JP2007236170A - 回転電機の回転数測定方法及び回転電機の回転数測定装置 - Google Patents

回転電機の回転数測定方法及び回転電機の回転数測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、測定時間を増大させることなく回転電機回転数の分解能を向上させて、回転電機の回転数を高精度に検出することが可能な回転電機の回転数測定方法及び回転電機の回転数測定装置を提供することにある。
【解決手段】回転電機11の回転数を測定するための方法に関する。
回転電機11の電流値又は電圧値の変動を検出して検出信号を出力する第1の工程と、検出信号に基づいて周波数スペクトルを取得する第2の工程と、回転電機11の予測回転数に対応する周波数付近で最大となるスペクトル成分を1次成分スペクトルとして抽出する第3の工程と、1次成分スペクトルに対応する周波数のn倍(nは2以上の自然数)の周波数付近で最大となるスペクトル成分であるn次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出して対応する周波数を取得する第4の工程と、回転電機11の回転数を算出する第5の工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機の回転数測定方法及び回転電機の回転数測定装置に係り、特に、測定時間を増大させることなく回転電機の回転数を精度良く測定可能な回転電機の回転数測定方法及び回転電機の回転数測定装置に関する。
回転体、特に直流モータの回転数を計測する方法としては、一般的に接触式、非接触式、電流リップル式等の方法が知られている。
特に、電流リップル式は、接触式・非接触式に比べ、回転部に露出部分がなくても計測が可能であり、比較的ローコストで回転数計測が可能であることから、モータの回転数計測に広く利用されている。
電流リップル式は、ロータ回転時に電流方向切り替えに伴い発生する消費電流の変動成分がモータ極数分現れることに着目し、回転数を計測する方法である。つまり、電流変動の主成分は、10極モータでは回転数の10倍、12極モータでは回転数の12倍で現れる。
この際、消費電流の変動成分を表す最大振幅成分を特定する手段として、高速フーリエ変換を利用する方法が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献1に記載の直流モータの回転数測定方法によれば、直流モータの漏洩磁束を電機信号に変換して取出し、続いてそれを高速フーリエ変換してスペクトルを求め、その中の最大スペクトルを判別する。次いで、その周波数fmの1/2の周波数を有するスペクトルの有無を検出して、その存在時にはfm/2P(Pはモータの極数で奇数)回転の1次周波数とし、非存在時にはfm/Pを回転の1次周波数とする。この1次周波数より、モータの回転数を算出する。
また、特許文献2に記載の回転部材の回転数を測定する方法によれば、可動子巻線に流れる電流の交番により生じる電流変化を検知することにより回転数を算出する。つまり、この電流変化は、回転数に依存する所定に周波数で発生するものであるため、この電流変化を検知してフーリエ変換を2度行うことによって回転数を算出する。
特許文献3に記載のブラシモータの速度制御装置によれば、駆動電流に発生するリップルの周波数より、モータの回転速度を推定する。つまり、リップルの周波数は、モータの回転数に比例することが知られているため、このリップルの周波数をフーリエ変換を利用して抽出し、モータの回転速度を推定する。
特公平07−063224号公報(第2頁乃至第3頁) 特許第3135573号公報(第2頁及び第3頁) 特開2004−080921号公報(第3頁乃至第5頁)
しかし、特許文献1乃至特許文献3に記載の技術では、周波数分解能をモータ回転数の分解能に置換すると分解能が低く、この分解能を向上させるためには、測定時間が長くなるとういう問題点があった。
すなわち、分析周波数(サンプリング周波数)を固定したままで、分解能をあげるためには、サンプリング数を増やす必要があるが、サンプリング数を増大させると必要な測定時間が増大する。このため、更に、時間分解能が悪化するという問題もあった。
例えば、2ブラシ12極モータ、3000rpm(50Hz)の場合には、電流変動の主成分は600Hzとなる。
この場合、高速フーリエ変換を行うに際し、サンプリング周波数10240Hz、点数1024点(分析周波数4000Hz、有効ライン数400ライン)を選択すれば、電流計測時間100mmsec、周波数分解能は10Hzとなる。
この場合、周波数分解能をモータ回転数の分解能に置換すると、分解能は50rpm(10Hz÷12×60)となる。
同様に、分析周波数を固定したままでサンプリング数を増大させた場合、表1に示すような結果となる。
Figure 2007236170
表1に示すように、分析周波数(サンプリング周波数)を固定したままで、分解能を向上させるためには、サンプリング数を増やす必要がある。しかし、サンプリング数を増大させると必要な測定時間が増大するという問題が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、測定時間を増大させることなく回転電機回転数の分解能を向上させて、回転電機の回転数を高精度に検出することが可能な回転電機の回転数測定方法及び回転数測定装置を提供することにある。
