JP2007232024A - 小型圧力容器および加圧式消火器 - Google Patents

小型圧力容器および加圧式消火器 Download PDF

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【課題】 小型圧力容器を、(1)加圧式消火器内に内蔵された状態で長期間に亘って封板の腐食を生じない小型圧力容器を提供すること、(2)それにより長期間保管しても、小型圧力容器からのガス漏れやそれに起因する消火能力不足や消火液の漏出による居室等の汚染を生ずることのない消火器を提供すること、さらに、(3)かかる小型圧力容器を環境汚染の問題を生ずることなく製造することを可能にする。
【解決手段】 容器本体と口部からなり、該口部の開口部が封板により封止され液体押出し用ガスが充填されてなる小型圧力容器において、前記容器本体および口部を亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板から一体に成形したものとする。
【選択図】 図2

Description

本発明は小型圧力容器に係り、特に、加圧式消火器などに内蔵される薬剤の押し出し用等、液状体押出し用の小型圧力容器に関する。また、本発明は、かかる小型圧力容器を内蔵した加圧式消火器に関する。
加圧式消火器は、図4に示すように、有底の容器本体1と、容器本体1の開口部に気密に嵌め込まれ、上部に操作ハンドル3を取り付けたヘッド部2とからなり、該ヘッド部2には、容器本体1に嵌合するキャップ4の下側に向けて内部の消火薬剤を放射ノズル6により外部に放射するための消火薬剤押し出し管5と、容器本体1内に圧力ガスを圧送して内部の消火薬剤を上記した消火薬剤押し出し管5を通じて外部に送り出すためのガス放出管7とが取り付けられている。さらに、該ガス放出管7を通じて容器本体1内に圧力ガスを放出するための開口部に薄い金属封板を施した小型圧力容器8が取り付けられている。
この形式の加圧式消火器では、使用時に、小型圧力容器8の開口部に設けた封板を前記の操作ハンドル3を下方に操作することにより先端を尖らせたキリ9を下方に移動させて金属封板を破封して、内部の圧力ガスを放出させ、この圧力ガスを前記したガス放出管7を介して容器本体1内に圧送するようになっている。そして、それにより、消火薬剤押し出し管5から容器本体1の内部に充填された消火薬剤を、放射ノズル6を通して外部に放射するようになっている。
このような構成の加圧式消火器にあっては、小型圧力容器8に加圧・充填されているガスは、消火時に容器本体1の内部に充填された消火薬剤を押し出すための駆動源となるものであるから、消火作業が行われるまでの間、長期間に亘って正常な圧力に保たれなければならない。そのため、小型圧力容器の開口部に設けた金属封板は内部の充填ガス圧を規定値に保つように長期間に亘って健全であることが求められる。
しかしながら、製造・出荷時に正常なガス圧を有し、かつガス漏れのない小型圧力容器8であっても、これを消火器内に組み込んだ状態で、例えば家庭内で長期間に亘って保管すると、時間の経過とともに僅かずつガス漏れによる機能低下を生ずるものがあり、緊急時の使用に備えて十分な信頼性を確保するのが困難な場合がある。このような時間経過によるガス漏れは、特に封板部分での腐食進行に起因するものが多い。
かかる問題を解決するための手段として、特許文献1には、消火薬剤押し出し用の加圧ガスを内蔵した消火器であって、該消火器の一部には、容器内のガスが漏出した際に漏出ガスと接触して発色又は変色することによりガス漏れを表示する手段を備えてなる加圧式消火器が提案されている。
一方、このような加圧式消火器用の小型圧力容器は、一般に30〜100ml程度の内容積を有するものであるが、その製造に当たっては、厚さ約2mm程度の超深絞り性冷間圧延鋼板(例えばSPCEN)を、プレス成形、口部の誘導加熱による軟化、ねじ切り、潤滑油の脱脂、消火器用の圧力ガス(例えばCOガス、Nガス)の封入、封板の溶着、外面の防錆用亜鉛めっき、クロメート処理の各工程がこの順に行われる。上記工程中、外面の防錆用亜鉛めっき、クロメート処理の各工程は、小型圧力容器が消火器内で内蔵された状態で長期間に亘って保管されるときの小型圧力容器本体および封板の腐食を極力防止するために取られる手段である。
また、上記一連の製造工程において、容器本体のプレス成形から口部のねじ切り工程には、油性又は水性の潤滑剤が用いられ、脱脂に当たってはトリクロルエチレンなどが用いられる。また、封板の溶着後、容器本体、口部及び封板外面には発錆の防止のため亜鉛めっきが施され、さらに6価クロム(Cr(VI))を含むクロメート処理が施されるのが通例である。
