JP2007235173A - 固体撮像素子及びカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】低電源電圧化が可能であり、低消費電力で、かつ、SN比の良好な固体撮像素子とする。
【解決手段】半導体基板上に形成されたPウェル102、Pウェル中に形成されたフォトダイオード、フォトダイオード内に蓄積された光電荷を転送するための転送ゲート105、および転送された光電荷を受け取る拡散接合容量部106を画素内に有し、フォトダイオードは、第1蓄積領域109と、第1蓄積領域より高濃度で、より深く形成された第2蓄積領域108とを備え、第1蓄積領域109は転送ゲート105の端部において転送ゲート側に向かって延在しており、第2蓄積領域108は転送ゲートの端部において転送ゲート側に向かって延在していない。
【選択図】図1

Description

本発明は固体撮像素子及び固体撮像素子を用いたカメラに関し、詳しくは画素毎に信号増幅部を有する固体撮像素子及びカメラに関する。
固体撮像素子の代表的なものには、フォトダイオードおよびCCDシフトレジスタからなるCCDセンサと、フォトダイオードおよびMOSトランジスタにより構成されるアクティブ画素により画素部が形成されるCMOSセンサがある。CMOSセンサはCCDと比べて、(1)消費電力が小さい、(2)周辺回路のオンチップ化が可能なため、信号処理回路を同一チップ上に形成することができ、安価かつコンパクトに固体撮像素子を製造することが可能、(3)従来のMOSプロセスをベースにプロセス設計が可能であり、専用の製造ラインを持つことなく固体撮像装置を提供することが可能である、等のメリットがある。
上述のメリットを得るためには、電源電圧の仕様として、通常のCMOSプロセスの規格である5Vもしくは3.3V等の電圧から大きく逸脱しないことが望ましい。そのため、各画素のフォトダイオード内に蓄積された信号電荷を読み出す際の転送動作におけるゲート電圧に制約があり、フォトダイオードに蓄積された信号電荷の転送の設計は必ずしも容易ではない。特に、暗電流を抑制するために埋め込みフォトダイオード構造とした場合や、リセットノイズの影響をキャンセルするためにリセット時にフォトダイオードを完全空乏化する場合においては、フォトダイオードの電荷を転送するための構造を確保することは容易ではない。
この問題について図7の従来技術の説明図を用いて説明する。図7において、701は半導体基板であり、702は撮像領域に形成されたウェルである。ウェル702は、ここではPタイプの半導体で形成されている。703は画素に蓄積された信号電荷をドレイン704に転送するための転送ゲートであり、705はゲート酸化膜である。フォトダイオードの蓄積領域707はNタイプの半導体で形成されており、表面は濃いP層706で覆われている。濃いP層706を形成する目的は蓄積領域707から伸びる空乏層がゲート酸化膜705に届くのを防止し、暗電流を抑制することである。このような埋め込みフォトダイオードにおいては、蓄積領域707の電荷をドレイン704に転送する際には、ゲート酸化膜705に対して深い場所からの電荷の転送が必要となる。これを実現するためには、電荷転送用領域708を形成すればよい。転送に必要なゲート電圧は、電荷転送用領域708の濃度と巾で制約を受ける。すなわち、電荷転送用領域708の巾と濃度を十分に確保することができれば、所望の電源電圧において、フォトダイオード内の電荷を完全に転送することが可能であり、フォトダイオードの完全リセット、信号電荷の完全転送が可能となる。こういった構造の形成方法としては、特許文献1にその手段が提唱されている。この提案の要点および実施形態について簡単に述べると、(1)転送ゲートに対して自己整合的に電荷転送用領域を形成することで、安定して製造することができる。(2)電荷転送用領域は、蓄積領域のイオン注入を行う際に矢印709に示すような角度を持たせ、イオン種としては燐を用い、熱拡散することで形成が可能である。(3)実施例の一つとして、フォトダイオードのn層(蓄積領域)と電荷転送用領域のイオン注入を角度とエネルギーの異なる2回のイオン注入により形成することで、特性の最適化が可能である。