前記課題は、請求項1に記載の回転電機の回転数測定方法によれば、回転電機の回転数を測定するための方法であって、前記回転電機の回転に依存して発生する電流値又は電圧値の変動を検出して、検出された検出信号を出力する第1の工程と、前記検出信号に基づいて、周波数スペクトルを取得する第2の工程と、該周波数スペクトルより、前記回転電機の予測回転数に対応する周波数付近で最大となるスペクトル成分を1次成分スペクトルとして抽出する第3の工程と、前記1次成分スペクトルに対応する周波数のn倍(nは2以上の自然数)の周波数付近で最大となるスペクトル成分であるn次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、該回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得する第4の工程と、前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数より回転電機の回転数を算出する第5の工程を備えることにより解決される。
また、前記課題は、請求項6に記載の回転電機の測定装置によれば、回転電機の回転数を測定するための装置であって、前記回転電機の回転に依存して発生する電流値又は電圧値の変動を検出することにより得られた検出信号に基づいて、周波数スペクトルを取得するスペクトル取得手段と、該周波数スペクトルより、前記回転電機の予測回転数に対応する周波数付近で最大となるスペクトル成分を1次成分スペクトルとして抽出する1次成分取得手段と、前記1次成分スペクトルに対応する周波数のn倍(nは2以上の自然数)の周波数付近で最大となるスペクトル成分であるn次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、該回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得する回転数算出用スペクトル成分取得手段と、前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数より回転電機の回転数を算出する回転数算出手段と、を備えることにより解決される。
このように、本発明に係る回転電機の回転数測定方法及び回転数測定装置によれば、回転電機の電流変動を示す周波数スペクトルを利用して回転数を測定することができる(例えば、電流値又は電圧値の時間関数をフーリエ変換することにより周波数スペクトルを得る)。よって、回転部に露出部分がなくても計測が可能であり、比較的ローコストで回転数計測が可能である。
また、従来は、上記スペクトルの1次成分スペクトルに対応する周波数を用いて、回転数を算出していたが、本発明によれば、更に高次成分スペクトルに対応する周波数を用いて回転数を算出することができる。
よって、測定時間を増大させることなく、回転数分解能を上げることができる。
つまり、従来技術では、分析周波数(サンプリング周波数)を固定したままで回転数分解能をあげるためには、サンプリング数を増やす必要があり、サンプリング数を増大させると必要な測定時間が増大するという問題が生じていた。
しかし、本発明によれば、サンプリング数を増やすことなく、高次成分スペクトルに対応する周波数を抽出して回転数を算出することができるため、測定時間を増大させることなく回転数分解能を向上させることができる。
このとき、前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たす場合は、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たさない場合は、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出することにより、前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得すると好適である。
また、このとき、前記回転数算出用スペクトル成分取得手段は、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たす場合は、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たさない場合は、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出することにより、前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得すると好適である。
このように構成されていると、n次成分スペクトルが、回転数算出のために適したものであるか否かを判断することができるため、回転数測定の信頼度が増すこととなる。
つまり、回転数分解能をあげるためには、より高次成分のスペクトルを取得することが望ましいが、信頼度を上げるためには、高次成分のスペクトルがノイズと区別されている必要がある。よって、n次成分スペクトルとノイズが確実に区別されていることを担保するために所定の条件を課すこととしたものである。
更に、このとき、前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより所定量大きい場合に、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより所定量大きくない場合には、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出するよう構成されていると、抽出された回転数算出用スペクトルが確実にノイズと区別されていることが担保されるため好適である。
