値を示した場合、膜が破断したと判断する技術が知られている(例えば、非特許文献1)。
しかし、この方法では、測定対象の水の濁質濃度は非常に薄く、濁度計や微粒子計の検出下限値に近いところでの運用となると共に、測定対象水中の気泡や、配管から発生する微粒子、あるいは配管の汚染箇所から発生した微粒子などにより、膜は正常であるにもかかわらず、膜が破断したと判断され、誤警報が発生するレベルの異常値を検出する確率が高い、という問題点がある。
その問題点を解決するひとつの方法として、膜の逆流洗浄(以下、逆洗ということがある)処理工程後のろ過水中の濁度や微粒子濃度の測定を一定時間に限り停止する方法が報告されている(特許文献1)。この方法は逆洗直後に発生する異常値に対し有効な手段であるということができるが、それ以外の異常値に対しては有効であるということができず、さらなる改善が求められる。また、測定を再開してから、測定器が測定値を出力するまでに一定の時間が必要になるため、警報を発信するまでにタイムラグが生じてしまうという不都合さもある。
特開2003−24938号公報 全量ろ過方式における膜破断検知実験 (第54回全国水道研究発表会講演集 平成15.5 p186)
そこで、本発明の課題はそれらの改善策や不都合さを解消する新たな膜破断検知システムを提供することにある。また、本発明は、検出感度を落とすことなく、信頼性が向上し、これら多種類の異常値を回避することができる新たな膜破断検知システムを提供することにある。さらに、前記不都合さを解消でき、検出感度を落とすことなく、信頼性が向上される、膜の破断などの異常を検知する方法を提供することにある。なお、本発明でいう異常値とは、とくに断らないかぎり、破断などの異常のあるろ過膜を用いて得たろ過水の濁度又は微粒子濃度の測定値と同様な数値をいい、従来から行われているろ過水の濁度又は微粒子濃度を測定してろ過膜の破断などの異常を検知する方法やシステムにおいて、ろ過膜の破断などの異常があると判断される程度の高い測定値をいう。
本発明者らは、上記問題点を解決するためにいろいろと研究し、その一環として逆洗直後以外にも、正常な膜を用いてろ過して得たろ過水に、膜の異常に基づかない異常値が測定されることを確認している。以下にそれら異常値の発生パターンを示す。
1. インパルス型の異常値
図6は、正常な膜を用いて原水を処理して得たろ過水の微粒子濃度を長時間継続して測定し、逆洗直後ではないときの結果を示すグラフである。ここでは、警報を発する閾値D0はろ過水中の微粒子濃度300個/mLとしている。なお、微粒子濃度の代わりに濁度を測定して破断検知を行った場合も、このグラフとほぼ同様な結果が得られる。
長時間のろ過運転中、膜は正常であるにもかかわらず、突発的にD0を超える高い測定値を検出している。これは、ろ過水中の気泡や、何らかの原因により配管などから剥離した微粒子を検出したためであると考えられる。突然高い値が出力され、その後速やかに正常なレベルに戻るのが特徴である。
2. 配管汚染等による異常値
図11のグラフは、正常膜を逆洗後、ろ過を開始した後のろ過水中の微粒子濃度を測定した結果を示す。ここでも図6と同様、ろ過水中の微粒子濃度300個/mLを、警報を発する閾値D0としている。
図11のグラフは、装置から濁度計、あるいは微粒子計へろ過水を送る配管、あるいは濁度計や微粒子計内部等が、何らかの微粒子発生源によって汚染されている場合の異常値の発生パターンである。微粒子発生源となっているのは、例えば配管内に侵入した微生物などである。これまでの研究の結果、微粒子の発生源の侵入は、特に装置にトラブルなどが生じて長時間、装置を停止させた場合や、メンテナンスのために膜のろ過水装置内に滞留した状態で、外気と接触した場合に発生しやすいことが分かっている。
膜は破断していないが、継続的にD0を超える値を示している。これは、測定系の配管が微粒子や微生物で汚染され、継続的に微粒子を発生させている場合の異常値の発生パターンである。図8に示すような、配管の汚染がない場合と異なり、D0を下回るまでの時間が非常に長くなることが特徴である。
なお、逆洗直後の異常値も確認しているので、ここに示す。
3. 逆洗直後の異常値
図8は、正常膜を逆洗後、ろ過を開始した後のろ過水中の濁度の測定結果を示す。ここでは、原水濁度が0.0004度以上を、警報を出す閾値D0としている。
図8から、濁度の測定値が警報を出す閾値D0大きく超え、ピークを形成し、その後減少傾向をたどり、閾値D0よりも低い値をとり、やがて安定した状態となること、すなわち、膜が正常であれば、逆洗後一定時間経過すると、濁度の測定値が閾値D0よりも低い値で安定した状態となることが分かる。このタイプの場合、安定した状態になるまでの時間は、原水の性状、処理量、測定機器の設置環境などにより変動するが、図6のタイプの場合よりもやや長い傾向にある。その安定した状態になるまでの時間は、例えば10〜15分程度となるときが多い。このグラフから、0.0001〜0.0002度程度の値で安定するが、逆洗中及び逆洗直後は、0.0004度以上の値を検出する。図8のグラフを得るために用いたろ過水は、正常なろ過膜でのろ過水であることを確認しているので、グラフに示された値は膜の破断などの異常に起因するものではなく、他の要因に基づく異常値である。この異常値は、ろ過水中の濁質が、逆洗タンク内で凝集し、計測器で検出できる粒径まで成長し、逆洗時に膜のろ過水側の面に付着、ろ過運転開始直後にそれらが放出されたことによるものと考えられる。
なお、このグラフでは測定対象に濁度を用いているが、微粒子濃度を測定対象にした場合も、同様の傾向を示す。
また、逆洗直後とは、逆洗開始後に上記測定値が安定するまでの一定時間経過するまでの時間をいう。