上述の手段により、電荷転送用領域を濃く巾広く形成した場合、完全転送できる構造の設計が可能となる。ところが一方で別の問題が発生する。暗電流を抑制するために埋め込みフォトダイオード構造をとっているにも関わらず、電荷転送用領域の濃度、巾が大き過ぎると蓄積期間中にフォトダイオードの空乏層がゲート酸化膜界面に到達し、暗電流が激増する。この対策としては、特許文献2に示されているとおり、蓄積期間中に転送ゲート電極の電位をウェル電位よりも下げる(以下、転送ゲートLOWレベルと記載する。)ことにより、電荷転送用領域の上方に反転層を形成する手法がある。
特開平11−274454号公報 特開2001−245216号公報
上述したように、特許文献1に開示された技術では、暗電流を抑制するために埋め込みフォトダイオード構造をとっているにも関わらず、電荷転送用領域の濃度、巾が大き過ぎると蓄積期間中にフォトダイオードの空乏層がゲート酸化膜界面に到達し、暗電流が激増する場合があった。
また上記の特許文献2に開示された手法は大変有効ではあるが、低消費電力化、低電圧化を達成する上では、転送ゲートLOWレベルをなるべくウェル電圧に近づけることが望ましい。
本発明の固体撮像素子は、半導体基板上に形成された第1導電型の半導体領域、前記半導体領域中に形成されたフォトダイオード、前記フォトダイオード内に蓄積された光電荷を転送するための転送ゲート、および転送された光電荷を受け取る拡散接合容量部を画素内に有する固体撮像素子において、
前記フォトダイオードは、第2導電型の半導体からなる第1蓄積領域と、前記第1蓄積領域と接し、且つ第2導電型の半導体からなる、前記第1蓄積領域より深く形成された第2蓄積領域とを備え、
前記第1蓄積領域は前記転送ゲートの端部において前記転送ゲート側に向かって伸びており、前記第2蓄積領域は前記転送ゲートの端部において前記転送ゲート側に向かって伸びておらず、前記第1蓄積領域の不純物濃度が前記第2蓄積領域の不純物濃度よりも低いことを特徴とする固体撮像素子である。
本発明は、フォトダイオードの蓄積領域を深さの異なる2つの領域で構成し、浅い第1蓄積領域は転送ゲート下に電荷転送用領域を形成し、深い第2蓄積領域は転送ゲート下のゲート酸化膜付近の浅い領域には実質的に濃度を持たない構成とした。
また本発明は上記構成を実現する製造方法として、転送ゲートの転送ゲート長方向をx軸、転送ゲート巾方向をy軸とし、イオン注入の方向をxy平面に投影したイオン注入投影方向とx軸のなす角度をαとしたとき、浅い第1蓄積領域を形成するイオン注入は角度αを0°≦α<90°、270°<α≦360°に設定し、深い第2蓄積領域を形成するイオン注入は角度αを90°≦α≦270°に設定して、第1蓄積領域は転送ゲート下に電荷転送用領域を形成し、第2蓄積領域は転送ゲート下には延在しないようにした。
また本発明は上記構成を実現する製造方法として、浅い第1蓄積領域を形成するイオン注入は転送ゲートのゲート長方向に(好ましくは平行に)傾けて注入し、深い第2蓄積領域を形成するイオン注入は転送ゲートのゲート巾方向に(好ましくは平行に)チルトを傾けて注入する形成方法を提案するものである。
本発明による構成によれば、電荷転送用領域の濃度をフォトダイオードの蓄積可能な電荷量、空乏化電圧とは独立に制御することが可能であり、かつ、ゲート電極付近の濃度を薄く形成することが可能であり、また、量産バラツキの小さいプロセスが可能となる。これらの効果により、より小さい負電圧で安定して暗電流の小さい固体撮像素子を提供することが可能となる。
本発明によれば、転送時に転送ゲートに与える電圧を小さく、また、蓄積時に転送ゲートに与える負電圧の絶対値をより小さく設計することが可能となる。このため、低電源電圧化が可能であり、低消費電力で、かつ、SN比の良好な固体撮像素子を提供することが可能である。また、製造上の安定性が高く、開発要素の少ないプロセスを実現でき、さらに白傷の低減が図れることから歩留まりが向上するため、安価で高精細な固体撮像素子の提供が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の固体撮像装置の第1の実施形態の説明図、図1(b)は図1(a)のA−A´断面の不純物濃度分布を示す図である。
