JP2007228935A - 小動物の生態系行動範囲の確認方法と、小動物の生態系行動範囲の確認用装置 - Google Patents

小動物の生態系行動範囲の確認方法と、小動物の生態系行動範囲の確認用装置 Download PDF

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Abstract

【課題】供試個体を傷付ける森林、河川、湖畔等の様々な自然環境において、例えば、両生類、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等の小動物の行動を、小動物に傷を付けることなく長期間に渡り追跡することにより、小動物の生態系行動範囲の確認を行なうことを可能とした、小動物の生態系行動範囲の確認方法と、小動物の生態系行動範囲の確認用装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認方法は、バンド体2に小型発信機1を取り付け、当該バンド体2を小動物に装着することで、小動物の行動範囲を確認することを特徴とする。この小動物は、両生類Pである。また、バンド体2は、鹿皮を素材としてリング状に形成され、両生類Pの腰部分に装着される。一方、本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認用装置は、リング状に形成されて小動物に装着されるバンド体2に、小型発信機1を取り付けたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、森林、河川、湖畔等の様々な自然環境において、例えば、両生類、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等の小動物の行動を長期間に渡り追跡することにより、小動物の生態系行動範囲の確認を行なうことを可能とした、小動物の生態系行動範囲の確認方法と、小動物の生態系行動範囲の確認用装置に関するものである。
近年において、環境影響評価法が施行されたことにより、新たな項目として生態系の評価が求められ、生態系内の相互作用を可能な限り定量的に把握することが必要となってきている。
そして、このような生態系の全てを把握するには、時間的、経済的、技術的に限界があることから、上位性(生態系の上位に位置する性質のこと)、典型性(地域の生態系の特徴を典型的に現す性質のこと)、特殊性(特殊な環境であることを示す指標となる性質のこと)の視点から生態系の構造と機能を明らかにすることとしているが、具体的な生態系の調査、予測、評価方法は確立されていないのが実状である。
また、従来においては、小動物の生態系行動範囲の確認を行なうために、供試個体である小動物に小型発信機を装着し、当該小動物の行動を追跡するというような事例は少なかった。
加えて、小動物の行動を追跡する少ない事例においても、短期間の移動追跡を行なうことを目的とし、小動物の皮膚に小型発信機を直接縫い付けたり、また、小動物の皮膚に接着剤等で小型発信機を固定する手法が主に採用されていた。
特になし
そして、従来のように供試個体である小動物に小型発信機を装着する場合には、小動物の行動に負荷を極力かけないようにするため、小型発信機自体を可能な限り軽量化する必要があるが、小動物の行動に悪影響を与えることのない好ましい形状の小型発信機は、そもそも存在しなかった。
また、従来の小型発信機は、小動物について、極めて短期間の移動追跡を行なうことを目的としていることから、この装置をそのまま小動物に長期間装着してしまうと、小動物に大きなストレスを与え、小動物の生命を奪ってしまう可能性があった。
さらに、小動物について、長期間に渡る追跡を可能にするためには、自ずと小型発信機の付け替えが必要となるが、従来のように小型発信機を小動物の皮膚に直接縫い付けたり、また、小動物の皮膚に接着剤等で小型発信機を固定する手法においては、小動物に取り付けた小型発信機の付け替えが困難であった。
例えば、小型発信機を供試個体である小動物の皮下に挿入した場合、長期間の追跡調査を実施するために、小型発信機の交換が必要となるが、小動物の皮下に挿入した小型発信機を体内から取り出し、小動物の皮下に小型発信機を再度挿入するのは、小動物の生命を維持する点からすれば、現実的に困難である。
同様に、小型発信機を供試個体である小動物の皮膚に直接接着したときも、調査の途中段階で小型発信機に不具合が生じたり、小型発信機の寿命が尽きた場合であっても、小型発信機の取り替えが困難である。
