JP2007236738A - 超音波診断装置及び制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスサブストラクション法によって取得された像映像に組織像を重畳表示するとき、血流動体を効果的に表現することが可能な超音波診断装置を提供すること。
【解決手段】造影剤が注入された被検体を超音波で走査し、当該被検体の超音波画像を取得する超音波診断装置において、複数の走査線それぞれに対して、位相が反転した2種類の超音波を送信して、それぞれに対応した第1、第2のエコー信号EA、EBを受信する送受信部11と、第1、第2のエコー信号EA、EBを走査線ごとに加算して第3のエコー信号ECを生成する加算部13と、第1のエコー信号EAに基づいて第1の画像データDAを生成するとともに、第3のエコー信号ECに基づいて第2の画像データDCを生成する画像データ生成部28と、第1、第2の画像データDA、DCを使用して最大値保持演算によって第3の画像データDDを生成する画像データ合成部23とを具備している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、造影剤の非線形振動に由来するハーモニック成分を抽出して、被検体内の血流動態を映像化する超音波診断装置及び制御プログラムに関する。
近年、静脈投与型の超音波造影剤が製品化され、造影エコーが行われるようになってきている。造影エコーは、静脈から超音波造影剤を注入して、血流信号を増強して心臓や肝臓などにおける血流動態の評価を行うものである。
多くの造影剤は、微小気泡(マイクロバブル)が反射源として機能する。気泡というデリケートな基材の性質上、通常の診断レベルの超音波送信であっても、その機械的作用によって気泡が壊れ、スキャン断面からの信号強度が低下する。
したがって、血流動態をリアルタイムで観察するためには、低音圧の超音波送信によって映像化するなど、スキャンによる気泡の崩壊を低減させることが必要となる。ところが、低音圧の超音波送信による映像化は、信号/ノイズ比(以下、「S/N比」と称する。)が低下する。そのため、低音圧の超音波送信によって映像化するには、S/N比の低下を補うための信号処理法が必要となる。
ところで、毛細血管レベルの微小血流を映像化する場合、その毛細血管をとりまく周囲組織からのエコー信号が非常に大きくなるため、従来のBモードでは十分な染映が得られない。カラードプラ法においても、周囲組織と組織血流の速度差が小さいため、増強された血流信号は効果的に抽出されない。
そこで、超音波送信によって生じる気泡の振動に強い非線形性があることを利用して、造影剤のみを高感度に映像化する、いわゆるコントラストハーモニック法が開発された。コントラストハーモニック法では、エコー信号に含まれるハーモニック成分(2次高調波成分)だけを利用して血流動態が映像化される。
ハーモニック成分は、気泡の非線形振動に由来するものであって、生体組織からのエコー信号にはあまり含まれていない。特に、超音波送信が低音圧である場合、生体組織からのエコー信号に含まれるハーモニック成分は劇的に少なくなる。そのため、被検体に低音圧の超音波を送信して、かつ、被検体からのエコー信号に含まれるハーモニック成分を利用して映像化すれば、周囲組織に邪魔されることなく、血流動態だけがリアルタイムで表示される。
エコー信号からハーモニクス成分を抽出する方法として、いわゆるパルスサブストラクション(PS)法がある。パルスサブストラクション法では、複数の走査線それぞれに対して、位相が反転した2種類の超音波を低音圧で送信して、これら2種類に対応する2つのエコー信号を受信する。そして、これら2つのエコー信号を加算して基本波成分を除去することで、造影剤の微小気泡からの2次高調波成分のみを抽出する(例えば、非特許文献1参照。)。
このほか、造影剤に含まれる気泡からのエコー成分を抽出する方法として、いわゆるレートサブストラクション(RS)法がある。レートサブストラクション法では、複数の走査線それぞれに対して、同じ超音波を高音圧で2回送信して、これら2回の送信に対応した2つのエコー信号を受信する。そして、これら2つのエコー信号を差分して重複成分を除去することで、1回目の送信によって消失した気泡からのエコー成分を抽出する。