図1において、101は半導体基板であり、102はpタイプのウェル領域である。103は選択酸化膜であり、104はゲート酸化膜、105は転送ゲートである。フォトダイオードの電荷は転送ゲート105をONすることにより、拡散接合容量106に読み出される。フォトダイオードは表面の濃いP層107、深い蓄積領域108、浅い蓄積領域109により構成された埋め込みタイプのフォトダイオードになっている。深い蓄積領域108は浅い蓄積領域109と異なり、転送ゲート105に向かって、上方に伸びていない。つまり、浅い蓄積領域109は転送ゲート105付近においてゲート酸化膜104に接するように不純物領域が存在しているのに対して、深い蓄積領域108はゲート酸化膜104に接していない。
また、上述した本発明の効果を得るためには、浅い蓄積領域109のイオン注入の平均飛程を濃いp層107の接合深さと同等もしくはそれより浅く設計することが望ましい。
この関係を図1(b)に示す。フォトダイオードの深い蓄積領域および浅い蓄積領域の形成は燐のイオン注入により行った。浅い蓄積領域109のイオン注入の平均飛程をRp2、深い蓄積領域108のイオン注入の平均飛程をRp1、濃いp層107とフォトダイオードの蓄積領域との接合の深さ(浅い蓄積領域109と深い蓄積領域108のドナー濃度の和が濃いp層107とウェル102のアクセプタ濃度の和に等しくなる深さ)をXjとすると、
Rp2≦Xj<Rp1
の関係とすることにより本発明の効果はさらに効果的であり、転送時に転送ゲートに与える電圧を小さく、また、蓄積時に転送ゲートに与える負電圧の絶対値をより小さく設計することが可能となる。
実際には深い蓄積領域108も浅い蓄積領域109もnタイプの半導体領域であるため、プロセス完了後の深い蓄積領域108と浅い蓄積領域109の明確な境目は無いが、以下の理由によって本発明の提案する構成においては、従来の技術とは明確に異なり、上述した本発明の効果を得ることができる。
(1) フォトダイオードに蓄積できる電荷数や、完全空乏化するバイアスは、深い蓄積領域108の濃度により大きく支配され、浅い蓄積領域109の濃度に対する依存は小さい。その理由は表面にある濃いp層107が十分に濃いため、浅い蓄積領域109を形成する不純物は濃いp層107に覆われる部分では濃いp層に打ち消され影響が見えにくいためである。そのため、プロセス条件を微小に変更した場合のチューニング、プロセスバラツキの補正を行う場合、異なる仕様の製品に対してフォトダイオードのプロセス条件を設計しなおす場合などに、深い蓄積領域108の注入条件のみを見直すことで対処することが可能となる。その結果、転送ゲートLOWレベルの仕様が劣化することなく、フォトダイオードのチューニング、設計が可能である。
(2) 発明者の設計および検証によれば、深い蓄積領域108を形成するための不純物濃度は、浅い蓄積領域109を形成するための不純物濃度にくらべ、2倍〜10倍が適しており、深い蓄積領域108が転送ゲート電極105付近にも形成されてしまう場合には、その影響が大きい。そのため、深い蓄積領域108と浅い蓄積領域109を独立に設計できることによって、本発明の効果である、製造上の安定性が高く、開発要素の少ないプロセスを実現できるという効果を得る事ができる。
次に、本発明による第1の実施形態を実現する手段を説明する。
図2を用いて画素のパターンに対するイオン注入の方向について定義する。図2において、201は半導体基板であり、202はゲート酸化膜、203は転送ゲートである。204は拡散接合容量であり、205はフォトダイオードである。図に示した通り、基板法線方向をz軸とし、転送ゲートの転送ゲート長方向をx軸、転送ゲート巾方向をy軸とする。ベクトル206はイオン注入の方向を表している。ベクトル206とz軸のなす角度(θ)をチルト角度と定義し、ベクトル206をxy平面に投影したベクトル207とx軸のなす角度(α)をローテーション角度と定義する。α=0°の場合を転送ゲート下に打ち込む注入とよび、α=90°もしくは270°の場合を転送ゲートエッジに平行な注入とよぶことにする。
図3(a)は、従来の技術で既に開示されているフォトダイオードの形成方法を示す説明図である。301は半導体基板であり、302はPタイプのウェル領域、303は選択酸化膜、304はゲート酸化膜、305は転送ゲートである。フォトダイオードの深い蓄積領域を形成するイオン注入の注入ベクトルをPD1、浅い蓄積領域のイオン注入の注入ベクトルをPD2で示した。いずれのイオン注入も同一のレジストパターン306を用いて注入することが可能であるが、個別のパターニングを行っても構わない。不純物の注入される部位を解りやすく説明するため、平均飛程となる部位(=不純物濃度の等高線表示をした場合、尾根となる場所)をRp1、Rp2で示した。
