JP2007231612A - 飛散種子捕捉用の植生マット - Google Patents

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Abstract

【課題】補修後の堤防、新規造成地の法面、あるいは道路の切り通し箇所における斜面等の裸地を植生するにあたって、できるだけ在来種の多い種子を使用することができて、洋芝のような外来種の使用を極力抑えることのできる植生マットを、簡単な構成によって提供すること。
【解決手段】ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって、厚さ3mm〜10cmに形成したマット基材11に、内側壁面12aが法面20の設置面21に対して立ち上がることになる捕捉開口12を多数形成したこと。
【選択図】図2

Description

本発明は、堤防や法面等における裸地の植生を行うために使用する植生マットに関し、特に、飛散種子を捕捉することのできる植生マットに関するものである。
補修後の堤防、新規造成地の法面、あるいは道路の切り通し箇所における斜面等の裸地では、例えば特許文献1や2に示されているように、その表面に「植生」を行うことによって保護することが種々なされてきている。「植生」は、コンクリートやコンクリートブロックで法面等の表面の養生を行うのとは異なって、生きた植物を利用するものであるから、周囲の景観を維持し、保水効果も高く、環境に優しい工法として近年では多用されてきているものである。
この従来の「植生工法」において採用されている「緑化植物」については、平成16年10月27日、環境省の「第一回特定外来生物等専門家会合」の「資料4」(非特許文献1)でも指摘されているように、「工事法面の早期緑化などに用いられてきた外来の緑化植物が、在来の植物相に影響を与えていることが指摘されている。現状では、外来植物に替わって地域性に配慮した在来植物を緑化に活用することは、経済性や生産性、生育性等の観点から難しく、直ちに緑化用植物の輸入や使用を規制することは容易でない状況にある」とされている。
また、同「資料4」の第6頁中における「日本の緑化技術の歴史」の項では、「戦後になって住宅団地開発や高速道路、新幹線などの大規模な土木開発が行われるようになると、急速に人工傾斜地(法面)の緑化が求められ、西洋芝(牧草)等外来生物も含む緑化植物の播種が行われるようになった」ということも記載されている。
つまり、近年の「緑化」は、外来植物種子をできるだけ使用しないで、できれば在来種(ある報告によると、全国の一級河川で外来植物の在来種に対する比率は、9.2%から31.7%にも達し、実に4種に1種は外来種といっていい状態である)によって行うことが切望されているのである。
特開平8−338025号公報、要約、代表図 特許第3436662号掲載公報 環境省の第一回特定外来生物等専門家会合における資料4
特許文献1には、「硬質土壌や岩盤地等の法面にもなじみやすく、かつ種子が根を張りやすい植生用マットを提供する」ことを目的として開発された「植生用マット」が記載されており、この植生用マットは、図7にも示すように、「植物種子、土壌改良材、有機質肥料、保水材等を混合して形成された植生基材4の下面に、相互に所定間隔をおいて形成された穿孔またはスリット等の貫通部2,…を有する肥料入りのジュート繊維フェルト1を設けると共に、これらの上下両面を腐食性の布または紙3,5で被覆縫合して一体的に形成している」といった構成を有しているものである。
また、特許文献2に記載された「金網付き植生ネット」は、「積雪地帯においては、通常の植生ネットでは、雪の重みや、崩落(雪崩)等で切断されてしまうことがあり、充分に法面を保護することができない場合があった。また、合成繊維材でネットを形成した場合、腐食することがなく、あとに残るため公害問題が発生する」ことに着目して、「積雪地帯において雪の重みに耐え、かつ、公害問題を発生させないようにした植生ネットを提供すること」を目的としてなされたもので、図8に示すように、例えば「粗目のヤシネットの上片面に金網を装着し、下片面に植生マットを装着し、これら金網,ヤシネット,植生マットを一体的に適宜の目合いに縫合してあり、前記金網は、0.5〜3.0mm径の線材を使用し、30〜50mmの目合いを有し、また、前記ヤシネットが1〜10mm径のヤシ繊維の撚り紐を10×10cm当たり5〜15本になるように編織されてなり、さらに、前記植生マットは、腐食性ネットの片面に薄綿を接着したものに種子、肥料を接着してなることを特徴とする金網付き植生ネット」(請求項1)という構成を有したものである。
しかしながら、これらの特許文献1及び2に記載された「植生用マット」あるいは「植生ネット」では、在来植物をどのように積極的に使用あるいは採用していくか、については全く考慮されておらず、環境省の「第一回特定外来生物等専門家会合」の「資料4」が指摘している問題を解決することはできないと考えられる。