本発明者らは、上記各種の異常値の影響をできる限り回避し、信頼性が向上する膜破断検知方法およびシステムを提供するべく、鋭意研究した結果、ろ過水中の濁度や微粒子濃度の測定値が一定の基準値を上回ったときには、さらに濁度や微粒子濃度の測定を続け、その後の測定値を分析することにより、先に検出された基準値を上回る測定値が膜の破断などの異常に起因するのであるか、あるいは他の要因に起因する異常値であるか、判断可能であるという知見を得た。また、濁度や微粒子濃度の測定は逆洗時から行うと、応答速度が早まるという知見も得た。それらの知見に基づきさらに膜の破断を検知する研究を重ね、遂に本発明を完成させた。
すなわち、本発明でいう請求項1の発明は、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度を測定する工程と、その測定値から膜の破断を検知する工程を有する膜破断検知方法において、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間T1の間に、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認したときに、警報を発することを特徴とする膜破断検知方法である。なお、ここで、一定の割合以上を占めることとは、前記ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が前記D0以上の値となる回数が、前記濁度又は微粒子濃度の測定回数に対して一定の割合(R)以上を占めたときであり、また、前記ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が前記D0以上の値となる時間が、前記予め設定した時間T1に対して一定の割合(R)以上を占めたときである。
請求項1の発明ではろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間T1の間と規定しているが、請求項2の発明は、その規定する部分を、膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T以降であって、しかも該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間Tの間とすることを特徴とする。
さらに、濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることが望ましい。
請求項2の発明では、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する手段を規定するが、請求項3の発明は、その規定の代わりに、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が低下傾向を示していないことを確認する手段を備えることを特徴とする。さらに、濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることが望ましい。
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記予め設定した時間Tよりも所定時間だけ長い時間T01に予め設定すること、膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T01の以降で、予め設定した時間T1の間に該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出したときには、即座に警報を発すること、および濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることを特徴とする。
請求項5の発明は、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度を測定する手段と、その測定値から膜の破断を検知する手段を少なくとも備える膜破断検知システムにおいて、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間T1の間に、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する手段と、警報を発する手段を有することを特徴とする膜破断検知システムである。なお、ここで、一定の割合以上を占めることは、前記ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が前記D0以上の値となる回数が、前記濁度又は微粒子濃度の測定回数に対して一定の割合(R)以上を占めたときであり、また、前記ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が前記D0以上の値となる時間が、前記予め設定した時間T1に対して一定の割合(R)以上を占めたときである。
請求項5の発明ではろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間T1の間と規定しているが、請求項6の発明は、その規定する部分を、膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T以降であって、しかも該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間Tの間とすることを特徴とする。
請求項6の発明では、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する手段を規定するが、請求項7の発明は、その代わりに、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が低下傾向を示していないことを確認する手段を備えることを特徴とする。
