JP2007238756A - 水性インキの成分調整方法および同装置 - Google Patents

水性インキの成分調整方法および同装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を、容易かつ適正に所定の設定状態付近に調整することができる水性インキの成分調整方法および同装置を提供する。
【解決手段】アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を所定の設定状態付近に保つための成分調整装置であって、調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第1物理量を測定する第1物理量測定手段18と、上記調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第2物理量を測定する第2物理量測定手段17と、第1物理量および上記第2物理量の上記設定状態に対する変化量から上記調整対象の水性インキの、アルコールと水との蒸発量を演算する演算手段4と、各蒸発量に等しい量のアルコールと水とを上記調整対象の水性インキに添加する添加手段15,16とを備えるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、グラビア印刷等に使用される水性インキの、印刷作業時における成分比率を所定の設定状態付近に保つための成分調整方法および同装置に関する。
一般的な印刷用インキの主成分は、顔料等の着色剤と、合成樹脂等のバインダと、揮発性成分とからなる。この揮発性成分は印刷の乾燥工程で除去される。
従来、揮発性成分として有機溶剤を用いたインキが広く用いられていたが、近年、環境への配慮から、有機溶剤に代えて水を主成分とした水性インキが多用されつつある。
グラビア印刷等に用いられる水性インキの揮発性成分は完全水性が理想であるが、プラスチックフィルムへの濡れ性、乾燥性、印刷効果等を考慮して、通常はアルコール水溶液が用いられる。
このようなアルコール水溶液を含む水性インキを用いて印刷する場合、印刷中にインキ中の揮発性成分が蒸発してインキ成分比が変化する。特に、揮発成分であるアルコールと水との蒸発速度の違いにより、インキ成分比のバランスが崩れることが問題となる。従って、長時間に亘って安定した印刷効果を得るためには、適宜成分調整を行って、常に所定の設定状態(例えば初期状態や予め設定された調整目標の状態など)付近に保つ必要がある。揮発性成分、特にアルコール成分の比率が低下するとプラスチックフィルムへの濡れ性が低下したり乾燥速度が低下したりするからである。
このような課題に対し、例えば特許文献1には、水性インキの導電率と粘度とを一定に保つことによってアルコール濃度を一定に保つようにしたものが示されている。
特開2003−191440号公報
しかしながら、上記特許文献1には、導電率が変化すると、それを初期状態に保つように「常に適正量のアルコールおよび水が添加され」、しかも同時に「アルコールおよび水の添加量は、粘度が一定に保たれるように、前記添加量データに反映される」と記載されているのみで、導電率と粘度の双方を一定に保つために如何にして「適正量」のアルコールや水を添加するかについては全く開示されていない。
アルコールや水を適正量添加することは、実際には容易ではない。仮にアルコールと水との蒸発比率が一定であれば、その比率に応じた所定濃度のアルコール水溶液を添加することにより、比較的容易に適正量の添加が可能である。しかし実際にはその蒸発比率が必ずしも一定ではなく、状況によって変化する。従って、添加するアルコール水溶液の濃度を予め決めておくような方法では適正量の添加を行い難い。
そこで、アルコールと水とを別々に適宜量添加することも一案ではあるが、アルコールも水も、その添加によって導電率と粘度の双方に影響を与えるので、この方法も容易ではない。例えば、先にアルコールを添加して導電率を設定状態に合わせ、次に水を添加して粘度を設定状態に合わせようとしても、後から添加した水によって先に合わせた導電率が変化してしまう。順序を逆にしても同様である。
本発明は、かかる事情に鑑み、アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を、容易かつ適正に所定の設定状態付近に調整することができる水性インキの成分調整方法および同装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を所定の設定状態付近に保つための成分調整方法であって、調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第1物理量と第2物理量とを測定し、上記第1物理量および上記第2物理量の上記設定状態に対する変化量から上記調整対象の水性インキの、アルコールと水との各蒸発量を演算し、上記各蒸発量に等しい量のアルコールと水とを上記調整対象の水性インキに添加することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を所定の設定状態付近に保つための成分調整装置であって、調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第1物理量を測定する第1物理量測定手段と、上記調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第2物理量を測定する第2物理量測定手段と、上記第1物理量および上記第2物理量の上記設定状態に対する変化量から上記調整対象の水性インキの、アルコールと水との蒸発量を演算する演算手段と、上記各蒸発量に等しい量のアルコールと水とを上記調整対象の水性インキに添加する添加手段とを備えることを特徴とする。
なお請求項1および請求項2において、第1物理量や第2物理量の測定に際しては、直接それらの物性を測定しても良いし、それらの代用特性を測定することによって間接的に測定しても良い。
またこれらの請求項において、水やアルコールの添加に際し、必ずしも純粋なもの(純水あるいは濃度100%のアルコール)を添加する必要はなく、これらの混合物(適宜濃度のアルコール水溶液)を添加しても良い。つまり結果的に水蒸発量に等しい量の水とアルコール蒸発量に等しい量のアルコールとが添加されているようにすれば良い。特に濃度100%のアルコールをインキに添加すると、ショックでゲル化する場合があるので、アルコールは濃度90%以下の水溶液として添加することが望ましい。