また、従来においては、アクリル素材の細片を皮下に埋め込み、金具等で小型発信機を繋ぐタイプや、小型発信機を連結した金具を皮下に直接取り付けるタイプ等が考えられたが、両タイプの試験結果によると、皮下に挿入したアクリル素材の細片が周辺皮膚の剥皮・炎症等により脱落したり、金具が取れて皮膚が再生していたりする等の弊害が生じていた。
さらに、幅員約5mm程度の合成ゴムを用いて腰巻き状のベルトのような形状のものを作成し、接着剤等でベルトと小型発信機とを接着すると共に、ナイロンテグスで縫合し、合成ゴムベルトの接触部分で剥皮が生じ、それによる供試個体の損傷、死亡が確認された。
これは野外下における落ち葉の断片の付着や、小動物が地面や水面に隠れたり、跳躍する等の行動における微妙な動きに対して、ベルトの伸縮能力に問題が存在したからであり、これらによりベルト自体の素材の再検討が必要となった。
そこで、本発明は如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、森林、河川、湖畔等の様々な自然環境において、例えば、両生類、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等の小動物の行動を、小動物に傷を付けることなく長期間に渡り追跡することにより、小動物の生態系行動範囲の確認を行なうことを可能とした、小動物の生態系行動範囲の確認方法と、小動物の生態系行動範囲の確認用装置を提供することを目的とする。
本発明に係る生態系行動範囲確認方法にあっては、バンド体に小型発信機を取り付け、当該バンド体を小動物に装着して小動物の行動範囲を確認することで、上述した課題を解決した。
また、小動物は、両生類であることで、同じく上述した課題を解決した。
さらに、バンド体は、鹿皮を素材としてリング状に形成され、両生類の腰部分に装着されることで、同じく上述した課題を解決した。
一方、本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認用装置にあっては、リング状に形成されて小動物に装着されるバンド体に、小型発信機を取り付けたことで、同じく上述した課題を解決した。
また、バンド体は、鹿皮を素材としていることで、同じく上述した課題を解決した。
加えて、小型発信機は、長寿命性を保持することが可能な発信間隔を有する大規模集積回路を用いていることで、同じく上述した課題を解決した。
また、小型発信機は、寿命を1ヶ月半以上保持することが可能で、10秒以上の発信間隔を有することで、同じく上述した課題を解決した。
この他、バンド体は、牛皮、カンガルー皮、蛇皮等を素材としていることで、同じく上述した課題を解決した。
また、小動物は、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等のいずれかであることで、同じく上述した課題を解決した。
本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認方法は、バンド体に小型発信機を取り付け、当該バンド体を小動物に装着することにより、供試個体である小動物に傷を付けることなく、小動物に小型発信機を取り付けることができる。その結果、小動物にストレスを与えること無く小型発信機を取り付けて、小動物の生態系における行動範囲の長期間の追跡調査が可能となる。
また、小動物は、両生類であることから、当該両生類に与えるストレスを軽減して小型発信機を取り付けて、両生類の生態系における行動範囲の長期間の追跡調査が可能となる。このとき、自然環境下における実験によると少なくとも約3年程度と思われるカエル等の両生類の寿命が、小型発信機の取り付けにより極端に短くなることが無い。
さらに、バンド体は、鹿皮を素材としてリング状に形成されているので、軽くて、柔軟性・伸縮性があり、しかも、乾いたり濡れたりしてもソフトな感じを維持することができるため、従来の合成ゴムバンドで生じていた野外下における落ち葉の断片の付着を防止すると共に、地面や水面に隠れたり跳躍する等の小動物の行動における微妙な動きに対して、摩擦による小動物の皮膚の剥がれや、これに伴う小動物の致傷・死亡等を防止することができる。
また、バンド体は、リング状に形成され、両生類の腰部分に巻き付けるように装着されるので、両生類に与えるストレスを軽減して小型発信機を取り付けることができる。
一方、本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認用装置においては、リング状に形成されて小動物に装着されるバンド体に、小型発信機を取り付けたことから、バンド体を介して供試個体である小動物に傷を付けることなく小型発信機を取り付けることができる。その結果、小動物に与えるストレスを軽減して小型発信機を取り付けて、小動物の生態系における行動範囲の長期間の追跡調査が可能となる。そして、小動物に装着しているバンド体が、不意に小動物からはずれ落ちてしまう事態の発生も確実に阻止している。