なお、請求項6の発明は、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度を測定する手段と、その測定値から膜の破断を検知する手段を少なくとも備える膜破断検知システムにおいて、
膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T以降であって、しかも、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間Tの間に、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する手段と、警報を発する手段を少なくとも備えることを特徴とする膜破断検知システムであるとも記載できる。
請求項8の発明は、請求項6または7の発明において、前記予め設定した時間Tよりも所定時間だけ長い時間T01に予め設定すること、膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T01の以降で、予め設定した時間T1の間に該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出したときには、即座に警報を発すること、および濁度や微粒子濃度の測定は逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることを特徴とする。
なお、本発明では次のような発明も含む。
発明9として、請求項5〜8の発明において、濁度又は微粒子濃度を測定するろ過水を、少なくとも濁度又は微粒子濃度を測定する前から濁度又は微粒子濃度測定機器を通過する間加圧処理する手段をさらに有する発明、及び、発明10として、加圧したろ過水を水槽に送り、水槽の上部と下部にろ過水の取り出し口を設け、上部のろ過水は捨て、下部のろ過水を濁度又は微粒子濃度の計測機器に送水する手段を有する発明がある。
発明11として、請求項5〜8の発明および上記9〜10の発明において、原水のろ過を停止した後、濁度又は微粒子濃度を測定するろ過水が通過する配管及び濁度又は微粒子濃度を測定する装置内を自動的に薬品洗浄する手段を有する発明がある。
さらに、発明12として、請求項1記載の膜破断検知方法と、請求項2〜4のいずれか1項記載の膜破断検知方法から選ばれる一つあるいは二つ以上の膜破断検知システムとを併用することを特徴とする膜破断検知方法の発明、及び、発明13として、上記12の発明において、原水のろ過を停止した後、濁度又は微粒子濃度を測定するろ過水が通過する配管及び濁度又は微粒子濃度を測定する装置内を自動的に薬品洗浄する工程をさらに有することを特徴とする発明がある。
発明14として、請求項5記載の膜破断検知システムと、請求項6〜8のいずれか1項記載の膜破断検知システムから選ばれる一つあるいは二つ以上の膜破断検知システムとを備えることを特徴とする膜破断検知システムの発明、及び、発明15として、上記14の発明において、原水のろ過を停止した後、濁度又は微粒子濃度を測定するろ過水が通過する配管及び濁度又は微粒子濃度を測定する装置内を自動的に薬品洗浄する手段をさらに有することを特徴とする発明がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、濁度や微粒子濃度を測定するろ過水は、ろ過膜を用いて一般的な方法により原水をろ過処理して得たろ過水である。このろ過水の全てを濁度や微粒子濃度の測定用としてもよいし、ろ過水の一部を抜き取り、濁度や微粒子濃度を測定してもよい。
ここで、ろ過膜は一般的な膜であれば全て使用できるのであり、たとえば精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、ナノろ過膜(NF膜)、逆浸透膜(RO膜)などが使用可能である。これらの膜の中ではとくにMF膜あるいはUF膜が好適である。
また、原水は、具体的には河川水、湖沼水、地下水などが好ましいが、下水、工場廃水などでもよく、これらに何ら限定されない。
本発明の請求項1記載の膜破断検知方法は、ろ過水の濁度や微粒子濃度の測定値が異常値であったときに、直ちに膜の破断が有ると判断する方法ではなく、特定の要件をさらに考慮したり、さらなる処理・操作を加えた後に、膜の破断の有無を検知する膜破断検知方法であるといえる。本発明の請求項5記載の膜破断検知方法も同様であり、ろ過水の濁度や微粒子濃度の測定値が異常値であったときに、直ちに膜の破断が有ると判断するシステムではなく、特定の要件をさらに考慮したり、さらなる処理・操作を加えた後に、膜の破断の有無を検知する膜破断検知システムであるといえる。以下、説明の煩雑さを避けるために、システムと方法の両方について説明することなく、システムあるいは方法のどちらかで説明することがある。
本発明では、例えば、ろ過水中の濁度や微粒子濃度の測定値が突発的な異常値である場合、つまりインパルス型の異常値の場合にも、膜の破断の有無を適切に判断することができる。ここで、インパルス型の異常値の場合とは、例えば図6に示すような場合であって、原水を膜ろ過処理して得たろ過水の濁度や微粒子濃度の測定中、その測定値がほぼ一定の範囲内に収まるなか、ときに突発的な異常値を示す場合をいう。
また、本発明の膜破断検知方法は、原水の膜処理中、および逆洗処理後の原水処理に際して、膜の破断の有無を適切に判断することができる。
以下、具体的に説明する。
