JP2007233545A - 商品販売データ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】店舗側で各商品に付された電子タグに格別なデータを書き込まなくともレシートのない返品を可能とする。また、返品の確認に要するキャッシャの負担も軽減する。
【解決手段】売上処理された各商品の販売データをそれぞれ当該商品に付された電子タグから読取った電子タグデータ中のタグ固有の識別コードと関連付けて蓄積保存する電子ジャーナル部を設ける。そして、電子タグリーダで読取った電子タグデータ中の識別コードが電子ジャーナル部に保存されているデータ内に存在するか否かを検索し、存在することが確認されると、この識別コードと関連付けられて電子ジャーナル部に保存されている商品販売データを返品データとして出力する。
【選択図】図8

Description

本発明は、電子タグに記憶されたデータを非接触で読取る電子タグリーダを有し、この電子タグリーダで電子タグから読取った電子タグデータに基づいて当該電子タグが付された商品の販売データを処理する商品販売データ処理装置に関する。
近年、流通業界においては、電子タグを利用したチェックアウトシステムの開発が進められている。このシステムは、各商品に電子タグをそれぞれ付し、その電子タグのメモリに、当該電子タグが付されている商品を特定するための商品コードなどの商品データを記憶させる。また、POS(Point Of Sales)端末等の商品販売データ処理装置に電子タグリーダを接続し、この電子タグリーダのアンテナをチェックアウトカウンタの近傍に設ける。かくして、客が買上商品を会計のためにチェックアウトカウンタに載せると、各商品にそれぞれ付されている電子タグのデータが電子タグリーダによって読取られ、商品販売データ処理装置に送られるので、商品販売データ処理装置は、電子タグリーダから受信した電子タグデータに基づいて、当該電子タグが付された商品の販売データを処理するというものである(例えば、特許文献1参照)。
ところで店舗では、客が購入済商品の返品を希望して持参した場合、通常は、その商品の購入時に商品販売データ処理装置から発行し顧客に渡したレシートの提示を求める。そして、キャッシャは返品希望の商品がレシートに記載されているか否かを確認し、記載されている場合には返品に応じる。このため、客がレシートを紛失した場合には返品を受付けることができない上、キャッシャにとって確認作業が煩わしい等の課題があった。
そこで従来、これらの課題を解決するために、各商品にそれぞれ設けられる電子タグを利用して返品管理を行うことが知られていた。すなわち、各商品にそれぞれ設けられた電子タグに予め自店舗の店舗コードを記憶させる。また、顧客が購入する商品の売上処理時には、電子タグリーダライタを用いて当該商品に付された電子タグに返品可能期限のデータを書き込む。そして、顧客が返品を希望した場合には、その商品に付されている電子タグのデータを電子タグリーダで読み取り、自店舗で販売された商品か否か、また、返品可能な期限内か否かを判別して、返品を受付けるか否かを決定する、というものである(例えば、特許文献2参照)。
特許第3373860号公報 特開2005−141374号公報
しかしながら、電子タグを利用して返品管理を行う従来の技術においては、各店舗においてそれぞれ各商品に付された電子タグに自店舗の店舗コードを書き込まなければならないので、手間がかかるという問題があった。また、顧客が購入する商品の売上処理時にその商品に付された電子タグに会計済であることを示すデータ、例えば返品可能期限等を書き込まなければならないので、会計に時間がかかるという問題もあった。因みに、商品の売上処理時に店舗コードも書き込むようにすれば上述した手間は軽減されるが、その場合には書込みにさらに時間がかかり、会計に要する時間がさらに長くなる。
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、店舗側で各商品に付された電子タグに格別なデータを書き込まなくとも、レシートのない商取引の返品を正しく管理できる上、返品の確認に要するキャッシャの負担も軽減できる商品販売データ処理装置を提供しようとするものである。
