JP2007235809A - 情報処理端末及びイヤホン出力制御方法並びにプログラム - Google Patents

情報処理端末及びイヤホン出力制御方法並びにプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】出力信号を制御することでイヤホン毎の聞こえの違いを抑制し、各イヤホンにて高品質な音情報の出力を図ることができる情報処理端末を提供すること。
【解決手段】外部から集音するマイク部と、イヤホンを接続可能であり当該イヤホンを介して再生音を出力するイヤホン接続部と、マイク部あるいはイヤホン接続部に接続されたイヤホンに対して入出力される音情報の信号処理を行う音情報処理手段と、を備えた情報処理端末であって、マイク部にてイヤホンからの出力音を集音し、この集音した音情報に基づいてイヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する補正値設定手段を備えると共に、音情報処理手段が、記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理し、イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して出力する機能を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理端末にかかり、特に、マイク部を装備すると共に、イヤホンなどからの音情報の出力を補正する機能を有する情報処理端末に関する。
携帯電話機は、従来より、本体レシーバでの通話や、スピーカを使ったハンズフリー機能・TV電話機能や着信メロディー再生に主に利用されている。一方で、近年では、音楽・動画配信といったコンテンツの拡大と共に、ミュージックプレイヤーといった音楽再生機能が付いているモデルが普及しており、移動しながら音楽を聴くといった用途が普及している。このため、イヤホンやヘッドホンを接続して使用する使用シーンが増えつつある。また、自動車運転時の規制からも、同様にイヤホンマイクを使用するシーンが増えている。
このようなことから、近年では、携帯電話にイヤホンを接続して利用する機会が増え、これに伴い、イヤホンやヘッドホン等の使用時における音質向上も強く求められている。
特開2002−135898号公報
しかしながら、携帯電話に装着されるイヤホンやヘッドホンは、使用ユーザ毎に異なる場合があり、かかる場合の音量・音質は、使用されるイヤホンやヘッドホン毎で異なることから、イヤホンによっては良質な音を聞くことが困難となる。また、ステレオイヤホンでは左右の音の聞こえに違いが生じうる。さらには、イヤホン毎で音圧感度が異なるため、実際の音圧調整が困難である、という問題があった。
また、仮にユーザが耳で聞いて調整して使用する場合、及び、ある程度想定されるイヤホン等に対応した補正値により補正をする場合であっても、想定されるイヤホン毎に補正パラメータを決定する必要があり、かかるパラメータの決定が困難である。さらには、最大音量の調整も困難である。
以上のように、従来例においては、イヤホンやヘッドホンを使用するシーンにおいて、音量・音質の差異をなくし、良質な音質を提供するのには大きな課題があった。ちなみに、上記特許文献1には、ヘッドホンにマイクロホンを取り付け、かかるマイクロホンの出力に基づいて、ヘッドホン装着状態によって音像定位制御効果が左右されないようフィルタ調整する、というシステムが開示されているが、これは音像定位制御を行うための技術であり、また、別途マイクロホンを用意する必要があることから、上述した携帯電話などにおいてユーザがイヤホンごとにその調整を行うことは困難である。
このため、本発明では、上記従来例の有する不都合を改善し、特に、出力信号を制御することでイヤホン毎の聞こえの違いを抑制し、各イヤホンにて高品質な音情報の出力を図ることができる情報処理端末を提供する、ことをその目的とする。
そこで、本発明の一形態である情報処理端末は、
外部から集音するマイク部と、イヤホンを接続可能であり当該イヤホンを介して再生音を出力するイヤホン接続部と、マイク部あるいはイヤホン接続部に接続されたイヤホンに対して入出力される音情報の信号処理を行う音情報処理手段と、を備えた情報処理端末であって、
マイク部にてイヤホンからの出力音を集音し、この集音した音情報に基づいてイヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する補正値設定手段を備えると共に、