そこで、本発明者等は、植生工法としてはそれ程変更することがなく、しかも植生植物についてできるだけ在来種を使用できるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、現在日本各地の山野や堤防あるいは法面に生育している植物は、自ら種子を飛散させて増殖していることに着目して、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、補修後の堤防、新規造成地の法面、あるいは道路の切り通し箇所における斜面等の裸地を植生するにあたって、できるだけ在来種の多い種子を使用することができて、洋芝のような外来種の使用を極力抑えることのできる植生マットを、簡単な構成によって提供することにある。
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって、厚さ3mm〜10cmに形成したマット基材11に、内側壁面12aが法面20の設置面21に対して立ち上がることになる捕捉開口12を多数形成したことを特徴とする植生マット10」
である。
すなわち、この請求項1に係る植生マット10は、図1〜図6に示すように、ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって、厚さ3mm〜10cmに形成したマット基材11に、内側壁面12aが法面20の設置面21に対して立ち上がることになる捕捉開口12を多数形成したものである。
ここで、この植生マット10を構成しているマット基材11がジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって形成したものである必要があるが、その第1の理由は、この種の植生マット10は、一旦法面20の設置面21上に設置した後はそのまま放置しておくものであり、そのことによってこのマット基材11が自然界で自然に分解される必要があるからである。その第2の理由は、このマット基材11が分解されたものが、後述する種子30あるいはこれが生育した植生植物の肥料にもする必要があるからである。
また、この植生マット10を構成しているマット基材11の厚さが3mm〜10cmであることが必要であるが、その第1の理由は、このマット基材11によって保水機能を発揮させる必要があるからであり、第2の理由は、後述する捕捉開口12の内側壁面12aを、飛散してきた種子30の捕捉が十分行えるような大きさのものにする必要があるからである。その意味では、このマット基材11の厚さが3mmより小さいと、十分な保水機能を発揮する植生マット10とすることができないだけでなく、種子30の捕捉が確実に行えないのであり、逆に、このマット基材11の厚さが10cmより大きいと、植生マット10としての加工が行いにくいだけでなく、保水機能や種子30の捕捉について厚くした程の効果が得られないのである。
そして、この植生マット10は、上述したマット基材11に、図2等に示すように、内側壁面12aが法面20の設置面21に対して立ち上がることになる捕捉開口12を多数形成したことが必要である。これらの各捕捉開口12は、マット基材11に対して打ち抜き加工を施すことによって形成してもよく、また、後述するような方法によって形成してもよい。いずれにしても、各捕捉開口12は、当該植生マット10を法面20上に設置した場合に、図1にも示すように開口していて、飛散してきた種子30や吹付土壌を受け入れる、つまり捕捉できるものでなければならない。
そして、種子30を捕捉した各捕捉開口12において、その各内側壁面12aが法面20の設置面21に対して立ち上がっていなければならない。その理由は、折角捕捉した種子30がその後の風等の力によって当該捕捉開口12から再び外に出てしまっては意味がないからであり、この種子30の飛び出しの阻止をこの内側壁面12aが行うのである。
以上のように構成した植生マット10は、通常巻回して保管や運搬がなされるが、その巻回した植生マット10を、例えば法面20の上側から設置面21上に展開し、その上から目串等を法面20に対して打つことにより施工される。そうすると、この植生マット10によって、図1に示すように、法面20の設置面21上には多数の捕捉開口12が開口するとともに、この捕捉開口12以外の設置面21上はマット基材11によって流亡や崩落が防止されることになるのである。
各捕捉開口12が法面20上に開口していると、図1等に示した種子30が飛散してきて、その一部は、図2に示したように、捕捉開口12内に入る、つまり捕捉される。ここで重要なことは、当該植生マット10は最初から植生植物の種子30を有していないものであって、施工後に外から飛散してきた種子30、つまりその施工箇所の近傍に生育していた植物の種子30を捕捉するものであるということである。この結果、この植生マット10は、所謂在来植物の種子30をそのまま植生植物の種子とするのであり、特許文献1等に示されたもののように、アメリカ大陸から輸入された洋芝等の外来植物を使用するものではないのである。