PD2は浅い蓄積領域の巾と濃度を確保するためにゲート電極下に潜り込むイオン注入することが可能である。PD2を例えば、45°といったチルト角度(θ=45°)で設計する。
一方、PD1も7°前後のチルト角(θ=7°)でゲート電極下に潜り込むようにイオン注入している。この場合、図中の307に示す部位において、ゲート電極305下に不純物が注入されてしまう。これにより、転送ゲートLOWレベルの絶対値を増やす結果となる。また、プロセスラインの経時変化や、仕様の異なる製品に対応するために、イオン注入量を調整した場合、転送ゲートLOWレベルが変化してしまうという問題が生じる。さらに、転送ゲート305のエッジの形状を図面では便宜上垂直に描いたが、実際にはエッチング条件により80〜87°程度のテーパーとなっている。このことがさらにゲートLOWレベルの絶対値を増やしたり、バラツキを与える要因となる。
これらの問題を解決する手法として、本実施形態ではPD1のイオン注入のベクトルのx軸成分を実質的に0とするようにローテーション角度αを設定した。図3(b)は、本実施形態におけるフォトダイオードの形成方法を示す説明図である。
チャネリング抑制のため、チルト角度自体を0(θ=0°)にすることは望ましくない。そのため、本実施形態ではチルト角度を7°(θ=7°)にし、PD1のイオン注入のローテーション角度を90°もしくは270°(α=90°もしくはα=270°)とすることで転送ゲート305に平行なイオン注入を行い、イオン注入ベクトルのx軸成分を実質的に0とした。その場合のxz平面の断面図は図3(b)のようになる。ここで、イオン注入のベクトルはxz平面への投影で表した。本実施形態によれば、PD1のイオン注入により不純物が注入される場所はRp1で示すように転送ゲート305のある場所と無い場所で不連続になり、ゲート絶縁膜304に向かって不純物領域が伸びることが無い。これにより、図1で示した構造を実現することが可能である。
上記の製造方法により、図1(a)に示すように、浅い蓄積領域109は転送ゲート105の端部において転送ゲート105側に向かって伸び、深い蓄積領域108は転送ゲート105の端部において転送ゲート105側に向かって伸びないように構成することができる。ただし、上記の製造方法によっても不純物材料や熱拡散の条件によっては、転送ゲート105の端部から転送ゲート105側に向かって入り込んで深い蓄積領域108が形成される場合があり、また暗電流の急激な増加等の不都合を生じない範囲で深い蓄積領域108が転送ゲート105下内に入り込んでいてもよい場合もある。従って本発明はかかる構成も包含するものとする。
上記製造方法において、浅い蓄積領域109は転送ゲート105下に延在させるために、ローテーション角度αを0°≦α<90°、270°<α≦360°に設定し、深い蓄積領域108は転送ゲート105下に延在させないように、ローテーション角度αを90°≦α≦270°に設定することが望ましい。ただし、或る程度、深い蓄積領域108が転送ゲート105下内に入り込むことが許容でできる場合には、許容範囲内でローテーション角度αが90°≦α≦270°の範囲外でイオン注入を行ってもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、フォトダイオードの深い蓄積領域および浅い蓄積領域の形成を燐の注入により形成した例について説明したが、本実施形態のようにフォトダイオードの深い蓄積領域408をヒ素の注入により形成しても良い。