音情報処理手段が、記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理し、イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して出力する機能を有する、
ことを特徴としている。
そして、予め設定された補正基準音データと、この補正基準音データに対応して予め設定された補正値設定基準データと、を記憶した記憶手段を備え、
補正値設定手段は、イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して補正値基準音データを出力すると共に、当該イヤホンからの出力音をマイク部にて集音して補正値設定基準データと比較し、この比較結果に基づいて補正値を算出する機能を有する、
ことを特徴としている。
また、補正値設定手段は、イヤホンからの出力音と補正値設定基準データとの差分に基づいて補正値を算出する、ことを特徴としている。
上記発明によると、まず、ユーザは、情報処理端末に接続されたイヤホンをマイク部に近づけ、イヤホンからの出力音をマイク部から入力する。すると、情報処理端末では、イヤホンから入力された音情報に基づいて、当該イヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する。具体的には、予め設定された補正基準音データをイヤホンから出力し、これをマイクにて集音し、これを予め設定された補正値設定基準データと比較する。そして、これらの差分などに基づいて出力時の補正値を算出して記憶する。こうして、補正値が設定された後におけるイヤホンからの出力時には、記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理して出力する。これにより、イヤホン特性に応じて自動的に補正がなされて音情報が出力されるため、イヤホンの特性によらず一定の品質の音情報を出力することができる。その結果、ユーザにて特別な設定を行う必要が無く、ユーザの利便性及び満足度の向上を図ることができる。
また、補正値設定手段は、イヤホンのL側及びR側から出力されるステレオ信号をそれぞれ区別してマイク部にて集音し、当該L側及びR側に対する補正値をそれぞれ算出して記憶する機能を有し、
音情報処理手段は、記憶された各補正値に基づいてイヤホンのL側及びR側からの出力音を補正処理して出力する機能を有する、
ことを特徴としている。
これにより、イヤホンの左右における音質の相違も補正することができ、さらなるユーザの利便性や満足度の向上を図ることができる。
また、マイク部に、イヤホンの出力部分を配置可能なイヤホン配置部を設けた、ことを特徴としている。あるいは、イヤホンからの出力音がマイク部に通ずるようマイク部とイヤホンの出力部分とを連結する連結治具を設けた、ことを特徴としている。そして、連結治具は、マイク部及びイヤホンに対して着脱自在である、ことを特徴としている。
これにより、イヤホンからの出力音をより的確にマイク部に入力することができ、イヤホン特性により適切な補正値を算出することができ、補正効果の向上を図ることができる。
なお、上述した情報処理端末は、イヤホン利用の可能性が高く、マイク部を有する携帯電話であると望ましい。
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
外部から集音するマイク部と、イヤホンを接続可能であり当該イヤホンを介して再生音を出力するイヤホン接続部と、を備えた情報処理端末に、
マイク部にてイヤホンからの出力音を集音し、この集音した音情報に基づいてイヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する補正値設定手段と、
マイク部あるいはイヤホン接続部に接続されたイヤホンに対して入出力される音情報の信号処理を行うと共に、記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理してイヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して出力する音情報処理手段と、
を実現させるためのプログラムである。
そして、上記プログラムは、情報処理端末の記憶手段に、予め設定された補正基準音データと、この補正基準音データに対応して予め設定された補正値設定基準データと、が記憶されている場合に、補正値設定手段は、イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して補正値基準音データを出力すると共に、当該イヤホンからの出力音をマイク部にて集音して補正値設定基準データと比較し、この比較結果に基づいて補正値を算出する機能を有する、ことを特徴としている。