請求項3に係る発明は、請求項2記載の水性インキの成分調整装置において、上記演算手段は、上記第1物理量の上記設定状態からの変化から一義的に求められる第1変化量を、水蒸発量とアルコール蒸発量とを変数として表した第1方程式と、上記第2物理量の上記設定状態からの変化から一義的に求められる第2変化量を、水蒸発量とアルコール蒸発量とを変数として表した第2方程式との連立方程式の解を求めることによって上記各蒸発量を算出することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3記載の水性インキの成分調整装置において、上記第1変化量および上記第2変化量は、それぞれ、上記設定状態から任意量のアルコールおよび任意量の水が蒸発した蒸発点の水性インキを所定濃度のアルコール水溶液からなる希釈剤で希釈するとき、希釈のカット率に比例するものであり、その比例定数が上記希釈剤のアルコール濃度の一次関数となっていることを特徴とする。
なおカット率とは、非希釈状態のインキを希釈するときの希釈度合を示す値であって、(カット率)=(希釈剤の質量)/(非希釈状態のインキ質量)で表される値である。
請求項5に係る発明は、請求項4記載の水性インキの成分調整装置において、上記第1変化量および上記第2変化量は、上記一次関数の勾配が、互いに正負逆勾配であるものであることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項2乃至5の何れか1項に記載の水性インキの成分調整装置において、上記第1物理量測定手段または上記第2物理量測定手段が、上記調整対象の水性インキの導電率を測定する導電率測定手段であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項2乃至6の何れか1項に記載の水性インキの成分調整装置において、上記第1物理量測定手段または上記第2物理量測定手段が、上記調整対象の水性インキの粘度を測定する粘度測定手段であることを特徴とする。
なお、当該請求項において請求項6を引用する場合は、第1物理量測定手段と第2物理量測定手段の何れか一方が導電率測定手段であり、他方が粘度測定手段となる。
請求項8に係る発明は、請求項7記載の水性インキの成分調整装置において、上記粘度測定手段は、上記調整対象の水性インキを循環させるダイアフラムポンプと、上記ダイアフラムポンプの脈動数を測定する脈動数測定手段とを備えていることを特徴とする。
なお、脈動数とは単位時間(例えば1分)当たりの脈動回数を指す。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載の水性インキの成分調整装置において、上記添加手段は、比較的高濃度のアルコール水溶液を貯溜する高濃度タンクと、上記高濃度タンク内のアルコール水溶液よりも低濃度のアルコール水溶液ないしは水を貯溜する低濃度タンクとを含み、上記高濃度タンクからのアルコール水溶液と上記低濃度タンクからのアルコール水溶液とを適宜割合で添加することにより、必要な量のアルコールと水とを添加するものであり、上記演算手段は、必要なアルコール添加量と水添加量とに相当する、上記高濃度タンクからの添加量と上記低濃度タンクからの添加量とを独立して算出するものであることを特徴とする。
ここで適宜割合とは、一方の添加量が0である場合も含む。つまり、高濃度タンク内からのみ、または低濃度タンク内からのみ添加する場合を含む。
請求項1および請求項2の発明によると、以下に述べるように、アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を、容易かつ適正に所定の設定状態付近に調整することができる。
これらの発明の構成によれば、第1物理量と第2物理量とを測定し、その設定状態に対する変化量からアルコール蒸発量と水蒸発量とを演算し、その各蒸発量に等しい量のアルコールと水とを調整対象の水性インキに添加する。従って、水性インキ中のアルコールおよび水の成分比率を容易に蒸発前の状態、すなわち設定状態となすことができる。
各添加量は、各蒸発量の演算結果に基いて決定されるので、実際の添加は別々(一方の添加が完了した後に他方の添加を開始する)に行っても略同時(両方の添加を同時に開始する、ないしは少なくとも一方の添加が完了しないうちに他方の添加を開始する)に行っても良い。一方の添加が他方の添加量の決定に影響を及ぼさないからである。
しかし略同時に添加する方が、インキの成分比率の時間的ムラを抑制することができるので望ましい。さらに流動させながら略同時に添加する場合には、加えて空間的ムラも抑制することができる。
請求項3の発明によると、第1物理量と第2物理量の変化から一義的に求められる第1変化量と第2変化量を、第1方程式および第2方程式に代入し、これらの連立方程式を解くことによって容易にアルコール蒸発量および水蒸発量を求めることができる。また、アルコール蒸発量と水蒸発量という2つの未知数に対し、異なる連立方程式を2つ立てているので、特殊な場合を除いて一義的な解を得ることができる。従って、高い確度でアルコール及び水の蒸発量を求めることができる。
請求項4の発明によると、第1方程式および第2方程式を、簡単な二元一次方程式で表すことができるので、演算手段が簡単な演算処理でその連立方程式を解くことができ、容易にアルコール及び水の蒸発量を求めることができる。
請求項5の発明によると、このように一次関数の勾配を正負逆勾配とすることにより、グラフ化したときに第1方程式の直線と第2方程式の直線とが平行に近い状態となることが起こり難く、実用面において方程式の解の精度を高めることができる。
請求項6の発明によると、導電率測定手段として、周知の導電率計(電気伝導度計)等を用いることにより、容易かつ低コストで導電率を測定することができる。
請求項7の発明によると、粘度測定手段として、周知の粘度計等を用いることにより、容易かつ低コストで粘度を測定することができる。
請求項8の発明によると、水性インキを循環させるダイアフラムポンプを粘度の測定にも併用することにより、簡単で低コストな装置とすることができる。インキの粘度とダイアフラムポンプの脈動数との間には特定の相関関係があるので、予めその特性を調べ、粘度測定手段に記憶させておくことにより、脈動数測定手段でダイアフラムポンプの単位時間当たりの脈動数を測定するだけで、容易にインキの粘度を測定することができる。