即ち、超音波診断で使用される造影剤に含まれる気泡は非常にデリケートであるため、超音波が照射されると、その多くが瞬時に破壊される。そのため、2回目の超音波の送信によって得られるエコー信号は、1回目の超音波の送信によって得られるエコー信号よりも小さくなる。しかしながら、生体組織からのエコー信号は大きく変化することがない。したがって、これら2つのエコー信号から得られる差分信号には、消失した気泡からのエコー信号が反映される。これにより、レートサブストラクション法を使用すれば、生体組織からのエコー信号が除去されて、血流動態のみの映像化が可能となる。
阿比留巌、鎌倉友男著「超音波パルスの非線形伝搬」信学技法、US89−23、P53 特開平8−336527号公報
しかしながら、パルスサブストラクション法では、エコー信号の基本波成分が完全に除去されるため、基本波成分から生成される組織像が描出されない。しかも、パルスサブストラクション法は、低音圧の超音波送信が前提とされているため、生体組織からのハーモニック成分が非常に弱く、ハーモニック成分から生成される組織像もほとんど描出されない。そのため、造影エコーにあたり、腫瘍等の生体組織を確認することができず、造影エコーが最適なスキャン断面で行われないことがある。しかしながら、組織像を描出させるために超音波の音圧が上げられると、造影剤の微小気泡が破壊されるため、造影像が描出されなくなる。
そこで近年、パルスサブストラクション法でエコー信号の基本波成分を除去した場合であっても、像映像と組織像との対応関係が認識できるように、同一画像上に像映像と組織像を重畳表示する手法が提案されている。しかしながら、本手法は、像映像と組織像を単に重畳しただけであるため、造影像が組織像に邪魔されて血流動体が効果的に表示されないことがある。
本発明は、パルスサブストラクション法によって生成された像映像に組織像を重畳表示するとき、血流動体を効果的に表現することができる超音波診断装置および制御プログラムを提供することである。
本発明における超音波診断装置及び制御プログラムは、以下のように構成されている。
(1)造影剤が注入された被検体を超音波で走査し、当該被検体の超音波画像を取得する超音波診断装置において、複数の走査線それぞれに対して、位相が反転した2種類の超音波を送信し、前記走査線ごとに前記2種類の超音波に対応した第1、第2のエコー信号を受信する送受信手段と、前記第1、第2のエコー信号を走査線ごとに加算して第3のエコー信号を生成する加算手段と、前記第1のエコー信号あるいは第2のエコー信号に基づいて第1の画像データを生成するとともに、前記第3のエコー信号に基づいて第2の画像データを生成する画像データ生成手段と、前記第1、第2の画像データを使用して最大値保持演算によって第3の画像データを生成する画像データ処理手段と、前記第1〜第3の画像データの少なくとも1つを前記超音波画像として表示する画像表示手段とを具備している。
(2)(1)に記載された超音波診断装置において、前記最大保持演算は、前記第1、第2の画像データを構成する複数の画素のうち、空間的に対応する2つの画素の輝度を各々比較して、大きい輝度を採用する演算である。
(3)(2)に記載された超音波診断装置において、前記画像表示手段は、前記第3の画像を表示するときに、前記第1の画像データから輝度を採用した画素と、前記第2の画像データから輝度を採用した画素とを互いに異なる色調で表示する。
(4)(1)に記載された超音波診断装置において、前記画像データ処理手段が最大値保持演算によって前記第3の画像データを生成する以前に、前記第1、第2の画像データの少なくとも一方に重み係数をかける制御手段をさらに具備している。
(5)(4)に記載された超音波診断装置において、前記重み係数を可変する可変手段をさらに具備している。
(6)(5)に記載された超音波診断装置において、前記制御手段は、前記重み係数の可変と連動して、ダイナミックレンジ、ガンマカーブ、ゲイン、及びカラーマップの少なくとも1つのパラメータを可変する。
(7)(1)に記載された超音波診断装置において、前記画像表示手段に表示する画像を切り換える切換手段をさらに具備している。