本発明は、電子タグに記憶されたデータを読取る電子タグリーダを有し、この電子タグリーダで電子タグから読取った電子タグデータに基づいて当該電子タグが付された商品の販売データを売上処理する商品販売データ処理装置において、売上処理された各商品の販売データをそれぞれ当該商品に付された電子タグから読取った電子タグデータ中のタグ固有の識別コードと関連付けて蓄積保存するデータ保存手段と、電子タグリーダで読取った電子タグデータ中の識別コードがデータ保存手段により保存されているデータ内に存在するか否かを検索するデータ検索手段と、このデータ検索手段により該当する識別コードが存在することが確認されると、この識別コードと関連付けられてデータ保存手段により保存されている商品販売データを返品データとして出力する返品データ出力手段とを備えたものである。
かかる手段を講じた本発明によれば、店舗側で各商品に付された電子タグに格別なデータを書き込まなくとも、レシートのない商取引の返品を正しく管理できる上、返品の確認に要するキャッシャの負担も軽減できる商品販売データ処理装置を提供できる。
図1は本発明に係る商品販売データ処理装置の一実施形態を示す模式図である。同図において、符号1はPOS(Point Of Sales)端末、2は電子タグリーダ、3はタグアンテナ板を示す。タグアンテナ板3には、電子タグリーダ2の一部として、電子タグとの間で電磁界あるいは電波の送受信を行うアンテナ4が取り付けられている。
電子タグリーダ2は、アンテナ4の交信領域内に存在する電子タグと非接触で交信し、当該電子タグのメモリに記憶されている電子タグデータを読取るもので、アンチコリジョン方式という衝突防止機能を有している。この機能により、タグアンテナ板3の上に買い物籠等の収容体5に収容された1商取引分の客買上商品6A,6B,6C,…が置かれると、これら商品6A,6B,6C,…にそれぞれ付されている電子タグ7A,7B,7C,…のデータが電子タグリーダ2によって一括して読取られる。そして、電子タグリーダ2で読取られた電子タグデータは、POS端末1に順次送信される。POS端末1では、電子タグリーダ2で電子タグ7A,7B,7C,…から読取った電子タグデータに基づいて、当該電子タグが付された商品6A,6B,6C,…の販売データを処理するものとなっている。なお、必ずしも各商品6A,6B,6C,…は、収容体5に収容されていなくてもよい。また、電子タグリーダ2は、電子タグへのデータ書込み機能を有した電子タグリーダライタであってもよい。
電子タグ7A,7B,7C,…は、無線タグ,RFID(Radio Frequency Identification),ICタグ等とも称され、既に実用化されているものである。そして、本実施の形態では、商品6A,6B,6C,…にそれぞれ付されている電子タグ7A,7B,7C,…を商品タグと称する。商品タグのメモリには、図2に示すように、例えばタグ製造時に設定されるシリアルナンバー等のタグ固有のIDコード(以下、タグIDと称する)と、当該商品タグが付されている商品を特定するための商品コードとが少なくとも格納されている。
図3はPOS端末1の要部構成を示すブロック図である。このPOS端末1は、商品販売データ処理装置の一態様であり、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)11を搭載している。また、プログラム等の固定的データが予め格納されたROM(Read Only Memory)12、入力データ,演算処理データ等の可変的データを記憶するための種々のメモリエリアが形成されるRAM(Random Access Memory)13、売上処理に基づくジャーナルデータを電子化して保存する電子ジャーナル部14、現在の日時を計時する時計部15、オンライン接続されたストアサーバとの間で行うデータ通信を制御する通信コントローラ16、前記電子タグリーダ2が電気的に接続される電子タグリーダインターフェイス17、キーボード18の操作キーに対応したキー信号を取り込むキーボードコントローラ19、オペレータ用ディスプレイ20の画面表示を制御する第1の表示コントローラ21、客用ディスプレイ22の画面表示を制御する第2の表示コントローラ23、レシート印字等を行うプリンタ24の印字動作を制御するプリンタコントローラ25、現金等を収容するためのドロワ26と、データ読取音などを発するブザー27とにそれぞれ駆動信号を出力するI/O(Input/Output)ポート28等を備えている。そしてCPU11と、ROM12,RAM13,電子ジャーナル部14,時計部15,通信コントローラ16,電子タグリーダインターフェイス17,I/Oポート28及び各種入出力機器のコントローラ19,21,23,25とを、アドレスバス,データバス等のバスライン29で接続している。