請求項9の発明によると、高濃度タンクと低濃度タンクとからそれぞれ適宜量のアルコール水溶液を添加することにより、結果的に各タンクのアルコール濃度の間の範囲で任意濃度のアルコール水溶液を、任意量添加することができる(最高濃度は高濃度タンクのみから添加した場合、最低濃度は低濃度タンクのみから添加した場合)。つまり容易に必要な量の水とアルコールとを、インキに変質等の影響を与えないようにしつつ容易に添加することができる。
また請求項3を引用する場合、第1方程式および第2方程式を、高濃度アルコール水溶液の蒸発量および低濃度アルコール水溶液の蒸発量を変数とする形に変形することにより、各タンク内のアルコール水溶液の濃度が不明、或いは蒸発によって任意に変化した場合であっても、各蒸発量(添加量)を算出することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る水性インキの成分調整装置の概略構成図である。アルコール水溶液を含む水性インキ(以下単にインキともいう)を貯溜するインキタンク6は図外の印刷機の一部である。この印刷機は、インキタンク6に貯溜されたインキを適宜少量ずつ図外の印刷部に供給し、印刷するように構成されている。
図1に示す水性インキの成分調整装置は、上記印刷機の印刷作業中においても、併行してインキの成分調整を適正に行うことができる装置である。インキタンク6と、インキを循環させるダイアフラムポンプ1の吸入口とが吸込ホース7,8を介して接続されている。またインキの導電率(第1物理量)を測定する測定室2とダイアフラムポンプ1の吐出口とが吐出ホース9を介して接続されている。そして測定室2とインキタンク6とが吐出ホース10、11を介して接続されている。吐出ホース10と吐出ホース11との接続部には切替弁5が設けられている。また吸込ホース7と吸込ホース8との接続部と、切替弁5とが閉回路ホース12を介して接続されている。
切替弁5は、吐出ホース10と吐出ホース11とを連通させる状態と、吐出ホース10と閉回路ホース12とを連通させる状態とに切替可能となっている。従って、切替弁5が吐出ホース10と吐出ホース11とを連通させる方向に切替えられているときには、ダイアフラムポンプ1→吐出ホース9→測定室2→吐出ホース10→切替弁5→吐出ホース11→インキタンク6→吸込ホース7,8→ダイアフラムポンプ1という開回路31が形成される。一方、切替弁5が吐出ホース10と閉回路ホース12とを連通させる方向に切替えられているときには、ダイアフラムポンプ1→吐出ホース9→測定室2→吐出ホース10→切替弁5→閉回路ホース12→吸込ホース8→ダイアフラムポンプ1という閉回路32が形成される。閉回路32は、小体積のインキをインキタンク6から切り離して測定室2の周囲を循環させる回路である。
吸込ホース8には、図外の電磁弁や逆止弁等を介して高濃度タンク15と低濃度タンク16とが接続されている。高濃度タンク15には、比較的高濃度(濃度n)のアルコール水溶液が貯溜されている。低濃度タンク16には、濃度nよりも低濃度(濃度n)のアルコール水溶液が貯溜されている。濃度nおよび濃度nは、0%≦n<n≦90%であるように設定されている。各タンク15,16は、上記電磁弁を開けることにより、その開弁時間に応じた量のアルコール水溶液を、それぞれ独立に吸込ホース8中のインキに添加するように構成されている。
ダイアフラムポンプ1は周知の機器なので詳細構造は省略するが、エアー(圧縮空気)を動力源としてダイアフラムを脈動させることによりインキを循環させるポンプである。ダイアフラムポンプ1の脈動に伴って大きな圧力変動がある場所(例えば図外のエアー室)に圧力センサ17が設けられている。圧力センサ17は、圧力変動を検知することによってダイアフラムポンプ1の脈動を検出する。具体的には、圧力センサ17に図外のパルス発生手段が設けられており、これがダイアフラムポンプ1が脈動する毎にパルス信号を発生させる。
測定室2には、循環するインキの温度を測定する温度センサ19が設けられるとともに、その温度を調節するための温度調節器3が併設されている。また測定室2にはインキの導電率を測定する導電率センサ18が設けられている。
当該成分調整装置の適所に、演算制御部4(演算手段)が設けられている。演算制御部4はマイクロプロセッサ(CPU)を含む電気回路からなり、圧力センサ17、導電率センサ18および温度センサ19からの信号を含む入力信号を受け、切替弁5の切替えや温度調節器3の作動の制御を行うとともに、所定の演算処理を行って高濃度タンク15や低濃度タンク16に設けられた電磁弁の開閉等を制御する。
具体的には、演算制御部4は、ダイアフラムポンプ1の作動中、必要に応じて切替弁5を開回路31側と閉回路32側とに切替え、その切替えられた回路にインキを循環させる。さらに演算制御部4は、切替弁5が閉回路32側に切替えられているときには、温度センサ19からの検出信号に基いて温度調節器3をフィードバック制御し、閉回路32を流れるインキの温度を所定の一定温度に保つ。
また演算制御部4は、次のようにしてインキの粘度(第2物理量)を算出する。圧力センサ17が発生させた上記パルス信号(ダイアフラムポンプ1の脈動1回当たり1パルス)が演算制御部4に入力される。演算制御部4は、そのパルスの時間間隔をCPUのクロック機能によって測定することによって、単位時間(例えば1分)当たりの脈動回数、すなわち脈動数を計測する。脈動数は、一般的にインキの粘度が低いほど多くなる。演算制御部4には、予めインキの粘度と脈動数との関係(換算式または換算用のマップ等)が記憶されており、計測された脈動数に基いて粘度を求めることができる。このようにダイアフラムポンプ1、圧力センサ17および演算制御部4は、第2物理量としての粘度を測定する第2物理量測定手段を構成する。
また演算制御部4は、ダイアフラムポンプ1の脈動数に基いて、開回路31または閉回路32に循環するインキの単位時間当たりの流量(以下単に流量というときは、この単位時間当たりの流量を指す)を計測する。ダイアフラムポンプ1の脈動数が多いほど流量が多くなる。演算制御部4には、予めインキの流量と脈動数との関係(換算式または換算用のマップ等)が記憶されており、計測された脈動数に基いて流量を求めることができる。
