JP2007238629A - インターロイキン−19 - Google Patents

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Abstract

【課題】多様な生物学的プロセスを仲介し得る新規なサイトカインを単離すること。
【解決手段】単離された核酸分子であり、(a)図1の完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)図1の25位〜177位のアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(c)ATCC 97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(d)ATCC97662に含まれるcDNAクローンにコードされるアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および(e)(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、核酸分子。
【選択図】なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、ヒトのインターロイキンタンパク質およびこのタンパク質をコードするポリヌクレオチドに関する。
関連技術
インターロイキン-10(IL-10)は、リンパ系細胞および骨髄細胞の機能の重要なレギュレーターとして関与している多面性サイトカインである。IL-10は、サイトカイン合成の活性化およびマクロファージのいくつかの補助機能をブロックし、従ってマクロファージ、T細胞、およびNK細胞のエフェクター機能の強力なサプレッサーとして作用する。IL-10はまた、B細胞、肥満細胞、および胸腺細胞の分化の調節に関与している。
IL-10は、2つの異なる系列の実験で独立して同定された。これらのうちの1つは、活性な胸腺細胞を同時刺激するB細胞由来メディエーターを同定した(Sudaら, Cell Immunol. 129:228 (1990))。他の同定は、IL-10が、Tヘルパー(CD4)亜集団、Th1(細胞媒介性免疫応答に関与する)、およびTh2(抗体媒介性免疫応答に関与する)により行われる、2つのしばしば相互に排他的な免疫のエフェクターアーム間の相互調節(cross-regulation)に関与することを決定した。この役割では、IL-10はTh2細胞により発現され、そしてTh1細胞によるサイトカイン産生、サイトカイン合成阻害因子(CSIF)活性と名付けられる活性を抑制するように機能する。
マウスIL-10(mIL-10)をコードするcDNAクローンは、CSIF活性の発現に基づいて単離された(Mooreら, Science 248:1230-34 (1990))。ヒトIL-10(hIL-10)をコードするcDNAクローンは、続いて、マウスcDNAとのクロスハイブリダイゼーションにより同定された(Vieiraら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1172-1176 (1991))。mIL-10は、マウスCD4 Th2細胞、少なくとも1つのCD8クローン、Bリンパ腫、T細胞、活性化肥満細胞株、活性化マクロファージ、ケラチノサイト、およびLy-1B(B-1)細胞により発現される(Fiorentino, D.F.ら, J. Exp. Med. 170:2081 (1989); (Mooreら, Science 248:1230-34 (1990); 87-93 (1992); Linら, Ann. N.Y. Acad. Sci. 651 O'Garraら Int. Immunol. 2:821-832 (1990); MacNeilら, J. Immmunol. 145:4167-4173 (1990); Fiorentinoら, J. Immunol. 147:3815-3822 (1991); Hisatsuneら, Lymphokine Cytokine Res. 11:651-683 (1992))。hIL-10は、ヒトCD4 T細胞、ならびにTh0、Th1、およびTh2 T細胞クローンにより、CD8 T細胞およびクローン(Ysselら, J. Immunol.)、単球/マクロファージ、ケラチノサイト、活性化B細胞、Bリンパ腫、ならびにトランスフォーミングEBV株で感染したBurkittリンパ腫株により発現されるが、非トランスフォーミング株で感染した株では発現されない(Vieira, P.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1172-1176 (1991); de Waal-Malefyt, R.ら, J. Exp. Med. 174:1209-20 (1991); de Waal-Malefyt, R.ら, J. Exp. Med. 174:915-24 (1991); Salgame, P.ら, Science 254:279-82 (1991); Yamamura, M.ら, Science 254:277-79 (1991); Ralph, P.ら, J. Immunol. 148:808-14 (1992); Benjamin, D.ら, Blood 80:1289-98 (1992))。従って、IL-10は、厳密にはTh2特異的サイトカインではなく、そしてその発現パターンは、IL-4またはIL-5よりもIL-6に類似する(Wang, S. C.ら, Transplant. Proc. 23:2920-22 (1991))。IL-6と同様に、しかし大部分の他のT細胞由来サイトカインとは異なり、IL-10発現はシクロスポリンにもFK-506にも阻害されない(Wang, S.C.ら, Transplant Proc. 23:2920 (1991))。
IL-10のインビボでの役割を決定する試みでは、正常なマウスが、誕生から成体期まで、IL-10中和抗体を用いて処理された(Wang, S.C.ら, Transplant Proc. 23:2920 (1991); Ishida, H.ら, J. Exp. Med. 175:1213 (1992))。得られた表現型の変化は、増加したレベルの循環するIFN-γ、TNF-α、およびIL-6、減少した血清IgMおよびIgA、腹膜B細胞の著しい枯渇、ならびに腹膜B細胞により産生される抗体と闘うことが知られる2つの細菌抗原に対してインビボで抗体応答を発達させることができないことを含んだ(Hayakawa, K.ら, Annu. Rev. Immunol. 6:197 (1988))。腹膜B細胞の減少は、IFN-γの上昇の結果であることが決定された(Ishida, H.ら, J. Exp. Med. 175:1213 (1992))。
他の実験は、IL-10がインビトロでの炎症性モノカイン(例えば、TNF-αおよびIL-1)の産生を抑制することを示した。このデータは、IL-10アンタゴニストが同じ炎症性モノカインを上昇させることを示すインビボでの研究に対応する。これらの結果は、IL-10の強力な抗炎症性の役割を予測する。さらに、IL-10アンタゴニストは、Th1免疫を増強するのに有用であり得、このことは、ウイルス起源の感染性疾患、または細胞内病原体に関与する疾患において有益であり得る。
IL-10の多様な生物学的活性は、IL-10およびそのアンタゴニストの両方が広範な範囲の臨床適用を有するという予測を導いた。このような多様な生物学的プロセスを仲介し得る新規なサイトカインを単離する継続した必要性が当該分野に存在することは明らかである。
本発明によって以下が提供される:
(1)単離された核酸分子であって、
(a)図1[配列番号2]の完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(b)図1[配列番号2]の25位〜177位のアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(c)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;
(d)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および
(e)(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列、
からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
(2)前記ポリヌクレオチドが、図1[配列番号1]の完全なヌクレオチド配列を有する、項目1に記載の核酸分子。
(3)前記ポリヌクレオチドが、図1[配列番号2]の完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドをコードする図1[配列番号1]のヌクレオチド配列を有する、項目1に記載の核酸分子。
(4)前記ポリヌクレオチドが、図1[配列番号2]の25位〜177位のアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン-19ポリペプチドをコードする図1[配列番号1]のヌクレオチド配列を有する、項目1に記載の核酸分子。
(5)前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンの完全なヌクレオチド配列を有する、項目1に記載の核酸分子。
(6)前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する、項目1に記載の核酸分子。
(7)前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する、項目1に記載の核酸分子。
(8)ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、項目1の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)に記載のヌクレオチド配列に同一なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含み、ここで該ハイブリダイズするポリヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズしない、単離された核酸分子。
(9)項目1の(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
(10)図1(配列番号2)の約19から約28までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1(配列番号2)の約88から約106までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;および図1(配列番号2)の約139から約149までのアミノ酸残基を含むポリペプチドからなる群より選択されるインターロイキン-19ポリペプチドのエピトープ保有部分をコードする、項目9に記載の単離された核酸分子。
(11)項目1に記載の単離された核酸分子をベクターに挿入する工程を含む、組換えベクターを作製するための方法。
(12)項目11に記載の方法によって生成される、組換えベクター。
(13)項目12に記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する工程を含む、組換え宿主細胞を作製する方法。
(14)項目13に記載の方法によって生成される、組換え宿主細胞。
(15)インターロイキン-19ポリペプチドを生成するための組換え方法であって、項目14に記載の組換え宿主細胞を、該ポリペプチドが発現されるような条件下で培養する工程、および該ポリペプチドを回収する工程を含む、組換え方法。
(16)単離されたインターロイキン-19ポリペプチドであって、
(a)図1[配列番号2]の完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドのアミノ酸配列;
(b)図1[配列番号2]の25位〜177位のアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン-19ポリペプチドのアミノ酸配列;
(c)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン-19ポリペプチドのアミノ酸配列;および
(d)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン-19ポリペプチドのアミノ酸配列;および
(e)(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のポリペプチドのいずれか1つのエピトープ保有部分のアミノ酸配列、
からなる群より選択される配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチド。
(17)インターロイキン-19のエピトープ保有部分を含む単離されたポリペプチドであって、ここで該部分が、図1(配列番号2)の約19から約28までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1(配列番号2)の約88から約106までのアミノ酸残基を含むポリペプチド;および図1(配列番号2)の約139から約149までのアミノ酸残基を含むポリペプチドからなる群より選択される、単離されたポリペプチド。
(18)項目16に記載のインターロイキン-19ポリペプチドに特異的に結合する、単離された抗体。
(19)減少したレベルのIFN-γ、TNF-α、またはIL-6活性を必要とする個体の処置のための方法であって、該個体に、項目16に記載の単離されたポリペプチドを含む組成物を投与する工程を含む、方法。
(20)IL-2活性の増加を必要とする個体の処置のための方法であって、該個体にインターロイキン-19活性のアンタゴニストを含む組成物を投与する工程を含む、方法。
発明の要旨
本発明は、図1[配列番号2]のアミノ酸配列を有するヒトIL-19ポリペプチド、または1996年7月17日にATCC受託番号97662として細菌宿主中で寄託されたcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。寄託されたIL-19 cDNAクローンを配列決定することにより決定されたヌクレオチド配列(これは、図1[配列番号1]に示される)は、ヌクレオチドの44位〜46位の開始コドン、約24アミノ酸残基のリーダー配列を含み、そして約20.4kDaの推定分子量の約177アミノ酸残基のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む。推定される成熟IL-19タンパク質の153アミノ酸配列を図1(最後の153残基)および配列番号2(アミノ酸残基25〜残基177)に示す。
従って、本発明の1つの局面は、(a)図1[配列番号2]に示す完全なアミノ酸配列を有するIL-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)図1[配列番号2]の25位〜177位のアミノ酸配列を有する成熟IL-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(c)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するIL-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(d)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟IL-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;および(e)上記の(a)、(b)、(c)、または(d)のヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。好ましくは、核酸分子は、図1[配列番号2]に示すような、または上記の寄託されたcDNAによりコードされるような成熟ポリペプチドをコードする。
本発明のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、(d)、もしくは(e)のヌクレオチド配列のいずれかに、少なくとも90%同一、より好ましくは少なくとも95%、97%、98%、もしくは99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド、またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で上記の(a)、(b)、(c)、(d)、もしくは(e)のヌクレオチド配列に同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む。ハイブリダイズするポリヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。本発明の核酸のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、または(d)のアミノ酸配列を有するIL-19ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子に関する。
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、および組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細胞を作製する方法、および組換え技術によるIL-19ポリペプチドまたはペプチドの生成のためにそれらを用いるための方法に関する。
本発明はさらに、(a)図1[配列番号2]に示すリーダー配列を含む完全な177アミノ酸の配列を有するIL-19ポリペプチドのアミノ酸配列;(b)図1[配列番号2]の25位〜177位のアミノ酸配列を有する成熟IL-19ポリペプチド(リーダーを有さない)のアミノ酸配列;(c)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるリーダーを含む完全なアミノ酸配列を有するIL-19ポリペプチドのアミノ酸配列;および(d)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟IL-19ポリペプチドのアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する、単離されたIL-19ポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドはまた、上記の(a)、(b)、(c)、もしくは(d)に記載されるアミノ酸配列に、少なくとも90%の類似性、より好ましくは少なくとも95%の類似性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびに上記のアミノ酸配列に少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%同一、そしてさらにより好ましくは95%、97%、98%、または99%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
本発明のこの局面のさらなる実施態様は、上記の(a)、(b)、(c)、もしくは(d)に記載されるアミノ酸配列を有するIl-19ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチドまたはポリペプチドに関する。本発明のIL-19ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列を有するペプチドまたはポリペプチドは、少なくとも6または7、好ましくは少なくとも9、そしてより好ましくは少なくとも約30アミノ酸〜約50アミノ酸を有するこのようなポリペプチドの部分を含むが、上記の本発明のポリペプチドのアミノ酸配列全体までの任意の長さであり、そしてこのアミノ酸配列を含むエピトープ保有ポリペプチドもまた本発明に含まれる。別の実施態様では、本発明は、上記の(a)、(b)、(c)、または(d)に記載されるアミノ酸配列を有するIL-19ポリペプチドに特異的に結合する単離された抗体を提供する。