更に、このとき、前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルに比して2倍より大きい場合には、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルの2倍以下の場合には、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出するよう構成されていると好適である。
また、このとき、前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルのピークに対応する周波数が有効分析周波数を超えない場合には、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルのピークに対応する周波数が有効分析周波数を超える場合には、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出するよう構成されていると好適である。
また、回転数測定装置において、n次成分スペクトルが抽出される所定の条件は、抽出された前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより所定量大きいこと、若しくは前記n次成分スペクトルのピークに対応する周波数が有効分析周波数を超えないことである。このとき、前記所定量とは、抽出された前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより2倍以上大きいことである。
このように構成されていると、算出される回転数の信頼性を向上させることができる。
つまり、抽出されたピークがノイズレベルよりもある程度大きいものでなければ、ノイズをピークとを誤って抽出している可能性が高くなる。
このため、抽出されたピークがノイズと確実に識別されていることを担保するために、ノイズレベルの2倍のピークを有するスペクトル成分のみを回転算出用スペクトル成分として抽出することとしたものである。
また、有効分析周波数を超えたものは信頼性にかけるため、除外することとしたものである。
本発明によれば、電流変動を示す信号を周波数領域に変換し、電流変動の高次成分を回転数解析に使用するため、回転電機の回転数を高精度に検出することが可能である。
また、高次成分スペクトルに対応する周波数を用いて回転数を算出することができるため、サンプリング数を増やす必要がない。よって、測定時間を増大させることなく、回転数分解能を上げることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1乃至図7は本発明の一実施形態を示す図で、図1は回転数測定システムを示す説明図、図2はマイクロコンピュータでの処理を示すフローチャート、図3は電流波形を示す説明図、図4は周波数分析結果を示す説明図、図5は電流変動の主成分検出を示す説明図、図6は電流変動の2次成分の検出を示す説明図、図7は電流変動のn次(6次)成分の検出を示す説明図である。
図1により、本実施形態に係る回転数測定システムSの構成を説明する。
本実施形態に係る回転数測定システムSは、回転電機としての直流モータの電流変動を測定し、これを周波数領域に変換して解析することにより直流モータの回転数を算出する。
なお、本実施形態においては、電流変動を検知することとしたが、これに限られることはなく、電圧の変動を検知するように構成してもよい。
本実施形態においては、電流変動を示す信号を変換するために、高速フーリエ変換(以下、「FFT」と記す)を実施する。
ただし、変換方法は、高速フーリエ変換に限られるものではなく、時間に対する電流変動を示す信号を変換して周波数スペクトルを取得できるツールであれば、どのようなアルゴリズムを使用してもよい。
本実施形態に係る被測定物であるモータ11は、公知の2ブラシ、12極の直流モータである。
本実施形態に係る回転数測定システムSは、被測定部1と処理部2とを有して構成されている。
本実施形態に係る被測定部1は、電流センサ12、電源13を有して構成されている。
電流センサ12は、公知の電流測定用センサであり、モータ11に配設されたロータが回転する際、電流方向の切替により生じる電流変動(電流リップル)を検出する。
電源13は、公知の電源であり、モータ11に所定の電圧を供給する。なお、本実施形態においては、モータ11の回転数が約3000rpmとなるように設定されている。
図1に示すように、電流センサ12及び電源13は、モータ11と電気的に接続されている。
本実施形態に係る処理部2は、信号増幅回路21、アンチエリアシングフィルタ22、A/D変換機23、マイクロコンピュータ24を有して構成されている。
本実施形態に係る信号増幅回路21は、公知の増幅装置であり、電流センサ12より受信した信号を増幅して送信する。
本実施形態に係るアンチエリアシングフィルタ22は、公知のノイズフィルタであり、原信号には存在しない信号であるエリアシングノイズをカットする。
本実施形態に係るA/D変換機23は、公知のA/D変換機であり、アナログ信号をデジタル信号へと変換する。
本実施形態に係るマイクロコンピュータ24は、入力した電流変動を解析して、モータ11の回転数を算出するためのアルゴリズムが搭載されたコンピュータであり、FFTにより成分分析を行う。