キーボード18には、1商取引の締めを宣言する締め宣言手段としての締めキー31と、1商取引として売買する全ての商品にそれぞれ付された電子タグのデータ再読取を指令する再読取キー32と、返品モードへの切替を宣言する返品キー33とを少なくとも設けている。
RAM13には、複数の商品販売データを記憶保持可能な商品アイテムバッファ41と、複数の電子タグデータを記憶保持可能な電子タグデータバッファ42とを少なくとも形成している。
商品アイテムバッファ41は、図4に示すように、1商取引として売上処理される各商品の商品コード,商品名,単価,売上点数及び売上金額の各商品販売データを、当該商品に付された電子タグの識別データであるタグIDとともに複数記憶するためのエリアと、売上点数及び売上金額の合計データを記憶するためのエリアを有している。
電子タグデータバッファ42は、図5に示すように、一定数N(N>1)のエリア番号に対応して電子タグデータを記憶するためのエリアを有している。この電子タグデータバッファ42は、エリア番号1のエリアから順に電子タグデータを記憶保持し、エリア番号Nのエリアまで電子タグデータが記憶保持されると、それ以後の電子タグデータをエリア番号1のエリアから順に上書きするようになっている。
電子ジャーナル部14は、商取引単位に生成されるジャーナルデータを電子化して蓄積保存するものであり、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体を用いている。上記ジャーナルデータのデータ構造を図6に示す。図示するようにジャーナルデータは、取引識別データと取引明細データと取引締めデータとから構成している。取引識別データは、取引日付,取引時刻,取引番号,キャッシャの責任者コード等で構成している。取引明細データは、その取引で売上処理された商品毎のタグID,商品コード,商品名,単価,売上点数,売上金額及び返品フラグ等で構成している。返品フラグは、対応するタグIDが付された商品が返品されたか否かを識別する情報で、この実施の形態では返品されると“1”にセットされるものとする。取引締めデータは、その取引の合計金額及び合計点数と、支払い方法(現金支払い,クレジット支払い,商品券支払い等)を識別する支払種別コード及びその支払いデータ等で構成している。
ここに、電子ジャーナル部14は、売上処理された各商品の販売データをそれぞれ当該商品に付された電子タグから読取った電子タグデータ中のタグ固有の識別コード(タグID)と関連付けて蓄積保存するデータ保存手段を構成する。
かかる構成のPOS端末1は、電源投入後、動作モードとして売上登録モードが選択され、CPU11が図7の流れ図に示す手順の売上登録処理を実行するようにプログラムを構成している。
すなわちCPU11は、ST(ステップ)1として電子タグリーダインターフェイス17を介して接続された電子タグリーダ2に起動を指令する。これにより、電子タグリーダ2は、電子タグを読取るための読取信号を変調し、この変調電波をアンテナ4から連続して発信する。そして、電子タグからの応答電波をアンテナ4で受信するのを待機している。応答電波を受信すると、その電波を復調し、応答データつまりは電子タグのメモリに記憶されている電子タグデータをPOS端末1に送信する。