分泌され、そしてIL-10に有意な相同性を有するIL-19は、活性化された単球のみで、または少なくとも主に単球で発現されると本発明者らにより考えられる(図4)。従って、免疫系の細胞におけるIL-19遺伝子発現を検出することは、活性化された単球を同定するために有用である。さらに、多数の障害については、「標準」IL-19遺伝子の発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の体液中のIL-19発現レベル)に対して、有意により高いかまたはより低いレベルのIL-19遺伝子発現が、このような障害を有する個体から採取された体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、または脊髄液)中に検出され得ると本発明者らにより考えられる。従って、本発明は、異常なレベルのIL-19遺伝子発現に関連する障害の診断の間に有用な診断方法を提供する。この診断方法は、(a)この個体の細胞または体液におけるIL-19遺伝子発現のレベルをアッセイする工程;(b)標準IL-19遺伝子発現のレベルとこのIL-19遺伝子発現のレベルを比較する工程を含み、それにより、標準発現レベルと比較して、アッセイしたIL-19遺伝子発現のレベルの増加または減少は、障害の指標である。本発明のさらなる局面は、身体内における増加したレベルのIL-19活性を必要とする個体の処置のための方法に関する。この方法は、このような個体に、本発明のIL-19ポリペプチドを含む組成物を投与する工程を含む。本発明のなおさらなる局面は、身体内における減少したレベルのIL-19活性を必要とする個体を処置するための方法に関する。この方法は、このような個体に、IL-19に対するアンタゴニスト(例えば、抗IL-19抗体)を含む組成物を投与する工程を含む。
(発明の詳細な説明)
本発明は、図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列(クローン化されたcDNAを配列決定することによって決定した)を有するIL-19タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。本発明のIL-19タンパク質は、ヒトIL-10(図5)(配列番号3)と配列相同性を共有する。図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列は、IL19ポリペプチドをコードするHMQBM23 cDNAクローンを配列決定することによって得られた。これは、1996年7月17日に、アメリカンタイプカルチャーコレクション, 12301 Park Lawn Drive, Rockville, Maryland 20852に寄託され、そして受託番号第97662号を与えられた。寄託されたクローンは、pBluescript SK(-)プラスミド(Stratagene, La Jolla, CA)中に含まれる。
(核酸分子)
他に示されない限り、本明細書中でDNA分子を配列決定することによって決定されたすべてのヌクレオチド配列は、自動化DNA配列決定機(例えば、Applied Biosystems, Inc.からのModel 373)を用いて決定され、そして本明細書中で決定されるDNA分子によってコードされるポリペプチドのすべてのアミノ酸配列は、上記のように決定されるDNA配列の翻訳によって予想された。従って、この自動化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該分野において公知のように、本明細書中で決定される任意のヌクレオチド配列はいくつかの誤りを含み得る。自動化によって決定されるヌクレオチド配列は、配列決定されるDNA分子の実際のヌクレオチド配列に対して、代表的には少なくとも約90%の同一、より代表的には少なくとも約95%から少なくとも約99.99%の同一である。実際の配列は、当該分野において周知の手動DNA配列決定方法を含む他のアプローチによってより正確に決定され得る。当該分野においてまた公知のように、実際の配列と比較した、決定されるヌクレオチド配列における単一の挿入または欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳におけるフレームシフトを引き起こし、その結果、決定されるヌクレオチド配列によってコードされる予想されるアミノ酸配列は、挿入または欠失のような点にて始まる配列決定されるDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なる。
他に示されない限り、本明細書中に示される各「ヌクレオチド配列」は、デオキシリボヌクレオチド(A, G, C, およびTと省略される)の配列として示される。しかし、核酸分子またはポリヌクレオチドの「核酸配列」によって、DNA分子またはポリヌクレオチドにはデオキシリボヌクレオチド配列が、そしてRNA分子またはポリヌクレオチドにはリボヌクレオチド(A, G, C, およびU)の対応する配列(ここで特定されるデオキシヌクレオチド配列における各チミジンデオキシヌクレオチド(T)は、リボヌクレオチドのウリジン(U)によって置き換えられる)が意図される。例えば、デオキシリボヌクレオチドの略語を用いて示される配列番号1の配列を有するRNA分子との言及は、配列番号1の各デオキシヌクレオチドA, GまたはCが、対応するリボヌクレオチドA, G, またはCによって置き換えられ、そして各デオキシヌクレオチドTが、リボヌクレオチドUによって置き換えられた配列を有するRNA分子を示すことが意図される。
本明細書中で提供される情報(例えば、図1中のヌクレオチド配列)を用いて、IL-19ポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、標準的なクローニングおよびスクリーニング手順(例えば、開始物質としてmRNAを用いるクローニングcDNAのための手順)を用いて得られ得る。本発明の図のように、図1(配列番号1)において記載される核酸分子は、ヒト活性化単球由来のcDNAライブラリー中で発見された。図1のIL-19 cDNAの決定されたヌクレオチド配列は、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列の約177アミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(44位〜46位にて開始コドンを有する)、ならびに約24アミノ酸残基の推定リーダー配列、および約20.4kDaの推定分子量を含む。推定される成熟IL-19タンパク質のアミノ酸配列はまた、アミノ酸残基約25〜残基約177まで図1(配列番号2)に示される。図1(配列番号2)に示されるIL-19タンパク質は、約20%同一であり、そしてヒトIL-10(配列番号5)とは約46%類似している。
当業者が理解するように、上記の配列決定誤差の可能性ならびに異なる公知のタンパク質におけるリーダーについての切断部位の可変性に起因して、寄託cDNAによりコードされる実際のIL-19ポリペプチドは、約177アミノ酸を含むが、170〜183アミノ酸の範囲のどこかであり得;そして本タンパク質の実際のリーダー配列は、約24アミノ酸であるが、約18〜約29アミノ酸の範囲のどこかであり得る。
示されるように、本発明の核酸分子は、RNA(例えば、mRNA)の形態、またはDNAの形態(例えば、cDNA、およびクローニングによって得られるか、または合成的に生成されるゲノムDNAを含む)であり得る。DNAは、二本鎖または一本鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖としても知られる)であり得るか、またはそれは、非コード鎖(アンチセンス鎖としても知られる)であり得る。
「単離された」核酸分子によって、天然の環境から取り出された核酸分子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離されることが意図される。単離されたDNA分子のさらなる例は、異種の宿主細胞において維持される組換えDNA分子、または溶液中の(部分的または実質的に)精製されたDNA分子を含む。単離されたRNA分子は、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物を含む。本発明に従って単離された核酸分子は、合成的に生成されるような分子をさらに含む。
本発明の単離された核酸分子は、図1(配列番号1)において示されるヌクレオチド配列の44位〜46位での開始コドンを含むオープンリーディングフレーム(ORG)を含むDNA分子を含み;図1(最後の153アミノ酸)(配列番号2)に示された成熟IL-19タンパク質についてのコード配列を含むDNA分子;そして上記の配列とは実質的に異なるが、遺伝コードの縮重に起因して、IL-19タンパク質をなおコードする配列を含むDNA分子を含む。当然のことながら、遺伝コードは当該分野において周知である。従って、上記のような縮重した変異体を生成することは、当業者にとって日常的である。
別の局面において、本発明は、1996年7月17日にATCC寄託番号97662として寄託されたプラスミドに含まれるクローンのcDNAによってコードされるアミノ酸配列を有するIL-19ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。好ましくは、この核酸分子は、上記の寄託されたcDNAクローンによってコードされる成熟ポリペプチドをコードする。本発明は、さらに、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列、もしくは上記の寄託されたクローン中に含まれるIL-19 cDNAのヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子、または上記の配列の一つと相補的な配列を有する核酸分子を提供する。そのような単離された分子、特にDNA分子は、染色体とのインサイチュハイブリダイゼーションによって遺伝子マッピングするため、および例えばノーザンブロット分析によってヒト組織中のIL-19遺伝子の発現を検出するためのプローブとして有用である。
別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、ATCC寄託番号97662中に含まれるcDNAクローン)中のポリヌクレオチドの一部にハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離した核酸分子を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」によって、括弧内を含む溶液(50%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%硫酸デキストラン、および20μg/mlの変性剪断サケ精子DNA )中42℃での一晩のインキュベーション、続く約65℃にて0.1×SSCにおいてフィルターを洗浄することが意図される。ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリダイズするポリヌクレオチドによって、参照のポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは約30〜70ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)が意図される。これらは、以上、および以下でより詳細に考察されるような診断用プローブおよびプライマーとして有用である。
当然のことながら、参照のポリヌクレオチド(例えば、寄託されたcDNAクローン)のより大きな部分(例えば、長さが50〜750ntの部分)、または参照のポリヌクレオチドの完全長とまでもハイブリダイズするポリヌクレオチドはまた、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列のすべてではなくともほとんどに対応するポリヌクレオチドのように、本発明に従ったプローブとして有用である。例えば、「長さが少なくとも20nt」のポリヌクレオチドの部分によって、参照のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNA、または図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列)からの20以上の連続したヌクレオチドが意図される。示されるように、そのような部分は、従来のDNAハイブリダイゼーション技術に従ったプローブとして、または例えば、Sambrook, J.、Fritsch,E.F.およびManiatis,T.編、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989)(その全開示は、本明細書中において参考として援用される)に記載されるようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による標的配列の増幅のためのプライマーとしてのいずれかで診断的に有用である。
IL-19cDNAクローンは寄託されており、そしてその決定されたヌクレオチド配列が図1(配列番号1)において提供されるので、IL-19cDNA分子の一部にハイブリダイズするポリヌクレオチドを生成することは、当業者に日常的である。例えば、IL-19cDNAクローンの制限エンドヌクレアーゼ切断または超音波による剪断は、IL-19cDNA分子の一部にハイブリダイズするポリヌクレオチドである種々のサイズのDNA部分を生成するために容易に使用され得る。あるいは、本発明のハイブリダイズするポリヌクレオチドは、公知の技術に従って合成的に生成され得る。当然のことながら、ポリA配列(例えば、図1(配列番号1)に示されるIL-19cDNAの3'末端ポリ(A)付加物)にのみ、またはT残基(reside)(またはU)の相補的な部分(stretch)にハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部にハイブリダイズするために使用される本発明のポリヌクレオチドに含まれない。なぜなら、そのようなポリヌクレオチドは、poly(A)伸長またはその相補物を含む任意の核酸分子(例えば、特に任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズする。
本発明は、さらに、本明細書中で記載される単離した核酸分子のフラグメントに関する。寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフラグメントによって、本明細書中で考察されるように、診断的プローブおよびプライマーとして有用である、長さが、少なくとも約15nt、そしてより好ましくは少なくとも約20nt、さらにより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは少なくとも約40ntが意図される。当然のことながら、長さがより大きなフラグメント50〜950ntもまた、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図1(配列番号1)において示されるようなヌクレオチド配列のすべてではなくともほとんどに対応するフラグメントのように、本発明に従って有用である。例えば、長さが少なくとも20ntのフラグメントによって、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図1(配列番号1)に示されるようなヌクレオチド配列からの20以上の連続した塩基を含むフラグメントが意図される。この遺伝子が寄託され、そして図1(配列番号1)において示されるヌクレオチド配列が提供されるので、そのようなDNAフラグメントを生成することは、当業者にとって日常的である。例えば、制限エンドヌクレアーゼ切断、または超音波処理による剪断は、種々のサイズのフラグメントを生成するために容易に使用され得る。あるいは、そのようなフラグメントは、合成的に生成され得る。
本発明の好ましい核酸フラグメントは、IL-19タンパク質のエピトープ保有部分をコードする核酸分子を含む。特に、本発明のこのような核酸フラグメントは、以下をコードする核酸分子を含む:図1(配列番号2)中の約19〜約28のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1(配列番号2)中の約88〜約106のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および図1(配列番号2)中の約139〜約149のアミノ酸残基を含むポリペプチド。本発明者らは、上記ポリペプチドフラグメントがIL-19タンパク質の抗原性領域であると決定している。IL-19タンパク質の他のそのようなエピトープ保有部分を決定するための方法は、以下に詳細に記載される。
本発明は、IL-19タンパク質の一部をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子をさらに提供する。特に、図1(配列番号2)における以下のアミノ酸残基を含むポリペプチドをコードする単離された核酸分子が提供される(これは、本発明者らが、IL-19タンパク質の抗原性領域であると決定している):残基19〜28、残基88〜106、および残基139〜149(図6を参照のこと)。IL-19のそのようなエピトープ保有部分を生成する方法は、以下に詳細に記載される。
示されるように、IL-19をコードする本発明の核酸分子は、以下を含み得るが、それらに限定されない:それ自体によって、成熟ポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子;成熟したポリペプチドのコード配列およびさらなる配列(例えば、ほぼ24アミノ酸のリーダー配列または分布配列(例えば、プレタンパク質配列またはプロタンパク質配列またはプレプロタンパク質配列));成熟ポリペプチドのコード配列で、上記のさらなるコード配列を含むかまたは含まず、更なる非コード配列とともに集まっており、この配列はイントロンおよび非コード5'および3'配列(例えば、転写、mRNA(スプライシングおよびポリアデニル化シグナル(例えば、リボソーム結合およびmRNAの安定性)を含む)において役割を担う転写非翻訳配列)を含むがこれらに限定されない;さらなる機能性を提供するようなさらなるアミノ酸をコードするさらなるコード配列。従って、例えば、ポリペプチドをコードする配列は、マーカー配列(例えば、融合されたポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコードする配列)に融合され得る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施態様において、マーカーアミノ酸配列は、ヘキサ-ヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクター(Qiagen, Inc.)において提供されるタグ)、他の中では、それらの多くは商業的に入手可能である。例えば、Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 821-824 (1989)において記載されるように、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製を提供する。「HA」タグは、インフルエンザ赤血球凝集素(HA)タンパク質由来のエピトープに対応する精製のために有用な別のペプチドであり、それは、Wilsonら、Cell 37: 767 (1984)によって記載されている。
