JP2007244332A - 生物種のミトコンドリアにシアン耐性呼吸能力を付与する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒト等の哺乳動物細胞のようなシアン感受性呼吸のみを有する細胞や個体へのシアン耐性呼吸経路の付与によりミトコンドリアの機能を改変するための方法を提供すること。
【解決手段】シアン感受性呼吸のみを行なう生物種(ヒト除く)のミトコンドリアの機能を改変する方法であって、該生物種において、外来性シアン耐性呼吸酵素タンパク質を発現させ、これによってシアン耐性呼吸経路を付与することを特徴とするミトコンドリアの機能を改変する方法。
【選択図】なし

Description

この出願の発明は、シアン感受性呼吸のみをもつ生物種、特にヒトを含む哺乳動物全般において、シアン耐性呼吸酵素(Alternative oxidase: AOX)を人為的に発現させることによって、シアン感受性呼吸のみを有する生物全般に対してシアン耐性呼吸機能を付与させる方法に関するものである。
ヒトを含む哺乳動物全般において、ミトコンドリアの電子伝達系は、シアン感受性酸化酵素を含むチトクロームC呼吸経路のみを有する。一方、植物、微生物、動物門の一部の生物種のミトコンドリアは、シアン感受性呼吸経路のほかに、シアン耐性呼吸経路を有している。シアン耐性呼吸経路は、シアン耐性呼吸酵素(Alternative oxidase: AOX)が重要な役割を果たしている(図1参照)。
シアン耐性呼吸酵素(AOX)は、ミトコンドリアTCAサイクルで生じた還元力によって生成される還元型ユビキノン(ユビキノール)を電子伝達系複合体IIIからバイパスし、酸素を水へと還元する。ミトコンドリアにおけるシアン耐性呼吸酵素の生理的な機能は、発熱植物の熱産生、あるいは、非発熱生物における活性酸素種産生の抑制機能である(非特許文献1参照)。一般に、発熱植物のミトコンドリアは、シアン耐性呼吸を有することが知られており、シアン耐性呼吸酵素AOXは、電子伝達系複合体IVの機能を代替する末端酸化酵素として機能することによって、ATP合成を伴わずにミトコンドリアTCAサイクルの代謝を亢進し、熱産生を引き起こすと考えられてきた。また、非発熱植物からシアン耐性呼吸酵素(AOX)が同定されて以来、酸化ストレス等によるミトコンドリア電子伝達系の阻害によるユビキノンの過還元状態の抑制とそれに伴う活性酸素種の産生抑制として機能すると考えられている。このように、シアン耐性呼吸経路は、ミトコンドリア代謝に重要な役割を果たすのにもかかわらず、鳥類やヒト等の哺乳動物にはシアン耐性呼吸経路は存在しない。
なお、ザゼンソウ(Symplocarpus foetidus)のAOX(SfAOX)は、発熱期および発熱器官特異的に発現し、ザゼンソウの有する高い熱産生を担う分子であると考えられている(特許文献1及び2参照)。
ミトコンドリアは、細胞のエネルギー生産の場として細胞レベルのみならず個体レベルにおいて重要な役割を果たす。例えば、ヒトにおいて、シアン感受性呼吸経路である電子伝達系の機能不全は、ATP消費の比較的高い器官(脳、筋肉など)で重篤な疾患を引き起こし、ミトコンドリア病と呼ばれる(非特許文献2参照)。特に、電子伝達系の末端酸化酵素(複合体IV)の機能不全が関わるミトコンドリア病において、シアン耐性呼吸酵素タンパク質によるシアン耐性呼吸経路は、新たな末端酸化酵素により、複合体IVの機能を代替することでこれら疾患を治療できると考えられる。
特開2004-242643号公報 特開2005-27513号公報 Vanlerberghe, G.C. and McIntosh, L. Annu. Rev. Plant Mol. Biol. 48:703-734, 1997 van den Heuvel, L. and Smeitink, J. BioEssays 23: 518-525, 2001
前記のとおり、シアン感受性呼吸のみを有する細胞における電子伝達系の機能不全による有害な作用(活性酸素産生、細胞死、老化、ミトコンドリア病)、特に、末端酸化酵素(複合体IV)に起因する機能不全を改善あるいは抑制するためには、新たな末端酸化酵素を導入することが必要である。
従って、この発明の課題は、ヒト等の哺乳動物細胞のようなシアン感受性呼吸のみを有する細胞や個体へのシアン耐性呼吸経路の付与によりミトコンドリアの機能を改変するための方法およびそれに使用する発現ベクター等を提供することである。
この出願の発明の要旨は、次のとおりである。
すなわち、本発明は、シアン感受性呼吸のみを行なう生物種(ヒト除く)のミトコンドリアの機能を改変する方法であって、該生物種において、外来性シアン耐性呼吸酵素タンパク質を発現させることによってシアン耐性呼吸経路を付与することを特徴とするミトコンドリアの機能を改変する方法である。
さらに、本発明は、前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびミトコンドリア移行ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを、前記生物種に導入することを含むミトコンドリアの機能を改変する方法である。
さらに、本発明は、ミトコンドリア移行ペプチドをコードするポリヌクレオチドと融合されたシアン耐性呼吸酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む組換えポリヌクレオチドである。