ろ過水中の濁度や微粒子濃度の測定値が、図6に示すように、予め設定した値D0を超える値を検出した場合、直ちに膜の破断などの異常があると判断せず、D0を超える値を検出した時から、一定時間T1の間に、D0以上の値を検出する時間、あるいは回数が、一定の割合以上を占めるかどうか検討し、一定時間T1の間に一定の割合以上を占める場合に、異常があると判断し、警報を発する設定とする。
これは、とくに逆洗直後以外のときに有効である。
ここで、ろ過水中の濁度や微粒子濃度の測定手段は公知の手段を採用すればよい。また、一定時間T1の間に一定の割合以上を占めるかどうか検討する手段、および異常があると判断し、警報を発する手段も公知の手段を採用すればよい。また、ろ過水中の濁度や微粒子濃度の測定は継続させておくことが好ましい。
前記一定時間T1は、測定するろ過水あるいはろ過水を得る原水の性状、濁度や微粒子濃度の測定機器の特性、使用する膜、膜破断検知システムに求める性能などによって変動する。ろ過水の濁度や微粒子濃度を測定器具で実際に測定し、その測定結果に基づいて決定することが望ましい。
予め設定する値D0や一定の割合も同様であり、測定する原水の性状、濁度や微粒子濃度の測定機器の特性、使用する膜、膜破断検知システムに求める性能などによって変動させる。なお、図6ではD0の値として300個/mLとしてあるが、この数値は一例であり、本発明がこの数値に限定するということではない。
より具体的に説明すると、前記D0をまず決定する。前記D0は警報を発信する水準ともいえるが、この値は異常値が発生していない状態の値の上限値より大きい値に設定することが望ましい。例えば図6に基づいて説明すると、異常値が発生していない状態の値は120個/mLといえ、この値よりも大きい値を前記D0として設定することが望ましい。この値が大きすぎると、膜の異常があるにもかかわらず、膜の異常を判断できないことになるので、好ましくない。そこでこの値を低めに設定する方が安全であるといえるが、この値が低すぎると、膜の異常が無いにもかかわらず、異常値と判断する回数が多くなり、前記一定の割合以上を占めるかどうか確認する操作を行う必要があり、不利である。通常、前記上限値を基準として、その値の1.2〜5倍程度として設定することが有利である。
次に、D0を超える値を検出してから破断の有無を判断する時間T1と、T1の間にD0を超える測定値が占める割合Rを設定する。破断の検知の迅速性を重視する場合、T1は小さい値とし、Rを大きくすることが望ましく。逆に警報発信の安定性を重視する場合は、T1を大きい値とし、Rを相対的に小さくすることが望ましい。ただし、T1の最小値は、濁度計又は微粒子計の測定値の発信間隔を考慮に入れて決定する必要がある。T1は、測定値の発信間隔の5倍程度を下限とすることが望ましい。
これらの設定値を決定するには、測定機の特性も重要な因子になるので、最適な値を求めるには、装置を試運転し、使用する濁度計又は微粒子計の測定値の振幅や振動数を確認することが望ましい。
これらの設定値は、使用する測定機器、ろ過水の性状等の要因が関与するので一概に規定することができないが、例えば一般的な計測器を用いた場合、T1は3〜25分、Rは20〜100%と設定することができる。
最適な値の例としては、30秒に1回、測定値を発信する計測器の場合、(T1=5分、R=100%)から(T1=15分、R=30%)の範囲内として、測定の迅速性を重視する場合は(T1=5分、R=100%)を、安定性をより重視する場合は(T1=15分、R=30%)を選択する、という形態が挙げられる。
図7は、破断が存在する膜を用いて原水をろ過して得たろ過水の微粒子数を測定した場合の測定値の経時変化である。図6と異なり、T1の間に検出するD0以上の値が占める割合が多くなっている。このことから、この方法が有効であることが分かる。
本発明では、異常値の発生を抑制する手段を備えることが好ましい。とくに、インパルス型の異常値の場合は、ろ過水中の気泡を検出している場合があるので、測定の前に測定対象であるろ過水を加圧し、微細な気泡を再溶解させ、加圧したまま濁度や微粒子濃度を測定する構造にすることが望ましい。
加圧するときの圧力は、測定するろ過水あるいはろ過水を得る原水の性状、濁度や微粒子濃度の測定機器の特性、使用する膜、膜破断検知システムに求める性能などによって変動するのであるが、通常、30kPa以上とすることが望ましい。但し、ろ過水が、飽和に近い量のガスを溶解している場合は、ろ過時の膜差圧以上の圧力を加えることが望ましい。また、少なくともろ過水の濁度や微粒子濃度の測定前、および測定中には、その加圧状態が保たれていることが望ましい。
この原水を加圧する手段は公知の手段を利用すればよい。
本発明の膜破断検知システムは、逆洗直後のろ過水中の濁度や微粒子濃度の異常値である場合、つまり逆洗直後の異常値の場合にも、膜の破断の有無を適切に判断することができる。
以下、具体的に説明する。
膜の逆洗直後の場合でも、上記説明と同様に、膜の破断の有無を検知することができる。すなわち、予め設定した値D0を超える値を検出した場合、直ちに膜の破断などの異常があると判断せず、D0を超える値を検出した時から一定時間T1の間に、D0以上の値を検出する時間、あるいは回数が、一定の割合以上を占めるかどうか検討し、一定時間T1の間に一定の割合以上を占める場合に、異常があると判断し、警報を発する設定とする。前記一定時間T1、および予め設定する値D0の決定手段や決定方法は既に説明したとおりである。
本発明では、次のような膜破断検知システムでもよく、その膜破断検知システムについて図9を用いて説明する。
図9は、逆洗直後に原水をろ過して得たろ過水中の濁度の異常値の測定例の模式図である。