さらに演算制御部4は、インキの導電率(第1物理量)と粘度(第2物理量)の変化に基き、所定の設定状態(例えば印刷の初期状態、または予め設定された調整目標の状態等)からのアルコールおよび水の各蒸発量を算出する(算出方法の詳細については後述する)。そして、それらの蒸発量に等しい量に相当するアルコール水溶液が高濃度タンク15および低濃度タンク16から同時に吸込ホース8中のインキに添加されるように、各タンク15,16の開閉弁を開弁させる。
次に、演算制御部4で行われる水蒸発量およびアルコール蒸発量の算出方法について、その原理を説明する。
図2はインキの希釈特性を示す図であり、(a)は希釈度合(カット率B)と導電率Cとの関係、(b)は(a)に示す特性における、希釈剤(アルコール水溶液)のアルコール濃度Nと、特性の勾配αとの関係を示す。
図2(a)は、横軸に希釈度合としてインキのカット率Bを示す。カット率BはB=(希釈剤の質量)/(非希釈状態のインキ質量)で表される値である。カット率Bは設定点(設定状態)のカット率、カット率Bは蒸発点のカット率である。蒸発点とは、設定点のインキから、アルコールと水とがそれぞれ任意量蒸発した後のインキの状態である。図2(a)の縦軸には、導電率Cの逆数、すなわち1/(導電率C)を示す。導電率Cは設定点の導電率、導電率Cは蒸発点の導電率である。
したがって図2(a)に示す特性は、蒸発点(B,1/C)を基準に見ると、その蒸発点にあるインキに希釈剤を添加したときのカット率Bと1/(導電率C)との関係を表すものとなっている。実線で示される特性Tは設定点(B,1/C)を通っている。これは蒸発点にあるインキに希釈剤を添加することにより設定点のインキに調整することができることを示している。
ところで、特性Tの比例定数(勾配α)は、添加する希釈剤のアルコール濃度Nによって変化する。特性Tを示す希釈剤のアルコール濃度を濃度Nとすると、破線で示す特性T’は、アルコール濃度Nよりも低濃度の希釈剤を用いた場合であり、その勾配は勾配αよりも小さくなっている。逆に破線で示す特性(T’’)は、アルコール濃度Nよりも高濃度の希釈剤を用いた場合であり、その勾配は勾配αよりも大きくなっている。このように勾配αは、希釈剤のアルコール濃度Nが高いほど大きくなる(矢印A6参照)。
また特性T’では、(1/導電率C)が設定点の(1/導電率C)に等しいときのカット率B’が設定点のカット率Bよりも大きくなっている。これは希釈剤の添加量が特性Tの場合よりも多いことを示している。逆に特性T’’では、(1/導電率C)が設定点の(1/導電率C)に等しいときのカット率B’’が設定点のカット率Bよりも小さくなっている。これは希釈剤の添加量が特性Tの場合よりも少ないことを示している。
なお、上記のことから、蒸発点にあるインキに希釈剤を加えたとき、比較的低濃度の希釈剤を比較的多量に加えても(特性T’)、比較的高濃度の希釈剤を比較的少量加えても(特性T’’)、設定点に等しい(1/導電率C)とすることができることがわかる。換言すれば、蒸発点から設定点に調整する目的で希釈剤(アルコール水溶液)を添加する場合、単に導電率Cのみを設定点のCに合わせる方法を採ると、希釈剤のアルコール濃度Nと希釈剤の量との組み合わせが何通りも(理論的には無限に)存在することになる。従って、そのような単純な方法では、確実に設定点に調整できることが保証されない。
図2(b)は、図2(a)に示す特性Tの、希釈剤のアルコール濃度Nと勾配αとの関係を示す図である。特性Fに示すように、勾配αとアルコール濃度Nとは一次関数(α=β・N+γ)の関係にあって、アルコール濃度N=Nのとき勾配α=αとなっている。またこの一次関数の勾配βの符号は正である(β>0)。
以上のことから、次の各式を導くことができる。
Δ(1/C)=α・(ΔB) ・・・(式1)
但し ΔB=(Δw+Δh)/M ・・・(式2)
α=β・N+γ ・・・(式3)
但しN=Δh/(Δw+Δh) ・・・(式4)
ここで、Δ(1/C)は希釈剤を添加したことによる1/(導電率C)の増分(第1変化量)、ΔBは希釈剤を添加したことによるカット率Bの増分、Δwは添加した希釈剤中の水の質量、Δhは添加した希釈剤中のアルコールの質量である。設定点から蒸発点への変化という視点から見れば、Δwは設定点から蒸発した水の質量、Δhは設定点から蒸発したアルコールの質量である。Mは調整対象のインキに含まれる、非希釈状態のインキに相当する質量である。
さらに(式1)〜(式4)から、次の各式を導くことができる。
Δ(1/C)=b11・Δh+b12・Δw ・・・(式5:第1方程式)
但しb11(定数)=(β+γ)/M ・・・(式6)
12(定数)=γ/M ・・・(式7)
なお、質量Mが一定であれば、定数b11及びb12はインキに固有の定数となる。
一方、図3はインキの希釈特性を示す図であり、(a)はカット率Bと粘度V(第2物理量)との関係、(b)は(a)に示す特性における、希釈剤(アルコール水溶液)のアルコール濃度Nと、特性の勾配αとの関係を示す。
図3(a)は、横軸に希釈度合としてインキのカット率Bを示す。カット率Bは設定点のカット率、カット率Bは蒸発点のカット率である。図3(a)の縦軸には、粘度Vの逆数、すなわち1/(粘度V)を示す。粘度Vは設定点の粘度、粘度Vは蒸発点の粘度である。
したがって図3(a)に示す特性は、蒸発点(B,1/V)を基準に見ると、その蒸発点にあるインキに希釈剤を添加したときのカット率Bと1/(粘度V)との関係を表すものとなっている。実線で示される特性Tは設定点(B,1/V)を通っている。これは蒸発点にあるインキに希釈剤を添加することにより設定点のインキに調整することができることを示している。
ところで、特性Tの比例定数(勾配α)は、添加する希釈剤のアルコール濃度Nによって変化する。特性Tを示す希釈剤のアルコール濃度を濃度Nとすると、破線で示す特性T’は、アルコール濃度Nよりも低濃度の希釈剤を用いた場合であり、その勾配は勾配αよりも大きくなっている。逆に破線で示す特性(T’’)は、アルコール濃度Nよりも高濃度の希釈剤を用いた場合であり、その勾配は勾配αよりも小さくなっている。このように勾配αは、希釈剤のアルコール濃度Nが高いほど小さくなっている(矢印A7参照)。
また特性T’では、(1/粘度V)が設定点の(1/粘度V)に等しいときのカット率B’が設定点のカット率Bよりも小さくなっている。これは希釈剤の添加量が特性Tの場合よりも少ないことを示している。逆に特性T’’では、(1/粘度V)が設定点の(1/粘度V)に等しいときのカット率B’’が設定点のカット率Bよりも大きくなっている。これは希釈剤の添加量が特性Tの場合よりも多いことを示している。
