JP2007243000A - 有機半導体材料、有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタ - Google Patents

有機半導体材料、有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタ Download PDF

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Abstract

【課題】高移動度で耐久性に優れた有機半導体材料、有機半導体膜及び有機薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機半導体材料。
【化1】
Figure 2007243000

【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体材料、有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタに関する。
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。また、さらに情報化の進展に伴い、従来、紙媒体で提供されていた情報が電子化される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては、液晶、有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)、電気泳動等を利用した素子を用いて表示媒体を形成している。また、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度等を確保するために、画像駆動素子としてアクティブ駆動素子(TFT素子)を用いる技術が主流になっている。例えば、通常のコンピュータディスプレイではガラス基板上にこれらTFT素子を形成し、液晶、有機EL素子等が封止されている。
ここでTFT素子には主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)等の半導体を用いることができ、これらのSi半導体(必要に応じて金属膜も)を多層化し、ソース、ドレイン、ゲート電極を基板上に順次形成していくことでTFT素子が製造される。こうしたTFT素子の製造には通常、スパッタリング、その他の真空系の製造プロセスが必要とされる。
しかしながら、このようなTFT素子の製造では、真空チャンバーを含む真空系の製造プロセスを何度も繰り返して各層を形成せざるを得ず、装置コスト、ランニングコストが非常に膨大なものとなっていた。例えば、TFT素子では、通常それぞれの層の形成のために真空蒸着、ドープ、フォトリソグラフ、現像等の工程を何度も繰り返す必要があり、何十もの工程を経て素子を基板上に形成している。スイッチング動作の要となる半導体部分に関しても、p型、n型等、複数種類の半導体層を積層している。こうした従来のSi半導体による製造方法ではディスプレイ画面の大型化のニーズに対し、真空チャンバー等の製造装置の大幅な設計変更が必要とされる等、設備の変更が容易ではない。
また、このような従来からのSi材料を用いたTFT素子の形成には高い温度の工程が含まれるため、基板材料には工程温度に耐える材料であるという制限が加わることになる。このため実際上はガラスを用いざるをえず、先に述べた電子ペーパーあるいはデジタルペーパーといった薄型ディスプレイを、こうした従来知られたTFT素子を利用して構成した場合、そのディスプレイは重く、柔軟性に欠け、落下の衝撃で割れる可能性のある製品となってしまう。ガラス基板上にTFT素子を形成することに起因するこれらの特徴は、情報化の進展に伴う手軽な携行用薄型ディスプレイへのニーズを満たすにあたり望ましくないものである。
一方、近年において高い電荷輸送性を有する有機化合物として、有機半導体材料の研究が精力的に進められている。これらの化合物は有機EL素子用の電荷輸送性材料のほか、例えば非特許文献1等において論じられているような有機レーザー発振素子や、多数の論文にて報告されている有機薄膜トランジスタ素子(有機TFT素子)への応用が期待されている(例えば、非特許文献2参照。)。
これら有機半導体デバイスを実現できれば、比較的低い温度での真空ないし低圧蒸着による製造プロセスの簡易化や、さらにはその分子構造を適切に改良することによって、溶液化できる半導体を得る可能性があると考えられ、有機半導体溶液をインク化することによりインクジェット方式を含む印刷法による製造も考えられる。これらの低温プロセスによる製造は、従来のSi系半導体材料については不可能と考えられてきたが、有機半導体を用いたデバイスにはその可能性があり、従って前述の基板耐熱性に関する制限が緩和され、透明樹脂基板上にも例えばTFT素子を形成できる可能性がある。透明樹脂基板上にTFT素子を形成し、そのTFT素子により表示材料を駆動させることができれば、ディスプレイを従来のものよりも軽く、柔軟性に富み、落としても割れない(もしくは非常に割れにくい)ディスプレイとすることができるであろう。
しかしながら、こうしたTFT素子を実現するための有機半導体としてこれまでに検討されてきたのは、ペンタセンやテトラセンといったアセン類(例えば、特許文献1参照。)、鉛フタロシアニンを含むフタロシアニン類、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体といった低分子化合物(例えば、特許文献2参照。)や、α−チエニールもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー(例えば、特許文献3参照。)、ナフタレン、アントラセンに5員の芳香族複素環が対称に縮合した化合物(例えば、特許文献4参照。)、モノ、オリゴ及びポリジチエノピリジン(例えば、特許文献5参照。)、さらにはポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった共役高分子等限られた種類の化合物(例えば、非特許文献1〜3参照。)でしかなく、溶剤への十分な溶解性を保持しながら、十分なキャリア移動度・ON/OFF比を示す材料は見出されていない。
