JP2007230815A - レーザー媒質用シリカガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】
希土類金属元素とアルミニウムが適切な濃度でドーピングされ、かつ低散乱低吸収であり、泡が少なく低OH濃度であり、高効率のレーザー発振可能なレーザー媒質用シリカガラスを提供する。
【解決手段】
希土類金属元素とアルミニウムを含有し、かつ希土類金属元素濃度が0.2wt%以上5wt%以下、[アルミニウムモル数]/[希土類金属元素モル数]で表されるアルミニウムと希土類金属元素のモル比が2以上10未満であり、可視から赤外領域の吸収波長以外の波長における光損失係数が0.02/cm-1以下、100cm3あたりの泡の総断面積が0.10mm2以下、OH基濃度が20ppm以下であるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、希土類金属元素及びアルミニウムを含有し、レーザー増幅、レーザー発振を目的としたレーザー媒質用シリカガラス並びにそれを用いたレーザー装置、及びファイバーレーザー装置に関する。
近年、ガラス、セラミックス、単結晶などに機能性元素を含有させ、波長変換、レーザー増幅、レーザー発振、ホールバーンニングなどの光学特性を付与した様々な機能性材料が開発されている。これらの材料の中でシリカガラスは、近赤外から紫外域までの光透過性が高く、熱衝撃に強く、化学的にも安定しており、大型化も比較的容易であることから、ホスト材として注目されている。
シリカガラスをホスト材とした機能性材料の1つとして、希土類金属元素などを含有したレーザー媒質用シリカガラスが提案されている。今日用いられているレーザー媒質ガラスは、希土類金属元素をリン酸系ガラスに含有させた物であるが、リン酸系ガラスは熱衝撃定数が0.43W/cmと小さいため、繰り返し発振を行うとその熱衝撃に耐えられずに破損する、という欠点がある。シリカガラスは熱衝撃定数が14.5W/cmとリン酸系ガラスと比べて2桁高いため、希土類金属元素をドープしたシリカガラスは高繰り返し発振可能なレーザーガラス材料として注目、研究されてきた。
しかし、シリカガラスに希土類金属元素のみを高濃度にドープしようとすると、希土類金属元素同士が会合を起こして濃度消光をおこすことが多く、そのため高濃度のドープができないという問題が知られている。濃度消光とは、ドープされる希土類金属元素間の距離が短いことに起因して発光効率が落ちる現象であり、これによりレーザーの発振効率が著しく悪くなる。
濃度消光を抑えた希土類金属元素ドープシリカガラスとしては、希土類金属元素と共にAl23やP25を共ドープしたガラスが公知とされている(特許文献1)。また、希土類金属元素の会合をより抑えた機能性シリカガラスとして、希土類金属元素が安定に固定したゼオライトとシリカ原料とを焼結してなるシリカガラスが提案されている(特許文献2)。
また、特許文献3では、主成分のSiO2と、原子番号3〜6、11〜13、19〜32、37〜51、55〜84及び87〜108の各金属元素の少なくとも一種類の金属酸化物を上記主成分SiO2に対しモル比で0.01〜30%添加した活性物質としての添加物質と、Al23又はP25のいずれか一方又は両方を上記活性物質に対しモル比で0〜30倍添加した補助添加物質の添加物質とを含有するレーザーガラスである、CGS単位系の単位体積あたりの少くとも屈折率の変動幅で示される均質性が1×10-5以下であるように添加物質が分布されたガラス体であることを特徴とするドープト石英ガラスが示されている。
特開昭60−11245 特開平9−86952 特開昭64−76933
しかし、特許文献1、2記載のガラスでは、ガラス中の泡や微小な屈折率の変動すなわち粒状構造については全く考慮されていない。泡や粒状構造が存在すると、ガラスの内部で光の散乱が起きて光量のロスをもたらす。また、ガラス中の泡は、レンズのような役割を果たして光を集光し、クラックなどのダメージをガラスに与える。このため、特許文献1、2記載のガラスではレーザー増幅、レーザー発振が出来なかったり、できたとしても効率が著しく悪くなった。また、特許文献3は、屈折率という物性値を用いるに際して、粒状構造や泡のないことが必要条件となる、と記載しているが、光損失という視点から粒状構造や泡に注目したものではなく、その評価方法も不十分である。実際に特許文献3記載のドープ石英ガラスは発振効率が低く、不十分なものであった。
さらに、これらのガラスでは、ガラス中のOH基濃度についての考慮が全くなされていない。レーザー媒質では、励起によって反転分布を形成し、誘導放出により波長、位相、方向のそろった光を放出することでレーザー増幅、レーザー発振をするが、レーザーガラス中にOH基が多いと、励起された電子がOH基の格子振動準位を介して光を放出せずに下準位へと緩和する非輻射遷移が起こり、増幅、発振効率が著しく悪くなる。そのためガラス中のOH基濃度を制御することが、非常に重要である。
本発明者らは、上記した問題に鑑み、高効率で安定なレーザー増幅、レーザー発振を行うのに好適なレーザーガラスの発明に鋭意取り組み、希土類金属元素濃度とアルミニウム濃度を適切な範囲内に収め、可視から赤外領域の吸収波長以外の波長における光損失係数を一定値以下にし、泡が少なく、OH基濃度を一定値以下にすることにより、高効率で安定なレーザー増幅、レーザー発振可能なレーザーガラスが得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第1の目的は、希土類金属元素およびアルミニウムが適切な濃度でドーピングされ、かつ低散乱低吸収であり、泡が少なく低OH濃度であり、高効率のレーザー発振可能なレーザー媒質用シリカガラスを提供することにある。