また、小型発信機を交換するときは、小動物に装着しているバンド体を切断し、新しい小型発信機を取り付けてあるバンド体を小動物に再度装着すればよく、小型発信機の交換が極めて容易である。
さらに、バンド体は、鹿皮を素材としているので、小動物の皮膚との相性が良好となり、しかも、軽量で伸縮能力を維持し、耐湿性・耐乾燥性も有するので、小動物にストレスを与えること無く小型発信機を取り付けることができる。
また、小型発信機は、長寿命性を保持することが可能な発信間隔を有する大規模集積回路を用いているので、小型発信機の交換時期を可能な限り延長することができ、これによって、小動物の生態系行動範囲の追跡調査を長期間に渡り容易に行える。
加えて、小型発信機は、寿命を1ヶ月半程度保持することが可能で、10秒以上の発信間隔を有するものであるので、小動物の位置を正確に知らせると共に、小型発信機の交換時期を1ヶ月半程度まで延長することができる。その結果、小動物に与えるストレスを軽減して、小動物の生態系行動範囲の追跡調査を長期間に渡り容易に行える。
具体的には、小動物の生態系行動範囲を追跡する際に、順次新しい小型発信機に取り替えることで、長期間の追跡が可能となる。
また、バンド体は、牛皮、カンガルー皮、蛇皮等を素材としているので、供試個体である小動物に傷を付けることがなく、小動物の皮膚との相性が良好となり、しかも、軽量で伸縮能力を維持し、耐湿性・耐乾燥性を有するバンド体を提供できる。
この他、小動物は、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等のいずれかであるので、これらの爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等について、傷を付けることなく小型発信機を取り付けることができる。その結果、これらの爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等にストレスを与えること無く小型発信機を取り付けて、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等の生態系における行動範囲の長期間の追跡調査が可能となる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認方法は、バンド体2に小型発信機1を取り付け、当該バンド体2を小動物に装着することで、小動物の行動範囲を確認することを特徴としている。
また、バンド体2を装着する小動物は、主として両生類Pである。このバンド体2は、鹿皮を素材としてリング状に形成され、両生類Pの腰部分に装着されるものである。
一方、本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認用装置は、リング状に形成されて小動物に装着されるバンド体2に、小型発信機1を取り付けたことを特徴としている。
小型発信機1は、森林、河川、湖畔等の様々な自然環境において、例えば、両生類Pの存在位置を長期間に渡り知らせるものである。具体的には、小型発信機1として、ロテック(LOTEK…商標名)社製のナノタグを採用した、重量約0.8g程度の軽量性のものである。
この小型発信機1を、例えば、図1(a)(b)に示すように、リング状に形成されたバンド体2に取り付ける。
バンド体2は、なめし加工された鹿皮、牛皮、カンガルー皮、蛇皮等の生皮を、幅員5〜6cm程度の帯状に裁断し、内径約1cm程度の環状に丸めて、その端部同士を接着することで、リング状に形成してある。
尚、生皮を環状に形成するが、その大きさは内径約1cm程度に限定されることはなく、装着する小動物の大きさに合わせて、大きさの適宜変更が可能である。
このバンド体2の表面に、皮製接着剤3として、例えば、アロンアルファ(商標名)等の瞬間接着剤を塗布し、小型発信機1を固定する。また、必要に応じて、ナイロンテグスでバンド体2に小型発信機1を巻き付けて縫合するものである。
尚、鹿皮製によるバンド体2の場合には、皮製接着剤3と鹿皮との相性が良いため、ナイロンテグスは必要としない。
このロテック(LOTEK…商標名)社製の小型発信機1は、図2に示すように、寿命が、例えば、1ヶ月半程度の長寿命性を保持することが可能な、10秒以上の発信間隔を有するものである。