(8)造影剤が注入された被検体を超音波で走査し、当該被検体の超音波画像を取得する制御プログラムにおいて、コンピュータを、複数の走査線それぞれに対して、位相が反転した2種類の超音波を送信し、前記走査線ごとに前記2種類の超音波に対応した第1、第2のエコー信号を受信する手段、前記第1、第2のエコー信号を走査線ごとに加算して第3のエコー信号を生成する手段、前記第1のエコー信号あるいは第2のエコー信号に基づいて第1の画像データを生成するとともに、前記第3のエコー信号に基づいて第2の画像データを生成する手段、前記第1、第2の画像データを使用して最大値保持演算によって第3の画像データを生成する手段、及び前記第1〜第3の画像データの少なくとも1つを前記超音波画像として表示する手段として機能させる。
本発明によれば、パルスサブストラクション法で生成された像映像に組織像を重畳表示するとき、血流動体が効果的に表現される。
以下、図面を参照しながら一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態における超音波診断装置のブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における超音波診断装置は、送受信部(送受信手段)11、第1のメモリ12、加算部(加算手段)13、検波部14、フィルタ部15、エンベロープ部16、Log圧縮部17、フィルタ制御部(制御手段)18、第1の画像処理部19、フレームメモリ20、第2の画像処理部21、第2のメモリ22、画像データ合成部(画像データ処理手段)23、デジタルスキャンコンバータ24、モニタ(画像表示手段)25、主制御部(制御手段)26、及びユーザインタフェース(可変手段、切換手段)27を具備している。
送受信部11は、超音波を送信するための送信部と、生体組織からのエコー信号を受信するための受信部とから構成される。第1のメモリ12は、送受信部11からのエコー信号を保存する。加算部13は、送受信部11からエコー信号が入力されたときに、当該エコー信号と第1のメモリ12に保存されている別のエコー信号とを加算する。
検波部14は、加算部13からのエコー信号を、当該エコー信号に応じた周波数で検波処理する。フィルタ部15は、検波部14からのエコー信号に対して、検波処理に応じた周波数フィルタをかけ、必要な周波数成分だけを抽出する。
エンベロープ部16は、フィルタ部15からのエコー信号に対して、エンベロープをかける。Log圧縮部17は、エンベロープ部16からのエコー信号をLog圧縮して、画像データを生成する。
即ち、検波部14、フィルタ部15、エンベロープ部16、及びLog圧縮部17は、加算部13からのエコー信号を処理して画像データを生成する画像データ生成部(画像データ生成手段)28を構成している。
フィルタ制御部18は、フィルタ部15のフィルタリング周波数を制御する。第1の画像処理部19は、Log圧縮部17からの画像データに重み係数をかける。フレームメモリ20は、第1の画像処理部19からの画像データを保存する。第2の画像処理部21は、フレームメモリ20からの画像データに画像処理を実行して画像品質を調整する。
第2のメモリ22は、第2の画像処理部21からの画像データを保存する。画像データ合成部23は、フレームメモリ20から画像データが入力されたときに、当該画像データと第2のメモリ22に保存されている別の画像データとを使用して輝度に関する最大値保持演算を実行する。
デジタルスキャンコンバータ24は、走査によって得られた走査線信号列を、テレビジョン等に代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換する。モニタ25は、デジタルスキャンコンバータ24からの画像データを診断画像として表示する。
主制御部26は、ユーザインタフェース27からの入力に基づき、重み係数を可変するとともに、当該重み係数に応じてゲイン、ガンマカーブ、ダイナミックレンジ、及びカラーマップなどのパラメータを最適化する。このほか、主制御部26は、フィルタリング周波数の調整、画像データ合成部23で実行される最大保持演算の支援、モニタ25に表示させる画像データの切り換え、モニタ25に表示される画像データの色調変化などを実行するとともに、これらの機能を実施するために必要な制御プログラムを格納している。