本発明は、さらに、IL-19タンパク質の一部、アナログ、または誘導体をコードする本発明の核酸分子の変異体に関する。変異体は、天然の対立遺伝子変異体のように、天然に生じ得る。「対立遺伝子変異体」によって、生物の染色体上の所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつかの交換可能な形態の1つが意図される。Genes II Lewin編。天然に存在しない変異体は、当該分野で公知の変異誘発技術を用いて生成され得る。
そのような変異体は、ヌクレオチド置換、欠失、または添加によって生成される変異体を含む。置換、欠失、または添加は、1つ以上のヌクレオチドを含み得る。変異体は、コードもしくは非コード領域、またはその両方において変化され得る。コード領域における変異は、保存性もしくは非保存性アミノ酸置換、欠失、または添加を生成し得る。これらの中で特に好ましいものは、サイレント置換、添加、および欠失であり、これらは、IL-19タンパク質またはその一部の特性および活性を変化しない。これらの点において特にまた好ましいものは、保存性置換である。最も高度に好ましいものは、図1(配列番号2)において示されるアミノ酸配列、または寄託されたcDNAクローンによってコードされる成熟IL-19アミノ酸配列を有する成熟IL-19タンパク質をコードする核酸分子である。
本発明のさらなる実施態様は、(a)推定されたリーダー配列を含む図1(配列番号2)に示される完全なアミノ酸配列を有するか、もしくはATCC受託番号97640に含まれるcDNAクローンによってコードされる全長IL-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)図1(配列番号2)中の25位から177位のアミノ酸配列を有するか、もしくはATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるリーダー配列を含む完全アミノ酸配列を有するIL-19細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列;(c)図1(配列番号2)中のほぼ18位からほぼ43位のアミノ酸配列を有するか、もしくはATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるIL-19膜貫通ドメインをコードするヌクレオチド配列;(d)図1(配列番号2)中のほぼ1位からほぼ17位でのアミノ酸配列を有するか、もしくはATCC受託番号97640に含まれるcDNAクローンによってコードされるIL-19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;または(e) (a)、(b)、(c)、もしくは(d)のヌクレオチド配列のいずれかと相補的なヌクレオチド配列と、少なくとも90%同一のヌクレオチド配列を有し、そしてより好ましくは少なくとも95%、97%、98%、または99%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を含む。
IL-19ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列と少なくとも、例えば、95%「同一」のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、ポリヌクレオチド配列が、IL-19ポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異を含み得ることを除いて、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、参照配列と同一であることが意図される。言い換えれば、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌクレオチドが欠失され得るかもしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、または参照配列において全ヌクレオチドの5%までの多数のヌクレオチドが、参照配列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端位置でか、または参照配列内のヌクレオチドの中で個々に、もしくは参照配列内の1つ以上の連続した群でのいずれかで散在されて、これらの末端位置の間のどこかで生じ得る。
実際には、任意の特定の核酸分子が、図1に示されるヌクレオチド配列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%同一であるかどうかは、例えば、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix(登録商標), Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを用いて従来通りに決定され得る。Bestfitは、SmithおよびWaterman, Advances in Applied Mathematics 2:482-489 (1981)の局所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の相同性の最適のセグメントを見出す。Bestfitまたは任意の他の配列整列プログラムを使用して、特定の配列が、例えば本発明による参照配列に95%同一であるか否かを決定する場合、パラメーターは、もちろん、同一性の割合が、参照ヌクレオチド配列の全長にわたって計算されるように、そして参照配列の総ヌクレオチド数の5%までの相同性におけるギャップが許容されるように、設定される。
本出願は、IL-19タンパク質活性を有するポリペプチドをコードするか否かに関係なく、図1(配列番号1)に示される核酸配列または寄託されたcDNAの核酸配列と少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%同一であるこのような核酸分子に関する。これは、特定の核酸分子がIL-19活性を有するポリペプチドをコードしない場合でさえ、当業者は、核酸分子をどのようにして、例えば、ハイブリダイゼーションプローブ、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマーとして使用するかをなお知るからである。IL-19活性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用としては、とりわけ(1)IL-19遺伝子またはその対立遺伝子変異体をcDNAライブラリーから単離すること;(2)Vermaら, Human Chromosomes: a Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, New York (1988)に記載の、IL-19遺伝子の正確な染色体位置を提供するための分裂中期染色体展開物に対するインサイチュハイブリダイゼーション(FISH);および、特定の細胞型(例えば、活性化単球)におけるIL-19mRNA発現を検出するためのノーザンブロット分析、が挙げられる。
しかし、図1[配列番号1]に示される核酸配列、または実際IL-19タンパク質活性を有するポリペプチドをコードする寄託されたcDNAの核酸配列に少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%同一な配列を有する核酸分子が好ましい。「IL-19活性を有するポリペプチド」によって、特定の生物学的アッセイにおいて測定される場合、本発明のIL-19タンパク質(完全長タンパク質、または好ましくは成熟タンパク質のいずれか)の活性に類似する(しかし、必ずしも同一ではない)活性を示すポリペプチドが意図される。
IL-19は、そのような生物学的アッセイの基礎を形成し得るいくつかの生物学的活性を示す。特に、本発明者らによって、IL-19は、IFN-γ、リンホトキシン、IL-2、IL-3、およびGM-CSFからなる群中の少なくとも1つのサイトカインの合成を、同系抗原提示細胞(APC)および抗原への曝露によって、これらのサイトカインの1つ以上を合成するように誘導されたヘルパーT細胞の集団において調節する特性を有すると考えられている。この活性において、APCは複製し得ないようになるが、それらの抗原プロセシング機構は機能的なままであるように、APCは処理される。これは、T細胞と混合する前に、APCを、例えば約1500〜3000R(γ照射またはX照射)で照射することによって簡便に達成される。
あるいは、サイトカイン産生のレベルにおける変化は、一次、または好ましくは二次混合リンパ球反応(MLR)においてアッセイされ得、この場合、同系APCを使用する必要はない。MLRは、当該分野において周知である。例えば、Bradley, 162-166頁、Mishellら編、Selected Methods in Cellular Immunology (Freeman, San Francisco, 1980);およびBattistoら、Meth, in Enzymol. 150: 83-91 (1987)。手短には、細胞集団(集団の内の1つは、混合前に、増殖を妨げるように、例えば照射によって処理されている)が混合される。好ましくは、細胞集団は、補充した培地(例えば、10%ウシ胎児血清を有するRPMI 1640)中約2×106細胞/mlの濃度にて調製される。コントロールおよび試験培養物の両方について、アッセイのために各集団の0.05mlを混合する。二次MLRのために、一次MLR中に7日後に残存する細胞は、新たに調製した照射した刺激細胞によって再刺激される。IL-19を含むと疑われるサンプルは、混合の時点で試験培養物に添加され得、そしてコントロールおよび試験培養物の両方は、混合後1〜3日にサイトカイン産生についてアッセイされ得る。
IL-19アッセイのためのT細胞集団および/またはAPC集団の取得は、DiSabatoら編、Meth. in Enzymol. 第108巻 (1984)に十分に記載される、当該分野において周知の技術を使用する。好ましいIL-19アッセイのためのAPCは、末梢血単球である。これらは、例えば、上記のDiSabatoら編、Meth. in Enzymol. 第108巻 (1984)中の以下の論文によって記載される標準的な技術を使用して得られる:Boyum, 88-102頁;Mage, 118-132頁;Litvinら、298-302頁;Stevenson, 242-249頁;およびRomain, 148-132頁(これらの参考文献は、本明細書中において参考として援用される)。好ましくは、ヘルパーT細胞がIL-19アッセイにおいて用いられる。これは、まず末梢血からリンパ球を分離し、次いで、例えばパニングまたはフローサイトメトリーによって、市販の抗CD4抗体(例えば、OKT4(米国特許第4,381,295号に記載され、そしてOrtho Pharmaceutical Corp.から入手可能である))を用いてヘルパー細胞を選択することによって得られる。要求される技術は、Boyum, Scand. JL. Clin. Lab. Invest., 21 (Suppl.97): 77 (1968)およびMeth. in Enzymol. 第108巻 (1984)(上記で引用)、ならびにBramら、Meth. in Enzymol. 121: 737-748 (1986)によって十分に開示される。一般に、PBLは、Ficoll-Hypaque密度勾配遠心分離機によって新鮮な血液から得られる。
種々の抗原が、アッセイにおいて使用され得る(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、トリγ-グロブリンなど)。より好ましくは、抗原の代わりに、ヘルパーT細胞は、アッセイにおいて、抗CD3モノクローナル抗体(例えば、米国特許第4,361,5449号において開示されるOKT3)で刺激される。
コントロールおよび試験サンプル中のサイトカイン濃度は、標準的な生物学的アッセイおよび/または免疫化学的アッセイによって測定される。特定のサイトカインについての免疫化学的アッセイの構成は、精製されたサイトカインが入手可能である場合、当該分野において周知である;例えば、Campbell, Minoclonal Antibody Technology (Elsevier, Amsterdam, 1984);Tijssen, Practice and Theory of Enzyme Immunoassays (Elsevier, Amsterdam, 1985);および米国特許第4,486,530号は、この出題に関する広範な文献の例である。ヒトIL-2、ヒトIL-3、およびヒトGM-CSFについてのELISAキットは、Genzyme Corp. (Boston, MA)から市販されており;そしてヒトIFN-γについてのELISAキットは、Endogen, INC. (Boston, MA)から市販されている。ヒトリンホトキシンに対して特異的なポリクローナル抗体は、genzyme, Corp.から入手可能であり、これは、ヒトリンホトキシンについてのラジオイムノアッセイにおいて使用され得る(例えば、Chard, An Introduction to Radioimmunoassay and Related Techniques (Elsevier, Amsterdam, 1982))。
上記に列挙されるサイトカインの生物学的アッセイはまた、サンプルがIL-19活性を有するか否か、すなわちサンプルが、IL-19と同様の様式でサイトカイン発現またはサイトカイン活性を調節するか否かを決定するために使用され得る。ヒトリンホトキシンについての生物学的アッセイは、Aggarwal, Meth. in Enzymol. 116: 441-447 (1985)、およびMatthewsら、Lymphokines and Interferons: A Practical Approach、Clemensら編、IRL Press, Washinggton, D.C., 1987, 221-225頁によって開示される。ヒトIL-2およびGM-CSFは、因子依存性細胞株CTLL-2およびKG-1(それぞれ、ATCCから受託番号第TIB 214号および同第CCL246号の下に入手可能)を用いてアッセイされ得る。ヒトIL-3は、軟寒天培養物における広範な造血細胞コロニーの形成を刺激するその能力によってアッセイされ得る(例えば、MEtcalf, The Hematopoietic Colony Stimulating Factors(Elsevier, Amsterdam, 19844)に記載される)。IFN-γは、抗ウイルスアッセイを用いて定量され得る(例えば、Meager, 129-147頁、Clemensら編(上記で引用))。
サイトカイン産生はまた、mRNA分析によって決定され得る。サイトカインmRNAは、細胞質ドットハイブリダイゼーションによって測定され得る(Whiteら(J. Biol. Chem. 257: 8569-8572 (1982)、およびGillespieら、米国特許第4,483,920号によって記載される(この両方は、本明細書中において参考として援用される))。他のアプローチは、精製したRNAを用いるドットブロッティングを含む(例えば、第6章、Hamesら編、Nucleic Acid Hybridization: A Practical Approach、IRL PRess, Washington D.C., 1985)。
IL-19活性について試験されるべきいくつかのサンプルは、アッセイを妨げ得るサイトカインを除去するように予め処理されなければならない。例えば、IL-2は、いくつかの細胞においてIFN-γの生成を増加する。従って、アッセイにおいて使用されるT細胞ヘルパー細胞に依存して、IL-2は、試験されるサンプルから除去される必要があり得る。そのような除去は、サンプルを標準的な抗サイトカインアフェニティーカラムに通すことによって簡便に適応される。
従って、上記のアッセイのようなアッセイを用いることによって、多数のサイトカインの任意の1つの活性に対するIL-19活性を有すると疑われる物質の効果は、サンプルが実際にIL-19活性を有するかどうかを決定するために、本発明のIL-19タンパク質と比較され得る。
もちろん、遺伝子コードの縮重に起因して、当業者は、寄託されたcDNAの核酸配列、または図1[配列番号1]に示される核酸配列に少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%同一である配列を有する多数の核酸分子が、「IL-19タンパク質活性を有する」ポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実際に、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体の全ては同じポリペプチドをコードするので、これは上記の比較アッセイの内の1つを実施することなしでさえ当業者に明らかである。縮重改変体でないそのような核酸分子について、合理的な数がまたIL-19タンパク質活性を有するポリペプチドをコードすることが、当該分野でさらに認識される。これは、当業者が、タンパク質の機能により低い有意性で影響しそうであるか、または有意には影響しそうにないかのいずれかのアミノ酸置換(例えば、1つの脂肪族アミノ酸の第二の脂肪族アミノ酸への置換)を完全に知っているからである。
例えば、どのように表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製するかに関するガイダンスは、Bowie, J.U.ら,「タンパク質配列におけるメッセージを解読すること:アミノ酸置換に対する寛容」 Science 247:1306-1310(1990)に提供される。ここで著者らは、アミノ酸配列の変化に対する寛容を研究するための2つの主要なアプローチが存在することを示す。第一の方法は、進化のプロセスに依存し、ここで変異は、自然淘汰によって受容されるか拒絶されるかのいずれかである。第二のアプローチは、クローン化遺伝子の特定の位置でアミノ酸変化を導入するために遺伝子操作を、そして機能を維持する配列を同定するために選択またはスクリーニングを用いる。著者らが述べるように、これらの研究は、タンパク質が、アミノ酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにしている。著者らは、どのアミノ酸の変化が、タンパク質の特定の位置で許容性でありそうであるかをさらに示している。例えば、大部分の埋没したアミノ酸残基は非極性側鎖を必要とし、一方、表面の側鎖の特性は一般的にわずかしか保存されていない。他のこのような表現型的にサイレントな置換は、Bowie, J.U.ら,前出およびその中に引用される参考文献に記載される。
ベクターおよび宿主細胞
本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子操作された宿主細胞、および組換え技術によるIL-19ポリペプチドまたはその部分の産生に関する。
組換え構築物は、感染、形質導入、トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、エレクトロポレーション、および形質転換のような周知の技術を用いて宿主に導入され得る。ベクターは、例えば、ファージベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製可能かまたは複製欠損であり得る。後者の場合、ウイルスの増殖は、一般的に、相補宿主細胞においてのみ生じる。
ポリヌクレオチドは、宿主細胞における増殖のための選択マーカーを含むベクターに結合され得る。一般的に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物中か、または荷電された脂質との複合体中で導入される。ベクターがウイルスである場合、ベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでパッケージングされ得、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