また、本発明の他の形態であるイヤホン出力制御方法は、
外部から集音するマイク部と、イヤホンを接続可能であり当該イヤホンを介して再生音を出力するイヤホン接続部と、マイク部あるいはイヤホン接続部に接続されたイヤホンに対して入出力される音情報の信号処理を行う音情報処理手段と、を備えた情報処理端末にて、イヤホンからの出力を制御する方法であって、
マイク部にてイヤホンからの出力音を集音し、この集音した音情報に基づいてイヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する補正値設定工程と、
記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理してイヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して出力する補正出力工程と、
を有することを特徴としている。
そして、情報処理端末の記憶手段に、予め設定された補正基準音データと、この補正基準音データに対応して予め設定された補正値設定基準データと、が記憶されており、補正値設定工程は、イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して補正値基準音データを出力すると共に、当該イヤホンからの出力音をマイク部にて集音して補正値設定基準データと比較し、この比較結果に基づいて補正値を算出する、ためのプログラムである。
さらに、本発明の他の形態である連結治具は、
情報処理端末に接続されたイヤホンからの出力音が、当該携帯型情報処理端末のマイク部に通ずるよう、マイク部と前記イヤホンの出力部分とを連結する、ことを特徴としている。つまり、この連結部は、上述した情報処理端末に用いられ、マイク部及びイヤホンに対して着脱自在に構成されている。
上述した構成のプログラム、方法、連結治具の発明であっても、上記情報処理端末と同様に作用するため、上述した本発明の目的を達成することができる。
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、イヤホン特性に応じて自動的に補正がなされて音情報が出力されるため、イヤホンの特性に影響を受けず、一定の品質の音情報を出力することができ、その結果、ユーザにて特別な設定を行う必要が無く、ユーザの利便性及び満足度の向上を図ることができる、という従来に無い優れた効果を有する。
本発明は、情報処理端末で使用するイヤホン毎に、端末自体に装備されているマイクを使用して、イヤホンが持っている出力信号特性を取得し、その特性に応じて予め設定する特性に補正して出力するように制御する、ことに特徴を有する。以下の実施例では、情報処理端末の一例として携帯電話を挙げて説明するが、イヤホンを接続可能であって音情報の再生機能を有すると共にマイク部を備えた、携帯型オーディオ端末やPDA、さらには、一般的なパーソナルコンピュータなどの他の情報処理端末であってもよい。
本発明の第1の実施例を、図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図2は、本実施例における携帯電話の外観を示す図である。図3は、携帯電話の構成を示すブロック図である。図4は、処理データの一例を示す図である。図5は、携帯電話による動作を示すフローチャートである。
[構成]
本発明における携帯電話10は、上ケース1と下ケース2とを備えた折りたたみ式の携帯電話であり、図1には、開いたときの様子を示している。そして、上ケース1には、ディスプレイ等の表示部3と、スピーカとなる受話用音孔1aと、が形成されている。また、下ケース2には、キーボード等の操作部4が組み込まれて形成されていると共に、外部から集音するマイク部が実装され、当該マイク部を形成する送話用音孔2aが形成されている。また、この送話用音孔2aの周囲は、図2に示すように、イヤホン部6(イヤホンの出力部分)が嵌合可能な凹部5(イヤホン配置部)が形成されている。さらに、この凹部5の外周には、クッションやゴムなどの弾性部材が装備されており、イヤホン部6が凹部5に密着可能なよう構成されている。例えば、凹部5の外周は弾性部材(連結治具)にて覆われていることによって、イヤホン部6からの出力音が送話用音孔2aに通ずるよう、イヤホン部6と送話用音孔2aとが連結される。