本発明の第2の目的は、希土類金属元素ドープシリカガラスを用いたレーザー装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、希土類金属元素ドープシリカガラスをコアに用いたファイバーレーザー装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のレーザー媒質用シリカガラスは、希土類金属元素とアルミニウムを含有し、かつ希土類金属元素濃度が0.2wt%以上5wt%以下、[アルミニウムモル数]/[希土類金属モル数]で表されるアルミニウムと希土類金属のモル比が2以上10未満であり、可視から赤外領域の吸収波長以外の波長における光損失係数が0.02/cm-1以下、100cm3あたりの泡の総断面積が0.10mm2以下、OH基濃度が20ppm以下であることを特徴とする。
前記希土類金属元素としては、Nd、Yb、Er、Tm及びHoからなる群から選択される1種であることが好ましい。
前記希土類金属元素及びアルミニウムが、イオン交換により希土類金属元素が固定されたゼオライトを用いて導入されるのが好適である。
本発明のレーザー装置は、本発明のレーザー媒質用シリカガラスを用いるものである。
本発明のファイバーレーザー装置は、本発明のレーザー媒質用シリカガラスをコアに用いるものである。
本発明のレーザー媒質用シリカガラスによれば、高効率で安定なレーザー増幅、レーザー発振を行うことができるという大きな効果が達成される。
以下に本発明のレーザー媒質用シリカガラスの実施の形態について説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明のレーザー媒質用シリカガラスにおいて、ガラス中の希土類金属元素濃度は0.2wt%以上5wt%以下である。希土類金属元素濃度が低すぎるとレーザー増幅、発振効率が非常に悪くなるため、0.2wt%以上であることが必要で、0.5wt%以上であるとより好ましい。また、希土類金属元素濃度が高すぎる場合、加熱溶融した際に失透と呼ばれる結晶化が起こり、透光性を失ってしまう。そのため、希土類金属元素濃度は5wt%以下であることが必要であり、4wt%以下であるとより好ましい。
また、本発明のレーザー媒質用シリカガラスにおいて、Alは希土類金属元素を分散させて濃度消光を防ぐ役割をはたすものであり、必須の要素である。このアルミニウムと希土類金属元素の比は、[アルミニウムのモル数]/[希土類金属元素のモル数]が2以上10未満であることが必要である。Alが希土類金属元素に対して少なすぎると、希土類金属元素のクラスター化を十分に防ぐことができず、濃度消光が起きてレーザー増幅、レーザー発振効率が著しく悪くなるため、Alが希土類金属元素の2倍以上であることが必要であり、3倍以上であるとほぼ完全に濃度消光を防ぐことができるのでより好ましい。また、一方、Alが希土類金属元素に対して多すぎると失透をおこしやすくなるため、Alは希土類金属元素の10倍未満であることが必要であり、8倍未満であるとより好ましい。
また、本発明のレーザー媒質用シリカガラスにおいては、可視から赤外領域の吸収波長以外の波長における光損失係数が0.02/cm-1以下であることが必須である。
光損失係数は、散乱、吸収によるレーザー媒質内での光のロスを表す。可視から赤外領域の吸収波長以外の波長における光損失係数が0.02/cm-1より大きいと、光のロスが大きすぎて、レーザー発振、レーザー増幅の効率が著しく悪くなる。光損失はレーザー発振効率、レーザー増幅効率に強く影響するため、0.005/cm-1以下であると好ましく、0.001/cm-1以下であるとより好ましい。
尚、本明細書における、可視から赤外領域の吸収波長以外の波長とは、波長400nm以上3000nm以下の波長領域においてシリカガラスおよびドープされた金属元素による吸収がない波長のことである。例えば、NdとAlをドープした場合、波長1000nm以上1200nm以下の範囲内の波長のことであり、レーザー増幅、発振波長近傍である1040nm以上1080nm以下で測定すると、増幅、発振性能と直接比較できるため、特に好ましい。 また、YbとAlをドープした場合は1060nm以上1100nm以下、ErとAlをドープした場合は、1530nm以上1580nm以下の範囲で測定する。
また、本発明のレーザー媒質用シリカガラスにおいては、100cm3あたりの泡の総断面積が0.10mm2以下であることが必要である。レーザー媒質中に泡があると、その散乱により増幅、発振効率が落ちるためである。また、ガラス中の泡は、レンズのような役割を果たして光を集光し、ガラスにダメージを与えることがある。そのため、ガラス中の泡は100cm3あたりの泡の総断面積が0.10mm2以下であることが必要であり、0.01mm2以下であると望ましい。
また、本発明のレーザー媒質用シリカガラスにおいては、OH基濃度が20ppm以下であることが必要である。レーザーガラス中のOH基は励起された電子が光を放出せずに緩和する非輻射遷移を引き起こして、発光効率を低下させるため、OH基濃度を低くすることが必要である。高効率なレーザー増幅、レーザー発振をするためにはOH基濃度を20ppm以下にする必要があり、5ppm以下であると発光効率にはほとんど影響を与えずに非常に高効率のレーザー増幅、レーザー発振ができる。
また、本発明のレーザー媒質用シリカガラスにおいては、ドーピングされる希土類金属元素及びアルミニウムが、イオン交換されたゼオライトとしてドープされたものであると、より好ましい。これは、特許文献2に示されているように、希土類金属元素同士の会合を十分に抑えることができ、より高効率のレーザー媒質用シリカガラスとなるからである。