最近、溶解性の高いアセン類であるルブレンの単結晶が非常に高い移動度を有することが報告されているが(例えば、非特許文献4参照。)、このような単結晶は気相成長法で作製したものであり、溶液キャストで製膜した膜はアモルファスであり、十分な移動度は得られていない。
また、真空蒸着によって高いキャリア移動度を有する化合物であるペンタセンに官能基を付与した化合物等も開示され、溶液塗布によって比較的良好なキャリア移動度が得られるとの報告もなされている。(例えば、特許文献6参照。)。
しかし、ルブレンやペンタセン等のアセン系の化合物は空気によって容易に酸化されてエンドパーオキシドと呼ばれる酸化体に転化し、電界効果トランジスタとしての性能が大きく劣化してしまうことが知られており、溶液での保存安定性や塗布膜の安定性についてはいまだ解決すべき課題が残されている。
このような有機半導体素子の経時安定性については、例えば、特開2003−292588号公報、米国特許出願公開第2003/136958号明細書、同2003/160230号明細書、同2003/164495号明細書において、「マイクロエレクトロニクス用の集積回路論理素子にポリマーTFTを用いると、その機械的耐久性が大きく向上し、その使用可能寿命が長くなる。しかし半導体ポリチオフェン類の多くは、周囲の酸素によって酸化的にドープされ、導電率が増大してしまうため空気に触れると安定ではないと考えられる。この結果、これらの材料から製造したデバイスのオフ電流は大きくなり、そのため電流オン/オフ比は小さくなる。従ってこれらの材料の多くは、材料加工とデバイス製造の間に環境酸素を排除して酸化的ドーピングを起こさない、あるいは最小とするよう厳重に注意しなければならない。この予防措置は製造コストを押し上げるため、特に大面積デバイスのための、アモルファスシリコン技術に代わる経済的な技術としてのある種のポリマーTFTの魅力が削がれてしまう。これら及びその他の欠点は、本発明の実施の形態において回避され、あるいは最小となる。従って、酸素に対して強い対抗性を有し、比較的高い電流ON/OFF比を示すエレクトロニックデバイスが望まれている」との記載があるように、有機半導体材料が経時で劣化することをいかに防ぐかといった課題が、実用化を行う上での大きな課題となってきている。
酸化に対して比較的安定なアセン系化合物の例としては、ペンタセンの6、13位をシリルエチニル基で置換した一部の化合物が、塗布膜の安定性が良いとの報告がある程度である(例えば、非特許文献5や6、特許文献7参照。)。
しかしながら、これらの報告においては、文章中において酸化に対する安定性が向上したと定性的な性状を述べているのみであり、いまだ実用に耐えうる程度の安定性は得られていない。
また、ペンタセンの6、13位をシリルエチニル基で置換した化合物のペンタセン母核の一部をハロゲン原子やシアノ基などといった電子吸引性基で置換することで、化合物の酸化還元電位を深くすることができるといった試みもなされている(例えば、非特許文献7参照。)が、高移動度と素子の耐久性を兼ね備えた有機半導体材料はいまだ得られていない。
特開平5−55568号公報 特開平5−190877号公報 特開平8−264805号公報 特開平11−195790号公報 特開2003−155289号公報 国際公開第03/016599号パンフレット US6690029B1号公報 『サイエンス』(Science)誌289巻、599ページ(2000) 『ネイチャー』(Nature)誌403巻、521ページ(2000) 『アドバンスド・マテリアル』(Advanced Material)誌、2002年、第2号、99ページ Science,vol.303(2004),1644ページ Org.Lett.,vol.4(2002),15ページ J.Am.Chem.Soc.,vol.127(2005),4986ページ Org.Lett.,vol.7(2005),3163ページ
本発明の目的は、トランジスタとしての特性が良好であり、さらに空気中の酸素に対して安定で経時劣化が十分抑制された有機半導体材料、それを用いた有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタを提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成1〜8により達成された。
1.下記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機半導体材料。
Figure 2007243000
〔式中、X1は、元素周期表における14族の元素を表し、A1は、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。R1〜R3は、各々水素原子または置換基を表す。〕
2.前記一般式(1)で表される部分構造を2つ以上有することを特徴とする前記1に記載の有機半導体材料。
3.前記X1は、SiまたはGeを表すことを特徴とする前記1または2に記載の有機半導体材料。
4.下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
Figure 2007243000
〔式中、X2、X3は、元素周期表における14族の元素を表し、A2、A3は、各々アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。R4〜R9は、各々水素原子または置換基を表す。Z1、Z2は、各々芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表す。n1、n2は、各々0〜3の整数を表す。〕