目的のポリヌクレオチドに対するシス作用性制御領域を含むベクターが好ましい。適切なトランス作用性因子は、宿主によって供給される得るか、相補ベクターによって供給され得るか、または宿主への導入の際にベクター自体によって供給され得る。
この事に関する特定の好ましい実施態様において、ベクターは、誘導性および/または細胞型特異的であり得る特異的な発現を提供する。このようなベクターの中で特に好ましいベクターは、温度および栄養添加物のような操作することが容易である環境因子によって誘導性のベクターである。
本発明において有用な発現ベクターとしては、染色体ベクター、エピソームベクター、およびウイルス由来ベクター(例えば、細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体エレメント、ウイルス(例えば、バキュロウイルス、パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、トリポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、およびレトロウイルス)由来のベクター)、ならびにそれらの組合せに由来するベクター(例えば、コスミドおよびファージミド)が挙げられる。
DNAインサートは、適切なプロモーター(例えば、少し名を挙げると、ファージλPLプロモーター、E.coli lacプロモーター、trpプロモーター、およびtacプロモーター、SV40初期プロモーターおよび後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプロモーターは、当業者に公知である。発現構築物は、さらに、転写開始、転写終結のための部位、および、転写領域中に翻訳のためのリボゾーム結合部位を含む。構築物によって発現される成熟転写物のコード部分は、翻訳されるべきポリペプチドの始めに転写開始AUGを含み、そして終わりに適切に位置される終止コドンを含む。
示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含む。このようなマーカーとしては、真核生物細胞培養についてはジヒドロ葉酸レダクターゼまたはネオマイシン耐性、およびE.coliおよび他の細菌における培養についてはテトラサイクリン耐性遺伝子またはアンピシリン耐性遺伝子が挙げられる。適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli細胞、Streptomyces細胞、およびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、およびBowes黒色腫細胞);ならびに植物細胞が挙げられる。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当該分野で公知である。
細菌における使用に好ましいベクターの中には、pA2、pQE70、pQE60、およびpQE-9(Qiagenから入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能);ならびにptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmaciaから入手可能)が含まれる。好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、およびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSG、およびpSVL(Pharmacicaから入手可能)がある。他の適切なベクターは、当業者に容易に明らかである。
本発明における使用に適した公知の細菌プロモーターの中には、E.coli lacIおよびlacZプロモーター、T3プロモーターおよびT7プロモーター、gptプロモーター、λPRプロモーターおよびλPLプロモーター、ならびにtrpプロモーターが含まれる。適切な真核生物プロモーターとしては、CMV前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期SV40プロモーターおよび後期SV40プロモーター、レトロウイルスLTRのプロモーター(例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)のプロモーター)、ならびにメタロチオネインプロモーター(例えば、マウスメタロチオネインIプロモーター)が挙げられる。
宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法によってもたらされ得る。このような方法は、Davisら, BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY(1986)のような多くの標準的研究室マニュアルに記載されている。
高等真核生物による本発明のポリペプチドをコードするDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増大させ得る。エンハンサーは、所定の宿主細胞型におけるプロモーターの転写活性を増大するように働く、通常約10〜300bpのDNAのシス作用性エレメントである。エンハンサーの例としては、SV40エンハンサー(これは、複製起点の後期側上の100〜270bpに位置される)、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。
翻訳されたタンパク質の小胞体の管腔内へか、周辺質空間内へか、または細胞外環境内への分泌のために、適切な分泌シグナルが、発現されるポリペプチド中に組み込まれ得る。シグナルは、ポリペプチドに対して内因性であり得るか、またはそれらは異種シグナルであり得る。
ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そして分泌シグナルだけでなく、付加的な異種の機能的領域も含み得る。例えば、付加的なアミノ酸、特に荷電性アミノ酸の領域が、宿主細胞内での、精製の間の、または続く操作および保存の間の、安定性および持続性を改善するために、ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容易にするためにポリペプチドへ付加され得る。そのような領域は、ポリペプチドの最終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定性を改善するため、および精製を容易にするためのペプチド部分のポリペプチドへの付加は、当該分野でよく知られており、そして日常的な技術である。好ましい融合タンパク質は、タンパク質の可溶化に有用な免疫グロブリン由来の異種領域を含む。例えば、EP-A-0 464 533(カナダ対応出願2045869)は、別のヒトタンパク質またはその一部とともに免疫グロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質中のFc部分は、治療および診断における使用に十分に有利であり、従って、例えば改善された薬物動態学的特性を生じる(EP-A 0232 262)。一方、いくつかの使用について、融合タンパク質が、記載される有利な様式で、発現され、検出され、および精製された後にFc部分が欠失され得ることが望ましい。これは、Fc部分が、治療および診断における使用の妨害であると判明する場合(例えば、融合タンパク質が免疫のための抗原として使用されるべき場合)である。薬物探索において、例えばhIL-5のようなヒトタンパク質は、hIL-5のアンタゴニストを同定するための高処理能力スクリーニングアッセイの目的でFc部分と融合されている。D.Bennettら, Journal of Molecular Recognition, Vol.8:52-58(1995)、およびK.Johansonら, The Journal of Biological Chemistry, Vol.270,No.16, 9459-9471頁(1995)を参照のこと。
IL-19タンパク質は、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され、そして精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために用いられる。
本発明のポリペプチドは、天然の精製産物、化学合成手順の産物、および原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)から組換え技術によって産生された産物を含む。組換え産生手順において用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化され得るか、または非グリコシル化され得る。さらに、本発明のポリペプチドはまた、いくつかの場合、宿主媒介プロセスの結果として、開始の改変メチオニン残基を含み得る。
IL-19ポリペプチドおよびペプチド
本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、もしくは図1(配列番号2)のアミノ酸配列を有する単離されたIL-19ポリペプチド、または上記ポリペプチドの一部を含むペプチドもしくはポリペプチドを提供する。用語「ペプチド」および「オリゴペプチド」は、(通常認識されるように)同義語と考えられ、そして各用語は、文脈がペプチド結合によって結合された少なくとも2つのアミノ酸の鎖を示すことを必要とする場合、交換可能に使用され得る。用語「ポリペプチド」は、10より多いアミノ酸残基を含む鎖に対して本明細書中で使用される。本明細書中の全てのオリゴペプチドおよびポリペプチドの式または配列は、左から右へ、そしてアミノ末端からカルボキシ末端の方向に書かれる。
IL-19ポリペプチドのいくつかのアミノ酸配列が、このタンパク質の構造または機能に有意に影響することなく改変され得ることが、当該分野で認識される。配列内のこのような差異が意図される場合、活性を決定するタンパク質の重要な領域が存在することを覚えておくべきである。一般的に、類似の機能を実行する残基が使用される場合、三次構造を形成する残基の置換が可能である。他の例において、残基の型は、変化がタンパク質の重要でない領域で生じる場合、全く重要でないかもしれない。
従って、本発明は、さらに、実質的なIL-19ポリペプチド活性を示すか、または下記に考察されるタンパク質部分のようなIL-19タンパク質の領域を含むIL-19ポリペプチドの改変体を含む。このような変異体は、欠失、挿入、逆転、反復、およびタイプ置換(例えば、親水性の残基の別の残基への置換、しかし通常は強く親水性の残基を強く疎水性の残基には置換しない)を含む。小さな変化、またはこのような「中性」アミノ酸置換は、一般的にほとんど活性に影響しない。
代表的に保存的置換と見られるのは、脂肪族アミノ酸Ala、Val、Leu、およびIleの中での1つのアミノ酸の別のアミノ酸への置換;ヒドロキシル残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnおよびGlnの間の置換、塩基性残基LysおよびArgの交換、ならびに芳香族残基Phe、Tyrの間の置換である。
上記に詳細に示されるように、どのアミノ酸の変化が表現型的にサイレントでありそうか(すなわち、機能に対して有意に有害な効果を有しそうにないか)に関するさらなるガイダンスは、Bowie, J.U.ら「Deciphering the Message in Protein Sequences: Tolerance to Amino Acid Substitutions」,Science 247:1306-1310 (1990)に見出され得る。
本発明のポリペプチドは、好ましくは単離された形態で提供され、そして好ましくは実質的に精製される。IL-19ポリペプチドの組換え生成した型は、SmithおよびJohnson, Gene 67: 31-40 (1988)において記載される1工程の方法によって、実質的に精製され得る。
本発明のポリペプチドは、リーダー配列を含む寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチド、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチドからリーダーを除いたポリペプチド(すなわち成熟タンパク質)、リーダーを含む図1(配列番号2)のポリペプチド、リーダーを除いた図1(配列番号2)のポリペプチド、ならびに上記のポリペプチドと少なくとも90%の類似性、より好ましくは少なくとも95%の類似性、およびさらにより好ましくは少なくとも97%、98%、または99%の類似性を有するポリペプチドを含む。さらに本発明のポリペプチドは、寄託されたcDNAによってコードされるポリペプチド、配列番号2のポリペプチドと、少なくとも80%同一、より好ましくは少なくとも90%または95%同一、さらにより好ましくは少なくとも97%、98%、または99%同一であるポリペプチドを含み、そしてまた、少なくとも30アミノ酸、およびより好ましくは少なくとも50アミノ酸を有するこのようなポリペプチドの部分を含む。
2つのポリペプチドについての「%類似性」によって、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Version 8 for Unix(登録商標), Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)および類似性を決定するための初期設定(default setting)を用いて2つのポリペプチドのアミノ酸配列を比較することによって生じる類似性の値が意図される。Bestfitは、SmithおよびWaterman(Advances in Applied Mathematics 2:482-489 (1981))の局所的相同性アルゴリズムを、2つの配列間の類似性の最適のセグメントを見出すために使用する。
IL-19ポリペプチドの参照アミノ酸配列に少なくとも、例えば、95%「同一な」アミノ酸配列を有するポリペプチドにより、ポリペプチド配列がIL-19ポリペプチドの参照アミノ酸配列の各100アミノ酸毎に5つまでのアミノ酸変化を含み得ることを除いて、ポリペプチドのアミノ酸配列は参照配列と同一であることが意図される。言い換えれば、参照アミノ酸配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列において5%までのアミノ酸残基が、欠失されるかもしくは別のアミノ酸で置換され得、または参照配列における5%までの総アミノ酸残基の多数のアミノ酸が参照配列に挿入され得る。これらの参照配列の改変は、参照アミノ酸配列のアミノ末端位置もしくはカルボキシ末端位置で、または参照配列の残基間で個々に、もしくは参照配列内で1つ以上の近接したグループ内のいずれかで末端位置の間のどこかで、起こり得る。
実際には、任意の特定のポリペプチドが、例えば、図1(配列番号2)に示されるアミノ酸配列、または寄託されたcDNAクローンによりコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%同一であるかどうかは、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package, Unix(登録商標)用バージョン8、Genetics Computer Group, University Research Park, 575 Science Drive, Madison, WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを使用して慣習的に決定され得る。特定の配列が、例えば、本発明の参照配列に95%同一であるかどうかを決定するために、Bestfitまたは任意の他の配列アラインメントプログラムを使用する場合、当然、同一性の百分率が参照アミノ酸配列の全長にわたって計算され、そして参照配列内のアミノ酸残基の総数の5%までの相同性におけるギャップが許容されるようなパラメーターが設定される。
下記に詳細に記載するように、本発明のポリペプチドは、下記のようにIL-19タンパク質発現を検出するための診断アッセイにおいて有用である、またはIL-19タンパク質機能を増強または阻害し得るアゴニストおよびアンタゴニストとして、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を惹起するために使用され得る。さらに、このようなポリペプチドは、本発明の候補アゴニストおよびアンタゴニストでもあるIL-19タンパク質結合タンパク質を「捕獲する」ための酵母ツーハイブリッドシステムにおいて使用され得る。酵母ツーハイブリッドシステムは、FieldsおよびSong,Nature 340:245-246(1989)に記載されている。
別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を含む、ペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチドのエピトープ部分は、本発明のポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトープである。「免疫原性エピトープ」は、タンパク質全体が免疫原である場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部として定義される。これらの免疫原性エピトープは、分子上の2、3の位置に制限されると考えられている。一方では、抗体が結合し得るタンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義され得る。タンパク質の免疫原性エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない。例えば、Geysen, H.M., Meloen, R.H.およびBarteling, S.J. (1984) Use of peptide synthesis to probe viral antigens for epitopes to a resolution of a single amino acid. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:3998-4002(1984)を参照のこと。
抗原性エピトープを保有するペプチドまたはポリペプチド(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の領域を含む)の選択に関して、タンパク質配列の一部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応する抗血清を日常的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sutcliffe,J.G., Shinnick, T.M., Green, N. およびLearner, R.A. (1983)「タンパク質上の予め決定された部位と反応する抗体」Science 219:660-666(1983)を参照のこと。タンパク質-反応性血清を誘発し得るペプチドは、しばしばタンパク質の一次配列で頻繁に示され、そして単純な化学的法則のセットにより特徴付けられ得、そしてインタクトなタンパク質の免疫優性領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端またはカルボキシル末端にも、制限されない。極度に疎水性であるペプチドおよび6以下の残基のペプチドは、一般には、模倣タンパク質に結合する抗体の誘導に効果がなく;より長い、可溶性ペプチド、特にプロリン残基を含むペプチドは、通常は有効である。Sutcliffeら、前出、661。例えば、これらのガイドラインに従って設計された20のペプチドのうち18(インフルエンザウイルス赤血球凝集素HA1ポリペプチド鎖の配列の75%を覆う8-39残基を含む)は、 HA1タンパク質またはインタクトなウイルスと反応する抗体を誘導した;そしてMuLVポリメラーゼからの12/12ペプチドおよび狂犬病糖タンパク質からの18/18はそれぞれのタンパク質を沈澱する抗体を誘導した。
