JP2007239663A - 蒸気加減弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性・耐摩耗性に加えて耐酸化性を向上させ、スリーブへの酸化スケールの生成を抑制することができる蒸気加減弁を提供する。
【解決手段】蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気加減弁において、スリーブ107aと、このスリーブ107a内に挿入されてスリーブ107aに対し進退して蒸気タービンへの蒸気流路200の開度を調整する加減弁弁体105と、この加減弁弁体105と対向するスリーブ107aの内周面に取り付けられ、ニッケル合金又はコバルト合金で形成されたブッシュ108aとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は蒸気タービンの蒸気流量を制御する蒸気加減弁に関する。
蒸気加減は蒸気タービンへの蒸気流路に配置され、蒸気流路の最小絞り部の弁座に対して加減弁弁体を進退させることで最小絞り部の間隙を変え、蒸気流路を流れる蒸気タービンへの蒸気流量を制御するものである。一般には、蒸気流路を開くとき加減弁弁体の上流側と下流側の圧力差を低減して加減弁弁体の初動負荷を軽減するため、加減弁弁体に設けたバイパス通路が子弁弁体によって開閉するように構成されている(特許文献1等参照)。
特開平10−299413号公報
蒸気タービン用の蒸気加減弁は、例えば、蒸気圧力が25MPa前後、温度が約538〜600℃といった高温高圧下で使用され、起動から定格負荷までの弁前後の圧力比(P2/P1,P1:弁上流側圧力;P2:弁下流側圧力)は約0〜0.95の範囲で変化する。その際、臨界圧力比(P2/P1=0.546)以下では弁の最小絞り部における蒸気の流速は超音速にも達し、臨界圧力比以上でも亜音速になる。
このように加減弁はタービン要素機器の中で最も苛酷な条件下で使用されるため、高温高圧の蒸気流の中で加減弁弁体がスリーブに対して摺動することによってスリーブ内面は高温振動及び高温摩耗を受ける。また、スリーブは加減弁弁体との間に蒸気を流す流路としての間隙を確保するため、高温高圧の条件下で酸化スケールの生成を抑制しないようにする必要がある。よって、スリーブの内面には耐衝撃性・耐摩耗性に加えて耐酸化性が要求される。
これに対し、一般にはスリーブを加減弁弁体と同材質(例えば12Cr)で形成し、スリーブ内面に窒化処理を施すことで、スリーブ内面の耐衝撃性及び耐摩耗性を改善している。しかし窒化処理では酸化スケール生成の抑制効果はなく、定期検査の度に加減弁弁体の外周面とともにスリーブ内周面の酸化スケールを除去しなければならないのが現状である。
本発明の目的は、耐衝撃性・耐摩耗性に加えて耐酸化性を向上させ、スリーブへの酸化スケールの生成を抑制することができる蒸気加減弁を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気加減弁において、スリーブと、このスリーブ内に挿入されて前記スリーブに対し進退して前記蒸気タービンへの蒸気流路の開度を調整する加減弁弁体と、この加減弁弁体と対向する前記スリーブの内周面に取り付けられ、ニッケル合金又はコバルト合金で形成されたブッシュとを備えることを特徴とする。
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気加減弁において、スリーブと、このスリーブ内に挿入されて前記スリーブに対し進退して前記蒸気タービンへの蒸気流路の開度を調整するものであって、別途前記蒸気流路に連通するバイパス通路を有する加減弁弁体と、この加減弁弁体内に挿入されて前記加減弁弁体に対し進退して前記バイパス通路を開閉する子弁弁体と、前記加減弁弁体と対向する前記スリーブの内周面に取り付けられ、ニッケル合金又はコバルト合金で形成されたブッシュとを備えることを特徴とする。
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記ブッシュが前記スリーブに対して着脱可能であることを特徴とする。
(4)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記ブッシュと前記スリーブとを係止して前記ブッシュを前記スリーブに対して固定するリングを有することを特徴とする。