なお、上記のことから、蒸発点にあるインキに希釈剤を加えたとき、比較的低濃度の希釈剤を比較的少量加えても(特性T’)、比較的高濃度の希釈剤を比較的多量に加えても(特性T’’)、設定点に等しい(1/粘度V)とすることができることがわかる。換言すれば、蒸発点から設定点に調整する目的で希釈剤(アルコール水溶液)を添加する場合、単に粘度Vのみを設定点のVに合わせる方法を採ると、希釈剤のアルコール濃度Nと希釈剤の量との組み合わせが何通りも(理論的には無限に)存在することになる。従って、そのような単純な方法では、確実に設定点に調整できることが保証されない。
図3(b)は、図3(a)に示す特性Tの、希釈剤のアルコール濃度Nと勾配α’との関係を示す図である。特性Fに示すように、勾配α’とアルコール濃度Nとは一次関数(α’=β・N+γ)の関係にあって、アルコール濃度N=Nのとき勾配α’=αとなっている。またこの一次関数の勾配βの符号は負である(β<0)。
以上のことから、次の各式を導くことができる。
Δ(1/V)=α’・(ΔB) ・・・(式11)
α’=β・N+γ ・・・(式12)
ここで、Δ(1/V)は希釈剤を添加したことによる1/(粘度V)の増分(第2変化量)を示す。
さらに(式2)、(式4)、(式11)および(式12)から、次の各式を導くことができる。
Δ(1/V)=b21・Δh+b22・Δw ・・・(式13:第2方程式)
但しb21(定数)=(β+γ)/M ・・・(式14)
22(定数)=γ/M ・・・(式15)
なお、質量Mが一定であれば、定数b21及びb22はインキに固有の定数となる。
上記第1方程式(式5)と第2方程式(式13)との連立方程式を解くと、次の各式(連立方程式の解)が得られる。
Δh=(b22・Δ(1/C)−b12・Δ(1/V))/Φ ・・・(式21)
Δw=(−b21・Δ(1/C)+b11・Δ(1/V))/Φ ・・・(式22)
但しΦ(定数)=b11・b22−b12・b21 ・・・(式23)
(式21)〜(式23)からわかるように、予め各定数b11、b12、b21およびb22を求めておけば、Δ(1/C)とΔ(1/V)とを測定することにより、設定点から蒸発したアルコールの質量Δhと設定点から蒸発した水の質量Δwとを独立して算出することができる。
図4は、図2(b)と図3(b)とを重ね合わせた図である。但し勾配αと勾配αとが縦軸上の同位置となるように縦軸αおよびα’の尺度を適宜調節した上で重ね合わせてある。この図を参照して一次関数Fの勾配βと一次関数Fの勾配βとを互いに正負逆勾配としたことの効果について説明する。
図4に示すように、一次関数Fと一次関数Fとが一点、すなわち設定点(N,α)で交わっている。インキの成分比率を設定点に保つということは、インキ中のアルコールおよび水が蒸発してアルコール濃度NがNから例えばNに変化して蒸発点となったとき、そのアルコール濃度Nの変化量ΔNを相殺する方向にアルコールおよび水を添加することに他ならない。従って、実用的には、一次関数Fと一次関数Fとの交点(目標となる設定点)の精度が高いことが望ましい。そのためには、一次関数Fと一次関数Fとが平行に近い特性ではないことが望ましい。一次関数Fと一次関数Fとが平行に近い特性だと、演算過程で0に近い小さな値で除することが起こり易く、実用的な精度が低下するからである。その点、当実施形態では一次関数の勾配βとβとを互いに正負逆勾配としているので、そのような事態が起こり難い。従って、(式21)、(式22)で示される方程式の解の実用的な精度を高めることができる。
以上が原理説明であるが、このように、(式21)、(式22)によって、設定点から蒸発したアルコールの質量Δhと設定点から蒸発した水の質量Δwとが独立して算出されるので、調整にあたっては、アルコール蒸発量Δhに等しい量のアルコールと水蒸発量Δwに等しい量の水とを添加すれば良い。
しかし当実施形態では、直接的には高濃度タンク15および低濃度タンク16からアルコール水溶液が添加される。低濃度タンク16の濃度nは0%(すなわち水)を採り得るが、高濃度タンク15の濃度nは上述したようにインキの変質を防止するために90%以下とする必要がある。そこで当実施形態では、上記(式5)〜(式22)を次のように変形することにより、より簡便に必要量のアルコールと水とを添加する方法を採っている。
上記原理説明において、蒸発点は設定点からアルコールがΔh、水がΔwだけ蒸発したものであると考えたが、これを、高濃度nのアルコール水溶液がΔQ、低濃度nのアルコール水溶液がΔQだけ蒸発したものと考える。すなわち次の各式のように考える。
Δh=n・ΔQ+n・ΔQ ・・・(式31)
Δw=(1−n)・ΔQ+(1−n)・ΔQ ・・・(式32)
そして(式31)、(式32)をそれぞれ(式5)、(式13)に代入することにより次の各式を得る。
Δ(1/C)=a11・ΔQ+a12・ΔQ ・・・(式33)
Δ(1/V)=a21・ΔQ+a22・ΔQ ・・・(式34)
但しa11(定数)=b11・n+b12・(1−n) ・・・(式35)
12(定数)=b11・n+b12・(1−n) ・・・(式36)
21(定数)=b21・n+b22・(1−n) ・・・(式37)
22(定数)=b21・n+b22・(1−n) ・・・(式38)
さらに、(式33)と(式34)との連立方式を解くと、次の各式(連立方程式の解)が得られる。
ΔQ=(a22・Δ(1/C)−a12・Δ(1/V))/Φ ・・・(式41)
ΔQ=(−a21・Δ(1/C)+a11・Δ(1/V))/Φ ・・・(式42)
但しΦ(定数)=a11・a22−a12・a21 ・・・(式43)
(式41)〜(式43)からわかるように、予め各定数a11、a12、a21およびa22を求めておけば、Δ(1/C)とΔ(1/V)とを測定することにより、設定点から蒸発した(と考えた)濃度nのアルコール水溶液の質量ΔQと濃度nのアルコール水溶液の質量ΔQとを独立して算出することができる。
そこで調整にあたっては、高濃度タンク15から質量ΔQの高濃度アルコール水溶液を、低濃度タンク16から質量ΔQの低濃度アルコールを、それぞれ添加すれば良い。