5.下記化合物7または下記化合物8を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
Figure 2007243000
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有することを特徴とする有機半導体膜。
7.前記1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料を用いることを特徴とする有機半導体デバイス。
8.前記1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料を半導体層に用いることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
本発明により、トランジスタとしての特性が良好であり、さらに空気中の酸素に対して安定で経時劣化が十分抑制された有機半導体材料、それを用いた有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタを提供することができた。
本発明の有機半導体材料においては、請求項1〜5のいずれか1項に規定される構造を有する化合物を用いることにより、薄膜トランジスタ用途に有用な有機半導体材料を得ることができる。また、該有機半導体材料を用いて作製した本発明の有機半導体膜、有機半導体デバイス、有機薄膜トランジスタ(以下、有機TFTともいう)は、キャリア移動度が高く、良好なON/OFF特性を示す等、優れたトランジスタ特性を示しながら、かつ、高耐久性であることが判明した。
また、本発明の有機TFTを具備した有機エレクトロルミネッセンス素子は、良好な発光特性を示すことが判った。
上記課題について、上記公知情報を参考として本発明の研究者らがさらなる改良を検討したところ、シリルエチニル基によって置換されたアセン化合物は、アルキル基、アリール基等によって置換されたようなアセン系化合物と比べると、酸素安定性が改良されていることが明らかになってきた。
シリルエチニル基によって置換することによる効果としては、前記非特許文献5においては、ペンタセンのペリ位にシリルエチニル基のような大きな置換基を導入することによって結晶中の芳香族環(芳香族炭化水素環、芳香族複素環等)が“Face to Face”構造のみからなる結晶を作製したところ、安定な結晶構造となる特定の大きさの置換基の場合にのみ、安定な薄膜が得られたとしている。
また、前記非特許文献6においては、「シリルエチニル基の導入によって無置換の芳香族環に対して300mV以上HOMOレベルを深くすることができたために酸化に対する安定性が得られたのではないか」との記載がある。また、前記非特許文献7に記載されているように、電子吸引性基によってペンタセン母核を置換することによって酸化還元電位が深くなり、酸化安定性が付与されることが知られている。
このように、ペンタセンのようなアセン系の化合物の酸化に対する安定性を向上させるためには、電子的な要因だけでなく、立体的な要因の双方が関係していると推測される。
このような知見を踏まえ本発明の研究者らは、エチニル基に限らず、さまざまな連結基を用いて検討したところ、連結基にアルキル基あるいはアルコキシ基を用いた時、エチニル基を用いた時より結晶性が良好であり、酸化安定性も非常に向上することを発見するに至った。
また、アルキル基あるいはアルコキシ基の長さや大きさを調節することにより、ペンタセンやアントラジチオフェンだけでなく、例えば、ポリチオフェン、オリゴチオフェン、フタロシアニン、フラーレンなど他の有機半導体材料にも適用可能になり、溶解性を飛躍的に向上させ、また、結晶性、酸化安定性等も良好であることを確認し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
《有機半導体材料》
本発明の有機半導体材料について説明する。
《一般式(1)で表される部分構造を有する化合物》
本発明の有機半導体材料は、上記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を含有することが特徴である。本発明の有機半導体材料中、一般式(1)で表される部分構造を有する化合物は、主成分であることが好ましい。ここで、主成分とは、有機半導体材料の全構成成分において、50質量%以上であることを意味する。
一般式(1)において、X1で表される、元素周期表における14族の元素としては、C(炭素)、Si(ケイ素)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(錫)、Pb(鉛)が挙げられるが、中でも好ましいのは、Si、Geである。
一般式(1)において、A1で表されるアルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基等が挙げられる。また、これらの基は、更に、後述する一般式(1)において、R1〜R3で、各々表される置換基を有していてもよい。
一般式(1)において、A1で表されるシクロアルキレン基としては、例えば、シクロヘキシレン基(例えば、1,6−シクロヘキサンジイル基等)、シクロペンチレン基(例えば、1,5−シクロペンタンジイル基等)等が挙げられる。また、これらの基は、更に後述する一般式(1)において、R1〜R3で、各々表される置換基を有していてもよい。
一般式(1)において、R1〜R3で、各々表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によって更に置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
《一般式(2)で表される化合物》