捕捉された種子30は、当該捕捉開口12の内側壁面12aが周囲に高く立ちはだかっているから、風が吹いたり、動物がこの上を歩いたりしても、簡単には当該捕捉開口12から飛び出してしまうことはない。しかも、この捕捉開口12の下には、設置面21あるいは後述する流亡防止シート14等が存在しているから、捕捉された種子30は時間が立てば発芽して生育していくことになる。つまり、この植生マット10によれば、在来植物が植生植物として有効に利用でき、外来植物の使用を中止できるのである。
さらに重要なことは、各捕捉開口12によって捕捉された種子30は、当該植生マット10を施工した地域あるいはその近傍から飛散してきたもので、アメリカや中国からきたものではないことである。勿論、この種子30の中には、在来の植物相に影響を与えていることが指摘されている外来植物が、最大1/4程度の確率で含まれていることは否めないけれども、最初から当該植生マット10内に外来植物の種子を入れる場合に比較すれば、在来植物を使用する確率は遙かに高い。
このため、この植生マット10を使用した場合、非特許文献1が指摘しているのとは逆に、外来植物に替わって地域性に配慮した在来植物を緑化に活用することができて、経済性や生産性、生育性等の観点から優れた緑化工法が行え、直ちに緑化用植物の輸入や使用を規制することが可能ともなるのである。
従って、この請求項1の植生マット10は、補修後の堤防、新規造成地の法面20、あるいは道路の切り通し箇所における斜面等の裸地を植生するにあたって、できるだけ在来種の多い種子を使用することができて、洋芝のような外来種の使用を極力抑えることのできる植生マット10を、簡単な構成によって提供することができるのである。
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の植生マット10について、
「マット基材11の表面または裏面に補強網13を一体化したこと」
である。
すなわち、この請求項2の植生マット10は、上述した請求項1のマット基材11の表面または裏面に、図2〜図5に示すように、補強網13を一体化したものであり、この補強網13によって各捕捉開口12の形状を維持する、つまり、各捕捉開口12が開口したままの状態を維持し易くなるようにしたものである。この補強網13の存在は、後述する最良形態に係る製造方法によって形成した植生マット10に対して、特に有効である。
このような補強網13としては、金属線材を網状に編み込んだもの、金属薄板にパンチングを施したもの、あるいは所定の剛性を有する合成樹脂繊維あるいは天然繊維によって網として形成したもの、さらには厚紙に穴を多数形成したもの、いずれのものも適用できる。ただし、この補強網13は、これをマット基材11の裏面に一体化したとき、捕捉した種子30の根が当該補強網13を通して法面20内に延びるようにする必要があるから、図3にも示すような網目13aが存在していなければならない。
以上のように構成した請求項2に係る植生マット10は、巻回したものを法面20上に展開して施工されるが、この植生マット10の巻回時にも展開時にも、補強網13はマット基材11の保形を行っているから、マット基材11自体がほつれたり、各捕捉開口12が潰れたりすることはない。
施工後の当該植生マット10に対しては、その捕捉開口12内に直接、あるいは補強網13の網目13aを通して種子30が捕捉されるが、捕捉された種子30の根は、法面20の載置面21上に直接、あるいは補強網13の網目13aを通して法面20内に延びることができるため、植生植物としての生育がこの補強網13によって阻害されることはない。
従って、この請求項2の植生マット10は、上記請求項1のそれと同様な機能あるいは効果を発揮する他、各捕捉開口12の形状及びマット基材11自体の保形を補強網13によって行うことができて、在来種の多い種子を使用することができ、洋芝のような外来種の使用を極力抑えることのできる植生マット10を、簡単な構成によって提供することができるのである。
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2に記載の植生マット10について、
「マット基材11の裏面側に流亡防止シート14を一体化したこと」
である。
すなわち、この請求項3に係る植生マット10は、マット基材11の裏面側に流亡防止シート14を一体化したものである。この場合、「マット基材11の裏面」とは法面20の設置面21に直接当接する面をいうものであり、「マット基材11の裏面側」とは、請求項2の補強網13シートを備えていない基材11の裏面に流亡防止シート14を直接一体化する場合と、マット基材11の表面または裏面にまず上述した請求項2の補強網13を一体化しておき、この補強網13とは別の面に、あるいはこの補強網13を挟んで流亡防止シート14をマット基材11に一体化する場合とをも含む意味である。
この流亡防止シート14は、マット基材11を構成しているシート材と同じ材料を薄くしたものであってもよく、あるいは図5の(a)に示したような網状、あるいは不織布状のものであってもよい。