(5)上記(4)において、好ましくは、前記リングは、前記スリーブ又は前記ブッシュに対してカシメ又はボルト締めによって固定されていることを特徴とする。
(6)上記(4)において、好ましくは、前記リングは、前記ブッシュと前記スリーブとを係止するキーの役割を果たす爪を有していることを特徴とする。
(7)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記スリーブは、外形が前記加減弁弁体の進退方向に沿って伸びるストレート形状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、高温・高圧の運転条件下での耐衝撃性・耐摩耗性・耐酸化性を十分に確保することができるので、スリーブへの酸化スケールの生成を抑制することができ、加減弁弁体との高い摺動性を確保することができる。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る蒸気加減弁の要部構成を表す断面図である。
図1において、本実施の形態に係る蒸気加減弁は、スリーブ(スリーブ母材)107aと、このスリーブ107a内に挿入されてスリーブ107aに対し進退して蒸気タービン(図示せず)への蒸気流路200の開度を調整するものであって別途蒸気流路200に連通するバイパス通路となる開口110を有する加減弁弁体(親弁弁体)105と、この加減弁弁体105内に挿入されて加減弁弁体105に対し進退して開口110を開閉する子弁弁体111と、スリーブ107aの加減弁弁体105と対向する内周面に取り付けられ、ニッケル合金又はコバルト合金で形成されたブッシュ108aと、ブッシュ108aとスリーブ107aとを係止してブッシュ108aをスリーブ107aに対して固定するリング109aとを備えている。
スリーブ107aは加減弁弁体105の周囲を取り囲むようにして固定的に設置されており、加減弁弁体105はスリーブ107a内で摺動する。このスリーブ107aは、上流側の主蒸気止め弁(図示せず)を通過して流入してきた蒸気が直接加減弁弁体105に衝突し、その蒸気の流れによって加減弁弁体105が振動することを防ぐ役割を担っている。
またスリーブ107aの内周部には、ブッシュ108aや加減弁弁体105よりも上部側(蒸気流路200と反対側)に加減弁スタンド101が挿入されており、この加減弁スタンド101の中心部には弁棒103が通されている。スリーブ107aは加減弁スタンド101に嵌入されており、ピン102によって径方向外側から加減弁スタンド101に固定されている。このようにスリーブ107aを加減弁スタンド101に締り嵌めで固定しピン102で係止することによって運転中に加減弁弁体105の摺動による振動及び摩擦によってスリーブ107aが加減弁スタンド101から抜け出ることを防止する。
なお、加減弁スタンド101をスリーブ107aに組み付けた後、加減弁スタンド101の内側に挿入された弁棒ブッシュ(図示せず)とスリーブ107aに組み込まれるブッシュ108aの同芯度を調整加工する。また、スリーブ107aの材質は、加減弁スタンド101の材質と同材質または線膨張係数が近い材質とすることにより、組立時に設定された加減弁スタンド101とスリーブ107aとの締め代が運転中でも維持される。上記したブッシュ108aは、スリーブ107aの内側に挿入されて加減弁弁体105との摺動面として用いられるが、このブッシュ108aの材質にはNi基合金鋼等のNi合金又はCo基合金鋼等のCo合金を用いる。
スリーブ107aの内側にはブッシュ108a及びリング109aを挿入するための溝112が設けられている。この溝112の先端部にはリング109aを抱え込むカシメ溝113が設けられており、このカシメ溝113に嵌入されることによってリング109aがスリーブ107a及びブッシュ108aに対して抜けないようになっている。リング109aを取外すことにより、ブッシュ108aはスリーブ107aに対して着脱可能である。
また、スリーブ107aは、概略円筒形状をしており、加減弁弁体105の進退方向(図1中の上下方向)に沿って外形が伸びるストレート形状に形成されている。そのため、運転時のスリーブ107aとブッシュ108aとの熱伸び差を軸方向(加減弁弁体105の進退方向)に均一化することができ、スリーブ107aとブッシュ108aの互いの接触面間に発生する内部応力も軸方向に均一化することができる。これによって運転中のスリーブ107aの変形が設計的に把握し易いものとなる。