さらに、本発明は、ミトコンドリア移行ペプチドをコードするポリヌクレオチドと融合されたシアン耐性呼吸酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むシアン耐性呼吸酵素をミトコンドリア中で発現するための発現ベクターである。
さらに、本発明は、上記発現ベクターで形質転換体またはトランスフェクションされた細胞である。
上記発明において、前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質は植物由来のものであり、また、その例として配列番号8のアミノ酸配列が挙げられる。前記ミトコンドリア移行ペプチドは哺乳動物由来のものであり、その例として配列番号7のアミノ酸配列が挙げられる。
なお、本発明において、外来性のシアン耐性呼吸酵素タンパク質の発現対象である生物種または細胞とは、シアン感受性呼吸経路のみを有する生物種またはその細胞および個体であって、特に、ヒト等の哺乳動物の細胞・個体全般を意味する。
また、「ミトコンドリアの機能を改変」するとは、シアン耐性呼吸酵素タンパク質の発現に起因したミトコンドリア代謝回転の亢進、活性酸素種産生の抑制とそれに伴って誘導される細胞、個体レベルでの老化抑制、細胞死抑制、ミトコンドリア病等の病態の改善である。
この発明において、「タンパク質」とは、アミド結合(ペプチド結合)によって互いに結合した複数個のアミノ酸残基から構成された分子を意味する。
「ポリヌクレオチド」とは、プリンまたはピリミジン糖にB−N−グリコシド結合したヌクレオチドのリン酸エステル(ATP、GTP、CTP、UTP;またはdATP、dGTP、dCTP、dTTP)が結合した分子をいう。
また、この発明において使用するその他の概念については、発明の実施形態や実施例の記載において説明する。なお、この発明を実施するために使用する様々な遺伝子操作技術や分子生物学的技術等は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献(例えば、Sambrook and Maniatis, In Molecular Cloning−A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989; Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, Wiley & Sons, New York, N.Y. 1995等)の記載やこれらの文献に引用された文献等の記載に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施できる。
この発明により、シアン感受性呼吸をおこなう生物種全般の細胞・個体のミトコンドリアにおいて、シアン耐性呼吸を付与することが可能になる。これによって、熱産生や活性酸素抑制といったミトコンドリアの機能を改変した生物、とくにヒト等の哺乳動物全般が提供される。
本発明は、シアン感受性呼吸のみを行なう生物種のミトコンドリアの機能を改変する方法であって、該生物種(例えば、哺乳動物、鳥類、脊椎動物であり、細胞とは、例えば、哺乳動物由来の培養細胞、ヒトdaudi、サルCOS-1、イヌMDCK(NBL-2)、ラット3Y1 B clone1、マウスNIH3T3、昆虫細胞Sf9などのミトコンドリアを有した高等真核生物に由来するすべての種類の細胞)において、外来性シアン耐性呼吸酵素タンパク質を発現させ、これによってシアン耐性呼吸経路を付与することを特徴とする方法である。
シアン耐性呼吸タンパク質としては、特許文献1に示されているザゼンソウシアン耐性呼吸タンパク質(SfAOX)、あるいは、様々な生物種(例えば、ブードゥーリリー(Sauromatum guttatum)(配列番号2)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(配列番号3)、イネ(Oryza sativa) (配列番号4)、ダイズ(Glycine max) (配列番号5)、タバコ(Nicotiana tabacum) (配列番号6))に由来するシアン耐性呼吸酵素タンパク質を使用することができる(図2参照)。また、ミトコンドリア移行配列は、導入したい生物種の有するすべてのミトコンドリア移行配列を利用できる(例えば、Saccharomyces cerevisiaeにシアン耐性呼吸酵素を発現させるために、ヘキサプレニル二リン酸合成酵素COQ1のミトコンドリア移行配列を利用する:特開平9−173076号公報)。
この発明の具体的な方法は、例えば、成熟型のシアン耐性呼吸酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチドを増幅するプライマーを用いて、PCRによって成熟型シアン耐性呼吸酵素のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを取得し、ヒト細胞で遺伝子発現が誘導できる既存のプロモーター(例えば、CMVプロモーター、EF1αプロモーター)を有し、かつ、ヒトCOXVIIIミトコンドリア移行配列(配列番号9)をコードするポリヌクレオチドを含むpShooter mito/mycベクター(Invitrogen, Carlsbad, USA)に連結したベクターDNAを用いて、ヒト細胞等のシアン感受性呼吸を行う細胞に導入し、発現させる(図3参照)。