被測定部1より送信された信号は、信号増幅回路21により増幅された後、アンチエリアシングフィルタ22でエリアシングノイズを除去され、A/D変換装置23でデジタル信号へと変換される。このように、変換された信号は、マイクロコンピュータ24へ取り込まれて、回転数算出のために使用される。
図2により、回転数検出のためのフローを説明する。この処理は、マイクロコンピュータ24に搭載されたCPUにより実行される。
また、各ステップにおける説明として、図3乃至図7に示すチャートを使用する。
本実施形態においては、モータ11として2ブラシの12極の直流モータを使用する。
モータ11の回転数は、3000rpm程度となるように設定されており、この回転数より、電流変動の主成分の周波数は、600Hz程度であると算定される(3000rpm÷60×12)。
測定を行う際には、モータ11に電源13より所定の電圧を供給して、回転が安定したところで、電流センサ12及び信号増幅回路21より得られた信号のA/D変換を開始する。
なお、電流センサ12で電流変動を検知し、信号増幅回路21を介してA/D変換器からデジタル変換された電流値が出力されるまでの工程が、第1の工程に相当する。
また、A/D変換のサンプリング周波数と、測定データ点数は、FFT分析の諸特性により決定される。
本実施形態では、FFT分析の諸特性、及びこれを勘案したA/D変換のサンプリング周波数として、以下の条件を設定する。
A/D変換のサンプリング周波数:10240Hz
FFT点数:1024点
有効分析周波数:4000Hz
有効分析点数:400点
周波数分解能:10.0Hz
測定時間:100mmsec
まず、ステップS1で、デジタル変換された電流値を取得する。
このとき取得できる電流波形の例を図3に示す。図3のチャートでは、時間軸に対する電流値の変化が示される。
次いで(図2参照)、ステップS2で、FFT分析を行う。
なお、FFT分析は、公知のアルゴリズムで実施される。
このFFT分析結果の例を図4に示す。図4のチャートでは、周波数軸に対する電流値(対数)が示される。
なお、デジタル変換された電流値を取得してFFT分析を実施し、周波数スペクトルを取得するまでの工程が第2の工程に相当する。
また、デジタル変換された電流値を取得してFFT分析を実施し、周波数スペクトルを取得する手段が、スペクトル取得手段に相当する。
次いで(図2参照)、ステップS3で所定周波数付近で最大電流値を示す周波数を抽出する。この抽出例を図5に示す。
モータ11の回転数は3000rpm程度で回転するように設定されており、この回転数より、電流変動の主成分の周波数は、600Hz程度であると算定される。よって、このチャートにおいて、600Hz付近(400Hz〜800Hz程度)での電流値ピークを検索すると、ピークAが極大ピークであることがわかる。
このように、ピークAを示す周波数を抽出し、これをMax−Frq1として取得する。本実施形態においては、Max−Frq1=620Hzである。
このMax−Frq1を取得する工程が、第3の工程に相当する。
また、Max−Frq1を取得する手段が、1次成分取得手段に相当する。
次いで、ステップS4で、次回抽出する成分の次数として、次数を2に設定する。
次いで(図2参照)、ステップS5で、Max−Frq1に対応する周波数(本実施形態では620Hz)の次数倍の周波数付近での電流最大値を示す周波数を取得し、Max−Frq(次数)(電流変動成分の次数)とする。
今回取得する電流変動成分の次数は2であり、Max−Frq2を抽出する。
この抽出例を図6に示す。
前回取得したMax−Frq1は、620Hzであるので、今回は620Hz×次数=620×2=1240Hz付近での電流値ピークを検索する。
このチャートにおいて、1240Hz付近での電流値ピークを検索すると、ピークBが極大ピークであることがわかる。よって、ピークBを示す周波数を抽出し、これをMax−Frq2として仮取得する。本実施形態においては、Max−Frq2は1240Hzである。
次いで(図2参照)、ステップS6で、Max−Frq(次数)ピーク>ノイズレベル×2(若しくは、Max−Frq(次数)ピーク>ノイズレベル+3dB)であるか否かを判定する。
なお、ノイズレベルは、抽出されたピーク周辺のノイズピークの平均をとったものである。
なお、あるピークの大きささが他のピークの大きさに比して2倍以上であるということは、デシベル単位に変換した場合、10log2≒10×0.3010≒3(dB)以上の差があるということであり、このため、Max−Frq(次数)>ノイズレベル+3dBを判断基準としてもよい。
今回は、Max−Frq2ピーク>ノイズレベル×2か否かを判定する。
Max−Frq(次数)ピーク>ノイズレベル×2でなければ(ステップS6:No)、ピークとしての信頼性が薄いため、ステップS7で前回取得した次数の周波数を後述するステップS12における回転数算出用に使用する。
今回、仮に、Max−Frq2ピーク≦ノイズレベル×2であった場合(ステップS6:No)には、ステップS7でMax−Frq1が周波数算出用に設定されることとなる。
Max−Frq(次数)ピーク>ノイズレベル×2であった場合(ステップS6:Yes)には、ステップS8で抽出した周波数をMax−Frq(次数)として取得する。
今回、Max−Frq2ピーク>ノイズレベル×2であった場合(ステップS6:Yes)には、ステップS8でMax−Frq2が設定されることとなる。