また、携帯電話10の下ケース2の側面には、イヤホン60を接続可能であり当該イヤホン60を介して再生音を出力するイヤホン接続部(図示せず)が形成されている。そして、図1には、イヤホン60が接続されているときの様子を示している。このイヤホン60は、マイク付きステレオイヤホンであり、コードの先端にはユーザの耳に装着されるイヤホン部6が装備され、また、コードの途中にはイヤホン側のマイク部である音孔7aが形成されている。かかるイヤホン60を用いることで、ユーザは、携帯電話1から再生した音楽を聴いたり、マイク部をも使用してハンズフリー通話などを行うことができる。
なお、本発明におけるイヤホンとは、再生音の出力部分がユーザの耳に装着される形態のものを全て含むこととし、頭に装着されるヘッドホンの形態のものの含むこととする。
次に、携帯電話10の内部構造について、図3を参照して説明する。図3の回路ブロック図に示すように、携帯電話10は、CPU21と、DSP22と、メモリ23と、EQパラメータ設定部24と、A/D・D/Aコンバータ25と、イヤホン用アンプ26と、マイク用アンプ27と、を備えている。以下、各構成について詳述する。
CPU21は、携帯電話10全体の動作を制御すると共に、通話・通信に関連する種々の演算処理に関係する処理・指示を行い、また、着信音・音声・送話感度等の音量を切り替え指示等の処理を行う機能を有する。
表示部3は、CPU21に接続されており、機能設定時の選択画面、機能の設定状況、カメラなどで撮影した画像、動画、TV電話時の画像などを表示する。操作部4は、CPU21に接続されており、発呼、通話開始・終了、メニュー選択時のキー入力等において使用者が操作するものである。
DSP22は、CPU21に接続されており、受送話部での音声信号処理、着信音等のメロディーデータの音情報の信号処理等を行う。つまり、受話用音孔1aや送話用音孔2a、さらには、イヤホン60に対して、入出力される音情報の信号処理を行う音情報処理手段として機能する。また、DSP22は、後述するように、EQパラメータ設定部24にて設定されたEQパラメータ値に基づいて、イヤホン60からの出力音を補正処理し、当該イヤホン60を介して出力する機能、つまり、イコライザー機能を有する。
メモリ23(記憶手段)は、CPU21とDSP22に接続されており、CPU21での演算した結果、処理した状態、カメラ撮影された画像、動画等のデータや種種の機能設定状態を格納する。そして、特に、後述するように、EQパラメータを設定するためにイヤホンから出力する予め設定された補正基準音データと、この補正基準音データに対応して予め設定された補正値設定基準データと、が記憶されている。ここで、EQパラメータ設定時にイヤホン60から出力する補正基準音データは、例えば、一定レベルで出力される使用周波数帯域のSin波のスイープデジタル信号である。また、これに対応する補正値設定基準データは、フラットな周波数特性となる閾値データであり、例えば、図4(a)の線図Bに示すデータである。
EQパラメータ設定部24は、CPU21とDSP22に接続されており、CPU21がDSP22から得た情報に基づく設定状態に応じて出した指示を受けて、EQパラメータ設定を行う。具体的には、EQパラメータ設定指示を受けた時に、メモリ23に予め記憶された上記補正値基準音データをイヤホン60に出力すると共に、イヤホン部6からの出力音を送話用音孔2aから集音し、この集音した音情報と、メモリ23に記憶されている上記補正値設定基準データ(閾値データ)と、を比較する。そして、比較の結果、それらの差分からEQパラメータ設定値である補正値を算出して、メモリ23に記憶することで、設定完了となる。ここで、例えば、イヤホン部6から集音された音情報は、図4(a)の線図Aで示すようなデータであり、これと補正値設定基準データ(閾値データ)である線図Bとの差分が算出される。そして、その差分をEQパラメータ設定値(補正値)として設定し、例えば、図4(b)の線図Cに示すようなデータが設定される。そして、上記EQパラメータ設定値を用いて再生信号を補正処理することで、上述したCPU21にて再生される際には、イヤホン部6から、図4(b)の線図Dのように調整された状態で再生音が出力される。
A/D・D/Aコンバータ25は、DSP22及びEQパラメータ設定部24に接続されており、DSP23から出力されまたはEQパラメータ設定部24を経由した音声・音楽等のデジタル信号をアナログ信号に変換を行う。また、逆に、送話用音孔2aで集音した音声や音楽等のアナログ信号をデジタル信号に変換を行う。イヤホン用アンプ26は、イヤホン60に接続されており音声や音楽等の信号増幅に使用する。マイク用アンプ27は、送話用音孔2aであるマイク部に接続されおり、当該マイク部で集音した音声や音楽等の信号増幅に使用する。