なお、仮に濃度n=濃度nであったとすると、(式35)〜(式38)から、a11=a12、a21=a22となる。従って、(式43)からΦ=0となる。この場合、(式41)、(式42)から明らかなように、方程式が一義的な解を持たない。つまり各蒸発量ΔQ、ΔQを独立的に算出することができない。当実施形態では濃度n>濃度nとしているので、このような事態が起こらず、高い確度で解(各蒸発量ΔQ、ΔQ)を求めることができる。
図5は、当該装置の演算制御部4によるインキ成分調整制御の概略フローチャートである。次に、このフローチャートを参照しつつ当該インキ成分調整装置の動作について説明する。図5に示すフローチャートは、インキに固有の定数(a11,a12,a21,a22)が未知のインキを用い、印刷の初期状態を設定点とする場合のものである。なおこの制御は、インキタンク6を含む印刷機の動作と併行して行われる。
このフローがスタートすると、まずステップS1で、切替弁5が開回路31側に切替えられる。これによりインキがインキタンク6を含む開回路31内を循環し、均質化される。
次にステップS3で、切替弁5が閉回路32側に切替えられ、温度調節器3が作動させられる。これによって、閉回路32内のインキの温度が一定(例えば20℃)に保たれる。
次にステップS5で、初期状態の導電率Cおよび粘度Vが測定される。具体的には、導電率センサ18によって測定室2内のインキの導電率Cが測定され、圧力センサ17からの信号に基くダイアフラムポンプ1の脈動数から、循環するインキの粘度Vが測定される。これらの導電率C、粘度Vが設定点の値として演算制御部4の記憶部に保存される。
次にステップS7で、演算制御部4が図外の電磁弁を開き、低濃度タンク16および高濃度タンク15から吸込ホース8内にそれぞれ所定量(ΔQ11およびΔQ22)のアルコール水溶液を添加する。そしてその添加によって変化した後の導電率C、Cおよび粘度V、Vを測定する。さらにその測定結果から、インキに固有の定数(a11,a12,a21,a22)を算出する。具体的には次の手順による。
演算制御部4は、まず高濃度タンク15の電磁弁を開き、吸込ホース8内に高濃度nのアルコール水溶液をΔQ11だけ添加する。そしてその添加後の導電率Cおよび粘度Vを測定する。演算制御部4は、その値と設定値による第1変化量Δ(1/C)と第2変化量Δ(1/V)とを次の各式により求める。
Δ(1/C)=1/C−1/C ・・・(式51)
Δ(1/V)=1/V−1/V ・・・(式52)
そして演算制御部4は、(式33)のΔ(1/C)にΔ(1/C)を、ΔQにΔQ11を、ΔQに0を代入することにより、定数a11=Δ(1/C)/ΔQ11を求め、これを記憶する。
同様に、演算制御部4は、(式34)のΔ(1/V)にΔ(1/V)を、ΔQにΔQ11を、ΔQに0を代入することにより、定数a21=Δ(1/V)/ΔQ11を求め、これを記憶する。
次に演算制御部4は、低濃度タンク16の電磁弁を開き、吸込ホース8内に低濃度nのアルコール水溶液をΔQ22だけ添加する。そしてその添加後の導電率Cおよび粘度Vを測定する。演算制御部4は、第1変化量Δ(1/C)と第2変化量Δ(1/V)とを次の各式により求める。
Δ(1/C)=1/C−1/C ・・・(式53)
Δ(1/V)=1/V−1/V ・・・(式54)
次に演算制御部4は、(式33)のΔ(1/C)にΔ(1/C)を、ΔQに0を、ΔQにΔQ22を代入することにより、定数a12=Δ(1/C)/ΔQ22を求め、これを記憶する。
同様に、演算制御部4は、(式34)のΔ(1/V)にΔ(1/V)を、ΔQに0を、ΔQにΔQ22を代入することにより、定数a22=Δ(1/V)/ΔQ22を求め、これを記憶する。
次にステップS9で、切替弁5が開回路31側に切替えられる。これによって、吸込ホース8、吐出ホース9、吐出ホース10(閉回路32に相当する経路)にインキタンク6からの新鮮なインキが導かれる。
次にステップS11で、所定時間が経過したか否かの判定が行われる。この所定時間は、成分調整を行うインターバル期間として予め設定されている時間である。ステップS11でNOと判定されれば待機し、YESと判定されれば次のステップに進む。このとき、印刷に伴う開回路31の循環によって、インキからはある程度のアルコールおよび水が蒸発している。すなわちインキは蒸発点のインキとなっている。
次にステップS13で切替弁5が閉回路32側に切替えられ、温度調節器3が作動させられる。これによって、閉回路32内のインキの温度が一定(例えば20℃)に保たれる。
次にステップS15で、蒸発点の導電率Cおよび粘度Vが測定される。具体的には、導電率センサ18によって測定室2内のインキの導電率Cが測定され、圧力センサ17からの信号に基くダイアフラムポンプ1の脈動数から、循環するインキの粘度Vが測定される。
次のステップS17で、閉回路32の容積に相当する量のインキに対するアルコール蒸発量Δhおよび水蒸発量Δwが求められる。これらの値は、具体的には、高濃度nのアルコール水溶液の蒸発量ΔQ、低濃度nのアルコール水溶液の蒸発量ΔQとして求められる。まずステップS15で測定された蒸発点の導電率C、粘度Vと、ステップS5で測定された設定点の導電率C、粘度Vとから第1変化量Δ(1/C)と第2変化量Δ(1/V)とが次の各式により求められる。
Δ(1/C)=1/C−1/C ・・・(式55)
Δ(1/V)=1/V−1/V ・・・(式56)
そして(式41)〜(式43)のΔ(1/C)にΔ(1/C)を、Δ(1/V)にΔ(1/V)をそれぞれ代入し、a11〜a22にステップS7で求められた値を代入することにより、アルコール蒸発量Δhおよび水蒸発量Δwに相当する高濃度nのアルコール水溶液の蒸発量ΔQと低濃度nのアルコール水溶液の蒸発量ΔQとが求められる。
次のステップS21で、切替弁5が開回路31側に切替えられるとともに、吸込ホース8内のインキに高濃度タンク15から質量ΔQの高濃度アルコール水溶液が、低濃度タンク16から質量ΔQの低濃度アルコール水溶液が、それぞれ同時に添加される。これらの添加は、インキの循環速度に応じて徐々に行われる。具体的には、ダイアフラムポンプ1の脈動数から検知される流量を参照し、閉回路32内の容積に相当する量のインキが添加位置(吸込ホース8)を通過する時間をかけて添加する。