次いで、ステップS9で、次回取得する周波数(Max−Frq1×次回の次数)が、最大分析周波数を超えるか否かを判定する。
次回取得する周波数(Max−Frq1×次回の次数)が、最大分析周波数を超えていない場合(ステップS9:No)、処理は、ステップS10で次数に1を加算して、ステップS5に戻り、次の次数へと分析を進めることとなる。
次回取得する周波数(Max−Frq1×次回の次数)が、最大分析周波数を超えている場合(ステップS9:Yes)、ステップS11で現在取得している次数の周波数を回転数算出用に設定する。
これは、次に抽出される次成分の周波数は、最大分析周波数を超えるため信頼性にかけることを考慮し、1次低い成分の周波数を回転数算出用に使用することとしたものである。
今回、Max−Frq1×3(次回次数)は、最大分析周波数4000Hzを超えないので、次の次数へと分析を進めることとなる。
このように、Max−Frq(次数)ピーク≦ノイズレベル×2となるか、次回抽出される周波数が、最大分析周波数を超えるまで、ステップS5乃至ステップS10の処理を繰り返すこととなる。
このステップS5乃至ステップS10で繰り返される一連の工程が、第4の工程に相当する。
また、このステップS5乃至ステップS10を繰り返す手段が、回転数算出用スペクトル成分取得手段に相当する。
図7に、n=6のピークNを抽出する例を示す。
このチャートでは、3730Hz付近のピークNが抽出されているが、この次に抽出される周波数(7次の周波数)は最大分析周波数を超えるため、この場合、処理はステップS9からステップS11へと進み、Max−Frq6が回転数算出用に設定される。
ステップS12(図2参照)では、ステップS11で設定された回転数算出用の周波数(Max−Frq(次数))を使用して回転数を算出して処理を終了する。
この回転数を算出する工程が、第5の工程に相当する。
また、この回転数を算出する手段が、回転数算出手段に相当する。
以下、回転数の算出の説明を行う。
回転数は、下記の式により求められる。
回転数=回転数算出用周波数(Max−Frq(次数))÷{次数×モータ極数}×60
このときの回転数分可能は下記の式より求められる。
回転数分解能=FFT周波数分解能÷{次数×モータ極数}×60
よって、本実施形態において、6次成分まで抽出できた場合(図7に示す場合)の回転数及び分解能を上記式により算出すると、
回転数=3730(Hz)÷{6×12}×60=3108.3(rpm)
となり、
回転数分解能=10(Hz)÷{6×12}×60=8.3(rpm)
となる。
ちなみに、従来の方法によれば、1次成分により回転数を算出するため、
回転数=(Max−Frq1)÷モータ極数×60
=620(Hz)÷12×60=3100(rpm)
となり、
回転数分解能=FFT周波数分解能÷モータ極数×60
=10(Hz)÷12×60=50(rpm)
となる。
つまり、本実施形態による回転数測定では、FFTの有効分析周波数が4000Hzであるため、電流変動の6次成分まで計測することができ、このため、回転数分解能が従来の方法によるものの約6倍となる。
更に、これ以上の回転数分解能が必要な場合は、A/D変換周波数及びFFT点数を上げることで、有効分析周波数を高くすることができ、これにより、測定時間を一定としたまま、回転数分解能を上げることができる。
例えば、A/D変換のサンプリング周波数を40960Hz、FFT点数を4096点とすると、有効分析周波数は16000Hzとなる。
この条件の場合、計測できる最大成分は26次(15600Hz)であり、回転数分解能は26倍(実測で1.92rpm)となるが、測定時間は100mmsecのままで変化はない。
従来の方法では、回転数分解能を上げるためには、サンプリング点数を増やす必要があったが、サンプリング点数を増加させると回転数測定の所要時間が増大する。しかし、本実施形態に係る測定によれば、回転数分解能を向上させても、回転数測定のための所要時間に影響を及ぼさない。また、処理部2の所要時間中にも製造ラインを稼動させることができるため、処理部2の所要時間はほとんど影響を及ぼさない。
よって、本実施形態においては、モータ11の回転数を、高精度かつ短時間に測定することができる。
本発明の一実施形態に係る回転数測定システムを示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るマイクロコンピュータでの処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る電流波形を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る周波数分析結果を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る電流変動の主成分検出を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る電流変動の2次成分の検出を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る電流変動のn次(6次)成分の検出を示す説明図である。
符号の説明
1‥被測定部、2‥処理部、
11‥‥モータ、12‥電流センサ、13‥電源、
21‥信号増幅回路、22‥アンチエリアシングフィルタ、23‥A/D変換機、24‥マイクロコンピュータ
S‥回転数測定システム

Claims (9)

  1. 回転電機の回転数を測定するための方法であって、