本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、それゆえ、本発明のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を含む抗体を惹起するのに有用である。従って、抗原エピトープ保有ペプチドで免疫化されたドナーからの脾臓細胞の融合により得られるハイブリドーマの大部分は、一般に天然のタンパク質と反応性がある抗体を分泌する。Sutcliffeら、前出、663。抗原性エピトープ保有ペプチドまたはポリペプチドにより惹起された抗体は、模倣タンパク質を検出するのに有用であり、そして異なるペプチドに対する抗体が、翻訳後プロセシングを受けるタンパク質前駆体の種々の領域の末路を追跡するために使用され得る。免疫沈降アッセイにおいて、短いペプチド(例えば、約9アミノ酸)でさえ、より長いペプチドに結合しそして置換し得ることが示されているので、ペプチドおよび抗ペプチド抗体は、模倣タンパク質についての種々の定性的または定量的アッセイ、例えば、競合的アッセイにおいて使用され得る。例えば、Wilson, I.A., Niman, H. L., Houghten, R. A., Cherenson, A.R., Connolly, M. L.およびLerner, R.A. (1984) The structure of an antigenic determinant in a protein. Cell 37:767-778の777を参照のこと。本発明の抗ペプチド抗体もまた、模倣タンパク質の精製(例えば、当該分野で周知の方法を使用して、吸着クロマトグラフィーにより)に有用である。
上記のガイドラインに従って設計された本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、好ましくは本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に含まれる少なくとも7、より好ましくは少なくとも9、そして最も好ましくは約15〜約30アミノ酸の間の配列を含む。しかし、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列の約30〜約50アミノ酸または全体までの任意の長さおよび全体を含む、本発明のポリペプチドのアミノ酸配列のより大部分を含むペプチドまたはポリペプチドもまた、本発明のエピトープ保有ペプチドまたはポリペプチドであると考えられ、そしてまた模倣タンパク質と反応する抗体を誘導するのに有用である。好ましくは、エピトープ保有ペプチドのアミノ酸配列は、水性溶媒中で実質的な溶解性を提供するように選択され(すなわち、その配列は、比較的親水性残基を含み、そして高度な疎水性配列は好ましくは回避される);そしてプロリン残基を含む配列が特に好ましい。
IL-19特異的抗体を産生するために使用され得る抗原性ポリペプチドの非限定的な例には、図1(配列番号2)における約19〜約28のアミノ酸残基を含むポリペプチド;図1(配列番号2)における約88〜約106のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および図1(配列番号2)における約139〜約149のアミノ酸残基を含むポリペプチドが挙げられる。上記に示されるように、本発明者らは、上記ポリペプチドフラグメントがエンドカインαタンパク質の抗原性領域であることを決定した。
本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、本発明の核酸分子を使用する組換え手段を含むペプチドまたはポリペプチドを作製するための任意の従来の手段により産生され得る。例えば、短いエピトープ保有アミノ酸配列は、組換え体産生および精製の間、ならびに抗ペプチド抗体を産生するための免疫化の間、キャリアとして作用するより大きなポリペプチドに融合され得る。エピトープ保有ペプチドはまた、化学合成の公知の方法を使用して合成され得る。例えば、Houghtenは、4週間未満で、調製されそして特徴付けられた(ELISA-タイプ結合研究により)HA1ポリペプチドのセグメントの単一のアミノ酸改変体を示す10〜20mgの248の異なる13残基ペプチドのような多数のペプチドの合成のための簡単な方法を記載している。Houghten, R.A.(1985) General method for the rapid solid-phase synthesis of large numbers of peptides: specificity of antigen-antibody interaction at the level of individual amino acids. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5131-5135。この「Simultaneous Multiple Peptide Synthesis(SMPS)」プロセスは、さらにHoughtenら(1986)の米国特許第4,631,211号に記載される。この手順において、種々のペプチドの固相合成のための個々の樹脂は、別々の溶媒透過性パケットに含まれ、固相法に関連する多くの同一の反復工程の最適な使用を可能にする。完全なマニュアル手順は、500〜1000以上の合成が同時に行われるのを可能にする。Houghtenら、前出、5134。
本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、当該分野に周知の方法によって抗体を誘導するために使用される。例えば、Sutcliffeら、前出;Wilsonら、前出;Chow, M., Yabrov, R., Bittle, J., Hogel, J.およびBaltimore, D., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:910-914;およびBittle, F.J., Fry, C.M., Rowlands, D.J., Brown, F., Bittle, J.L., Houghten, R.A.およびLerner, R.A. (1985) J.gen.Virol. 66:2347-2354を参照のこと。一般には、動物は遊離ペプチドで免疫化され得る;しかし、抗ペプチド抗体力価はペプチドを高分子キャリア(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)または破傷風トキソイド)にカップリングすることにより追加免疫され得る。例えば、システインを含有するペプチドは、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)のようなリンカーを使用してキャリアにカップリングされ得、一方、他のペプチドは、グルタルアルデヒドのようなより一般的な連結剤を使用してキャリアにカップリングされ得る。ウサギ、ラット、およびマウスのような動物は、遊離またはキャリア-カップリングペプチドのいずれかで、例えば、約100μgのペプチドまたはキャリアタンパク質およびFreundのアジュバントを含むエマルジョンの腹腔内および/または皮内注射により免疫化される。いくつかの追加免疫注射が、例えば、固体表面に吸着された遊離ペプチドを使用してELISAアッセイにより検出され得る有用な力価の抗ペプチド抗体を提供するために、例えば、約2週間の間隔で必要とされ得る。免疫化動物からの血清における抗ペプチド抗体の力価は、抗ペプチド抗体の選択により、例えば、当該分野で周知の方法による固体支持体上のペプチドへの吸着および選択された抗体の溶出により増加され得る。
本発明の免疫原性エピトープ保有ペプチド、すなわち、全体のタンパク質が免疫原性である場合、抗体応答を惹起するタンパク質の部分は、当該分野で公知の方法により同定される。例えば、Geysenら(1984)前出は、酵素-結合免疫吸着アッセイにおける反応に十分に純粋な何百というペプチドの固体支持体上の迅速な同時合成の手順を開示する。合成ペプチドの抗体との相互作用は、次いで、それらを支持体から除去することなく容易に検出される。この様式において、所望のタンパク質の免疫原性エピトープを保有するペプチドは、当業者により日常的に同定され得る。例えば、口蹄疫ウイルスのコートタンパク質における免疫学的に重要なエピトープは、タンパク質の213のアミノ酸配列全体を覆う全ての208の可能なヘキサペプチドの重複セットの合成による7アミノ酸の解明によりGeysenらによって位置付けされた。次いで、全ての20アミノ酸が順にエピトープ内の各位置で置換されたペプチドの完全な置換セットが合成され、そして抗体との反応のための特異性を与える特定のアミノ酸が決定された。従って、本発明のエピトープ保有ペプチドのペプチドアナログは、この方法により日常的に作成され得る。Geysen(1987)の米国特許第4,708,781号は、所望のタンパク質の免疫原性エピトープを保有するペプチドを同定するこの方法をさらに記載している。
さらになお、 Geysen(1990)の米国特許第5,194,392号は、目的の抗体の特定のパラトープ(抗原結合部位)に相補的であるエピトープの位相幾何学的等価物(すなわち、「ミモトープ」)であるモノマー(アミノ酸または他の化合物)の配列を検出または決定する一般的な方法を記載する。より一般的には、Geysen(1989)の米国特許第4,433,092号は、目的の特定のレセプターのリガンド結合部位に相補的であるリガンドの位相等価であるモノマーの配列を検出または決定する方法を記載する。同様に、Peralkylated Oligopeptide MixturesにおけるHoughten, R. A.ら(1996)の米国特許第5,480,971号は、線状C1-C7-アルキル過アルキル化(peralkylated)オリゴペプチドおよびセットおよびこのようなペプチドのライブラリー、ならびに目的のアクセプター分子に、優先的に結合する過アルキル化オリゴペプチドの配列を決定するためにこのようなオリゴペプチドセットおよびライブラリーを使用する方法を開示する。従って、本発明のエピトープ保有ペプチドの非ペプチドアナログはまた、これらの方法により日常的に作成され得る。
当業者が理解するように、本発明のIL-19ポリペプチドおよび上記のそのエピトープ保有フラグメントは、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの一部と結合し得、キメラペプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を促進し、そしてインビボで増加した半減期を示す。これは、例えば、ヒトCD4-ポリペプチドの最初の2つのドメインおよび哺乳動物免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されている(EPA394,827;Trauneckerら、Nature 331:84-86(1988))。IgG部分によるジスルフィド結合ダイマー構造を有する融合タンパク質はまた、他の分子の結合および中和において、モノマーT1R様リガンドIタンパク質またはタンパク質フラグメント単独よりも効率的であり得る(Fountoulakisら、J. Biochem. 270:3958-3964(1995))。
「ポリペプチドおよびペプチド」のこの節に引用される各文書の全体の開示は、ここで参考として本明細書中に援用される。
染色体アッセイ
本発明の核酸分子はまた染色体の同定に有用である。配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置に特異的に標的化され、そしてその位置にハイブリダイズし得る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定する必要性がある。現在、実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色体標識化試薬はほとんど染色体位置の標識に利用可能でない。本発明によるDNAの染色体へのマッピングは、これらの配列と、疾患に関連する遺伝子との相関付けにおいて重要な第1工程である。
この点における特定の好ましい実施態様において、本明細書中に開示されるcDNAは、T1R様リガンドI遺伝子のゲノムDNAをクローニングするために使用される。これは、種々の周知の技術および一般に市販されているライブラリーを使用して達成され得る。次いで、ゲノムDNAは、この目的のための周知の技術を使用してインサイチュ染色体マッピングのために使用される。代表的には、染色体マッピングの日常的な手順に従う、いくつかの試行錯誤が、良好なインサイチュハイブリダイゼーションシグナルを与えるゲノムプローブを同定するために必要であり得る。
いくつかの場合において、さらに、配列は、cDNAからPCRプライマー(好ましくは15〜25bp)を調製することにより染色体にマップされ得る。遺伝子の3'非翻訳領域のコンピューター解析が、ゲノムDNA内で1より多いエキソンにまたがらず、従って増幅プロセスを複雑化しないプライマーを迅速に選択するために使用される。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに使用される。プライマーに対応するヒト遺伝子を含むそれらのハイブリッドのみが増幅部分を生じる。
体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは、特定の染色体に特定のDNAを割り当てるための迅速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを本発明と共に使用して、特定の染色体由来の部分のパネルまたは類似の様式での大きなゲノムクローンのプールを用いて、準位置決定(sublocalization)が達成され得る。染色体にマップするために同様に使用され得る他のマッピングストラテジーは、インサイチュハイブリダイゼーション、標識してフロー選別した(flow-sorted)染色体を用いるプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによる予備選択を含む。
cDNAクローンの中期染色体スプレッド(spread)への蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(「FISH」)は、1工程で正確な染色体位置を提供するために使用され得る。この技術は、50bpまたは60bpほどの短いcDNA由来のプローブを用いて使用され得る。この技術の総説については、Vermaら, Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, New York (1988)を参照のこと。
一旦配列が正確な染色体位置にマップされると、配列の染色体上での物理的な位置を遺伝地図のデータと相関させ得る。このようなデータは、例えば、V. McKusick, MENDELIAN INHERITANCE IN MAN (Johns Hopkins University, Welch Medical Libraryからオンラインで入手可能である)において見出される。次いで、同じ染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との間の関係が、連鎖解析(物理的に隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。
次に、罹患個体と非罹患個体との間のcDNA配列またはゲノム配列における相違を決定する必要がある。変異がいくつかまたは全ての罹患個体に観察されるが、いずれの正常な個体にも観察されない場合、この変異は疾患の原因因子であるようである。
物理的マッピング技術および遺伝的マッピング技術の現在の解像度では、疾患に関連する染色体領域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500との間の潜在的原因遺伝子の1つであり得る。(これは、1メガベースのマッピング解像度、および20kbあたり1遺伝子と仮定する)。
サイトカイン産生のIL-19阻害による病理学的状態の処置
上記のように、IL-19は活性化された単球により分泌され、そしてヒトIL-10と有意な相同性を共有する。従って、本発明者らにより、哺乳動物の免疫応答の間、IL-19がサイトカイン産生の阻害において活性であることが考えられている。その産生が、IL-19により影響され得るサイトカインには、IFN-γ、TNF-α、およびIL-6が含まれる。
IL-19のこのような活性の1つは、γ-インターフェロン(IFN-γ)の過剰産生を制限する能力であり、それゆえ、このような産生の結果的な効果は、主要組織適合性(MHC)関連自己免疫疾患を含む。増加したIFN-γ発現がMHC遺伝子の増加(これは次いで、MHC過剰発現細胞に対して自己免疫応答の機会を増加し得る)に関連するので、IFN-γ発現を制限する能力は、このようなMHC障害の臨床症状の処置において治療的に役立ち得る。これらには、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、インスリン依存性糖尿病、および甲状腺炎が挙げられる。
IL-19によるIFN-γの下方調節はまた、リーシュマニア症のような寄生生物感染の処置に治療的に役立ち得る。IFN-γ、IL-2、およびIL-4のレベルは、すべてこの寄生生物の生活環の調節に関連する。従って、IL-19によりこれらのサイトカイン産生を調節する能力は、治療的に役立つ。
IL-19により活性が調節されるならば、個体において、標準または「正常な」レベルと比較して、実質的に変化した(増加または減少した)IL-19の発現レベルが上記のような病理学的状態をおこすことは容易に明らかである。本発明のIL-19タンパク質が、IL-19を発現する細胞からの成熟タンパク質の分泌に適するリーダーペプチドとともに翻訳されるので、外因性供給源からのIL-19タンパク質(特に成熟型)が、個体の細胞、組織、または体に添加される場合、タンパク質は、その任意の標的細胞におけるその調節活性を発揮することもまた当業者に理解される。それゆえ、個体においてIL-19活性の標準レベルまたは正常レベルの減少により引き起こされる状態が、IL-19タンパク質の投与により処置され得ることが理解される。従って、本発明は、増加したレベルのIL-19活性が必要な個体のような個体におけるIL-19活性のレベルを増加するのに有効な量の本発明の単離されたIL-19ポリペプチド(特に本発明の成熟型のIL-19タンパク質)を含む薬学的組成物を投与することを含む、を処置する方法をさらに提供する。
当業者は、増加したレベルのIL-19活性が必要である個体を処置するためのIL-19ポリペプチドの有効量が、IL-19の投与が示される各々の条件について経験的に決定され得ることを認識する。IL-19活性を有するポリペプチドは、薬学的組成物中で、1つ以上の薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて投与され得る。ヒト患者に投与される場合、本発明の薬学的組成物の1日の使用量が、健常な医療判断の範囲内で担当医により決定されることが理解される。任意の特定の患者についての特定の治療有効用量レベルは、達成されるべき応答の型および程度;(もしあれば)用いられる特定の組成物および他の薬剤;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別、および常食;投与の時間、投与経路、および組成物の排泄速度;処置の持続期間;特定の組成物と組み合わせるか、または同時に用いられる薬物(例えば、化学療法剤);ならびに医療の分野で周知の同様の要素を含む種々の要素に依存する。