そこでCPU11は、ST2として商品タグが検出されるのを待機している。そして、電子タグリーダ2から受信した電子タグデータが商品タグのデータ、つまりタグIDと商品コードとを含む電子タグデータであると確認すると、商品タグが検出されたので、CPU11は、ST3として電子タグデータバッファ42を検索する。そして、検出した商品タグデータと同一のデータが電子タグデータバッファ42に記憶されているか否かを判断する。この判断処理は、検出した商品タグデータに含まれるタグIDで電子タグデータバッファ42を検索し、同一のタグIDを含む電子タグデータの有無を判断するものであり、記憶されている場合には同一データ有りと判断し、記憶されていない場合には同一データ無しと判断する。ここで、同一データ有りと判断した場合には(ST4のYES)、CPU11は、ST5として検出した商品タグデータを電子タグデータバッファ42に追加せず、破棄する。しかる後、ST2の処理に戻り、次の商品タグが検出されるのを待機する。
一方、同一データ無しと判断した場合には(ST4のNO)、CPU11は、ST6として検出した商品タグデータを電子タグデータバッファ42に追加する。次いで、CPU11は、ST7として電子タグデータバッファ42に追加された商品タグデータからタグIDと商品コードを取得する。そして、この商品コードに基づいて商品名,単価等の商品データを取得する。すなわちPOS端末1は、各商品の商品コードに対応して商品名,単価等の商品データがプリセットされた商品データファイルを備えており、CPU11は、商品タグデータから取得した商品コードで商品データファイルを検索して、当該商品コードに対応して設定されている商品名及び単価の商品データを取得する。なお、商品タグのメモリに商品コードと共に商品名,単価等の商品データも記憶するようにして、商品データファイルを省略することも可能である。
次に、CPU11は、ST8として売上点数を“1”とし、売上金額を単価として、商品コード,商品名,単価,売上点数及び売上金額からなる商品販売データを生成する。そして、この商品販売データを、商品タグデータから取得したタグIDとともに商品アイテムバッファ41に追加する。また、ST9として商品アイテムバッファ41に記憶された各商品販売データの売上点数及び売上金額をそれぞれ加算し、合計点数及び合計金額(小計額)を算出して、商品アイテムバッファ41の合計エリアを更新する。そして、ST10としてオペレータ用ディスプレイ20及び客用ディスプレイ22に商品名,単価,小計額等を表示させる。また、ST11としてブザー27に駆動信号を送出して、商品読取確定音を鳴動させる。
その後、CPU11は、ST12として再読取キー32が操作入力されたか否かを判断する。再読取キー32が操作入力されていない場合には、ST13として締めキー31が操作入力されたか否かを判断する。締めキー31も操作入力されていない場合には、ST2の処理に戻り、次の商品タグが検出されるのを待機する。
再読取キー32が操作入力された場合には、CPU11は、ST14として電子タグデータバッファ42及び商品アイテムバッファ41を共にクリアする。その後、ST2の処理に戻り、次の商品タグが検出されるのを待機する。
一方、締めキー31が操作入力された場合には、CPU11は、ST15として商品アイテムバッファ41に記憶された商品販売データに基づいて1商取引を決済させる売上締め処理を行う。この売上締め処理は、商取引の合計金額に対して代金が支払われると、釣銭額を算出し、オペレータ用ディスプレイ20,客用ディスプレイ22に表示させるとともに、ドロワ26を開放動作させる処理を含む。また、プリンタ24を駆動して、商品アイテムバッファ41に記憶された商品名,売上点数,売上金額や合計点数,合計金額等が印字されたレシートを発行する処理を含む。
かかる締め処理が終了すると、CPU11は、ST16として商品アイテムバッファ41に記憶されているデータを基に当該商取引のジャーナルデータを生成する。そして、このジャーナルデータを電子ジャーナル部14に書き込み保存する。しかる後、CPU11は、ST17として商品アイテムバッファ41をクリアする。このとき、電子タグデータバッファ42はクリアしない。その後、ST2の処理に戻り、次の商品タグが検出されるのを待機する。
また、当該POS端末1は、商品アイテムバッファ41がクリアされている状態において、返品キー33が操作入力されると、動作モードを売上登録モードから返品登録モードに切り替える。これにより、CPU11が図8の流れ図に示す手順の返品登録処理を実行するようにプログラムを構成している。