ユーザインタフェース27は、操作者が重み係数を指定するための重み係数スイッチと、操作者がモニタ25に表示させる画像データを切り換えるための切り換えスイッチとを備える。
(診断画像の生成)
本実施形態における超音波診断では、被検体に造影剤が投与される。造影剤としては、微小気泡を反射源とするものが使用される。したがって、被検体に超音波が送信されると、被検体内の微小気泡の非線形振動によって、エコー信号にハーモニック成分が生じる。本実施形態では、血流動態を映像化するために、エコー信号に含まれる当該ハーモニック成分が使用される。
本実施形態における走査シーケンスでは、走査線ごとに位相が反転した2本の超音波、即ち第1、第2の超音波が連続して送信される。なお、第1、第2の超音波の音圧は、造影剤に含まれる気泡が崩壊しないくらい低く設定されている。
第1、第2の超音波は、被検体内における音響インピーダンスの不連続面で反射して、位相が反転した2本のエコー信号、即ち第1、第2の超音波に対応した第1、第2のエコー信号EA、EBとなって送受信部11に受信される。
なお、第1、第2のエコー信号EA、EBは、基本波成分とハーモニック成分の両方を含んでいるが、基本波成分に比べてハーモニック成分が非常に小さいため、基本波成分、即ち組織情報が反映されているとみなされる。
先に受信された第1のエコー信号(第2の成分)EAは、第1のメモリ12に保存されるとともに、加算部13を通過して検波部14に進む。そして、後から受信された第2のエコー信号EBが加算部13に到着したら、第1のメモリ12に保存されている第1のエコー信号EAと、加算部13に到着した第2のエコー信号EBとが加算され、第3のエコー信号(第1の成分)ECが生成される。
ところで、前述のように、第1、第2のエコー信号EA、EBは、位相が反転している。したがって、第1、第2のエコー信号EA、EBが加算されると、第1、第2のエコー信号EA、EBに含まれる基本波成分が相殺され、ハーモニック成分だけが2倍に強調される。これにより、第3のエコー信号ECは、造影剤に含まれる気泡からのハーモニック成分、即ち血流情報が反映されることになる。なお、超音波の音圧は、造影剤に含まれる気泡が崩壊しないくらい低く設定されているため、被検体の組織からのハーモニック成分は非常に小さい。
第3のエコー信号ECが生成されたとき、第1のエコー信号EAは、既に加算部13より先に進んでいる。そして、先行する第1のエコー信号EAと、第1のエコー信号EAに後行する第3のエコー信号ECは、それぞれ検波部14における検波処理、フィルタ部15におけるフィルタ処理、エンベロープ部16におけるエンベロープ処理、及びLog圧縮部17におけるLog圧縮処理が順次なされて、第1、第2の画像データDA、DCとなる。なお、第1、第2の画像データDA、DCは、第1、第3のエコー信号EA、ECに基づいて生成されたものであるため、それぞれ組織情報、血流情報が反映されている。
Log圧縮部17から出力された第1、第2の画像データDA、DCは、第1の画像処理部19において、それぞれ重み係数WA、WCがかけられたのち、逐次フレームメモリ20に保存される。そして、フレームメモリ20に保存された第1、第2の画像データDA、DCは、第2の画像処理部21において、それぞれ重み係数WA、WCに最適なゲイン、ガンマカーブ、及びダイナミックレンジの設定がなされる。
第2の画像処理部21から出力された第1の画像データDAは、ひとまず第2のメモリ22に保存される。そして、送れて第2の画像処理部21から出力された第2の画像データDCが画像データ合成部23に到達したら、第2のメモリ22に保存されている第1の画像データDAと、画像データ合成部23に到達した第2の画像データDCとを使用して、輝度に関する最大値保持演算が実行される。
なお、輝度に関する最大値保持演算とは、2つの画像データを構成する複数の画素のうち、空間的に対応する2つの画素の輝度を各々比較して、大きい輝度を採用する演算である。
したがって、第1の画像データDAと第2の画像データDCとを使用して、輝度に関する最大値保持演算が実行されると、第1の画像データDAから輝度を採用した画素と、第2の画像データDCから輝度を採用した画素とから構成される第3の画像データDDが生成される。