逆洗直後に予め設定した値D0を超える微粒子濃度の測定値を検出した場合、その検出時の時間が予め設定した時間Tに満たないときには、その測定値はろ過膜の異常に基づくものではないとする。予め設定した時間Tを超えたときに予め設定した値D0を超える微粒子濃度の測定値を検出した場合は、直ちにろ過膜の破断などの異常があると判断せず、一定時間T1の間にD0以上の値を検出する時間、あるいは回数が、一定の割合以上を占めるかどうか検討する。その検討結果により、一定時間T1の間に一定の割合以上を占めると結論した場合に、異常があると判断し、警報を発する設定とする。なお、警報を出した後でも、濁度又は微粒子濃度の測定は継続させる設定とすることが好ましい。また、濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることが好ましい。
前記一定時間T1、および予め設定する値D0やの決定手段や決定方法は既に説明したとおりである。
前記予め設定した時間Tは、測定する原水の性状、濁度や微粒子濃度の測定機器の特性、使用する膜などによって変動するのであって、一義的に規定することはできない。原水濁度や微粒子濃度を測定器具で実際に測定し、その測定結果に基づいて決定することが望ましい。なお、逆洗直後の原水濁度や微粒子濃度は、図9に示されるように、大きなピークを描いてやがて予め設定する値D0や以下に安定する傾向にあるので、時間Tは該大きなピークを経た後の時間となるように設定することが好ましい。とくに、原水濁度や微粒子濃度を測定器具で実際に測定し、その測定結果においてD0を下回る時間の最大の時間から、D0を下回る時間の最大の時間+2分程度が時間Tの設定値の目安とすると有利である。
上記とは異なる膜破断検知システムについて、図9に基づいて説明する。
逆洗直後に予め設定した値D0を超える微粒子濃度の測定値を検出した場合、その検出時の時間が予め設定した時間Tに満たないときには、その測定値はろ過膜の異常に基づくものではないとする。予め設定した時間Tを超えたときに予め設定した値D0を超える微粒子濃度の測定値を検出した場合は、直ちにろ過膜の破断などの異常があると判断しない。ここまでは上記膜破断検知システムと同じである。
膜の破断などの異常があるかどうかは、予め設定した値D0を超える微粒子濃度の測定値の傾向を確認することによって判断する。すなわち、予め設定した値D0を超える微粒子濃度の測定値が減少傾向にあると結論されると、膜の異常があったとしない。しかし、当該測定値が減少傾向にあるとはいえないと結論されると、膜の異常があると判断し、警報を発する設定とする。なお、警報を出した後でも、濁度又は微粒子濃度の測定は継続させる設定とすることが好ましい。また、濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることが好ましい。
ここで、前記測定値の傾向を確認するとは、前記ろ過水の濁度又は微粒子濃度が全体として減少傾向にあるのか、それとも減少傾向にあるとはいえないか確認することを意味する。前記測定値が減少傾向であるか、減少傾向であるといえないか確認する手段はとくに限定されないが、その手段の一例として次のような手段がある。
当該測定値よりも前に測定した複数個の測定値と、当該測定値とを比較し、それら複数個の測定値よりも当該測定値が低い値であると判断される場合、当該測定値は減少傾向にあると確認できる。複数個の測定値と、当該測定値とを比較する手段はとくに限定されないが、例えば、複数個の測定値を統計処理して一定の値を求め、その値と当該測定値とを比較する手段を示すことができる。すなわち、前記一定の値と当該測定値とを比較し、前記一定の値が当該測定値よりも低い場合には、当該測定値は減少傾向にあると確認できることになる。前記一定の値としては、複数個の測定値の相加平均値が例示できるが、それに限定されない。なお、複数個の測定値の代わりに、一つの値を用いてもよい。
膜の逆洗直後に原水をろ過して得たろ過水中の濁度の測定では、下記検知システムも有効である。
その膜破断検知システムについて、図10および図8に基づいて説明する。
図10は、逆洗直後に原水をろ過して得たろ過水中の濁度の異常値の測定例の模式図であり、図8は膜の逆洗直後に原水をろ過して得たろ過水中の濁度の測定例である。
この膜破断検知システムにおいては、前記膜破断検知システムにおける時間Tよりも所定時間長く調整した時間T01を設定し、その時間T01を経過した時に、濁度又は微粒子濃度の測定値が設定値D0を超えている場合には即座に警報を発することとする。なお、濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とする。
逆洗直後では、経験上、濁度又は微粒子濃度の測定値は、最大値を経過した後に次第に減少し、設定値D0よりも低い一定の値に落ち着き、安定することが予測できる。したがって、前記前記時間Tは、前記濁度又は微粒子濃度の測定値での最大値を経過する時間よりも長く、かつ前記一定の値に落ち着く時間よりも短めの時間となるように設定することが好ましく、前記時間T01は、時間Tよりも長い時間であって、かつ前記一定の値に落ち着く時間よりも長めの時間となるように設定することが好ましい。
上記方法は、警報を発生させない時間が10分から15分位になるような設定とすることができるので、他の方法と比較しても性能面では大きな優劣はない。
本発明の膜破断検知システムは、水処理装置内の管あるいは各種計測機器に起因するろ過水中の濁度や微粒子濃度の異常値である場合、つまり上記タイトルでは配管汚染等による異常値と記載された場合にも、膜の破断の有無を適切に判断することができる。以下、その具体的な方法を説明する。