    前記回転電機の回転に依存して発生する電流値又は電圧値の変動を検出して、検出された検出信号を出力する第1の工程と、
    前記検出信号に基づいて、周波数スペクトルを取得する第2の工程と、
    該周波数スペクトルより、前記回転電機の予測回転数に対応する周波数付近で最大となるスペクトル成分を1次成分スペクトルとして抽出する第3の工程と、
    前記1次成分スペクトルに対応する周波数のn倍(nは2以上の自然数)の周波数付近で最大となるスペクトル成分であるn次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、該回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得する第4の工程と、
    前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数より回転電機の回転数を算出する第5の工程を備えることを特徴とする回転電機の回転数測定方法。
  2. 前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たす場合は、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たさない場合は、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出することにより、前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得することを特徴とする回転電機の回転数測定方法。
  3. 前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより所定量大きい場合に、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより所定量大きくない場合には、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転数測定方法。
  4. 前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルに比して2倍より大きい場合には、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルの2倍以下の場合には、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転数測定方法。
  5. 前記第4の工程では、前記n次成分スペクトルのピークに対応する周波数が有効分析周波数を超えない場合には、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルのピークに対応する周波数が有効分析周波数を超える場合には、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出することを特徴とする請求項1に記載の回転電機の回転数測定方法。
  6. 回転電機の回転数を測定するための装置であって、
    前記回転電機の回転に依存して発生する電流値又は電圧値の変動を検出することにより得られた検出信号に基づいて、周波数スペクトルを取得するスペクトル取得手段と、
    該周波数スペクトルより、前記回転電機の予測回転数に対応する周波数付近で最大となるスペクトル成分を1次成分スペクトルとして抽出する1次成分取得手段と、
    前記1次成分スペクトルに対応する周波数のn倍(nは2以上の自然数)の周波数付近で最大となるスペクトル成分であるn次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、該回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得する回転数算出用スペクトル成分取得手段と、
    前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数より回転電機の回転数を算出する回転数算出手段と、
    を備えることを特徴とする回転電機の回転数測定装置。
  7. 前記回転数算出用スペクトル成分取得手段は、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たす場合は、前記n次成分スペクトルを回転数算出用スペクトル成分として抽出し、前記n次成分スペクトルが、所定の条件を満たさない場合は、(n−1)次成分スペクトルを前記回転数算出用スペクトル成分として抽出することにより、前記回転数算出用スペクトル成分に対応する周波数を取得することを特徴とする請求項6に記載の回転電機の回転数測定装置。
  8. 前記所定の条件は、抽出された前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより所定量大きいこと、若しくは前記n次成分スペクトルのピークに対応する周波数が有効分析周波数を超えないことであることを特徴とする請求項7に記載の回転電機の回転数測定装置。
  9. 前記所定の条件は、抽出された前記n次成分スペクトルのピークがノイズレベルより2倍以上大きいことであることを特徴とする請求項7に記載の回転電機の回転数測定装置。
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