また、本発明のレーザー媒質用シリカガラスは、波長632nmにおける屈折率分布が5×10-6以下、複屈折量が10nm/cm以下であると好ましい。屈折率分布や複屈折量はレーザーのビーム品質に影響する。そのため、屈折率分布は5×10-6以下、より好ましくは3×10-6以下であり、複屈折量は10nm/cm以下、より好ましくは5nm/cm以下であると良い。
また、本発明のレーザー媒質用シリカガラスは、脈理フリーであると好ましい。ガラス中の脈理は、光を屈折させ、これによりレーザーのビーム品質が劣化する。そのため、レーザーの光軸方向から見て脈理がない方が好ましく、3方向脈理フリーであると、より好ましい。
本発明のレーザー装置とは、レーザー増幅装置、レーザー発振装置を包含するものである。図1に示すように、本発明のレーザー増幅装置10は、基本的構造においては従来のレーザー増幅装置と同様であり、フラッシュランプやレーザーダイオードなどの励起用光源12と、レーザー媒質14で構成され、他の装置で発振されたレーザー光の強度を強める装置である。本発明のレーザー増幅装置10の特徴はレーザー媒質14として本発明のレーザー媒質用シリカガラスを用いる点にある。図2に示すように、本発明のレーザー発振装置20は、基本的構造においては従来のレーザー発振装置と同様であり、フラッシュランプやレーザーダイオードなどの励起用光源22と、レーザー媒質24、光反射鏡26および部分反射鏡28で構成され、レーザー光を発振する装置である。本発明のレーザー発振装置20の特徴はレーザー媒質24として本発明のレーザー媒質用シリカガラスを用いる点にある。
また、本発明のファイバーレーザー装置とは、ファイバーレーザー発振装置、ファイバーレーザー増幅装置及びこれら装置内に用いられるファイバーレーザーを包含するものである。図3に示すように、本発明のファイバーレーザー30は、基本的構造においては従来のファイバーレーザーと同様であり、光ファイバーのコアに相当する部分にレーザー媒質ガラス32を、クラッドに相当する部分にレーザー媒質より屈折率の低いシリカガラス34を用いたもので、ファイバー状のレーザー媒質を示すものである。本発明のファイバーレーザー30の特徴はレーザー媒質ガラス32として本発明のレーザー媒質用シリカガラスを用いる点にある。また、本発明のファイバーレーザー増幅装置40は、基本的構造においては従来のレーザー発振装置と同様であり、図4に示すように、レーザーダイオード42、WDMカプラー44、ファイバーレーザー30、入力側コネクター46及び出力側コネクター48を有している。本発明のファイバーレーザー増幅装置40の特徴はファイバーレーザーとして本発明のファイバーレーザー30を用いる点にある。
(実施例1)
Ndイオン交換ゼオライトを以下の工程で作成した。ケイ素とアルミニウムのモル比がSi:Al=4:3であるX型ゼオライト2000gを濃度150g/Lの硝酸ネオジウム水溶液10Lに浸し、100℃において還流をしながら5日間加熱した。その後、吸引ろ過によりゼオライトを濾別し、このゼオライトに純水を注いで攪拌してから濾別する洗浄工程を3回繰り返した後、乾燥機を用いて300度にて乾燥することにより、Ndイオン交換ゼオライトを得た。このゼオライトの組成を蛍光X線分析装置で測定したところ、Nd濃度は15wt%、Al濃度は18wt%であった。
上記方法によって得たNdイオン交換ゼオライト1000gとシリカガラス粉6000gおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉とゼオライト粉の混合粉体を得た。
この混合粉体を図7に示すステンレス製の金型(外径240mm×内径200mm×厚さ15mmの底板)50に入れ、100kgf/cm2の圧力をかけて、直径200mm×高さ140mmの粉体成型体とした。これを金型から取り出して加熱炉内に設置し、大気中において1300度で100時間加熱した後に、内径220mmのカーボンるつぼ内に設置し、このカーボンるつぼごと真空加熱炉内に設置して真空下で1800度にて1時間加熱し、直径220mm高さ80mmのNd含有シリカガラスを得た。
これから80mm×80mm×180mmのガラスを切り出し、特開平7−267662に記載の帯域溶融せん断法、すなわち被処理物であるガラスを旋盤に把持された石英ガラス棒に加熱溶接し、バーナーにより加熱した状態で左右の旋盤の回転数を相違させつつバーナーを移動する方法により、ガラスの均質化を行った。均質化後のガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線分析装置にて調べたところ、Nd2.14wt%、Al2.57wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を算出すると、6.4となる。
この石英ガラス中の泡を調べたところ、100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは2×10-6、複屈折は1.5nm/cmであった。また、この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.001/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドについて図5に示す光学系を用いて、増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。図5に示したレーザー増幅装置10Aは、図1に示したレーザー増幅装置10と同様の構造を有するものであるが、CWレーザー16及びパワーメーター18が追加されており、レーザー媒質として上記試料ロッド15が用いられている。また、この試料ロッドについて図6に示す光学系を用いて発振試験を行ったところ、波長1064nmにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。図6に示したレーザー発振装置20Aは、図2に示したレーザー発振装置20と同様の構造を有するものであるが、パワーメーター29が追加されており、レーザー媒質として上記試料ロッド15が用いられている。なお、図5及び図6において、符号Lはレーザー光である。