特開2000−202057号公報
しかしながら、特許文献1に記載の手段は、適正な管理が行われれば、一定の効果を収めることが予測されるが、例えば、一般家庭などのように必ずしも管理が確実に行われず、消火器が放置されるような場合には、先に述べた封板の腐食等によるガス漏れのため、緊急時に消火能力が不足するという問題を生ずる危険性がある。また、かかるガス漏れにより消火液が消火器から漏出して家庭内の消火器保管場所、例えば床やカーペットなどを汚染するおそれもある。
また、小型圧力容器の製造工程では、小型圧力容器本体および封板の腐食を極力防止するために、上述のようにクロメート処理が行われるが、この処理に当たってはCr(VI)を含む処理液が用いられるために、環境汚染を招くおそれもある。
本発明は、上記小型圧力容器及び消火器にかかる製造上、管理上の諸問題の抜本的解決を図ることを目的としている。具体的には、(1)加圧式消火器内に内蔵された状態で長期間に亘って封板の腐食を生じない小型圧力容器を提供すること、(2)それにより長期間保管しても、小型圧力容器からのガス漏れやそれに起因する消火能力不足や消火液の漏出による居室等の汚染を生ずることのない消火器を提供すること、さらに、(3)かかる小型圧力容器を環境汚染の問題を生ずることなく製造することを可能にすることにある。
本発明者は、加圧式消火器等に内蔵して用いられる小型圧力容器の長期使用過程における封板の腐食原因が、容器製造工程においてやむを得ず容器内に混入した水分が消火器用の圧力ガスとともに内部に閉じ込められたことにあることを見出し、その防止が可能な種々の封板材料について検討するとともに、その小型圧力容器口部への固定方法、さらには小型圧力容器の製造工程全般について環境対策を含めて検討して本発明を完成するに至った。その具体的な構成は以下のとおりである。
すなわち、本発明は、容器本体と口金部からなり、該口金部の開口部が封板により封止され液状体押し出し用ガスが充填されてなる小型圧力容器において、前記容器本体および口金部が亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板から一体に成形されたものとしている。
上記発明において、封板を錫めっき鋼板又はティンフリー鋼板製となし、かつ、その封止が前記封板を口金部の開口部に溶着することにより行われたものとすることが好ましい。また、封板は、250〜430MPaの降伏強度を有し、かつ0.20〜0.60mmの厚さを有するものであることが望ましい。
上記記載の発明において、容器本体および口部を構成する亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板のめっき付着量は、本体外面側において20〜40g/mであり、本体内面側において10〜40g/mであることとするのが望ましい。
本発明による小型圧力容器は加圧式消火器の内蔵圧力源として好適に利用することができる。この場合、液状体押し出し用ガスは、消火器用ガス、たとえば、COガス、Nガスに置き換えられる。
本発明に係る小型圧力容器は、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板を用いて小型圧力容器用の有底円筒体をプレス成形する段階と、前記有底円筒体の小型圧力容器用の口部に当たる部分を誘導加熱した後、口部先端加工する段階と、前記段階により口部先端加工された小型圧力容器の口部にねじ切り加工を行う段階と、前記ねじ切り加工がおこなわれた小型圧力容器の内外面を同時に脱脂を行った後乾燥する段階と、前記工程により乾燥された小型圧力容器の開口部から液状体押し出し用ガスの充填と抵抗溶接により錫めっき鋼板又はティンフリー鋼板製の封板の封着を行う段階と、を順次行うことによって製造可能である。
本発明により、加圧式消火器内に内蔵された状態で長期間に亘って封板の腐食を生じない小型圧力容器を提供すること、それにより長期間保管しても、小型圧力容器からのガス漏れやそれに起因する消火能力不足や消火液の漏出による居室等の汚染を生ずることのない消火器を提供することができる。また、本発明により、小型圧力容器を6価クロム(Cr(VI))による環境汚染の問題を生ずることなく製造することができる。さらに、本発明により製造された小型圧力容器は、表面に6価クロム(Cr(VI))などの有害物質を含有せず、また、油分などの食品汚染物質を含んでいないので、例えば家庭用ビールサーバーなどの食品押し出し用の容器内内蔵小型圧力容器としても好適に利用できる。
以下、本発明をその代表的な適用対象である消火器の小型圧力容器を例にとって説明する。