具体的には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)による大規模集積回路4を使用し、例えば、ボタン電池等による電源5により半永久的に発信稼働できるようにしてある。また、生態系の行動を妨げないように、小型発信機1のアンテナ6の長さを、約10cm以下にしてある。このアンテナ6が短くなることで、受信量は小さくなるが、この点については、調査員が歩いて可能な限りカバーできるようにする。
また、小型発信機1の他の具体的な構成としては、第1に複数個体の野生生物の位置を同時に特定できること、第2に位置特定精度を向上させること、第3に長期間の継続的調査を行えること等の各機能を備えた、例えば、マルチテレメトリシステムによって開発された技術を採用する。
すなわち、本システムは、小型発信機1に加えて、送信局と複数の受信局と情報制御所から構成される。このとき、送信局は、フィールド内の任意の小型発信機1毎に発信命令を送信する機能を有している。小型発信機1は、送信局から発信命令が送信された時のみ発信するインテリジェント機能を有し、発信間隔、発信スケジュール等を遠隔で制御できるものである。
そして、受信局は、小型発信機1から発信される電波を受信し、受信した電波の到来角データを、無線LANを通じて情報制御所に伝送する機能を有している。従来型の発信機は、生物に装着し、発信機が発信を始めると一定間隔で発信し続けるため、観測していたときでも電池を消耗し、発信機の寿命を短くしていたのに対し、本システムではこのような問題点が解消されている。
情報制御所は、受信局から伝送されるデータを解析し、例えば、三角法等により位置を特定して地図上に表示する。マルチテレメトリシステムにおける小型発信機1の位置特定精度の検証としては、小型発信機1を一点に固定し、小型発信機1の位置をDGPS(デイファレンシャル グローバル ポジショニング システム:1m精度で位置座標を特定可能なGPS測量)で特定する。
その後、固定した小型発信機1から電波を複数回発信させ、本システムで位置データを収集し、DGPSと本システムによる特定位置の差を検証する。
小型発信機1を固定するバンド体2は、例えば、生皮になめし加工を施すことで、防腐性・強靱性・柔軟性・伸縮性等を備えるものとなる。
そして、自然条件下における実験によると少なくとも寿命が約3年程度と考えられているモリアオガエル、アズマヒキガエル、トノサマガエル等の両生類Pには、一般的に肩部分が存在しないため、バンドとして鳥類等に用いられているランドセル背負い型の、所謂ハーネスタイプの適用が不可能となる。このため、バンド体2は、図3(a)乃至(d)に示すように、両生類Pの腰に無理なく装着できるような腰巻ベルト状に加工してある。
バンド体2の具体的なサイズとしては、例えば、鹿皮の場合、前記した両生類Pの腰幅14mm、腰厚7mmで、腰の周囲長さが約42mmとなる雌において、経験上、それより周囲長さが約2mm〜3mm程度小さい約40mm程度とし、且つ幅員を約5mm、厚みを約1mmとしたバンド体2を使用する。
一方、両生類Pの腰幅7.5mm、腰厚6.1mmで、腰の周囲長さが約27.2mmとなる雄において、経験上、それより周囲長さが約2mm程度小さい約25mm程度とし、且つ幅員を約5mm、厚みを約1mmとしたバンド体2を使用する。
尚、追跡個体を捕獲して小型発信機1を交換する際に、追跡個体の成長および体重の変化に伴って胴長が変化するので、これを再測し、それに見合った、例えば、幅員5mm、周囲長さ約26mm〜35mm程度のバンド体2を作成するものである。
次に、以上のように構成された本発明に係る小動物の生態系行動範囲の確認方法・小動物の生態系行動範囲の確認用装置において、使用・動作の一例を説明する。
先ず、図1(a)(b)に示すように、ロテック(LOTEK…商標名)社製のナノタグを採用した重量約0.8g程度の軽量性の小型発信機1を、例えば、内径1cm程度のなめし加工された鹿皮、牛皮、カンガルー皮、蛇皮等によるバンド体2の表面に、皮製接着剤3として、例えば、アロンアルファ(商標名)等を用いて固定し、必要に応じてナイロンテグスで縫合する。
そして、図3(a)に示すように、両生類Pの後肢を左手で搾るようにして引き延ばした状態で、右手でバンド体2をつまみ、両生類Pの水かきのある足部分をバンド体2の内側に入れる。
その後、図3(b)に示すように、右手で両生類Pの水かきのある足部分をつかみ、左手でバンド体2をつまみ、バンド体2を両生類Pの腰部分まで移動させる。
すると、図3(c)に示すように、バンド体2が両生類Pの腰部分において固定される。すなわち、バンド体2は、膨らんでいる両生類Pの腹部分の存在により、両生類Pの頭方向へのバンド体2の移動が阻止された状態となる。同様に、全体として両生類Pの頭方向を向くように屈曲している水かきのある足部分の存在により、両生類Pのお尻方向へのバンド体2の移動が阻止された状態となる。