なお、各種物性の測定方法を以下に示す。
化学組成:蛍光X線分析法により測定。
OH基濃度:フーリエ変換赤外分光装置(Nicolet社製 AVATOR360)にて2.7μmのO−H伸縮振動バンドの強度から算出。
光損失係数測定:レーザーの入射光強度I0[mW]、出射光強度IT[mW]、試料厚さd[cm]を用いて以下の式により算出。尚、Ndドープガラスでは波長1064nm、Ybドープガラスでは波長1080nm、Erドープガラスでは波長1540nmのレーザーを用いた。
Figure 2007230815
屈折率分布:ZYGO MARK GPI−XP(フィゾー型干渉計)を用いてオイル・オン・プレート方により632.8nmにおける屈折率分布を測定。
複屈折:Hinds社製 複屈折測定装置 EXICOR350ATを用いて632.8nmにおける複屈折を測定。
増幅試験:試験装置の構成は図5に示したものと同様である。試験に用いたレーザーは、ドープ元素がNdの時は波長1064nmのCW(連続発振)レーザー、Ybの時は波長1080nm、Erの時は波長1540nmのレーザーを用いた。初めに試料を励起していない状態、すなわちキセノンフラッシュランプを点灯していない状態で、試料を透過した後のレーザー光のパワーをパワーメーターで計測した。続いて、試料を励起した状態、すなわちキセノンフラッシュランプを点灯した状態で、試料を透過した後のレーザー光のパワーをパワーメーターで計測し、励起していない状態と比較して、パワーメーターの値が大きくなった場合を、増幅あり、とした。
発振試験:試験装置の構成は図6に示したものと同様である。レーザーの出力鏡の透過率は20%とし、励起時(フラッシュランプ点灯時)の出力をパワーメーターにて計測し、出力が確認できた場合を、発振あり、とした。計測波長は、ドープ元素がNdの時は波長1064nmのCW(連続発振)レーザー、Ybの時は波長1080nm、Erの時は波長1540nmのレーザーを用いた。
(実施例2)
Ndイオン交換ゼオライトを実施例1と同様の方法で作成した。このゼオライトの組成を蛍光X線分析装置で確認したところ、Nd濃度は15wt%、Al濃度は18wt%であった。
上記方法によって得たNdイオン交換ゼオライト1500gとシリカガラス粉5500gおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉とゼオライト粉の混合粉体を得た。この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd3.21wt%、Al3.86wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、6.4であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ、100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは4×10-6、複屈折は5nm/cmであった。また、この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.002/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドを実施例1と同様に増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。また、実施例1と同様に発振試験を行ったところ、波長1064nmにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。
(実施例3)
Ndイオン交換ゼオライトを実施例1と同様の方法で作成した。このゼオライトの組成を蛍光X線分析装置で確認したところ、Nd濃度は15wt%、Al濃度は18wt%であった。
上記方法によって得たNdイオン交換ゼオライト250gとシリカガラス粉6750gおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉とゼオライト粉の混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd0.54wt%、Al0.64wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、6.2であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は3ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは1×10-6、複屈折は1nm/cmであった。また、この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.0005/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドを実施例1と同様に増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。また、実施例1と同様に発振試験を行ったところ、波長1064nmにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。
(実施例4)