本発明に係る小型圧力容器11は、図1に示すように有底の円筒部12と該頭部を絞り込んで成形された口部13、及び該口部の開口部を封止する封板14からなる。口部13には、加圧式消火器内に固定するためのねじ切部15が設けられているのが一般的である。また、その内部には、用途に応じてガス体が所定の圧力で充填されている。消火器用の場合、ガス体の種類は、炭酸ガスとするのが一般的である。そのサイズは直径:25〜40mm、高さ(口部を含む):110〜140mm、内容積:30〜100ml程度である。
かかる小型圧力容器11の製造工程は、図2に示すように、鋼板などの素材のプレス成形、口部の誘導加熱による軟化、ねじ切り、潤滑油の脱脂及び消火器用ガス(窒素等の高圧ガス又は液化ガス、例えば液化炭酸ガス)の封入並びに封板の溶着の各工程をこの順に行って製造される。
本発明においては、小型圧力容器の素材として亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板を使用する。この亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板は、腐食環境において十分な犠牲防食機能を有するとともにビッカース硬さが約350と高く、また、プレス成形の際に用いるダイとの摩擦係数が0.1〜0.2と極めて低く、前記サイズの小型圧力容器を成形するような非常に厳しい深絞り加工に耐えることができる。
この亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板としては、ニッケルを10〜15mass%含有し、残部亜鉛のめっき層を有するものを用いるのがよい。また、めっき付着量は、小型圧力容器の外面側となる面では、20〜40g/mとするのがよく、小型圧力容器の内面側となる面では10〜40g/mとするのがよい。小型圧力容器の外面側となる面でのめっき付着量を20g/m以上とするのは、小型圧力容器の外面側が発生しないことが要求されるためである。一方、小型圧力容器の外面側となる面でのめっき付着量を10g/m以上とするのは、内面底部での赤錆発生が防止できればよく、その限界が10g/mと認められるからである。めっき付着量の上限はともに40g/mとするのがよいが、これは、小型圧力容器のプレス成形の際、40g/mを超えると滑り性が低下し深絞り性が困難になるためである。したがって、小型圧力容器の素材となる亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板は、一面のめっき付着量が10〜40g/m、他の一面のめっき付着量が20〜40g/mの差厚めっき鋼板を使用すればよいが、両者の要求を満たすため両面のめっき量が20〜40g/mのものを利用してもよい。
本発明においては、小型圧力容器の素材として、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板を用い、通常のようにプレス油を使用してプレス成形により有底円筒体に成形する。また、素材亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板が高い耐食性を有していることにより、プレス油をアルカリ脱脂洗浄によって完全に除去し、その状態で放置しても赤錆などを発生することがない。
上記のプレス成形により得られた有底円筒体は、小型圧力容器の口部に当たる部分を成形するために開口端近傍を軟化するための口部誘導加熱が行われ、続いて口部先端加工が行われる。このように成形された小型圧力容器の口部にねじ切り加工が行われた後、熱水の吹き込み・吹き付けが行われて、前記プレス成形やねじ切り作業に用いられた油分の脱脂が内外面同時に行われたのち、乾燥される。続いてこのように成形され、ねじ切り加工の行われた小型圧力容器の開口部から消火器用ガス、たとえば、液化炭酸ガスの充填が行われると同時に抵抗溶接による封板の封着が行われる。なお、熱水の吹き込み・吹き付けは省略して小型圧力容器の内外面を同時に脱脂を行った後、乾燥する段階を行ってもよい。
本発明においては、小型圧力容器素材の内外面は亜鉛−ニッケル合金めっきにより被覆されているので、成形段階、さらに成形後においてその耐食性が優れている。そのため、上記のように、成形された小型圧力容器に対して、その口部から必要に応じて脱脂剤を含む熱水を吹き込み、また、外面からも熱水を吹き付ける過酷で長時間におよぶ洗浄作業を行っても、小型圧力容器内外面に発錆をみることがない。これに対し、従来の工程では、通常の冷延鋼板を素材としているため、上記一連の工程中、ねじ切り後、脱脂後の発錆を防止するためにトリクロン洗浄が必要であり、その発生ガス処理のために大掛かりな設備が必要になる。本発明によるときは、そのようなガス処理設備を省略することができ、設備コスト、運転コストの低減が可能になる。