例えば、満足な結果が、1日あたり1回または2〜4回に分けて投与される、0.05〜10mg/kg/日のオーダー、好ましくは0.1〜7.5mg/kg/日のオーダー、より好ましくは0.1〜2mg/kg/日のオーダーの投薬量で、IL-19活性を有するポリペプチドの経口投与により得られると予想される。非経口的な投与(例えば、静脈内の点滴または注入による)において、0.01〜5mg/kg/日、好ましくは0.05〜1.0mg/kg/日、そしてより好ましくは0.1〜1.0mg/kg/日のオーダーの投薬量が使用され得る。従って、患者に適切な1日あたりの投薬量は、2.5〜500mg p.o.、好ましくは5〜250mg p.o.、より好ましくは5〜100mg p.o.のオーダー、または0.5〜250mg i.v.、好ましくは2.5〜125mg i.v.、そしてより好ましくは2.5〜50mg i.v.のオーダーである。
投薬はまた、血液中におけるIL-19活性の予め決定された濃度(例えば、RIA技術により決定されるような)を提供するために、患者の特定の様式において手配され得る。従って、患者への投薬は、RIAにより測定される場合、50〜1000ng/ml、好ましくは150〜500ng/mlのオーダーの規則的で継続的な最低血液レベルを達成するように調整され得る。
本発明の薬学的組成物は、経口的、直腸的、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内的、腹腔内的、局所的(散剤、軟膏、点滴剤、または経皮パッチによるように)、頬内的(bucally)または経口スプレーもしくは鼻のスプレーのように投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」により、非毒性の固体、半固体または液体の賦形剤、希釈剤、被包物質、または任意の型の処方補助剤が意味される。本明細書中で使用される用語「非経口的」は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与形態をいう。
非経口的な注射のための本発明の薬学的組成物には、薬学的に受容可能な滅菌の水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液、またはエマルジョン、ならびに使用直前の滅菌した注射可能な溶液または分散液中への再構成のための滅菌粉体が含まれ得る。適切な水性および非水性のキャリア、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロールおよびその適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、およびオレイン酸エチルのような注射可能な有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティング物質の使用により、分散液の場合における要求される粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持され得る。
本発明の組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤のようなアジュバントを含み得る。微生物作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノールなど)の含有により確実にされ得る。糖、塩化ナトリウムなどのような等張化剤を含むこともまた所望であり得る。注射可能な薬学的組成物形態の長期吸収は、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチンのような吸収を遅延する薬剤の含有により引きおこされ得る。
いくつかの場合において、薬学的組成物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くすることが望まれる。これは、水の溶解性が乏しい結晶物質または非結晶物質の液体懸濁液の使用により達成され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、続いて結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物形態の遅延した吸収は、油ビヒクル中に薬物を溶解または懸濁することにより達成される。
注射可能な貯蔵形態は、生分解性ポリマー(例えば、ポリラクチド-ポリグリコリド)における薬物の微小被包性マトリックスの形成により作製される。薬物対ポリマーの比および使用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出の速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。貯蔵物の注射可能な処方物はまた、体組織に適合性であるリポソームまたは微小乳濁液中への薬物の封入により調製される。
注射可能な処方物は、例えば、細菌捕獲フィルターを通す濾過により、または使用直前に滅菌水もしくは他の滅菌した注射可能な媒体中に溶解もしくは分散され得る滅菌固体組成物中の形態の滅菌薬剤の組込みにより、滅菌され得る。
経口投与の固形投薬形態には、カプセル、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が挙げられる。このような固形投与形態において、活性化合物は、少なくとも1つの品目の薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムおよび/またはa)デンプン、ラクトース、スクロール、グルコース、マンニトール、およびケイ酸のような充填剤または持続剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴムのような結合剤、c)グリセロールのような湿潤剤、d)寒天(agar-agar)、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤、e)パラフィンのような液体遅延剤、f)四級アンモニウム化合物のような吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートのような湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土のような吸収剤、およびi)タルク、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物のような滑択剤)と混合される。カプセル、錠剤、および丸剤の場合において、投薬形態はまた、緩衝化剤も含み得る。
同様の型の固形組成物はまた、ラクトースすなわち乳糖、ならびに高分子量のポリエチレングリコールなどのような賦形剤を使用して、軟質および硬質に充填されたゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固形投薬形態は、腸溶性コーティングおよび薬学的処方技術において周知の他のコーティングのようなコーティングおよび被膜(shell)とともに調製され得る。それらは必要に応じて乳白剤を含み、また、それらが、必要に応じて遅延様式で、有効成分のみ(または、優先的に腸管の特定の部分において)を放出する組成物でもあり得る。使用され得る包埋組成物の例には、ポリマー性物質およびワックスが含まれ得る。
活性化合物はまた、適切である場合、1つ以上の上記の賦形剤とともに、微小被包形態であり得る。
経口投与のための液体投薬形態には、薬学的に受容可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、ならびにエリキシルが挙げられる。活性化合物に加えて、液体投与形態は、当該分野で通常使用される不活性希釈剤、例えば、水または、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンシル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚種油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物のような、他の溶媒、可溶化剤、および乳化剤を含み得る。
不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤(flavoring agent)、および芳香剤(perfuming agent)のようなアジュバントを含み得る。
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、およびソルビタンエステル、微小結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天(agar-agar)、およびトラガカント、ならびにそれらの混合物のような懸濁化剤を含み得る。
活性ポリペプチドはまた、リポソームの形態で投与され得る。当該分野で公知のように、リポソームは一般には、リン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体に分散される単層または多層水和脂質結晶により形成される。リポソームを形成し得る、任意の非毒性の生理学的に受容可能でかつ代謝可能な脂質が使用され得る。リポソーム形態における本組成物は、薬剤またはインヒビターに加えて、安定化剤、保存剤、賦形剤などを含み得る。好ましい脂質は、リン脂質およびホスファチジルコール酸(レシチン)(天然性および合成性の両方)である。リポソームを形成する方法は、当該分野で公知である。例えば、Prescott編、Methods in Cell Biology,第XIV巻,Academic Press,New York,N.Y.(1976),33頁(以下参照)を参照のこと。
ガンの養子免疫治療におけるIL-19の使用
IL-19の別の治療適用は、養子免疫治療において現在遭遇する多くの有害な副作用を担うと考えられているサイトカインの産生を、防止または減少するための、養子免疫治療におけるIL-19の投与である。本明細書中で使用される「養子免疫治療」とは、ガンと戦う機能的免疫細胞が患者に移入される治療を意味する。ガンと戦う免疫細胞は、好ましくは、患者自身由来の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む。当該分野で公知のように、患者に移入されたキラー細胞を活性化する能力により(Rosenbergら、Ann.Rev.Immunol. 4:681-709(1988))、IL-2は養子免疫治療に有用であるが、IL-2により直接的または間接的に起こされる重篤な副作用は、このアプローチに基づく日常的な処置プロトコルの開発を妨げている(Hsu,D-Hら、WO92/12726)。IL-19が、これらの副作用を担うサイトカインの産生を妨害または減少し得ることが考えられるので、投与(ここで、IL-2およびIL-19の投与は、患者へのこれらのTILの投与の後、続けられる)の前にIL-2およびIL-19の両方の存在において培養されたTILは、養子免疫治療を代表する有害な副作用を減少し得る。
HIV感染患者におけるTヘルパー細胞に対する免疫適格性の回復におけるIL-19アンタゴニストの使用
本発明のIL-19ポリペプチドの別の治療適用は、IL-19に対する結合に特異的な抗体のようなIL-19アンタゴニストを同定するためのポリペプチドの使用であり、次いでこれは、Tヘルパー細胞においてIL-2の産生を増加するために使用され得る。例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した患者は、非ウイルス性感染Tヘルパー細胞においてIL-2産生の減少したレベルを有する。IL-19は、IL-2の産生を妨害または減少し得ることが考えられている。それゆえ、IL-19アンタゴニストの投与は、HIV感染患者において、IL-2産生の増加を生じ得る。IL-2がT細胞増殖を担うので、IL-2産生の維持は、HIV感染患者に有益である。
IL-19に特異的なアンタゴニストは、当業者に周知の標準的な変異誘発方法を使用して、IL-19のアミノ酸配列を変異することにより作製され得る。このような方法には、単一部位変異を導入するためか、IL-19からのランダムなアミノ酸を欠失するためか、またはアミノ酸を付加するための、M13ベクターの使用が含まれる。次いで、得られる変異タンパク質は、本発明のIL-19タンパク質と比較する場合、非変異IL-19と競合する能力について、インビトロでのT細胞のIL-2依存性増殖を増強するための変異タンパク質の能力を試験するアッセイを含む、標準的なアッセイにおいて試験される。
他の適切なIL-19アンタゴニストには、T細胞ヘルパーレセプターへのその結合を妨害する、IL-19(αIL-19)への結合に特異的な抗体を含む。このような抗体の産生は、上記に十分に記載されている。
本発明の方法において使用される抗体は、好ましくは、患者の自己性であり、それによりさらなる免疫学的な問題を最小化する。しかし、この治療が必要な免疫不全個体が非自己抗体に対して反応性がより低い傾向があるので、同種細胞由来の非自己抗体もまた有用である。
本発明を一般的に記載したが、同一のものは、以下の実施例を参照することによってより容易に理解される。以下の実施例は、例示のために提供され、そして限定を意図しない。
実施例
実施例1:E.coliにおけるIL-19の発現および精製
寄託されたcDNAクローンにおいて成熟IL-19タンパク質をコードするDNA配列を、IL-19タンパク質のアミノ酸末端配列および遺伝子に対してベクター配列3'に特異的なPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅した。クローニングを容易にするための制限部位を含むさらなるヌクレオチドを、それぞれ5'および3'の配列に添加した。
5'オリゴヌクレオチドプライマーは、配列 5' GGC ATG CCA TGG AGT TAC AGT GTG TTT CCC 3' [配列番号4](IL-19ヌクレオチド配列に特異的な配列に下線を付す)を有し、これはNcoI制限部位を含んだ。
3'プライマーは、配列5' GGA AGA TCT AGC TGA GGA CAT TAC 3'[配列番号5]を有し、これは図1中のIL-19タンパク質コード配列直後の最後の15ヌクレオチドに相補的な下線を付した15ヌクレオチドを含む。3'プライマーは、BglII制限部位を含む。
制限部位は、細菌発現ベクターpQE60の制限酵素部位に対して都合良く、これらの実施例において細菌発現のために使用した(Qiagen, Inc. 9259 Eton Avenue,Chatsworth, CA, 91311)。pQE60は、アンピシリン抗生物質耐性(Ampr)をコードし、細菌の複製起点(ori)、IPTG誘導プロモーター、リボソーム結合部位(「RBS」)、6-Hisタグ、および制限酵素部位を含む。増幅されたIL-19タンパク質DNAおよびベクターpQE60の両方をNcoIおよびBglIIで消化し、次いで消化されたDNAを一緒に連結した。IL-19タンパク質DNAの制限されたpQE60ベクターへの挿入は、IL-19タンパク質コード領域を、ベクターのIPTG誘導プロモーターの下流に、かつこれに作動可能に連結するように、そしてIL-19タンパク質の翻訳のために適切に位置された開始ATGにインフレームに配置した。
連結混合物を、標準的な手順を用いて、コンピテントなE.coli細胞に形質転換する。このような手順は、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)に記載されている。複数のコピーのプラスミドpREP4(これは、lacリプレッサーを発現し、そしてまたカナマイシン耐性(Kanr)を付与する)を含有するE.coli株M15/rep4を本明細書に記載の例示的な実施例を行うにあたって使用した。この株(これは、IL-19タンパク質を発現するために適切である多くの内の唯一である)は、Qiagenから市販されている。
形質転換体を、アンピシリンおよびカナマイシンの存在下でLBプレート上で増殖するそれらの能力により同定した。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、そしてクローン化DNAの同定を制限分析により確認した。
所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)とカナマイシン(25μg/ml)との両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(「O/N」)増殖した。
O/N培養物を用いて約1:100〜1:250の希釈で大規模培養に接種した。細胞を、0.4と0.6との間の600nmでの吸光度(「OD600」)にまで増殖させた。次いで、イソプロピル-B-D-チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を加えて0.1mMの最終濃度にし、lacIリプレッサーを不活性化することにより、lacリプレッサー感受性プロモーターからの転写を誘導した。細胞をさらに4時間引き続きインキュベートした(図2は、IL-19タンパク質誘導を示す;IPTGの添加後0、3、5、6、および24時間に取ったサンプルを12.5%のポリアクリルアミドゲル上で流し、そしてブリリアントブルーで染色した)。IL-19タンパク質の移動度を矢印により示す。次いで、細胞を、遠心分離により採集し、そして50mM NaPO4緩衝液(pH8.0、4℃)中の6MグアニジンHCl中で一晩緩やかに振盪させることにより破壊した。次いで、溶解液を遠心分離し、そしてSepharose CL-4B(Pharmacia)カラム上に通した。次いで、フロースルーを活性化Ni2+-NTA-アガロース(Qiagen)を含むカラム上に通した。IL-19タンパク質をカラムから6MグアニジンHCl pH5.0からなる画分中に回収した。グアニジンHClを、IL-19含有画分からリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)pH5.5、の連続的に低減する濃度のグアニジンに対する透析により除去した。
実施例2:バキュロウイルス発現系におけるIL-19のクローニングおよび発現
寄託されたクローンにおける全長IL-19タンパク質をコードするcDNA配列を、この遺伝子の5'配列および3'配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅した:
5'プライマーは、配列 5' GGC GGG ATC CCG CCA TCA TGA AGT TAC AGT GTG TTT CCC 3'[配列番号6]を有し、これは、下線を付したBamHI制限酵素部位、続いて図1におけるIL-19の配列の29塩基を含んだ。以下に記載のように、発現ベクターに挿入したIL-19をコードする増幅したフラグメントの5’末端は、有効なシグナルペプチドを提供した。真核生物細胞における翻訳の開始のために十分なシグナルは、Kozak, M., J. Mol. Biol. 196:947-950(1987)によって記載されるように、構築物のベクター部分に適切に配置される。
3'プライマーは、配列 5' CCC AAG CCT GGT ACC TCA TCA AGC TGA GGA CAT TAC 3' [配列番号7]を有し、これは、下線を付したAsp718制限部位、続いて図1に示されるIL-19コード配列の最後の21ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドを含んだ。
増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」 BIO 101 Inc., La Jolla, Ca.)を用いて、1%アガロースゲルより単離した。次いで、このフラグメントをBamHIおよびAsp718で消化し、そして1%アガロースゲルで再び精製した。このフラグメントを、本明細書中でF2と命名する。