酸化ネオジウム粉150g、酸化アルミニウム粉300g、シリカ粉6550gをおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉と酸化ネオジウム、酸化アルミニウムの混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd1.84wt%、Al2.27wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、6.6であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは2×10-6、複屈折は2nm/cmであった。また、この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.001/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドを実施例1と同様に増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。また、実施例1と同様に発振試験を行ったところ、波長1064nmにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。
(実施例5)
酸化ネオジウム粉150g、酸化アルミニウム粉150g、シリカ粉6700gをおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉と酸化ネオジウム、酸化アルミニウムの混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd1.84wt%、Al1.13wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、3.3であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは3×10-6、複屈折は4nm/cmであった。また、この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.003/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドを実施例1と同様に増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。また、実施例1と同様に発振試験を行ったところ、波長1064nmにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。
(実施例6)
酸化ネオジウム粉150g、酸化アルミニウム粉400g、シリカ粉6450gをおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉と酸化ネオジウム、酸化アルミニウムの混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd1.84wt%、Al3.02wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、8.5であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは5×10-6、複屈折は7nm/cmであった。この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.0005/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドを実施例1と同様に増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。また、実施例1と同様に発振試験を行ったところ、波長1064nmにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。
(実施例7)
酸化イッテルビウム粉150g、酸化アルミニウム粉300g、シリカ粉6550gをおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉と酸化イッテルビウム、酸化アルミニウムの混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、YbおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのYb濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Yb1.88wt%、Al2.27wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[イッテルビウムモル数]を求めると、7.7であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは2×10-6、複屈折は2nm/cmであった。また、この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1080nmにおける光損失係数を測定したところ、0.001/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドを、用いるレーザーの発振波長を1080nmとする以外は実施例1と同様に増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。また、実施例1と同様に発振試験を行ったところ、波長1080mにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。
(実施例8)