本発明による第2の実施形態を図4を用いて説明する。401は半導体基板であり、402はpタイプのウェル領域である。403は選択酸化膜であり、404はゲート酸化膜、405は転送ゲートである。フォトダイオードの電荷は転送ゲートをONすることにより、拡散接合容量406に読み出される。フォトダイオードは表面の濃いP層407、深い蓄積領域408、浅い蓄積領域409により構成された埋め込みタイプのフォトダイオードになっている。本実施形態では、深い蓄積領域408はヒ素の注入により形成されている。ヒ素は燐に比べ熱拡散定数が小さいため、プロセスの熱履歴による拡散が小さくなる。このため、深い蓄積領域408をヒ素で形成することはPD1の形成をよりシャープに、濃く形成することが可能となる。これによる利点は、より小さい空乏化電圧でより大きな飽和出力を得ることができる点にある。画素に蓄積できる信号電荷の量は、概ねフォトダイオードの蓄積領域のドナーの積分値に等しい。そのため、フォトダイオードの蓄積領域を濃く形成することが画素に蓄積できる信号電荷量の増大に効果的であり、センサの飽和出力の増大、ひいてはセンサ出力のダイナミックレンジの増大につながる。
しかしながら、フォトダイオードの蓄積領域を濃くすることは、フォトダイオードの完全空乏化電圧を上昇させ、フォトダイオード内の蓄積領域の自由電子をはきだすリセット動作、信号電荷転送動作時に必要な転送ゲート電圧の増大を招く。これを軽減する手段として、フォトダイオードの深い蓄積領域408を狭く、濃く形成することが効果的である。完全空乏化電圧は、濃度の関数であると共に、空乏層の広がる巾の関数でもある。つまり、完全空乏化時の空乏層巾が狭くなるように設計すれば、同じ電界を与えながら、空乏化電圧自体は下げることができる。よって、本実施形態によれば、深い蓄積領域の広がりをシャープに形成することができるため、積分した濃度を高く設定しても空乏化電圧の上昇を比較的小さくすることができ、センサのDレンジを拡大しつつ、電源電圧を小さく抑えることが可能である。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、フォトダイオードの深い蓄積領域および浅い蓄積領域の形成を燐の注入により形成した例について説明したが、本実施形態のようにフォトダイオードの浅い蓄積領域509をヒ素の注入により形成しても良い。
本発明による第3の実施形態を図5を用いて説明する。501は半導体基板であり、502はpタイプのウェル領域である。503は選択酸化膜であり、504はゲート酸化膜、505は転送ゲートである。フォトダイオードの電荷は転送ゲートをONすることにより、拡散接合容量506に読み出される。フォトダイオードは表面の濃いP層507、深い蓄積領域508、浅い蓄積領域509により構成された埋め込みタイプのフォトダイオードになっている。本実施形態では、浅い蓄積領域509はヒ素の注入により形成されている。浅い蓄積領域509はヒ素の拡散定数が小さいため、深さ方向の拡散が抑制され比較的浅い部分に濃度をもつことになる。よって、濃いp層507が注入される領域では濃いp層507に打ち消されるため、浅い蓄積領域509を形成するためのイオン注入量が空乏化電圧に与える影響がより小さくなる。本実施形態の効果は、浅い蓄積領域509のイオン注入を深い蓄積領域508と同一のマスクパターンで形成した場合により効果的である。
本実施形態を実現するために施したもうひとつの技術を説明する。浅い蓄積領域509をヒ素で形成する場合、ヒ素の熱拡散定数が小さくなるので、電荷転送用領域の巾が十分に確保できなくなる場合がある。このため本実施形態では、濃いp層507を形成する領域を転送ゲート505から遠ざけて形成した。具体的にはMOSトランジスタのLDD構造を形成する手法と同様なやり方が可能であり、転送ゲート505の側壁にサイドスペーサ510を形成し、サイドスペーサ510越しに濃いp層507の注入を行うことで、濃いp層507を形成する領域を転送ゲート505から遠ざけて形成する構成が実現が可能である。
本実施形態および上述の実施形態2では蓄積領域をヒ素で形成する場合について述べた。この場合、上述の効果に加えてさらに以下の利点がある。フォトダイオードの浅い蓄積領域もしくは深い蓄積領域をヒ素で形成した場合、シリコンの格子に与える格子歪が燐で形成した場合より小さくなる。その結果、白傷の個数と程度が改善されるという効果が得られる。なお、既に述べた深い蓄積領域をヒ素で形成する技術と浅い蓄積領域をヒ素で形成する技術を合わせてフォトダイオードを形成することも可能であり、両者をヒ素で形成した場合には白傷の個数が大幅に減少する効果が得られる。
(第4の実施形態)
第3の実施形態では濃いp層を転送ゲートから遠ざける手段として、サイドスペーサによるオフセット技術を用いた。本実施形態では、他のMOS特性に影響を与えることなく、自由に電荷転送用領域の巾を設計できる手法を用いた。