図7のグラフは、装置から濁度計、あるいは微粒子計へサンプル水を送る配管、あるいは濁度計や微粒子計内部が、何らかの微粒子発生源によって汚染されている場合の異常値の発生パターンである。微粒子発生源となっているのは、例えば配管内に侵入した微生物などである。これまでの研究の結果、微粒子の発生源の侵入は、特に装置にトラブルなどが生じて長時間、装置を停止させた場合や、メンテナンスのために膜のろ過水装置内に滞留した状態で、外気と接触した場合に発生しやすいことが分かっている。
この異常値の対策は、何らかの理由で装置の運転を止めた場合は、運転開始前、あるいは運転開始後、速やかに測定系の配管を薬品洗浄することである。
この対策は、定期的な洗浄を行なうとなお良い。
これらの洗浄で使用する薬品は、クエン酸や硫酸のような酸、あるいは苛性ソーダなどのアルカリ、あるいはそして次亜塩素酸ナトリウムのような殺菌剤を用いる事ができる。
膜に異常があるとか、破断があると検知されたときには、警報を発する。これにより、膜の異常があるのか、膜以外の点に異常があるのか確認することが必要になり、次の対策を講じることになる。
本発明では、請求項1記載の膜破断検知方法と、請求項2〜4のいずれか1項記載の膜破断検知方法から選ばれる一つあるいは二つ以上の膜破断検知方法とを併用することも特徴の一つである。とくに逆洗直後には請求項2〜4のいずれか1項記載の膜破断検知方法から選ばれる一つあるいは二つ以上の膜破断検知方法を用い、逆洗直後以外のときには請求項1記載の膜破断検知方法を用いるようにすると、水処理における膜破断検知方法として満足できる方法となる。さらに、この膜破断検知方法に、ろ過水が通過する配管及び濁度又は微粒子濃度を測定する装置内を自動的に薬品洗浄する工程をさらに付加させると、水処理における膜破断検知方法としてさらに満足できる方法となる。
また、請求項5記載の膜破断検知システムと、請求項2〜4のいずれか1項記載の膜破断検知システムから選ばれる一つあるいは二つ以上の膜破断検知システムとを備えた膜破断検知システムも、水処理における満足できる膜破断検知システムである。また、この膜破断検知システムに、ろ過水が通過する配管及び濁度又は微粒子濃度を測定する装置内を自動的に薬品洗浄する手段を備えると、水処理におけるさらに満足できる膜破断検知システムとなる。
本発明により、検出感度を落とすことなく、信頼性が高く、迅速性も改善された膜破断検知システムを構築することが可能となる。すなわち、本発明は、異常に高い測定値を検出しても、その後の処理・操作により当該異常値の膜の異常性を正確、かつ迅速に評価し、膜の異常がないと見なすことができないと結論されたときに警報を出すよう工夫されている。そのうえ、警報を出す、出さないに左右されずに、全ての時間にわたり、ろ過水の濁度または微粒子数の測定を続けるので、検出した測定値は信頼性が高く、しかも迅速性も改善されている。また、本発明の方法は、異常値の発生を未然に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明はこの実施の形態によって制限されるものではない。
(実施の形態1)
図2に膜ろ過システムの構成図を示す。取水された原水は、原水タンク(2)に一旦貯められ、ろ過ポンプにより膜モジュール(1)に送られる。原水は、膜モジュールでろ過された後、(5)の経路を通り逆洗タンク(7)に一時貯められる。逆洗タンクをオーバーフローしたろ過水(11)は次の工程(塩素消毒など)に送られ、配水される。
逆洗時は、逆洗タンク(7)に貯められた水を、逆洗ポンプで膜の透過水側から原水側に流し、逆洗排水バルブを通り排出される。
ろ過水の一部(以下、サンプル水ということがある)は、膜モジュールから逆洗タンクへ送られる途中で抜き取られ、濁度や微粒子濃度を測定するための濁度計、又は微粒子計のサンプル水(12)になる。
図1にサンプル水の濁度や微粒子濃度を測定する膜検知システムの部分構成図を示し、図12にこのシステムを用いたときのフローを示す。
サンプル水(12)は送水ポンプ(図示されていない)により濁度や微粒子濃度の計測部に導入され、濁度計や微粒子計(15)などにより濁度や微粒子濃度が測定された後、流量コントローラー(16)を経て、排水される。濁度計や微粒子計(15)などにより測定された濁度や微粒子濃度に関する信号(17)は、異常値処理プログラム(18)に送られる。異常値処理プログラムは、信号(17)および膜処理システム運転データ(20)が入力された制御装置(21)からのデータおよび図12のフローチャートに従って、警報機(19)を作動させるかどうかを決める。
なお、濃度D0として、微粒子数が300個/mLを予め設定し、時間T1として、5分間予め設定し、微粒子数が300個/mL以上の回数の微粒子数測定回数の割合を30%以上と予め設定しておく。
この実施の形態では、原水を膜処理して得たろ過水の微粒子濃度を測定し、その測定値が300個/mLを超えないかぎり、膜は破断されたと判断せず、原水の膜ろ過処理を続ける。ろ過水の微粒子濃度を測定し、その測定値が300個/mL以上のときには、さらにろ過水の微粒子濃度を5分間測定する。その間の測定回数と、その測定値が300個/mL以上のときの回数をカウントし、その割合が30%未満なら膜は破断されたと判断せず、原水の膜ろ過処理を続ける。その割合が30%以上なら、膜は破断されたと判断し、直ちに警報を発する。ろ過水の微粒子濃度の測定はさらに継続する。
なお、微粒子数の測定値(例えば5分間の測定)を表にまとめ、微粒子数の測定値が300個/mL以上を示すときの合計の時間が測定時間である5分に対して30%以上なら、膜は破断されたと判断し、直ちに警報を発する。この場合も、ろ過水の微粒子濃度の測定はさらに継続する。
このようにして、図6に示される異常値の影響は回避されることになる。
(実施の形態2)
本発明の異なる膜検知方法を示す。