このように高濃度アルコール水溶液と低濃度アルコール水溶液とを同時に添加することにより、インキの希釈ムラ(時間的ムラ)が抑制される。すなわち、例えば先に高濃度アルコール水溶液を添加し、次に低濃度アルコール水溶液を追加するというような方法を採った場合、一旦希釈剤中のアルコール濃度が設定点よりも高くなった後、薄められて設定点に収束するという経過をたどる。それに対して高濃度と低濃度のアルコール水溶液を同時に添加すれば、蒸発点から設定点に向けて、希釈剤中のアルコール濃度変化が波打つことなく穏やか且つ速やかに収束する。従って、印刷に供されるインキの希釈状態がより安定したものとなり、印刷品質の悪化を防止することができる。
また、インキを開回路31内で循環させながらアルコール水溶液を添加することにより、インキの希釈ムラ(空間的ムラ)が抑制される。添加したアルコール水溶液は、すぐに開回路31内に行き渡るわけではなく、インキが均質になるまでは場所によってインキの希釈度合が異なっている(空間的ムラ)。インキを循環させながら添加することにより、アルコールや水の偏在が効果的に抑制されるので、この空間的ムラを小さくすることができる。特に当実施形態のように、調整対象となる量(閉回路32の容積相当)のインキが添加位置(吸込ホース8)を通過する時間をかけて徐々に添加するようにすれば、局所的に見ても設定点を越える希釈度合でインキが希釈されることがなく、より効果的である。
このように、インキの時間的、空間的な希釈ムラが抑制されるので、印刷に供されるインキの希釈状態がより安定したものとなり、印刷品質の悪化が防止される。このような添加方法ができるのは、(式21)、(式22)によってアルコール蒸発量Δhおよび水蒸発量Δwを同時に求め(実用上は(式41)、(式42)によって高濃度アルコール水溶液の蒸発量ΔQおよび低濃度アルコール水溶液の蒸発量ΔQを同時に求め)、少なくとも添加の開始時点以前に、それらの各蒸発量に等しい各添加量を確定させているからである。
なお、高濃度アルコール水溶液の添加量ΔQと低濃度アルコール水溶液の添加量ΔQ(アルコール蒸発量Δhおよび水蒸発量Δw)は、開回路31内のインキ量に対するアルコールや水の蒸発量にではなく、閉回路32内のインキ量に対するアルコールや水の蒸発量に相当する量となっている。このような方法は、開回路31内のインキ量が一定ではなく、変動するような場合に適している。開回路31内のインキ量が変動しても閉回路32内のインキ量が一定なので、インキ固有の定数(a11,a12,a21,a22)を固定値とすることができるからである。
各アルコール水溶液の添加が完了したら、次にステップS25で、所定時間が経過したか否かの判定が行われる。この所定時間は、開回路31内のインキを均質化させるのに要する期間として予め設定されている時間である。ステップS25でNOと判定されれば待機し、YESと判定されればステップS27に移行する。ステップS27では切替弁5が閉回路32側に切替えられ、温度調節器3による温度調節がなされる。そしてステップS7に戻り、以降、ステップS7からステップS27までのルーチンが繰り返される。この繰り返しは装置の停止まで行われる。このように逐次成分調整を行うことにより、常にインキの成分を設定状態付近に維持し続けることができる。
ところで、(式35)〜(式38)に示すように、各定数(a11,a12,a21,a22)には濃度n、nが含まれている。つまり高濃度タンク15内あるいは低濃度タンク16内のアルコール濃度が変化すれば各定数(a11,a12,a21,a22)も変化する。当実施形態では、ステップS27からステップS7に戻ることにより、毎回各定数(a11,a12,a21,a22)を更新するようにしている。こうすることにより、各タンク15,16内のアルコール水溶液からアルコールや水が任意量蒸発してアルコール濃度が変化したとしても、それに応じた適切な各定数(a11,a12,a21,a22)によって各蒸発量ΔQやΔQを精度良く求めることができる。
換言すれば、当実施形態では各タンク15,16内のアルコール濃度が不明であっても各蒸発量ΔQ、ΔQを求めることができる。したがって、各タンク15,16内のアルコール濃度の厳密な管理を必要としないので、装置を簡潔にすることができる。
なお各タンク15,16内のアルコール濃度が一定となるように管理されている場合は、各定数(a11,a12,a21,a22)が固定値となるので、ステップS27の後にステップS15に戻るようにしても良い。
以上説明したことから明らかなように、当該インキの成分調整装置は、第1物理量(導電率)と第2物理量(粘度)とを測定し、その設定状態に対する変化量からアルコール蒸発量(Δh)と水蒸発量(Δw)、具体的にはそれらに相当する各アルコール水溶液の量Q、Qを演算し、その蒸発量に等しい添加量のアルコールと水、実際には濃度の異なる2種類のアルコール水溶液を調整対象の水性インキに添加するので、容易に適正量のアルコールと水とを添加することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば当実施形態では、温度調節器3を用いて一定の温度下で導電率Cや粘度Vを測定しているが、温度補正が可能な場合や装置全体が一定温度に保たれているような場合には温度調節器3を省略しても良い。
また当実施形態では、切替弁5によって開回路31と閉回路32とに切替えるようにしている。閉回路32に切替えることにより、温度調節器3による温度調節の効率が向上し、また調整対象のインキ量を一定にすることができる、すなわち定数a11,a12,a21,a22が温度変化によって変動することを抑制することができるという利点がある。従って、そのような要求のない場合、例えば温度調節器3を使用せず、かつ開回路31内のインキ量に変動がない場合等においては切替弁5を省略し、全て開回路31の状態で行っても良い。
低濃度タンク16内のアルコール濃度が0%、つまりタンク内に水が貯溜流されている状態であっても良い。低濃度タンク16のアルコール濃度を低くすると、アルコールと水との添加割合の調整範囲を大きくすることができるという利点がある。また低濃度タンク16のアルコール濃度を高めて高濃度タンク15のアルコール濃度に近づけると、相対的に高濃度タンク15からの添加量が低減するので、高濃度のアルコール水溶液をインキに添加したときの発熱を抑制することができる。
設定点は、必ずしも初期状態でなくても良い。例えば、あるインキを所定の設定点(導電率Cや粘度V等が既知)まで希釈するような場合に当装置を用いることもできる。