図6は本実施形態の説明図である。図6において、601は半導体基板であり、602はpタイプのウェル領域である。603は選択酸化膜であり、604はゲート酸化膜、605は転送ゲートである。フォトダイオードの電荷は転送ゲートをONすることにより、拡散接合容量606に読み出される。フォトダイオードは表面の濃いP層607、深い蓄積領域608、浅い蓄積領域609により構成された埋め込みタイプのフォトダイオードになっている。本実施形態では、濃いp層607のイオン注入はローテーション角度を180°として行った。その結果、転送ゲート605によるシャドウイングにより濃いp層607が転送ゲート605の近くで注入されない部分、すなわちオフセットを自己整合的に形成することができる。イオン注入のチルト角度を任意の値とすることで濃いp層607と転送ゲート605のオフセット量(図中d)を設計することが可能であり、バイパス領域の巾を任意の値にすることができる。濃いp層607と転送ゲート605のオフセット量dは、転送ゲート605の高さをH、チルト角度をθとすると、
d=H・tan(θ)
の関係があり、チルト角度を調整することで電荷転送用領域の巾を調整できることがわかる。
これにより、電荷転送用領域の巾を他のデバイス特性に影響を与えることなく自在に設計が可能となる。
(第5の実施形態)
以上第1から第4の実施形態では、フォトダイオードの蓄積領域がnタイプの場合、つまり電子蓄積タイプの例について説明した。本発明の効果はホール蓄積タイプにおいても有効であり、不純物の極性を反転することにより実現が可能である。この場合、深い蓄積領域および浅い蓄積領域の形成にはB、もしくBFの注入が選択可能であり、表面の濃い層(この場合はn層)は、燐、もしくはヒ素が選択可能である。ヒ素を用いるメリットは上述の実施形態で得られる効果と同様であり、拡散定数が小さいことによる設計性の向上および白傷の低減効果である。
(第6の実施形態)
次に、図8により上記第1から第5の実施形態で説明した固体撮像素子を用いた撮像システムについて説明する。図8に基づいて、本発明の固体撮像素子をカメラに適用した場合の例について詳述する。
図8において、801はレンズのプロテクトとメインスイッチを兼ねるバリア、802は被写体の光学像を固体撮像素子804に結像させるレンズ、803はレンズ802を通った光量を可変制御するための絞りである。また、804はレンズ802により結像された被写体光学像を画像信号として取り込むための固体撮像素子、805は、固体撮像素子804から出力される画像信号を増幅するゲイン可変アンプ部及びゲイン値を補正するためのゲイン補正回路部等を含む撮像信号処理回路である。また、806は固体撮像素子804より出力される画像信号のアナログーディジタル変換を行うA/D変換器、807はA/D変換器806より出力された画像データに各種の補正を行ったりデータを圧縮する信号処理部である。また、808は固体撮像素子804、撮像信号処理回路805、A/D変換器806、信号処理部807に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生部である。また、809は各種演算とスチルビデオカメラ全体を制御する全体制御・演算部、810は画像データを一時的に記憶する為のメモリ部、811は記録媒体に記録または読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース部である。さらに、812は画像データの記録または読み出しを行う為の半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体、813は外部コンピュータ等と通信する為のインターフェース部である。
(a)は本発明の第1の実施形態の説明図、(b)は(a)のA−A´断面図である。 イオン注入の方向の定義を説明する図である。 (a)は従来の技術によるフォトダイオードの形成方法を示す説明図、(b)は本発明によるフォトダイオードの形成方法を示す説明図である。 本発明による第2の実施形態の説明図である。 本発明による第3の実施形態の説明図である。 本発明による第4の実施形態の説明図である。 従来技術の説明図である。 本発明による固体撮像素子を用いた撮像システムを示すブロック図であ る。
符号の説明