実施の形態1と同様なシステムを用い、図13のフローに従い膜検知システムを運転した。すなわち、実施の形態1とほぼ同様に操作する。
ろ過水の基準値であるD0として、微粒子数が300個/mLを予め設定し、時間Tとして、5分間予め設定し、時間T1と予め設定し、微粒子数が300個/mL以上の回数の微粒子数測定回数の割合を30%以上と予め設定しておく。
逆洗処理直後のサンンプル水の微粒子濃度を測定し、その測定値が300個/mLを超えないかぎり、膜は破断されたと判断せず、原水の膜ろ過処理を続ける。ろ過水の微粒子濃度を測定し、その測定値が300個/mL以上のときには、その測定したときの時間が予め設定された5分間以内であれば、とくに警報を出すことなく、そのまま原水の膜ろ過処理を続ける。
ろ過水の微粒子濃度の測定時間が予め設定された5分間を超えたときに、ろ過水の微粒子濃度の測定値が300個/mL以上の値を検出したときには、 さらにろ過水の微粒子濃度を5分間測定する。その間の測定回数と、その測定値が300個/mL以上のときの回数をカウントし、その割合が30%未満なら膜は破断されたと判断せず、原水の膜ろ過処理を続ける。また、警報を出すことを中止する。
その割合が30%以上なら、膜は破断されたと判断し、直ちに警報を発する。ろ過水の微粒子濃度の測定はさらに継続する。
このようにして、図6に示される異常値の影響は回避されることになる。
(実施の形態3)
本発明の異なる膜検知方法を示す。
実施の形態1と同様なシステムを用い、図14のフローに従い膜検知システムを運転した。すなわち、実施の形態1とほぼ同様に操作する。
ろ過水の濁度又は微粒子濃度の基準値であるD0として、微粒子数が300個/mLを予め設定し、時間Tとして、5分間予め設定し、時間T1として、5分間予め設定しておく。
原水を膜処理し、所定時間経過後に、逆洗処理する。逆洗処理直後のろ過水の微粒子濃度を測定し、その測定値が300個/mLを超えないかぎり、膜は破断されたと判断せず、原水の膜ろ過処理を続ける。ろ過水の微粒子濃度を測定し、その測定値が300個/mL以上のときには、その測定したときの時間が予め設定された5分間以内であれば、とくに警報を出すことなく、そのまま原水の膜ろ過処理を続ける。ろ過水の微粒子濃度を測定し、その測定値が300個/mL以上のときには、その測定したときの時間が予め設定された5分間を超えるときには、さらに、その測定値が減少傾向であるかどうか知ることになる。すなわち、その測定値の直前の5つの測定値を選び、それら5つの測定値の相加平均値よりも前記測定値の方が低い場合には、その測定値は減少傾向であると判断し、とくに警報を出すことなく、そのまま原水の膜ろ過処理を続ける。測定値の直前の5つの測定値を選び、それら5つの測定値の相加平均値よりも前記測定値の方が高い場合あるいは同等の場合には、その測定値は減少傾向であるとはいえず、即座に警報を出す。ずれにせよ、ろ過水の微粒子濃度の測定はさらに継続する。
(実施の形態4)
本発明の異なるシステムを用いたときの膜検知方法を示す。
図3にこのシステムの部分構成図を示す。図3に基づき説明する。
サンプル水は加圧送水ポンプ(13)により加圧され、微細な気泡を溶解させる。加圧ポンプのON、OFFや出力の調整は、制御装置(21)によって行なう。そのサンプル水は濁度計又は微粒子計(15)にて濁度又は微粒子数を測定後、流量コントラーラー(16)を経て、排水される(23)。濁度計又は微粒子計(15)にて測定されたサンプル水の濁度又は微粒子数に関するデータは検出信号(17)として、異常値処理プログラム(18)に送られる。一方、膜処理システム運転データ(20)は制御装置(21)から、異常値処理プログラム(18)に送られる。異常値処理プログラムは、予め定められたフローチャートに従って警報機(19)を作動させるかどうかを決める。ろ過水の濁度又は微粒子数の異常値の影響は回避された。
(実施の形態5)
本発明の異なるシステムを用いた膜検知方法を示す。
図4にこのシステムの部分構成図を示す。図4に基づき説明する。
サンプル水は加圧送水ポンプ(13)により加圧され、微細な気泡の溶解と除去をより確実に行なうため気泡溶解槽(14)を経由する。気泡溶解槽は、水の出口を2つに分け、溶けきらない気泡を、槽上部からサンプル水の一部ごと排水する(23)構造になっている。加圧ポンプのON、OFFや出力の調整は、制御装置(21)によって行なう。そのサンプル水は濁度計又は微粒子計(15)にて濁度又は微粒子数を測定後、流量コントラーラー(16)を経て、排水される(23)。濁度計又は微粒子計(15)にて測定されたサンプル水の濁度又は微粒子数に関するデータは検出信号(17)として、異常値処理プログラム(18)に送られる。一方、膜処理システム運転データ(20)は制御装置(21)から、 常値処理プログラム(18)に送られる。異常値処理プログラムは、予め定められたフローチャートに従って警報機(19)を作動させるかどうかを決める。ろ過水の濁度又は微粒子数の異常値の影響は回避された。
(実施の形態6)
本発明の異なるシステム膜検知方法を示す。
図5にこのシステムの部分構成図を示す。図5に基づき説明する。
ろ過水は加圧送水ポンプ(13)により加圧され、微細な気泡の溶解と除去をより確実に行なうため気泡溶解槽(14)を経由する。気泡溶解槽は、水の出口を2つに分け、溶けきらない気泡を、槽上部からサンプル水の一部ごと排水する(23)構造になっている。加圧ポンプのON、OFFや出力の調整は、制御装置(21)によって行なう。
ここでは制御装置(21)と、薬品タンク(24)、薬注バルブ(25)と薬注ポンプ(26)で構成されている。制御装置(21)は、加圧送水ポンプ(13)を動かすと共に、薬注バルブ(25)を開け、薬注ポンプ(26)を動かし、薬液を測定系の配管に導入する制御を行なう。