図2は図1中のA部を拡大して模式的に表す分解斜視図である。
この図2に示すように、リング109aはスリーブ107aとブッシュ108a間に作られた溝部に設置されてスリーブ107aのカシメ溝113によって固定される構造となっており、これによりブッシュ108aの抜け出し防止の役割を担っている。またリング109aには、ブッシュ108aとスリーブ107aとを係止するキーの役割を果たす爪109bが設けられている。さらに、溝112とブッシュ108aの互いの対向面にスリーブ溝部107bとブッシュ溝部108bが設けられており、これら両溝部107b,108bからなる合せ溝に先の爪109bが挿入されて係合している。このように爪109bが係合してブッシュ108aとスリーブ107aの相対位置が固定されることが、弁棒103との同心度を確保するためのブッシュ108aの内径の調整加工や運転中の振動によるブッシュ108aの回転防止に有益に作用している。
したがって、ブッシュ108aをスリーブ107aに対して締り嵌め構造にしなくても爪109bによってブッシュ108aをスリーブ107aに対して固定できるので、組立時にはブッシュ108aとスリーブ107aとの間隙を設定しながらブッシュ108aをスリーブ107aに固定することが可能となり、運転時のスリーブ107aとブッシュ108aの接触面間に生じる内部応力が軽減される。リング109aはスリーブ107aとカシメ構造により固定されているため、リング材質はスリーブ107aと同材質にして部品間の熱伸び差を抑えることが好ましい。
図1に戻り、前述した子弁弁体111は弁棒103の先端部を構成するものである。また、加減弁弁体105、加減弁スタンド101、スリーブ107aで囲われた空間はバランスチャンバー104を構成する。バランスチャンバー104には加減弁弁体105とブッシュ108aの間の間隙を介してスリーブ107a外の蒸気が導かれるが、バランスチャンバー104内の蒸気は加減弁スタンド101に設けられた抽気流路である弁棒リーク(図示せず)によって図示しない高温再熱管やグランド蒸気系統に抽気され、これによりバランスチャンバー104内の圧力は減圧される。よって、スリーブ107a(厳密にはブッシュ108a)と加減弁弁体105間の間隙を設定することにより、蒸気加減弁全閉時に加減弁弁体105に生じる加減弁上流と加減弁下流との圧力差がバランスチャンバー104内で緩和される。
なお、弁棒103の外周部と加減弁弁体105の内周部には突起部115,116がそれぞれ設けられており、弁棒103が引き上げられた場合にこれら突起部115,116が係止して加減弁弁体105が弁棒103とともに上昇する。このとき、開口110が開放された場合にバランスチャンバー104が蒸気流路200に連通するように、突起部115,116の少なくともいずれかにバランスチャンバー104の蒸気を子弁弁体111側に流通させる流路(図示せず)が設けられている。
次に上記構成の蒸気加減弁の動作及び作用を説明する。
加減弁弁体105が蒸気流路200の弁座201に着座しているとき、蒸気流の圧力差に起因する力が加減弁弁体105に対して閉方向に作用するが、図示しない駆動装置によって弁棒103が開口110の弁座114から離間すると、開口110を介してバランスチャンバー104が蒸気流路200に連通し加減弁弁体105の上流側と下流側の圧力差が減少する。この状態でさらに弁棒103を引き上げると突起部115,116が係止し、加減弁弁体105が弁棒103とともに上昇する。加減弁弁体105が蒸気流路200の弁座201から離間すると、蒸気流路200が開放されその開度によって蒸気タービンへの蒸気流量が調整される。このような構成を採ることにより、加減弁弁体105に対して閉方向にかかる力が軽減され、加減弁弁体105の開放動作の初動負荷が軽減される。
ここで、図3は一般的な蒸気加減弁の要部構成を比較例として表す断面図である。
この図において、図1に示した各部と同様の役割を果たす部分には同符号を付して説明を省略する。
図3に示した蒸気加減弁は、加減弁弁体105の周りを取り囲むようにスリーブ106が設置され、加減弁弁体105はこのスリーブ106内で摺動する。スリーブ106は、外形が先端に近付くに連れて細くなるように形成されている。また、スリーブ106の内周面にはブッシュが配されておらず、ブッシュを取り付けるための溝もスリーブ106の内側には設けられていない。