この場合、この流亡防止シート14について、各捕捉開口12によって捕捉した種子30を生育させるための材料を供給する機能を持たせたい場合には、この流亡防止シート14は、保水材または肥料、あるいは土壌改良材のいずれか少なくとも一つを添着したものとすればよい。また、この流亡防止シート14に、法面20の流亡防止を図る機能を持たせたい場合には、この流亡防止シート14をそれに適した形状のものにしておけばよい。
さて、以上のような流亡防止シート14を有した植生マット10を法面20上に施工した後には、各捕捉開口12が開口しているととともに、この捕捉開口12内に流亡防止シート14が直接、あるいは補強網13の網目13aを通して露出することになる。このとき、この流亡防止シート14によって法面20の設置面21が覆われることになるから、この流亡防止シート14によって法面20の表面の土が雨等によって流れ去ること、つまり流亡が防止されるのである。
なお、この流亡防止シート14が、これに添着または固着してある保水材、土壌改良材、あるいは肥料を有している場合には、これらの材料によって保たれている水、土壌改良材、または肥料を、各捕捉開口12によって捕捉された種子30に対して供給するのである。これにより、種子30の発芽や生育が効果的な環境で行えるのである。
従って、この請求項3に係る植生マット10には、上記請求項1または2に係るそれと同様な機能あるいは効果を発揮する他、法面20の流亡防止を図ることができるものとなっているのである。
以上のように構成した各請求項に係る植生マット10を構成しているマット基材11は、例えば次の(1)〜(3)の工程を経て製造される。
(1)ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって、厚さ3mm〜10cmに形成したマット基材11に互いに平行で交互に位置する多数の切れ込み15を入れる工程;
(2)マット基材11に、各切れ込み15の方向と直交または略直交する方向の引張力を与えて、各切れ込み15を開いて各捕捉開口12とする工程;
(3)マット基材11の表面または裏面に、補強網13または流亡防止シート14の少なくともいずれか一方を一体化することにより、マット基材11の復元力を阻止して、各捕捉開口12の保形を行う工程。
すなわち、まず工程(1)では、図6の(a)に示すように、上述してきたマット基材11に互いに平行で交互に位置する切れ込み15を多数入れるのである。各切り込み15は、切り込み加工後のマット基材11がバラバラになってしまわないようにするために、互いに平行で交互に位置する必要がある。
工程(2)では、図6の(b)に示すように、マット基材11に、各切れ込み15の方向と直交または略直交する方向の引張力を与えて各切れ込み15を開き、これによって捕捉開口12を形成するのである。そのままだと、マット基材11自体が有している復元力によって各捕捉開口12が閉じてしまうことがあるから、次の工程(3)を経るのである。
そして、工程(3)では、マット基材11の表面または裏面に、補強網13または流亡防止シート14の少なくともいずれか一方を一体化するのである。これにより、マット基材11の復元力が阻止されて、各捕捉開口12の保形が行われるのである。
以上のように、マット基材11に捕捉開口12を形成するようにすれば、パンチング加工によって捕捉開口12を形成する場合に比較すれば、マット基材11を全く無駄なく使用することができ、打ち抜いたとすればできるであろう捕捉開口12分のマット基材11がゴミとなることもないのである。
以上、説明した通り、本発明に係る植生マット10おいては、
「ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって、厚さ3mm〜10cmに形成したマット基材11に、内側壁面12aが法面20の設置面21に対して立ち上がることになる捕捉開口12を多数形成したこと」
に構成上の主たる特徴があり、これにより、補修後の堤防、新規造成地の法面20、あるいは道路の切り通し箇所における斜面等の裸地を植生するにあたって、できるだけ在来種の多い種子を使用することができて、洋芝のような外来種の使用を極力抑えることのできる植生マット10を、簡単な構成によって提供することができるのである。
次に、上述した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態である植生マット10についてその製造方法とも併せて説明すると、次の通りである。
図1には、本発明に係る植生マット10を、法面20の表面、つまり設置面21上に施工した状態が示してあり、この植生マット10によって施工した面には、多数の捕捉開口12が開口している。図1に示したように施工した植生マット10は、マット基材11に多数の捕捉開口12をパンチング加工しただけのもの、図2及び図3に示したような、多数の捕捉開口12を形成したマット基材11の表面または裏面に補強網13を一体化したもの、そして、図5及び図6に示したような、多数の捕捉開口12を形成したマット基材11の表面または裏面に補強網13及び流亡防止シート14を一体化したものが採用されるが、何れであってもよいものである。