上記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物の中でも、好ましく用いられるのは、上記一般式(2)で表される化合物である。
一般式(2)において、X2、X3で各々表される、元素周期表における14族の元素は、一般式(1)において、X1で表される、元素周期表における14族の元素、即ち、C(炭素)、Si(ケイ素)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(錫)、Pb(鉛)と同義である。
一般式(2)において、A2、A3で各々表されるアルキレン基またはシクロアルキレン基は、一般式(1)において、A1で表される、アルキレン基またはシクロアルキレン基と同義である。
一般式(2)において、R4〜R9で各々表されるは置換基は、一般式(1)において、R1〜R3で各々表される置換基と同義である。
一般式(2)において、Z1、Z2で、各々表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。更に、前記芳香族炭化水素環は、一般式(1)のR1〜R3で、各々表される置換基を有してもよい。
一般式(2)において、Z1、Z2で、各々表される芳香族複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、カルバゾール環、カルボリン環、カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが更に窒素原子で置換されている環等が挙げられる。更に、前記芳香族複素環は、一般式(1)において、R1〜R3で、各々表される置換基を有してもよい。
また、本発明の有機半導体材料として、好ましく用いられる化合物の一例としては、後述する化合物7、化合物8等が挙げられるが、本発明に好ましく用いられる化合物例としては、上記の化合物7、化合物8に限定されない。
また、本発明の有機半導体材料に係る化合物は、その使用形態がその前駆体(先駆体、化合物前駆体等ともいう)であってもよく、ここで、前駆体とは、エネルギーの印加または化学的処理により、本発明に係る化合物を生成可能な化合物と定義される。
上記の前駆体の形成手段としては、芳香族環(芳香族炭化水素環、芳香族複素環等)の一部を酸素により酸化させた化合物等が一例として挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
以下、本発明の有機半導体材料に係る化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007243000
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Figure 2007243000
Figure 2007243000
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また、下記に本発明の有機半導体材料に係る一般式(1)で表される部分構造を有する化合物の具体例である、化合物8の合成例を示すが、本発明はこれらに限定されず、化合物8以外の他の化合物も同様にして合成した。
《合成例:化合物8の合成》
下記スキームにより化合物8を合成した。
Figure 2007243000
原料1は市販品(アルフドリッチ製)を用いた。原料2、中間体1及び中間体2の合成については、Org.Lett.,Vol.6,No19,2004,3325に記載の方法で合成した。また化合物8については、中間体2を用いて、Can.J.Chem.,33,1955,1633に記載の方法を参考に合成した。得られた化合物8の粗生成物は、カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)及び再結晶(溶媒:シクロヘキサン)により精製した。化合物8の分子構造は、1H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)及び質量スペクトル測定を行い、目的物と矛盾しないことを確認した。さらにHPLC(高速液体クロマトグラフィ)により測定した結果より99%以上の純度であることを確認した。
《有機半導体膜、有機半導体デバイス、有機薄膜トランジスタ》
本発明の有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機薄膜トランジスタについて説明する。
本発明の有機半導体材料は、有機半導体膜、有機半導体デバイス、有機薄膜トランジスタの半導体層に用いることにより、良好に駆動する有機半導体デバイス、有機薄膜トランジスタを提供することができる。有機薄膜トランジスタは、支持体上に、半導体層として有機半導体で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体で連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
本発明の有機半導体材料を有機半導体膜、有機半導体デバイス、有機薄膜トランジスタの半導体層に設置するには、真空蒸着により基板上に設置することもできるが、適切な溶媒に溶解し必要に応じ添加剤を加えて調製した溶液をキャストコート、スピンコート、印刷、インクジェット法、アブレーション法等によって基板上に設置するのが好ましい。
この場合、本発明の有機半導体材料を溶解する溶媒は、有機半導体材料を溶解して適切な濃度の溶液が調製できるものであれば格別の制限はないが、具体的にはジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、トルエン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等を挙げることができる。これらの溶媒のうち、非ハロゲン系溶媒を含む溶媒が好ましく、非ハロゲン系溶媒で構成することが好ましい。