すなわちCPU11は、ST21として電子タグリーダ2に起動を指令し、ST22として商品タグが検出されるのを待機する。そして、電子タグリーダ2から受信した電子タグデータが商品タグのデータ、つまりタグIDと商品コードとを含む電子タグデータであると確認すると、商品タグが検出されたので、CPU11は、ST23として商品アイテムバッファ41を検索する。そして、検出した商品タグデータに含まれるタグIDと同一のタグIDが商品アイテムバッファ41に記憶されているか否かを判断する(二重読取防止手段)。ここで、同一タグID有りと判断した場合には(ST24のYES)、CPU11は、ST25として検出した商品タグデータを破棄する。しかる後、ST22の処理に戻り、次の商品タグが検出されるのを待機する。
一方、同一タグID無しと判断した場合には(ST24のNO)、CPU11は、ST26として電子ジャーナル部14を検索する。そして、検出した商品タグデータに含まれるタグIDを含むジャーナルデータの有無を判断する(データ検索手段)。ここで、該当するジャーナルデータを検出できなかった場合には、返品商品は他の店舗で販売された商品なので返品エラーを報知して、この返品登録処理を終了する。
該当するジャーナルデータを検出できた場合には、CPU11は、ST28としてこのジャーナルデータに含まれる取引識別データの取引日付を取得する。そして、ST29としてこの取引日付が時計部15の現在日付から予め設定されている返品有効期間(例えば7日間)内の日付か否かを判断する。ここで、取引日付が返品有効期間を過ぎている場合には、返品エラーを報知して、この返品登録処理を終了する。
取引日付が返品有効期間内であった場合には、CPU11は、ST30としてこのジャーナルデータのなかから当該タグIDを含む取引明細データを抽出し、この取引明細データからタグID,商品コード,商品名及び単価を返品商品データとして読み出す(データ取得手段)。そして、商品アイテムバッファ41のタグIDエリア,商品コードエリア,商品名エリア及び単価エリアに上記返品商品データのタグID,商品コード,商品名及び単価を格納する。また、それに対応する売上げ点数エリアにデータ“1”を、売上金額エリアに対応する単価エリアのデータをそれぞれ格納する。ここに、商品アイテムバッファ41は、返品データ記憶手段を構成する。
次に、CPU11は、ST31として商品アイテムバッファ41に展開した商品名と単価、すなわち返金額をオペレータ用ディスプレイ20及び客用ディスプレイ22に表示させる(返品データ出力手段)。また、ST32としてブザー27に駆動信号を送出して、商品読取確定音を鳴動させる。
その後、CPU11は、ST33として再読取キー32が操作入力されたか否かを判断する。再読取キー32が操作入力されていない場合には、ST34として締めキー31が操作入力されたか否かを判断する。締めキー31も操作入力されていない場合には、ST22の処理に戻り、次の商品タグが検出されるのを待機する。
再読取キー32が操作入力された場合には、CPU11は、ST35として商品アイテムバッファ41をクリアする。その後、ST22の処理に戻り、次の商品タグが検出されるのを待機する。
一方、締めキー31が操作入力された場合には、CPU11は、ST36として商品アイテムバッファ41に記憶された返品商品データの返品処理を実行する(返品処理手段)。この処理は、電子ジャーナル部14に保存されているジャーナルデータのなかから返品商品データとタグIDが一致する取引明細データを探し出す。そして、この取引明細データの返品フラグを“1”(返品済)にセットする処理を含む。また、プリンタ24を駆動して、商品アイテムバッファ41に記憶された商品名,返金額等の返金データが印字されたレシートを発行する処理を含む。
しかる後、CPU11は、ST37として商品アイテムバッファ41をクリアして、この返品登録処理を終了する。これにより、当該POS端末1の動作モードが返品登録モードから売上登録モードに復帰する。