ところで、前述のように、第1の画像データDAは組織情報を反映していて、第2の画像データDCは血流情報を反映している。したがって、第3の画像データDDは、組織の映像と血流動態の映像とが重畳合成されたものとなる。しかしながら、通常、組織からのエコー信号は非常に弱いため、輝度に関する最大値保持演算が実施されても、血流動態が組織の存在によって埋もれることがない。ただし、ユーザインタフェース27からの指示によって、重み係数WA、WCを調整すれば、組織の映像と血流動態の映像とのコントラストを微調整することも可能である。
画像データ合成部23から出力された第3の画像データDDは、デジタルスキャンコンバータ24でスキャンコンバートされて、診断画像として逐次モニタ25に表示される。このとき、モニタ25は、第1の画像データDAから採用された画素を白色で表示し、第2の画像データDCから採用された画素を赤色で表示する。なお、モニタ25は、ユーザインタフェース27の操作によって、第3の画像データDDのほかに、第1の画像データDAや第2の画像データDCなども表示することも可能である。
図2は同実施形態における第1、第2の画像データDA、DCから最大値保持演算によって生成される第3の画像データDDの概略図である。なお、図2において、(a)は第1の画像データDAの映像、(b)は第2の画像データDCの映像、(C)は第3の画像データDDの映像である。
図2に示すように、第1、第2の画像データDA、DCから輝度に関する最大値保持演算によって生成される第3の画像データDDでは、血流動態Bの背景に組織Tが描出されていて、組織に対する血流動態Bの様子が非常にわかりやすい。
(本実施形態による作用)
本実施形態において、組織情報が反映された第1の画像データDAと、血流情報が反映された第2の画像データDCとは、輝度に関する最大値保持演算によって画像合成される。そのため、モニタ25に表示される血流動態の背景に、被検体の組織が表示されて、血流動態と組織との対応関係がはっきりとわかるから、被検体における血流動態が非常に効果的に提示される。
しかも、最大値保持演算が実行される以前に、第1、第2の画像データDA、DCにそれぞれ重み係数WA、WCがかけられから、血流動態が組織によってかき消されることがなく、逆に、組織がほとんど見えないこともない。
さらに、操作者は、ユーザインタフェース27によって、重み係数WA、WCを簡単に可変できるから、超音波診断の最中であっても、すぐにモニタ25に表示される組織の輝度を調整することができる。
また、主制御部26は、設定される重み係数WA、WCに応じて、ゲイン、ガンマカーブ、ダイナミックレンジを自動的に最適化する。そのため、操作者は、重み係数WA、WCを調整するだけで、最良品質の診断画像を得ることができる。
さらに、モニタ25は、第3の画像データDDの表示にあたり、第1の画像データDAから輝度を採用した画素と、第2の画像データDCから輝度を採用した画素とを互いに異なる色調で表示する。そのため、血流動態と組織とがはっきりと区別されるから、被検体の診断能が向上する。
また、操作者は、ユーザインタフェース27によって、モニタ25に表示させる画像を切り換えることができる。そのため、操作者は、第3の画像データDDだけでなく、画像合成される以前の第1、第2の画像データDA、DC、即ち組織だけが描出された画像や血流動態だけが描出される画像も確認することができる。
なお、本実施形態において、基本波成分が反映された第1のエコー信号EAとハーモニック成分が反映された第3のエコー信号ECとを取得するために、加算部13による加算処理が利用されている。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。即ち、送受信部11によって受信されたエコー信号から基本波成分が反映された第1のエコー信号EAとハーモニック成分が反映された第3のエコー信号ECが取得されるのであれば、その手法は全く限定されるものではなく、例えば、加算部13の代わりに、送受信部11によって受信されたエコー信号から基本波成分だけを通過させる第1のフィルタとハーモニック成分だけを通過させる第2のフィルタとが利用されても良い。
本発明は、前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の一実施形態における超音波診断装置のブロック図。 同実施形態における診断画像の概略図。