本発明の有機薄膜トランジスタは、本発明の有機半導体材料を前述のように半導体層に用いることが好ましい。前記半導体層は、これらの有機半導体材料を含有する溶液または分散液を塗布することにより形成することが好ましい。有機半導体材料を溶解する溶媒は、前記非ハロゲン系溶媒を含む溶媒が好ましく、非ハロゲン系溶媒で構成することが好ましい。
本発明において、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウムマグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITO及び炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。それらのうち好ましいのは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法等のドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等の塗布による方法、印刷やインクジェット等のパターニングによる方法等のウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶媒あるいは水に必要に応じて界面活性剤等の分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えば、アルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。これらのうち好ましいのは、大気圧プラズマ法とゾルゲル法である。
大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406号公報、同11−133205号公報、特開2000−121804号公報、同2000−147209号公報、同2000−185362号公報等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
また有機化合物皮膜として、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは100nm〜1μmである。
また、支持体はガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えば、プラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
以下に、本発明の有機半導体材料を用いて形成された有機半導体膜を用いた有機薄膜トランジスタについて説明する。
図1は、本発明の有機薄膜トランジスタの構成例を示す図である。同図(a)は、支持体6上に金属箔等によりソース電極2、ドレイン電極3を形成し、両電極間に本発明の有機半導体材料からなる有機半導体層1を形成し、その上に絶縁層5を形成し、さらにその上にゲート電極4を形成して有機薄膜トランジスタを形成したものである。同図(b)は、有機半導体層1を、(a)では電極間に形成したものを、コート法等を用いて電極及び支持体表面全体を覆うように形成したものを表す。(c)は、支持体6上に先ずコート法等を用いて、有機半導体層1を形成し、その後ソース電極2、ドレイン電極3、絶縁層5、ゲート電極4を形成したものを表す。
同図(d)は、支持体6上にゲート電極4を金属箔等で形成した後、絶縁層5を形成し、その上に金属箔等で、ソース電極2及びドレイン電極3を形成し、該電極間に本発明の有機半導体材料により形成された有機半導体層1を形成する。その他同図(e)、(f)に示すような構成を取ることもできる。
図2は、有機薄膜トランジスタシートの概略等価回路図の1例を示す図である。
有機薄膜トランジスタシート10はマトリクス配置された多数の有機薄膜トランジスタ11を有する。7は各有機薄膜トランジスタ11のゲートバスラインであり、8は各有機薄膜トランジスタ11のソースバスラインである。各有機薄膜トランジスタ11のソース電極には、出力素子12が接続され、この出力12は例えば液晶、電気泳動素子等であり、表示装置における画素を構成する。画素電極は光センサの入力電極として用いてもよい。図示の例では、出力素子として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。13は蓄積コンデンサ、14は垂直駆動回路、15は水平駆動回路である。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2007243000
実施例1
《有機TFT(有機薄膜トランジスタ)素子1の作製》:比較例
ゲート電極としての比抵抗0.01Ω・cmのSiウェハーに、厚さ200nmの熱酸化膜を形成してゲート絶縁層とした後、オクタデシルトリクロロシランによる表面処理を行った。比較化合物(1)のトルエン溶液をアプリケーターを用いて塗布し、自然乾燥することによりキャスト膜(厚さ50nm)を形成して、窒素雰囲気下で50℃、30分間の熱処理を施した。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着してソース電極及びドレイン電極を形成した。ソース電極及びドレイン電極は幅100μm、厚さ200nmで、チャネル幅W=3mm、チャネル長L=20μmの有機薄膜トランジスタ素子1を作製した。
《有機TFT素子2〜7の作製》:比較例
有機TFT素子1の作製において、比較化合物(1)を、各々比較化合物(2)〜(7)に変更した以外は同様にして、有機TFT素子2〜7を作製した。
《有機TFT素子8〜15の作製》:本発明
有機TFT素子1の作製において、比較化合物(1)の代替として、表1に記載の、本発明の有機半導体材料に変更した以外は同様にして、有機薄膜トランジスタ素子8〜15を作製した。
《キャリア移動度評価及びON/OFF比の評価》