このように本実施の形態においては、電子タグリーダ2のアンテナ4からは、電子タグを読取るための読取電波が連続して発信されている。そして、アンテナ板3に商品が置かれると、この商品に取り付けられた電子タグのメモリに記憶されている電子タグデータが電子タグリーダ2によって非接触で読取られ、POS端末1に送信される。
今、客が商品6A,商品6B,商品6Cの3品目を購入するために、POS端末1が設置された会計場所に来たとする。この場合、会計担当の店員いわゆるキャッシャは、各商品6A,6B,6Cをタグアンテナ板3の上に載置する。そうすると、各商品6A,6B,6Cにそれぞれ付されている電子タグ(商品タグ)7A,7B,7Cは、アンテナ4からの読取電波に応答して、それぞれタグIDと商品コードとを含む商品タグデータの応答電波を発信する。
例えば、商品6Aに付された電子タグ7Aからの応答電波をアンテナ4で受信すると、この電子タグ7Aに記憶されているタグIDと商品コードを含む商品タグデータが電子タグリーダで読取られ、POS端末1に送り込まれる。このとき、POS端末1において売上登録モードが選択されているとすると、当該タグIDを含む商品タグデータが電子タグデータバッファ42に記憶されているか否かが判断される。そして、記憶されていない場合には、当該商品タグデータが電子タグデータバッファ42に追加される。また、この商品タグデータ中の商品コードに基づいて当該商品Aの商品名,単価が取得され、商品販売データが生成される。そして、この商品販売データが当該タグIDとともに商品アイテムバッファ41に格納される。なお、商品アイテムバッファ41は、直前の客の締め処理後にクリアされている。
次に、商品6Bに付された電子タグ7Bからの応答電波をアンテナ4で受信すると、この電子タグ7Bに記憶されているタグIDと商品コードを含む商品タグデータが電子タグリーダで読取られ、POS端末1に送り込まれる。これにより、POS端末1においては、当該タグIDを含む商品タグデータが電子タグデータバッファ42に記憶されているか否かが判断される。そして、記憶されていない場合には、当該商品タグデータが電子タグデータバッファ42に追加される。また、この商品タグデータ中の商品コードに基づいて当該商品Bの商品名,単価が取得され、商品販売データが生成される。そして、この商品販売データが当該タグIDとともに商品アイテムバッファ41に格納される。
商品6Cに付された電子タグ7Cからの応答電波をアンテナ4で受信した場合も同様である。次いで、キャッシャが締めキー31を操作入力すると、商品アイテムバッファ41に記憶された各商品6A,6B,6Cの各商品販売データに基づいて売上締め処理が行われる。また、商品アイテムバッファ41内の商品販売データに基づいてジャーナルデータが作成される。そして、このジャーナルデータが電子ジャーナル部14に書き込まれる。しかる後、商品アイテムバッファ41がクリアされる。これにより、次の客の会計処理が可能となる。
なお、このとき、電子タグデータバッファ42はクリアされず、商品6A,6B,6Cにそれぞれ付された商品タグ7A,7B,7Cの商品タグデータは、電子タグデータバッファ42で記憶保持される。このため、決済を終えた直前の客の買上商品が電子タグリーダ2の近くにあっても、この決済を終えた直前の客の買上商品が再登録されるのは、電子タグデータバッファ42のデータを利用した二重読取防止機能により禁止される。したがって、次の客の会計処理をスムーズに実行することができる。
ところで、キャッシャが締めキー31を操作する前に、客が一部の商品の購入取り止めを申し出る場合がある。このような場合、キャッシャは、客が購入を取り止める商品をアンテナ板3から取り除いた後、再読取キー32を操作入力する。そうすると、商品アイテムバッファ41とともに電子タグデータバッファ42が一旦クリアされるので、その後、アンテナ板3に残された商品の商品タグデータが破棄されることなく読取られ電子タグデータバッファ42に再度記憶される。そして、この商品タグデータに基づき、アンテナ板3に残された商品の販売データが商品アイテムバッファ41に再度記憶される。すなわち実際に客が購入する商品の販売データだけが商品アイテムバッファ41に記憶されることになる。