本発明において行われるプレス成形、ねじ切り作業に続いて行われる内外面同時の脱脂及び乾燥、特に、熱水の吹き込み・吹き付けによる脱脂及びその後の乾燥は、製品小型圧力容器本体及び封板の耐食性の向上に資する。すなわち、上記一連の小型圧力容器の成形工程においては、硫黄化合物を含む極圧添加剤が用いられるが、この極圧添加剤は容器本体の口部にねじ切りなどの冷間加工性を確保するために誘導加熱による熱処理を施す際、燃焼・分解して二酸化硫黄(SO)ガスを発生し、同時に発生する水蒸気(HO)とともに容器内に滞留し、その底部で水分とともに結露し、容器底部内面の腐食原因になるが、本発明における成形工程においては、プレス成形、ねじ切り作業及び脱脂・乾燥により、上記腐食原因物質は完全に小型圧力容器から除去されることになる。これにより小型圧力容器本体の腐食が十分防止されるとともに、封板の腐食も防止されることになる。
本発明においては、前記のように、ねじ切り加工の行われた小型圧力容器の開口部から消火器用ガスの充填が行われると同時に抵抗溶接による封板の封着が行われるが、その封着に当たっては、容器本体の開口部から封板が封着されるべき位置からずれるのを防ぐために、図3のように予め切り離し部にスコアを入れ、かつ、カップ状にプレス成形してなる封板素材を本体先端部の口部に被せ、しかる後その底部を本体先端の口部とを、例えば抵抗溶接により溶接したのち、周囲のリング状部を切り離すことにより行われる。
上記封板材料は、上記加工を行うことができる成形性を有し、かつ、良好な抵抗溶接性を有するとともに、封板として機能するための耐破壊圧力及び消火器のハンドル操作による破断容易性を兼ね備えることが要求される。また、消火器内に長期に亘って内蔵された状態で十分な耐食性を有することが要求される。
本発明では、このような多くの要求を満たす材料として、250〜430MPa、好ましくは270〜410MPaの降伏強度、を有し、かつ0.20〜0.60mmの厚さを有する錫めっき鋼板(ぶりき)又はティンフリー鋼板を用いる。ぶりき又はティンフリー鋼板を用いるのは、小型圧力容器の長期使用過程における封板の腐食原因となる水分が容器内部に残留しても、発生する炭酸等により封板が腐食しないようにするためであり、一般ブリキ、低錫めっき(TNSぶりき)、ティンフリースチール、やクロム水和酸化物の厚さを薄くした無研磨溶溶接鋼板と呼ばれるティンフリースチールを好適に利用できる。
封板材料の降伏強度を250〜430MPa、好ましくは270〜350MPa、厚さを0.20〜0.60mmとするのは、消火器内蔵圧力容器の封板として機能するための耐破壊圧力及び消火器のハンドル操作による破断容易性を兼備するためである。降伏強度が250MPa未満の場合は、上記厚さの範囲においてプレス成形性および耐破壊圧力が不足し、430MPa超の場合はプレス成形性およびハンドル操作による破断容易性が不十分になる。なお、封板の厚さは、薄すぎては降伏強度を上げても耐破壊圧力を具備させることが困難になる場合があり、また、厚すぎては破断容易性の欠ける場合が生ずる場合があり、さらに、封板を溶接する際の生産上、管理上の安定性を考慮して定められたものである。
このような強度条件を満たすものとして、市販の缶用鋼板のうちT3CAとT4CAの中間グレードのものが挙げられる。市販の缶用鋼板のうち、T3CAには、降伏強度が250MPa未満のものがあり、T4CAには430MPa超のものが存在し、上記の条件を満たさない。したがって、本発明用の封板材料としては、特に、T3CAとT4CAの中間グレードのものを採用するのがよい。なお、上記T3CAとは、ロックウエル硬度にしたがって、49±3のT1から70±3のT6までの7段階に分類した缶用鋼板のうち、硬度がT3に相当し、最終的に連続焼鈍により硬度調整されたものをいう。T4CAについても同様である。
本発明では、上記のように、容器本体の素材として、特定のめっき厚さの亜鉛−ニッケルめっき鋼板を用いて成形し、これを油分が除去された状態に洗浄後、十分乾燥した後、所定の板厚と降伏強度を有する錫めっき鋼板(ぶりき)又はティンフリー鋼板を封板として溶接するという工程を取る。これにより、容器内に水分が残留していても、封板が長期間に亘って腐食することがない。よって、この製品は水中浸漬による気密試験に対して十分な耐食性を有するのである。