ここで、本実施例では、イヤホン60がステレオイヤホンであるため、EQパラメータ設定時には、イヤホン部6の左右(L側、R側)毎に調整を実施する。従って、EQパラメータ設定部24は、L側のイヤホン部6に対するEQパラメータ設定時と、R側のイヤホン部6に対するEQパラメータ設定時において、それぞれ区別して各イヤホン部6から送話用音孔2aにて集音し、各EQパラメータ設定値をそれぞれ算出して記憶する。また、これに伴い、CPU21は、イヤホン60からの再生時に、上記算出したL側あるいはR側のそれぞれのEQパラメータ設定値を用いて、各イヤホン部6に対する出力音を補正処理して出力する機能を有する。これにより、ステレオイヤホンの場合は、左右で同じ音量及び音質で再生することができる。
なお、上述したCPU21による機能、さらには、EQパラメータ設定部24による機能は、プログラム制御により実現される。つまり、かかるプログラムを携帯電話に組み込むことによって、上述したイヤホン出力制御を実現できる携帯電話10を構成することができる。
[動作]
次に、上記構成の携帯電話10の動作を、図5のフローチャートを参照して説明する。まず、携帯電話10が待ち受け状態にあるときに(ステップS1)、携帯電話10に挿入されているマイク付きステレオイヤホン60のイヤホン部6から出力される信号を調整する場合には、ユーザは、携帯電話10のメニューを操作してイヤホン補正機能の選択を実施する(ステップS2)。そして、ユーザは、一方(例えば、L側)のイヤホン部6を、図2に示すように、携帯電話10の送話用音孔2aに押さえつける。このとき、送話用音孔2aの周囲には凹部5が形成されていたり、弾性部材が装備されているため、イヤホン部6を送話用音孔2aに密着することができ、イヤホン部6からの出力音を的確に集音することができる。
続いて、補正値を決定するため、メニューにある補正値調整を選択する(ステップS3にてイエス)。すると、DSP22から使用周波数帯域のSin波のスイープデジタル信号が一定レベルで出力され、同時に、送話用音孔2aを集音可能な状態に設定される。そして、出力された信号は、D/Aコンバータ25を通りデジタル信号からアナログ信号に変換され、変換されたアナログ信号はイヤホン用アンプ26で増幅され、イヤホン特性に合わせられてイヤホン部6から送出される(ステップS4)。
続いて、イヤホン部6からイヤホン特性に合わせられて送出された信号は、送話用音孔2aから集音され、マイク用アンプ27を通り増幅され、A/Dコンバータ25を通り、DSP22にデジタル信号が周波数毎の音圧として収集される(ステップS5)。この信号は、例えば、図4(a)の線図Aで示される。
続いて、CPU21が、この収集されたデータと予め設定されているフラットな周波数特性となる閾値データ(図4(a)の線図B参照)とに基づいてEQパラメータ設定値を作成するよう、EQパラメータ設定部24に作成指示を出す(ステップS6にてイエス)。すると、EQパラメータ設定部24は、収集したデータと閾値データとを比較した結果の差分から、EQパラメータ値を作成する(ステップS7)。その後、EQパラメータ値の作成が完了すると、CPU21が認識し、EQパラメータ設定部24で作成したEQパラメータ値をメモリ23に保持させて設定完了となる(ステップS8、補正値設定工程)。なお、作成されたEQパラメータ設定値は、例えば、図4(b)の線図Cに示すようになる。
そして、上記ではイヤホン部6の一方(L側)の設定を行ったが、続いて、他方(R側)を送話用音孔2aに押さえつけ、上記同様にEQパラメータ値の設定を行い、L側、R側それぞれのEQパラメータ設定値を保存する。
その後、イヤホン調整機能が選択された状態で、イヤホン60を介して音楽再生操作がなされると、CPU21が、EQパラメータ設定部24で保持したEQパラメータ値を使用して再生するように指示をだす。すると、DSP22が、イヤホン部6からの出力信号をEQパラメータ値を用いて調整し、例えば、図4(b)の線図Dのように制御された状態で、イヤホン部6から再生出力する(補正出力工程)。
以上のように、携帯電話10で音楽再生や通話等の機能でイヤホンを使用するときに、予め使用するイヤホン特性に合わせて携帯電話10に装備されているマイクを使用して調整しておくことで、出力信号が制御され、イヤホンから出力される音楽や音声はイヤホン毎または左右毎で調整されるので、音量、音質の変化を少なく音を出力可能となる。従って、イヤホンの違いによる聞こえの差やステレオの場合には左右の差が抑制され、極力一定な音声・音楽を提供することができる。特に、3D音源の場合、顕著な効果が得られる。