したがって、キャッシャが締めキー31を操作する前に、客が一部の商品の購入取り止めを申し出た場合、本実施の形態では、キャッシャがその購入を取り止める商品をアンテナ板3から取り除いた後に再読取キー32を操作入力するという簡単な作業で対応することができる。
一方、すでに商取引を終えている客が購入商品の返品を希望して持参する場合もある。このような場合、キャッシャは、先ず、返品キー33を操作入力して、POS端末1の動作モードを返品登録モードに切り替える。次いで、返品された商品をアンテナ板3の上に置く。そうすると、この返品商品に付された商品タグのタグID及び商品コードを含む商品タグデータが電子タグリーダ2によって読取られる。
次いで、この商品タグのタグIDで電子ジャーナル部14が検索される。そして、当該タグIDを含むジャーナルデータが検出されると、返品商品は過去に当該店舗で販売された商品であるので、このジャーナルデータの取引識別データにおける取引日付から、当該商取引が予め設定されている返品有効期間内に行われたものか否かが判断される。そして、返品有効期間内であれば返品が認められるので、当該タグIDを含む取引明細データからタグID,商品コード,商品名及び単価の各データが返品商品データとして商品アイテムバッファ41に展開される。また、商品アイテムバッファ41に展開された商品名と単価(返金額)とがオペレータ用ディスプレイ20及び客用ディスプレイ22に表示される。
この表示を確認することにより、キャッシャは、返品が有効であることと、その返品商品の返金額とを知ることができる。ここで、返品額は、返品商品購入時の単価である。商品の単価は、購入時点と返品時点とで異なる場合があるが、本実施の形態では、購入時に保存されたジャーナルデータの単価がそのまま返金額となるので、購入時の単価を返金額として確実に返金することができる。
また、返品された商品については、ジャーナルデータ中の取引明細データにおいて返品フラグがセットされて、返品済であることが管理される。したがって、既に返品された商品を再度返品されたこととしてキャッシャが返金額を入手するような不正を防止できる利点もある。
ところで、客が異なる商取引で購入した2品以上の商品の返品を同時に申し出る場合もある。このような場合も、キャッシャは、返品キー33を操作入力後、各返品商品をまとめてアンテナ板3の上に載せる。そうすると、各商品についてそれぞれジャーナルデータが検索され、該当する返品商品データが商品アイテムバッファ41に展開されて、各返品商品の返金額合計がオペレータ用ディスプレイ20及び客用ディスプレイ22に表示される。したがって、異なる商取引で購入された2品以上の商品がまとめて返品される場合も、本実施の形態では容易に対処することができる。
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
例えば前記実施の形態では、受信した電子タグデータと同一のデータが電子タグデータバッファ42に記憶されているか否かを判断する処理として、受信した電子タグデータに含まれるタグ固有のIDコードで電子タグデータバッファ42を検索し、同一のIDコードを含む電子タグデータの有無を判断するものとしたが、電子タグリーダ2で読取られる電子タグが商品タグに限定される運用である場合においては、受信した電子タグデータに含まれるIDコードと商品コードで電子タグデータバッファ42を検索し、同一のIDコード及び商品コードを含む電子タグデータの有無を判断するものとしてもよい。
また、前記実施の形態では、返品登録モード時に検出した商品タグのタグIDで検索する電子ジャーナル部をPOS端末1の内部の電子ジャーナル部14としたが、各POS端末1を集中制御する上位コンピュータに、各POS端末1の電子ジャーナル部14に蓄積保存されたジャーナルデータを収集して保存するマスタ電子ジャーナル部を設け、返品登録モード時には、オンラインを通じて上記マスタ電子ジャーナル部を検索するようにしてもよい。こうすることにより、他のPOS端末で売上処理された商品の返品も可能となる。また、上位コンピュータは、複数店舗の各POS端末1を集中制御するものであってもよい。こうすることにより、他の店舗で売上処理された商品の返品も可能となる。