このとき、図3(c)に示すように、小型発信機1のアンテナ6が、両生類Pの腰部分において、後方を向くように装着される。
そして、両生類Pは、図4に示すように、森林、河川、湖畔等の自然環境にいったん返され、小型発信機1のアンテナ6から、例えば、10秒の発信間隔で特定周波数の電波が発信されることにより、生態系行動範囲の長期間の追跡調査が行なわれる。
こうして、両生類Pの行動圏内における分布状況、例えば、両生類Pの行動域のシフト等が、当該両生類Pの寿命である約3年間に渡り、継続して調査・解析される。
また、小型発信機1を交換するときは、図3(d)に示すように、両生類Pの腰部分に装着しているバンド体2をハサミ等で切断し、両生類Pから、バンド体2と小型発信機1を一緒に取り外す。
このとき、図5(a)(b)に示すように、両生類Pの腰部分における背中側・腹側には、少し赤色となった帯状の跡が生じるものの、両生類Pの健康に影響を与えるものではない。
そして、両生類Pを捕獲して新たな小型発信機1を取り付ける際には、この両生類Pが成長し、体重が増えて胴周りの長さも変化しているので、これを再測し、それに見合った径のバンド体2を使用する。
本発明は、林、河川、湖畔等において、例えば、両生類、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等の小動物の行動を長期間に渡り追跡することにより、小動物の生態系行動範囲の確認を行なうことを可能とした、小動物の生態系行動範囲の確認方法と、小動物の生態系行動範囲の確認用装置として、様々な自然環境において広く利用されるものである。
小動物の生態系行動範囲の確認用装置の構成を示し、(a)は皮製接着剤を介してリング状のバンド体に小型発信機を固定する状態を示した分解斜視図、(b)はバンド体に小型発信機を固定した完成状態を示した斜視図である。 小型発信機の内部構造の一例を示した斜視図である。 両生類であるカエルにバンド体を装着する工程を示し、(a)はカエルの後肢を左手で搾るようにして引き延ばした状態で、右手でバンド体をつまみ、カエルの水かきのある足部分をバンド体の内側に入れる状態を示した斜視図、(b)は右手でカエルの水かきのある足部分をつかみ、左手でバンド体をつまみ、バンド体をカエルの腰部分まで移動させる状態を示した斜視図、(c)はバンド体がカエルの腰部分において固定されている使用状態を示した斜視図、(d)はカエルの腰部分に装着しているバンド体をハサミで切断し、カエルからバンド体を取り外す状態を示した斜視図である。 バンド体を介して小型発信機が取り付けられているカエルを、森林、河川、湖畔等の自然環境に返した状態を示す斜視図である。 カエルからバンド体を取り外した状態を示し、(a)はカエルの腰部分における背中側に赤色となった帯状の跡が生じている状態の斜視図、(b)はカエルの腰部分における腹側に赤色となった帯状の跡が生じている状態の斜視図である。
符号の説明
P…両生類(カエル)
1…小型発信機 2…バンド体
3…皮製接着剤 4…大規模集積回路(ASIC)
5…電源 6…アンテナ

Claims (9)

  1. バンド体に小型発信機を取り付け、当該バンド体を小動物に装着することで、小動物の行動範囲を確認することを特徴とした小動物の生態系行動範囲の確認方法。
  2. 小動物は、両生類である請求項1に記載の小動物の生態系行動範囲の確認方法。
  3. バンド体は、鹿皮を素材としてリング状に形成され、両生類の腰部分に装着される請求項1または2に記載の小動物の生態系行動範囲の確認方法。
  4. リング状に形成されて小動物に装着されるバンド体に、小型発信機を取り付けたことを特徴とする小動物の生態系行動範囲の確認用装置。
  5. バンド体は、鹿皮を素材としている請求項4に記載の小動物の生態系行動範囲の確認用装置。
  6. 小型発信機は、長寿命性を保持することが可能な発信間隔を有する大規模集積回路を用いている請求項4または5に記載の小動物の生態系行動範囲の確認用装置。
  7. 小型発信機は、寿命を1ヶ月半以上保持することが可能で、10秒以上の発信間隔を有するものである請求項6に記載の小動物の生態系行動範囲の確認用装置。
  8. バンド体は、牛皮、カンガルー皮、蛇皮等を素材としている請求項4に記載の小動物の生態系行動範囲の確認用装置。
  9. 小動物は、爬虫類、鳥類、猛禽類、魚類、小型哺乳類等のいずれかである請求項4に記載の小動物の生態系行動範囲の確認用装置。
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