また、一定の音声・音楽を再生することでハウリング防止を図ることができる。さらに、使用するイヤホン毎に、イヤホンから出る出力音圧に合わせて補正し、一定の音声・音楽を再生することで、最大音圧を送出する危険性を回避することができる。
次に、本発明の第2の実施例を、図6を参照して説明する。図6に示すように、本実施例においては、イヤホン部6を携帯電話10の送話用音孔2aに装着する際に使用される連結治具8が設けられている。この連結治具8は、上述した弾性部材と同様に、クッションやゴムなどで構成されており、送話用音孔2aの周囲を覆う円環状に形成されている。
これにより、イヤホン部6と送話用音孔2aとが通じ、イヤホン部6からの出力音が外部に漏れないよう周囲が覆われた状態になるため、イヤホンからの出力音をより的確にマイク部に入力することができ、イヤホン特性により適切な補正値を算出することができ、補正効果の向上を図ることができる。
なお、上記では、イヤホンについて説明したが、頭にかけて使用するヘッドホンであっても同様である。かかる場合にも、ヘッドホンの耳当て部分である出力部分を、携帯電話10の送話用音孔2aであるマイク部に押し当てることで、上述同様に補正値を設定することができる。なお、ヘッドホンの場合には、耳当て部分と携帯電話のマイク部との大きさが異なるため、上述した連結治具8を用いてその形状差を吸収可能なよう、当該連結治具8を形成するよい。例えば、連結治具8を錘状に形成することで、より的確にヘッドホンからの出力音をマイク部にて集音することができる。
本発明は、音楽再生可能であり、イヤホンなどで聴くことが可能な携帯電話などの情報処理端末に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
実施例1における携帯電話の外観を示す図である。 携帯電話の使用時の様子を示す図である。 携帯電話の構成を示すブロック図である。 図4(a),(b)は、携帯電話で処理されるデータ例を示す図である。 携帯電話の動作を示すフローチャートである。 実施例2における携帯電話の使用時の様子を示す図である。
符号の説明
1 上カバー
2 下カバー
3 表示部
4 操作部
5 凹部
6 イヤホン部
8 連結部材
10 携帯電話
21 CPU
22 DSP
23 メモリ
24 EQパラメータ設定部
25 A/D・D/Aコンバータ
26 イヤホン用アンプ
27 マイク用アンプ
60 イヤホン
1a 受話用音孔
2a 送話用音孔(マイク部)

Claims (15)

  1. 外部から集音するマイク部と、イヤホンを接続可能であり当該イヤホンを介して再生音を出力するイヤホン接続部と、前記マイク部あるいは前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンに対して入出力される音情報の信号処理を行う音情報処理手段と、を備えた情報処理端末であって、
    前記マイク部にて前記イヤホンからの出力音を集音し、この集音した音情報に基づいて前記イヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する補正値設定手段を備えると共に、
    前記音情報処理手段が、前記記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理し、前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して出力する機能を有する、
    ことを特徴とする情報処理端末。
  2. 予め設定された補正基準音データと、この補正基準音データに対応して予め設定された補正値設定基準データと、を記憶した記憶手段を備え、
    前記補正値設定手段は、前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して前記補正値基準音データを出力すると共に、当該イヤホンからの出力音を前記マイク部にて集音して前記補正値設定基準データと比較し、この比較結果に基づいて前記補正値を算出する機能を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
  3. 前記補正値設定手段は、前記イヤホンからの出力音と前記補正値設定基準データとの差分に基づいて前記補正値を算出する、ことを特徴とする請求項2記載の情報処理端末。
  4. 前記補正値設定手段は、前記イヤホンのL側及びR側から出力されるステレオ信号をそれぞれ区別して前記マイク部にて集音し、当該L側及びR側に対する前記補正値をそれぞれ算出して記憶する機能を有し、
    前記音情報処理手段は、前記記憶された各補正値に基づいて前記イヤホンのL側及びR側からの出力音を補正処理して出力する機能を有する、