得られた有機TFT素子1〜15の各々について、作製直後と大気中で1ヶ月放置後の各素子のキャリア移動度とON/OFF比を各々求めた。尚、本発明では、I−V特性の飽和領域からキャリア移動度を求め、更に、ドレインバイアス−50Vとし、ゲートバイアス−50Vおよび0Vにしたときのドレイン電流値の比率からON/OFF比を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2007243000
表1から、比較の有機TFT材料を用いて作製した、比較の有機TFT素子と比べて、本発明の有機TFT素子8〜15は、作製直後においても優れたトランジスタ特性を示し、且つ、経時劣化が少ないという高い耐久性を併せ持つということが判る。
また、本発明の有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタの応用例として、以下の実施例2に有機薄膜トランジスタを用いた有機EL素子を説明する。
実施例2
《有機EL素子の作製》
有機EL素子の作製は、Nature,395巻,151〜154頁に記載の方法を参考にして、図3に示したような封止構造を有するトップエミッション型の有機EL素子を作製した。尚、図3において、101は基板、102aは陽極、102bは有機EL層(具体的には、電子輸送層、発光層、正孔輸送層等が含まれる)、102cは陰極を示し、陽極102a、有機EL層102b、陰極102cにより、発光素子102が形成されている。103は封止膜を示す。尚、本発明の有機EL素子は、ボトムエミッション型でもトップエミッション型のどちらでもよい。
本発明の有機EL素子と本発明の有機薄膜トランジスタ(ここで、本発明の有機薄膜トランジスタは、スイッチングトランジスタや駆動トランジスタ等として用いられる)を組み合わせて、アクティブマトリクス型の発光素子を作製したが、その場合は、例えば、図4に示すように、ガラス基板601上にTFT602(有機薄膜トランジスタ602でもよい)が形成されている基板を用いる態様が一例として挙げられる。ここで、TFT602の作製方法は公知のTFTの作製方法が参照できる。勿論、TFTとしては、従来公知のトップゲート型TFTであってもボトムゲート型TFTであっても構わない。
上記で作製した有機EL素子は、単色、フルカラー、白色等の種々の発光形態において、良好な発光特性を示した。
本発明の有機薄膜トランジスタの構成例を示す図である。 本発明の有機薄膜トランジスタシートの概略等価回路図の1例である。 封止構造を有する有機EL素子の一例を示す模式図である。 有機EL素子に用いる、TFTを有する基板の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 有機半導体層
2 ソース電極
3 ドレイン電極
4 ゲート電極
5 絶縁層
6 支持体
7 ゲートバスライン
8 ソースバスライン
10 有機薄膜トランジスタシート
11 有機薄膜トランジスタ
12 出力素子
13 蓄積コンデンサ
14 垂直駆動回路
15 水平駆動回路
101、201 基板
102 有機EL素子
102a、202 陽極
102b 有機EL層
102c、204 陰極
103 封止膜
205 駆動用素子
206 正孔輸送層
207 発光層
208 電子輸送層
601 基板
602 TFT

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される部分構造を有する化合物を含有することを特徴とする有機半導体材料。
    Figure 2007243000
    〔式中、X1は、元素周期表における14族の元素を表し、A1は、アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。R1〜R3は、各々水素原子または置換基を表す。〕
  2. 前記一般式(1)で表される部分構造を2つ以上有することを特徴とする請求項1に記載の有機半導体材料。
  3. 前記X1は、SiまたはGeを表すことを特徴とする請求項1または2に記載の有機半導体材料。
  4. 下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
    Figure 2007243000
    〔式中、X2、X3は、元素周期表における14族の元素を表し、A2、A3は、各々アルキレン基またはシクロアルキレン基を表す。R4〜R9は、各々水素原子または置換基を表す。Z1、Z2は、各々芳香族炭化水素環または芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表す。n1、n2は、各々0〜3の整数を表す。〕
  5. 下記化合物7または下記化合物8を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機半導体材料。
    Figure 2007243000
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料を含有することを特徴とする有機半導体膜。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料を用いることを特徴とする有機半導体デバイス。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機半導体材料を半導体層に用いることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
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WO2010067792A1 (ja) * 2008-12-08 2010-06-17 コニカミノルタホールディングス株式会社 有機光電変換素子、太陽電池及び光センサアレイ

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