測定系配管の洗浄を有効に行うため、薬液を注入するポイントは、なるべく透過水をサンプリングするポイントに近い箇所に設置する。
本発明の一実施例での膜検知システムの部分構成図である。 膜処理システムの全体の構成図である。 本発明の一実施例での膜検知システムの部分構成図である。 本発明の他の実施例での膜検知システムの部分構成図である。 本発明の他の実施例での膜検知システムの部分構成図である。 逆洗しない正常膜を用いたろ過水の微粒子数の経時変化の一例を示すグラフである。 破断膜を用いたろ過水の濁度の経時変化の一例を示すグラフである。 正常膜を用いた逆洗後のろ過水の濁度の経時変化の一例を示すグラフである。 逆洗直後に原水をろ過して得たろ過水中の濁度の異常値の測定例の模式図である。 逆洗直後に原水をろ過して得たろ過水中の濁度の異常値の測定例の模式図である。 正常膜を用いたが、測定系の配管が微粒子で汚染されているろ過水の微粒子数の経時変化の一例を示すグラフ 本発明の一実施例での警報を出すまでのフロー図 本発明の他の実施例での警報を出すまでのフロー図 本発明の他の実施例での警報を出すまでのフロー図
符号の説明
1.膜モジュール
2.原水タンク
3.ろ過ポンプ
4.原水入口バルブ
5.ろ過水経路
6.ろ過水出口バルブ
7.逆洗タンク
8.逆洗ポンプ
9.逆洗バルブ
10.逆洗排水バルブ
11.オーバーフロー水
12.サンプル水
13.加圧送水ポンプ
14.気泡溶解・除去槽
15.濁度計又は微粒子計
16.流量コントローラー
17.検出信号
18.異常値処理プログラム
19.警報装置
20.膜処理システム運転データ
21.制御装置
22.絞り弁
23.排水
24.薬品タンク
25.薬注バルブ
26.薬注ポンプ
27.逆洗排液

Claims (8)

  1. ろ過水中の濁度又は微粒子濃度を測定する工程と、その測定値から膜の破断を検知する工程を少なくとも有する膜破断検知方法において、
    該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間T1の間に、該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認したときに、
    警報を発することを特徴とする膜破断検知方法。
  2. 膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T以降であることをさらに確認したときに、警報を発することを特徴とする請求項1記載の膜破断検知方法。
  3. ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する代わりに、
    ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が低下傾向を示していないことを確認することを特徴とする請求項2記載の膜破断検知方法。
  4. 膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間Tを、該時間Tよりも所定時間長い時間T01に予め設定すること、
    前記逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T01の間に、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出したときには、警報を発すること、
    および濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることを特徴とする請求項2または3記載の膜破断検知方法。
  5. ろ過水中の濁度又は微粒子濃度を測定する手段と、その測定値から膜の破断を検知する手段を少なくとも備える膜破断検知システムにおいて、
    該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出した時から、予め設定した時間T1の間に、
    該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する手段と、
    警報を発する手段を少なくとも備えることを特徴とする膜破断検知システム。
  6. 膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T以降を検知する手段をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の膜破断検知システム。
  7. ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が前記D0以上の値である回数あるいは該ろ過水中の濁度又は微粒子濃度がD0以上の値であることを検出した合計の時間のいずれか一方が、一定の割合以上を占めることを確認する手段の代わりに、
    ろ過水中の濁度又は微粒子濃度の測定値が低下傾向を示していないことを確認する手段を備えることを特徴とする請求項6記載の膜破断検知システム。
  8. 膜の逆流洗浄処理開始から予め設定した時間Tを、該時間Tよりも所定時間長い時間Tに予め設定すること、
    前記逆流洗浄処理開始から予め設定した時間T01の間に、ろ過水中の濁度又は微粒子濃度が予め設定した値D0以上の値を検出したときには、警報を発すること、
    および濁度や微粒子濃度の測定開始時期を逆流洗浄処理開始時から前記時間Tまでの間とすることを特徴とする請求項6または7記載の膜破断検知システム。
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