したがって、本発明に係る小型圧力容器は、長期間に亘って封板の腐食が進行しないため、これを内蔵する消火器は、家庭内などで長期にわたり設置しておいても床などを汚染するおそれなく、かつ消火機能に劣化を来たさないものとなる。また、油分などの表面汚染がなく、かつ、その製造工程においてクロメート処理を採用していないので、6価クロム(Cr(VI))の付着・残留を完全に断つことができる。
以上、本発明を消火器の小型圧力容器に適用する場合に説明したが、本発明による小型圧力容器は、たとえば、飲料水容器内に組み込み、その押し出し用の容器内内蔵小型圧力容器としても利用できる。かかる目的に利用するためには、対象物に合わせて液状体押し出し用のガスを選択するとともに、小型圧力容器に対して極めて高度な清浄性、たとえば、付着油分が極めて低いこと、有害物質である6価クロムが実質的に存在しないことなど、が要求される。かかる目的を達成するためには、本発明にしたがって小型圧力容器を製造するに当たり、熱水による洗浄をアルカリ脱脂洗浄とし、さらに水洗を行えばよい。
なお、本発明において、液状体とは、水、ジュースなどの低粘度の液体のほか、グリース等の高粘度の液体、さらには粉流体等の流動体を含み、また、これら液状体の押し出しガスには、その用途によって、炭酸ガス、窒素などのほか、空気等圧縮性のガスを利用できる。
亜鉛−12%ニッケル合金めっきを付着量30/30g/mの厚さ1.85mmの深絞り用冷延鋼板SPCENを図1の工程により内容積60ml容器をプレス成形、先端部の誘導加熱、ねじ切り加工(転造による)後、内外面を60℃の温水で洗浄後、乾燥した。
次いで,炭酸ガス充填と同時に、厚さ0.32mmのtsグレード(T3CAとT4CAの中間グレード・降伏強度342MPa、引張り強さ399MPa、伸び36.2%)の#25ぶりき(JFEスチール株式会社製)のから作成したカップ状封板をプロジェクション溶接して炭酸ガスの充填された状態の製品とした。得られた製品を水中浸せきによる気密試験を行った結果、充填ガスの漏洩は認められず、また、ねじ切り部を含め錆の発生は認められなかった。
本発明に係る小型圧力容器の構造を示す概念図である。 小型圧力容器の製造工程図である。 本発明による封板の取り付け要領を示す説明図である 加圧式消火器の構造を示す断面図である。
符号の説明
1:有底の容器本体
2:ヘッド部
3:操作ハンドル
4:キャップ
5:消火薬剤押し出し管
6:放射ノズル
7:ガス放出管
8:小型圧力容器
9:キリ

Claims (7)

  1. 容器本体と口金部からなり、該口金部の開口部が封板により封止され液状体押出し用ガスが充填されてなる小型圧力容器において、
    前記容器本体および口金部が亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板から一体に成形されたものであることを特徴とする小型圧力容器。
  2. 封板が錫めっき鋼板又はティンフリー鋼板製であり、封止が封板を口金部の開口部に溶着したことにより行われていることを特徴とする請求項1記載の小型圧力容器。
  3. 封板は、250〜430MPaの降伏強度を有し、かつ0.20〜0.60mmの厚さを有するものであることを特徴とする請求項2記載の小型圧力容器。
  4. 容器本体および口金部を構成する亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板のめっき付着量は、
    本体外面側において20〜40g/mであり、本体内面側において10〜40g/mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の小型圧力容器。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の小型圧力容器を内蔵圧力源として装着してなる加圧式消火器。
  6. 亜鉛−ニッケル合金めっき鋼板を用いて小型圧力容器用の有底円筒体をプレス成形する段階と、
    前記有底円筒体の小型圧力容器用の口部に当たる部分を誘導加熱した後、口部先端加工
    する段階と、
    前記段階により口部先端加工された小型圧力容器の口部にねじ切り加工を行う段階と、
    前記ねじ切り加工がおこなわれた小型圧力容器の内外面を同時に脱脂を行った後、乾燥する段階と、
    前記工程により乾燥された小型圧力容器の開口部から液状体押出し用ガスの充填と抵抗溶接により錫めっき鋼板又はティンフリー鋼板製の封板の封着を行う段階と、
    を順次行うことを特徴とする小型圧力容器の製造方法。
  7. 液状体押出し用ガスが消火器用ガスであることを特徴とする請求項1〜5記載の小型圧力容器。

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