哺乳動物細胞にポリヌクレオチドを導入する場合には、導入する細胞に応じたプロモーター、ポリA付加部位等を有する真核細胞用発現ベクターにポリヌクレオチドを挿入して組み換えベクターを作成し、このベクターを電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法など公知の方法を用いて細胞に導入すればよい。
また、動物個体にポリヌクレオチドを導入する場合には、例えば、前記の発現ベクターを生体認識分子が提示された中空ナノ粒子、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス等に組み込み、生体外(ex vivo)で目的組織の前駆細胞に遺伝子導入し、その細胞を動物体内に注入する方法を採用することもできる(例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97: 3422-3427, 2000)。また、非ヒト動物個体の場合には、公知のトランスジェニック動物作成法(例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 7380-7384, 1980)に従って、動物個体の全ての体細胞においてシアン耐性呼吸酵素タンパク質を発現させるようにしてもよい。
以上の方法によって、シアン耐性呼吸酵素タンパク質を発現する哺乳動物細胞、哺乳動物個体が得られる。
以下、実施例によりこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明する。ただし、この発明の技術的範囲はこの実施例に限定されるものではない。
ザゼンソウ由来のシアン耐性呼吸酵素(SfAOX)をヒト培養細胞(HeLa)で発現と機能解析を実施する際には、以下の方法を用いた。
(1)ザゼンソウ由来のシアン耐性呼吸酵素(SfAOX)(配列番号1)の成熟型配列(配列番号8)をコードするポリヌクレオチド(配列番号13)を、ヒトCOXVIIIミトコンドリア移行配列(配列番号9)(Mitochondria targeting sequence; MTS, Nature 358: 325-327, 1992)をコードするポリヌクレオチド(配列番号12)が付加されたpShooter mito/myc 発現ベクター(Invitrogen, Carlsbad, USA)にクローニングした。作成されたベクター(MTS-AOX発現ベクター)は、LipofectAMINE2000を用いたリポフェクション法によりHeLa細胞に一過的に導入した(図4参照)。
(2)MTS-AOXの導入の際に、遺伝子導入のマーカーとして核移行型のGFPnuc(Invitrogen, Carlsbad, USA)(ミトコンドリア膜電位測定)あるいは、DsRed2nucベクター(BD Biosciences Clontech, San Jose, CA, USA)(活性酸素種測定)を4:1のモル比で混ぜた。以降の解析は、フローサイトメトリー法で解析した。
ヒト培養ガン細胞HeLaおいて、導入されたシアン耐性呼吸酵素タンパク質MTS-AOX(配列番号10)は、抗AOX抗体を用いたウエスタン解析によって、34kDaの成熟型としてミトコンドリアに移行していることが判明した(図5参照)。そこで、膜電位依存的な蛍光プローブであるMitotracker Red CMXRos (Molecular probes Inc., OR, USA)、活性酸素種感受性色素であるCM-H2DCFDA(Molecular probesInc., OR, USA)を用いて、フローサイトメトリーによって遺伝子導入された細胞について、AOX発現細胞におけるアンチマイシンA(以下、AAという)感受性を解析した。遺伝子導入24hr後の細胞は、様々なAA濃度(0,10,20,50,100μg/ml)の存在下で37℃、30分間処理した。その後続けて、200nM Mitotracker Red CMXRos,あるいは、5μM CM-H2DCFDAを37℃30分間処理した後、直ちにフローサイトメトリーで解析した。結果は、最も膜電位(0μg/ml)およびROS産生(100μg/ml)が高いAA処理区において、7割の細胞(70%)が占める蛍光強度に存在する細胞数を100%として表した。その結果、MTS-AOX発現細胞においては、AA誘導膜電位低下および活性酸素種の発生が明らかに抑制されることが判明した。その結果、MTS-AOX発現細胞では、電子伝達系複合体III阻害剤であるアンチマイシンAによって誘導されるミトコンドリア膜電位低下および活性酸素種発生を有意に抑制することが明らかとなった(図6参照)。これらの結果は、MTS-AOXタンパク質がヒト培養細胞HeLaミトコンドリアに機能的に発現していることを意味している。一般に、植物AOXは、ジスルフィド結合を介した酸化型/還元型の活性調節を受け、さらに還元型AOXは、α-ケト酸によってアロステリックに活性調節を受けることが知られている。そこで、FACS解析後の全細胞抽出物(10μg)を非還元SDS-PAGEによるウエスタン解析に供し、MTS-AOXの酸化還元状態を解析した。その結果、アンチマイシンA処理によらず、常時還元型AOXとして有意に発現していた(図7参照)。以上の結果は、MTS-AOXタンパク質は、HeLa細胞のミトコンドリアにおいて、常時還元型のモノマーとしてα-ケト酸によってアロステリックに活性調節され、シアン耐性呼吸経路として機能していることを示唆している。