植生マット10の基本部分となるマット基材11は、ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって、厚さ3mm〜10cmに形成したシート状物であり、それ自体吸水性と生分解性を有したものである。なお、このようなジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維に、木材を細長く削って線状あるいは繊維状にしたもの、繊維くず、生分解性を有する合成繊維等の各種材料を、ある程度混入あるいは含ませることは可能である。
このマット基材11の厚さは、実際上の加工性を考慮すると、5mm〜5cm程度が好ましく、大きさとしては、1m×10m程度となるようにするのが、通常の土木工事で使用されている基準寸法に合っていて有利である。
このマット基材11には、多数の捕捉開口12が形成してあったが、これら各捕捉開口12は、単にマット基材11にパンチングによって形成したものであってもよいが、それだと、捕捉開口12分の無駄な部分が発生するから、本最良形態では、図6に示したような方法によって各捕捉開口12を形成するようにしている。
すなわち、各捕捉開口12は、図6の(a)に示したように、まず、マット基材11に互いに平行で交互に位置する多数の切れ込み15を入れることによって形成される。次に、このマット基材11に対して、図6中の白抜き矢印にて示したように、各切れ込み15の方向と直交または略直交する方向の引張力を与えて各切れ込み15を開き、これを、図6の(b)に示したように、各捕捉開口12とするのである。
勿論、各切れ込み15を開いて各捕捉開口12としたときには、マット基材11はそれ自身が有している復元力によって縮むことがある。この縮みを阻止するためには、マット基材11の表面または裏面に、図3または図5に示したように、補強網13または流亡防止シート14の少なくともいずれか一方を一体化するのである。
補強網13としては、図3の(a)に示したような亀の甲(正六角形の連続物)状の網目13aを有するもの、あるいは図5の(a)に示したような格子状の網目13aを有するものに、金属線材を網状に編み込んだものが採用される。勿論、この補強網13としては、金属薄板にパンチングを施したもの、あるいは所定の剛性を有する合成樹脂繊維あるいは天然繊維によって網として形成したもの、さらには厚紙に穴を多数形成したもののいずれも適用できる。ただし、この補強網13は、捕捉した種子30の根が法面20内に延びるようにする必要があるから、図3にも示したような網目13aが存在していなければならない。
一方、流亡防止シート14は、マット基材11を構成するシート材を薄くしたもの、あるいは他の生分解性の繊維で網状あるいは不織布状に形成したものであってもよいものであり、これが法面20の設置面21に直接接触することにより、法面20の流亡防止が発揮される。また、この流亡防止シート14を、各捕捉開口12によって捕捉した種子30を生育させるための水または肥料を供給するものとしたい場合には、保水材または肥料のいずれか少なくとも一方を添着または接着したものとしておけばよいものであり、土壌改良材を含むものとしてもよいものである。
以上のようにした植生マット10は、マット基材11を生分解性のものを主として利用し、これを種子30のための肥料にもするものであるから、例えばゴミ処理問題を解決する一つの手段としても採用できるものである。
本発明に係る植生マットを施工した法面を示す斜視図である。 図1中の植生マットの一部を拡大して示した部分拡大斜視図である。 補強網を有した植生マットを部分的に示すもので、(a)は分解斜視図、(b)は施工時の断面図である。 補強網を有した別の植生マットを部分的に示すもので、(a)は分解斜視図、(b)は施工時の断面図である。 補強網及び流亡防止シートを有した植生マットを部分的に示すもので、(a)は分解斜視図、(b)は施工時の断面図である。 植生マットを構成するマット基材に捕捉開口を形成する方法を示すもので、(a)は切り込みを入れた状態の部分平面図、(b)は切り込みを広げて捕捉開口とした状態の部分平面図である。 従来の技術を示す部分破断斜視図である。 従来の他の技術を示す部分破断斜視図である。
符号の説明
10 植生マット
11 マット基材
12 捕捉開口
12a 内側壁面
13 補強網
13a 網目
14 流亡防止シート
15 切り込み
20 法面
21 設置面
30 種子

Claims (3)

  1. ジュート、綿、あるいはパルプ等の自然繊維によって、厚さ3mm〜10cmに形成したマット基材に、内側壁面が法面の設置面に対して立ち上がることになる捕捉開口を多数形成したことを特徴とする植生マット。
  2. 前記マット基材の表面または裏面に補強網を一体化したことを特徴とする請求項1に記載の植生マット。
  3. 前記マット基材の裏面側に流亡防止シートを一体化したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の植生マット。
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