このような蒸気加減弁では、高温・高圧の蒸気流れの中で加減弁弁体105が摺動することにより、スリーブ106の内面は高温振動及び高温摩耗を受ける。そこで、スリーブ106の材質に12Cr鋼等を用いて内面を窒化処理することで表面硬さを向上させ、スリーブ106の内面の耐衝撃性及び耐摩耗性を改善してある。
しかしながら、加減弁弁体105との間隙を確保するため、高温・高圧の条件下においてスリーブ106の内面に酸化スケールが生成することを抑制する必要がある。窒化処理では酸化スケール生成の抑制効果はなく、図3のような蒸気加減弁では、加減弁弁体105とスリーブ106との間隙を確保するため、定期検査毎に加減弁弁体105の外面とともにスリーブ106の内面の酸化スケールを除去しなければならない。
今後の発電プラントでは運転温度及び圧力の上昇、定期検査周期の延長が要求される。そのため、加減弁弁体の摺動面には、耐衝撃性・耐摩耗性に加えて耐酸化性を十分に備えていることが求められる。
それに対し、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
本実施の形態では、スリーブ107aの内側にブッシュ108aを挿入し、このブッシュ108aを加減弁弁体105との摺動面としている。そして、ブッシュ108aの材質にCo合金やNi合金など耐衝撃性・耐摩耗性・耐酸化性の高い特性を持った材料を使用することにより、運転時の高温・高圧条件下における加減弁弁体105との摺動特性を向上させることが可能となる。
また、スリーブ107aと別部品にすることにより、加減弁弁体105の摺動によってブッシュ108aが摩耗し減肉した場合でも、定期検査時にブッシュ108aのみを交換すれば足り、コスト低減及び工期短縮の効果が得られる。
また、リング109aに爪109bを設けたことにより、運転時にスリーブ107aとブッシュ108aの熱伸び差に起因して発生する内部発生応力を軽減することができる。すなわち、ブッシュ108aの材質であるNi合金やCo合金は、現在一般にスリーブ材質に使用されている12Cr鋼や今後高温条件でスリーブに使用されことが予想される9Cr鋼に比べて線膨張係数大きいため、高温条件下ではブッシュ108aとスリーブ107aの接触面に作用する内部応力が増大する。これは、ブッシュ108aの外径を予め調整加工しておきスリーブ107aとの締め代または間隙を設定することで軽減することが可能である。その際、最高温時をピークに熱伸び差によって締め代が減少しスリーブ107aに対するブッシュ108aの固定力が低下しても、スリーブ107aとブッシュ108aとが爪109bによって確実に係止されるので、ブッシュ108aの内径調整加工時等においてもブッシュ108aの回転を確実に防止することができる。
ここで、先に図3に示した比較例においてスリーブ106の耐酸化性を向上させる方策を考えると、例えば、スリーブ106全体をNi合金やCo合金等の耐酸化特性の高い材質に変更する方法、或いは加減弁弁体105の摺動面となるスリーブ106の内面のみにNi合金やCo合金等の耐酸化特性の高い材質をコーティングする方法がある。しかしながら、これらの方法には次のような技術的課題が存在する。
まず、スリーブ106そのものをNi合金又はCo合金に材質変更する場合について考える。
蒸気加減弁では、組立時及び運転時の加減弁弁体105との間隙寸法、及び加減弁スタンド101との締代寸法の両方を同時に確保しなければならない。しかし、Ni合金やCo合金は加減弁スタンド101や加減弁弁体105の材質に比べて線膨張係数が大きく、加減弁スタンド101や加減弁弁体105との組立時及び運転時の熱伸びに対する取合寸法の設計が困難である。また、この取合い寸法に対する問題を解決するため、加減弁弁体105や加減弁スタンド101もNi合金やCo合金に材質変更した場合、これら材質が高級材であることから材料コストが高騰し、同時に難削材でもあることから製作コストの高騰にも繋がる。
次に、スリーブ106の内面のみをNi合金やCo合金でをコーティングする場合、施工方法としては、Ni合金やCo合金の溶接・溶射・メッキ等が挙げられる。