    ことを特徴とする請求項1,2又は3記載の情報処理端末。
  5. 前記マイク部に、前記イヤホンの出力部分を配置可能なイヤホン配置部を設けた、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の情報処理端末。
  6. 前記イヤホンからの出力音が前記マイク部に通ずるよう前記マイク部と前記イヤホンの出力部分とを連結する連結治具を設けた、ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の情報処理端末。
  7. 前記連結治具は、前記マイク部及び前記イヤホンに対して着脱自在である、ことを特徴とする請求項6記載の情報処理端末。
  8. 携帯電話である、ことを特徴とする請求項1乃至7記載の情報処理端末。
  9. 外部から集音するマイク部と、イヤホンを接続可能であり当該イヤホンを介して再生音を出力するイヤホン接続部と、を備えた情報処理端末に、
    前記マイク部にて前記イヤホンからの出力音を集音し、この集音した音情報に基づいて前記イヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する補正値設定手段と、
    前記マイク部あるいは前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンに対して入出力される音情報の信号処理を行うと共に、前記記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理して前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して出力する音情報処理手段と、
    を実現させるためのプログラム。
  10. 前記情報処理端末の記憶手段に、予め設定された補正基準音データと、この補正基準音データに対応して予め設定された補正値設定基準データと、が記憶されており、
    前記補正値設定手段は、前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して前記補正値基準音データを出力すると共に、当該イヤホンからの出力音を前記マイク部にて集音して前記補正値設定基準データと比較し、この比較結果に基づいて前記補正値を算出する機能を有する、
    ことを特徴とする請求項9記載のプログラム。
  11. 外部から集音するマイク部と、イヤホンを接続可能であり当該イヤホンを介して再生音を出力するイヤホン接続部と、前記マイク部あるいは前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンに対して入出力される音情報の信号処理を行う音情報処理手段と、を備えた情報処理端末にて、イヤホンからの出力を制御する方法であって、
    前記マイク部にて前記イヤホンからの出力音を集音し、この集音した音情報に基づいて前記イヤホンからの出力音の補正値を算出して記憶する補正値設定工程と、
    前記記憶された補正値に基づいて出力音を補正処理して前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して出力する補正出力工程と、
    を有することを特徴とするイヤホン出力制御方法。
  12. 前記情報処理端末の記憶手段に、予め設定された補正基準音データと、この補正基準音データに対応して予め設定された補正値設定基準データと、が記憶されており、
    前記補正値設定工程は、前記イヤホン接続部に接続されたイヤホンを介して前記補正値基準音データを出力すると共に、当該イヤホンからの出力音を前記マイク部にて集音して前記補正値設定基準データと比較し、この比較結果に基づいて前記補正値を算出する、
    ことを特徴とする請求項11記載のイヤホン出力制御方法。
  13. 前記補正値設定工程は、前記イヤホンからの出力音と前記補正値設定基準データとの差分に基づいて前記補正値を算出する、ことを特徴とする請求項12記載のイヤホン出力制御方法。
  14. 情報処理端末に接続されたイヤホンからの出力音が、当該情報処理端末のマイク部に通ずるよう、前記マイク部と前記イヤホンの出力部分とを連結する、ことを特徴とする連結治具。
  15. 請求項6記載の前記情報処理端末に用いられる連結治具であって、前記マイク部及び前記イヤホンに対して着脱自在であることを特徴とする連結治具。

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