ベクターpA2-GPを用いて、Summersら、A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures, Texas Agricultural Experimental Station Bulletin No. 1555(1987)に記載の標準的な方法を用いて、IL-19タンパク質をバキュロウイルス発現系において発現させた。この発現ベクターは、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、それに続く都合の良い制限部位を含む。AcMNPV gp67のシグナルペプチド(N末端メチオニンを含む)は、BamHI部位のちょうど上流に位置する。シミアンウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために用いる。組換えウイルスの容易な選択のために、E.coli由来のβガラクトシダーゼ遺伝子をポリヘドリンプロモーターと同方向に挿入し、そしてポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルが続く。ポリヘドリン配列を、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性相同組換えのためにウイルス配列によって両端に隣接させ、クローン化ポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを生成する。IL-19タンパク質はまた、pA2ベクターを使用してバキュロウイルスにおいて発現された。
当業者が容易に理解するように、構築が転写、翻訳、輸送などのために適切に位置したシグナル(例えば、必要ならばインフレームでのAUGおよびシグナルペプチド)を提供するならば、多くの他のバキュロウイルスベクター(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)が、pA2-GPの代わりに用いられ得る。このようなベクターは、とりわけ、Luckowら、Virology, 170:31-39に記載される。
当該分野で公知の日常的な手順を用いて、プラスミドを制限酵素BamHIおよびAsp718で消化し、次いでウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化した。次いで、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc., La Jolla, Ca)を用いてDNAを1%アガロースゲルから単離した。このベクターDNAを、本明細書中で「V2」と命名する。
フラグメントF2および脱リン酸化プラスミドV2を、T4 DNAリガーゼでともに連結した。E.coli HB101細胞を連結混合物で形質転換し、そして培養プレート上に播いた。BamHIおよびAsp718を用いて個々のコロニーからのDNAを消化し、次いでゲル電気泳動によって消化産物を分析することによって、ヒトIL-19遺伝子を有するプラスミドを含む細菌を同定した。クローン化フラグメントの配列を、DNA配列決定により確認した。このプラスミドを、本明細書中でpBacIL-19と命名する。
5μgのプラスミドpBacIL-19を、Felgnerら Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:7413-7417 (1987)によって記載されるリポフェクション法を用いて、1.0μgの市販の線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus DNA」, Pharmingen, San Diego, CA.)とともに同時トランスフェクトした。1μgのBaculoGoldTMウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpBacCKβ-15を、50μlの無血清グレース培地(Life Technologies Inc., Gaithersburg, MD)を含むマイクロタイタープレートの無菌ウェル中で混合した。その後、10μlのリポフェクチンおよび90μlのグレース培地を添加し、混合し、そして室温にて15分間インキュベートする。次いで、そのトランスフェクション混合物を、無血清グレース培地1mlを有する35mm組織培養プレート内に播種されたSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下した。プレートを、新たに添加した溶液を混合するために、前後に振盪した。次いでプレートを、27℃で5時間インキュベートした。5時間後、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加した。プレートをインキュベーターに戻し、そして27℃で4日間培養を続けた。
4日後、上清を回収し、そしてSummersおよびSmith(上記で引用)に記載されるようにプラークアッセイを行った。青色染色されたプラークを産生するgal発現クローンの容易な同定および単離を可能にするために、「Blue Gal」(Life Technologies Inc., Gaithersburg)を有するアガロースゲルを用いた。(このタイプの「プラークアッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、Gaithersburg、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学の使用者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。
連続希釈の4日後、ウイルスを細胞に添加した。適切なインキュベーションの後、青く染色されたプラークをエッペンドルフピペットのチップで拾った。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレース培地を含むエッペンドルフチューブ中に再懸濁した。寒天を、短時間の遠心分離により除去し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清を、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染するために用いた。4日後、これらの培養ディッシュの上清を回収し、次いでそれらを4℃で保存した。適切に挿入されたhESSB I、II、およびIIIを含むクローンを、制限マッピングおよび配列決定を含むDNA分析によって同定した。これを、本明細書中でV-IL-19と命名する。
Sf9細胞を、10%熱不活化FBSを補充したグレース培地中で増殖させた。細胞を、約2(約1〜約3)の感染多重度(「MOI」)で組換えバキュロウイルスV-IL-19で感染させた。6時間後、その培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF900 II培地(Life Technologies Inc., Gaithersburgから入手可能)に置き換えた。42時間後、5μCiの35S-メチオニンおよび5μCiの35S-システイン(Amershamから入手可能)を添加した。細胞をさらに16時間インキュベートし、次いで細胞を遠心分離により収集し、溶解し、そして標識されたタンパク質をSDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーにより可視化した。
実施例3:IL-19タンパク質のインビトロ転写/翻訳
組換えIL-19タンパク質をTNT Coupled Wheat Germ Extract System(Promega、Madison, WI)を用いて調製した。
25μgのTNTコムギ胚芽抽出物、10UのT3 RNAポリメラーゼ、1mMのアミノ酸混合物(メチオニンを含まない)、4μCiの35Sメチオニン(1000Ci/mmol)、40U RNasin(Promega, Madison,WI)、および1μgのテンプレートDNAを、最終容積50μl中に合わせ、そして30℃で2時間インキュベートした。組み合わせた転写/翻訳反応物は、以下のテンプレートDNAを含んだ:(1)DNAなし、(2)pBluescript、(3)図1に示されるIL-19配列の、pBluescript中にクローン化されたヌクレオチド44〜577(アミノ酸1〜177に相当する)、(4) pBluescript中にクローン化されたIL-19コード配列のヌクレオチド116〜577(アミノ酸25〜177に相当する)、(5)(3)において記載されるテンプレートに由来し、そして標準的なPCR反応においてM13正方向および逆方向プライマーを用いて増幅された、ゲル精製したPCR産物。サンプルを10分間95℃に加熱し、次いで5μlの各サンプルのアリコートを15%のポリアクリルアミドゲル上にロードした。ゲルを100ボルトで約2時間流した。次いで、ゲルを乾燥させ、そしてX線フィルムに室温で3日間曝露した。全長および短縮型(シグナル配列なし)IL-19タンパク質の移動度を図3に示す。見かけ上の分子量マーカー(M)は、14.3、21.5、30、46、66、97.4、および220kDタンパク質の相対的移動度を示す。
実施例4:哺乳動物細胞におけるクローニングおよび発現
哺乳動物細胞における、IL-19タンパク質遺伝子配列の一過的発現に使用されるベクターのほとんどは、SV40複製起点を有するはずである。このことは、ウイルスDNA合成の開始に必要なT抗原を発現する細胞(例えば、COS細胞)において、高コピー数のベクターの複製を可能にする。任意の他の哺乳動物細胞株もまた、この目的に利用し得る。
代表的な哺乳動物発現ベクターは、プロモーターエレメント(mRNAの転写の開始を媒介する)、タンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントとしては、エンハンサー、ならびにRNAスプライシングのためのドナー部位およびアクセプター部位に隣接するKozak配列および介在配列が挙げられる。非常に有効な転写を、SV40由来の初期および後期プロモーター、レトロウイルス由来の長末端反復(LTR)(例えば、RSV、HTLVI、HIVI)ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターで達成し得る。しかし、細胞シグナルもまた使用され得る(例えば、ヒトアクチンプロモーター)。本発明の実施における使用に適切な発現ベクターとしては、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia, Uppsala, Sweden)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、ならびにpBC12MI(ATCC 67109)のようなベクターが挙げられる。使用され得る哺乳動物宿主細胞としては、ヒトHela、283、H9およびJurkat細胞、マウスNIH3T3およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、アフリカミドリザル細胞、ウズラQC1-3細胞、マウスL細胞、ならびにチャイニーズハムスター卵巣細胞が挙げられる。
あるいは、遺伝子は、染色体に取り込まれるその遺伝子を含む安定な細胞株において発現され得る。選択マーカー(例えば、dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマイシン)との同時トランスフェクションは、トランスフェクト細胞の同定および単離を可能にする。
トランスフェクトされた遺伝子はまた、増幅されて大量のコードされるタンパク質を発現し得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)は、目的の遺伝子の数百または数千ものコピーを有する細胞株を開発するのに有用なマーカーである。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Biochem J. 227:277-279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169-175(1992))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地において増殖させ、そして最も高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は染色体に取り込まれる増幅遺伝子(単数または複数)を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、タンパク質の産生にしばしば使用される。
発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR)(Cullenら、Molecular and Cellular Biology, 438-4470(1985年3月))およびCMV-エンハンサーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521-530(1985))を含む。複数のクローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI、XbaI、およびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターはさらに、ラットプレプロインシュリン遺伝子の3’イントロン、ポリアデニル化、および終結シグナルを含む。
実施例4(a):COS細胞におけるクローニングおよび発現
発現プラスミドpIL-19 HAを、IL-19をコードするcDNAを発現ベクターpcDNA4(Invitrogen, Inc.から入手し得る)内へクローニングすることによって作製する。
発現ベクターpcDNA4は以下:(1)E.coliおよび他の原核生物細胞における増殖に効果的なE.coli複製起点;(2)プラスミド含有原核生物細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核生物細胞における増殖のためのSV40複製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリンカー、SV40イントロン;および、cDNAが、都合良くCMVプロモーターの発現制御下におかれ、そしてポリリンカーにおける制限部位によってSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結し得るように配列されたポリアデニル化シグナルを含む。
IL-19タンパク質をコードするDNAフラグメントおよびその3’末端にインフレームで融合しHAタグを、ベクターのポリリンカー領域にクローン化し、その結果組み換えタンパク質発現はCMVプロモーターによって導かれる。HAタグは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)によって記載されるインフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する。標的タンパク質へのHAタグの融合は、HAエピトープを認識する抗体を用いる組換えタンパク質の簡単な検出を可能にする。
プラスミド構築ストラテジーは以下のようである。寄託されたクローンのIL-19 cDNAを、上記のE.coliにおけるIL-19の発現のためのベクターの構築について多くが記載されるように、都合の良い制限部位を含むプライマーを用いて増幅する。発現されたIL-19の検出、精製、および特徴づけを容易にするために、プライマーのうちの1つは、上記のように赤血球凝集素タグ(「HAタグ」)を含む。
本実施例において使用された適切なプライマーは、以下を含む。下線を付したBamHI部位、AUG開始コドンおよび5'コード領域の22bpを含む5’プライマーは、以下の配列:
5’ GGC GGG ATC CCG CCA TGA AGT TAC AGT GTG TTT CCC 3’(配列番号8)を有する。
3’プライマーは、下線を付したAsp718部位、停止コドン、その後の血液凝集素HAタグを形成する10コドン、および25bpの3’コード配列(3'末端で)を含み、以下の配列:
5' CCC AAG CTT GGT ACC TCA TCA GAA AGC GTA GTC TGG GAC GTC GTA TGG GTA AGC TGA GGA CAT TAC TTC ATG ATT C 3'(配列番号9)を有する。
PCR増幅DNAフラグメントおよびベクターpcDNAI/AmpをHindIIIおよびXhoIで消化し、次いで連結する。連結混合物を、E.coli株SUREへ形質転換し(Stratagene Cloning Systems, 11099 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037より入手可能)、そして形質転換培養物を、次いでインキュベートしてアンピシリン耐性コロニーの増殖を可能にするアンピシリン培地プレートへプレーティングする。プラスミドDNAを耐性コロニーから単離し、IL-19コードフラグメントの存在について制限分析またはゲルサイズ分画によって試験する。
組換えIL-19の発現のために、COS細胞を、例えば、Sambrookら, MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1989)に記載のDEAE-DEXTRANを用いて、上記のように発現ベクターでトランスフェクトする。細胞をベクターによるIL-19の発現のための条件下でインキュベートする。
IL-19/HA融合タンパク質の発現を、例えば、Harlowら, ANITIBODIES: A LABORATORYMANUAL,第2版; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1988)に記載の方法を用いて放射標識化および免疫沈降法によって検出する。この目的を達するため、トランスフェクションの2日後に、細胞を、35S-システインを含む培地中で8時間インキュベートすることによって標識する。細胞および培地を回収し、そして細胞を洗浄し、そしてWilsonら(上記に引用される)に記載されるように界面活性剤含有RIPA緩衝液:150mM NaCl、1% NP-40、0.1% SDS、1% NP-40、0.5% DOC、50mM TRIS、pH 7.5で溶解する。タンパク質を、HA特異的モノクローナル抗体を用いて細胞溶解物および培養培地から沈降する。次いで、沈降されたタンパク質をSDS-PAGEゲルおよびオートラジオグラフィーによって分析する。期待されるサイズの発現産物が細胞溶解物において観察され、これはネガティブコントロールにおいては観察されない。
実施例4(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現
ベクターpC4を、IL-19タンパク質の発現のために使用する。プラスミドpC4は、プラスミドpSV2-dhfr[ATCC受託番号37146]の誘導体である。この両プラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下で、マウスDHFR遺伝子を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされるジヒドロ葉酸活性を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞または他の細胞は、化学治療剤メトトレキサートを補充した選択培地(αマイナスMEM、Life Technologies)中で細胞を増殖させることによって選択され得る。メトトレキサート(MTX)に耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の増幅は、よく考証されている。(例えば、Alt, F.W., Kellems, R.M., Bertino, J.R.およびSchimke, R.T., 1978, J. Biol. Chem. 253:1357-1370、Hamlin, J.L.およびMa, C.1990, Biochem. et Biophys. Acta, 1097:107-143、Page, M.J.およびSydenham, M.A.1991, Biotechnology 第9巻:64-68を参照のこと)。漸増濃度のMTXにおける細胞増殖は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵素DHFRを過剰産生することによって薬物への耐性を生じる。第二の遺伝子がDHFR遺伝子に連結される場合、通常、同時増幅され、そして過剰発現される。遺伝子の1,000を越えるコピーを有する細胞株を開発することは最先端である。続いて、メトトレキサートが取り除かれる場合、細胞株は、染色体(単数または複数)に取り込まれる増幅遺伝子を含む。
プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Molecular and Cellular Biology., 1985年3月 438-4470)の長末端反復(LTR)の強力なプロモーターの遺伝子、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)(Boshartら、Cell 41:521-530,1985)の最初期遺伝子のエンハンサーから単離されたフラグメントを含む。プロモーターの下流は、続く遺伝子の取り込みを可能にするBamHI、PvuIIおよびNruIの単一の制限酵素切断部位である。これらのクローニング部位の後ろに、プラスミドは、3つ全てのリーディングフレーム中の翻訳終止ストップコドン、続いてラットプレプロインシュリン遺伝子の3’イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモーターもまた、発現のために使用され得る(例えば、ヒトβアクチンプロモーター、SV40初期もしくは後期プロモーター、または他のレトロウイルス(例えば、HIVおよびHTLVI)からの長末端反復)。mRNAのポリアデニル化のために、他のシグナル(例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)も同様に使用され得る。
染色体に挿入された目的の遺伝子を有する安定な細胞株もまた、選択マーカー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)での同時トランスフェクトに基づいて選択され得る。開始における2つ以上の選択マーカー(例えば、G418およびメトトレキサート)を使用することが有用である。
プラスミドpC4を制限酵素BamHIで消化し、次いでウシ腸ホスファターゼ(phosphate)を用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化する。次いで、ベクターを、1%アガロースゲルから単離する。
IL-19タンパク質をコードするDNA配列を、IL-19タンパク質のアミノ末端配列および遺伝子のカルボキシ末端配列3’に特異的なPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。クローニングを容易にするための制限部位を含むさらなるヌクレオチドを、それぞれ5’および3’配列に付加する。
5’プライマーは、配列5’ GGC GGG ATC CCG CCA TCA TGA AGT TAC AGT GTG TTT CCC 3’(配列番号10)を有し、これは、下線を付したBamHI制限酵素部位、続いてKozak配列および図1のIL-19の配列の23塩基を含む。3’プライマーは、配列5’ CCC AAG CTT GGT ACC TCA TCA AGC TGA GGA CAT TAC 3’(配列番号11)を有し、これは、下線を付したAsp718制限部位、続いて図1の停止コドンに先行する配列の15bpのヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを含む。制限部位は、CHO発現ベクターpC4における制限酵素部位に都合がよい。
増幅させたフラグメントを、上記のように1%アガロースゲルから単離し、次いでエンドヌクレアーゼBamHIおよびAsp718で消化し、次いで1%アガロースゲルで再び精製する。
次いで、単離したフラグメントおよび脱リン酸化ベクターをT4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101細胞を形質転換し、そして制限酵素BamHIを用いて正しい配向に挿入されたプラスミドpC4を含む細菌を同定する。挿入した遺伝子の配列を、DNA配列決定によって確認する。
CHO-DHFR細胞のトランスフェクション
活性なDHFR酵素を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドC4を、リポフェクチング方法(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSV2-neoとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2-neoは優性選択マーカー(G418を含む一群の抗生物質への耐性を与える酵素をコードするTn5由来の遺伝子neo)を含む。細胞を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、ハイブリドーマクローニングプレート(Greiner, Germany)に播種し、そして10〜14日培養する。此の気管の後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いで異なる濃度のメトトレキサート(25nM、50nM、100nM、200nM、400nM)を用いて、6ウェルペトリ皿に播種する。次いで、最高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(500nM、1μM、2μM、5μM)を含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、クローンが100μMの濃度で増殖するまで繰り返す。
所望の遺伝子産物の発現を、例えば、ウエスタンブロット分析およびSDS-PAGEによって分析する。
実施例5:IL-19タンパク質発現の組織分布
ノーザンブロット分析を行って、とりわけSambrookら(上記に引用される)によって記載される方法を用いて、ヒト組織におけるIL-19タンパク質の発現のレベルの試験を行った。
HL-60、THP-1、およびU937細胞株、ならびに混合白血球集団から付着によって単離された初代ヒト単球を、細菌リポポリサッカライド(LPS)の存在下(+)または非存在下(-)のいずれかで12時間増殖させた。全RNAを、本質的に製造者による記載のように、TRIzol試薬(Life Technologies, Gaithersburg, MD)で培養物から調製した。全RNA(10μg)を完全に乾燥し、ホルムアミド/ホルムアルデヒドローディング緩衝液に再懸濁し、そして2.2 Mホルムアルデヒドを含む1%アガロースゲルを通した電気泳動によって分離した。ゲルを、一晩、20×SSCにおいてナイロン膜 (Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)へ転写した。プローブDNAを図1に示されるように、M13 FowardプライマーまたはM13 Reverseプライマーを用いて、図1に示される完全IL-19インサートをPCR増幅することによって調製した。プローブDNA(25 ng)を、RediPrime Random Primer Labeling Kit(Amersham Life Science)を用いて106CPM/ngより大きい比活性まで32Pで標識した。ブロットを、42℃で一晩、10mlのHybrizolハイブリダイゼーション溶液中で、変性プローブとハイブリダイズした。次いで、ブロットを、25℃で20分間、約100mlの0.2×SSC/0.1%SDSで、次いで65℃で15分間、約100mlの0.2×SSC/0.1%SDSで2回洗浄した。次いで、ブロットをx線フィルムに5日間曝露し、そしてそれを図4に示す。矢印は、IL-19特異的RNAの移動を示す。RNAマーカーは、0.24、1.35、2.37、4.40、7.46、および9.49kb RNAの相対移動度を示す。
本発明が、前述の説明および実施例に詳細に記載される以外に実施され得ることは明白である。
本発明の多数の改変および変異が、上記の教示に照らして可能であり、それゆえ添付の請求項の範囲内である。
本明細書中に参考として援用される全ての刊行物の開示の全体が、本明細書で参考として援用される。
(配列表)
(寄託書)
図1は、ATCC寄託番号第97662号に含まれるDNAクローンの配列決定により決定された完全IL-19タンパク質のヌクレオチド(配列番号1)および推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す。本タンパク質は、約24アミノ酸残基(下線付)のリーダー配列および約20.4kDaの推定分子量を有する。推定成熟IL-19タンパク質のアミノ酸配列はまた、図1(最後の153アミノ酸)(配列番号2)に示される。 図2は、E.coli株M15rep4(実施例1を参照のこと)から発現されたIL-19タンパク質を示すタンパク質ゲルである。 図3は、インビトロでの転写/翻訳組合せ系において生成された全長および短縮型IL-19タンパク質を示すタンパク質ゲルである(実施例3を参照のこと)。 図4は、ヒト組織(HL-60、THP-1、U937、および初代ヒト単球)において発現されるIL-19のノーザンブロット分析である(実施例5を参照のこと)。 図5は、IL-19タンパク質およびヒトIL-10(hIL-10)(配列番号3)のアミノ酸配列間の類似性の領域を示す。 図6は、DNA*Ster配列分析コンピューターソフトウェアパッケージのProteanモジュールより生成された場合のIL-19のアミノ酸配列の分析を示す。Chou-Fasman法、Garnier-Robson法、およびEisenberg法により予想されるαヘリックス、βシート、およびターン領域が示される。それぞれKyte-DoolittleおよびHopp-Woods法によって予想されるIL-19の親水性および疎水性プロフィールもまた示される。Jameson-Wolf法によって予想されるIL-19アミノ酸配列の抗原性指数もまた示される。Jameson-Wolf抗原性指数のピーク領域に対応するIL-19のアミノ酸残基(アミノ酸19-28、88-106、および139-149)は、抗原性指数プロットの下に示される。

Claims (10)

  1. 項1〜13のいずれか1項に記載の単離された核酸分子、およびキャリアを含む、組成物:
    1.単離された核酸分子であって、該核酸分子が、以下:
    (a)配列番号2の完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン−19ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;
    (b)配列番号2の1位〜153位のアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン−19ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;
    (c)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン−19ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;
    (d)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン−19ポリペプチドをコードする、ヌクレオチド配列;および
    (e)(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のヌクレオチド配列のいずれかに相補的な、ヌクレオチド配列、
    からなる群より選択される配列に対して少なくとも95%同一なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
    2.前記ポリヌクレオチドが、配列番号1の完全なヌクレオチド配列を有する、項1に記載の核酸分子。
    3.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン−19ポリペプチドをコードする配列番号1のヌクレオチド配列を有する、項1に記載の核酸分子。
    4.前記ポリヌクレオチドが、配列番号2の1位〜153位のアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン−19ポリペプチドをコードする配列番号1のヌクレオチド配列を有する、項1に記載の核酸分子。
    5.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンの完全なヌクレオチド配列を有する、項1に記載の核酸分子。
    6.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン−19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する、項1に記載の核酸分子。
    7.前記ポリヌクレオチドが、ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン−19ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する、項1に記載の核酸分子。
    8.単離された核酸分子であって、該核酸分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、項1の(a)、(b)、(c)、(d)、または(e)に記載のヌクレオチド配列に同一なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドを含み、ここで該ハイブリダイズするポリヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズしない、単離された核酸分子。
    9.単離された核酸分子であって、該核酸分子は、項1の(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のアミノ酸配列を有するインターロイキン−19ポリペプチドのエピトープ保有部分のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
    10.以下:
    配列番号2の約−5位(Val)〜約+4位(Cys)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2の約64位(Arg)〜約82位(Ser)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および配列番号2の約115位(Val)〜約125位(Val)のアミノ酸残基を含むポリペプチド
    からなる群より選択されるインターロイキン−19ポリペプチドのエピトープ保有部分をコードする、項9に記載の単離された核酸分子。
    11.異種の核酸分子と融合した、項1〜10のいずれか1項に記載の単離された核酸分子。
    12.前記異種の核酸分子が、異種のポリペプチドをコードする、項11に記載の単離された核酸分子。
    13.前記異種のポリペプチドが、前記ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに融合される、項12に記載の単離された核酸分子。

  2. 項21〜26のいずれか1項に記載のポリペプチド、およびキャリアを含む、組成物:
    21.単離されたインターロイキン−19ポリペプチドであって、該ポリペプチドが、以下:
    (a)配列番号2の完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン−19ポリペプチドのアミノ酸配列;
    (b)配列番号2の1位〜153位のアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン−19ポリペプチドのアミノ酸配列;
    (c)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有するインターロイキン−19ポリペプチドのアミノ酸配列;および
    (d)ATCC受託番号97662に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する成熟インターロイキン−19ポリペプチドのアミノ酸配列;ならびに
    (e)(a)、(b)、(c)、または(d)に記載のポリペプチドのいずれか1つのエピトープ保有部分のアミノ酸配列、
    からなる群より選択される配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有する、単離されたポリペプチド。
    22.インターロイキン−19のエピトープ保有部分を含む単離されたポリペプチドであって、ここで該部分が、以下:
    配列番号2の約−5位(Val)〜約+4位(Cys)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2の約64位(Arg)〜約82位(Ser)のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および配列番号2の約115位(Val)〜約125位(Val)のアミノ酸残基を含むポリペプチド
    からなる群より選択される、単離されたポリペプチド。
    23.放射性同位元素標識されるか、またはグリコシル化された、項21または22に記載のポリペプチド。
    24.異種のポリペプチドに融合される、項21〜23のいずれか1項に記載のポリペプチド。
    25.N末端のメチオニンを欠いている、項21〜24のいずれか1項に記載のポリペプチド。
    26.アンタゴニストである、項21〜25のいずれか1項に記載のポリペプチド。
  3. 項27〜30のいずれか1項に記載の抗体、およびキャリアを含む、組成物:
    27.請求項2に定義される項21〜26のいずれか1項に記載のインターロイキン−19ポリペプチドに特異的に結合する、単離された抗体。
    28.ポリクローナル抗体である、項27に記載の抗体。
    29.モノクローナル抗体である、項27に記載の抗体。
    30.アンタゴニストである、項27〜29のいずれか1項に記載の抗体。
  4. 医薬の調製における、請求項1に定義される項1〜13のいずれか1項に記載の単離された核酸分子の使用。
  5. 医薬の調製における、請求項2に定義される項21〜26のいずれか1項に記載のポリペプチドの使用。
  6. 医薬の調製における、請求項3に定義される項27〜30のいずれか1項に記載の抗体の使用。
  7. IFN−γ、TNF−α、またはIL−6の活性レベルの減少を必要とする個体の処置のための薬学的組成物であって、該組成物が、請求項2に定義される項21〜26のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチドを含む、薬学的組成物。
  8. IFN−γ、TNF−α、またはIL−6の活性レベルの増加を必要とする個体の処置のための薬学的組成物であって、該組成物が、請求項3に定義される項30に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
  9. IL−2活性の増加を必要とする個体の処置のための薬学的組成物であって、該組成物が、インターロイキン−19活性のアンタゴニストを含む、薬学的組成物。
  10. IL−2活性の増加を必要とする個体の処置のための薬学的組成物であって、該組成物が、請求項3に定義される項30に記載の抗体を含む、薬学的組成物。
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