当実施形態では、第1または第2物理量として導電率Cや粘度Vを用いたが、これら以外の物理量を用いても良い。例えば誘電率、比重、音速、超音波減衰率、動粘度、テストカップ粘度秒(ザーンカップ等のテストカップに満たされた水性インキが、そのテストカップの底に設けられた穴から完全に排出されるのに要する秒数)等を第1または第2物理量としても良い。その際、第1物理量と第2物理量との組合わせは、当実施形態のように、図4に示す一次関数F、Fの勾配β、βが、互いに正負逆勾配となるようにすることが望ましい。第1、第2変化量をそれぞれ第1、第2物理量の逆数の変化量とした場合、勾配βのように正の勾配になる物理量には誘電率、比重、音速、超音波減衰率等がある。また勾配βのように負の勾配になる物理量には動粘度、テストカップ粘度秒等がある。
本発明の一実施形態に係る水性インキの成分調整装置の概略構成図である。 インキの希釈特性を示す図であり、(a)は希釈度合(カット率)と導電率との関係、(b)は(a)に示す特性における、希釈剤(アルコール水溶液)のアルコール濃度と、特性の勾配との関係を示す。 インキの希釈特性を示す図であり、(a)はカット率と粘度との関係、(b)は(a)に示す特性における、希釈剤(アルコール水溶液)のアルコール濃度と、特性の勾配との関係を示す。 図2(b)と図3(b)とを重ね合わせた図である。 図1に示すインキの成分調整装置の演算制御部によるインキ成分調整制御の概略フローチャートである。
符号の説明
1 ダイアフラムポンプ(粘度測定手段、第2物理量測定手段)
4 演算制御部(演算手段、粘度測定手段、第2物理量測定手段、添加手段)
15 高濃度タンク(添加手段)
16 低濃度タンク(添加手段)
17 圧力センサ(粘度測定手段、第2物理量測定手段、脈動数測定手段)
18 導電率センサ(導電率測定手段、第1物理量測定手段)
B カット率
C 導電率(第1物理量)
,F 一次関数
N アルコール濃度
V 粘度(第2物理量)
Δh アルコール蒸発量
Δw 水蒸発量
Δ(1/C) 第1変化量
Δ(1/V) 第2変化量
ΔQ 高濃度アルコール水溶液の蒸発量、添加量
ΔQ 低濃度アルコール水溶液の蒸発量、添加量
β,β 一次関数の勾配

Claims (9)

  1. アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を所定の設定状態付近に保つための成分調整方法であって、
    調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第1物理量と第2物理量とを測定し、
    上記第1物理量および上記第2物理量の上記設定状態に対する変化量から上記調整対象の水性インキの、アルコールと水との各蒸発量を演算し、
    上記各蒸発量に等しい量のアルコールと水とを上記調整対象の水性インキに添加することを特徴とする水性インキの成分調整方法。
  2. アルコール水溶液を含む水性インキの成分比率を所定の設定状態付近に保つための成分調整装置であって、
    調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第1物理量を測定する第1物理量測定手段と、
    上記調整対象の水性インキの、該インキからのアルコール蒸発量および水蒸発量に応じて変化する第2物理量を測定する第2物理量測定手段と、
    上記第1物理量および上記第2物理量の上記設定状態に対する変化量から上記調整対象の水性インキの、アルコールと水との蒸発量を演算する演算手段と、
    上記各蒸発量に等しい量のアルコールと水とを上記調整対象の水性インキに添加する添加手段とを備えることを特徴とする水性インキの成分調整装置。
  3. 上記演算手段は、上記第1物理量の上記設定状態からの変化から一義的に求められる第1変化量を、水蒸発量とアルコール蒸発量とを変数として表した第1方程式と、上記第2物理量の上記設定状態からの変化から一義的に求められる第2変化量を、水蒸発量とアルコール蒸発量とを変数として表した第2方程式との連立方程式の解を求めることによって上記各蒸発量を算出することを特徴とする請求項2記載の水性インキの成分調整装置。
  4. 上記第1変化量および上記第2変化量は、それぞれ、上記設定状態から任意量のアルコールおよび任意量の水が蒸発した蒸発点の水性インキを所定濃度のアルコール水溶液からなる希釈剤で希釈するとき、希釈のカット率に比例するものであり、その比例定数が上記希釈剤のアルコール濃度の一次関数となっていることを特徴とする請求項3記載の水性インキの成分調整装置。
  5. 上記第1変化量および上記第2変化量は、上記一次関数の勾配が、互いに正負逆勾配であるものであることを特徴とする請求項4記載の水性インキの成分調整装置。
  6. 上記第1物理量測定手段または上記第2物理量測定手段が、上記調整対象の水性インキの導電率を測定する導電率測定手段であることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の水性インキの成分調整装置。
  7. 上記第1物理量測定手段または上記第2物理量測定手段が、上記調整対象の水性インキの粘度を測定する粘度測定手段であることを特徴とする請求項2乃至6の何れか1項に記載の水性インキの成分調整装置。
  8. 上記粘度測定手段は、
    上記調整対象の水性インキを循環させるダイアフラムポンプと、
    上記ダイアフラムポンプの脈動数を測定する脈動数測定手段とを備えていることを特徴とする請求項7記載の水性インキの成分調整装置。
  9. 上記添加手段は、
    比較的高濃度のアルコール水溶液を貯溜する高濃度タンクと、
    上記高濃度タンク内のアルコール水溶液よりも低濃度のアルコール水溶液ないしは水を貯溜する低濃度タンクとを含み、
    上記高濃度タンクからのアルコール水溶液と上記低濃度タンクからのアルコール水溶液とを適宜割合で添加することにより、必要な量のアルコールと水とを添加するものであり、
    上記演算手段は、必要なアルコール添加量と水添加量とに相当する、上記高濃度タンクからの添加量と上記低濃度タンクからの添加量とを独立して算出するものであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の水性インキの成分調整装置。
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