酸化エルビウム粉150g、酸化アルミニウム粉300g、シリカ粉6550gをおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉と酸化エルビウム、酸化アルミニウムの混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、ErおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのEr濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Er1.87wt%、Al2.27wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[エルビウムモル数]を求めると、7.5であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは2×10-6、複屈折は2nm/cmであった。また、この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1540nmにおける光損失係数を測定したところは0.001/cm-1であり、光のロスが極めて少なかった。
この試料ロッドを、用いるレーザーの発振波長を1540nmとする以外は実施例1と同様に増幅試験を行ったところ、レーザー増幅が確認できた。また、実施例1と同様に発振試験を行ったところ、波長1540nmにてレーザー発振を達成でき、レーザー媒質用シリカガラスとして極めて好適なものであった。
(比較例1)
Ndイオン交換ゼオライトを実施例1と同様の方法で作成した。このゼオライトの組成を蛍光X線分析装置で確認したところ、Nd濃度は15wt%、Al濃度は18wt%であった。
上記方法によって得たNdイオン交換ゼオライト20gとシリカガラス粉6980gおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉とゼオライト粉の混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
均質化後のガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd0.04wt%、Al0.05wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、6.7であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.01mm2と非常に少なかった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは1×10-6、複屈折は1nm/cmであった。この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.0005/cm-1であり、吸収や散乱がきわめて少なかった。
この試料ロッドを実施例1と同様に増幅試験を行ったが、レーザー増幅が確認できなかった。また、実施例1と同様に発振試験を行ったが、レーザー発振ができず、レーザー媒質用シリカガラスとして不十分であった。
(比較例2)
Ndイオン交換ゼオライトを実施例1と同様の方法で2バッチ分作成した。このゼオライトの組成を蛍光X線分析装置で確認したところ、Nd濃度は15wt%、Al濃度は18wt%であった。
上記方法によって得たNdイオン交換ゼオライト3000gとシリカガラス粉4000gおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉とゼオライト粉の混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成したが、青白く乳濁していた。このNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd6.43wt%、Al7.71wt%であり、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]は6.4であった。
泡、光損失係数、OH基濃度、屈折率分布、複屈折は、乳濁により測定できなかった。また、増幅試験、発振試験も行えず、レーザー媒質用シリカガラスとして不十分であった。
(比較例3)
酸化ネオジウム粉150g、酸化アルミニウム粉50g、シリカ粉6800gをおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉と酸化ネオジウム、酸化アルミニウムの混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成したが、青白く乳濁していた。このNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd1.84wt%、Al0.38wt%であり、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]は1.1であった。
泡、光損失係数、OH基濃度、屈折率分布、複屈折は、乳濁により測定できなかった。また、増幅試験、発振試験も行えず、レーザー媒質用シリカガラスとして不十分であった。
(比較例4)
酸化ネオジウム粉150g、酸化アルミニウム粉550g、シリカ粉6300gをおよび直径10mmのアルミナ製ボール2000gをアルミナ製のボールミルにいれ、120rpmにて48時間ボールミルを回転させて、シリカ粉と酸化ネオジウム、酸化アルミニウムの混合粉体を得た。
この混合粉体を原料として実施例1と同様の方法で粉体成型体作成、焼成、真空溶融、均質化を行い、NdおよびAlを含むシリカガラスを作成したが、青白く乳濁していた。このNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd1.84wt%、Al4.16wt%であり、[アルミニウムモル数]/[ ネオジウムモル数]は12.1であった。