さらに、前記実施の形態では、返品登録モードへの切替を指示する手段として返品キー33を示したが、キー以外の操作入力手段を用いてもよいのは言うまでもないことである。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
本発明の一実施の形態を示すシステム構成図。 同実施の形態において各商品にそれぞれ付される電子タグのメモリに記憶されるデータの構造例を示す模式図。 同実施の形態におけるPOS端末の要部構成を示すブロック図。 同POS端末のRAMに形成される商品アイテムバッファのエリア構造を示す模式図。 同POS端末のRAMに形成される電子タグデータバッファのエリア構造を示す模式図。 同実施の形態において生成されるジャーナルデータのデータ構造例を示す模式図。 同POS端末のCPUが実行する売上登録処理の要部手順を示す流れ図。 同POS端末のCPUが実行する返品登録処理の要部手順を示す流れ図。
符号の説明
1…POS端末、2…電子タグリーダ、3…タグアンテナ板、4…アンテナ、6A,6B,6C…商品、7A,7B,7C…電子タグ、11…CPU、31…締めキー、32…再読取キー、33…返品キー、41…商品アイテムバッファ、42…電子タグデータバッファ。

Claims (3)

  1. 電子タグに記憶されたデータを読取る電子タグリーダを有し、この電子タグリーダで前記電子タグから読取った電子タグデータに基づいて当該電子タグが付された商品の販売データを売上処理する商品販売データ処理装置において、
    前記売上処理された各商品の販売データをそれぞれ当該商品に付された電子タグから読取った電子タグデータ中のタグ固有の識別コードと関連付けて蓄積保存するデータ保存手段と、
    前記電子タグリーダで読取った電子タグデータ中の前記識別コードが前記データ保存手段により保存されているデータ内に存在するか否かを検索するデータ検索手段と、
    このデータ検索手段により該当する識別コードが存在することが確認されると、この識別コードと関連付けられて前記データ保存手段により保存されている商品販売データを返品データとして出力する返品データ出力手段と、
    を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
  2. 電子タグに記憶されたデータを読取る電子タグリーダを有し、この電子タグリーダで前記電子タグから読取った電子タグデータに基づいて当該電子タグが付された商品の販売データを売上処理する商品販売データ処理装置において、
    前記売上処理された各商品の販売データをそれぞれ当該商品に付された電子タグから読取った電子タグデータ中のタグ固有の識別コードと関連付けて蓄積保存するデータ保存手段と、
    前記電子タグリーダで読取った電子タグデータ中の前記識別コードが前記データ保存手段により保存されているデータ内に存在するか否かを検索するデータ検索手段と、
    このデータ検索手段により該当する識別コードが存在することが確認されると、この識別コードと関連付けられて前記データ保存手段により保存されている商品販売データを取得するデータ取得手段と、
    このデータ取得手段により取得した商品の販売データを返品処理する返品処理手段と、
    を具備したことを特徴とする商品販売データ処理装置。
  3. 前記データ取得手段により取得した商品の販売データを当該データと関連付けられた前記識別コードとともに記憶する返品データ記憶手段と、
    前記電子タグリーダで電子タグデータを読取る毎に当該電子タグデータ中の前記識別コードが前記返品データ記憶手段により記憶されているか否かを検索し、記憶されている場合には読取った電子タグデータを破棄する二重読取防止手段と、
    をさらに具備したことを特徴とする請求項1または2記載の商品販売データ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009211665A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Toshiba Tec Corp 商品販売方法および商品販売装置
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