ヒト培養ガン細胞HeLaにおける、シアン耐性呼吸経路の形質導入は、高等動物のミトコンドリア電子伝達系に新たな機能を付加した点で非常にユニークかつ斬新な方法である。MTS-AOX発現細胞は、電子伝達系複合体IIIの阻害による膜電位低下および活性酸素種の発生を有意に抑制した結果は、ミトコンドリアの機能の理解に向けて新たな視点を与える。またさらに、活性酸素種の発生は、様々なストレスと密接に関わっており、特に、老化や細胞死、ミトコンドリア病といったミトコンドリアに関わる複雑な現象、疾病を制御できると考えられる。
この出願の発明は、哺乳動物を中心として、例えば、農業分野における有用な家畜、医科学分野における病態モデル動物の機能改変、遺伝子治療等のヒトを含む哺乳動物にかかわる産業分野に利用可能である。
ミトコンドリア電子伝達系におけるチトクロームC呼吸経路とシアン耐性呼吸経路を示す図。 ザゼンソウ、ブードゥーリリー、シロイナズナ、イネ、ダイズ及びタバコにおけるシアン耐性呼吸酵素のアミノ酸配列の比較を示す図。 シアン耐性呼吸酵素タンパク質のミトコンドリア移行配列をヒトCOXVIIIミトコンドリア移行配列へ置換する方法を示す図。 SfAOXとMTS-AOXのアミノ酸配列とミトコンドリア移行配列の比較を示す図。 動物細胞におけるMTS-AOXの発現とミトコンドリアへの移行を示す図。図中、μ-calpain抗体 は細胞質マーカーであり、Cytochrome C抗体はミトコンドリアマーカーである。 MTS-AOX発現細胞における、アンチマイシンA(AA)誘導ミトコンドリア膜電位低下およびROS産生の阻害を示す図。図においては、AA誘導ミトコンドリア膜電位低下(左)およびROS産生(右)の評価を示す。 動物細胞におけるMTS-AOXタンパク質の常時還元型としての発現を示す図。図において、COXIVは内部標準である。

Claims (19)

  1. シアン感受性呼吸のみを行なう生物種(ヒト除く)のミトコンドリアの機能を改変する方法であって、該生物種において、外来性シアン耐性呼吸酵素タンパク質を発現させることによってシアン耐性呼吸経路を付与することを特徴とするミトコンドリアの機能を改変する方法。
  2. 前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチドおよびミトコンドリア移行ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを、前記生物種に導入することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質が植物由来のものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質が、配列番号8のアミノ酸配列を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ミトコンドリア移行ペプチドが哺乳動物由来のものである、請求項2に記載の方法。
  6. 前記ミトコンドリア移行ペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列を含む請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記生物種が哺乳動物由来のものである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ミトコンドリア移行ペプチドをコードするポリヌクレオチドと融合されたシアン耐性呼吸酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む組換えポリヌクレオチド。
  9. 前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質が植物由来のものである、請求項8に記載の組換えポリヌクレオチド。
  10. 前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質が、配列番号8のアミノ酸配列を含む請求項8又は9に記載の組換えポリヌクレオチド。
  11. 前記ミトコンドリア移行ペプチドが哺乳動物由来のものである、請求項8に記載の組換えポリヌクレオチド。
  12. 前記ミトコンドリア移行ペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列を含む請求項8〜11のいずれかに記載の組換えポリヌクレオチド。
  13. ミトコンドリア移行ペプチドをコードするポリヌクレオチドと融合されたシアン耐性呼吸酵素タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むシアン耐性呼吸酵素をミトコンドリア中で発現するための発現ベクター。
  14. 前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質が植物由来のものである、請求項13に記載の発現ベクター。
  15. 前記シアン耐性呼吸酵素タンパク質が、配列番号8のアミノ酸配列を含む請求項13又は14に記載の発現ベクター。
  16. 前記ミトコンドリア移行ペプチドが哺乳動物由来のものである、請求項13に記載の発現ベクター。
  17. 前記ミトコンドリア移行ペプチドが、配列番号7のアミノ酸配列を含む請求項13〜16のいずれかに記載の発現ベクター。
  18. 請求項13から17のいずれかに記載の発現ベクターで形質転換体またはトランスフェクションされた細胞。
  19. 前記細胞がシアン感受性呼吸を行なう哺乳動物細胞である、請求項18に記載の細胞。
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