符号の説明
11…送受信部(送受信手段)、13…加算部(加算手段)、18…フィルタ制御部(制御手段)、23…画像データ合成部(画像データ処理手段)、25…モニタ(画像表示手段)、26…主制御部(制御手段)、27…ユーザインタフェース(可変手段、切換手段)、28…画像データ生成部(画像データ生成手段)、EA…第1のエコー信号、EB…第2のエコー信号、EC…第3のエコー信号、DA…第1の画像データ、DC…第2の画像データ、DD…第3の画像データ。

Claims (8)

  1. 造影剤が注入された被検体を超音波で走査し、当該被検体の超音波画像を取得する超音波診断装置において、
    複数の走査線それぞれに対して、位相が反転した2種類の超音波を送信し、前記走査線ごとに前記2種類の超音波に対応した第1、第2のエコー信号を受信する送受信手段と、
    前記第1、第2のエコー信号を走査線ごとに加算して第3のエコー信号を生成する加算手段と、
    前記第1のエコー信号あるいは第2のエコー信号に基づいて第1の画像データを生成するとともに、前記第3のエコー信号に基づいて第2の画像データを生成する画像データ生成手段と、
    前記第1、第2の画像データを使用して最大値保持演算によって第3の画像データを生成する画像データ処理手段と、
    前記第1〜第3の画像データの少なくとも1つを前記超音波画像として表示する画像表示手段とを具備していることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記最大保持演算は、前記第1、第2の画像データを構成する複数の画素のうち、空間的に対応する2つの画素の輝度を各々比較して、大きい輝度を採用する演算であることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記画像表示手段は、前記第3の画像を表示するときに、前記第1の画像データから輝度を採用した画素と、前記第2の画像データから輝度を採用した画素とを互いに異なる色調で表示することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  4. 前記画像データ処理手段が最大値保持演算によって前記第3の画像データを生成する以前に、前記第1、第2の画像データの少なくとも一方に重み係数をかける制御手段をさらに具備していることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  5. 前記重み係数を可変する可変手段をさらに具備していることを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
  6. 前記制御手段は、前記重み係数の可変と連動して、ダイナミックレンジ、ガンマカーブ、ゲイン、及びカラーマップの少なくとも1つのパラメータを可変することを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
  7. 前記画像表示手段に表示する画像を切り換える切換手段をさらに具備していることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  8. 造影剤が注入された被検体を超音波で走査し、当該被検体の超音波画像を取得するために、コンピュータを、
    複数の走査線それぞれに対して、位相が反転した2種類の超音波を送信し、前記走査線ごとに前記2種類の超音波に対応した第1、第2のエコー信号を受信する手段、
    前記第1、第2のエコー信号を走査線ごとに加算して第3のエコー信号を生成する手段、
    前記第1のエコー信号あるいは第2のエコー信号に基づいて第1の画像データを生成するとともに、前記第3のエコー信号に基づいて第2の画像データを生成する手段、
    前記第1、第2の画像データを使用して最大値保持演算によって第3の画像データを生成する手段、及び
    前記第1〜第3の画像データの少なくとも1つを前記超音波画像として表示する手段として機能させるための制御プログラム。
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