101,201,301,401,501,601 半導体基板
102,302,402,502,602 pウェル領域
103,303,403,503,603 選択酸化膜
104,304,202,404,504,604 ゲート酸化膜
105,203,305,405,505,605 転送ゲート
106,204,406,506,606 拡散接合容量
107,407,507,607 P層
108,408,508,608 蓄積領域
109,409,509,609 蓄積領域
205 フォトダイオード
306 レジストパターン

Claims (10)

  1. 半導体基板上に形成された第1導電型の半導体領域、前記半導体領域中に形成されたフォトダイオード、前記フォトダイオード内に蓄積された光電荷を転送するための転送ゲート、および転送された光電荷を受け取る拡散接合容量部を画素内に有する固体撮像素子において、
    前記フォトダイオードは、第2導電型の半導体からなる第1蓄積領域と、前記第1蓄積領域と接し、且つ第2導電型の半導体からなる、前記第1蓄積領域より深く形成された第2蓄積領域とを備え、
    前記第1蓄積領域は前記転送ゲートの端部において前記転送ゲート側に向かって伸びており、前記第2蓄積領域は前記転送ゲートの端部において前記転送ゲート側に向かって伸びておらず、前記第1蓄積領域の不純物濃度が前記第2蓄積領域の不純物濃度よりも低いことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 請求項1に記載の固体撮像素子において、前記第1蓄積領域の一部は前記半導体領域の表面にまで達していることを特徴とする固体撮像素子。
  3. 請求項1又は2に記載の固体撮像素子において、前記半導体領域を第1半導体領域としたとき、前記フォトダイオードの基板表面側に形成され、且つ前記第1蓄積領域と接する第1導電型の第2半導体領域を有することを特徴とする固体撮像素子。
  4. 請求項3に記載の固体撮像素子において、前記第2蓄積領域の平均飛程の深さをRp1、前記第1蓄積領域の平均飛程の深さをRp2、前記第2半導体領域の接合の深さをxjとしたときに、
    Rp2≦xj<Rp1
    の関係があることを特徴とする固体撮像素子。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の固体撮像素子において、前記第2蓄積領域の導電型を規定する不純物がヒ素である固体撮像素子。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の固体撮像素子において、前記第1蓄積領域の導電型を規定する不純物がヒ素である固体撮像素子。
  7. 請求項3又は4に記載の固体撮像素子において、前記第2半導体領域が、前記転送ゲートの端部から前記転送ゲート側と反対方向に離れて形成されていることを特徴とする固体撮像素子。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の固体撮像素子を有することを特徴とするカメラ。
  9. 半導体基板上に形成された第1導電型の第1の半導体領域、前記第1の半導体領域中に形成された第2導電型の半導体領域、前記第2の半導体領域内に蓄積された光電荷を転送するための転送ゲート、および転送された光電荷を受け取る拡散接合容量部を画素内に有する固体撮像素子において、
    前記第2導電型の半導体領域は、第1蓄積領域と、前記第1蓄積領域と接し、前記第1蓄積領域より深い位置に配された第2蓄積領域とを備え、
    前記第1蓄積領域は前記転送ゲート下部に配されて前記光電荷を転送するための電荷転送用領域を形成しており、
    前記第1蓄積領域の不純物濃度が前記第2蓄積領域の不純物濃度よりも低いことを特徴とする固体撮像素子。
  10. 請求項9に記載の固体撮像素子を有することを特徴とするカメラ。
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JP2017059563A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 ルネサスエレクトロニクス株式会社 撮像素子

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