溶接の場合、施工時の温度が材料の溶融点にまで上昇するため、スリーブ106及び耐酸化材(Ni合金又はCo合金)に溶接による残留応力が発生する。この残留応力は運転時の温度上昇によって徐々に緩和されるため、加減弁弁体105とスリーブ106の内面との間隙に変化が生じ易く間隙値の寸法管理が困難である。
溶射の場合、溶射皮膜とスリーブ106との密着性が溶接に比べて劣るため耐衝撃性や耐摩耗性が低下する。また、溶射するための装置の制限により内径の小さなスリーブの内面への施工は、それ自体が困難である。
メッキの場合、施工に伴って対象物の形状に制限がなく比較的安価に施工することができるが、溶接や溶射に比べ密着性が更に劣るため、耐衝撃性や耐摩耗性がより低下する。
それに対し本発明では、Ni合金又はCo合金等の酸化スケール生成を抑制する材質を用いたブッシュを別部材としてスリーブの摺動部に組み込むことにより、上記のような溶射やメッキ等の密着性や溶接による残留応力等の技術的課題を解決している。各部品の寸法管理に際し、ブッシュ及びスリーブ、並びにブッシュ及び加減弁弁体のみの取合寸法に対して運転時の熱伸びを考慮すれば足りることも設計上の大きなメリットである。また、単にスリーブの内側にNi合金やCo合金のブッシュを設けるだけの簡素な構成であるため、既存の加減弁弁体及び加減弁スタンドをそのまま使用しながら、耐衝撃性、耐摩耗性及び耐酸化性を向上させることが可能である。
なお、以上において、リング109aの固定方法をカシメ構造とした場合を例に挙げて説明したが、カシメ構造では交換時にカシメ溝を追い込み加工することが必要となるため、スリーブ107a及びブッシュ108aの軸方向長さがブッシュ交換の度にカシメ溝加工分短縮される。これを解消するため、リング109aとスリーブ107aとの固定方法をボルト締め方式又はピン止め方式に変更することも考えられる。この場合、ボルトやピンにカシメや溶接等を施工して、抜け止め防止対策を実施する必要がある。
本発明の一実施の形態に係る蒸気加減弁の要部構成を表す断面図である。 図1中のA部を拡大して模式的に表す分解斜視図である。 一般的な蒸気加減弁の要部構成を比較例として表す断面図である。
符号の説明
105 加減弁弁体
107a スリーブ
108a ブッシュ
109a リング
109b 爪
110 開口
111 子弁弁体
200 蒸気流路

Claims (7)

  1. 蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気加減弁において、
    スリーブと、
    このスリーブ内に挿入されて前記スリーブに対し進退して前記蒸気タービンへの蒸気流路の開度を調整する加減弁弁体と、
    この加減弁弁体と対向する前記スリーブの内周面に取り付けられ、ニッケル合金又はコバルト合金で形成されたブッシュと
    を備えたことを特徴とする蒸気加減弁。
  2. 蒸気タービンに供給される蒸気の流量を制御する蒸気加減弁において、
    スリーブと、
    このスリーブ内に挿入されて前記スリーブに対し進退して前記蒸気タービンへの蒸気流路の開度を調整するものであって、別途前記蒸気流路に連通するバイパス通路を有する加減弁弁体と、
    この加減弁弁体内に挿入されて前記加減弁弁体に対し進退して前記バイパス通路を開閉する子弁弁体と、
    前記加減弁弁体と対向する前記スリーブの内周面に取り付けられ、ニッケル合金又はコバルト合金で形成されたブッシュと
    を備えたことを特徴とする蒸気加減弁。
  3. 請求項1又は2の蒸気加減弁において、前記ブッシュが前記スリーブに対して着脱可能であることを特徴とする蒸気加減弁。
  4. 請求項1又は2の蒸気加減弁において、前記ブッシュと前記スリーブとを係止して前記ブッシュを前記スリーブに対して固定するリングを有することを特徴とする蒸気加減弁。
  5. 請求項4の蒸気加減弁において、前記リングは、前記スリーブ又は前記ブッシュに対してカシメ又はボルト締めによって固定されていることを特徴とする蒸気加減弁。
  6. 請求項4の蒸気加減弁において、前記リングは、前記ブッシュと前記スリーブとを係止するキーの役割を果たす爪を有していることを特徴とする蒸気加減弁。
  7. 請求項1又は2の蒸気加減弁において、前記スリーブは、外形が前記加減弁弁体の進退方向に沿って伸びるストレート形状に形成されていることを特徴とする蒸気加減弁。
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