泡、光損失係数、OH基濃度、屈折率分布、複屈折は、乳濁により測定できなかった。また、増幅試験、発振試験も行えず、レーザー媒質用シリカガラスとして不十分であった。
(比較例5)
実施例1と同様にゼオライトイオン交換、混合、粉砕、粉体成型体作成、焼成、真空溶融まで行い、均質化をしていないNdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
このガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd2.14wt%、Al2.57wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、6.4であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ100cm3あたり0.2mm2であった。また、OH基濃度は1ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは2×10-5、複屈折は15nm/cmであった。この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.05/cm-1であり、光のロスが大きかった。
この試料ロッドを用いて実施例1と同様に増幅試験を行ったが、レーザー増幅が確認できなかった。また、実施例1と同様に発振試験を行ったが、レーザー発振ができず、レーザー媒質用シリカガラスとして不十分であった。
(比較例6)
Ndイオン交換ゼオライトを実施例1と同様の方法で作成した。このゼオライトの組成を蛍光X線分析装置で確認したところ、Nd濃度は15wt%、Al濃度は18wt%であった。
上記方法によって得たNdイオン交換ゼオライト1000gとシリカガラス粉6000gをV型混合器を用いて8時間混合した。得られた混合粉体を酸水素火炎中に導入して溶融堆積することにより、直径10cm長さ30cmのインゴットを得た。このインゴットを実施例1と同様に均質化してNdおよびAlを含むシリカガラスを作成した。
このガラスのNd濃度、Al濃度を蛍光X線にて調べたところ、Nd2.14wt%、Al2.57wt%であった。この結果から、[アルミニウムモル数]/[ネオジウムモル数]を求めると、6.4であった。
この石英ガラス中の泡を調べたところ、100cm3あたり0.08mm2であった。また、OH基濃度は50ppmであった。
このガラスから直径10mmの試料ロッドを切り出し、両端面を高精度研磨して長さ100mmとした。この試料ロッドの長手方向の屈折率分布Δnは6×10-6、複屈折は15nm/cmであった。この試料ロッドの両端面に反射防止膜をつけ、波長1064nmにおける光損失係数を測定したところ、0.01/cm-1であり、光のロスは少なかった。
この試料ロッドを用いて実施例1と同様に増幅試験を行ったが、レーザー増幅が確認できなかった。また、実施例1と同様に発振試験を行ったが、レーザー発振ができず、レーザー媒質用シリカガラスとして不十分であった。
本発明のレーザー増幅装置の構成の一例を示す説明図である。 本発明のレーザー発振装置の構成の一例を示す説明図である。 本発明のファイバーレーザーの構成の一例を示す説明図である。 本発明のファイバーレーザー装置の構成の一例を示す説明図である。 実施例1におけるレーザー増幅装置の構成を示す説明図である。 実施例1におけるレーザー発振装置の構成を示す説明図である。 実施例1において用いた金型の構成を示す説明図である。
符号の説明
12,22:励起用光源、14:レーザー媒質、15:試料ロッド、16:レーザー、18:パワーメーター、20:レーザー発振装置、20A:レーザー発振装置、24:レーザー媒質、26:光反射鏡、28:部分反射鏡、29:パワーメーター、30:ファイバーレーザー、32:レーザー媒質ガラス、34:シリカガラス、40:ファイバーレーザー増幅装置、42:レーザーダイオード、44:カプラー、46:入力側コネクター、48:出力側コネクター、50:金型、L:レーザー光。

Claims (5)

  1. 希土類金属元素とアルミニウムを含有し、かつ希土類金属元素濃度が0.2wt%以上5wt%以下、[アルミニウムモル数]/[希土類金属元素モル数]で表されるアルミニウムと希土類金属元素のモル比が2以上10未満であり、可視から赤外領域の吸収波長以外の波長における光損失係数が0.02/cm-1以下、100cm3あたりの泡の総断面積が0.10mm2以下、OH基濃度が20ppm以下であることを特徴とするレーザー媒質用シリカガラス。
  2. 前記希土類金属元素がNd、Yb、Er、Tm及びHoからなる群から選択される1種であることを特徴とする請求項1記載のレーザー媒質用シリカガラス。
  3. 前記希土類金属元素及びアルミニウムが、イオン交換により希土類金属元素が固定されたゼオライトを用いて導入されることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザー媒質用シリカガラス。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載のレーザー媒質用シリカガラスを用いることを特徴とするレーザー装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載のレーザー媒質用シリカガラスをコアに用いることを特徴とするファイバーレーザー装置。
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